JPH06207075A - 水溶性熱可塑性フィルムおよびその用途 - Google Patents

水溶性熱可塑性フィルムおよびその用途

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JPH06207075A
JPH06207075A JP207893A JP207893A JPH06207075A JP H06207075 A JPH06207075 A JP H06207075A JP 207893 A JP207893 A JP 207893A JP 207893 A JP207893 A JP 207893A JP H06207075 A JPH06207075 A JP H06207075A
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soluble
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vinyl
thermoplastic film
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JP207893A
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Hirotoshi Kamata
博稔 鎌田
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Kiichi Hosoda
喜一 細田
Toshiyuki Aizawa
利行 相沢
Hitoshi Nakamura
仁至 中村
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Resonac Holdings Corp
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Showa Denko KK
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 N−ビニルアセトアミドのポリマーまたは
(メタ)アクリル酸エステルなどとのコポリマーにポリ
オキシアルキレン基を有する化合物を配合して得られる
水溶性熱可塑性フィルムおよびその用途。 【効果】 本発明のフィルムは長時間保存しても化学
的、物理的性質の変化が少ないため、水への溶解度が変
化しにくく、洗剤、農薬、ランドリーバッグなどの包装
材、特殊印刷等の用途に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性熱可塑性フィル
ムに関する。さらに詳しくは、N−ビニルアセトアミド
単独重合体もしくはN−ビニルアセトアミドと他のビニ
ル系モノマーからなる共重合体に、水溶性可塑剤たるポ
リオキシアルキレン基を有する化合物を配合することに
より得られる冷水易溶性、耐アルカリ性、耐酸性に優れ
た水溶性熱可塑性フィルムおよびその具体的用途に関す
る。
【0002】(発明の背景)水溶性の医薬品などの化学
薬品、洗剤、殺虫剤、除草剤、殺菌剤等の農薬類、染料
および顔料などの多くは溶解性や分散性を考慮して粉末
状態で包装、販売されているが、消費者が包装材の開封
時あるいは内容物の計量時に粉末状内容物に接触した
り、空気中に飛散した粉末が気管などの粘膜に付着して
人体に炎症をおこすなど周囲環境へ悪影響を及ぼすこと
がある。また、薬品が残留付着した使用後の包装材料の
廃棄処理にも注意を要するという問題がある。そこで、
上記粉末状製品の使用に付随する問題を解決するため
に、使用時に包装材そのものが溶解してしまう水溶性熱
可塑性樹脂からなる水溶性フィルムが注目されている。
【0003】
【従来の技術】従来、水溶性熱可塑性樹脂の代表例とし
て、ポリ酢酸ビニルのアセトキシ基を酸またはアルカリ
により加水分解(けん化)して水酸基とすることにより
得られるポリビニルアルコール(以下PVAと略記す
る。)が知られている。しかし、PVAはけん化度が9
5モル%以上まで高くなると経時的に結晶化が進行して
冷水不溶性となり、またけん化度が80モル%以下まで
低くして結晶化度を抑制すると疎水度が高くなり水不溶
性となる。すなわち、PVAはけん化度80〜95モル
%の範囲内で冷水易溶性を示し、前記範囲外であると水
不溶性となる。また、けん化度80〜95モル%の冷水
易溶性PVAを、包装用フィルムのような成形体とし、
その包装対象物が酸性もしくはアルカリ性のものである
ときには、速やかにPVAの加水分解が生じ、けん化度
が高くなるため冷水不溶性となる。また、PVAは熱シ
ール時などの加熱によって架橋して、水不溶性となる。
【0004】近年、PVAの水溶性における上記問題点
を解決するために、様々な検討が行われている。例え
ば、特公昭42-20845号公報にはPVAのアルドールアセ
タール化した冷水易溶性フィルム、シートおよびフィラ
メントが開示されている。しかし、アルドールの分子中
には水酸基とアルデヒド基が存在するため、PVAとの
反応時にアルドール同士が反応することもあり、反応の
コントロールに問題がある。このことは水溶性を長期に
わたって保持しうるアセタール化度を有するPVAのア
セタール化物を工業的に安定に製造することは極めて困
難であることを示している。
【0005】また、PVAに他のポリマーを配合してな
る水溶性樹脂組成物が提案されている。例えば、特公昭
43-1487 号公報には高けん化度PVA(けん化度97モ
ル%以上)と低けん化度PVA(けん化度75〜92モ
ル%)と澱粉とからなる組成物が、特開昭57-12540号公
報にはけん化度80〜95モル%のPVAと分子量30,0
00〜40,000のポリアクリル酸のブレンドがそれぞれ開示
されているが、いずれの樹脂成分もアルカリ成分に対し
て不安定なため、加水分解の進行による冷水への不溶化
現象は避けられない。また、PVAは他の水溶性樹脂と
の相溶性が悪く、そのために他の樹脂との配合後、フィ
ルム強度が著しく低下することが多い。
【0006】また、PVAを不飽和カルボン酸で変性し
た組成物が提案されているが、(水溶性高分子の応用と
市場、CMC出版)、酸性の物質と接触すると冷水易溶
性が損なわれる。
【0007】一方、本発明に関連するものとして、N−
ビニルアセトアミド(以下、NVAと略記する。)およ
びその同族化合物の単独重合体、共重合体あるいはこれ
らを含む組成物が知られている。例えば、NVAの重合
体を含有する組成物としては、NVAを含有しPVAを
主成分とする、感光性樹脂組成物(特開昭58-21736号公
報)、接着性水性高分子分散液(特開昭58-5361 号公
報)およびNVAの同族化合物のN−ビニル−N−メチ
ルアセトアミドを用いた熱可塑性冷水溶性フィルムおよ
び成形体(特開昭60-228551 号公報)が開示されてい
る。しかし、これまで水溶性包装基材に適用できるNV
Aの単独重合体もしくは共重合体を主成分とする組成物
からなるフィルムは知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は冷水易溶性、耐アルカリ性、耐酸性に優れたN−ビニ
ルアセトアミドの単独重合体もしくは共重合体に水溶性
の可塑剤を配合することにより、耐アルカリ性、耐酸
性、熱シール性、柔軟性等の特性に優れた水溶性熱可塑
性フィルムを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、水溶性樹脂
の成分として、耐アルカリ性、耐酸性に優れているN−
ビニルアセトアミドの重合体に着目し、さらにNVAの
単独重合体、もしくは共重合体に水溶性可塑剤を配合す
ることにより、柔軟性、熱シール性を付与することによ
りフィルムに適した配合物に行なうことを発明した。鋭
意研究を進めた結果、NVA単独重合体もしくはNVA
と特定のビニル系モノマーとの共重合体に特定の水溶性
可塑剤を配合することによって、PVA系の樹脂のもつ
上記種々の欠点を解決できることを見いだし、本発明を
完成するに至った。
【0010】すなわち本発明は 1)実質的にNVAの単独重合体もしくは共重合体に水
溶性の可塑剤であるポリオキシアルキレン基を有する化
合物を配合して得られる水溶性熱可塑性フィルム。 2)NVAの単独重合体もしくは共重合体と水溶性可塑
剤の配合比がNVA系重合体100重量部に対し、0.
5〜30重量部である水溶性熱可塑性フィルム。 3)NVAとビニル系モノマーを共重合するときの組成
がN−ビニルアセトアミド35重量%以上100重量%
以下、ビニル系モノマー0重量%以上65重量%以下の
範囲で水溶性かつ熱可塑性を示すNVA系重合体からな
る水溶性熱可塑性フィルム。
【0011】4)NVAと共重合するビニル系モノマー
が一般式(I) CH2 =CH−O−CO−R1 (I) (式中R1 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)で
示される化合物、一般式(II) CH2 =C(R2 )−COOR3 (II) (式中、R2 は水素またはメチル基を示し、R3 はC1
〜C4 の低級アルキル基を表す。)で示される化合物、
一般式(III)
【化2】 (式中R4 、R5 は水素またはメチル基を表し、R6
水素、C1 〜C4 の低級アルキル基、もしくはフェニル
基を表す。また、nは1〜100の整数を表す。)で示
される化合物、一般式(IV) CH2 =CH−CO−R7 (IV) (式中、R7 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)
で示される化合物、一般式(V) CH2 =CH−CO−N(R8 )R8 ’ (V) (式中R8 とR8 ’は水素またはC1 〜C4 の低級アル
キル基を表すが、R8 とR8 ’が同時に水素であること
はない。)で示される化合物、一般式(VI) CH2 =CH−O−R9 (VI) (式中R9 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)で
示される化合物、一般式(VII) CH2 =C(R10)−CN (VII) (式中R10は水素またはメチル基を表す。)で示される
化合物から選択される一種以上の化合物である。
【0012】5)上記1)記載の水溶性熱可塑性フィル
ムの水溶性包装材、種子テープ用基材、特殊印刷用基材
などに対する用途に関するものである。
【0013】(発明の構成)以下、本発明を詳細に説明
する。水溶性可塑剤 水溶性可塑剤はNVA単独重合体の軟化点を低下させ、
柔軟性、ヒートシール性、水溶解速度を早める効果があ
る。一般的な水溶性可塑剤としてはグリセリン、ソルビ
トールのような多価アルコールが挙げられるが、これら
の多価アルコールは吸湿性が強く、高湿度条件下ではブ
ロッキングが起きやすくなる。また、これらの低分子の
可塑剤はブリードしやすく吸湿性がより高められる。そ
のため、ポリオキシアルキレン基を有する化合物のよう
に吸湿性の低くある程度分子量の大きい水溶性可塑剤が
好ましい。このような化合物としては、ポリエチレング
リコール(分子量1,500以下)、ポリエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモ
ノラウリルエーテル、ポリエチレングリコールトリグリ
セリルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエ
チレングリコールラウリルアミド、ポリエチレングリコ
ールステアリルアミド等のポリオキシエチレン基を有す
る化合物、ポリプロピレングリコール(分子量10,0
00以下)等のポリオキシプロピレン基を有する化合
物、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコール
エーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリ
コールブロックポリマー等の2種以上のポリオキシアル
キレン基を有する化合物等が挙げられ、特に常温で液体
もしくはペースト状を呈する分子量範囲のものが良い。
これらの水溶性可塑剤は単独で使用しても良いし、2種
類以上併用しても良い。
【0014】本発明において、NVA単独重合体に対し
上記水溶性可塑剤の配合割合は、0.5〜30重量%の
範囲で任意に選択することができるが、好ましくは1〜
20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%である。
水溶性可塑剤の0.5重量%未満では得られた配合物が
十分な熱可塑性が得られず、30重量%を越えると吸湿
性が強くなり、高湿度条件下ではブロッキングが生じや
すくなる。
【0015】NVA系重合体 NVA系重合体は本発明の水溶性熱可塑性フィルムの主
成分となる水溶性樹脂であり、冷水溶解性、耐アルカリ
性、耐酸性に優れる。以下にNVA系重合体の構成成
分、重合方法等について詳細に説明する。
【0016】(1)ビニル系モノマー 共重合のコモノマーとして使用するビニル系モノマーは
NVAとの共重合体がフィルム等に成形できる熱可塑性
と水溶解性を兼ね備えたものである。ビニル系モノマー
を共重合させると、NVA単独に重合した場合よりNV
A系重合体の軟化点を低下させ、ヒートシール性を改善
する。また吸湿性もNVA単独重合体の場合より改善さ
れる。
【0017】そのようなビニル系モノマーの具体例は、
一般式(I)で示される化合物として、例えば、酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニ
ル等が挙げられるが特に酢酸ビニルが好ましく、一般式
(II)で示される化合物として、例えば、(メタ)アク
リル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)ア
クリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸 sec−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル等
が挙げられるが特にアクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ルが好ましく、
【0018】一般式(III)で示される化合物として、ア
クリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−ブトキシ
エチル、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、ア
クリル酸メトキシトリエチレングリコール、アクリル酸
メトキシジポリプロピレングリコール、アクリル酸フェ
ノキシポリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシ
ジエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポ
リエチレングリコール、メタクリル酸2−フェノキシエ
チル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、
(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、メタク
リル酸ポリエチレングリコールポリプロピレングリコー
ル等が挙げられるが、特にアクリル酸2−メトキシエチ
ル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコー
ル、アクリル酸エトキシジエチレングリコール、メタク
リル酸メトキシジエチレングリコール、(メタ)アクリ
ル酸ポリエチレングリコール、アクリル酸メトキシトリ
エチレングリコールが好ましく、
【0019】一般式(IV)で示される化合物として、例
えば、メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、n−
プロピルビニルケトン、イソプロピルビニルケトン、t
−ブチルビニルケトン、イソブチルビニルケトン等が挙
げられるが特にメチルビニルケトン、エチルビニルケト
ンが好ましく、一般式(V)で示される化合物として、
例えば、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−n−
ブチルアクリルアミド、N−イソブチルアクリルアミ
ド、N−sec−ブチルアクリルアミド、N−t−ブチ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジ−n−ブ
チルアクリルアミド、N,N−ジイソブチルアクリルア
ミド等が挙げられるが、特にN,N−ジメチルアクリル
アミド、N,N−ジエチルアクリルアミドが好ましく、
【0020】一般式(VI)で示される化合物として、例
えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、
n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエー
テル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビ
ニルエーテル等が挙げられるが特にメチルビニルエーテ
ル、エチルビニルエーテルが好ましく、一般式(VII)で
示される化合物として、例えば、アクリルニトリル、メ
タクリルニトリル等が挙げられる。
【0021】本発明において、上記ビニル系モノマーと
NVAとの配合割合は、ビニル系モノマーの種類によっ
て異なるが、得られた共重合体が水溶性熱可塑性を示す
ような割合であれば良く、一般にNVA:ビニル系モノ
マー=35〜100重量%:65〜0重量%である。N
VAの割合が35重量%未満では水に不溶性となったり
耐酸性、耐アルカリ性が悪くなる。
【0022】次に本発明にかかる個々のビニル系モノマ
ーの配合割合を述べる。前記一般式(I)、(II)、
(IV)、(VI)で示されるビニル系モノマーの場合、置
換している低級アルキル基がC1 〜C2 の時、および前
記一般式(V)で示されるビニル系モノマーの場合、置
換しているR8 とR8 ’の炭素数の和が1〜4の時に
は、0〜65重量%、好ましくは20〜50重量%であ
り、低級アルキル基がC3 〜C4 の時、およびR8 とR
8 ’の炭素数の和が5〜8の時には、0〜25重量%、
好ましくは5〜20重量%であり、前記一般式(III)で
示されるビニル系モノマーの場合、0〜65重量%、好
ましくは20〜60重量%であり、前記一般式(VII)で
示されるビニル系モノマーの場合、0〜40重量%、好
ましくは10〜30重量%であり、前記一般式(I)〜
(VII)のビニル系モノマーを2種以上併用する場合、0
〜65重量%、好ましくは20〜60重量%である。
【0023】(2)重合方法 NVA系重合体を製造する重合方法には特に制限はない
が、ラジカル重合による方法が好ましい。ラジカル重合
としては、溶液重合、沈澱重合、塊状重合、逆相懸濁重
合などいずれも可能であるが、反応制御の面から水、ま
たは水と水に可溶な有機溶媒を混合した溶媒にモノマー
とラジカル重合開始剤を溶解して、反応開始温度に昇温
してから行なう溶液重合、適当な有機溶媒にモノマーと
ラジカル重合開始剤を溶解して、反応温度に昇温して生
成ポリマーを沈澱させる沈澱重合、モノマーの水溶液を
適当な有機溶媒に懸濁させた後、適当な重合開始剤を加
えて重合を行なう逆相懸濁重合が好ましい。
【0024】(3)開始剤 重合開始剤としては、有機過酸化物、アゾビス系の中か
ら重合溶媒への溶解度にあわせて選択することができ
る。そのような開始剤の例としては、2,2 ’- アゾビス
イソブチロニトリル、2,2 ’- アゾビス(2-アミノジプ
ロパン)二塩酸塩、2,2 ’- アゾビス(N,N ’- ジメチ
レンイソブチルアミジン)二塩酸塩などのアゾビス系、
ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド
などの有機過酸化物系など、過硫酸カリウム、過硫酸ア
ンモニウムなどのレドックス系などが挙げられる。
【0025】開始剤の使用量はモノマーに対して0.0
01〜5重量%の範囲で任意に選択することができる
が、好ましくは0.005〜3重量%、さらに好ましく
は0.01〜2重量%である。開始剤の量が5重量%を
越えると反応が急激に進行し、反応制御が困難になった
り生成したポリマーの分子量が低くなって成形後のフィ
ルムの強度が低下してしまうことがある。また、0.0
01重量%未満では少なすぎて収率が低くなったりする
ことがある。
【0026】(4)重合溶媒 重合に使用する溶媒はラジカル重合を阻害することがな
く、モノマーを溶解し得る溶媒であれば、特に制限なく
使用することができる。そのような溶媒としては水、有
機溶媒ではイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラ
ヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル
系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸
ブチルなどのエステル系、アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどの
ケトン系、キシレン、トルエンなどの芳香族系、ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアルキル
アミド系などが例示される。これらの溶媒は単独で使用
しても良いし、2種類以上の溶媒を混合して使用しても
良い。また懸濁重合の場合、モノマーを溶解する水の他
にモノマー溶液を分散する分散媒を必要とするが、この
ような分散媒としては、シクロヘキサンやヘプタンのよ
うなNVAを溶解しない、もしくは溶解しにくい脂肪族
炭化水素系有機溶媒を使用するのが好ましい。
【0027】(5)モノマー濃度 重合時のモノマー濃度は重合法により任意に選択するこ
とができる。しかし、溶液重合、沈澱重合、逆相懸濁重
合の場合は、モノマーの濃度が50重量%を越えると反
応が急激に進行し、反応制御が困難になる。また、5重
量%未満では反応時間が長すぎたり、反応1回当りの収
量が少なく生産効率が悪くなるので、5〜50重量%、
好ましくは10〜40重量%である。また逆相懸濁重合
の場合、モノマー水溶液を脂肪族炭化水素系有機溶媒に
分散する。脂肪族炭化水素系有機溶媒の使用量は、モノ
マー水溶液の濃度にもよるが、モノマー水溶液の0.3
倍未満では反応の制御が困難になり、10倍を越えると
反応1回当たりの収率が少なく生産効率が悪くなるの
で、モノマー水溶液の0.3〜10倍、好ましくは0.
5〜5倍が良い。
【0028】(6)重合温度および重合時間 重合温度および重合時間は、重合法、重合開始剤、溶媒
の種類によって任意に選択することができるが、重合温
度は、反応制御の面から15℃〜溶媒の沸点が好まし
く、重合時間は1〜10時間が好ましい。NVA系重合
体の平均重合度は水に対する溶解速度や成形物の強度と
密接な関係があり、平均重合度が大きすぎると水に対す
る溶解速度が遅くなり、成形も難しくなる。また、平均
重合度が小さすぎると成形物の強度が低下する。そこ
で、NVA単独重合体の平均重合度は20〜100,0
00、好ましくは50〜10,000 さらに好ましく
は100〜1,000である。
【0029】NVA系重合体と水溶性可塑剤の配合物の成形法 次に上記配合物の成形方法について説明する。重合反応
後のNVA系重合体は高粘度の液体もしくは寒天状、サ
ラリー状、もしくはポリマー分散液となる。これから脱
溶媒してペレット状にしてから水溶性可塑剤等を添加し
て加熱溶融後成形機にかけて膜状に成形しても良いし、
水もしくはアルコールで希釈溶解してから水溶性可塑剤
を添加混合し、そのまま溶液キャステイ ング法にて成膜
してもよい。加熱成形の方法は、一般的な押し出し成形
方法を適用することができ、Tダイ法、インフレーショ
ン法などが例示される。成形温度は50〜300℃の範
囲から任意に選択することができるが、配合物の軟化点
より高い温度で行うのが望ましい。
【0030】
【発明の効果】本発明の水溶性熱可塑性フィルムは長時
間保存しても化学的、物理的性質の変化が少ないため、
水への溶解度が変化しにくく、NVA系重合体の耐アル
カリ性、耐酸性に優れるため、その特性を生かし多くの
用途に利用できる。具体的には、洗剤、農薬、染料、工
業薬品、水処理剤などの包装材、ナプキン等衛生用品の
包装材、ナプキン防漏膜、病院用ランドリーバッグ、種
子テープ用基材、特殊印刷等に好適に用いることができ
る。
【0031】(用途) (1)洗剤、農薬等の包装材 粉末洗剤(界面活性剤、ビルダー、漂白剤、酵素などを
主成分とする)を1回分の使用量(20〜40g)ずつ
小袋に包装し、使用の際にそのまま洗濯機内の水中に投
じ、溶解させて使用できる。このため、粉末洗剤用フィ
ルムの膜厚は機械的強度及び、溶解速度を満たすために
15〜50μmが好ましい。洗剤はアルカリ性を示すた
め、耐アルカリ性のNVAを主成分に含む本発明の配合
物がこの目的に好適である。粉末洗剤の包装材として用
いることにより、直接内容物に触れずに使用できるこ
と、事前の計量により、溶解操作の合理化と使用量の適
正化が図れること、使用後の包装材の処理にわずわされ
ないこと等の利点がある。農薬の包装材として使用する
場合は、特に水和剤、水溶剤の包装剤として使用され
る。対象となる農薬としては殺虫剤、殺菌剤、除草剤、
殺ダニ剤などが挙げられる。一般に、農薬の場合、微粉
砕されているため、開封したとき飛散し、皮膚や呼吸器
系に悪影響を及ぼすが、水溶性フィルムで包装すること
により飛散が防止できる。
【0032】(2)病院用ランドリーバッグ 水溶性フィルムのバッグに病院内の汚染した器具、衣
類、シーツなどを発生箇所で直ちに密封包装し、そのま
ま洗濯設備に送ることで病院内の病原菌の拡散が抑制さ
れ、二次感染を防止できる。水溶性フィルムを病院用ラ
ンドリーバッグとして用いるときには、常温で水不溶性
で、温水(55〜60℃)に対して水溶性であること、
濡れ強度が大きいこと、通常の取扱では破袋しないこと
などが適正条件として挙げられる。
【0033】(3)種子テープ用基材 水溶性フィルムのテープ上にダイコン、ゴボウ、ニンジ
ン、ホウレンソウなど野菜、草花などの種子を一定間隔
に並べ、この種子を包むようにテープで巻き、その上か
ら糸を螺旋上に巻いて種子を固定、もしくはこのフィル
ムのテープ2枚の間に種子を並べ、フィルムを融着して
固定し用いることができる。また、テープには植物の栄
養成分等を混入させてもよい。テープを畑に直線上に並
べて土で覆い、水を散布することによりフィルムが溶解
し、種子を等間隔で植える好適な手段として用いること
ができる。除草時、収穫時の作業性より直線上に種子を
蒔いたり植物の成長の面より一定間隔をおいて種子を蒔
くことが重要であるが、テープを使用することにより、
さして労力を使わずにこの種蒔を容易に行うことができ
る。
【0034】(4)特殊印刷 パターンを印刷した水溶性フィルムを、印刷面を上にし
て液体上に浮かべ、そのあとに被印刷物を押しあて、液
圧によりパターンを印刷する。この印刷は建材、アルミ
サッシ、木工品、事務器、石材などに用いることがで
き、印刷後のフィルムは水洗により除去することができ
る。また、水溶性フィルムに対し、疎水性インキで印刷
し、印刷部分の非親水性と非印刷部分の親水性の差によ
り、水に濡れた際大きな伸縮性の差を生じる。この性質
を利用して未硬化の石膏、セメント面などに印刷パター
ンに従った凹凸面を作り、建築物の壁面装飾などに生か
すことができる。このフィルムは、濡れにより伸縮性が
大きく、石膏面などを深く堀り込む力と、形状保持力が
必要とされ、凹凸や曲面のあるものの印刷に適する。さ
らに電子産業分野でのプリント基板、フレキシブル基
板、タッチパネルなどの製造工程のスクリーン印刷用フ
ィルムに応用することもできる。
【0035】
【実施例】以下に、水溶性熱可塑性フィルムの実施例お
よび使用例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明
は以下の例に限定されるものではない。
【0036】NVA系重合体の調整 重合体1、12、14〜18 表1に示した組成でNVAとビニル系モノマー、溶媒の
水300g、ジオキサン100gを攬拌機、窒素導入
管、冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコに仕込
み、窒素雰囲気下重合開始剤の2,2 ’- アゾビス(2-ア
ミノジプロパン)二塩酸塩0.10gを加え、表1に示した
温度に昇温した。その温度で所定の時間重合した後放冷
し、寒天状の重合液に約2リットルの水を加えて溶解し
た。これを約10リットルのアセトンに注入して共重合
体を沈澱精製し、乾燥することにより、表1に示した量
のNVA系重合体を得た。
【0037】重合体2、5、10、11、13、19 表1に示した組成でNVAとビニル系モノマー、溶媒の
水400gを攬拌機、窒素導入管、冷却器を備えた1リ
ットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下重合開
始剤の2,2 ’- アゾビス(2-アミノジプロパン)二塩酸
塩0.10gを加え、表1に示した温度に昇温した。その温
度で所定の時間重合した後放冷し、寒天状の重合液に約
2リットルの水を加えてを溶解した。これを約10リッ
トルのアセトンに注入して共重合体を沈澱精製し、乾燥
することにより、表1に示した収量のNVA系重合体を
得た。
【0038】重合体3、4、20 NVAとビニル系モノマーを表1に示した組成で溶媒の
ジオキサン400gを撹拌機、窒素導入管、冷却器を備
えた1リットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気
下重合開始剤の2,2 ’- アゾビスイソブチロニトリル
(0.10gもしくは0.20g)を加え、表1に示した温度に
昇温し、その温度で所定の時間重合した。ポリマーは析
出し、サラリー状になった。反応後放冷し、生成した沈
澱を濾過、洗浄、乾燥することにより表1に示した収量
のNVA系重合体が得られた。
【0039】重合体6、7 表1に示した組成でNVAとアクリルニトリル、溶媒の
水400gを攬拌機、窒素導入管、冷却器を備えた1リ
ットルの四つ口フラスコに仕込み、窒素雰囲気下重合開
始剤の過硫酸カリウム0.20g、亜硫酸水素ナトリウム0.
40gを加え、45℃に昇温した。その温度で所定の時間
重合した後放冷し、寒天状の重合液に約2リットルの水
を加えて溶解した後、約10リットルのアセトンに注入
して共重合体を沈澱精製し、乾燥することにより、表1
に示した収量のNVA系重合体を得た。
【0040】重合体8、9 表1に示した組成でNVAとn−ブチルビニルエーテ
ル、溶媒のジオキサン400gを撹拌機、窒素導入管、
冷却器を備えた1リットルの四つ口フラスコに仕込み、
窒素雰囲気下重合開始剤のラウロイルパーオキサイド0.
50gを加え、70℃に昇温し、その温度で5時間重合し
た。ポリマーは析出し、サラリー状になった。反応後放
冷し、生成した沈澱を濾過、洗浄、乾燥することにより
表1に示した収量のNVA系重合体が得られた。
【0041】重合体21 NVA50gを水150g、さらに分散助剤のヒドロキ
シエチルセルロース1.0gを撹拌機、窒素導入管、冷
却器を備えた1リットルの四つ口フラスコ中で溶解し
た。これに1.0gレオドールSP−S10(花王
(株)社製)を溶解したヘプタン200gを撹拌しなが
らNVA水溶液を分散した。窒素雰囲気下重合開始剤の
2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチル
アミジン)二塩酸塩0.05gを加え、35℃から重合を開
始した。6時間重合を行なったのち、放冷し、重合液を
濾過、乾燥して47gのNVAの単独重合体を得た。
【0042】
【表1】
【0043】PVA1 対応するポリ酢酸ビニルの40%メタノール溶液へ水酸
化ナトリウムメタノール溶液を加えて、40℃でけん化
し、重合度610、けん化度90モル%のPVAを得
た。
【0044】PVA2 対応するポリ酢酸ビニルの40%メタノール溶液へ水酸
化ナトリウムメタノール溶液を加えて、40℃でけん化
し、重合度1590、けん化度90モル%のPVAを得
た。
【0045】(実施例)押し出し成形 各種NVA系重合体(重合体1〜21)と水溶性可塑剤
を表2に示す組成で押し出し機を用い、温度200〜2
80℃の範囲で溶融押し出し、ペレタイザーを用いてペ
レット化した。このペレットをTダイ成形機を用いて、
温度200〜280℃で成形し、所定の厚み(30μ
m、18μm)のフィルムを得た(使用フィルム1〜2
1:実施例)。
【0046】
【表2】
【0047】(比較例)押し出し成形 各種NVA系重合体(重合体1〜21)を押し出し機を
用い、温度200〜300℃で溶融押し出しし、ペレタ
イザーを用いてペレット化した。このペレットをTダイ
成形機を用いて、温度200〜300℃で成形し、所定
の厚み(30μm)のフィルムを得た(比較フィルム1
〜21)。また、重合体1、4、8、12、15、17
のNVA系重合体と水溶性可塑剤を、表2に示した組成
で押し出し機を用い、温度200〜300℃で溶融押し
出し、ペレタイザーを用いてペレット化した。このペレ
ットをTダイ成形機を用いて、温度200〜300℃で
成形し、所定の厚み(30μm)のフィルムを得た(比
較フィルム24〜29)。
【0048】キャステイ ング法 比較例22と23のPVAと可塑剤をそれぞれ表2に示
す組成で固形分濃度10%まで水で希釈した後、キャス
テイ ング法を用いて膜厚30μmのフィルム(比較フィ
ルム22、23)を得た。
【0049】(水溶性テスト)20℃、60%RHで3
ヶ月保存した使用フィルム1〜21、比較フィルム1〜
23を2×2cmの大きさに切り、これを200ミリリ
ットル、20℃の水道水中に投入し、マグネチックスタ
ーラーで緩やかに撹拌下フィルムの完溶時間を測定し
た。結果を表3に示す。
【0050】(ヒートシール性テスト)5×5cmの大
きさの使用フィルム1〜21、比較フィルム1〜23
を、20℃、60%RHで一晩調湿したのち、同じ種類
のフィルムを2枚重ね合わせ、80℃に加熱したヒート
シーラーで1秒間ヒートシールした。その結果を表3に
示す。
【0051】
【表3】
【0052】(ブロッキング性試験)1.5×10cm
の大きさの使用フィルム1、4、8、12、15、1
7、比較フィルム24〜29を同じフィルム同士重ね合
わせ、重ねあわせたフィルムの一方の端から面積の半分
になる部分に紙を挟んでブロッキングを防止するように
した。このフィルムを70kg/cm2 で加圧したまま
20℃、65%RHの雰囲気に24時間放置し、その後
該サンプルを取り出して紙を挟んだ部分のフィルムを持
って引っぱり、フィルムの接着の有無を調べた。結果は
表4に示した。
【0053】
【表4】
【0054】使用例1:洗剤水溶性包装材料 包装材の水溶性試験 粉状洗剤(花王(株)社製 アタック:登録商標)1g
を上記で成形して得た使用フィルム2、3、4、8、1
0、13、14、16、20(30μm)および比較フ
ィルム22、23を用い、4×4cmの大きさとなるよ
うにヒートシーラーで包装し、単位包装洗剤を作製し
た。この単位包装洗剤を使用して、以下の試験を行なっ
た。前記単位包装洗剤を3ヶ月間20℃、RH60%の
恒温室に保存したのち、内容物を出した。包装材部分は
マグネチックスターラーで緩やかに撹拌した3リットル
の水道水に投入し、10分後未溶解部分の有無を目視判
定した。その結果を表5に示す。
【0055】単位包装洗剤の溶解性試験 粉状洗剤(花王(株)社製 アタック:登録商標)20
gを上記で成形して得た使用フィルム2、3、4、8、
10、13、14、16、20(30μm)および比較
フィルム22、23を用い、16×8cmの大きさにな
るようにヒートシーラーで包装し、包装洗剤の溶解性に
ついて試験を行った。試験は洗濯機((株)日立製作所
製 静御前:登録商標)に15℃の水道水30リットル
を入れ、前記単位包装材を投入し、弱反転で5分間撹拌
した後排水し、泡をすくい取り、目視判定した。その結
果を表5に示す。
【0056】
【表5】
【0057】使用例2:農薬の水溶性包装材料 市販のスミチオン(住友化学(株)製:登録商標)[2
−クロル−4,6−ビス(エチルアミノ)−1,3,5
−トリアジン]水和剤2gを、上記で成形して得た使用
フィルム1、6、9、11、12、15、18、19
(30μm)および比較例のフィルム22、23を用
い、6×3cmの大きさになるようにヒートシールで包
装し、農薬包装剤を作製した。また、市販のマンゼブ
(亜鉛配位エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン
塩)水和剤2gについても、同様に農薬包装剤を作製し
た。このようにして得られた農薬包装剤を3カ月間20
℃、RH60%の恒温室に保存した。保存後、内容物の
スミチオン水和剤とマンゼブ水和剤を出し、フィルムは
マグネチックスターラーで緩やかに攬拌しておいた15
℃、1リットルの水に投入し、10分後に未溶解物の有
無を目視判定した。その結果を表6に示す。
【0058】
【表6】
【0059】使用例3:種子テープ用基材 長さ25m、幅3cmに調整した使用フィルム5、1
5、17(18μm)2枚の間に大根の種子を25cm
間隔で1粒ずつ並べて100株溶着固定した種子テープ
を作成した。この種子テープを試験農場に播種し、7日
後に大根の発芽率を調べた。また、対照として種子テー
プを使わないで大根の種子を25cm間隔で1粒ずつ1
00株播種し(対照区)、その発芽率を比較し、水溶性
テープの発芽に対する影響を調べた。また、播種後67
日経過後の大根の根の成長度を比較した。その結果を表
7に示す。
【0060】
【表7】
【0061】使用例4:転写印刷用シート 20×20cmの大きさに調整した使用フィルム3、
4、8、21(30μm)を用い、そのフィルムの上に
油性の熱可塑性インキ(黒)を用いて所望の模様を印刷
し、転写シートを作製した。この転写シートの印刷面を
紙上にのせたまま、紙面を下にして80℃の熱板上にお
き、上より手で印刷面を軽く2〜3回押さえることによ
り、フィルムを紙に密着させた。これを30℃、5リッ
トルの水道水に3分間浸漬した後取り出し、水洗してか
ら転写性の良否を目視により確認した。その結果は表8
に示す。
【0062】
【表8】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相沢 利行 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内 (72)発明者 中村 仁至 大分県大分市大字中の洲2番地 昭和電工 株式会社大分研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的にN−ビニルアセトアミドの単独
    重合体もしくはN−ビニルアセトアミドとビニル系モノ
    マーとの共重合体に水溶性の可塑剤であるポリオキシア
    ルキレン基を有する化合物を配合して得られる水溶性熱
    可塑性フィルム。
  2. 【請求項2】 N−ビニルアセトアミドの単独重合体も
    しくはN−ビニルアセトアミドとビニル系モノマーの共
    重合体と、水溶性の可塑剤であるポリオキシアルキレン
    基を有する化合物との配合比がN−ビニルアセトアミド
    の単独重合体もしくは共重合体100重量部に対し、
    0.5〜30重量部である請求項1に記載の水溶性熱可
    塑性フィルム。
  3. 【請求項3】 N−ビニルアセトアミドとビニル系モノ
    マーを共重合するときの組成がN−ビニルアセトアミド
    35重量%以上100重量%以下、ビニル系モノマー0
    重量%以上65重量%以下の範囲で水溶性かつ熱可塑性
    を示すN−ビニルアセトアミドの単独重合体、もしくは
    共重合体である請求項1に記載の水溶性熱可塑性フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 ビニル系モノマーが一般式(I) CH2 =CH−O−CO−R1 (I) (式中R1 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)で
    示される化合物、一般式(II) CH2 =C(R2 )−COOR3 (II) (式中、R2 は水素またはメチル基を示し、R3 はC1
    〜C4 の低級アルキル基を表す。)で示される化合物、
    一般式(III) 【化1】 (式中R4 、R5 は水素またはメチル基を表し、R6
    水素、C1 〜C4 の低級アルキル基、もしくはフェニル
    基を表す。また、nは1〜100の整数を表す。)で示
    される化合物、一般式(IV) CH2 =CH−CO−R7 (IV) (式中、R7 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)
    で示される化合物、一般式(V) CH2 =CH−CO−N(R8 )R8 ’ (V) (式中R8 とR8 ’は水素またはC1 〜C4 の低級アル
    キル基を表すが、R8 とR8 ’が同時に水素であること
    はない。)で示される化合物、一般式(VI) CH2 =CH−O−R9 (VI) (式中R9 はC1 〜C4 の低級アルキル基を表す。)で
    示される化合物、一般式(VII) CH2 =C(R10)−CN (VII) (式中R10は水素またはメチル基を表す。)で示される
    化合物から選択される一種以上の化合物である請求項1
    に記載の水溶性熱可塑性フィルム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の水溶性熱可塑性フィルム
    からなる水溶性包装材。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の水溶性熱可塑性フィルム
    からなる種子テープ用基材。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の水溶性熱可塑性フィルム
    からなる印刷用基材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001131530A (ja) * 1999-11-09 2001-05-15 Showa Denko Kk 水及び/またはアルコールの増粘、ゲル化または固化剤
JP2009114414A (ja) * 2007-11-09 2009-05-28 San-Dia Polymer Ltd 吸水性樹脂粒子、吸収体及び吸収性物品
JPWO2014208604A1 (ja) * 2013-06-27 2017-02-23 国立大学法人大阪大学 分子内相互作用に基づく高強度ゲル

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