JP5718279B2 - 幼児用座席装置のハンドル装置 - Google Patents
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Description
これによると、アームの回動半径が過大となってハンドルバーの周方向移動量が大きくなりすぎたり、反対にアームの回動半径が過小となってハンドルバーの周方向移動量が小さくなりすぎたりする場合があった。このような場合では、いずれもハンドルバーを位置変更させるための操作が行い難くなるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、幼児用座席装置のハンドル装置において、幼児が握れるようにするときの使用位置と幼児用座席装置を荷カゴとして使用するときの退避位置との少なくとも2位置間で、ハンドルバーを各位置の最適位置へ移動できるようにした幼児用座席装置のハンドル装置を提供することを目的とする。
即ち、本発明に係る幼児用座席装置のハンドル装置では、幼児を座らせる座席部と該座席部の少なくとも左右両側部及び前方を囲む壁部とを有する幼児用座席装置に対して前記座席部に座った幼児が握るように設けられるハンドル装置において、ハンドルバーと、このハンドルバーの両端部を支持する一対のアームと、前記幼児用座席装置における左右両側の壁部に設けられて前記一対のアームをそれぞれ前後回動自在に保持する左右一対の支点部とを有し、前記アームには、アーム長手方向に沿って前記支点部に対するアームのスライドを自在に保持させるスライドガイド部と、前記スライドガイド部の一端側に設けられて前記支点部に対するアームの前後回動を自在に保持させる被回動部と、前記スライドガイド部の他端側に設けられて前記支点部に対してアームを非回動状態に保持させる回動規制部と、が設けられており、前記支点部には、前記アームが前方及び後方へ倒されたときにのみ前記スライドガイド部に係合することにより当該スライドガイド部に沿った前後
方向のスライドを許容しつつもアームを非回動に保持させる切換カム部と、前記アームが前方及び後方へ倒されたときにのみ前記回動規制部と係合してアームを非回動にする回り止め部とが設けられていることを特徴とする。
前記一対のアームにおいて、前記回動規制部は、前記スライドガイドを介して選択使用が可能となるように当該スライドガイドに沿って複数設けられたものとすることができる。
前記一対のアームにおいて、前記回動規制部は前記ハンドルバーとの連結側とは反対側となる基端部に配置されており、前記被回動部は前記回動規制部からハンドルバーへ近接する方向へ離れて配置されたものとしてもよい。
[第1実施形態]
図2乃至図4は、本発明に係るハンドル装置1の第1実施形態を示している。この第1
実施形態のハンドル装置1は、図1に示すように、自転車の前輪上方などに装着する幼児用座席装置2に対して設けられるもので、この幼児用座席装置2の座席部3に座った幼児が必要に応じて使用できるようになっている。
ハンドルバー6は、長手方向を左右方向へ向けた棒材であって、座席部3に座る幼児にとって握りやすい太さに形成されており、幼児用座席装置2における左右の側壁部3a,3bの各上部間を架け渡されるようになっている。
本第1実施形態において、回動規制部12はアーム7の基端部7bに配置されたものとしてあり、また被回動部11は、アーム7の先端部7a(回動規制部12からハンドルバー6へ近接する方向へ向けて離れた位置)に配置されたものとしてある。
また回動規制部12についても、スライドガイド部10と連通しつつアーム7を左右方向へ貫通させた円形孔12aを有している。この他、この回動規制部12は、アーム7における左右方向の外面側において円形孔12aの周方向三方をコ字状に取り囲んだ段差状の規制リブ12bをも有している。この規制リブ12bは、アーム7において、その基端部7bが先端部7aよりも分厚くされている増し厚tで形成されたものである。
なお、回動規制部12の円形孔12aと被回動部11(円形孔)とは同じ内径(半径Rとしていずれも2R)に形成されており、スライドガイド部10は、回動規制部12の円形孔12aと被回動部11の各中心を結ぶように配置されている。また、スライドガイド部10は、回動規制部12の円形孔12aや被回動部11よりも小さな開口幅Hで形成されている。
するように設けられたハウジングベース23に対し、左右方向の外方へ突出するように円形の囲みリブ24が設けられたもので、ハウジングベース23の中心部には支軸19を刺し通すための軸孔25が形成されている。
図3に示すように、このハウジング部17には、ハウジングベース23の裏面側、すなわち、左右方向の内側を向く面に、回り止め部27が設けられている。この回り止め部27は、軸孔25を取り囲んで左右方向の内方へ向けて突出しており、ハウジングベース23の裏面側から見た外郭形状は、少なくとも上下一対の対向辺部が平行する四角形状(本第1実施形態では平行四辺形とした)を呈したものとなっている。
また、この回り止め部27がハウジングベース23の裏面側で突出する寸法hは、回動規制部12の規制リブ12bが円形孔12aの開口周部で突出する寸法(アーム7の基端部7bが先端部7aよりも分厚くなった増し厚t)と同じか又は若干小さい程度(h≦t)で形成されている。
プラグ部材30は、スリーブ部30aと、このスリーブ部30aの一端側で径方向全周に張り出して設けられたフランジ部30bと、スリーブ部30aからフランジ部30bが張り出すネック部でボス状に膨出して設けられた長円形の切換カム部30cとを有している。
10側(即ち、アーム7)を前後方向へスライドさせることができる。
コマ部材32は、プラグ部材30におけるスリーブ部30aの先端部(外周面が角軸状に形成された部分)に嵌る角孔を有したハブ部32aに対して、このハブ部32aのまわりで張り出す複数のクリック翼32b(図例では十文字配置で4枚)を有したものである。各クリック翼32bは翼面を曲げる方向で若干の可撓性を有している。
いま、図4(A)に示すように、アーム7が支点部8の後方(図4(A)の左方)へ倒されてそのアーム長手方向は略水平にされ、その結果としてハンドルバー6が使用位置に配置されているものとする。このようにハンドルバー6を使用位置へ配置することで、幼児用座席装置2の座席部3に幼児を乗せた際に、幼児がハンドルバー6を握り易い状態となる(この状態のハンドルバー6は図1に二点鎖線で示した配置である)。
すなわち、回動規制部12の円形孔12a内で切換カム部30cが縦方向を向いているので、アーム7は、スライドガイド部10が切換カム部30cを通過できず(アーム7は前方へ向けてスライド不能である)、従ってハンドルバー6が後方の使用位置で停止した状態を維持する。
ム7は支点部8に対して回転不能とされている。これらのことから、ハンドルバー6は使用位置で固定されている。
幼児用座席装置2から幼児を降ろした後、この幼児用座席装置2を荷カゴとして使用するには、次のようにする。
そこで、前記のようにして支点部8の前方へとスライドさせたアーム7を、次に図4(C)〜(D)に示すように回転(反転)させる。これによって、アーム7はハンドルバー6が支点部8の前方へ移動した状態での後方側への倒れ姿勢(アーム長手方向を略水平にした状態)となる。
アーム7を回転(反転)させたときも、プラグ部材30の切換カム部30cはアーム7の被回動部11(円形孔)内で横向きになっているので、この切換カム部30cに対して、被回動部11からスライドガイド部10、更には回動規制部12の円形孔12aを通過させるようにして、アーム7を略水平状態のままで前方(図4(D)の右方)へスライドさせる。
前方の退避位置で停止した状態を維持するものとなる。
加えて、この状態下においてアーム7は、回動規制部12の規制リブ12bが支点部8のハウジング部17に設けられた回り止め部27(図3参照)に嵌っているので、アーム7は支点部8に対して回転不能とされている。これらのことから、ハンドルバー6は退避位置で固定されている。
なお、ハンドルバー6の使用位置や退避位置が支点部8から遠ざかっていても、アーム7の回転操作は、ハンドルバー6を支点部8にある程度、近接させた状態で(アーム7の回転半径を許容範囲で短くして)行うようにしてあるので、操作性が極端に低下するおそれはないものである。従って、本第1実施形態は、アーム7の回動半径が過大となることを原因としてハンドルバー6の移動量が大きくなりすぎるおそれがある場合に、好適に採用できる。
[第2実施形態]
図5は、本発明に係るハンドル装置1の第2実施形態を示している。この第2実施形態のハンドル装置1が、前記した第1実施形態のハンドル装置1(図2乃至図4参照)と最も異なるところは、アーム7の先端部7a及び基端部7bに対して、被回動部11と回動規制部12との配置が逆になっている点にある。
すなわち、まず、ハンドルバー6の使用位置は、図5(A)に示すように、アーム7の先端部7aが支点部8に接近された配置となっている(第1実施形態では先端部7aが支点部8から遠い配置となっている)。
前記のようにハンドルバー6の使用位置や退避位置はそれぞれ支点部8に近接しているが、本第2実施形態は、幼児用座席装置2としてのサイズや形状に起因する要請でこのような配置が必要となる場合に適用すればよいものである。
[第3実施形態]
図6は、本発明に係るハンドル装置1の第3実施形態を示している。この第3実施形態のハンドル装置1では、前記した第1実施形態のハンドル装置1(図2乃至図4参照)と基本的に同じであり、アーム7において、回動規制部12はハンドルバー6との連結側(先端部7a)とは反対側となる基端部7bに配置されており、被回動部11は回動規制部12からハンドルバー6へ近接する方向へ離れて配置されている。
スライドガイド部10の中途部に設けられた回動規制部43は、円形孔43aと、この円形孔43aの周方向二方を挟む段差状の規制リブ43bとを有している。規制リブ43bは、スライドガイド部10の端部に設けられた回動規制部12の規制リブ12bのうち、円形孔12aの周方向二方を挟む規制リブ12bを被回動部11へ向けて延長させることで形成してある。
このようなことから、図6(A)や(B)に示すように、幼児用座席装置2として使用するうえでハンドルバー6を使用位置に配置するに際しては、支点部8のハウジング部17に貫通保持されているプラグ部材30(切換カム部30c)やハウジング部17に設けられた回り止め部27に対して、いずれの回動規制部12,43を合致させるようにしてもよいことになる。
一方で、スライドガイド部10の中途部に設けられた回動規制部43を選択してアーム7のスライド位置を固定すれば、図6(B)に示すように、ハンドルバー6をやや前方へ配置でき、それだけ幼児用座席装置2の座席部3から少しだけ遠ざけることができる。
なお、言うまでもなく、スライドガイド部10の中途部に設ける回動規制部43の個数は、特に限定されるものではなく、2個以上としてもよい。また、必要に応じてアーム7の長さやスライドガイド部10の長さを延長させることで、回動規制部43の増加に対応させるようにしてもよい。
[第4実施形態]
図7乃至図9は、本発明に係るハンドル装置1の第4実施形態を示している。この第4実施形態のハンドル装置1は、前記した第2実施形態のハンドル装置1(図5参照)を基礎として更に発展させたものである。
図7に示すように、先方アーム7Xと根本アーム7Yとは、それらのアーム長手方向に沿って互いに伸縮自在に連結されている。本第4実施形態では、先方アーム7Xが一対のレール部材45を対向配置させた構造とされ、根本アーム7Yが、先方アーム7Xのレール間に差し込まれる板状に形成されたものとすることで、互いの伸縮を可能にしている。但し、根本アーム7Yが一対のレール部材45を対向配置させた構造とされ、先方アーム7Xが、根本アーム7Yのレール間に差し込まれる板状に形成されたものとすることも可能である。
先方アーム7Xには、その先端部7a寄りに、円形孔12aと規制リブ12bとを有した回動規制部12が設けられている。また、根本アーム7Yには、その基端部7b寄りに、円形孔を有した被回動部11が設けられている。これら、回動規制部12や被回動部11については、第2実施形態などと同じである。
第2回動規制部50は、回動規制部12の円形孔12aと同径の円形孔50aと、回動規制部12の規制リブ12bのうち、円形孔12aの周方向二方を挟む規制リブ12bを延長させることで形成した第2規制リブ50bとを有している。
本第4実施形態においては、先方アーム7Xにおける回動規制部12と第2回動規制部50との孔ピッチと、根本アーム7Yにおける被回動部11と第2被回動部51との孔ピッチとを、同じとしている。但し、これらの孔ピッチは異なるものとしてもよい。
すなわち、図8(A)に示すように、支点部8のハウジング部17に貫通保持されているプラグ部材30(図示略)やハウジング部17に設けられた回り止め部27(以下単に「回り止め部27等」と言う)に対して、根本アーム7Yの被回動部11のみを合致させて、アーム7の全体を支点部8の後方(図8(A)の左方)へ倒し、そのアーム長手方向を略水平にしたとする。
このときのアーム7のスライドにより、回り止め部27等には、第2被回動部51と一緒に先方アーム7Xの第2回動規制部50(円形孔50a)が合致するようになる。第2回動規制部50は第2規制リブ50bを有しているため、この第2規制リブ50bが回り止め部27と係合することになり、結果としてアーム7が全体として、支点部8に対して回転不能の状態とされる。
アーム7が前方だけでなく後方へもスライド不能となり、従ってハンドルバー6が前方の使用位置で停止した状態を維持するものとなる。
先方アーム7Xは、第2回動規制部50とは別に回動規制部12を具備しているので、図8(C)に示すように、この回動規制部12を回り止め部27等に合致させるように、先方側スライドガイド部10Xに沿わせつつ前方へスライドさせることができる。当然に、回動規制部12は規制リブ12bを有しているため、この規制リブ12bが回り止め部27と係合すればアーム7は支点部8に対して回転不能の状態を維持する。
加えて、アーム7は、先方アーム7Xと根本アーム7Yとが伸縮自在に連結されたものであるので、図8(C)に示すように、先方アーム7Xを前方へスライドさせたとき(ハンドルバー6をやや前方へ配置させたとき)には、先方アーム7Xと根本アーム7Yとの連結長さを収縮させることができる。従って、ハンドルバー6の前方移動をしてもアーム7の基端部7bが前方へ突出することがない、という利点が得られる。
一方で、本第4実施形態においては、図9(A)〜(D)に示すように、ハンドルバー6を退避位置とさせる場合も、既に説明した使用位置にする場合と略同様の使い分けができるものである(その詳細については省略する)。
ところで、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
2 幼児用座席装置
3 座席部
3a 左側壁部
3b 右側壁部
3c 前壁部
3d 足置き床
3e ヘッドレスト部材
3f 背面壁部
6 ハンドルバー
7 アーム
7X 先方アーム
7Y 根本アーム
7a 先端部
7b 基端部
8 支点部
10 スライドガイド部
10X 先方側スライドガイド
10Y 根本側スライドガイド
11 被回動部
12 回動規制部
12a 円形孔
12b 規制リブ
17 ハウジング部
18 位置変更手段
19 支軸
23 ハウジングベース
24 囲みリブ
25 軸孔
27 回り止め部
30 プラグ部材
30a スリーブ部
30b フランジ部
30c 切換カム部
31 摘み部材
32 コマ部材
32a ハブ部
32b クリック翼
35 位置決め突起
36 差込孔
37 収納凹部
38 突起
39 凹部
40 確認窓
43 回動規制部
43a 円形孔
43b 規制リブ
45 レール部材
46 長孔
47 ネジピン
48 ネジ孔
50 回動規制部
50a 円形孔
50b 規制リブ
51 被回動部
Claims (6)
- 幼児を座らせる座席部と該座席部の少なくとも左右両側部及び前方を囲む壁部とを有する幼児用座席装置に対して前記座席部に座った幼児が握るように設けられるハンドル装置において、
ハンドルバーと、このハンドルバーの両端部を支持する一対のアームと、前記幼児用座席装置における左右両側の壁部に設けられて前記一対のアームをそれぞれ前後回動自在に保持する左右一対の支点部とを有し、
前記アームには、
アーム長手方向に沿って前記支点部に対するアームのスライドを自在に保持させるスライドガイド部と、
前記スライドガイド部の一端側に設けられて前記支点部に対するアームの前後回動を自在に保持させる被回動部と、
前記スライドガイド部の他端側に設けられて前記支点部に対してアームを非回動状態に保持させる回動規制部と、が設けられており、
前記支点部には、
前記アームが前方及び後方へ倒されたときにのみ前記スライドガイド部に係合することにより当該スライドガイド部に沿った前後方向のスライドを許容しつつもアームを非回動に保持させる切換カム部と、
前記アームが前方及び後方へ倒されたときにのみ前記回動規制部と係合してアームを非回動にする回り止め部と、が設けられている
ことを特徴とする幼児用座席装置のハンドル装置。 - 前記切換カム部は、前記被回動部及び前記回動規制部と合致したときに前記スライドガイド部を通過させる状態と非通過とする状態とに回動可能とされていることを特徴とする請求項1記載の幼児用座席装置のハンドル装置。
- 前記一対のアームにおいて、前記回動規制部は、前記スライドガイドを介して選択使用が可能となるように当該スライドガイドに沿って複数設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の幼児用座席装置のハンドル装置。
- 前記一対のアームにおいて、前記被回動部は前記ハンドルバーとの連結側とは反対側となる基端部に配置されており、前記回動規制部は前記被回動部からハンドルバーへ近接する方向へ離れて配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の幼児用座席装置のハンドル装置。 - 前記一対のアームにおいて、前記回動規制部は前記ハンドルバーとの連結側とは反対側となる基端部に配置されており、前記被回動部は前記回動規制部からハンドルバーへ近接する方向へ離れて配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の幼児用座席装置のハンドル装置。 - 前記一対のアームは、前記ハンドルバーを支持する先方アームとこの先方アームに対してアーム長手方向に沿って伸縮自在に連結された根本アームとを有していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の幼児用座席装置のハンドル装置。
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