JP6334307B2 - 車両用シート - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートに係り、特に、シートの状態を調整するためのシート調整装置を備えた車両用シートに関する。
従来、シート本体の着座部となるシートクッションを車体フロア側に対して昇降可能に連結するハイト装置を備えた車両用シートが広く知られている。
ハイト装置は、一般に、シートクッションと車体フロアとの間に取り付けられ、シート前方側にある一対のフロントリンクと、シート後方側にある一対のリアリンクとを備えており、リアリンクの一方が駆動リンクとなってシート本体の高さを調整可能な構成となっている。
そして、駆動リンクのシート幅方向の外側には、ハイト装置の駆動を操作する操作レバーが取り付けられており、駆動リンクと操作レバーとの間には、ハイト装置の駆動を規制するブレーキユニットが設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の車両用シートは、シートクッションと、ハイト装置に相当するリフター装置と、シートクッション及びリフター装置をシート幅方向外側から保護する樹脂製のガーニッシュと、を主に備えている。
そして、リフター装置の操作レバーとブレーキユニットとは、シート前後方向において離れた位置に配置されており、操作レバーからブレーキユニットへの動力伝達手段が平行四節リンク機構で構成されている。
上記構成により、乗員による操作レバーの操作性が向上すると共に、操作レバーの配置自由度が増すために操作レバーやハイト装置の共用化がし易くなっている。
特開2009−12548号公報
ところで、ハイト装置を備えた車両用シートでは、シートクッション及びハイト装置をシート幅方向外側から保護するために、一般に樹脂製のサイドカバーがシートクッションの外側面に取り付けられている。
サイドカバーは、シート前後方向に長尺な部材からなり、安定して取り付けるためには複数の取り付け用の部材が必要とされている。
特に、特許文献1のような車両用シートでは、操作レバーとブレーキユニットが離れた位置に配置されており、これらハイト装置の構成部品を覆うサイドカバーの形状も複雑となるため、さらに複数の取り付け用の部材が必要とされていた。
そこで、シート本体及びハイト装置(シート調整装置)を外側から保護するサイドカバーを安定して取り付けながらも、部品点数を抑える工夫が望まれていた。
また、ハイト装置を備えた車両用シートでは、シート本体にサイドカバーを組み付けるときに、各構成部品の寸法公差や、組み付け公差等の影響によっては、サイドカバーにガタツキや位置ズレが生じる恐れがあるため、シートの外観に影響を与える恐れがあった。
そこで、シート本体を外側から保護するサイドカバーのガタツキや位置ズレを抑制することで、シート全体の意匠性を確保する技術が望まれていた。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、シートの状態を調整するためシート調整装置を備え、シート本体及びシート調整装置を外側から保護するサイドカバーを安定して取り付けながらも、構成部品数を抑えることが可能な車両用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、サイドカバーを含むシート全体の意匠性を確保した車両用シートを提供することにある。
前記課題は、本発明の車両用シートによれば、着座部の骨格となるクッションフレームと、該クッションフレームの状態を調整するためのシート調整装置と、前記クッションフレーム及び前記シート調整装置をシート幅方向の外側から覆うサイドカバーと、を備えた車両用シートであって、前記シート調整装置は、前記クッションフレームのシート幅方向の側面から外側に突出するように設けられた支持軸と、該支持軸を介して回動可能となるように取り付けられ、前記クッションフレームの状態を調整動作させる操作レバーと、を備え、前記支持軸は、前記サイドカバーの側面に設けられた軸穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されており、前記サイドカバーにおいて前記軸穴が形成された周辺部分は、シート幅方向に窪んだ凹部となっており、前記シート調整装置は、前記クッションフレームよりもシート幅方向外側に配設されており、前記軸穴の近傍には、シート幅方向において前記シート調整装置を露出可能な貫通孔が備えられていること、により解決される。
上記のように、シート調整装置の操作レバーを支持する支持軸を利用して、当該支持軸が、クッションフレームをシート幅方向の外側から覆うサイドカバーを支持しているため、サイドカバーを安定して取り付けながらも、取り付け用の部材点数を抑えることが可能な車両用シートを提供することができる。
また、シート本体の外側に露出するサイドカバーが支持軸によって支持されることで、サイドカバーのガタツキや位置ズレを抑制でき、サイドカバーを含むシート全体の意匠性を確保できる。
また、上記構成により、サイドカバーにおいて剛性が高くなった凹部部分が支持軸によって支持されているため、サイドカバーを一層安定して取り付けることができる。
また、前記課題は、本発明の車両用シートによれば、着座部の骨格となるクッションフレームと、該クッションフレームの状態を調整するためのシート調整装置と、前記クッションフレーム及び前記シート調整装置をシート幅方向の外側から覆うサイドカバーと、を備えた車両用シートであって、前記シート調整装置は、前記クッションフレームのシート幅方向の側面から外側に突出するように設けられた支持軸と、該支持軸を介して回動可能となるように取り付けられ、前記クッションフレームの状態を調整動作させる操作レバーと、を備え、前記支持軸は、前記サイドカバーの側面に設けられた軸穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されており、前記サイドカバーにおいて前記軸穴が形成された周辺部分は、シート幅方向に窪んだ凹部となっており、前記シート調整装置は、前記操作レバーを位置決めするための位置決め部材を有し、前記凹部において、前記サイドカバーが、前記支持軸を備える前記シート調整装置のレバー側プレートと前記位置決め部材との間に配置されること、により解決される。
上記構成により、サイドカバーがシート幅方向においてシート調整装置のレバー側プレート位置決め部材とで挟まれて支持されているため、サイドカバーを一層安定して取り付けることができる。
また、サイドカバーの凹部に位置決め部材が収容されているため、シート幅方向において車両用シートのコンパクト化を図ることができる。
更に、前記シート調整装置は、前記支持軸を軸通するレバー側プレートと、前記クッションフレームの状態調整の動作を規制するブレーキユニットと、前記レバー側プレートと前記ブレーキユニットと、を連結する連結リンクを備え、前記貫通孔は、シート幅方向外側から見て前記連結リンクを露出可能に開口されていると良い。
更に、前記貫通孔は、シート幅方向外側から見て前記連結リンクと前記レバー側プレートとの連結部分を露出可能に開口されていると良い。
更に、前記凹部と前記貫通孔とは、前記軸穴を挟んで互いに上下に並んで配置されていると良い。
このとき、前記位置決め部材の側面には、前記軸穴と同軸上において貫通した支持穴が形成され、前記支持軸が、前記軸穴及び前記支持穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されていると良い。
上記構成により、支持軸及び位置決め部材によるサイドカバーに対する支持剛性が高まるため、サイドカバーを一層安定して取り付けることができる。
このとき、前記凹部には、前記位置決め部材の位置を規制する位置規制部が形成されていると良い。
上記構成により、位置決め部材が位置規制部によって位置規制されるため、位置決め部材のサイドカバーに対する支持剛性が一層高まる。
このとき、前記位置規制部は、前記凹部において前記位置決め部材側に突出し、該位置決め部材を挟むように設けられた位置規制リブであると良い。
上記構成により、位置決め部材が位置規制リブによって挟まれて配置されているため、位置規制リブのサイドカバーに対する支持剛性が一層高まる。
そして、サイドカバーにおいて、位置規制リブが形成されて剛性が高くなった凹部部分が支持軸によって支持されているため、サイドカバーを一層安定して取り付けられる。
発明によれば、サイドカバーを安定して取り付けながらも、取り付け用の部材点数を抑えることが可能な車両用シートを提供できる。
また、サイドカバーのガタツキや位置ズレを抑制することができ、サイドカバーを含むシート全体の意匠性を確保できる。
発明によれば、サイドカバーを一層安定して取り付けることができる。また、シート幅方向において車両用シートのコンパクト化を図ることができる。
発明によれば、サイドカバーに対する支持部材の支持剛性が一層高まる。
発明によれば、位置規制部(位置規制リブ)によって、支持部材のサイドカバーに対する支持剛性が一層高まる。
そして、位置規制リブによって、サイドカバーを一層安定して取り付けられる。
本実施形態に係る車両用シートの外観斜視図である。 図1の要部拡大図であって、ハイト装置周辺の分解斜視図である。 ハイト装置の構成部品となる四節リンク機構の分解斜視図である。 図4(a)は、ハイト装置の操作レバーの斜視図であって、図4(b)は、操作レバーを別の角度から見た斜視図である。 操作レバーの位置決め部材に対する回動動作を説明する図であって、位置決め部材周辺の縦断面をシート幅方向外側から見た図である。 第2実施形態に係る図5の説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る車両用シートについて、図1〜図6を参照しながら説明する。
本実施形態は、ハイト装置の操作レバーとブレーキユニットとが離れた位置に配置される車両用シートであって、操作レバーを支持するレバー支持軸を利用して、レバー支持軸が、サイドカバーの側面に設けられた軸穴を貫通した状態で、サイドカバーを支持するように配置されていることを特徴とする車両用シートの発明に関するものである。
ハイト装置は、特許請求の範囲においてシート調整装置に相当し、位置決め部材は、支持部材に相当する。
なお、車両用シートのシートバックに対して着座者が着座する側が前方側となる。
本実施形態の車両用シートSは、図1に示すように、背もたれ部となるシートバック1と、着座部となるシートクッション2と、シートクッション2に対してシートバック1を回動可能に連結するリクライニング装置3と、シートバック1及びシートクッション2を含むシート本体を車体フロアに対して前後移動可能に支持するレール装置4と、シート本体を車体フロアに対して昇降可能に連結するハイト装置10と、から主に構成されている。
また、シートクッション2のシート幅方向の外側には、リクライニング装置3、レール装置4及びハイト装置10を外側から保護するサイドカバー40が取り付けられている。
シートバック1は、図1に示すように、骨格となる不図示のバックフレームにクッションパッド1bを載置して表皮材1cで被覆されて構成されている。
シートクッション2は、骨格となる図2に示すクッションフレーム2aにクッションパッド2bを載置して表皮材2cで被覆されて構成されている。
リクライニング装置3は、シートバック1の回動動作をロックするロック状態と、ロック解除状態との間で切り替え可能であって、シートバック1を起立姿勢でロックした状態から、操作ハンドル3aが操作されることでロック状態を解除し、シートバック1の起立姿勢が調整される公知な装置である。
操作ハンドル3aは、図1に示すように、サイドカバー40の外表面に形成された不図示の貫通穴から突出して外部に露出している。
レール装置4は、図2に示すように、車体フロアに固定され、シート前後方向に延びる左右のロアレール4aと、ロアレール4aに沿って摺動可能に支持される左右のアッパレール4bと、から構成される公知な装置である。
左右のアッパレール4bの上面には、ハイト装置10を介してクッションフレーム2aが架設されている。
ハイト装置10は、図2に示すように、クッションフレーム2aとレール装置4との間に取り付けられ、シート前方側に配置される一対のフロントリンク11と、シート後方側に配置される不図示の一対のリアリンクとを備えており、リアリンクが駆動リンクとなってシート本体の高さを調整可能なハイトリンク装置である。
なお、駆動リンクのうち、クッションフレーム2a側の連結部分において、その外周部分の一部には、歯車として不図示のセクターギア部が形成されており、後述のブレーキユニット20の左右内側に設けられた不図示のピニオンギアと噛み合わされている。
また、ハイト装置10は、図2、図3に示すように、クッションフレーム2aのシート幅方向の側面から外側に突出するレバー支持軸12及びブレーキ回動軸14と、レバー支持軸12を介して回動可能に取り付けられ、クッションフレーム2aを昇降動作させる操作レバー30と、ブレーキ回動軸14を介して回動可能に取り付けられ、クッションフレーム2aの昇降動作を規制するブレーキユニット20と、を主に備えている。
レバー支持軸12は、クッションフレーム2aのシート幅方向の外側面に略コ字形状の取り付けブラケット13を介して取り付けられ、シート幅方向の外側に突出してサイドカバー40を支持した状態で貫通し、操作レバー30と連結されている。
なお、レバー支持軸12の先端部分は段差形状となっており、段差面12aがサイドカバー40の内側面に突き当たるように配置されている。
ブレーキ回動軸14は、クッションフレーム2aのシート幅方向の側面を貫通するように取り付けられており、シート幅方向の外側に突出した部分にはブレーキユニット20が取り付けられ、シート幅方向の内側に突出した部分には不図示のピニオンギアを介して駆動リンクが連結されている。
レバー支持軸12とブレーキ回動軸14とは、図2、図3に示すように、シート前後方向において異なる位置に配置されており、互いに四節リンク機構で連結されている。
四節リンク機構について説明すると、レバー支持軸12を軸通するレバー側プレート15と、ブレーキ回動軸14を軸通するブレーキ側プレート16とが、シート前後方向に延びる連結リンク17によって互いに回動可能となるように連結されている。
レバー側プレート15は、図3に示すように、レバー支持軸12を中心として回動可能なプレートからなり、レバー支持軸12よりも上方の外縁部分には、切り欠かれて形成された一対の回動規制部15a,15bが設けられている。レバー支持軸12よりも下方部分には、リンク連結軸18が軸通されている。
ブレーキ側プレート16は、ブレーキ回動軸14を中心として回動可能なプレートからなり、ブレーキ回動軸14の周辺部分がブレーキユニット20の外側面にボルト締結又は溶接されている。ブレーキ回動軸14よりも下方部分には、リンク連結軸19が軸通されている。
連結リンク17は、シート前後方向に長尺なプレートからなり、その前方部分がリンク連結軸18を介してレバー側プレート15に連結されており、その後方部分がリンク連結軸19を介してブレーキ側プレート16に連結されている。
なお、連結リンク17のうち、リンク連結軸18周辺の上端部分には、連結リンク17の動作時にレバー支持軸12及び位置決め部材50との干渉を抑制するための逃げ部17aが形成されている。
リンク連結軸18は、図2に示すように、シート幅方向の外側に突出してサイドカバー40を貫通し、操作レバー30と嵌合している。
上記構成において、レバー側プレート15がレバー支持軸12を中心として図2、図3に示す中間位置からシート前方側に所定位置まで回転したとき、回動規制部15aが取り付けブラケット13の外側面から張り出した当接部13aに当接する。
同様に、レバー側プレート15が中間位置からシート後方側に所定位置まで回転したとき、回動規制部15bが取り付けブラケット13の当接部13aに当接する。
また上記構成において、レバー側プレート15の上記回転動作に伴って、ブレーキ側プレート16が連結リンク17を介して回転動作する。
ブレーキ側プレート16は、ブレーキ回動軸14を中心としてブレーキ回動軸14及びブレーキユニット20と共に回転動作し、ブレーキ回動軸14及び不図示のピニオンギアを介して駆動リンクに回転動力を伝達させる。
ブレーキユニット20は、シート本体の昇降動作に対して抵抗力を与える公知な構造からなり、図2、図3に示すように、クッションフレーム2aのシート幅方向の外側面に取り付けられている。
ブレーキユニット20は、ブレーキ回動軸14を中心としてブレーキ回動軸14及びブレーキ側プレート16と共に回転動作する略円柱形状のブレーキ本体21と、ブレーキ本体21とクッションフレーム2aとを連結する取り付けプレート22と、から主に構成されている。
ブレーキユニット20は、シート幅方向においてサイドカバー40を挟むようにしてリクライニング装置3の操作ハンドル3aと重なる位置に配置されている。また、シート幅方向においてクッションフレーム2aを挟むようにして不図示のピニオンギア及び駆動リンクと重なる位置に配置されている。
ブレーキユニット20と操作レバー30とは、シート前後方向において離れた位置に配置されており、操作レバー30とリクライニング装置3の操作ハンドル3aとが互いに干渉することを抑制している。そのため、ハイト装置10及びリクライニング装置3の組み付け性が向上し、互いに配置自由度が高くなっている。
操作レバー30は、乗員がハイト装置10を操作するために把持する部分であって、図2に示すように、サイドカバー40よりもシート幅方向の外側に張り出すように取り付けられている。
操作レバー30は、図2、図4に示すように、シート前後方向に長尺な縦断面逆L字形状体からなり、全体として略均一な肉厚となるように樹脂成形されている。
操作レバー30は、シート幅方向外側に向かって部分的に突出する形状となっており、その突出した前方部分が、乗員にとって把持可能な把持部31となっている。
また、操作レバー30の後方部分には、シート幅方向に貫通した略円形状の軸穴32が形成されており、レバー支持軸12を挿通させる穴となっている。
操作レバー30のシート幅方向の内側面において軸穴32の周辺部分には、サイドカバー40側に突出した凸形状の係合突起33と、サイドカバー40側とは反対側に窪んだ嵌合凹部34と、サイドカバー40側に突出した嵌合凸部35と、が形成されている。
係合突起33と、嵌合凹部34及び嵌合凸部35とは、軸穴32を挟んで互いに反対側に配置されており、係合突起33は、後述の位置決め部材50に設けられた係合穴52と係合し、嵌合凹部34及び嵌合凸部35はリンク連結軸18と嵌合している。
なお、嵌合凹部34及び嵌合凸部35と、リンク連結軸18とが嵌合している部分は、レバー支持軸12よりも下方位置に配置されている。
嵌合凸部35は、図4、図5に示すように、略U字形状の凸部からなり、レバー支持軸12側とは反対側に開口部分を有するように形成されている。
嵌合凸部35は、シート幅方向の内側に突出してサイドカバー40を貫通し、リンク連結軸18と嵌合し、連結リンク17の外側面に当接するように設けられている。
上記構成において、操作レバー30は、図5(a)に示すように、係合突起33と係合穴52とが係合した状態で、クッションフレーム2a及びレバー支持軸12に対して回動動作する。
このとき、嵌合凹部34とリンク連結軸18とが嵌合することで、操作レバー30がレバー支持軸12を中心として回動動作すると、レバー側プレート15が連動動作する。
その結果、乗員による操作レバー30の回動動作が、平行四節リンク機構を介してブレーキユニット20、ブレーキ回動軸14及び駆動リンクへと動力伝達され、シート本体を昇降させることができる。
また上記構成において、図5(a)に示すように、リンク連結軸18と、略U字形状の嵌合凸部35とが嵌合したときに若干の隙間部が形成されるように構成されている。
そのため、リンク機構の寸法誤差、組み付け公差等が生じたときにも当該隙間部によって吸収することができる。
また上記構成において、嵌合凸部35は、リンク連結軸18の延出方向に沿って延びており、リンク連結軸18を外側から囲むようにして嵌合している。
そのため、嵌合凸部35は、リンク連結軸18の延出端部だけでなく末端部分まで延びて嵌合しており、リンク連結軸18に対する支持剛性が向上している。
サイドカバー40は、図2に示すように、シートクッション2及びハイト装置10をシート幅方向の外側から覆う樹脂製のプレートからなり、シート前後方向の中央部分には、クッションフレーム2a側からシート幅方向外側に突出するレバー支持軸12を挿通させるための略円形状の軸穴41が形成されている。
サイドカバー40のシート幅方向の外側面において軸穴41の周辺部分には、内側面側に窪んだ略半円形状の収容凹部42と、略半円形状に貫通した貫通穴43とが異なる位置に形成されている。
収容凹部42と貫通穴43とは軸穴41を挟んで互いに上下反対側に配置されている。
収容凹部42には、操作レバー30を位置決めするための位置決め部材50が収容されており、収容凹部42の外表面には、位置決め部材50側に突出する一対の位置規制リブ44aが形成されている。
詳しく言うと、位置規制リブ44は、軸穴41を中心とした同一円周方向において位置決め部材50を挟む位置に配置されており、位置決め部材50を支持している。
貫通穴43は、リンク連結軸18を挿通させるための穴であって、操作レバー30のレバー支持軸12を中心とした回動動作に対応してリンク連結軸18が回動動作できるように、比較的大きな略半円形状の穴となっている。
上記構成により、位置決め部材50と、操作レバー30においてブレーキユニット20が対応して動作するように連結された部分とが、レバー支持軸12を挟んで上下反対側に配置されることになる。
そのため、操作レバー30の周辺部分において車両用シートSの構成部品同士の干渉を抑制できる。
なお、サイドカバー40の外側面において収容凹部42の周辺部分には、操作レバー30側に突出し、操作レバー30の内側面に当接可能な当接リブ45が形成されている。
当接リブ45は、軸穴41を中心とした同一円周方向に延びており、所定の間隔を空けて2つ配置されている。
このように、乗員が操作レバー30を操作するときに、操作レバー30がサイドカバー40のうち、当接リブ45に優先的に当接して摺動する構造となっているため、操作レバー30のガタツキや位置ズレを抑制できる。
また、操作レバー30とサイドカバー40とが当接する部分は、乗員から見て視認し難い箇所であるため、例えキズや変形が生じたとしてもシートの意匠性に与える影響は小さくなる。
位置決め部材50は、図2に示すように、略扇形形状の樹脂製プレートからなり、詳しく言うと、弾性変形可能な樹脂材料であって、シートが使用可能な状態のときに熱変形しにくい材料から形成されている。
位置決め部材50は、シート幅方向においてサイドカバー40と操作レバー30との間に配置されており、具体的には、サイドカバー40の収容凹部42に支持された状態で収容され、操作レバー30と同軸上に取り付けられている。
また、位置決め部材50は、シート幅方向においてサイドカバー40をレバー支持軸12とで挟む位置に配置されている。
位置決め部材50のシート幅方向の側面には、操作レバー30の軸穴32と同軸上において貫通した略円形状の支持穴51と、支持穴51を中心とした同一円周上に沿って延びている係合穴52とが形成されている。
支持穴51は、操作レバー30の軸穴32、及びサイドカバー40の軸穴41とそれぞれ連通した状態でレバー支持軸12によって支持されている。
支持穴51の外周部分には、シート幅方向内側に突出する略リング形状の突出部51aが形成されており、突出部51aがサイドカバー40の軸穴41内部に嵌め込まれている。
そのため、サイドカバー40と位置決め部材50との連結剛性が高まっている。特に、レバー支持軸12によって安定して支持されるために、軸穴41及び支持穴51の周辺部分において剛性が高まっている。
係合穴52は、図2、図5(a)に示すように、操作レバー30の係合突起33と係合し、操作レバー30の回動動作に対応して係合突起33が係合穴52の内部を自由に移動できるように形成されている。
詳しく言うと、係合穴52と係合突起33とは部分的に当接した状態で設けられ、係合突起33が係合穴52を弾性変形させながら、係合穴52の内部を回動動作するように配置されている。
係合穴52の周辺部分には、図5(a)に示すように、レバー支持軸12を中心とした径方向において係合突起33よりも幅狭となるように設けられた段差部53が形成されている。
段差部53は、係合穴52の延出方向の中央部周辺に各々設けられ、当該延出方向において異なる位置に配置されている第1段差部53aと、第2段差部53bとから構成されている。
第1段差部53a、第2段差部53bは、係合穴52の外周部分、言い換えれば、位置決め部材50の外周部分がレバー支持軸12側に部分的に窪むようにして形成されている。
上記構成において、図5(a)に示すように、操作レバー30が回動範囲の中間位置に位置するときに、操作レバー30の係合突起33が、位置決め部材50の係合穴52にある第1段差部53aと第2段差部53bとの間に挟まれた状態となる。そのため、操作レバー30が基準位置となる中間位置において安定して支持される。
また上記構成において、一般にシート本体は、ハイト装置10の操作レバー30を回動範囲の上端位置に移動させたときに上昇動作し、回動範囲の下端位置に移動させたときに下降動作するものである。
そのため、操作レバー30を図5(a)に示す回動範囲の中間位置から、図5(b)に示す一端位置又は図5(c)に示す他端位置に移動させるときに、係合突起33が係合穴52の第1段差部53a又は第2段差部53bに当接することでクリック感が生じ、乗員の操作フィーリングが向上する。
なお、操作レバー30が図5(b)の一端位置又は図5(c)の他端位置に移動したときに、係合突起33と、係合穴52の延出端部との間には、オーバーストロークが可能となるように隙間部54が形成されている。
また上記構成において、操作レバー30は、レバー支持軸12を中心とした回動範囲の中間位置に位置するときに、図1に示すように、サイドカバー40の上面よりも下方に配置されている。そのため、操作レバー30が基準位置となる中間位置にあるときに、サイドカバー40よりも上方に張り出すことがないため、操作レバー30を含むシート全体の意匠性を確保できる。
<車両用シートの第2実施形態>
次に、車両用シートSの第2実施例について、図6に基づいて説明する。
なお、以下の説明において上述した車両用シートSと重複する内容は説明を省略する。
第2実施例に係る車両用シートSでは、位置決め部材150の係合穴152の形状が、位置決め部材50の係合穴52の形状とやや異なっている。
位置決め部材150のシート幅方向の側面には、レバー支持軸12を軸通した支持穴151と、支持穴151を中心とした同一円周上に沿って延びている係合穴152と、が形成されている。
係合穴152の周辺部分には、図6(a)に示すように、レバー支持軸12を中心とした径方向において係合突起33と略同じ幅になる段差部153が形成されている。
段差部153は、係合穴152の外周部分がレバー支持軸12側とは反対側に部分的に張り出すようにして形成されている。
上記構成により、操作レバー30を図6(a)の中間位置から、図6(b)の一端位置又は図6(c)の他端位置に移動させたときに、係合突起33が係合穴152の段差部153に当接することで、第1実施形態のものとは異なるクリック感が生じる。その結果、乗員の操作フィーリングが向上する。
<その他の実施形態>
上記実施形態において、操作レバー30は、ハイト装置10を操作するためのレバーとして説明しているが、ハイト装置10に限定されることなく適用可能である。例えば、リクライニング装置3やレール装置4のような、シートの状態を調整するシート調整装置の操作レバーとして適用することが可能である。
また上記実施形態において、操作レバー30のレバー支持軸12と、ブレーキユニット20のブレーキ回動軸14とは、シート前後方向において異なる位置に配置されているが、これに限定されることなく、同軸上に配置されていても良いし、上下方向において異なる位置に配置されていても良い。
また上記実施形態において、操作レバー30の係合部は、係合突起33として形成され、位置決め部材50の被係合部は、係合穴52として形成されているが、これに限定されることなく、操作レバー30側が係合穴部であって位置決め部材50側が係合突起33であっても良い。また、係合突起の代わりに係合爪等を適用しても勿論良い。
また上記実施形態において、図2に示すように、リンク連結軸18はシート幅方向の外側に突出してサイドカバー40を貫通し、操作レバー30の嵌合凹部34と嵌合している。
一方で、図4、図5に示すように、操作レバー30の嵌合凸部35はシート幅方向の内側に突出してサイドカバー40を貫通し、リンク連結軸18を外側から囲むように嵌合している。
このように、リンク機構と操作レバー30との間で、少なくとも一方側から他方側に向けて突出する嵌合突出部を設けることで、別途締結ボルト等を設ける必要がなくなり、組み付け作業性が格段に向上する。
また上記実施形態において、位置決め部材50は、サイドカバー40とは別体で形成されているが、サイドカバー40と一体で形成されていても勿論良い。
このように構成することで、部品点数を削減でき、組み付け作業が容易になる。
なお、位置決め部材50がサイドカバー40とは別体で形成される場合には、位置決め部材50が硬質材料からなり、サイドカバー40が軟質材量から形成されていると良い。
また上記実施形態において、位置決め部材50は、弾性変形可能な樹脂材料から形成されているが、加えてシートが車体フロアに取り付けられて使用可能な状態のときに熱変形しにくい材料から形成されていると良い。
このように構成すれば、例えば夏場の暑い時期であっても、操作レバー30の位置決め性が良好になり、ガタツキも抑制できる。
また例えば、位置決め部材50は金属材料から形成されていても良く、一般の樹脂材料等と比較して熱変形しにくいため、操作レバー30の位置決め性が良好になり、ガタツキも抑制できる。
また上記実施形態において、位置決め部材50は、操作レバー30を位置決めする部材として、かつ、サイドカバー40をレバー支持軸12とで挟んだ状態で支持する部材として説明しているが、これに限定されることなく、少なくともサイドカバー40を支持する部材として設けられていれば良い。
上記実施形態では、具体例として自動車に用いられる車両用シートについて説明したが、これに限定されることなく、電車、バス等の車両用シートのほか、飛行機、船等の乗物用シートとしても利用することができる。また、ハイト装置のようなシート調整装置を備えたシートであれば、広く適用することができる。
上記実施形態では、主として本発明に係る車両用シートに関して説明した。
ただし、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
特に、ハイト装置10、操作レバー30、サイドカバー40及び位置決め部材50の形状、配置、及び構成について、上記の実施形態にて説明したものは、あくまで一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。
S 車両用シート
1 シートバック
1b,2b クッションパッド
1c,2c 表皮材
2 シートクッション
2a クッションフレーム
3 リクライニング装置
3a 操作ハンドル
4 レール装置
4a ロアレール
4b アッパレール
10 ハイト装置
11 フロントリンク
12 レバー支持軸
12a 段差面
13 取り付けブラケット
13a 当接部
14 ブレーキ回動軸
15 レバー側プレート
15a,15b 回動規制部
16 ブレーキ側プレート
17 連結リンク
17a 逃げ部
18,19 リンク連結軸
20 ブレーキユニット
21 ブレーキ本体
22 取り付けプレート
30 操作レバー
31 把持部
32 軸穴
33 係合突起
34 嵌合凹部
35 嵌合凸部
40 サイドカバー
41 軸穴
42 収容凹部
43 貫通穴
44 位置規制リブ
45 当接リブ
50,150 位置決め部材
51,151 支持穴
51a 突出部
52,151 係合穴
53,153 段差部
53a 第1段差部
53b 第2段差部
54 隙間部

Claims (8)

  1. 着座部の骨格となるクッションフレームと、
    該クッションフレームの状態を調整するためのシート調整装置と、
    前記クッションフレーム及び前記シート調整装置をシート幅方向の外側から覆うサイドカバーと、を備えた車両用シートであって、
    前記シート調整装置は、前記クッションフレームのシート幅方向の側面から外側に突出するように設けられた支持軸と、該支持軸を介して回動可能となるように取り付けられ、前記クッションフレームの状態を調整動作させる操作レバーと、を備え、
    前記支持軸は、前記サイドカバーの側面に設けられた軸穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されており、
    前記サイドカバーにおいて前記軸穴が形成された周辺部分は、シート幅方向に窪んだ凹部となっており、
    前記シート調整装置は、前記クッションフレームよりもシート幅方向外側に配設されており、
    前記軸穴の近傍には、シート幅方向において前記シート調整装置を露出可能な貫通孔が備えられていることを特徴とする車両用シート。
  2. 着座部の骨格となるクッションフレームと、
    該クッションフレームの状態を調整するためのシート調整装置と、
    前記クッションフレーム及び前記シート調整装置をシート幅方向の外側から覆うサイドカバーと、を備えた車両用シートであって、
    前記シート調整装置は、前記クッションフレームのシート幅方向の側面から外側に突出するように設けられた支持軸と、該支持軸を介して回動可能となるように取り付けられ、
    前記クッションフレームの状態を調整動作させる操作レバーと、を備え、
    前記支持軸は、前記サイドカバーの側面に設けられた軸穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されており、
    前記サイドカバーにおいて前記軸穴が形成された周辺部分は、シート幅方向に窪んだ凹部となっており、
    前記シート調整装置は、前記操作レバーを位置決めするための位置決め部材を有し、
    前記凹部において、前記サイドカバーが、前記支持軸を備える前記シート調整装置のレバー側プレートと前記位置決め部材との間に配置されることを特徴とする車両用シート。
  3. 前記シート調整装置は、前記支持軸を軸通するレバー側プレートと、
    前記クッションフレームの状態調整の動作を規制するブレーキユニットと、
    前記レバー側プレートと前記ブレーキユニットと、を連結する連結リンクを備え、
    前記貫通孔は、シート幅方向外側から見て前記連結リンクを露出可能に開口されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用シート。
  4. 前記貫通孔は、シート幅方向外側から見て前記連結リンクと前記レバー側プレートとの連結部分を露出可能に開口されていることを特徴とする請求項3に記載の車両用シート。
  5. 前記凹部と前記貫通孔とは、前記軸穴を挟んで互いに上下に並んで配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両用シート。
  6. 前記位置決め部材の側面には、前記軸穴と同軸上において貫通した支持穴が形成され、
    前記支持軸が、前記軸穴及び前記支持穴を貫通した状態で、前記サイドカバーを支持するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の車両用シート。
  7. 記凹部には、前記位置決め部材の位置を規制する位置規制部が形成されていることを特徴とする請求項に記載の車両用シート。
  8. 前記位置規制部は、前記凹部において前記位置決め部材側に突出し、該位置決め部材を挟むように設けられた位置規制リブであることを特徴とする請求項に記載の車両用シート。
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