JP4565890B2 - 走査光学系 - Google Patents

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本発明は、カラープリンターやカラーコピー機などの印刷装置に組み込まれる走査光学系に、関する。
一般に、走査光学系は、画像情報に従ってオンオフ変調されたレーザービームをポリゴンミラーによって動的に偏向するとともに、動的に偏向されたレーザービームを結像光学系によって走査対象面上にスポット光として収束させる。これにより、走査光学系は、オンオフ変調されたスポット光を走査対象面上で主走査方向に沿って等速度で走査させ、複数のドットからなる画像(静電潜像)を走査対象面上に形成する。
ところで、カラーレーザープリンタ等に使用される走査光学系の一つの形態に、所謂1ポリゴンタンデム走査光学系がある。この1ポリゴンタンデム走査光学系は、複数の発光点から発した各色に対応する複数の光束を、1個のポリゴンミラーの反射面にて同時に反射して、各光束毎に備えられた結像光学系に夫々入射させて各走査対象面上に導くことで、各色に対応した静電潜像(各色成分毎の静電潜像)を形成する。
このように1個のポリゴンミラーを用いて複数のレーザー光束を一度に偏向する場合、主走査方向に直交する副走査方向に分離して配置された各結像光学系に向けてレーザー光束を夫々入射させるために、各レーザー光束を、副走査方向に離間させて平行に並べた状態でポリゴンミラーの反射面に入射させる方法(例えば、特許文献1参照)が、提案されている。
しかしながら、副走査方向に離間させて平行に並べた各レーザー光束をポリゴンミラーの反射面に互いの光束が平行な状態で入射させようとすると、レーザー光源の機械的制約により各レーザー光束同士の間隔をある程度以上狭くすることができないので、ポリゴンミラーの副走査方向における幅(即ち、厚さ)を大きくせねばならなかった。このようにポリゴンミラーを大型化すると、それを高速回転させるモーターもパワーの強いものを用意せねばならないために、走査光学系全体の製造コストが高くなってしまうという問題が生じてしまう。
上記の問題を解決したものとして、本出願人は、各色に対応した複数の光束をポリゴンミラーの反射面上の同一点に向けて副走査方向において互いに異なる角度で斜めに入射させる走査光学系を、特願2001−351847号において提案した。図22は、この走査光学系を副走査方向から見た図である。図22に示されるように、この走査光学系によると、ポリゴンミラー90の反射面の同一点上で反射された各光束は、副走査方向において互いに徐々に離れながら、結像光学系を構成する走査レンズ9aを透過し、続いて、光束毎に配置された反射ミラー群900によって夫々に対応する長尺レンズ9y,9m,9c,9kに向かって反射される。そして、これら各光束は、夫々、各長尺レンズ9y,9m,9c,9kを個別に透過し、所定の間隔を空けて平行に並べられた感光ドラム9Y,9M,9C,9Kへ、個別に入射する。このように構成されていると、ポリゴンミラー90の反射面上の同一点において各光束が反射されるため、ポリゴンミラー90の厚みを薄くすることができる。
しかしながら、複数の光束をポリゴンミラーの反射面上の同一点に対して副走査方向において互いに異なる角度で斜めに入射させると、各光束に対して収差(走査線湾曲や波面のねじれ等)が発生し、その程度はポリゴンミラーへの副走査方向における入射角度の大きさに依って変化するため、以下のような問題点があった。
即ち、上述の走査光学系においては、ポリゴンミラーの反射面へ各光束が斜めに入射することに因って発生する収差を、各光束毎に個別に設けられた長尺レンズによって補正すべく、各光束毎に、その光束のポリゴンミラーへの副走査方向における入射角度の絶対値(換言すると、発生する収差の程度)に応じた固有の面形状を持つ長尺レンズを夫々用意する必要がある。そのため、面形状が互いに異なる長尺レンズを、複数種類(少なくとも2種類)用意しなくてはいけなかった。なお、長尺レンズを成形するために用いられる金型も、その長尺レンズのレンズ面形状の種類に応じた数だけ用意する必要があり、それに因っても、走査光学系全体の製造コストが高くなってしまう。
そこで、本出願人は、各色に対応した複数の光束をポリゴンミラーの反射面上の同一点に向けて副走査方向において互いに異なる角度で斜めに入射させるとともに、長尺レンズを一つの共通した金形で構成できる走査光学系を、特願2003−099190号において提案した。この走査光学系の結像光学系は、ポリゴンミラーへの副走査方向における入射角度の絶対値が異なる光束毎に対応した(即ち、各光束が透過する領域毎に異なった)個別の面形状を持つ走査レンズと、互いに同じ面形状を持つ長尺レンズとから構成されている。なお、各長尺レンズは、ティルトすることによって偏心している。この走査光学系によると、長尺レンズに同一形状のレンズ面を使用しているために補正しきれない収差を、走査レンズに各光束が透過する領域毎に異なる面形状を持たせることと、長尺レンズを
ティルトさせることによって、補正している。
特開平10−133131号公報
しかしながら、上記の走査光学系のように、各光束ごとに設けられる長尺レンズの面形状を同一とする場合、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、上記したような収差を良好に補正するためには、走査レンズの面形状として、各光束が透過する領域毎に異なる二次元多項式非球面(又は、アナモフィック非球面)を用いなければならない。従って、走査レンズにおける別々の面形状を持つ領域同士の間に、段差のある境目ができてしまう。このような段差のある形状を持つ走査レンズの製作は、従来のような各領域間に境目のない連続した形状の面を持つ走査レンズに比べて困難であり、製造コストが高くなってしまうという問題が、あった。
本発明は、以上のような問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、ポリゴンミラーの反射面に対して、複数の光束を副走査方向においてそれぞれ異なる角度で入射させる走査光学系でありながら、各光束毎に設けられる長尺レンズの面形状を同一のものとするとともに、複数の光束に共通して用いられる走査レンズに境目のない連続形状の面をもつレンズを用いることができる走査光学系を、提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明による走査光学系は、以下のような構成を採用した。即ち、本発明による走査光学系は、4つの光源から発された4本のレーザー光束を主走査方向に動的に偏向し、夫々の光束に対応する走査対象面上に収束させる走査光学系において、主走査方向に直交する副走査方向においてそれぞれ異なった角度でその反射面に入射した各レーザー光束を主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、この偏向器によって偏向された各レーザー光束を夫々に対応した走査対象面上に収束させるための結像光学系とを備えている。そして、前記結像光学系は、少なくともその一面が、主走査方向の断面形状が光学面基準軸からの主走査方向の距離の関数として、副走査方向の断面形状が光学面
基準軸からの主走査方向の距離の関数として、それぞれ独立に定義されるアナモフィック非球面である走査レンズ群であって、前記偏向器によって偏向された前記4本のレーザー光束の中の2本のレーザー光束が、当該走査レンズ群の光学面基準軸を含み主走査方向に平行な平面である主走査断面の一方の面側の空間である第1空間内を進行し、外側レーザー光束、及び、当該外側レーザー光束よりも前記主走査断面により近い部分を進行する内側レーザー光束として入射し、残りの2本のレーザー光束が、前記主走査断面の他方の面側の空間である第2空間内を進行し、外側レーザー光束、及び、当該外側レーザー光束よりも前記主走査断面により近い部分を進行する内側レーザー光束として入射する走査レンズ群と、前記走査レンズ群を透過した各光束毎に1つずつ配置された、互いに同じ光学面形状を持つとともに、少なくともその一面が、各所の,光学面基準軸での接平面からのサグ量が各所の二次元座標を変数とする多項式で表現される二次元多項式非球面である4つの長尺レンズであって、前記第1空間内を進行する外側レーザー光束が入射されるように前記第1空間内に配置された第1の外側長尺レンズと、前記第1空間内を進行する内側レーザー光束が入射されるように前記第1空間内の前記第1の外側長尺レンズよりも前記主走査断面に近い位置に配置された第1の内側長尺レンズと、前記第2空間内を進行する外側レーザー光束が入射されるように前記第2空間内に配置された第2の外側長尺レンズと、前記第2空間内を進行する内側レーザー光束が入射されるように前記第2空間内の前記第2の外側長尺レンズよりも前記主走査断面に近い位置に配置された第2の内側長尺レンズとからなる4つの長尺レンズとを、含む。また、前記結像光学系の各長尺レンズの光学面基準軸は、副走査方向において、その長尺レンズを透過する光束の前記反射面に対する副走査方向における入射角度に依って夫々異なる角度で、前記走査レンズ群の光学面基準軸に対して傾くように配置されており、前記反射面に対する副走査方向における入射角度の絶対値が最も大きいレーザー光束の当該入射角度β[rad],主走査方向における前記走査レンズ群の光学面基準軸を基準としたレーザー光束の最大傾斜角である半画角θ[
rad],及び,前記長尺レンズにおける二次元多項式非球面の面数Nの間に、以下の条
件式(1)が成立する。
β<0.15−0.2θ/N ・・・・・・(1)
そして、前記第1空間側、前記第2空間側のそれぞれについての、前記内側レーザー光束に対する前記外側レーザー光束の前記反射面への副走査方向における入射角度の差Δβ[°]、第1空間内に配置された前記内側長尺レンズの光学面基準軸に対する前記外側長尺レンズの光学面基準軸の副走査方向における傾斜角Δt[°]、及び、前記長尺レンズの主走査方向における各レーザー光束が透過する範囲内で、当該長尺レンズの二次元多項式非球面が副走査方向と平行な線に対して副走査方向においてなす角度がとる値の最大値と最小値との差s[°]の間には、以下の条件式(2)が成立する。
0.7<(Δt+|s|)/Δβ<1.0 ・・・・・・(2)
このように構成されると、ポリゴンミラーの反射面に対して、複数の光束を副走査方向においてそれぞれ異なる角度で入射させる走査光学系において、各光束毎に設けられる長尺レンズの面形状を同一のものとするとともに、複数の光束に共通して用いられる走査レンズに境目のない連続形状の面をもつレンズを用いることができる。さらに、走査レンズに連続形状のものを用いても、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、発生し得る各収差を小さく抑えることができる。したがって、走査レンズのレンズ面を各光束が透過する領域毎に異なる面形状とすること無く、長尺レンズのレンズ面を同一形状とすることができる。
なお、走査レンズ群は、一枚のレンズから構成されていても良いし、複数枚のレンズから構成されていても良い。
以上に説明したように、本発明によれば、ポリゴンミラーの反射面に対して、複数の光束を副走査方向においてそれぞれ異なる角度で入射させる走査光学系でありながら、各光束毎に設けられる長尺レンズの面形状を同一のものとするとともに、複数の光束に共通して用いられる走査レンズに境目のない連続形状の面をもつレンズを用いることができる。
本実施形態による走査光学系は、所謂1ポリゴンタンデム走査光学系であり、印刷用紙を一回搬送する間にイエロー,マゼンダ,シアン,黒の色成分のトナー像をその印刷用紙に順次転写してカラー画像を高速に印刷するタイプのカラーレーザープリンターに組み込まれて使用されるものである。以下、本発明に係る走査光学系の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態による走査光学系では、その全体像を概略的に示す斜視図である図1に示されるように、ポリゴンミラー5によって偏向された4本のレーザー光束の光路が、夫々に対応した4組の折り返しミラー13,14によって折り曲げられている。これは、上述したようなカラーレーザープリンターに本実施形態の走査光学系が組み込まれた際に、所望の間隔で並べられた4本の感光ドラム20Y,20M,20C,20Kへと各光束を導くためである。 なお、以下の説明を容易にするために、ポリゴンミラー5の中心軸5aに直交する面と平行な方向が「主走査方向」であると定義し、中心軸5aと平行な方向が「副走査方向」であると定義する。
図2は、本実施形態による走査光学系の主要部の主走査方向における光学構成を示す展開図であり、図3は、本実施形態による走査光学系の主要部の副走査方向における光学構成を示す展開図である。
本実施形態の走査光学系は、図1乃至図3に示されるように、光源ユニット1と、シリンドリカルレンズ2と、光源ユニット1から射出された4本のレーザー光束を同時に偏向する回転多面鏡であるポリゴンミラー5と、このポリゴンミラー5により偏向された4本のレーザー光束を夫々結像させる結像光学系10(走査レンズ11及び長尺レンズ12)と、その表面が走査対象面Sとして機能する4本の感光ドラム20Y,20M,20C,20Kとを、備えている。そして、4本の感光ドラムは、イエロー用の感光ドラム20Y,マゼンダ用の感光ドラム20M、シアン用の感光ドラム20C,及び、黒用の感光ドラム20Kである。各感光ドラム20Y,20M,20C,20Kは、上記の順で、所定の間隔を開けて互いに平行に並べられており、図1の紙面上において上側から下側へ向かう方向(印刷用紙の搬送方向)に沿って一列に配置されている。
光源ユニット1は、4つのレーザーダイオードもしくは4つのレーザーダイオードを一体化したチップ,及び、各レーザーダイオードから発散光束として発振されるレーザービームをそれぞれ平行光束に変換するコリメートレンズを、備える。この光源ユニット1からは、互いに平行となって等間隔に一列に並ぶ4本のレーザービームが、出力される。なお、各レーザービームが並ぶ方向は、副走査方向と平行な方向である。
シリンドリカルレンズ2は、シリンドリカル面及び平面を入射側及び射出側に夫々有するレンズであり、光源ユニット1から出力される4本のレーザービームを、それぞれ副走査方向において収束させると共に、一点に収束させる。
ポリゴンミラー5は、扁平な正多角柱状に形成されており、その各側面は反射面として構成されている。また、ポリゴンミラー5は、その中心軸5a周りに等角速度で回転駆動されるようになっている。そして、ポリゴンミラー5は、シリンドリカルレンズ2によって4本のレーザービームが収束される一点の近傍にその何れかの側面が常時存在する位置に、配置されており、その中心軸5aは、上記搬送方向と平行な方向に向けられている。従って、このポリゴンミラー5は、シリンドリカルレンズ2を透過した後の4本のレーザービームを、その各側面によって結像光学系10に向けて同時に反射する。この時、ポリゴンミラー5が回転駆動されていれば、4本のレーザービームは、その回転に伴って動的に偏向される。このように、ポリゴンミラー5は、偏向器として機能する。
なお、4本のレーザービームが収束する一点を含んでポリゴンミラー5の中心軸5aに直交する平面(仮想平面)を「主走査断面」と定義する。この主走査断面は、図3において一点鎖線で示すように、内側の一対の感光ドラム20M、20Cの中間位置に存在している。また、ポリゴンミラー5に入射する4本のレーザービームのうち、内側の2本は、主走査断面を挟む両側における互いに対称な位置をそれぞれ進行する。このため、内側の2本について、主走査断面に対する傾き角度の絶対値が互いに同じになっており、外側の2本についても、内側のそれらと同様に、主走査断面に対する傾き角度の絶対値が同じになっている。
結像光学系10は、走査速度補正機能付きのレンズ群であり、ポリゴンミラー5に近い側にある走査レンズ11と、各感光ドラム20Y,20M,20C,20Kに近い側にある長尺レンズ12y,12m,12c,12kとから、構成さ
れている。なお、これら各レンズ11,12y,12m,12c,12kにおける光学面は、後述するように、非回転対称な形状に形成されており、回転対称な光学面での対称軸に相当する軸を持たない。そこで、光学面の形状を式によって
表現する時に設定される原点を通る軸を「光学面基準軸」と言うことにし、この光学面基準軸を、回転対称な光学面での対称軸、すなわち、光軸に相当するものとして取り扱うことにする。
走査レンズ11は、ポリゴンミラー5によって動的に偏向されたレーザービームを主に主走査方向に収束させるパワーを有する。この走査レンズ11は、その光学面基準軸Axが主走査断面内に含まれるように、配置されている。走査レンズ11の前面(ポリゴンミラー5側の面)11aは、回転対称な連続面として形成されている。一方、後面(走査対象面S側の面)は、主走査断面は光学面基準軸からの主走査方向の距離の関数、副走査断面は曲率が光学面基準軸からの主走査方向の距離の関数として、独立に定義される非球面であるアナモフィック非球面である。そして、走査レンズ11の光学面基準軸Axは、レーザー光源1から発して、ポリゴンミラー5の反射面の中心において反射されたレーザー光束のビーム軸と主走査方向においてほぼ重なっている。さらに、このアナモフィック非球面は副走査方向の断面形状が円弧であり、その副走査方向の曲率は、光学面基準軸Axからの主走査方向の距離に依って、光学面基準軸Axを対称軸として非対称に変化している。具体的には、このアナモフィック非球面は光学面基準軸Axから主走査方向に離れるにしたがって副走査断面パワーが大きくなっている。また、このアナモフィック非球面の形状は、主走査方向においては光学面基準軸Axを対称軸として対称である。
長尺レンズ12は、ポリゴンミラー5によって動的に偏向されたレーザービームを主に副走査方向に収束させるパワーを有し、副走査方向の像面湾曲を補正する機能をも負担するレンズである。
また、各長尺レンズ12y,12m,12c,12kの光学面基準軸Ax´は、主走査方向において、走査レンズ11の光学面基準軸Axと同軸(互いに平行)となっている。但し、各長尺レンズ12y,12m,12c,12kは、その光学面基準軸Ax´が走査レンズ11の光学面基準軸Axに対して副走査方向へティルトする(換言すると、長尺レンズ12の光学面基準軸Ax´が、走査レンズ11の光学面基準軸Axに対して副走査断面内で非平行となる)ことによって、偏心している(図3参照)。なお、長尺レンズ12が、レンズ面における主走査断面から遠い側を副走査断面内においてポリゴンミラー5側に傾けることによって偏心している状態をプラスティルト,レンズ面における主走査断面から遠い側を走査対象面S側に傾けることによって偏心している状態をマイナスティルト
という。さらに、外側の長尺レンズ(12y,12k)の光学面基準軸は、内側の長尺レンズ(12m,12c)の光学面基準軸に比べて(相対的に)より大きくプラス方向にティルトしている。これは、主走査断面から遠い側に配置され、当該主走査断面から遠い側を進行する一組の外側レーザー光束が入射する一組の外側長尺レンズにおける光学面基準軸と、主走査断面から近い側に配置され、当該主走査断面から近い側を進行する一組の内側レーザー光束が入射する一組の内側長尺レンズにおける光学面基準軸との交点が、常に前記走査レンズ群側にあり、当該内側長尺レンズの光学面基準軸に対する当該外側長尺レンズの光学面基準軸の副走査方向における傾斜角が、前記外側レーザー光束と前記内側レーザー光束の反射面への副走査方向における入射角度の差よりも大きくなることに、相当
する。
なお、これら各長尺レンズ12y,12m,12c,12kは、すべて同一の面形状を持ち、図3において主走査断面Pよりも上側を進行する2本のレーザービーム(L1,L2)用の長尺レンズ12y,12mと、主走査断面Pよりも下側を進行する2本のレーザービーム(L3,L4)用の長尺レンズ12c,12kとは、主走査断面を挟む両側における対称な位置において、主走査断面を対称面として鏡面対称となるように、夫々配置されている。またこれら長尺レンズ12の少なくとも一面は、主走査方向,副走査方向夫々の高さに関する多項式で表現される非球面である二次元多項式非球面である。この二次元多項式非球面は、主走査方向においては、光学面基準軸Ax´を対称軸として対称な面形状を持ち、副走査方向においては、光学面基準軸Ax´を対称軸として非対称な面形状を持つ。また、副走査方向の断面内での傾きが主走査方向における光学面基準軸Ax´からの距離によって変化している。
図4は、本実施形態による走査光学系の主要部の副走査方向における光学構成をレーザービームごとに分けて示した展開図である。なお、図4(a)は、主走査断面に近い側を進行する2本のレーザービーム用の長尺レンズ12m,12c(以下、「内側の光学系」という)の副走査方向における主要部の光学構成図であり、図4(b)は、主走査断面から遠い側を進行する2本のレーザービーム用の長尺レンズ12y,12k(以下「外側の光学系」という)の副走査方向における主要部の光学構成図である。
なお、本実施形態による走査光学系は、この長尺レンズ12において二次元多項式非球面が使用される面の数(即ち、前面及び後面にのみ使用される場合には1,両面に使用される場合には2)をNとし、ポリゴンミラー5に入射する4本のレーザービームのうち、外側の光束のポリゴンミラー5に対する副走査方向における入射角度の絶対値をβ[rad]とし(図4b参照)、結像光学系10の主走査断面における光学面基準軸を基準としたレーザー光束の最大傾斜角である半画角をθ[rad]として、以下の条件式(1)を満たす。
β<0.15−0.2θ/N ・・・・・・(1)
さらに、この走査光学系は、図3において主走査断面Pよりも上側を進行する2本のレーザービーム(L1,L2)において、外側の光束L1と内側の光束L2とのポリゴンミラー5への副走査方向における入射角度の差(外側レーザー光束と内側レーザー光束の反射面への副走査方向における入射角度の差に相当)をΔβとし(図3参照)、外側の光束L1が入射する長尺レンズ12yのティルト量と内側の光束L2が入射する長尺レンズ12mのティルト量との差(内側長尺レンズの光学面基準軸に対する外側長尺レンズの光学面基準軸の副走査方向における傾斜角に相当)をΔtとし、長尺レンズ12に使用されている二次元多項式非球面における有効範囲(即ち、主走査方向において、長尺レンズ12のレンズ面における光線が実際に透過する範囲)内での副走査断面形状の傾きの変化量の最大値(即ち、長尺レンズの二次元多項式非球面が副走査方向と平行な線に対して副走査方向においてなす角度がとる値の最大値と最小値との差)をsとして、以下の条件式(2)を満たす。なお、両面が二次元多項式非球面の場合は、前面における変化量の最大値s1と、後面における変化量の最大値s2との平均値を、sとする。
0.7<(Δt+|s|)/Δβ<1.0 ・・・・・・(2)
走査光学系が上記各条件式(1),(2)を満たすことにより、β,及びΔβがこのように設定されると、走査レンズ11において連続形状のレンズ面を使用した場合でも、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、各収差を良好に補正することができる。これに対して、走査光学系が上記条件式(1),(2)を満たしていないと、走査レンズ11において連続形状のレンズ面を使用した場合に、光束が良好に長尺レンズに入射しない,及び、収差が許容範囲を超えてしまう等の問題が生じてしまう。
光源ユニット1から平行光として発せられた4本のレーザー光束は、シリンドリカルレンズ2を透過した後、中心軸5a周りに等角速度にて回転駆動されるポリゴンミラー5により夫々偏向される。ポリゴンミラー5により偏向された各レーザー光束は、夫々の光束が共通して入射する走査レンズ11、及び夫々に対応した長尺レンズ12y,12m,12c,12kからなる結像光学系10を透過することにより、夫々に対応した感光ドラム20Y,20M,20C,20Kの走査対象面S上に、スポット光として収束される。これらスポット光は、ポリゴンミラー5の回転に伴って、各感光ドラム20Y,20M,20C,20Kの表面上を、主走査方向(図1において矢印が示す方向)に沿って等速度に走査する。なお、各感光ドラム20Y,20M,20C,20K上で繰り返し走査される4本のレーザービームは、画像情報に従ってオンオフ変調されるので、各感光ドラム20Y,20M,20C,20Kがともに等角速度で回転していれば、各感光ドラム20Y,20M,20C,20Kの表面には、複数のドットからなる二次元状の画像が静電潜像として形成される。この時、結像光学系10によってポリゴンミラー5の各側面と走査対象面Sとが副走査方向において共役関係となっているために、走査対象面Sでは、ポリゴンミラー5の各側面の僅かな傾き(いわゆる「面倒れ」)による副走査方向における走査位置のズレが、補正される。このため、レーザー光束は、ポリゴンミラー5のどの面によって反射されても、走査対象面Sにおける同一線上を走査する。
なお、上述したように、実際の本実施形態による走査光学系は、走査された4本のレーザービームの光路が4組の反射ミラー13,14によって折り曲げられている光学構成を有している。具体的には、図1及び図5に示されるように、走査レンズ11を透過した各レーザービーム(L1,L2,L3,L4)は、夫々に対応した2枚一組の反射ミラー(13yと14y,13mと14m,13cと14c,13kと14k)によって、夫々反射され、夫々に対応した長尺レンズ(12y,12m,12c,12k)へと入射し、夫々に対応した感光ドラム20Y,20M,20C,20K上に収束する。
以下、本実施形態における走査光学系の具体的な実施例を4例挙げて説明する。なお、以下の実施例は、反射ミラー13y,13m,13c,13k及び14y,14m,14c,14kを省略し、光路を展開した状態で説明する。
以下の表1には、本実施形態の第1の実施例の走査光学系における内側及び外側の光学系の具体的な数値構成が、示されている。
この表1において、記号NOは、シリンドリカルレンズ2の入射側の面を1番としてこのレンズ面より射出側に向かって昇順に各光学面に付された面番号を示す。具体的には、第1面及び第2面はシリンドリカルレンズ2を、第3面はポリゴンミラー5の反射面を、第4面は走査レンズ11の前面を、それぞれ示す。また、第5面は、走査レンズ11の後面を示し、第6面及び第7面は、長尺レンズ12の前面及び長尺レンズ12の後面を、それぞれ示す。第8面は走査対象面Sを示す。また、記号Ryは、光学面基準軸上での光学面の主走査方向の曲率半径(単位は[mm])であり、記号Rzは、光学面基準軸上での光学面の副走査方向の曲率半径(単位は[mm])であり、記号dは、次の光学面までの光学面基準軸上での距離(単位は[mm])であり、記号nは、設計波長780nmでの
各レンズの屈折率である。また、記号DECZは、各長尺レンズ12y,12m,12c,12kについては、それら各長尺レンズ12y,12m,12c,12kがティルトしていないとした場合におけるその光学面基準軸Ax´´(図4(a)及び図4(b)参照)の上記光学面基準軸Axからの副走査方向へのシフト量(単位は[mm])を、示す(図4(a)及び図4(b)にDECZとして図示)。また、記号DECZは、走査対象面(第8面)Sについては、レーザービームの入射地点の上記光学面基準軸Ax´´からの副走査方向へのシフト量(単位は[mm])である(微小なため、図示略)。なお、第6面と第8面における、記号「/」によって併記されている左側の数値と右側の数値とは、夫々外側の光学系におけるDECZと、内側の光学系におけるDECZとを示す。さらに、TILT−βは、各光学系(長尺レンズ)のティルト量を示す。このTILT−βにおける記号が+の時は、長尺レンズ12が、プラスティルトしていることを示す。また、このティルト量が−の時は、長尺レンズ12が、マイナスティルトしていることを示す。TILT−βにおける、記号「/」によって併記されている左側の数値と右側の数値とは、DECZと同様に、夫々外側の光学系におけるティルト量と、内側の光学系におけるティルト量とする。なお、この走査光学系全体の焦点距離は235mmであり、走査対象面S上での有効走査幅は216mmである。
さらに、上記光学面基準軸Axを含んで主走査断面と直交する(即ち、光学面基準軸Axを含み、ポリゴンミラー5の中心軸5aに平行な)仮想平面を「副走査断面」と定義すると、本実施形態では、ポリゴンミラー5へ入射するレーザービームの光路を副走査断面に投影した場合、外側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、3.6°であり、内側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、1.2°である。また、ポリゴンミラー5へ入射するレーザービームの光路を主走査断面内に投影した場合、当該レーザービームは、光学面基準軸Axに対して75.0°傾けられている。
以上の数値を条件式(1)に当てはめてみると、(β=0.0628[rad],θ=0.4311[rad],N=1より)β<0.0638となり、本第1の実施例はこの条件(1)を満たしている。さらに、以上の数値を条件式(2)に当てはめてみると、(Δt=1.85°,|s|=0.47°,Δβ=2.4°)より、(Δt+|s|)/Δβ=0.96となり、本第1の実施例はこの条件(2)を満たしている。
なお、本第1の実施例では、走査レンズ11の前面(第4面)11aは、凹の球面として形成されており、その後面(第5面)は、アナモフィック非球面として形成されている。また、内側及び外側の長尺レンズ12y,12m,12c,12kの前面(第6面)は、二次元多項式非球面として形成されており、それらの後面(第7面)は、凸の球面として形成されている。
アナモフィック非球面の主走査断面における形状は、光学面基準軸からの距離(y)の点における光学面基準軸での接平面からのサグ量X(y)として、下記式(3)により表され、主走査方向の各距離(y)での副走査方向における形状は、円弧形状をとる。また、その曲率1/[Rz(y)]は、下記式(4)により表される。
X(y)= 1/Ry・y2/{1+√[1-(κ+1)2y2/Ry2]}
+AM1y+AM2y2+AM3y3+AM4y4+ AM5y5+AM6y6+AM7y7+AM8y8… …(3)
1/[Rz(y)]=1/Rz
+ AS1y+AS2y2+AS3y3+AS4y4+ AS5y5+AS6y6+AS7y7+AS8y8… …(4)
これら式(3)、(4)において、Ryは表1に挙げられた主走査方向における曲率半径であり、Rzは表1に挙げられた副走査方向における曲率半径であり、κは円錐係数、AM1、AM2、AM3、AM4、AM5、AM6、AM7、AM8…は夫々主走査方向に関する1次、2次、3次、4次、5次、6次、7次、8次…の非球面係数であり、AS1、AS2、AS3、AS4、AS5、AS6、AS7、AS8…は夫々副走査方向に関する1次、2次、3次、4次、5次、6次、7次、8次…の非球面係数である。本第1の実施例において走査レンズ11の後側の面(第5面)の具体的形状を特定するためにこれら各式(3),(4)に適用される各係数を、表2に示す。
二次元多項式非球面は、光学面基準軸での接平面からのサグ量が接平面内で主走査方向(y方向)及び副走査方向(z方向)の二次元座標を変数とする多項式によって定義される光学曲面である。なお、接平面と、光学面基準軸との交点は、面設計時に設定される原点(面中心)である。この二次元多項式非球面の形状は、接平面上での点(y,z)における光学面基準軸での接平面からのサグ量X(y,z)として、下記式(5)により表される。
X(y,z)=1/Ry・(y2+z2)/{1+√[1-(κ+1)・(y2+z2)/Ry2]}
+Σbmnymzn ……(5)
式(5)において、Ryは表1に挙げられた主走査方向における曲率半径、κは円錐係数、Bmnは主走査方向における次数がm次であって副走査方向における次数がn次である非球面係数である。実施例1において長尺レンズ12の前側の面(第6面)12y,12m,12c,12kの具体的形状を特定するために式(5)に適用される各係数を表3に示す。
この走査光学系における光学系の光学性能を図6乃至図9に示す。ここで、図6は、fθ誤差(走査対象面S上でのスポット光の理想位置からの主走査方向へのずれ)を示し、図7は、主走査方向(破線)及び副走査方向(実線)の像面湾曲(結像位置の理想平面からの光軸方向へのずれ)を示し、図8は、走査線湾曲(ボウ)を示し、図9は、波面収差を示す。何れのグラフとも縦軸Yは主走査方向の走査位置を示し、横軸は収差量を示す。また、何れのグラフとも縦軸の単位は[mm]であり、図6乃至図8の横軸の単位も[mm]であるが、図9の横軸の単位は波長(RMS値)である。なお、図6乃至図9において、符号(a)は、内側の光学系の光学性能を、符号(b)は、外側の光学系の光学性能を、夫々示す。
これら図6乃至図9に示されるように、本第1の実施例の走査光学系は、fθ特性、像面湾曲などの走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、ボウが良好に補正されており、しかも、波面のねじれが小さく抑えられている。
次に、本実施形態による走査光学系の第2の実施例における具体的な数値構成について、説明する。以下の表4には、本実施例の走査光学系における内側及び外側の光学系の具体的な数値構成が、示されている。
この表4における各欄の意味は、上述した表1のものと同じである。なお、この走査光学系全体の焦点距離は200mmであり、走査対象面S上での有効走査幅は216mmである。さらに、外側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、2.58°であり、内側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、0.86°である。また、当該レーザービームは、光学面基準軸Axに対して65.0°傾けられている。
以上の数値を条件式(1)に当てはめてみると、(β=0.0450[rad],θ=0.4957[rad],N=1より)β<0.0509となり、本第2の実施例はこの条件(1)を満たしている。さらに、以上の数値を条件式(2)に当てはめてみると、(Δt=0.98°,|s|=0.32°,Δβ=1.7°)より、(Δt+|s|)/Δβ=0.76となり、本第2の実施例はこの条件(2)を満たしている。
なお、本第2の実施例では、走査レンズ11の前面(第4面)11aは、凹の球面として形成されており、その後面(第5面)は、アナモフィック非球面として形成されている。また、内側及び外側の長尺レンズ12y,12m,12c,12kの前面(第6面)は、二次元多項式非球面として形成されており、その後面(第7面)は、凸の球面として形成されている。
実施例2の走査レンズ11の後側の面(第5面)の具体的形状を特定するために式(3),(4)に適用される各係数を表5に示す。
また、本第2の実施例において長尺レンズ12の前側の面(第6面)の具体的形状を特定するために式(5)に適用される各係数を表6に示す。
この走査光学系における光学系の光学性能を図10乃至図13に示す。ここで、図10は、fθ誤差を示し、図11は、像面湾曲を示し、図12は、走査線湾曲を示し、図13は、波面収差を示す。なお、図10乃至図13において、符号(a)は、内側の光学系の光学性能を、符号(b)は、外側の光学系の光学性能を、夫々示す。
これら図10乃至図13に示されるように、本第2の実施例の走査光学系は、第1の実施例と同様に、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、各収差が小さく抑えられている。
次に、本実施形態の走査光学系の第3の実施例における具体的な数値構成について、説明する。以下の表7には、本実施例の走査光学系における内側及び外側の光学系の具体的な数値構成が、示されている。
これら表7における各欄の意味は、上述した表1のものと同じである。なお、この走査光学系全体の焦点距離は220mmであり、走査対象面S上での有効走査幅は216mmである。さらに、外側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、3.26°であり、内側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、1.09°である。また、当該レーザービームは、光学面基準軸Axに対して70.0°傾けられている。
以上の数値を条件式(1)に当てはめてみると、(β=0.0569[rad],θ=0.4555[rad],N=1より)β<0.0589となり、本第3の実施例はこの条件(1)を満たしている。さらに、以上の数値を条件式(2)に当てはめてみると、(Δt=1.86°,|s|=0.18°,Δβ=2.2°)より、(Δt+|s|)/Δβ=0.94°となり、本第3の実施例はこの条件(2)を満たしている。
なお、本第3の実施例では、走査レンズ11の前面(第4面)は、凹の球面として形成されており、その後面(第5面)は、アナモフィック非球面として形成されている。また、内側及び外側の長尺レンズ12y,12m,12c,12kの前面(第6面)は、二次元多項式非球面として形成されており、その後面(第7面)は、凸の球面として形成されている。
実施例3の表7において走査レンズ11の後側の面(第5面)の具体的形状を特定するために式(3),(4)に適用される各係数を、表8に示す。
また、本第3の実施例において長尺レンズ12の前側の面(第6面)の具体的形状を特定するために式(5)に適用される各係数を表9に示す。
この走査光学系における光学系の光学性能を図14乃至図17に示す。ここで、図14は、fθ誤差を示し、図15は、像面湾曲を示し、図16は、走査線湾曲を示し、図17は、波面収差を示す。なお、図14乃至図17において、符号(a)は、内側の光学系の光学性能を、符号(b)は、外側の光学系の光学性能を、夫々示す。
これら図14乃至図17に示されるように、本第3の実施例の走査光学系は、第1,及び第2の実施例と同様に、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、各収差が小さく抑えられている。
次に、本実施形態の走査光学系の第4の実施例における具体的な数値構成について、説明する。以下の表10には、本実施例の走査光学系における内側及び外側の光学系の具体的な数値構成が、示されている。
この表10における各欄の意味は、上述した表1のものと同じである。なお、この走査光学系全体の焦点距離は235mmであり、走査対象面S上での有効走査幅は216mmである。さらに、外側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、4.29°であり、内側のレーザービームのポリゴンミラー5への入射角度は、1.43°である。また、当該レーザービームは、光学面基準軸Axに対して75.0°傾けられている。
以上の数値を条件式(1)に当てはめてみると、(β=0.0749[rad],θ=0.4308[rad],N=2より)β<0.1069となり、本第4の実施例はこの条件(1)を満たしている。さらに、以上の数値を条件式(2)に当てはめてみると、(Δt=2.13°,|s|=(|s1|+|s2|)/2=(0.66°+0.75°)/2=0.705°,Δβ=2.2°)より、(Δt+|s|)/Δβ=0.98°となり、本第4の実施例はこの条件(2)を満たしている。
なお、本第4の実施例では、走査レンズ11の前面(第4面)は、凹の球面として形成されており、その後面(第5面)は、アナモフィック非球面として形成されている。また、内側及び外側の長尺レンズ12y、12m、12c、12kの前面(第6面)は、二次元多項式非球面として形成されており、その後面(第7面)も、二次元多項式非球面として形成されている。
本第4の実施例の表10において走査レンズ11の後側の面(第5面)の具体的形状を特定するために式(3)、(4)に適用される各係数を、表11に示す。
また、本第4の実施例において長尺レンズ12の前側の面(第6面),及び後側の面(第7面)の具体的形状を特定するために式(5)に適用される各係数を表12,及び表13に示す。
この走査光学系における光学系の光学性能を図18乃至図21に示す。ここで、図18は、fθ誤差を示し、図19は、像面湾曲を示し、図20は、走査線湾曲を示し、図21は、波面収差を示す。なお、図18乃至図21において、符号(a)は、内側の光学系の光学性能を、符号(b)は、外側の光学系の光学性能を、夫々示す。
これら図18乃至図21に示されるように、本第4の実施例の走査光学系は、第1,第2,及び第3の実施例と同様に、走査光学系に要求される基本的な走査性能を満たしつつ、各収差が小さく抑えられている。
本発明の実施形態である走査光学系の光学構成を概略的に示す斜視図 走査光学系の主要部の主走査方向における光学構成図 走査光学系の主要部の副走査方向における光学構成図 内側及び外側の走査光学系の副走査方向における光学構成図 走査光学系の主要部の副走査方向における光学構成を概略的に示す図 実施例1の走査光学系のfθ誤差を示すグラフ 実施例1の走査光学系の像面湾曲を示すグラフ 実施例1の走査光学系の走査線湾曲を示すグラフ 実施例1の走査光学系の波面収差を示すグラフ 実施例2の走査光学系のfθ誤差を示すグラフ 実施例2の走査光学系の像面湾曲を示すグラフ 実施例2の走査光学系の走査線湾曲を示すグラフ 実施例2の走査光学系の波面収差を示すグラフ 実施例3の走査光学系のfθ誤差を示すグラフ 実施例3の走査光学系の像面湾曲を示すグラフ 実施例3の走査光学系の走査線湾曲を示すグラフ 実施例3の走査光学系の波面収差を示すグラフ 実施例4の走査光学系のfθ誤差を示すグラフ 実施例4の走査光学系の像面湾曲を示すグラフ 実施例4の走査光学系の走査線湾曲を示すグラフ 実施例4の走査光学系の波面収差を示すグラフ 従来の走査光学系の副走査方向における図
符号の説明
1 光源ユニット
2 シリンドリカルレンズ
5 ポリゴンミラー
5a 中心軸
10 結像光学系
11 走査レンズ
12y 長尺レンズ
12m 長尺レンズ
12c 長尺レンズ
12k 長尺レンズ
Ax 光学面基準軸
Ax´ 光学面基準軸
20Y イエロー用感光ドラム
20M マゼンダ用感光ドラム
20C シアン用感光ドラム
20K 黒用感光ドラム

Claims (4)

  1. 4つの光源から発された4本のレーザー光束を主走査方向に動的に偏向し、夫々の光束に対応する走査対象面上に収束させる走査光学系において、
    主走査方向に直交する副走査方向においてそれぞれ異なった角度でその反射面に入射した各レーザー光束を主走査方向へ動的に偏向する偏向器と、
    この偏向器によって偏向された各レーザー光束を夫々に対応した走査対象面上に収束させるための結像光学系とを備え、
    前記結像光学系は、
    なくともその一面が、主走査方向の断面形状が光学面基準軸からの主走査方向の距離の関数として、副走査方向の断面形状が光学面基準軸からの主走査方向の距離の関数として、それぞれ独立に定義されるアナモフィック非球面である走査レンズ群であって、前記偏向器によって偏向された前記4本のレーザー光束の中の2本のレーザー光束が、当該走査レンズ群の光学面基準軸を含み主走査方向に平行な平面である主走査断面の一方の面側の空間である第1空間内を進行し、外側レーザー光束、及び、当該外側レーザー光束よりも前記主走査断面により近い部分を進行する内側レーザー光束として入射し、残りの2本のレーザー光束が、前記主走査断面の他方の面側の空間である第2空間内を進行し、外側レーザー光束、及び、当該外側レーザー光束よりも前記主走査断面により近い部分を進行する内側レーザー光束として入射する走査レンズ群と
    前記走査レンズ群を透過した各光束毎に1つずつ配置された、互いに同じ光学面形状を持つとともに、少なくともその一面が、各所の,光学面基準軸での接平面からのサグ量が各所の二次元座標を変数とする多項式で表現される二次元多項式非球面である4つの長尺レンズであって、前記第1空間内を進行する外側レーザー光束が入射されるように前記第1空間内に配置された第1の外側長尺レンズと、前記第1空間内を進行する内側レーザー光束が入射されるように前記第1空間内の前記第1の外側長尺レンズよりも前記主走査断面に近い位置に配置された第1の内側長尺レンズと、前記第2空間内を進行する外側レーザー光束が入射されるように前記第2空間内に配置された第2の外側長尺レンズと、前記第2空間内を進行する内側レーザー光束が入射されるように前記第2空間内の前記第2の外側長尺レンズよりも前記主走査断面に近い位置に配置された第2の内側長尺レンズとからなる4つの長尺レンズとを、含み、
    前記結像光学系の各長尺レンズの光学面基準軸は、副走査方向において、その長尺レンズを透過する光束の前記反射面に対する副走査方向における入射角度に依って夫々異なる
    角度で、前記走査レンズ群の光学面基準軸に対して傾くように配置されており、
    前記反射面に対する副走査方向における入射角度の絶対値が最も大きいレーザー光束の当該入射角度β[rad],主走査方向における前記走査レンズ群の光学面基準軸を基準としたレーザー光束の最大傾斜角である半画角θ[rad],及び,前記長尺レンズにおける二次元多項式非球面の面数Nの間に、以下の条件式(1)が成立すると共に、
    前記第1空間側、前記第2空間側のそれぞれについての、前記内側レーザー光束に対する前記外側レーザー光束の前記反射面への副走査方向における入射角度の差Δβ[°]、第1空間内に配置された前記内側長尺レンズの光学面基準軸に対する前記外側長尺レンズの光学面基準軸の副走査方向における傾斜角Δt[°]、及び、前記長尺レンズの主走査方向における各レーザー光束が透過する範囲内で、当該長尺レンズの二次元多項式非球面が副走査方向と平行な線に対して副走査方向においてなす角度がとる値の最大値と最小値との差s[°]の間に、以下の条件式(2)が成立する
    ことを特徴とする走査光学系。
    β<0.15−0.2θ/N ・・・・・・(1)
    0.7<(Δt+|s|)/Δβ<1.0 ・・・・・・(2)
  2. 前記走査レンズ群における前記アナモフィック非球面は、副走査方向の断面形状が円弧であり、その副走査方向の曲率が、当該走査レンズ群の光学面基準軸からの主走査方向の距離に依って、当該光学面基準軸に対して非対称に変化し、当該光学面基準軸から主走査方向に離れるにしたがって副走査方向の屈折力が小さくなる面であり、
    前記長尺レンズにおける前記二次元多項式非球面は、当該長尺レンズの光学面基準軸を含み主走査方向に平行な平面に対して非対称、且つ、夫々の光学面基準軸を含み副走査方向に平行な平面である副走査断面を対称面として対称な形状をとり、その副走査断面からの距離に依って、副走査断面に平行な断面における当該二次元多項式非球面の形状が変化する面である
    ことを特徴とする請求項記載の走査光学系。
  3. 前記長尺レンズは、その両面が前記二次元多項式非球面である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の走査光学系。
  4. 前記走査レンズ群に入射する各レーザー光束は、当該走査レンズ群の光学面基準軸を含み主走査方向に平行な平面である主走査断面を対称面として面対称に入射し、
    前記4つの長尺レンズは、夫々、当該主走査断面を対称面として、面対称に配置されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の走査光学系。
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