JP3925874B2 - 金型成形用シリコーンゴム組成物 - Google Patents

金型成形用シリコーンゴム組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は金型成形用シリコーンゴム組成物に関するものである。詳しくは、優れた金型離型性を有し、複雑な構造を持った金型成形に好適に用いられる金型成形用シリコーンゴム組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその問題点】
一般に、シリコーンゴム組成物は金型離型性に劣り、脱型時にゴム裂けが発生したり、長時間の運転に際しては金型汚染が発生したりすることが知られている。従来、これらの問題を解決する方法として、シリコーンゴム組成物にステアリン酸,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなどの内部離型剤を添加する方法が提案されている。
しかし、これらの内部離型剤を添加したシリコーンゴム組成物といえども、突起構造を持っていたり、中空の曲がり構造等を持っている複雑な構造を有するシリコーンゴム成形品を成形する場合には、金型からの離型性に劣り、成形品の突起部が欠けたり、亀裂が発生し易く、製品の不良率が著しく増大するという問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】
本発明者らは、上記問題点を解消すべく鋭意研究した結果、シリコーンゴムベースコンパウンドに高級脂肪酸もしくは高級脂肪酸金属塩と特定のオルガノポリシロキサンオリゴマーを添加配合してなるシリコーンゴム組成物が、卓越した金型離型性を示すことを見出し、本発明を為すに至った。
即ち、本発明の目的は従来のシリコーンゴム組成物の金型離型性をさらに大幅に上まわる高い金型離型性を有する加熱硬化性シリコーンゴム組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段およびその作用】
上記目的は、
(A)(a)平均単位式
【化
Figure 0003925874
(式中、Rは置換または非置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05である。)で示されるオルガノポリシロキサン生ゴム100重量部と(b)補強性充填剤10〜100重量部と(c)式
化5
Figure 0003925874
(式中、nは2〜20である。)で示される両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー5〜15重量部を加熱下あるいは加熱減圧下に混練してなるシリコーンゴムベースコンパウンド 100重量部、
(B)高級脂肪酸または高級脂肪酸金属塩 0.05〜5重量部、
(C)一般式
【化
Figure 0003925874
(式中、R1,R2は同一または異種の非置換または置換一価炭化水素基である。mは1〜20,nは0〜20の正数である。)で示されるオルガノシロキサンオリゴマー
0.05〜5重量部、
(D)硬化剤 本発明組成物を硬化させるに十分な量
からなる(ただし、水酸化アルミニウムを含有しない)ことを特徴とする、突起構造または中空の曲がり構造を有するシリコーンゴム成形品の金型成形用シリコーンゴム組成物によって達成することができる。
【0005】
これを説明すると、本発明に使用される(A)成分のシリコーンゴムベースコンパウンドは、シリコーンゴム組成物の主剤となるものであり、このものはよく知られている。かかるシリコーンゴムベースコンパウンドに使用される(a)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムは、上式中、Rがメチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基;ビニル基,アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;β−フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール基;クロロメチル基,3−クロロプロピル基,3,3,3−トリクロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で例示されるような置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05である。このオルガノポリシロキサン生ゴムは、直鎖状,やや分岐した直鎖状であり、その分子量は特に限定されず、当業界においてオルガノポリシロキサン生ゴムと呼称されている範囲内のものが使用可能であり、通常は、25℃における粘度が106センチストークス以上であり、平均分子量25×104以上であるものが使用される。
【0006】
(b)成分の補強性充填剤は、従来からシリコーンゴムベースコンパウンドに使用されているものであり、補強性微粉末シリカ,カーボンブラックなどが例示される。補強性微粉末シリカの具体例としては、ヒュームドシリカ,沈降法シリカなどが挙げられる。これらの中でも粒子径が50mμ以下であり、比表面積が100m2/g以上の超微粉末状シリカが好ましい。また、表面疎水化処理微粉末シリカ、例えば、オルガノシラン,オルガノシラザン,ジオルガノシクロポリシロキサンなどであらかじめ表面処理されたものは、さらに好適である。カーボンブラックは特にシリコーンゴムに導電性を付与する時に使用されるものであり、アセチレンブラック,ケッチェンブラック,ファーネストブラック,サーマルブラックなどが例示される。 尚、(A)成分は(a)成分と(b)成分 ( ) 成分を均一になるまで混練することにより製造されるが、ミキサー中で加熱混練したものが好ましく、加熱減圧下に混練したものがさらに好ましい。
【0007】
本発明に使用される(B)成分の高級脂肪酸または高級脂肪酸金属塩は、金型離型性を付与するために必須とされる成分であり、これは(C)成分のオルガノシロキサンオリゴマーと併用することによる相乗的効果によって、その効果をより一層高めることが出来る。高級脂肪酸としては、ラウリン酸,ステアリン酸,パルミチン酸,オレイン酸,アラギン酸などが例示される。高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン酸マグネシウム,ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸コバルト,ステアリン酸アルミニウム,ステアリン酸バリウム,ラウリン酸亜鉛,ラウリン酸バリウム,ラウリン酸マグネシウム,ラウリン酸カルシウム,オレイン酸亜鉛,オレイン酸マグネシウム,オレイン酸マンガンなどが例示される。この(B)成分の配合量は(A)成分のシリコーンゴムベースコンパウンドに対して0.05〜5重量部の範囲であり、配合量が多すぎる場合はシリコーンゴムの物性(特に耐熱性,圧縮永久歪)の低下をきたし、少なすぎると目的とする金型離型性が得られないことになる。
【0008】
本発明に使用される(C)成分のオルガノシロキサンオリゴマーは、本発明の組成物の特徴となる成分であり、本発明組成物の硬化物に金型離型性を付与するために必須とされる成分である。この成分は、上記(B)成分と併用することにより金型離型性を著しく向上させる。かかる(C)成分は上式中、R1,R2は同一または異種の非置換または置換一価炭化水素基であり、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基等のアルキル基;ビニル基,アリル基等のアルケニル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基,β−フェニルエチル基等のアラルキル基;フェニル基等のアリール基;クロロメチル基,3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基で例示される置換もしくは非置換の一価炭化水素基であり、これらの中でも、メチル基,フェニル基,ビニル基,ヘキセニル基,3,3,3−トリフロロプロピル基が好ましい。また、mは1〜20,nは0〜20の正数である。かかるオルガノシロキサンオリゴマーの製造方法は知られており、例えば、ジメチルジクロロシランの加水分解縮合反応、メチルフェニルジクロロシランの加水分解縮合反応、ジメチルジクロロシランとジフェニルジクロロシランの共加水分解縮合反応によって製造することが可能である。かかる(C)成分としては次のような式で示される化合物が挙げられる。
【化7】
Figure 0003925874
(式中、nは2〜20である。)
(両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー)
【化8】
Figure 0003925874
(式中、Phはフェニル基であり、mは3〜9である。)
(両末端シラノール基封鎖メチルフェニルシロキサンオリゴマー)
【化9】
Figure 0003925874
(式中、Phはフェニル基であり、mおよびnは2〜6である。)
(両末端シラノール基封鎖ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体オリゴマー)
【化10】
Figure 0003925874
(式中、mは3〜20である。)(両末端シラノール基封鎖メチルビニルシロキサンオリゴマー)
【化11】
Figure 0003925874
(式中、mは2〜20である。)
(両末端シラノール基封鎖メチルトリフロロプロピルシロキサンオリゴマー)
本発明においては、かかる(C)成分のオルガノシロキサンオリゴマーは、(A)成分のシリコーンゴムベースコンパウンドに直接添加配合される。この場合(B)成分の高級脂肪酸または高級脂肪酸の金属塩と同時に添加配合することが好ましい。本発明者らの実験によれば、かかる(C)成分のオルガノシロキサンオリゴマーはシリコーンゴム組成物中に遊離状態で存在することが必要であり、シリカ微粉末等の補強性充填剤に担持された状態でシリコーンゴム組成物中に存在すればその効果は発揮し得ない。この(C)成分の配合量は(A)成分100重量部に対して0.05〜5重量部であり、これは、配合量が5重量部を越えるとシリコーンゴム組成物の粘着力が増加してロール加工性が低下し、0.05重量部未満になると金型離型性の効果がなくなってしまうためである。
【0009】
本発明に使用される(D)成分の硬化剤は、本発明組成物を硬化させてシリコーンゴムとするものであり、一般には、有機過酸化物が使用される。また、(A)成分のオルガノポリシロキサン生ゴムがアルケニル基を含有するものである場合には、オルガノハイドロジェンポリシロキサンと白金系触媒が使用可能である。かかる硬化剤の配合量は本発明の組成物を硬化させるのに十分な量である。ここで、有機過酸化物としては、ジクミルパーオキサイド,ジ−t−ブチルパーオキサイド,t−ブチルクミルパーオキサイド,2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン,2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン, , −ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,ベンゾイルパーオキサイド,2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド,4−クロロベンゾイルパーオキサイドが例示される。この有機過酸化物の配合量は、通常、(A)成分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲内である。また、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,両末端メチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が例示される。白金系触媒としては、塩化白金酸,塩化白金酸のアルコール溶液,塩化白金酸とジビニルテトラメチルシロキサンとの錯体、白金黒等が例示される。かかるオルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、一般に、このオルガノハイドロジェンポリシロキサン中に含まれるケイ素原子結合水素原子のモル数と(A)成分中のアルケニル基のモル数との比率が(0.5:1)〜(20:1)となる量であり、白金系触媒の配合量は、一般に、本発明組成物中に占めるオルガノポリシロキサンの総重量100万重量部に対して0.1〜500重量部の範囲内である。
【0010】本発明のシリコーンゴム組成物は、上記した(A)成分〜(D)成分のほかに、従来からシリコーンゴム組成物に使用されている、公知の添加剤、例えば、けいそう土,石英粉末,炭酸カルシウム,マイカ,酸化アルミニウム,酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化チタン,弁柄などの無機質充填剤、希土類酸化物,希土類水酸化物,セリウムシラノレート,セリウム脂肪酸塩などの耐熱剤、ジメチルシリコーン油,メチルフェニルシリコーン油などのシリコーン油を添加配合することは本発明の目的を損なわない限り差し支えない。
【0011】
本発明のシリコーンゴム組成物は、上記(A)成分と(B)成分〜(D)成分を単に均一に混合することによって容易に得られるが、特に、(a)成分のオルガノポリシロキサン生ゴム100重量部と(b)成分の補強性充填剤10〜100重量部 ( ) 成分の両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー5〜15重量部を加熱下あるいは加熱減圧下に混練して(A)成分のシリコーンゴムベースコンパウンドを造り、次いで、該コンパウンドに(B)高級脂肪酸または高級脂肪酸金属塩0.05〜5重量部と(C)成分のオルガノシロキサンオリゴマー0.05〜5重量部を添加混練し、しかる後に、(D)硬化剤0.1〜10重量部を添加して混練することが好ましい。
【0012】
以上のような本発明のシリコーンゴム組成物は優れた金型離型性を有するために、これを突起構造または中空の曲がり構造を有するシリコーンゴム成形品の金型成形に適用しても、脱型時にシリコーンゴム成形品に欠けや裂けが発生しない。したがって、かかる金型を使用したプレス成形,トランスファー成形,射出成形などの加圧成形用シリコーンゴム組成物として極めて有用である。
【0013】
【実施例】
次に本発明を実施例によって説明する。実施例中、部とあるのは重量部のことであり、粘度は25℃における値であり、cStはセンチストークスを表す。
なお、実施例において金型離型性の評価は、シリコーンゴム組成物を図1に示すような突起を有する金型(突起の数77個)を用いて170℃/10分間の条件下で加圧成形し、成形後、得られたシリコーンゴム成形品を無理に引き抜き、この成形品の突起部が引きちぎられて、中板金型に残った突起物の数を数えた。この測定値は、突起部の欠損率(突起部の数/77)として示した。
【0014】
【実施例1】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)100部、粘度60cStの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー10部と比表面積200m2/gのヒュームドシリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部にステアリン酸亜鉛0.2部を2本ロール上で練り込んだ(組成物1)。続いてこの組成物100部に表1に示すオルガノシロキサンオリゴマー1.0部を添加配合して、次いで、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の金型離型性を測定した。これらの結果を表1に示した。
比較のため上記において、オルガノポリシロキサンオリゴマー1.0部を添加配合しなかった以外は上記と同様にして加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の金型離型性を上記と同様にして測定し、その結果を表1に併記した。
【表1】
Figure 0003925874
【0016】
【実施例3】
両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)80部とジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)20部、粘度60cStの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー6部、ヘキサメチルジシラザン6部、比表面積200m2/gのヒュームドシリカ45部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に均一になるまで混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムコンパウンド100部にステアリン酸カルシウム0.2部と粘度128cStの両末端トリメチルシロキシ基封鎖フェニルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(フエニルメチルシロキサン単位含有量50モル%)8部を2本ロール上で練り込んだ(組成物3)。この組成物3に表3に示すオルガノシロキサンオリゴマーを1.0部を添加配合し、次いで、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の金型離型性を測定した。これらの結果を表3に示した。
比較のため上記において、オルガノポリシロキサンオリゴマー1.0部を添加配合しなかった以外は上記と同様にして加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この組成物の金型離型性を上記と同様にして測定し、その結果を表3に併記した。
【表3】
Figure 0003925874
【0017】
【比較例1】
実施例1で使用したジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)100部、粘度60cStの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー11.5部と比表面積200m2/gのヒュームドシリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムコンパウンド100部にステアリン酸亜鉛0.2部を添加して2本ロ−ル上で混練し、次いで、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の金型離型性を測定したところ、金型離型性(突起部の欠損率)は20/77であった。
【0018】
【比較例2】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)100部、粘度60cStの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー18部と比表面積200m2/gのヒュームドシリカ30部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムベースコンパウンド100部に水酸化アルミニウム80部とステアリン酸カルシウム0.3部を添加し2本ロール上で混練した。次いで、得られたこの組成物100部に、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の金型離型性を測定したところ、金型離型性(突起部の欠損率)は67/77であった。
【0019】
【実施例4】
ジメチルシロキサン単位99.85モル%とメチルビニルシロキサン単位0.15モル%からなる両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサン生ゴム(重合度5,000)100部、粘度60cStの両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー5.0部と比表面積180m2/gの湿式法シリカ40部をニーダーミキサーに投入して、加熱下に混練してシリコーンゴムベースコンパウンドを調製した。このシリコーンゴムコンパウンド100部にステアリン酸亜鉛0.2部と粘度128cStのフェニルメチルポリシロキサンオイルを2本ロール上で練り込んだ(組成物4)。この組成物4、100部に表4に示すオルガノシロキサンオリゴマーを1.0部あるいは0.5部添加配合し、次いで、架橋剤としての両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量0.8重量%)0.5部と硬化遅延剤としてのモノメチルトリス(モノメチルブチノキシ)シラン0.06部と硬化剤としての塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体を白金として総重量にたいして15ppmになる量添加し混練して、加熱硬化性シリコーンゴム組成物を調製した。この加熱硬化性シリコーンゴム組成物の金型離型性を測定した。これらの結果を表4に示した。
【表4】
Figure 0003925874
【0020】
【発明の効果】
本発明のシリコーンゴム組成物は、(A)成分〜(D)成分からなり、特に(A)(a)オルガノポリシロキサン生ゴム100重量部と (b)補強性充填剤10〜100重量部と(c)両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー5〜15重量部を加熱下あるいは加熱減圧下に混練してなるシリコーンゴムベースコンパウンド100重量部に(B)高級脂肪酸または高級脂肪酸金属塩0.05〜5重量部と(C)両末端シラノール基封鎖オルガノシロキサンオリゴマー0.05〜5重量部を配合しているので、突起構造または中空の曲がり構造を有するシリコーンゴム成形品であっても金型からの離型性に優れるという特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例において使用した金型離型性の評価用に使用した金型の概略断面図である。
【図2】中金型の突起部の拡大概略断面図である。
【符号の説明】
1 上金型
2 中金型
3 キャビティ
4 下金型

Claims (1)

  1. (A)(a)平均単位式
    Figure 0003925874
    (式中、Rは置換または非置換の一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05である。
    )で示されるオルガノポリシロキサン生ゴム100重量部と(b)補強性充填剤10〜100重量部と(c)式
    Figure 0003925874
    (式中、nは2〜20である。)で示される両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサンオリゴマー5〜15重量部を加熱下あるいは加熱減圧下に混練してなるシリコーンゴムベースコンパウンド 100重量部、
    (B)高級脂肪酸または高級脂肪酸金属塩 0.05〜5重量部、
    (C)一般式
    Figure 0003925874
    (式中、R1,R2は同一または異種の非置換または置換一価炭化水素基である。mは1〜20,nは0〜20の正数である。)で示されるオルガノシロキサンオリゴマー
    0.05〜5重量部、
    (D)硬化剤 本発明組成物を硬化させるに十分な量
    からなる(ただし、水酸化アルミニウムを含有しない)ことを特徴とする、突起構造または中空の曲がり構造を有するシリコーンゴム成形品の金型成形用シリコーンゴム組成物。
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