JP4572600B2 - ゴム製品の製法およびそれにより得られたゴム製品 - Google Patents

ゴム製品の製法およびそれにより得られたゴム製品 Download PDF

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Description

本発明は、ゴム製品の製法およびそれにより得られたゴム製品に関するものである。
従来より、自動車用ラジエターホース等のゴム製品の材料としては、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)等の原料ゴムに、カーボンブラック等の補強材や、硫黄等の加硫剤や、オイル等の可塑剤等を配合したゴム組成物が用いられている。そして、上記ゴム組成物の調製は、通常、原料ゴムに機械的なせん断力を与えて分子凝集をほぐしたり分子鎖を切断して可塑化する素練り工程と、その可塑化された原料ゴムにカーボンブラック、硫黄、オイル等の他の材料を加えて混ぜ込む混練り工程とによって行われる。
特開平10−180941号公報 奥山通夫等編「ゴムの辞典」朝倉書店(2000年),p303
しかしながら、EPDMのような低極性ゴム(極性基を殆ど有しないゴム)は、カーボンブラックとの親和度が低く、そのために、ゴムポリマー中にカーボンブラックを均一に分散させることが困難である。また、ゴム製品の導電性を高めるべく、高極性のカーボンブラックを用いた場合には、低極性ゴムとカーボンブラックとのなじみの悪さが更にひどくなる。
そこで、上記調製方法の際に充分な混練が行われるよう、従来から、マスターバッチ法等の各種手法が提案されている。しかしながら、これら各種手法により混練した場合であっても、経時的に、上記カーボンブラックとゴムポリマーとが分離し、カーボンブラックの再凝集が生じることがある。特に、高極性カーボンブラックは、分離・再凝集しやすい性質を有する。そして、このような再凝集が生じると、得られるゴム製品に、外観凹凸がみられたり、さらには、電気抵抗が低くなったり、ばらついたりするといった不都合が生じることとなる。
他方、上記カーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及び上記カーボンブラックの再凝集を防止するため、そのゴム組成物を調製する際に、シランカップリング剤,硫黄もしくは硫黄系加硫促進剤,フェノール系加工安定剤等を添加することも検討されている。しかしながら、シランカップリング剤は、材料単価が高いことから、ゴム製品の低コスト化への要請に応えるのが難しく、しかも、強い異臭がするために、ゴム製品の製造現場における作業環境を悪化させる要因となるため、その不使用が求められている。また、上記シランカップリング剤の使用による押出成形時の加工性の悪化(押出し肌が荒れる)も懸念される。硫黄もしくは硫黄系加硫促進剤は、混練り時の温度制御(150℃以下の範囲内での温度制御)をする必要があるが、特に汎用配合における短時間練りにおいては、高温雰囲気(150℃以上)での混練り条件になる場合も多く、この際、カーボンブラックの分散性効果があまり期待できない。フェノール系加工安定剤としては、例えば、住友化学社製のスミライザーGMやスミライザーGSが、その配合により、カーボンブラックの分散促進効果に優れるため、好適に用いられるが、これらのフェノール系加工安定剤は、材料コストが非常に高く、そのため、汎用配合ではコスト面で適さない。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、作業環境を悪化させることなく、カーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及びカーボンブラックの再凝集を抑制し、高品質の製品を製造することのできるゴム製品の製法の開発およびそれにより得られた高品質のゴム製品を提供することをその目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、素練り工程と混練り工程とを備えたゴム練り手順によって、下記(A)に示すゴム中にカーボンブラックが混合されたゴム組成物を調製し、上記調製のゴム組成物を加硫成形してゴム製品を得る製法であって、使用する充填剤がカーボンブラックおよびタルクのみであり、ゴム中にシランカップリング剤を不含とし、上記素練り工程に際し、ゴム中に、上記ゴム100重量部に対し、カーボンブラック50〜150重量部とともにファクチス1〜5重量部を配合するゴム製品の製法を第1の要旨とし、この製法によって形成されるゴム製品を第2の要旨とする。
(A)エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムおよびシリコーンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの低極性ゴム。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく、まず、ゴム製品の材料であるゴム組成物の調製方法について、従来の手法の再検討をおこなった。すなわち、従来では、先にも述べたように、原料ゴムに機械的なせん断力を与えて分子凝集をほぐしたり分子鎖を切断して可塑化する素練り工程と、その可塑化された原料ゴムにカーボンブラック、硫黄、オイル等の他の材料を加えて混ぜ込む混練り工程とが行われる。そして、上記素練り工程では、従来、原料ゴム以外の材料は殆ど添加されることがなかった。これは、素練り工程が、通常、高温条件下で行われるからであり、例えばこの段階で硫黄を加えた場合、直ちに加硫反応が進んでしまったり、押出成形等の後工程でゴム焼け(スコーチ)が生じてしまうからである。また、素練り工程で一度、原料ゴムをほぐしてから、カーボンブラック等の他の材料を加えて混ぜたほうが、材料が混ざりやすいといった理由もある。
しかしながら、このような従来の調製方法では、先のようなカーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及びカーボンブラックの再凝集が生じた場合、それを抑制することが困難であったことから、本発明者らは、従来からの技術常識にとらわれないで新たな視点から、鋭意研究を重ねた。その結果、従来行われていたような混練り工程ではなく、素練り工程で、カーボンブラックとともにファクチス(通称:サブ)を配合することを想起した。そして、このファクチスを、実際にカーボンブラックとともにゴムの素練り工程で加えると、カーボンブラックを均一に分散させることができ、しかも、経時的に生じるカーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集が抑えられることを突き止め、本発明に到達した。この理由は明らかではないが、つぎのように考えられる。すなわち、ファクチスは植物系軟化剤の一種であり、臭いがなく、原料ゴムとカーボンブラックとの相溶性を高める作用があるうえ、ファクチス中に含まれる硫黄成分または塩素成分が、その作用により、ゴムポリマーとカーボンブラックの相溶性をさらに高めるとともに、練り工程や押出機シリンダー内等で受ける剪断力によって発生すると思われるラジカルを補足するため、上記のようなカーボンブラックとゴムポリマーとの分離やカーボンブラックの再凝集が起こりにくくなると考えられる。
上記のように、本発明では、そのゴム製品の材料であるゴム組成物を調製する際の素練り工程において、原料ゴム(EPDM等の低極性ゴム)中に、高配合のカーボンブラックとともにファクチスを特定量(きわめて少量)配合している。そのため、低極性ゴムポリマー中にカーボンブラックを均一に分散させることができ、しかも、経時的に生じるカーボンブラックと低極性ゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集を抑制できることから、高品質のゴム製品を製造することができる。また、シランカップリング剤を使用しなくてもカーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及びカーボンブラックの再凝集を抑制することができることから、作業環境等の面でも優れるようになる。
特に、上記素練り工程において、上記ファクチスの配合割合が、上記ゴム100重量部に対し、1〜5重量部の範囲内であることから、ゴム製品の物性を阻害することなく、効果的にカーボンブラックの分散性を高めることができる。
また、上記カーボンブラックが、高極性カーボンブラックであると、ゴム製品の導電性を、より高くすることができる。そして、その使用により、従来、よくみられることがあったカーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及びカーボンブラックの再凝集等の不都合が、本発明によって解消されるようになることから、本発明において上記高極性カーボンブラックを使用することは、意義のあるものであり、有用性が高い。
そして、上記ゴムが、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、シリコーンゴムといった低極性ゴムであることから、その使用により、従来、よくみられることがあったカーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集等の不都合が、本発明によって解消されるようになり、有用性が高い。
そして、このような製法によって形成されたゴム製品は、カーボンブラックの凝塊による外観凹凸がなく、電気抵抗のばらつきのない高品質の製品とすることができる。
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
本発明のゴム製品の製法は、先にも述べたように、素練り工程と混練り工程とを備えたゴム練り手順によって、ゴム中にカーボンブラックが混合されたゴム組成物を調製し、上記調製のゴム組成物を加硫成形することにより行うものであり、上記素練り工程において、ゴム中に、カーボンブラックとともにファクチスを配合することを特徴としている。なお、本発明においては、シランカップリング剤を使用しなくてもカーボンブラックとゴムポリマーとの分離、及びカーボンブラックの再凝集を抑制することができることから、シランカップリング剤を不含とする。これにより、作業環境等の面でも優れるようになる。
原料のゴムとしては、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ブチルゴム(IIR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、エチレン−プロピレンゴム(EPM)、シリコーンゴム(Q)といった低極性ゴムが用いられる。このような低極性ゴムは、カーボンブラックとの親和度が低く、そのために、本質的には、そのゴムポリマー中にカーボンブラックを均一に分散させることが困難であったが、本発明によって、そのような問題は解消されるようになる。
上記ゴム中に混合されるカーボンブラックとしては、例えば、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、カラーブラック等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、上記カーボンブラックが、高極性カーボンブラックであると、得られるゴム製品の導電性を、より高くすることができるため、好ましい。そして、その使用により、従来、よくみられることがあったカーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集等の不都合が、本発明によって解消されるようになることから、本発明において上記高極性カーボンブラックを使用することは、当該技術分野において意義のあるものであり、有用性が高い。特に、高極性カーボンブラックと低極性ゴムとの組み合わせは、通常では、上記凝集が顕著にあらわれるのであるが、本発明ではそれを解消できることから、この組み合わせに対し、特に有用性が高い。ここで、高極性カーボンブラックとは、その粒子表面の一部に水酸基やカルボキシル基等の極性基を有したカーボンブラックのことをいう。また、高極性カーボンブラックは本質的に凝集しやすい性質を有する。そして、上記高極性カーボンブラックとしては、具体的には、昭和キャボット社製のショウブラックIP200等が、好適なものとして使用することができる。
上記カーボンブラックの配合割合は、上記ゴム(原料ゴム)100重量部(以下、「部」と略す)に対し、50〜150部の範囲に設定されている。好ましくは70〜130部の範囲である。すなわち、上記カーボンブラックが50部未満であると、製品機能を満足させる補強性が充分に得られないからであり、逆に150部を超えると、柔軟性等といったゴム製品の物性に悪影響がでるおそれがあるからである。
上記カーボンブラックとともに、ゴム中に混合されるファクチスとしては、例えば、黒サブ、黄サブ、白サブ、飴サブ、ゴールデンサブ、ネオサブ、無硫黄サブ等があげられる。これらは単独であるいは二種以上併せて用いられる。なかでも、黒サブ、ゴールデンサブ、ネオサブが、硫黄含量が高く、少ない添加量でゴムポリマーのトルクを高くすることができ、カーボンブラックの混ざりをより良くすることができるため、好ましい。
上記黒サブ等のファクチスの配合割合は、上記ゴム(原料ゴム)100部に対し、1〜5部の範囲に設定されている。好ましくは2〜5部の範囲である。すなわち、上記ファクチスが1部未満であると、カーボンブラックの分散が有利に行われにくくなるからであり、逆に5部を超えると、ゴム製品の物性(耐熱性や成形性等)に悪影響を与えるおそれがあるからである。
そして、これら各材料を用い、先にも述べたように、ゴム練り手順における素練り工程が行われる。上記素練り工程においては、通常、バンバリーミキサー等の密閉式混練機が用いられる。そして、例えば、バンバリーミキサーを用いて素練りを行う場合、5〜10分間の素練り(温度条件は、特に110〜190℃)が行われる。
なお、上記素練り工程においては、上記各成分の他に、物性を損なわない範囲で、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、充填剤(タルク)等を、必要に応じて配合してもよい。しかしながら、これら他の成分は、混練り工程で配合してもよい。
そして、上記素練り工程の後、引き続き、オープンロール等による混練り工程に入る。この混練り工程では、主に、硫黄等の加硫剤が配合される。また、必要に応じ、加硫促進剤等も配合される。また、上述のように、この混練り工程で、軟化剤、老化防止剤、加工助剤、充填剤等の他の成分を、必要に応じて配合してもよい。そして、上記混練りは、例えば、オープンロールを用いて行った場合、2〜5分間の混練り(温度条件は、通常、50〜80℃に設定)が行われる。
上記加硫剤としては、硫黄が好適に用いられる。この硫黄の配合割合は、上記ゴム(原料ゴム)100部に対して、0.3〜10部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。
また、上記加硫促進剤としては、例えば、チアゾール系促進剤、チウラム系促進剤、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフェンアミド(CBS),ジベンゾチアジルジスルフィド(MBTS),2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT),テトラメチルチウラムモノスルフィド(TMTM)等のスルフェンアミド系促進剤等があげられる。
この加硫促進剤の配合割合は、上記ゴム(原料ゴム)100部に対して、0.1〜7部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜4部の範囲内である。
このようにして調製されたゴム組成物は、カーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集が殆ど生じないのであるが、このことは、例えば、そのゴム組成物のムーニー粘度の経時的変動により確認することができる。上記ムーニー粘度は、例えば、ムーニー粘度測定器(東洋精機製作所社製)により測定することができる。すなわち、カーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集が生じると、そのムーニー粘度が経時により上昇するからである。しかしながら、本発明の製法に基づき調製された上記ゴム組成物では、そのようなことが殆どない。
そして、本発明のゴム製品は、上記調製のゴム組成物を用いて、任意の形状に加硫成形することにより、製造することができる。この成形方法については、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形等があげられる。また、上記加硫成形時の加熱条件も、製造する製品の大きさや、使用するゴム等により、適宜設定される。
このようにして得られるゴム製品としては、カーボンブラックの分散により補強性や導電性が要求されるものであ、例えば、自動車用ラジエターホース等のホースや、電子写真複写機等に用いられる導電性ロール等があげられる。そして、本発明の製法によると、カーボンブラックの凝集がなく、特に押出し肌の改善性に優れることから、ホース等の押出成形により形成される製品において、従前との対比における顕著な改善結果が得られるようになる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
まず、実施例および比較例に先立ち、下記に示す材料を準備した。
〔EPDM〕
エスプレン532、住友化学社製
〔酸化亜鉛〕
酸化亜鉛2種、三井金属鉱業社製
〔ステアリン酸〕
ルナックS30、花王社製
〔カーボンブラック(i) 〕
ショウブラックIP200、昭和キャボット社製
〔カーボンブラック(ii)〕
#52、旭カーボン社製
〔充填剤〕
ミストロンペーパータルク、日本ミストロン社製
〔オイル〕
ダイアナプロセスPW−380、出光興産社製
〔ファクチス(i) 〕
黒サブ、天満サブ社製
〔ファクチス(ii)〕
ゴールデンサブ、天満サブ社製
〔ファクチス(iii) 〕
ネオサブ・N、天満サブ社製
〔ファクチス(iv)〕
白サブ、天満サブ社製
〔ファクチス(v) 〕
飴サブ、天満サブ社製
〔ファクチス(vi)〕
ネオサブ・U−8、天満サブ社製
〔加硫促進剤〕
サンセラーTT、三新化学社製
〔硫黄〕
イオウ−PTC、大都産業社製
〔実施例1〜8、比較例1〕
上記に示す各材料を、下記の表1に示す割合となるよう準備し、その加硫促進剤および硫黄以外の材料を、バンバリーミキサーを用いて素練り〔5分間の素練り(最終温度180℃)〕した。そして、上記素練り工程の後、このものをオープンロールに移し、さらに上記加硫促進剤および硫黄を添加して、2分間の混練りを行い、ゴム組成物を調製した。このようにして得られたゴム組成物を用い、プレス成形により150℃×30分加熱して、厚み2mmのシート(試料)を作製した。また、上記ゴム組成物を用い、押出成形したあと、150℃×30分間スチーム加硫させて、ホース(試料)も作製した。
〔比較例2〕
EPDMのみを素練りし、EPDM以外の材料は、全て混練り工程で添加すること以外は、実施例1と同様にしてゴム組成物を調製した。そして、このようにして得られたゴム組成物を用い、実施例1と同様にして試料(シートおよびホース)を作製した。
このようにして得られた実施例品および比較例品に関し、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表2に示した。
〔未加硫物性〕
上記調製のゴム組成物における未加硫粘度の経時的変動を、調製直後から20分と60分までの範囲で測定した。この測定は、東洋精機製作所社製のムーニー粘度測定器により100℃にて行った。そして、そのムーニー粘度〔ML1+4 100℃〕の最大変動誤差ΔM1 〔ML1+4 100℃、20分〕とΔM2 〔ML1+4 100℃、60分〕を求めた。
〔電気抵抗〕
25℃×64%RHの環境下において、上記シート(試料)の電気抵抗〔表面抵抗ρs(Ω)および体積抵抗ρv(Ω・cm)〕を、JIS K 6911に準じて測定した。
〔押出し肌〕
押出成形して得られた試料(ホース)の肌表面の粗さを、目視により評価し、表面肌が平滑である順に○、△、×で評価した。
上記結果から、全実施例品は、押出し肌の荒れもみられず、また、その材料であるゴム組成物の未加硫物性においても、ムーニー粘度の経時による変動誤差が少ないことから、経時によるカーボンブラックとゴムポリマーとの分離や、カーボンブラックの再凝集が抑えられていることがわかる。さらに、同量のカーボンブラックを添加している比較例との対比において、実施例品のほうが電気抵抗が高くなっていることから、実施例品のほうが、カーボンブラックの分散が良くなっていることがわかる。なお、本発明者らは、実施例のEPDMに代えて、IIR、NR、IR、EPM、Q等の他のゴム(低極性ゴム)を用いた場合も、他の実施例と同様に、カーボンブラックの分散が良くなっていることを実験により確認している。
これに対して、比較例品では、ムーニー粘度の経時による変動誤差が大きく、押出し肌の荒れや、カーボンブラックの凝集による電気抵抗の低下等がみられる。なかでも、比較例2品は、実施例1品と同じ組成であるにもかかわらず、カーボンブラックおよびファクチスを混練り工程で加えていることから、実施例1品と比べ、カーボンブラックの凝集が充分に改善されず、押出し肌の荒れや電気抵抗の低下が見られる。

Claims (4)

  1. 素練り工程と混練り工程とを備えたゴム練り手順によって、下記(A)に示すゴム中にカーボンブラックが混合されたゴム組成物を調製し、上記調製のゴム組成物を加硫成形してゴム製品を得る製法であって、使用する充填剤がカーボンブラックおよびタルクのみであり、ゴム中にシランカップリング剤を不含とし、上記素練り工程に際し、ゴム中に、上記ゴム100重量部に対し、カーボンブラック50〜150重量部とともにファクチス1〜5重量部を配合することを特徴とするゴム製品の製法。
    (A)エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレンゴムおよびシリコーンゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの低極性ゴム。
  2. 上記素練りを110〜190℃の条件で行う請求項1記載のゴム製品の製法。
  3. 上記カーボンブラックが、高極性カーボンブラックである請求項1または2記載のゴム製品の製法。
  4. 求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム製品の製法によって形成されたことを特徴とするゴム製品
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