JP4565479B2 - 加熱硬化性シリコーンゴム組成物 - Google Patents
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Description
【発明が属する分野】
本発明は加熱硬化性シリコーンゴム組成物に関するものである。詳しくは、金型離型性に優れ、かつ成形不良を起こすことない加熱硬化性シリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
加熱硬化性シリコーンゴム組成物は、硬化後、耐熱性、耐侯性、耐寒性、電気絶縁性等に優れたゴムになるので、かかる特性が要求される分野で幅広く使用されている。しかし、この種の加熱硬化性シリコーンゴム組成物は、一般に、成形加工性、特に金型離型性に劣り、金型を使用して複雑な形状の成形品を成形することが難しかった。そのため、加熱硬化性シリコーンゴム組成物にステアリン酸カルシウム等の脂肪酸金属塩を離型剤として添加配合して金型離型性を向上させたシリコーンゴム組成物が提案されている(特公昭55−45099号公報参照)。また、加熱硬化性シリコーンゴム組成物に水を添加配合して金型離型性を向上させたシリコーンゴム組成物が提案されている(特開平6−93185号公報参照)。しかし、前者のシリコーンゴム組成物は、金型離型性が今一つ不十分であるというという問題点があった。また、後者のシリコーンゴム組成物は金型離型性に優れているが、シリコーンゴム成形品表面に、スジ状の傷が発生したり、局部的なボイドが発生することがある等の成形不良を起こし易いという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解消するため鋭意検討した結果、本発明を為すに至った。
即ち、本発明の目的は金型離型性に優れ、かつ成形不良を起こすことのない加熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、(A)(a)平均単位式:
(A)(a-1)平均単位式:
RaSiO4-a/2
(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、aは1.95〜2.05である。)で示されるオルガノポリシロキサン100重量部と(a-2)補強性充填剤1〜100重量部とからなるシリコーンゴムベースコンパウンド100重量部、
(B)(a)水溶性シリコーンと(b)水の混合物{(A)成分100重量部に対して該混合物中に含まれる水の量が0.05〜5重量部となる量)
および
(C)硬化剤(本組成物を硬化させるに十分な量)からなることを特徴とする加熱硬化性シリコーンゴム組成物により達成される。
【0005】
これを説明すると、本発明に使用される(A)成分のシリコーンゴムベースコンパウンドは加熱硬化性シリコーンゴム組成物の主剤となるものである。かかるシリコーンゴムベースコンパウンドを構成する(a-1)成分は、平均単位式:
RaSiO4-a/2
(式中、Rは、一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;β−フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基が例示され、ハロゲン化アルキル基としては、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリクロロプロピル基が例示される。aは1.95〜2.05である。)で示されるオルガノポリシロキサンである。かかるオルガノポリシロキサンは、通常、直鎖状であり、一般にその粘度が100〜100,000,000mPa・sの範囲内にある。末端封鎖基としては、ジメチルビニルシロキシ基、トリメチルシロキシ基、シラノール基が例示される。これらの中でも当業界においてオルガノポリシロキサン生ゴムと呼称されており、25℃における粘度が106mPa・s以上であり、平均重量分子量が105以上であるジオルガノポリシロキサンが好ましい。尚、(C)硬化剤がアルキル系パーオキサイドや白金系触媒とケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンを併用したものであるときは一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有することが必要である。
【0006】
(a-2)成分は、シリコーンゴムに機械的強度を付与するための成分であり、シリコーンゴムの補強性充填剤として使用されている従来公知の補強性充填剤が使用可能である。かかる補強性充填剤としては、乾式法シリカ、湿式法シリカ、これらのシリカの表面がオルガノクロロシラン、オルガノアルコキシシラン、オルガノシロキサンオリゴマー、ヘキサオルガノジシラザン等で表面処理された疎水性シリカ、カーボンブラック、コロイド状炭酸カルシウムが例示される。これらの中でもBET法比表面積が100m2/g以上であるの微粉末状シリカが好ましい。
【0007】
本発明に使用される(B)成分は、本発明の組成物の特徴となる成分であり、優れた金型離型性を付与するためと成形不良を防止するために必須とされる成分である。(B)成分を構成する(b-1)成分は、水に溶解可能なシリコーンであればよく,その種類等は特に限定されない。かかる水に溶解可能なシリコーンとしては、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、アミノアルキル基含有シリコーンオイル、アミド基含有シリコーンオイル、カルビノール基含有シロキサンオリゴマー等が挙げられるが、これらの中でもポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルが好ましい。かかる水溶性のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルとしては、下記一般式で示されるような側鎖または末端にポリオキシアルキレン基を有するオルガノポリシロキサンが例示される。
平均分子式:
【化1】
{式中、xおよびyは1以上の整数であり、zは0または1以上の整数である。
Aは、一般式:-(CH2)a-O-(C2H4O)p(C3H6O)qR(式中、aは1〜3の整数、pは1以上の整数、qは0または1以上の整数であり、Rは水素原子またはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素原子数1〜4のアルキル基である。Bは−(CH2)n−CH3(式中、nは0以上の整数である。)}。
平均分子式:
【化2】
(式中、xおよびAは前記と同じである。)
平均分子式:
【化3】
(式中、x、yおよびAは前記と同じである。)
【0008】
かかるポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルは水溶性であることが必須であるが、良好な水溶性を得るためには、ポリオキシアルキレン部分がポリオキシエチレンまたはオキシエチレン・オキシプロピレンコポリマーであり、分子中の含有量が50重量%以上であるものが好ましい。
【0009】
(b-2)成分の水としては、純水、精製水、イオン交換水等と呼称されている純度の高い水が好ましい。
【0010】
かかる(B)成分は、(b-1)成分と(b-2)成分を均一に混合することにより容易に製造されが、この(B)成分には取扱性の向上あるいは練込性の向上を目的として、シリカ粉末などの増粘剤を添加することは、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0011】
(B)成分の配合量は(A)成分100重量部に対して(b-2)成分の量が0.05〜5重量部となる量である。これは(b-2)成分の量が5重量部を超えるとシリコーンゴム成形品中にボイドを形成しやすく、0.05重量部未満になると金型離型性の向上効果が失われるためである。
【0012】
(C)成分の硬化剤としては、有機過酸化物と、白金系触媒とケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンを併用したものがある。前者の有機過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエイト、o―メチルベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、m―メチルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5―ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが例示される。本成分の好ましい配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲である。
【0013】
後者の白金系触媒とケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンを併用したものの内、白金系触媒としては、白金微粉末、白金黒、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸のオレフィン錯体、塩化白金酸とアルケニルシロキサンとの錯化合物が例示される。本成分の配合量は、白金系金属として組成物全体の0.1〜500ppmが好ましい。ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンは架橋剤であり、白金系触媒の存在下に上記(A)成分中のアルケニル基と反応して本発明組成物を硬化させる働きをする。かかるケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン等が例示される。本成分の配合量は、本成分中のケイ素原子結合水素原子と(a)成分中のアルケニル基のモル比が(0.5:1)〜(10:1)となる量が好ましい。尚、この場合は、白金系触媒の触媒活性の抑制剤として知られている従来公知の化合物、例えば、1−エチニル−シクロヘキサノール、3―メチルー1―ペンテンー3―オール、ベンゾトリアゾール等を加えることができる。
【0014】
本発明組成物には、(D)有機系離型剤を配合することができる。かかる(D)成分を加えた場合は、(b-2)成分の水との相乗的効果によって、金型離型性をより一層高めることができる。かかる有機系離型剤の具体例としては、ラウリン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、アラギン酸等の高級脂肪酸;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸マグネシウム、ラウリン酸カルシウム、オレイン酸亜鉛、オレイン酸マグネシウム、オレイン酸マンガン等の高級脂肪酸塩;ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、N−メチルステアリン酸アミド、N−エチルラウリン酸アミド、N,N−ジエチルパルミチン酸アミド、ビス(ラウリン酸)エチレンアミド等の高級脂肪酸アミド;ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、アラギン酸等の高級脂肪酸のアルコールエステルがある。エステルのためのアルコールとしてメタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、セチルアルコール、エチレングリコール、グリセリンが例示され、さらには、固形パラフィン、パラフィンロウ、パラフィン油、流動パラフィン、ポリエチレン系ワックスが例示される。本成分の配合量は多すぎるとシリコーンゴムの物性の低下をきたすので、(A)成分100重量部に対して5重量部以下である。
【0015】
本発明組成物は、上記した(A)成分〜(C)成分あるいは(A)成分〜(D)成分からなるものであるが、これらの成分に加えて従来公知の添加剤、例えば、けいそう土、石英粉末、重質炭酸カルシウム、けい酸カルシウム、マイカ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等の無機質充填剤;酸化チタン、弁柄、カーボンブラック等の顔料;希土類酸化物、希土類水酸化物、セリウムシラノレート、脂肪酸セリウム塩などの耐熱剤;炭酸亜鉛、炭酸マンガン等の難然剤;ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルジメチルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイルを添加配合することは本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0016】
本発明組成物は、上記(A)成分〜(C)成分あるいは(A)成分〜(D)成分を単に均一に混合することによって容易に製造できる。製造装置としては、ニーダーミキサー、連続混練押出機等の加熱硬化性シリコーンゴム組成物を製造する際に使用されている従来公知の装置が使用可能である。
【0017】
以上のような本発明の加熱硬化性シリコーンゴム組成物は、優れた金型離型性を有するために、複雑な構造を有する金型で成形しても、脱型時にシリコーンゴム成形品に欠けや裂けが発生しない。また、バリの出ないような金型で成形してもスジ状の成形不良を発生しないという特徴を有するので、金型を使用したプレス成形、トランスファー成形、射出成形などの加圧成形用加熱硬化性シリコーンゴム組成物として極めて有用である。
【0018】
【実施例】
次に本発明を実施例と比較例によって説明する。実施例中、部とあるのは重量部のことであり、粘度は25℃における値である。
また、金型離型性は下記のようにして評価した。
○金型成形性の評価方法
アーブルグ社製射出成形機を使用して、図1に示すような突起を有する金型(突起の数77個)の内部に、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を射出し充填して、170℃/10分の条件下で加圧成形した後、得られたシリコーンゴム成形品を引き抜き、これらの成形品の突起部が引きちぎられて、中板金型に残存した突起物の数を数えた。この測定値は、突起部の欠損数(突起部の数/77)として示した。また、このシリコーンゴム成形物の突起部を目視にて観察してスジ状の傷跡の発生数を数え、成形不良発生数(突起部の数/77)として示した。
【0019】
【参考例1】
平均組成式が、
式:Me3SiO−(Me2SiO)7−(MeR1SiO)3SiMe3
[式中、Meはメチル基であり、R1は式:−(CH2)2−O−(C2H4O)12Hで示されるポリオキシエチレン基を示す。本ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル中のポリオキシエチレン基は70重量%]で示される水溶性ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル40重量部とイオン交換水60重量部をフラスコに入れ、均一に混合してポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの水溶液(以下、水溶液A)を調製した。
【0020】
【参考例2】
平均組成式が、
式:Me3SiO−(Me2SiO)86−(MeR2SiO)4SiMe3
[式中、Meはメチル基であり、R2は式:−(CH2)2−O−(C3H6O)24−O−(C2H4O)24C3H7で表される有機基を示す。本ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル中のポリオキシエチレン基とポリオキシプロピレン基の合計量は84重量%である。]で示される水溶性ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル40重量部とイオン交換水60重量部をフラスコ中にいれ、均一に混合してポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの水溶液(以下、水溶液B)を調製した。
【0021】
【参考例3】
平均組成が、式:Me3SiO−(MeR1SiO)SiMe3[式、Meはメチル基であり、R1は式:−(CH2)2−O−(C2H4O)12Hで表されるポリオキシエチレン基を示す。本ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル中のポリオキシエチレン基の含有量は59重量%である。]で示される水溶性ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル40重量部とイオン交換水60重量部をフラスコ中で均一に混合することにより、ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルの水溶液(以下、水溶液C)を調製した。
【0022】
【実施例1】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%とからなる、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン生ゴム(重量平均分子量370,000)100部、粘度60mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー10.0部および比表面積200m2/gの乾式法シリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下で混合してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部と参考例1で得られた水溶液A0.8部(水分量として約0.5重量部)をニーダーミキサーに投入して室温下で混合した。次いで、この組成物に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を2本ロール上で添加し混合して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の特性を測定して、その結果を後記する表1に示した。
【0023】
【実施例2】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%とからなる、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキサン生ゴム(重量平均分子量370,000)100部、粘度60mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー10.0部および比表面積200m2/gの乾式法シリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部と参考例1で得られた水溶液A0.8部(水分量として約0.5重量部)とステアリン酸カルシウム0.3部をニーダーミキサーに投入して室温下で混合した。次いで、この混合物に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を2本ロール上で添加し混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の特性を測定して、その結果を後記する表1に示した。
【0024】
【実施例3】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキシ生ゴム(重量平均分子量370,000)100部、粘度60mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー10.0部および比表面積200m2/gの乾式法シリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下で混合してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部と参考例2で得られた水溶液B0.8部(水分量として約0.5重量部)をニーダーミキサーに投入して室温下で混合した。次いで、この組成物に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を2本ロール上で添加し混合して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の特性を測定して、その結果を後記する表1に示した。
【0025】
【実施例4】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる、ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジオルガノポリシロキシ生ゴム(重量平均分子量370,000)100部、粘度60mPa・sの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー10.0部および比表面積200m2/gの乾式法シリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下で混合してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部と参考例3で得られた水溶液C0.8部(水分量として約0.5重量部)をニーダーミキサーに投入して室温下で混合した。次いで、この組成物に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を2本ロール上で添加し混合して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の特性を測定して、その結果を後記する表1に示した。
【0026】
【比較例1】
実施例1において、水溶液A0.8部の替わりに、水0.5部を配合した以外は実施例1と同様にして加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の特性を実施例1と同様に測定して、その結果を表1に併記した。
【0027】
【比較例2】
実施例1において、水溶液A0.8部の替わりにステアリン酸カルシウム0.3部を配合した以外は実施例1と同様にして加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の特性を実施例1と同様に測定して、その結果を表1に併記した。
【0028】
【表1】
【0029】
【実施例5】
実施例1で得られたシリコーンゴムベースコンパウンド100部に参考例1で得られた水溶液A0.8部(水分量として約0.5重量部)、ステアリン酸カルシウム0.3部をニーダーミキサーにて室温下で混合した。次いで、この混合物に2本ロールを使用して粘度25mPa・sのトリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体1.0部(本成分中のケイ素原子結合水素原子のモル数と上記生ゴム中のビニル基のモル数の比率は3.3:1)、硬化制御剤として1−エチニル−シクロヘキサノール0.03部、硬化触媒として塩化白金酸と1,3ジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を白金金属として2ppmとなる量を均一に混合して加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の特性を実施例1と同様にして測定した。これらの結果を表2に示した。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】
本発明の加熱硬化性シリコーンゴム組成物は、(A)(a-1)平均単位式:
RaSiO4-a/2(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、aは1.95〜2.05である。)で示されるオルガノポリシロキサン100重量部と(a-2)補強性充填剤1〜100重量部とからなるシリコーンゴムベースコンパウンド、(B)(b-1)水溶性シリコーンと(b-2)水の混合物および(C)硬化剤各所定量からなるので、金型離型性に優れ、かつ成形不良を起こすことがないという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例において金型離型性の評価に使用した金型の概略断面図である。
【図2】 中金型の突起部の拡大概略断面図である。
【符号の説明】
1 上金型
2 中金型
3 キャビティ
4 下金型
Claims (6)
- (A)(a−1)平均単位式:
RaSiO4-a/2
(式中、Rは一価炭化水素基もしくはハロゲン化アルキル基であり、aは1.9
5〜2.05である。)で示されるオルガノポリシロキサン100重量部と(a−2)
補強性充填剤1〜100重量部とからなるシリコーンゴムベースコンパウンド 100重量部、
(B)(b−1)ポリオキシアルキレン変性シリコーンオイル、アミノアルキル基含有シリコーンオイル、アミド基含有シリコーンオイルおよびカルビノール基含有シロキサンオリゴマーからなる群から選ばれる水溶性シリコーンと(b−2)水の混合物{(A)成分100重量部に対して該混合物中に含まれる水の量が0.05〜5重量部となる量)
および
(C)硬化剤(本組成物を硬化させるに十分な量)からなることを特徴とする金型を使用した加圧成形用加熱硬化性シリコーンゴム組成物。 - (b−1)成分が水溶性のポリオキシアルキレン変性シリコーンオイルである請求項1に記載の加熱硬化性シリコーンゴム組成物。
- (b−1)成分中のポリオキシアルキレンがポリオキシエチレンまたはオキシエチレン・オキシプロピレンコポリマーである請求項2に記載の加熱硬化性シリコーンゴム組成物。
- (b−1)成分中のポリオキシエチレンまたはオキシエチレン・オキシプロピレンコポリマーの含有量が50重量%以上である請求項3に記載の加熱硬化性シリコーンゴム組成物。
- (b−1)成分と(b−2)成分の比率が、重量比で(5:95)〜(95:5)である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の加熱硬化性シリコーンゴム組成物。
- さらに(D)有機系離型剤5重量部以下を含有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の加熱硬化性シリコーンゴム組成物。
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