JP4565366B2 - N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物およびこれを用いた水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化、固化方法 - Google Patents

N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物およびこれを用いた水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化、固化方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末、(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤を含有してなることを特徴とする水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化または固化簡単に均一に出来るN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物およびこれを用いた水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化固化方法に関する
【0002】
【従来の技術】
従来、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を水やアルコール中に添加し、増粘、ゲル化、吸液固化させようとする場合、特にその粒子径が小さい場合においては、均一な粉末の水及び/またはアルコールへの分散には強攪拌を必要とし、攪拌が不足する場合においては、分散が不均一となり、均一な溶解増粘、膨潤ゲル化、固化ができないか、非常に長い時間を要し、N−ビニルアセトアミド系樹脂の微細な粉末を均一に増粘、ゲル化、または吸液固化させることは容易ではなかった。
【0003】
N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を用いた増粘、ゲル化、吸液固化剤については、特開平11−504号公報において廃液処理剤としての記載があるが、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を固化させる液体中に直接投入しており、本発明にある均一に増粘、ゲル化、または吸液固化させる工夫はなされていない。
【0004】
また、特開平7−163648号公報、特開平10−128107号公報においては、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を使用する際に不均一なゲル化、吸液が起こらない工夫についての記載があるが、いずれもN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末以外の粉末をN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末にブレンドする方法であり、本発明の様に液体中へ分散させる手法については言及されていない。
【0005】
本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤の組成物に関しては、特開平6−346041号公報にN−ビニルアセトアミド系樹脂と多価アルコール組成物の記載が見られるが、そこで使用される多価アルコールはN−ビニルアセトアミド系樹脂を溶解するものであり、一方、本発明で使用する水溶性有機溶剤、液体状の界面活性剤はN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解または強度に膨潤しないものであり本質的に異なる発明である。
【0006】
また、特開平2−18487号公報に水の増粘、ゲル化、吸液固化剤についての記載があるが、そこで使用されているのは天然水溶性高分子のジュランガムであり、ジュランガムをはじめとした天然の高分子は天然物から得るものであるので、品質が安定せず、高度の精製を行わないと混入物による汚染や不純物による劣化等の現象が生じ、また独特の臭いを有する等の欠点がある。さらに、そこではジュランガム添加時の均一分散を得るために金属封鎖剤を用いているが、本発明にある水溶性有機溶剤、液体状の界面活性剤を必須成分とはしていない。
【0007】
さらに、アルコールのゲル化、吸液固化剤については、特開平8−231942号公報に記載があるが、そこで使用されているのはジアルキルウレア誘導体であり、水溶性有機溶剤、液体状の界面活性剤を必須成分として用いていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究の結果、(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末、(B)水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤よりなる組成物を用いることにより、水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化または固化が非常に簡単に、均一に実施可能であることを見い出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、次の事項に関する。
(1)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末、(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤を含有してなることを特徴とするN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(2)N−ビニルアセトアミド系樹脂が、水溶性のN−ビニルアセトアミド系樹脂である上記(1)記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(3)N−ビニルアセトアミド系樹脂が、N−ビニルアセトアミド系架橋樹脂である上記(1)に記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(4)水溶性有機溶剤がポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(5)液体状の界面活性剤が、10〜20℃で液体状である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(6)液体状の界面活性剤として、少なくとも1種のノニオン性界面活性剤を用いる上記(1)ないし(5)のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(7)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と、(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤との比率が、質量比で1:99〜50:50である上記(1)ないし(6)のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
【0010】
(8)さらに(C)水を含有してなることを特徴とする上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(9)(C)水の含有量が、全組成に対して2〜10質量%である上記(8)に記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物
(10)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの増粘方法。
(11)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールのゲル化方法。
(12)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの固化方法
(13)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの増粘方法。
(14)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールのゲル化方法。
(15)(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの固化方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に使用するN−ビニルアセトアミド系樹脂は下記一般式(I)
【0012】
【化1】
Figure 0004565366
【0013】
で表されるN−ビニルアセトアミドの単独または共重合可能なコモノマーとの(共)重合体である。
【0014】
本発明において、共重合可能なコモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸及びその塩、N−ビニルホルムアミド、N−メチルビニルホルムアミド、N−メチルビニルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸及びその塩等が挙げられ、これらのコモノマーと、N−ビニルアセトアミドモノマーとの2元系、もしくは多元系共重合体を使用することができる。
【0015】
N−ビニルアセトアミド系樹脂が増粘剤として用いられる場合には、N−ビニルアセトアミド系樹脂は水溶性であることが好ましい。本発明において、「水溶性」とは、水に溶解し得るということであり、当該樹脂を水に0.2質量%添加し、室温付近で適度に攪拌した場合に、24時間以内に均一に水に溶解して透明な溶液となることを言う。
【0016】
さらに、N−ビニルアセトアミド系樹脂がゲル化剤または固化剤として用いられる場合には、N−ビニルアセトアミド系架橋樹脂を用いることが好ましい。また、粒子径が小さいN−ビニルアセトアミド系架橋樹脂は、それを増粘剤として用いることも可能であり、特にチキソ特性が必要な増粘に好適である。
【0017】
本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末とは、上記N−ビニルアセトアミド系樹脂の粉末であり、粉末の粒子径は特に限定されない。しかし、通常、増粘、ゲル化、固化剤として用いる場合、樹脂の溶解速度、膨潤速度を早くすることは有用であり、この為には粉末の粒子径は小さい方が効果的であるが、従来の技術にて言及した様に、小さな粒子径においては分散時に攪拌不足等の理由により不均一分散となり易い。また、粒子径の比較的大きな数mm径の粉末の場合においても、その粒径分布が広く、粒子径の小さな粉末を含有している場合には、同様に分散時に不均一分散となり易い。従って、本発明はこれらの粉末(小粒子径粉末、広い粒径分布を持つ粉末)に特に有効であり、粒子径サブミクロンから数mmまでの粉末で効果的に用いることが出来る。
【0018】
本発明において、N−ビニルアセトアミド系架橋樹脂は、1分子内に重合性二重結合を2個以上もつ架橋剤の存在下でN−ビニルアセトアミド(と、所望により上記他のコモノマーと)を(共)重合架橋した樹脂、または、未架橋である前駆重合樹脂を予め製造し、これを重合樹脂中の官能基と反応させ化学結合を形成させる方法、放射線、過酸化物等で架橋する方法などにより製造された樹脂である。
【0019】
ここで架橋する際に使用する1分子内に重合性二重結合を2個以上もつ架橋剤としては、テトラアリルオキシエタン、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、ジアリルエーテル、単糖類、二糖類、多糖類、セルロースなどの水酸基を1分子内に2個以上有する化合物から誘導されるポリアリルエーテル;トリメリット酸トリアリル、クエン酸トリアリル、シュウ酸ジアリル、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等の1分子中にカルボキシル基を2個以上有する化合物から誘導されるポリアリルエステル;ジアリルアミン、トリアリルイソシアヌレートなどの1分子内にアリル基を2個以上有する化合物;シュウ酸ジビニル、マロン酸ジビニル、コハク酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、アジピン酸ジビニル、マレイン酸ジビニル、フマル酸ジビニル、クエン酸トリビニルなどの1分子内にビニルエステル構造を2個以上有する化合物;N,N’−ブチレンビス(N−ビニルアセトアミド)、N,N’−ジアセチル−N,N’−ジビニル−1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンなどのビス(N−ビニルカルボン酸アミド)化合物;N,N'−メチレンビスアクリルアミド、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の複数個のアクリルアミド構造や(メタ)アクリル基を有する化合物;ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、(メタ)アクリル酸アリル等のあらゆる公知の架橋剤が使用可能である。
また、これらの架橋剤は一種または二種以上用いることもできる。
【0020】
上記架橋剤の使用量は、N−ビニルアセトアミドを含む重合性モノマー全量に対して10質量%以下が好適であり、6質量%以下がより好ましい。
【0021】
未架橋である前駆重合樹脂中の官能基(例えば、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等)と反応して化学結合を生成し得る架橋剤としては、その官能基に応じて、ポリグリシジルエーテル、ポリイソシアヌレート、ポリアミン、ポリオール、ポリカルボン酸などが挙げられる。これらの架橋剤の使用量は、通常架橋物前駆重合樹脂総量を基準として、重合樹脂:架橋剤の比が質量比で90:10〜99.999:0.001の範囲が好ましく、95:5〜99.995:0.005の範囲がより好ましい。架橋剤の質量比が10より多い場合には、適切な粘度、ゲル化、固化を発現させるため必要な樹脂量が極端に多くなり、また架橋剤の質量比が0.001より少ない場合には、ゲル化、固化剤として使用する場合にゲル強度が低くなり易いため、好ましくない。
【0022】
本発明において用いるN−ビニルアセトアミド系樹脂は、既知の水溶液重合、逆層懸濁重合、乳化重合、沈殿析出重合等で製造することができ、最終的には乾燥粉砕、濾過乾燥、スプレードライ等で粉末の形状を得る。
【0023】
本発明において水溶性有機溶剤は、当該N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくいものを用いる。「膨潤しにくい」とは、当該樹脂を溶剤及び/または液体状の界面活性剤中に添加して24時間放置した後に当該樹脂を濾別した場合、当該樹脂中に吸収された溶剤及び/または液体状の界面活性剤が当該樹脂の質量の10質量倍以下である状態を言う。用いる水溶性有機溶剤の種類としては、当該N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくいものであれば特に限定はないが、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等の溶剤が適しており、それらのなかでも引火性等の安全性の面、操作中に溶剤が蒸発しN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が器具や容器表面に析出しないこと、および液が粘凋であるためにN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末表面に付着した液が、水及び/またはアルコールと混合した時にそれらと混ざり合うのに時間がかかり、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末の分散がより良好になる等の点から、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールが特に好ましい。
【0024】
本発明において、液体状の界面活性剤はN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくいものを用いる。本発明において用いる液体状の界面活性剤の種類としては、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい室温付近で液体状のものであれば、特に限定はなく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、オレフィンスルホン酸塩、モノアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩に代表される陰イオン性界面活性剤;及びこれらの陽イオンとして、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン等が挙げられる。さらにノニルフェニルエーテルや高級アルコールの酸化エチレン付加物に代表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等のノニオン性界面活性剤;アルキルベタイン、アルキルアミドベタイン、カルボベタイン、ヒドロキシスルホベタイン等のベタイン型、イミダゾリン型の両性界面活性剤;または、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド等に代表される脂肪酸アルカノールアミド等の燐酸エステル、ホウ酸エステル系界面活性剤等が挙げられ、これらを1種または2種以上選択して使用することが出来る。
【0025】
これらの中でも、特に安定性、低発泡性等から、ノニオン性界面活性剤が好適に用いられ、その中でも特にポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等が挙げられ、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルがさらに好適に用いられる。また、界面活性剤単独でN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と混合する場合には、10〜20℃において液体形状を有する界面活性剤を用いる必要があり、上記温度範囲において界面活性剤が液状でない場合は、水溶性有機溶剤との併用が必須となる。
【0026】
本発明において用いる水溶性有機溶剤と液体状の界面活性剤の配合量は、(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤の質量比で、1:99〜50:50がよく、好ましくは10:90〜40:60である。水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤の配合比率が50より少ないと、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤の、混合組成物の流動性が低下して水及び/またはアルコール中に添加した場合の初期分散が悪くなり、逆に配合比率が99より多いと水及び/またはアルコールに添加し所望の増粘、ゲル化または固化状態を得るために必要な組成物の量が多く必要になる。
【0027】
本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物は、(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末を溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に分散させて調製した後、その混合物を水及び/またはアルコールに分散させ増粘、ゲル化または固化させて使用する。用いる水及び/またはアルコールの量に関しては、目的用途に応じて適宜調整変更すればよく特に限定はない。
【0028】
本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物を用いて増粘、ゲル化または固化することができるアルコールとしては、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解、膨潤するものであれば特に限定はなく、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、エチレングリコールまたはプロピレングリコール、メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ジエチレングリコール、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、プロピルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、グリセリン及びその誘導体等が挙げられる。
【0029】
さらに、本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物を長期間保管する際、特にN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末の粒子径が小さい場合には、経時で組成物中で沈降して固いハードケーキとなり、使用時に再攪拌しても均一な元の組成物には戻らないことがある。
【0030】
この現象を防止するためには、N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物全量に対して水を2〜10質量%、特に好ましくは2〜5質量%含有させることが有効である。ここで言う「水」とは、(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末、(B)水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に含有される水分をも含めたものである。水の含有量が2質量%未満では添加効果が十分でなく、10質量%を越えるとN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が経時で膨潤し、組成物全体の流動性が低下するため好ましくない。
【0031】
また、本発明のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物には、必要に応じてキレート剤等の添加物や、香料、染料、殺菌剤、安定剤、腐食防止剤、誤食防止剤、消泡剤、pH調整剤、酵素、イソペンタン、ノルマルペンタン等の発泡剤、塩化第一錫、硫酸第一錫、ヒドラジン、エリソルビン酸、アスコルビン酸等の還元剤、レゾルシン、フェノキシエタノール等の抗菌剤、タルク、珪藻土、長石、石英、燐酸カルシウム、酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化チタン、酸化亜鉛等の研磨剤または無機電解質、増粘、ゲル化または固化を補助するためにN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末以外の増粘剤、吸水剤(例えば、アラビアガム、ジュランガム、トラガントガム、ローカストビーンガム、グアーガム、エコーガム、カラヤガム、キサンタンガム、サクシノグルカン、寒天、デンプン、カラゲナン、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、デキストラン、デキストリン、アミロース、ゼラチン、コラーゲン、プルラン、ペクチン、アミロペクチン、スターチ、キチン、アルブミン、カゼイン、グルテンなどの天然の高分子、アミロペクチンセミグリコール酸ナトリウム、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、エチルメチルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルスターチ、デンプングリコール酸塩、デンプンリン酸エステル塩、アルカリ金属カルボキシメチルセルロース、アルカリ金属セルロース硫酸塩、セルロースグラフト重合物、セルロースアセテートフタレート、デンプン−アクリル酸グラフト重合物、デンプン−アクリロニトリルグラフト重合物、無水フタル酸変性ゼラチン、コハク酸変性ゼラチンなどの半合成の高分子、ポリビニルアルコール(架橋物)、ポリエチレンオキサイド(架橋物)、ポリビニルピロリドン(架橋物)、ポリビニルメチルエーテル(架橋物)、ポリメチルビニルエステル(架橋物)、ポリアクリル酸塩(架橋物)、ポリアクリル酸架橋物、カルボキシビニルポリマー(架橋物)、ビニルピロリドン−アクリル酸エチル共重合物(架橋物)、ビニルピロリドン−スチレン共重合物(架橋物)、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物(架橋物)、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合物(架橋物)、酢酸ビニル−クロトン酸共重合物(架橋物)、N−ビニルホルムアミド(共)重合物(架橋物)、酢酸ビニル−クロトン酸共重合物(架橋物)、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合物(架橋物)、ポリビニルスルホン酸(架橋物)、ポリイタコン酸(架橋物)、ポリヒドロキシエチルアクリレート(架橋物)、ポリアクリルアミド(架橋物)、アクリルアミド−アクリル酸塩共重合物(架橋物)、スチレン−マレイン酸無水物共重合物(架橋物)、イソブチレン−マレイン酸無水物共重合物(架橋物)、アクリルアミド−アクリル酸共重合物(架橋物)などの合成の高分子、シリカ、アルミナ、セピオライト、珪藻土、活性白土、ベントナイト、タルク、カオリン、酸化マグネシウム粉末、塩基性硫酸マグネシウム、ゼオライトなどの無機物)等を添加してもよい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例になんら制限されるものではない。
【0033】
以下に使用したN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末は、水の影響を確認するために、全て使用前に105℃で4時間乾燥し、含まれる水分を除いて調製に用いた。通常の使用においては、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末中の水分量が明らかな場合は、乾燥せずに用いても何ら問題はない。
【0034】
実施例6〜7、参考例1〜5および8〜16)表1に示す配合量(質量%)に従い、本発明の増粘、N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物を調製した。実施例6〜7と参考例1〜5および8〜10まではN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体架橋樹脂「ノニオレックス(昭和電工株式会社登録商標) NA−010F(昭和電工株式会社製、平均粒子径15μm)」を用い、参考例11〜12はN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体架橋樹脂「ノニオレックス(昭和電工株式会社登録商標) NA−010M(昭和電工株式会社製、粒子径0.1〜1.0mm)」を用い、参考例13はN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体架橋樹脂「ノニオレックス(昭和電工株式会社登録商標) NA−150F(昭和電工株式会社製、平均粒子径15μm)」を用い、参考例14はN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体樹脂「ビアック(昭和電工株式会社登録商標) GE−191(昭和電工株式会社製、粒子径0.05〜0.18μm)」を用い、参考例15はN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド/アクリル酸ナトリウム共重合体樹脂「ビアック(昭和電工株式会社登録商標)GE−167(昭和電工株式会社製、粒子径0.05〜0.18μm)」を用い、参考例16はN−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体高架橋樹脂「レオジック GX−205(日本純薬株式会社製、平均粒子径2μm)」を用いた。また、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、アセトン、テトラヒドロフランは市販品を使用し、界面活性剤は花王株式会社の市販品を使用した。
【0035】
調製方法としては、まず水溶性有機溶剤または液体状の界面活性剤を容器に入れ、計算量の水を加えて混合し、そこにN−ビニルアセトアミド(共)重合体粉末を投入して撹拌することにより、N−ビニルアセトアミド(共)重合体粉末を均一に分散させた。
【0036】
水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化または固化試験には上記分散物を用い、参考例1〜5および7〜15では水90質量%、参考例16では水82質量%また実施例6ではエタノール90質量%を攪拌下において、実施例6〜7と参考例1〜5および8〜15では分散物10質量%を、参考例16では分散物18質量%を注ぎ込み、10分間攪拌を継続した後に攪拌を停止し、液の外観を目視により観察して判定した。
【0037】
(比較例1〜2)
下記 表1に示す配合量(質量%)に従い、N−ビニルアセトアミド(共)重合物粉末としてN−ビニルアセトアミド単独重合体架橋樹脂「ノニオレックス(昭和電工株式会社登録商標) NA−010F (昭和電工株式会社製、平均粒子径15μm)」を用いて混合を行った。また、ポリエチレングリコールは市販品を使用した。
【0038】
比較例1では、N−ビニルアセトアミド(共)重合体粉末3.3質量%を水溶性有機溶剤または液体状の界面活性剤に分散することなく、直接水96.7質量%に投入して撹拌し、10分間攪拌を継続した後に攪拌を停止し、液の外観を観察して判定した。
【0039】
比較例2では、実施例と同様の操作によりN−ビニルアセトアミド(共)重合体粉末含有の組成物を調製するが、組成物中の水分量は1.5質量%である。水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化または固化試験は、上記分散物を用い、水及び/またはアルコール90質量%を攪拌下、分散物10質量%を注ぎ込み、10分間攪拌を継続した後に攪拌を停止し、液の外観を観察して判定した。
【0040】
【表1】
Figure 0004565366
【0041】
上記例で得られたN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物について、調整時のN−ビニルアセトアミド(共)重合体粉末の分散性、保存後の再攪拌性(3日間放置後の沈降粉末の再攪拌再均一分散性)について調べた。
【0042】
(1)分散性評価
目視により観察した。評価基準は、以下の通り。
◎…「非常に良好に分散しており、流動性も良好」
○…「良好に分散しているがやや流動性悪い」
△…「やや分散にムラがあり、流動性もあまり良くない」
×…「分散にムラがあり、ペースト状で流動性悪い」
(2)再攪拌性目視により観察した。評価基準は、以下の通り。
○…「良好」
△…「やや不良」
×…「不良」
さらに、N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物を、水及び/またはエタノール中に添加し一定時間攪拌した時の分散性について調べた。
(3)水、エタノール分散性評価目視により観察した。評価基準は、以下の通り。
○…「良好に分散している」
△…「やや分散にムラがある」
×…「分散にムラがある」
上記(1)(3)の試験結果を表2にまとめて示す。
【0043】
【表2】
Figure 0004565366
【0044】
表2に示した通り、実施例6〜7と参考例1〜5および8〜16の各N−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物は、いずれも全ての項目において優れた特性を示した。これに対し、比較例1では10分間の攪拌程度ではママコ状態(添加した粉末が大きな塊で分散しており、塊の表面は液で濡れているものの中身は粉末のままの状態)が解消されず、いたって不均一なゲル化組成物が得られるのみであった。比較例2では、得られた組成物を用いての水の増粘、ゲル化には問題はないものの、組成物の保存安定性に欠け、再攪拌性が悪い結果となった。
【0045】
【発明の効果】
(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末をまず(B)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい水溶性有機溶剤及び/または液体状の界面活性剤に分散させることによって、水及び/またはアルコールを均一に増粘、ゲル化または固化することが可能となり、例えば、消毒用アルコールの増粘、洗浄剤の増粘、液状農薬の増粘またはゲル化、化粧品の増粘またはゲル化、電解液の増粘またはゲル化、芳香消臭剤液のゲル化、殺虫剤液のゲル化、忌避剤液のゲル化、殺菌剤液の増粘またはゲル化、医療廃液、化学廃液、産業廃棄物廃液、生ゴミ廃液、ブレーキ廃液、重金属含有廃液、放射能廃液等の廃液固化等の幅広い分野に有用である。

Claims (7)

  1. (A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末、N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい液体状の界面活性剤、及び(C)水を含有してなり、該液体状の界面活性剤がポリオキシエチレンアルキルエーテルまたはポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであり、(C)水の含有量が全組成物に対し2〜10質量%であることを特徴とするN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物。
  2. 前記N−ビニルアセトアミド系樹脂が、水溶性のN−ビニルアセトアミド系樹脂である請求項1に記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物。
  3. 前記N−ビニルアセトアミド系樹脂が、N−ビニルアセトアミド系架橋樹脂である請求項1に記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物。
  4. 前記(A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末と、前記N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい液体状の界面活性剤との比率が、質量比で1:99〜50:50である請求項1ないし3のいずれかに記載のN−ビニルアセトアミド系樹脂含有組成物。
  5. (A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末をN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの増粘方法。
  6. (A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末をN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールのゲル化方法。
  7. (A)N−ビニルアセトアミド系樹脂粉末をN−ビニルアセトアミド系樹脂粉末が溶解しないかまたは膨潤しにくい液体状の界面活性剤と(C)水に分散させ、続いてその混合物を水及び/またはアルコール中に添加する水及び/またはアルコールの固化方法。
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