JP3904853B2 - 熱伝導性シリコーンゴム組成物及びそれを用いたヒーターロール - Google Patents

熱伝導性シリコーンゴム組成物及びそれを用いたヒーターロール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久ひずみ、低硬度等の特性を有するシリコーンゴム組成物、並びに斯かるシリコーンゴム組成物を用いた、長期間安定した定着性が得られるヒーターロールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、硬化してシリコーンゴムとなるシリコーンゴム組成物はよく知られており、その耐候性、耐熱性、耐寒性、電気絶縁性等の優れた性質を利用して、電気・電子部品のポッティング材、コーティング材、型取り用等の成形材料やロール等に幅広く使用されている。
【0003】
ヒーターロールに関しては、従来技術では、シリカ、アルミナ、マグネシア等の充填剤を配合したシリコーンゴム組成物を用いたヒーターロールの例示がある。しかし、シリカは、固有の熱伝導率が低いため、シリコーンゴムに充填する場合、多量の体積充填率が必要となり、硬さの上昇や圧縮永久ひずみ率の悪化を招く。アルミナやマグネシアは、固有の熱伝導率は高いが、耐熱性の低下や、圧縮永久ひずみ率の悪化が大きい。
【0004】
一方、酸化亜鉛に関しては、特開平8−12889号公報には表面処理した導電性金属酸化物を配合したシリコーンゴム組成物及びロールの記載があり、導電性金属酸化物として酸化亜鉛が例示されている。また、特開平8−134356号公報には充填剤として亜鉛華が例示されている。しかしながら、ヒーターロールに用いることについての例示はされているものの、具体的に実施した例は見られず、実際に使用された資料は見当たらない。これは、従来からゴム用の充填剤として用いられる酸化亜鉛は、アメリカ法やフランス法で製造された酸化亜鉛や湿式法で製造された微粒子酸化亜鉛であり、シリコーンゴムに充填した時に耐熱性の低下や、硬度の上昇が見られ、固有の熱伝導率は高いものの実際には使用できないものであったためと考えられる。
【0005】
そこで、本願出願人は、特開2000−302971号公報において、特定の酸化亜鉛を配合することにより、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久ひずみ、低硬度等の特性を有し、ヒーターロールとして利用した場合に長期間安定した定着性が得られるヒーターロールとなり得るシリコーンゴム組成物を提案した。
【0006】
かかるシリコーンゴム組成物は、前述の従来技術の欠点が解消され、高熱伝導性、低圧縮永久ひずみ等に優れ、ヒーターロールとして極めて好適な材料であるが、その後の検討によると、酸化亜鉛を高充填すると、熱伝導性の高いものが得られるが、反面、熱容量が大きくなり、昇温するのに多量のエネルギーが必要となることがわかった。即ち、特開2000−302971号公報の如く、酸化亜鉛を高充填した熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いたヒーターロールは、熱伝導性等に優れているものの、ヒーターロールの昇温特性が良いとは言えず、まだ改良の余地があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、本発明は、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久ひずみ、低硬度等の特性を有し、ヒーターロールとして利用した場合に長期間安定した定着性が得られるヒーターロールとなり得ると共に、昇温特性にも優れたシリコーンゴム組成物の提供を目的とするものである。
【0008】
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、オルガノポリシロキサンに、特定の酸化亜鉛と共に特定の結晶性シリカ粉を併用配合するのが極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち本発明は、
(A) 下記一般式(1) で示されるオルガノポリシロキサン 100 重量部に
R SiO(4−a)/2 (1)
(但し、式中Rは同種又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基、a は1.90〜2.05の正数である。)
(B) 湿式法で造粒した水酸化亜鉛または炭酸亜鉛を 600〜1800℃の温度で焼成することで得られる焼成酸化亜鉛、あるいはアメリカ法又はフランス法で調製した酸化亜鉛を 800〜1800℃の温度で焼成した酸化亜鉛であって、平均粒子径が1〜50μm 、嵩密度が1.0 〜4.0g/ccの酸化亜鉛 50〜1000重量部
(C) 平均粒子径0.1〜50μm の結晶性シリカ粉 20〜200重量部
(D) 触媒量の硬化剤
を配合してなることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物、並びに斯かる熱伝導性シリコーンゴム組成物をロール芯金上に均一に被覆し硬化させてなるヒーターロールである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳しく説明する。
【0011】
本発明の組成物を構成する(A) 成分は、前記一般式(1) で示されるオルガノポリシロキサンであり、式中Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などのアルキル基、ビニル基、アリル基、ブタニエル基などのアルケニル基、フェニル基、トリル基などのアリール基またはこれらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基などで置換したクロロメチル基、クロロプロピル基、3,3,3 −トリフルオロプロピル基、2−シアノエチル基などから選択される同種又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基であり、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは1〜8のものである。又、a は1.90〜2.05の正数である。
【0012】
このものは、直鎖状の分子構造を有することが好ましいが、分子中に一部分枝鎖状のものを含有していても問題はない。また、このものは分子鎖末端がトリオルガノシリル基又は水酸基で封鎖されたものとすればよいが、このトリオルガノシリル基としては、トリメチルシリル基、ジメチルビニルシリル基、メチルフェニルビニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、メチルジビニルシリル基、トリビニルシリル基などが例示される。
【0013】
尚、このものの重合度に限定はないが、液状シリコーンゴムとする場合には重合度 100〜2000、ミラブル型シリコーンゴムとする場合には重合度2000〜10000 が好ましい。
【0014】
本発明の(B) 成分は、特定の製法により得られた特定の物性を有する酸化亜鉛であり、本発明所期の効果を達成するための特徴的成分である。
【0015】
即ち、本発明の(B) 成分としては、酸化亜鉛の中でも、湿式法で造粒した水酸化亜鉛または炭酸亜鉛を 600〜1800℃の温度で焼成することで得られる焼成酸化亜鉛、またはアメリカ法又はフランス法で調製した酸化亜鉛を 800〜1800℃の温度で焼成した酸化亜鉛であって、平均粒子径が1〜50μm 、嵩密度が1.0 〜4.0g/ccの酸化亜鉛が選択的に使用される。
【0016】
湿式法で造粒した水酸化亜鉛または炭酸亜鉛を焼成する場合、焼成温度は 600〜1800℃、好ましくは700 〜1800℃、更に好ましくは800 〜1800℃である。焼成温度が 600℃よりも低いとシリコーンゴムの耐熱性が低下し、1800℃を超えると粒子が固着し凝集体が発生する。
【0017】
また、アメリカ法又はフランス法で調製した酸化亜鉛を焼成する場合、焼成温度は 800〜1800℃、好ましくは 900〜1800℃、更に好ましくは1000〜1800℃である。焼成温度が800 ℃よりも低いとシリコーンゴムの耐熱性が低下し、1800℃を超えると粒子が固着し凝集体が発生する。
【0018】
酸化亜鉛の平均粒子径は1〜50μm であることが必要であり、好ましくは平均粒子径3〜20μm である。平均粒子径が1μm より小さいとシリコーンゴムの硬度が上がり高充填ができなくなり、熱伝導性の高いシリコーンゴムが得られない。50μm を超えるとシリコーンゴムの強度が著しく低下する。
【0019】
また、酸化亜鉛の嵩密度は1.0 〜4.0g/ccであることが必要であり、好ましくは1.2 〜3.5g/ccである。嵩密度が1.0g/ccよりも低いと、シリコーンゴムの硬さが高くなってしまい、4.0g/ccを超えるものは、製造自体が困難である。
【0020】
また、酸化亜鉛はBET比表面積は0.01〜5m/g の範囲であることが好ましい。BET比表面積が0.01m/g より小さいものは、粒子径が大きくなりすぎ、5m/g を超えるものは、ゴムの硬度が高く耐熱性も低下する。
【0021】
本発明において、(B) 酸化亜鉛の配合量は、(A) オルガノポリシロキサン100 重量部に対し50〜1000重量部である。50重量部未満では熱伝導性が悪く、1000重量部を超えると強度が低下する。
【0022】
一般に、酸化亜鉛は、体積当たりの比熱が大きい。更に、本発明で用いる焼成した酸化亜鉛を熱硬化性シリコーンゴム組成物に高充填したものは、熱伝導率が高いが、酸化亜鉛の占める体積分率が大きい。このため、組成物の熱膨張率が大きく、高温下では熱伝導率が低下するため、酸化亜鉛単独では、必要な熱伝導性が達成されても昇温特性を満足することはできない。
【0023】
そこで、本発明では、(C) 成分として特定の結晶性シリカ粉を併用することにより、高熱伝導率と昇温特性を両立させたことを特徴とする。
【0024】
本発明で用いる結晶性シリカ粉は、平均粒子径が0.1〜50μm であることが必要であり、好ましくは0.5〜40μm である。平均粒子径が0.1μm 未満では硬さの上昇が起こり、50μm を超えると、容易に沈降してしまい、好ましくない。
【0025】
本発明において、(B) 結晶性シリカ粉の配合量は、(A) オルガノポリシロキサン100 重量部に対し20〜200重量部である。20重量部未満では昇温特性向上効果が得られず、200重量部を超えると硬さの上昇や圧縮永久ひずみ率の悪化を招く。
【0026】
次に、(D) 成分の硬化剤としては、ゴム弾性体を得るための反応機構に応じて適宜選択されるものである。その反応機構としては、(1) 有機過酸化物加硫剤による架橋方法、(2) 縮合反応による方法、(3) 付加反応による方法等が知られており、その反応機構によって、(A) 成分と(D) 成分すなわち硬化用触媒もしくは架橋剤との好ましい組合せ、並びに(D) 成分の量が決まることは周知である。
【0027】
以下、上記 (1)〜(3) の夫々の反応機構における(A) オルガノポリシロキサンと、(D) 硬化剤とについて説明する。
【0028】
先ず、上記(1) の架橋方法を適用する場合においては、通常、(A) 成分のオルガノポリシロキサンとして、1分子中のケイ素原子に結合した有機基のうち、少なくとも2個がビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニルなどのアルケニル基であるオルガノポリシロキサンが用いられる。特に合成の容易さ、原料の入手のし易さから、上記基の中でもビニル基が好ましい。また、(D) 成分の硬化剤としては、ベンゾイルペルオキシド、2,4 −ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシド等の各種の有機過酸化物加硫剤が用いられ、特に低い圧縮永久歪みを与えることから、ジクミルペルオキシド、クミル−t−ブチルペルオキシド、2,5 −ジメチル−2,5 −ジ−t−ブチルペルオキシヘキサン、ジ−t−ブチルペルオキシドが好ましい。なお、これらの有機過酸化物加硫剤は、1種または2種以上の混合物として用いられる。
【0029】
(D) 成分の硬化剤である有機過酸化物の配合量は、(A) 成分のオルガノポリシロキサン100 重量部に対し0.05〜15重量部の範囲が好ましい。有機過酸化物の配合量が0.05重量部未満では加硫が十分に行われず、15重量部を超えて配合してもそれ以上の格別な効果がないばかりか、得られた導電性シリコーンゴムの物性に悪影響を与えることがあるからである。
【0030】
また、上記(2) の縮合反応を適用する場合においては、(A) 成分のオルガノポリシロキサンとして両末端に水酸基および/またはアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。(D) 成分の硬化剤としては、まず架橋剤として、エチルシリケート、プロピルシリケート、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シラン、メチルトリプロペノキシシラン等のアルコキシ型;メチルトリアセトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等のアセトキシ型;メチルトリ(アセトンオキシム)シラン、ビニルトリ(アセトンオキシム)シラン、メチルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン、ビニルトリ(メチルエチルケトキシム)シラン等、およびその部分加水分解物が例示される。また、ヘキサメチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、テトラメチルジブチル−ビス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘプタメチル(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ペンタメチル−トリス(ジエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサン、ヘキサメチル−ビス(メチルエチルアミノキシ)シクロテトラシロキサンのような環状シロキサン等も例示される。このように、架橋剤はシランやシロキサン構造のいずれでもよく、またそのシロキサン構造は直鎖状、分岐状および環状のいずれでもよい。さらに、これらを使用する際には、1種類に限定される必要はなく、2種以上の併用も可能である。
【0031】
また、(D) 成分の硬化剤のうち、硬化用触媒としては、鉄オクトエート、コバルトオクトエート、マンガンオクトエート、スズナフテネート、スズカプリレート、スズオレエートのようなカルボン酸金属塩;ジメチルスズジオレエート、ジメチルスズジラウレート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジオレエート、ジフェニルスズジアセテート、酸化ジブチルスズ、ジブチルスズジメトキシド、ジブチルビス(トリエトキシシロキシ)スズ、ジオクチルスズジラウレートのような有機スズ化合物が用いられる。
【0032】
(D) 成分の硬化剤のうち、上記架橋剤の配合量は(A) 成分のオルガノポリシロキサン 100重量部に対し 0.1〜20重量部が好ましい。架橋剤の使用量が 0.1重量部未満では、硬化後のゴムに充分な強度が得られず、また20重量部を超えると得られるゴムが脆くなり、いずれも実用に耐え難い。また、硬化用触媒の配合量は(A) 成分のオルガノポリシロキサン 100重量部に対し0.01〜5重量部が好ましい。これより少ない量では硬化用触媒として不十分であって、硬化に長時間を要し、また空気との接触面から遠い内部での硬化が不良となる。他方、これよりも多い場合には、保存安定性が低下してしまう。より好ましい配合量の範囲としては、0.1 〜3重量部である。
【0033】
上記(3) の付加反応を適用する場合の(A) 成分のオルガノポリシロキサンとしては、上記(1) におけるオルガノポリシロキサンと同様なものが用いられる。また、(D) 成分の硬化剤としては、硬化用触媒として、塩化白金酸、白金オレフィン錯体、白金ビニルシロキサン錯体、白金黒、白金トリフェニルホスフィン錯体等の白金系触媒が用いられ、架橋剤として、ケイ素原子に結合した水素原子が1分子中に少なくとも平均2個を超える数を有するオルガノポリシロキサンが用いられる。
【0034】
(D) 成分の硬化剤のうち、硬化用触媒の配合量は、(A) 成分のオルガノポリシロキサン100 重量部に対し白金元素量で1〜1000ppm の範囲となる量が好ましい。硬化用触媒の配合量が白金元素量として1ppm 未満では、充分に硬化が進行せず、また1000ppm を超えても特に硬化速度の向上等が期待できない。また、架橋剤の配合量は、(A) 成分中のアルケニル基1個に対し、架橋剤中のケイ素原子に結合した水素原子が0.2 〜4.0 個となるような量が好ましく、さらに好ましくは0.5 〜3.0 個となるような量である。水素原子の量で硬化後の組成物の硬さを調整することが可能であり、硬さを低くするには水素原子の量を1.0 個未満とすることが有効であるが、水素原子の量が0.2 個未満である場合は、組成物の硬化が充分に進行しなくなり、また水素原子の量が 4.0個を超えると硬化後の組成物の物理的性質と耐熱性が低下する。
【0035】
なお、本発明の組成物には必要に応じて重合度が 100以下の低分子量シロキサン、シラノール基含有シラン、アルコキシ基含有シランなどの分散剤や酸化鉄、酸化セリウム、オクチル酸鉄などの耐熱性向上剤、白金化合物、酸化鉄、アゾ化合物、酸化チタンなどの難燃剤、顔料など、ポリオルガノシルセスキオキサンを配合してもよく、更に組成物に加工性、成形性を付与する目的でイソパラフィン溶剤などの飽和脂肪族炭化水素、その他通常のシリコーンゴム組成物に添加される他の添加剤を添加することもできる。
【0036】
本発明の組成物の製造方法としては、ニーダー、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどの従来から一般的に用いられている装置で配合、混練を行なえば良い。
【0037】
また、本発明のシリコーンゴム組成物は、加圧成形、押出し成形、射出成形、カレンダー成形等の通常の方法によって成形加工し、硬化させて製品とすることができる。
【0038】
特に本発明のシリコーンゴム組成物は、シリコーンゴムロール材料として有用であり、本発明のシリコーンゴム組成物を、常法の如く、ロール芯金上に均一に被覆し硬化させることにより、性能の優れたヒーターロールを得ることができる。
【0039】
また、本発明の熱伝導性シリコーンゴム組成物は、その硬化物の熱伝導率が1.0×10-3cal/cm・sec・℃以上、好ましくは1.1×10-3cal/cm・sec・℃以上、さらに好ましくは1.2×10-3cal/cm・sec・℃以上であることが望ましい。
【0040】
【発明の効果】
本発明のシリコーンゴム組成物は、高熱伝導性、耐熱性、低圧縮永久ひずみ、低硬度等の特性を有し、斯かるシリコーンゴム組成物を用いることにより、長期間安定した定着性が得られるヒーターロールを提供でき、このヒーターロールは耐熱重量減少も極めて小さいものであり、且つ昇温特性にも優れたものである。
【0041】
【実施例】
本発明のシリコーンゴム組成物を実施例により詳細に説明する。なお、実施例中の粘度は25℃において測定した値であり、部は重量部である。また、実施例中、シリコーンゴム組成物の評価は次のようにして行った。
ゴムシート
・硬さ JIS K 6249 タイプAデュロメーター
・放熱性(熱伝導率) 京都電子製 迅速熱伝導率計
・引張強さ、伸び JIS K 6249
・圧縮永久ひずみ JIS K 6249 180℃、22時間
・昇温特性(180℃まで達する時間)
昇温特性は、250℃に設定したホットプレート上に、60×60×6mmの大きさの各ゴム硬化物シートを置き、表面温度計で180℃まで達する時間を測定した。
【0042】
また、実施例・比較例で使用した酸化亜鉛・アルミナは以下の通りである。
【0043】
酸化亜鉛(1) ;湿式法で造粒した水酸化亜鉛を 850℃で焼成した、平均粒子径 12μm 、嵩密度1.8g/ccの酸化亜鉛
酸化亜鉛(2) (比較品);フランス法で製造した平均粒子径 0.3μm 、嵩密度 0.3g/ccの酸化亜鉛
実施例1
粘度が3000センチポイズである分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖のジメチルポリオルガノシロキサン(ビニル基含有量=0.08mmol/g )80部を混練り装置に配合し、そこに、酸化亜鉛(1) 170部、平均粒子径5μm の結晶性シリカ粉50部およびFeO 3部を配合し 150℃の温度で2時間加熱混練りした後に、残りのポリオルガノシロキサン20部で希釈し、さらに、粘度が5センチポイズである分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量3mmol/g )3部、塩化白金酸とジビニルテトラメチルジシロキサンとの錯体0.1部および1−エチニル−1−シクロヘキサノール 0.1部、を均一に混合して、本発明のシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を 150℃、10分型中で硬化し、その後 200℃の空気中で4時間熱処理を行いシリコーンゴムシートを得た。そして、硬さ、引張強さ、伸び、圧縮永久ひずみ、熱伝導率、昇温特性の評価を行った。
【0044】
結果は、表1に示した通りである。
実施例2
実施例1において、酸化亜鉛(1) の配合量を120部に変えた以外は同様に評価した。
実施例3
(CH)SiO 単位99.9モル%、(CH)(CH=CH)SiO単位0.12モル%からなり、末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された、重合度6000のポリオルガノシロキサン100 部と酸化亜鉛(1) 170部、FeO 3部および平均粒子径5μm の結晶性シリカ粉50部をニーダーミキサーで均一になるまで混練した。この後、 150℃で2時間加熱処理した。このシリコーンゴム組成物に硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン1部を二本ロールで均一になるまで混合して本発明のシリコーンゴム組成物を調製した。このシリコーンゴム組成物を実施例1と同様に評価した。
比較例1
実施例1において、酸化亜鉛(1) を配合せず、結晶性シリカ粉のみを130部配合した以外は同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、評価した。
比較例2
実施例1において、結晶性シリカ粉を配合せず、酸化亜鉛(1) のみを200部配合した以外は同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、評価した。
比較例3
実施例1において、結晶性シリカ粉を配合せず、酸化亜鉛(1) のみを280部配合した以外は同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、評価した。
比較例4
実施例1において、結晶性シリカ粉を配合せず、また酸化亜鉛(1)に代えて酸化亜鉛(2) を200部配合した以外は同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、評価した。
比較例5
実施例1において、酸化亜鉛(1)に代えて酸化亜鉛(2) を用いた以外は同様にしてシリコーンゴム組成物を調製し、評価した。
【0045】
【表1】
Figure 0003904853

Claims (2)

  1. (A) 下記一般式(1) で示されるオルガノポリシロキサン 100 重量部に
    R SiO(4−a)/2 (1)
    (但し、式中Rは同種又は異種の非置換又は置換1価炭化水素基、a は1.90〜2.05の正数である。)
    (B) 湿式法で造粒した水酸化亜鉛または炭酸亜鉛を 600〜1800℃の温度で焼成することで得られる焼成酸化亜鉛、あるいはアメリカ法又はフランス法で調製した酸化亜鉛を 800〜1800℃の温度で焼成した酸化亜鉛であって、平均粒子径が1〜50μm 、嵩密度が1.0 〜4.0g/ccの酸化亜鉛 50〜1000重量部
    (C) 平均粒子径0.1〜50μm の結晶性シリカ粉 20〜200重量部
    (D) 触媒量の硬化剤
    を配合してなることを特徴とする熱伝導性シリコーンゴム組成物。
  2. 請求項1記載の熱伝導性シリコーンゴム組成物をロール芯金上に均一に被覆し硬化させてなるヒーターロール。
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