JP4562447B2 - 非隠蔽性塗料の色合わせ装置、そのプログラム、塗装物製造装置、非隠蔽性塗料の色合わせ方法、及び塗装物の製造方法 - Google Patents

非隠蔽性塗料の色合わせ装置、そのプログラム、塗装物製造装置、非隠蔽性塗料の色合わせ方法、及び塗装物の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる非隠蔽性塗料を下地材に塗布した状態で、色見本とほぼ同じ色となるように、非隠蔽性塗料における透明被膜成分と各基本色材色の配合比を決定する装非隠蔽性塗料の色合わせ装置、そのコンピュータプログラム、塗装物製造装置、非隠蔽性塗料の製造方法、及び塗装物の製造方法に関する。
従来より、下地材を隠蔽するエナメル系塗料について、所望の色の着色塗料を配合するための色材の配合比を求める場合、クベルカムンクの式による光学濃度を用いるコンピュータカラーマッチング(以下、CCMという)により、色材の配合比を求めることで、十分な精度の色合わせが可能となっている。
たとえば、特許文献1では、色見本の色に対し、予め記憶してある色の中から色差の小さな色を検索し、この色をさらに修正(補正)することによって、色見本により近い色を呈する色材について、その中の基本色の色材の配合率を得るものが記載されている。
特公平5−27813号公報
しかしながら、たとえば下地材として木質材を用いる場合には、下地が透けて見える非隠蔽性の塗料を用いることが多い。この場合には、塗装物の色には、下地材(たとえば木質材)の持つ素材色の影響が含まれているため、上述のような隠蔽性塗料についてのCCMを適用しても、見本物の色(目標とする色)によっては、基本色材の配合比が算出できなかったり、算出できても適切な色合わせとならない場合があるなど、適切な色材の配合比が得られないことがある。
さらに、非隠蔽性塗料は、透明皮膜成分に各基本色の色材(基本色材)を適宜配合してなり、非隠蔽性塗料に配合される基本色材の合計量は、0付近から数10%となる場合が多い。この場合において、基本色材の種類によっては、非隠蔽性塗料中の濃度(配合比)に対して光学濃度が非線形的に変化するものがある。このため、非隠蔽性塗料では、使用する基本色材同士の割合(配合比)によって呈する色が変化するほか、上述のような特性の基本色材を用いた場合、非隠蔽性塗料における基本色材の合計配合比の値によっても塗料や塗装物の色に対する各基本色材の影響が変化する。従って、適切な基本色材の配合比をさらに得にくくなる問題があった。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、透明被膜成分と各基本色材の少なくともいずれかとからなる非隠蔽性塗料について、透明被膜成分と各基本色材の適切な配合比を算出あるいは指示できる色合わせ装置、コンピュータを色合わせ装置の各手段として機能させるためのプログラム、色合わせ装置を用いた塗装物製造装置、非隠蔽性塗料の製造方法、及び非隠蔽性塗料を用いた塗装物の製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、透明被膜成分と1または複数の基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくとも、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得手段と、上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、標準塗装物データベースに、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる標準塗装物データの組を複数組分格納している。そして、近似色データ取得手段では、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データを取得する。さらに、標準データ選択手段では、近似色塗装物にかかる近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。
このため、複数組ある標準塗装物データのうちから、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物の組を選択することができる。
従って、この近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いることができる。このため、近似色塗装物よりも見本色に近づいた色となるように、近似色塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たり、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得ることができる。
なお、標準塗装物データベースにおいて、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比を、比較的小さな値から比較的大きな値までそれぞれ適切に分散させた値に固定して、適数組の標準塗装物データの組を得ておくと、広い範囲で見本色データで表される色(見本物の色)と色合わせされた非隠蔽性塗料を容易に得ることができて好ましい。
また、本明細書において、色合わせ装置としては、透明被膜成分と各基本色材の適切な配合比(推薦配合比)を算出あるいは指示できる装置で有ればよく、たとえば、透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比をディスプレイやプリンタなどを通じて作業者等に提示する装置が含まれる。またさらに、別途用意したディスペンサ等に、算出した推薦配合比に従って、透明被膜成分及び各基本色材の吐出量を指示するデータを出力することまで行う装置を含む。さらには、ディスペンサを含み、算出された推薦配合比に従って、ディスペンサから透明被膜成分及び各基本色材を吐出させ、混合して調色を行った塗料を製造する装置をも含む。
また、下地材とは、非隠蔽性塗料が塗布される下地となる物を指し、たとえば、木質板などの木質材、金属板、紙その他が挙げられる。
透明被膜成分とは、透明な被膜を形成しうる成分であり、たとえば樹脂や単量体などが挙げられる。
基本色材とは、塗料に含有させる有色成分であり、たとえば、白、黒、赤、黄などを呈
する顔料ペースト等が挙げられる。
また、見本色データとしては、見本色データと、サンプル塗装物の色データとを用いて、サンプル塗装物と見本色の違いを評価できる種類のデータで有ればよい。たとえば、色見本の分光反射率、CIELAB(L*a*b*)、三刺激値(X,Y,Z)などが挙げられる。
また、見本データ取得手段としては、分光光度計などによって、直接、色見本とする見本物の分光反射率を計測した見本色データをインターフェースを通じて取得する手段が挙げられる。このほか、別途、作成あるいは測定しておいた分光反射率データ、CIELAB等のデータを、インターネットなどの通信や、CD−ROMなどの記憶媒体を通じて見本色データとして取得する手段をも含む。
なお、見本物を用いて見本色データを得る場合、見本物としては、色見本とするもので有ればいずれでも良い。たとえば、本発明の色合わせ装置によって同色の塗装物を再現しようとする現品など、下地材に未知または既知の非隠蔽の塗料を塗布してなる見本塗装物が挙げられる。
また本発明において、近似色塗装物の色データとしては、近似色塗装物の色を表すことができるデータであり、このデータと見本色データとを用いて、色差の算出や光学濃度の比較などが可能で、近似色塗装物と見本色の違いを評価できる種類のデータで有ればよい。たとえば、近似色塗装物の分光反射率、CIELAB(L*a*b*)、三刺激値(X,Y,Z)などが挙げられる。
また、標準データ選択手段において、近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択するとは、複数組の標準塗装物データの組のうち、近似色塗料の基本色材の配合比を補正するのに適した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択することをいう。具体的には、近似色塗料の合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在している場合には、その標準塗装物データの組を選択する。一方、近似色塗料の合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在しない場合には、近似色塗料の合計配合比に近い標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いる。あるいは、標準塗装物データの組と、この組に適合する近似色塗料の合計配合比の範囲を予め決めておくこともでき、数値としては、他の組の標準塗装物データの標準合計配合比の方が近い場合でも、これより遠い標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する場合もある。
なお、後述する近似色サンプル塗装物にかかる近似色サンプル塗料、あるいは出発塗装物にかかる既知配合塗料についても同様である。
また、本発明における近似色データ取得手段としては、複数のサンプル塗装物データの中から見本に近い色の近似色塗装物にかかる近似色サンプル塗装物データを選択するようにしてなる手段や、既知の配合を有する既知配合塗料とこれを塗布した見本に近い色を呈する出発塗装物のデータを取得してなる手段などが挙げられる。
他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データを格納したサンプル塗装物データベースと、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、上記サンプル塗装物データベース中のサンプル塗装物データから、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段と、上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、標準塗装物データベースに、非隠蔽性の標準塗料における各基本色材の標準合計配合比を互いに異ならせて得た標準塗装物データの組を複数組分格納している。そして、サンプル選択手段では、サンプル塗装物データの中から、見本色データで表される色に最も近い色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択する。さらに、標準データ選択手段では、近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。
このため、複数組ある標準塗装物データのうちから、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物の組を選択することができる。
従って、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いることができる。このため、近似色サンプル塗装物よりも見本色に近づいた色となるように、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たって、合計配合比に応じて、適切に推薦配合比を得ることができる。
なお、サンプル塗装物の色データとしては、サンプル塗装物の色を表すことができるデータであり、このデータと見本色データとを用いて、色差の算出や光学濃度の比較などが可能で、サンプル塗装物と見本色の違いを評価できる種類のデータで有ればよい。たとえば、サンプル塗装物の分光反射率、CIELAB(L*a*b*)、三刺激値(X,Y,Z)などが挙げられる。
また、本発明の色合わせ装置において、サンプル選択手段は、CIELAB(L*,a*,b*)を用いて、前記見本色データと近似色サンプル塗装物データ中の色データとの色差(△E=√(△L*2+△a*2+△b*2))を算出し、この色差が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データを選択するように構成してなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とするのが好ましい。このようにすると、色差(△E)を用いることで、容易に近似色サンプル塗装物データの選択ができるようになる。
さらに、上述の色合わせ装置において、サンプル選択手段は、前記色差が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データが複数存在するときは、彩度差△C(=√(△a*2+△b*2)が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データを選択するように構成してなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とするのが好ましい。木質材などの下地材に非隠蔽性塗料を塗布した塗装物においては、同じ色差(△E)であっても、明度の差異△L*が小さい場合よりも、a*−b*平面における彩度差△C(=√(△a*2+△b*2)が小さい方が、色が似通って見える傾向にあり、このようにすることで、より適切な近似色サンプル塗装物データの選択ができるようになる。
また、請求項2に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記サンプル塗装物データベースに格納されたサンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、上記下地材の種類別に、前記標準塗装物データベースをそれぞれ有し、各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、前記サンプル選択手段は、上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、前記標準データ選択手段は、上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択するように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
本発明の色合わせ装置によれば、サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、サンプル選択手段では、下地材種類指定手段で指定された下地材の種類を含む近似色サンプル塗装物データを選択を選択する。また、標準塗装物データを格納する標準塗装物データベースを、下地材の種類別に有している。このため、本発明の色合わせ装置では、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせができる。
なお、下地材の種類としては、木質材、金属材、プラスチック材、紙材などの別、さらには、たとえば、木質材であれば、木質材の表面材(突板)の種類として、なら、かば、ぶな等の別が挙げられる。また本発明の色合わせ装置では、下地材に塗布する非隠蔽性塗料に関するものであることから、塗装物の色調は、下地材の表面の色調、仕上げ等の影響を受ける。従って、塗装物の色調に影響を及ぼす限りにおいて、下地材自身の材質のみならず、下地材の表面の色調、仕上げ、あるいは下地材表面にすでに塗布した塗料などに応じた種類分けが必要となる場合もある。
また、下地材種類指定手段は、サンプル塗装物データベースから、指定された種類の下地材に関するサンプル塗装物データの中から近似色サンプル塗装物データを選択するため、下地材の種類を特定できるようにする手段で有ればよい。従って、たとえば、キーボードから下地材の種類を入力したり、表示画面上でマウスなどのポインティングデバイスで複数表示された下地材の種類から適切なものを選択して指示することもできる。また、外部から通信によって下地材の種類を指定可能とすることもできる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得手段と、上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色データを含む出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得手段と、上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記出発塗装物に用いた上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記出発塗装物に用いた上記既知配合塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、標準塗装物データベースに、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる標準塗装物データの組を複数組分格納している。そして、既知塗料データ取得手段で、見本と近似した色を呈する既知配合塗料の配合比データを取得するほか、出発塗装物データ取得手段で出発塗装物の色データを含む出発塗装物データを取得する。さらに、標準データ選択手段では、出発塗装物に用いた既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。
このため、複数組ある標準塗装物データのうちから、既知配合塗料における各基本色材の標準合計配合比が、既知配合塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物の組を選択することができる。
従って、近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いることができる。このため、既知配合塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得ることができる。
また、本発明では、配合比が既知の既知配合塗料及びこれを塗布した出発塗装物を用いるため、前述のように、サンプル塗装物データベースを用意し、またサンプル選択手段を用いる必要がないので、簡易に推薦配合比を得ることができる。
また、出発塗装物の色データとしては、出発塗装物の色を表すことができるデータであり、このデータと見本色データとを用いて、色差の算出や光学濃度の比較などが可能で、出発塗装物と見本色の違いを評価できる種類のデータで有ればよい。たとえば、出発塗装物の分光反射率、CIELAB(L*a*b*)、三刺激値(X,Y,Z)などが挙げられる。
さらに、請求項4に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記下地材の種類別に、前記標準塗装物データベースをそれぞれ有し、各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、前記標準データ選択手段は、上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、前記標準塗装物データの組を選択するように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
本発明の色合わせ装置によれば、標準塗装物データを格納する標準塗装物データベースを、下地材の種類別に有している。また、下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有しており、標準データ指定手段は、指定された種類にかかる標準塗装物データベースから標準塗装物データの組を選択する。このため、本発明の色合わせ装置では、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせができる。
さらに、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記標準塗装物データベースに格納された複数組の標準塗装物データは、この複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
一般に、非隠蔽性塗料では、各基本色材の標準合計配合比が低いもの、つまり、色が薄く透明に近いものほど、塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい。従って、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が小さい場合ほど、これと標準塗装物データの組にかかる標準合計配合比とがわずかに異なるだけで、基本色材の推薦配合比が算出できなかったり、算出できても適切な色合わせとなっていないなど、適切な推薦配合比が得られない虞がある。
これに対し、本発明の色合わせ装置では、複数組の標準塗装物データについて、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このため、近似色サンプル塗装物データの合計配合比の値が小さく塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい場合でも、合計配合比の値が大きい場合でも、適切に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記標準データ選択手段は、前記複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値としてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の配合比を補正して推薦配合比を得るにあたり、これらの塗料の合計配合比と等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在する場合には、この標準塗装物データの組から得た光学濃度の組を用いれば足りる。しかしながら、これらの塗料の合計配合比と等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が無い場合には、近似した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いることとなる。
この際、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の間の値であった場合に、いずれの標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いるのが好ましいのか、つまり、標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲をどのように設定するべきかが問題となる。
単純には、2つの標準合計配合比の中間値を境界とすることが考えられる。しかしながら、非隠蔽性塗料の場合には、各基本色材の標準合計配合比が低い(小さい)ほど、各基本色材の色への影響が変化しやすいことが判ってきた。
従って、これらの塗料の合計配合比が、この中間値よりも若干高い値であっても、2つの標準合計配合比のうち、低い値にかかる標準塗装物データの組を用いた方が、適切にこれらの塗料の配合比を補正して適切な推薦配合比を得ることができる場合が多いことが判ってきた。
そこで本発明の色合わせ装置では、標準合計配合比が、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲として、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と低側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも、考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合値が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と高側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも高側標準合計配合値よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値とする。
このようにすることで、考慮している標準合計配合比が、これらの塗料の合計配合比に適合する範囲は、この考慮している標準合計配合比よりも低い(小さな)値の側には小さく、高い(大きな)値の側には大きな範囲を持つことととしている。
これにより、これらの塗料の合計配合比が、2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い(大きな)値である場合でも、この2つの標準合計配合比のうち、低い標準合計配合比が適合すると判断される。これにより、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料にかかる合計配合比に応じて、より適切な標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて、推薦配合比を得ることができる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比を含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得手段と、上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、光学濃度データベースに、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納している。そして、近似色データ取得手段で、見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データを取得し、光学濃度選択手段において、近似色塗装物で塗布した近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。
このため、複数の光学濃度の組から、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比が近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択し、用いることができる。
従って、近似色塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たり、基本色材の合計配合比が低い場合から高い場合まで、広い範囲にわたって適切に非隠蔽性塗料の色合わせをすることができる。
なお、光学濃度データベースにおいて、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を、比較的小さな値から比較的大きな値までそれぞれ適切に分散させた値に固定して、適数組の光学濃度の組を得ておくと、広い範囲で見本色データで表される色(見本物の色)と色合わせされた非隠蔽性塗料を容易に得ることができて好ましい。
さらに他の解決手段は、透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データを格納したサンプル塗装物データベースと、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、上記サンプル塗装物データベース中のサンプル塗装物データから、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段と、上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、光学濃度データベースに、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納している。そして、サンプル選択手段で、見本色データで表される色に最も近い色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、光学濃度選択手段において、近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。
このため、複数の光学濃度の組から、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比が、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択し、用いることができる。
従って、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たり、基本色材の合計配合比が低い場合から高い場合まで、広い範囲にわたって合計配合比に応じて適切に色合わせができる。
さらに、請求項9に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記サンプル塗装物データベースに格納されたサンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、上記下地材の種類別に、前記光学濃度データベースをそれぞれ有し、各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、前記サンプル選択手段は、上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、前記光学濃度選択手段は、上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択するように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
本発明の色合わせ装置によれば、サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、サンプル選択手段では、下地材種類指定手段で指定された下地材の種類を含む近似色サンプル塗装物データを選択を選択する。また、光学濃度の組を格納する光学濃度データベースを、下地材の種類別に有しており、指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースから光学濃度の組を選択する。このため、本発明の色合わせ装置では、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて適切に色合わせができる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得手段と、上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得手段と、上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記出発塗装物データにおける上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置では、光学濃度データベースに、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納している。そして、既知塗料データ取得手段で、見本と近似した色を呈する既知配合塗料の配合比データを取得するほか、出発塗装物データ取得手段で出発塗装物の色データを含む出発塗装物データを取得する。さらに、光学濃度選択手段において、既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。
このため、複数の光学濃度の組から、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比が、既知配合塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択し、用いることができる。
従って、既知配合塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たって、見本色データにマッチした色の非隠蔽性塗料が、基本色材の合計配合比が低くなる場合から高くなる場合まで、広い範囲にわたって適切に色合わせができる。
また、本発明では、配合比が既知の既知配合塗料及びこれを塗布した出発塗装物を用いるため、前述のように、サンプル塗装物データベースを用意し、またサンプル選択手段を用いる必要がないので、簡易に推薦配合比を得ることができる。
請求項11に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記下地材の種類別に、前記光学濃度データベースをそれぞれ有し、各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、前記光学濃度選択手段は、上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択するように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置である。
本発明の色合わせ装置によれば、光学濃度の組を格納する光学濃度データベースを、下地材の種類別に有している。また、下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有しており、光学濃度選択手段は、指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースから光学濃度の組を選択する。このため、本発明の色合わせ装置では、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせができる。
さらに、請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度は、この複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
前述したように、非隠蔽性塗料では、各基本色材の標準合計配合比が低いもの、つまり、色が薄く透明に近いものほど、塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい。従って、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が小さい場合ほど、これと光学濃度の組にかかる標準合計配合比とがわずかに異なるだけで、基本色材の推薦配合比が算出できなかったり、算出できても適切な色合わせとなっていないなど、適切な推薦配合比が得られない虞がある。
これに対し、本発明の色合わせ装置では、複数組の光学濃度について、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このため、これらの塗料の合計配合比の値が小さい場合でも大きい場合でも、それに応じた標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いて、適切に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項8〜請求項13のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記光学濃度選択手段は、前記複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値としてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の配合比を補正して推薦配合比を得るにあたり、これらの塗料の合計配合比と等しい標準合計配合比にかかる光学濃度の組が存在する場合には、この光学濃度の組を用いれば足りる。しかしながら、これらの塗料の合計配合比と等しい標準合計配合比にかかる光学濃度の組が無い場合には、近似した標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いることとなる。
この際、これらの塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の間の値であった場合に、どちらの標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いるのが好ましいのか、つまり、標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲をどのように設定するべきかが問題となる。
単純には、2つの標準合計配合比の中間値と境界とすることが考えられる。しかしながら、非隠蔽性塗料の場合には、各基本色材の標準合計配合比が低い(小さい)ほど、各基本色材の色への影響が変化しやすいことが判ってきた。
従って、上述の塗料の合計配合比が、この中間値よりも若干高い値であっても、2つの標準合計配合比のうち、低い値にかかる光学濃度の組を用いた方が適切に近似色サンプル塗装物データを補正することができる場合が多いことが判ってきた。
そこで本発明に色合わせ装置では、標準合計配合比が、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲として、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と低側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも、考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が、これらの塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合値が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と高側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも高側標準合計配合値よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が、上述の塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値とする。
このようにすることで、考慮している標準合計配合比が、上述の塗料の合計配合比に適合する範囲は、この考慮している標準合計配合比よりも低い(小さな)値の側には小さく、高い(大きな)値の側には大きな範囲を持つことととしている。
これにより、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が、2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い(大きな)値である場合でも、この2つの標準合計配合比のうち、低い標準合計配合比が適合すると判断される。これにより、これらの塗料にかかる合計配合比に応じて、より適切な標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いて、推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記見本色データと、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する初期差異判断手段を備え、上記初期差異判断手段において、色に関する差異が所定範囲内でないと判断した場合には、前記推薦配合比算出手段で前記推薦配合比を取得し、色に関する差異が所定範囲内であると判断した場合には、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比を、前記推薦塗料の推薦配合比とするように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とするのが好ましい。
この色合わせ装置によれば、見本色データと、当初に選択した近似色塗装物データ、近似色サンプル塗装物データ、または出発塗装物データについて、色に関する差異が小さければ、もはや、更なる色合わせのための操作は不要である。従って、初期差異判断手段で色に関する差異が所定範囲内である場合には、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料における配合比を、推薦配合比とすることで、不要な操作を省くことができる。
なお、色に関する差異としては、色差(△E)のほか、彩度差(△C)、明度差(△L)、その他、2つの対比される色の差異を示す各種パラメータで評価することができる。
さらに、請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、前記推薦配合比に従って調合した前記推薦塗料を前記下地材に塗布して作成した試験塗装物に関し、この試験塗装物の色データを取得する試作色データ取得手段、及び、前記見本色データと上記試験塗装物の色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する差異判断手段、を備え、上記差異判断手段において、上記色に関する差異が所定範囲内でないと判断した場合には、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データと前記既知配合塗料の配合比とに代えて、上記試験塗装物の色データ及び上記推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、前記推薦配合比算出手段により、再度、推薦塗料の推薦配合比を算出し、色に関する差異が所定範囲内であると判断した場合には色合わせを終了するように構成されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ装置とすると良い。
本発明の色合わせ装置では、見本色データと試作塗装物の色データとを比較して、色に関する差異が所定範囲でない場合には、再び、この試作塗装物の色データ及び推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、推薦配合比算出手段によって色合わせを行う。従って、数回の推薦塗料の調合及び試作塗装物の製造によって、見本色との色に関する差異が十分小さな塗料を確実に得ることができる。
さらに、請求項15に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置と、前記下地材に、前記透明被膜成分及び各基本色材を前記推薦配合比に従って配合した非隠蔽性の推薦塗料を塗布する塗装手段と、を備える塗装物製造装置とすると良い。
本発明の塗装物製造装置では、前述した色合わせ装置と、推薦配合比に従って配合した推薦塗料を塗装手段とを有している。このため、この塗装物製造装置によれば、色見本に関する見本色データと色合わせされた塗装物を適切に得ることができる。
さらに、コンピュータを、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置の各手段として機能させるためのプログラムとすると良い。
本発明のプログラムによれば、コンピュータを各手段として機能させることにより、安価かつ容易に非隠蔽性塗料の色合わせ装置を実現できる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくとも、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得ステップと、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、近似色データ取得ステップで、見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データを取得する。さらに、標準データ選択ステップでは、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる標準塗装物データの組を複数組分格納しておいた標準塗装物データベースに関し、複数組ある標準塗装物データの中から、近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。さらに、選択したこの標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いて近似色塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得て、色合わせを行うことができる。
なお、標準塗装物データベースにおいて、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比を、比較的小さな値から比較的大きな値までそれぞれ適切に分散させた値に固定して、適数組の標準塗装物データの組を得ておくと、広い範囲で見本色データで表される色(見本物の色)と色合わせされた非隠蔽性塗料を容易に得ることができて好ましい。
また、標準データ選択ステップにおいて、近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択するとは、複数組の標準塗装物データの組のうち、近似色塗料の基本色材の配合比を補正するのに適した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択することをいう。
具体的には、近似色塗料の合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在している場合には、その標準塗装物データの組を選択する。一方、近似色塗料の合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在しない場合には、近似色塗料の合計配合比に近い標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いる。あるいは、標準塗装物データの組と、この組に適合する近似色塗料の合計配合比の範囲を予め決めておくこともでき、数値としては、他の組の標準塗装物データの標準合計配合比の方が近い場合でも、これより遠い標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する場合もある。
なお、後述する近似色サンプル塗装物にかかる近似色サンプル塗料、あるいは出発塗装物にかかる既知配合塗料についても同様である。
また、本発明における近似色データ取得ステップとしては、複数のサンプル塗装物データの中から見本に近い色の近似色塗装物にかかる近似色サンプル塗装物データを選択する方法や、既知の配合を有する既知配合塗料とこれを塗布した見本に近い色を呈する出発塗装物のデータを取得する方法などが挙げられる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データの中から、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択ステップと、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、サンプル選択ステップで、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択する。さらに、標準データ選択ステップでは、標準塗装物データベースに関し、複数組ある標準塗装物データの中から、近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。さらに、選択したこの標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いて近似色サンプル塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得て、色合わせを行うことができる。
なお、本発明の色合わせ方法において、サンプル選択ステップでは、CIELAB(L*,a*,b*)を用いて、前記見本色データと近似色サンプル塗装物データ中の色データとの色差(△E=√(△L*2+△a*2+△b*2))を算出し、この色差が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データを選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とするのが好ましい。このようにすると、色差(△E)を用いることで、容易に近似色サンプル塗装物データの選択ができるようになる。
さらに、上述の色合わせ方法において、サンプル選択ステップでは、前記色差が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データが複数存在するときは、彩度差△C(=√(△a*2+△b*2)が最小となる色データを有する近似色サンプル塗装物データを選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とするのが好ましい。木質材などの下地材に非隠蔽性塗料を塗布した塗装物においては、同じ色差(△E)であっても、明度の差異△L*が小さい場合よりも、a*−b*平面における彩度差△C(=√(△a*2+△b*2)が小さい方が、色が似通って見える傾向にあり、このようにすることで、より適切な近似色サンプル塗装物データの選択ができるようになる。
さらに、請求項19に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、前記標準塗装物データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、前記サンプル選択ステップに先だって、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、前記サンプル選択ステップは、上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、前記標準データ選択ステップは、上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
本発明の色合わせ方法によれば、サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、標準塗装物データベースは下地材の種類別に存在している。そこで、下地材種類指定ステップにおいて下地材の種類を指定した後、サンプル選択ステップでは、指定された下地材の種類を含む近似色サンプル塗装物データを選択を選択する。さらに、標準データ選択ステップにおいて、指定された種類の下地材にかかる標準塗装物データベースから、標準塗装物データの組を選択する。
このため、本発明の色合わせ方法によれば、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせを行うことができる。
さらに他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得ステップと、上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得ステップと、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記既知配合塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、既知配合塗料選択ステップ及び出発塗装物データ取得ステップにおいて、自身を塗布した出発塗装物が見本色データで表される色に近似した色を呈する既知配合塗料の配合比データや出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する。さらに、標準データ選択ステップでは、標準塗装物データベースに関し、複数組ある標準塗装物データの中から、既知配合塗料における合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。さらに、選択したこの標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度の組を算出し、これを用いて既知配合塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得ることができる。
また、本発明では、配合比が既知の既知配合塗料及びこれを塗布した出発塗装物を用いるため、前述のように、サンプル塗装物データベースを用意し、またサンプル選択手段を用いる必要がないので、簡易に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項21に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記標準塗装物データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、前記標準データ選択ステップに先だって、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、前記標準データ選択ステップは、上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
本発明の色合わせ方法によれば、標準塗装物データベースは下地材の種類別に存在している。そこで、下地材種類指定ステップにおいて下地材の種類を指定した後、標準データ選択ステップでは、指定された種類の下地材にかかる標準塗装物データベースから、標準塗装物データの組を選択する。
このため、本発明の色合わせ方法によれば、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせを行うことができる。
さらに、請求項18〜請求項22のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記標準塗装物データベースに格納された複数組の標準塗装物データは、この複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
本発明の色合わせ方法によれば、複数組の標準塗装物データについて、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このため、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比の値が小さく塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい場合でも、合計配合比の値が大きい場合でも、適切に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項18〜請求項23のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記標準データ選択ステップは、前記複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値として、適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
前述の色合わせ方法においては、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の間の値であった場合に、いずれの標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いるのが好ましいのか、つまり、標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲をどのように設定するべきかという問題がなる。しかし、これらの塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い値であっても、2つの標準合計配合比のうち、低い値にかかる標準塗装物データの組を用いた方が、適切にこれらの塗料の配合比を補正して適切な推薦配合比を得ることができる場合が多いことが判ってきた。
そこで本発明の色合わせ方法では、標準合計配合比が、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲として、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と低側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも、考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合値が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と高側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも高側標準合計配合値よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値とする。
このようにすることで、考慮している標準合計配合比が、これらの塗料の合計配合比に適合する範囲は、この考慮している標準合計配合比よりも低い(小さな)値の側には小さく、高い(大きな)値の側には大きな範囲を持つことととしている。
これにより、これらの塗料の合計配合比が、2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い(大きな)値である場合でも、この2つの標準合計配合比のうち、低い標準合計配合比が適合すると判断される。これにより、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料にかかる合計配合比に応じて、より適切な標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて、推薦配合比を得ることができる。
さらに他の解決手段は、透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくとも、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得ステップと、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、近似色データ取得ステップで、見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データを取得する。さらに、光学濃度選択ステップでは、互いに異なる標準合計配合比に対応させた光学濃度の組を複数組分格納しておいた光学濃度データベースに関し、複数組ある光学濃度の組の中から、近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。さらに、選択したこの光学濃度データの組を用いて近似色塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得て、色合わせを行うことができる。
本発明の色合わせ方法において、光学濃度データベースには、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納している。そして、近似色データ取得ステップで、見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データを取得する。さらに、光学濃度選択ステップにおいて、近似色塗装物で塗布した近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。
このため、複数の光学濃度の組から、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比が近似色塗料の合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択して、用いることができる。
従って、近似色塗料における透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、推薦配合比を算出するに当たり、基本色材の合計配合比が低い場合から高い場合まで、広い範囲にわたって、合計配合比に応じて適切に色合わせすることができる。
なお、光学濃度データベースにおいて、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を、比較的小さな値から比較的大きな値までそれぞれ適切に分散させた値に固定して、適数組の光学濃度の組を得ておくと、広い範囲で見本色データで表される色(見本物の色)と色合わせされた非隠蔽性塗料を容易に得ることができて好ましい。
さらに他の解決手段は、透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データの中から、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択ステップと、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、サンプル選択ステップで、サンプル塗装物データの中から、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを取得する。さらに、光学濃度選択ステップでは、互いに異なる標準合計配合比に対応させた光学濃度の組を複数組分格納しておいた光学濃度データベースに関し、複数組ある光学濃度の組の中から、近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。さらに、選択したこの光学濃度データの組を用いて近似色サンプル塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得て、色合わせを行うことができる。
さらに、請求項26に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、前記光学濃度データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、前記サンプル選択ステップに先立って、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、前記サンプル選択ステップは、上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、前記光学濃度選択ステップは、上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法によれば、サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、光学濃度データベースは下地材の種類別に存在している。そして、サンプル選択ステップでは、下地材種類指定ステップで指定された下地材の種類を含む近似色サンプル塗装物データを選択を選択する。また、光学濃度選択ステップでは、指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースから光学濃度の組を選択する。このため、本発明の色合わせ方法によれば、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて適切に色合わせができる。
他の解決手段は、透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得ステップと、上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得ステップと、各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記出発塗装物データにおける上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する非隠蔽性塗料の色合わせ方法である。
本発明の色合わせ方法では、既知塗料データ取得ステップ及び出発塗装物データ取得ステップで、自身を塗布した出発塗装物が見本色データで表される色に近似した色を呈する既知配合塗料の配合比データや出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する。さらに、光学濃度選択ステップでは、互いに異なる標準合計配合比に対応させた光学濃度の組を複数組分格納しておいた光学濃度データベースに関し、複数組ある光学濃度の組の中から、既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。さらに、選択したこの光学濃度データの組を用いて既知配合塗料の配合比を補正し、推薦配合比を得る。このため、推薦配合比を得るに当たって、合計配合比に応じた適切な推薦配合比を得て、色合わせを行うことができる。
また、本発明では、配合比が既知の既知配合塗料及びこれを塗布した出発塗装物を用いるため、前述のように、サンプル塗装物データベースを用意し、またサンプル選択ステップを経る必要がないので、簡易に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項28に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記光学濃度データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、前記光学濃度選択ステップに先立って、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、前記光学濃度選択ステップは、上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
本発明の色合わせ方法によれば、光学濃度の組を格納する光学濃度データベースは、下地材の種類別に存在している。また、下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有しており、光学濃度選択ステップは、指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースから光学濃度の組を選択する。このため、本発明の色合わせ方法では、下地材の種類が異なっても、その下地材の種類に応じて、適切に色合わせができる。
さらに、請求項25〜請求項29のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度は、この複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
前述したように、非隠蔽性塗料では、各基本色材の標準合計配合比が低いもの、つまり、色が薄く透明に近いものほど、塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい。従って、近似色塗料、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が小さい場合ほど、これと光学濃度の組にかかる標準合計配合比とがわずかに異なるだけで、基本色材の推薦配合比が算出できなかったり、算出できても適切な色合わせとなっていないなど、適切な推薦配合比が得られない虞がある。
これに対し、本発明の色合わせ方法では、複数組の光学濃度について、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このため、これらの塗料の合計配合比の値が小さい場合でも大きい場合でも、それに応じた標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いて、適切に推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項25〜請求項29のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記光学濃度選択ステップは、前記複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値として、適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
前述の色合わせ方法においては、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の間の値であった場合に、いずれの標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いるのが好ましいのか、つまり、標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲をどのように設定するべきかが問題となる。しかし、これらの塗料の合計配合比が、高低2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い値であっても、2つの標準合計配合比のうち、低い値にかかる光学濃度の組を用いた方が、適切にこれらの塗料の配合比を補正して適切な推薦配合比を得ることができる場合が多いことが判ってきた。
そこで本発明の色合わせ方法では、標準合計配合比が、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲として、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と低側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも、考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合値が存在するときには、これら考慮している標準合計配合比と高側標準合計配合比との中間値よりも高く、しかも高側標準合計配合値よりも低い値を、考慮している標準合計配合比がこれらの塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値とする。
このようにすることで、考慮している標準合計配合比が、これらの塗料の合計配合比に適合する範囲は、この考慮している標準合計配合比よりも低い(小さな)値の側には小さく、高い(大きな)値の側には大きな範囲を持つことととしている。
これにより、これらの塗料の合計配合比が、2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い(大きな)値である場合でも、この2つの標準合計配合比のうち、低い標準合計配合比が適合すると判断される。これにより、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料にかかる合計配合比に応じて、より適切な標準合計配合比にかかる光学濃度の組を用いて、推薦配合比を得ることができる。
さらに、請求項18〜請求項31のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、前記見本色データと、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する初期差異判断ステップを備え、上記初期差異判断ステップにおいて、色に関する差異が所定範囲内でないと判断された場合には、前記推薦配合比算出ステップに進み、色に関する差異が所定範囲内であると判断された場合には、前記近似色サンプル塗料または前記既知配合塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比を、前記推薦塗料の推薦配合比とする非隠蔽性塗料の色合わせ方法とするのが好ましい。
この色合わせ方法において、見本色データと、当初に選択した近似色塗装物データ、近似色サンプル塗装物データ、または出発塗装物データについて、色に関する差異が小さければ、もはや、更なる色合わせのための操作は不要である。従って、まず、初期差異判断ステップにおいて、色に関する差異が所定範囲内である場合には、近似色塗料、近似色サンプル塗料、または既知配合塗料における配合比を、推薦配合比とする。これにより、不要な操作を省くことができる。
さらに、請求項18〜請求項31のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法によって前記透明被膜成分及び各基本色材の前記推薦配合比を得る第1色合わせステップと、上記推薦配合比に従って前記推薦塗料を調合する試作調合ステップと、前記下地材に、上記推薦塗料を塗布して、試験塗装物を作成する試験塗装ステップと、上記試験塗装物の色データを取得する試作色データ取得ステップと、前記見本色データと上記試験塗装物の色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する差異判断ステップと、を備え、上記差異判断ステップにおいて、上記色に関する差異が所定範囲内でないと判断した場合には、前記推薦配合比算出ステップに戻り、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データと前記既知配合塗料の配合比とに代えて、上記試作塗装物の色データ及び上記推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、再度、推薦塗料の推薦配合比を算出し、色に関する差異が所定範囲内であると判断した場合には色合わせを終了する非隠蔽性塗料の色合わせ方法とすると良い。
本発明の色合わせ方法によれば、差異判断ステップにおいて、見本色データと試作塗装物の色データとを比較して、色に関する差異が所定範囲でない場合には、再び、この試作塗装物の色データ及び推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、推薦配合比算出ステップに戻って色合わせを行う。従って、数回の推薦塗料の調合及び試作塗装物の製造によって、見本色との色に関する差異が十分小さな塗料を確実に得ることができる。
請求項32に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法を用いて、前記色に関する差異が所定範囲内であると判断された前記試作非隠蔽性塗料にかかる前記透明被膜成分及び各基本色材の前記推薦配合比を得る色合わせ遂行ステップと、前記下地材に、上記推薦配合比に従って調合された非隠蔽性の推薦塗料を塗布する塗装ステップと、を備える塗装物の製造方法とすると良い。
本発明の塗装物の製造方法では、前述した色合わせ方法を用いる色合わせ遂行ステップと、推薦配合比に従って配合した推薦塗料を塗布する塗装ステップとを有している。このため、この塗装物の製造方法によれば、色見本に関する見本色データと色合わせされた塗装物を適切に得ることができる。
本発明にかかる4種の色合わせ装置、色合わせ方法、塗装物製造装置、及び塗装物の製造方法を、以下の4つの実施例に従って説明する。
実施例1にかかる色合わせ装置100は、図1にその概要を示すように、コンピュータ10、分光光度計20,ディスペンサ30,及び攪拌装置40を含んでいる。この色合わせ装置100は、コンピュータ10にインストールされたプログラムにより制御される。このコンピュータ10は、公知の構成を有しており、ハードディスク等の記憶媒体にインストールされたプログラムに従って、各種の機能を実現する手段となる。このコンピュータ10内のハードディスク等の記憶媒体には、後述するサンプル塗装物データが格納されるサンプル塗装物データベース11、及び標準塗装物データの組が下地材の種類別に格納される標準塗装物データベース12a,12b,12cが構築されている。このコンピュータ10は、キーボード15あるいはマウス16を用いて、作業者が適宜必要な指示あるいはデータ入力を行うことができるようになっている。
分光光度計20は、見本物MHの色に関する色データを得るための機器であり、たとえば、HunterLab.社製、MiniScan(商標名)を用いることができる。この分光光度計20によって、色見本である見本物MHを測色し、分光反射率を計測し、そのデータをコンピュータ10に入力するようになっている。
また、ディスペンサ30は、塗料タンクに蓄えられた塗料成分を、たとえばギアポンプ等を用いて所定量だけ吐出ノズルから吐出することができるように構成されており、複数の塗料について、それぞれ吐出量を調整することができるようになっている。本実施例のディスペンサ30では、透明皮膜成分となるベース、及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの4種の基本色材の合計5つの塗料成分を、コンピュータ10からの指示に従って、それぞれ吐出量を調整しつつ吐出できるようにされている。このため、後述するように、これらの塗料成分の配合比が推薦配合比となるように、それぞれの塗料成分を調合することができる。
さらに、攪拌装置40は、ディスペンサ30から所定量ずつ吐出された塗料成分を攪拌混練して、均一な非隠蔽性塗料とする。
出来上がった非隠蔽性塗料は、塗装装置50に供給され、所望の下地材に塗布される。具体的には、ロールコータ、リバース掻き取りロール、スプレーコータ、カーテンコータ、及びUV照射装置、熱風乾燥機等からなる。
本例では、ロールコータによって下地材に塗布された非隠蔽性塗料(ステイン)は、リバース掻き取りロールによって、下地材表面の化粧板(突板)の導管内に注入塗布されるとともに、表面の非隠蔽性塗料が掻き取られ、乾燥される。その後、無色透明のUVクリア塗料をロールコータで下塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を中塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を上塗りし、UV乾燥することで、塗装物52ができあがる。かくして、塗装物製造装置1100により、下地材に色合わせされた塗料が塗布された塗装物52が製造される。
なお、非隠蔽性塗料の色合わせを行う場合には、出来上がった塗装物51が見本物MHと同様な色に仕上がっているかを確認し、色合わせが不適切な場合には、さらにベースや基本色材の配合比を微調整して、より近い色となるようにする必要がある。そこで、塗装装置50で塗装された試験塗装物51をも、分光光度計20で測色し、色の適否の判断や更なる調整の要否判断を行うようにしている。
ついで、コンピュータ10内に構築されるサンプル塗装物データベースに格納されるサンプル塗装物データの例について、図2を参照して説明する。本実施例におけるサンプル塗装物データは、それぞれ、下地材の種類、ベース、及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの4種の基本色材の合計5つの塗料成分の配合比、4種の基本色材を合計した色材の合計配合比、400nm〜700nmの範囲における分光反射率データ、L*、a*、b*を含んでいる。
図2に例示するサンプル塗装物データでは、下地材の種類として、木質材(化粧材)として、なら、かば、ぶなの3種を含んでいる。また、これらのサンプル塗装物データは、4種の基本色材相互の配合比のみならず、ベースの配合比、及び4種の基本色材の合計配合比が判るようにされている。
なお、図2に例示するサンプル塗装物データを見れば判るように、これらのデータは、下地材の種類や色、ベースの配合比(基本色材の合計配合比)などが区々のデータとなっている。このような多数のデータを保持することで、後述するように、多くの場合に、より近い色を有する近似色サンプル塗装物データを得ることができるようになる。従って、新たな塗装物を製造した場合に、そのデータをこのサンプル塗装物データとして蓄積することで、より適切な色合わせができるようになる。
また、図2に例示するサンプル塗装物データでは、分光反射率にほかに、それぞれL*、a*、b*を含んでいる例を示したが、サンプル塗装物データには、L*、a*、b*を含まず、分光反射率のみを含むだけとすることもできる。この場合には、後述するステップS31で色差を算出したり、ステップS33で彩度差を算出するに当たり、予めL*、a*、b*を算出してからこれらのステップに進む。
ついで、コンピュータ10内に構築される標準塗装物データベースに格納される標準塗装物データの組の例について、図3を参照して説明する。標準塗装物データベース12a,12b,12cは、下地材の種類「なら」、「かば」、「ぶな」にそれぞれ対応した標準塗装物データを格納している。下地材の種類によって、下地材自身の色が異なるため、この影響を加味するためである。そこで、これらに格納される標準塗装物データは、それぞれ該当する種類の下地材(例えば「なら」)を用いた場合における各基本色材の光学濃度を適切に算出できるように、各基本色材の合計配合比を固定した上で、適切な配合比で一又は複数の基本色材を配合した塗料を該当する種類の下地材に塗布した標準塗装物の色に関するデータである。この標準塗装物データは、基本色材の標準合計配合比の等しいデータが組をなしている。本実施例では、すなわち、1−1,1−2,…で表される第1組に属する標準塗装物データは、いずれも、色材の標準合計配合比が25/1000(2.5%)に固定されたものである。同様に、第2組は色材の標準合計配合比が50/1000(5.0%)、第3組は色材の標準合計配合比が100/1000(10.0%)、第4組は色材の標準合計配合比が250/1000(25.0%)に固定されたものである。なお、図3に示す標準塗装物データは、「なら」を下地材とした場合のデータである。
本実施例1で色合わせを行うのは、非隠蔽性塗料であるため、各基本色材単独の光学濃
度を用いても、適切な色合わせを行うことはできない。ベース(透明被膜成分)に基本色材が含まれた状態で、各基本色材の色に対する影響(効き)を考慮する必要があるからである。しかも、前述したように、非隠蔽性塗料では、透明皮膜成分(ベース)との割合、つまり、色材の合計配合比が異なると、基本塗料の透明皮膜成分中での濃度によって、非隠蔽性塗料の光学濃度が非線形的に大きく変化する場合がある。このため、各基本色材の光学濃度を得るのに用いる標準塗装物データの組として、1つの標準合計配合比にかかる1組の標準塗装物データのみを用意しただけでは、見本色データによっては、合計配合比が大きく異なるサンプル塗装物データの配合比を補正することとなり、適切な推薦配合比を得ることができない場合がある。
そこで、本実施例では、異なる色材の合計配合比にかかる標準塗装物データの組を、予め複数組(本例では4組)用意してある。これにより、本実施例の色合わせ装置によれば、広い範囲の見本色データに対して、適切に色合わせされた非隠蔽性塗料を提供することができる。
また、図3に示す標準塗装物データベース12a等に格納される標準塗装物データは、各組の標準合計配合比をその大きさの順に並べると、25/1000、50/1000、100/1000、250/1000となる。このように、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との値の差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このようにすることで、近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における色材の合計配合比の値が小さくて、塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい場合でも、合計配合比の値が大きい場合でも、適切に推薦配合比を得ることができるようにされている。
ついで、本実施例1にかかる色合わせ装置100における色合わせ手順について、図4〜図6を参照して説明する。まず、予め入手した見本物MHの分光反射率を分光光度計20(図1参照)を用いて取得する(ステップS11)。得られた分光反射率は、ステップS1で示すように、見本色データ取得手段として機能するコンピュータ10に入力され、見本のCIELAB(L*ST,a*ST,b*ST)が算出される。
なお、分光反射率やL*ST,a*ST,b*STなどの見本色データは、分光光度計で見本物MHを測色して得るほか、LAN,インターネットなどのネットワークシステムを通じて、取得することもできる。
ついで、ステップS21において、作業者がキーボード15から下地材の種類を入力することによって、使用する下地材の種類が指定される(ステップS2)。なお、ディスプレイ10aに示された下地材の種類を示す表示を、マウス16あるいはキーボード15から指定することで、下地材の種類を指定することもできる。また、上述のように、見本色データを送信するとともに、下地材の種類をも通信によって送信、指定することもできる。
ついで、サンプル塗装物データベース11に格納されたデータ(図2参照)を用いて、ステップS3に示すサブルーチンにより、近似色サンプル塗装物データを選択する。具体的には、図5に示すように、ステップS31において、まず、前述したステップS1で取得した見本物MHに関するL*ST,a*ST,b*STと、サンプル塗装物データベース11に格納された各々のサンプル塗装物データに含まれるL*,a*,b*とを用いて、両者の色差(△E)を算出する。なお、この際、サンプル塗装物データとして、指定された下地材の種類にかかるサンプル塗装物データのみを用いる。具体的には、例えば、ステップS2において、下地材の種類として、「なら」が指定された場合には、サンプル塗装物データベース11に格納された各々のサンプル塗装物データ(図2参照)のうち、下地材の種類が「なら」であるサンプル番号1〜64(N=64)のサンプルデータに各々含まれるL*,a*,b*と、見本物MHに関するL*ST,a*ST,b*STとを用いて、合計N=64ヶの色差をそれぞれ算出する。
なお、色差△Eは、△E=√(△L*2+△a*2+△b*2)で与えられる。
ここで、△L*=L*ST−L*、△a*=a*ST−a*、△b*=b*ST−b*である。
ついで、ステップS32以降で、Nヶのサンプル塗装物データのうち、色差△Eが最も小さなサンプル塗装物データを選択する。ただし、色差△Eが等しいデータが複数存在する場合がある。そこで、まずステップS32において、Nヶの色差△Eのうち、最小の色差を有するサンプル塗装物データの数をチェックする。
ここで、その数が1ヶの場合には、ステップS34に進み、そのような最小の色差を有するサンプル塗装物データ(1点)を、近似色サンプル塗装物データとする。
一方、その数が複数の場合には、ステップS33に進み、さらに、この複数のサンプル塗装物データについて、彩度差△Cを算出し、評価する。この彩度差△Cは、△C=√(△a*2+△b*2)で与えられる値である。木質材などの下地材に非隠蔽性塗料を塗布した塗装物においては、同じ色差(△E)であっても、明度の差異△L*が小さい場合よりも、a*−b*平面における差(彩度差)△Cが小さい方が、色が似通って見える傾向にある。従って、同じ色差△Eで有れば、△Cの小さいサンプル塗装物データを選択する方が、より適切であるからである。
そこで、ステップS34において、最小の色差△Eを有する複数のサンプル塗装物データの中から、最も小さな彩度差△Cを有するもの1点を、選択して近似色サンプル塗装物データとする。
かくして、サンプル塗装物データベース11に格納されたデータの中から、1点の近似色サンプル塗装物データを選択し、メインルーチンに戻る。
ついで、ステップS4のサブルーチンに進み、推薦配合比を算出する。具体的には、図6に示すように、ステップS3で選択し、サンプル塗装物データベース11に格納されている近似色サンプル塗装物データから、ステップS41において、その基本色材の合計配合比を取得する。例えば、図2に示すサンプル塗装物データのうち、近似色サンプル塗装物データとして、サンプルNo25のデータが選択された場合には、近似色サンプル塗料の色材の合計配合比として30/1000(3.0%)の値を取得する。
ついで、ステップS42において、ステップS2で取得した下地材の種類を参照し、複数ある標準塗装物データベース12a等のうち、この指定された種類の下地材にかかる標準塗装物データベースを選択する。例えば、ステップS2で「なら」が指定された場合には、「なら」に関する標準塗装物データベース12aを選択する。
その上で、これに格納された複数組の標準塗装物データの組(例えば図3参照)のうち、ステップS41で得た合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する。例えば、ステップS41で得た近似色サンプル塗装物データにかかる合計配合比が30/1000(サンプルNo25)である場合、これに近い値である25/1000という標準合計配合比にかかる第1組(No1−1,1−2,…)の標準塗装物データの組を選択する。
なお、合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択する具体的な手法としては、まず、ステップS41で得た合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在する場合には、その標準塗装物データの組を選択する。一方、ステップS41で得た合計配合比に等しい標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組が存在しない場合には、各組の標準合計配合比(例えば、図3の例においては、25/1000,50/1000,100/1000,250/1000)のうち、ステップS41で得た合計配合比に近い値の標準合計配合比にかかる組を選択する。
すなわち、図3の例においては、ステップS41で得た合計配合比が0〜37.5/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が25/1000である組(第1組)を選択し、37.5/1000〜75/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が50/10
00である組(第2組)を選択し、75/1000〜175/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が100/1000である組(第3組)を選択し、175/1000〜の範囲の場合には、標準合計配合比が250/1000である組(第4組)を選択すると良い。
これにより、適切な標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択することができる。
あるいは、これらの範囲を若干高い側にずらすようにするとさらに好ましい。つまり、近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く高側標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の上限値とするのが好ましい。
具体的には、例えば、図3の例において、標準合計配合比が50/1000である組(第2組)を選択する合計配合比の範囲として、考慮している標準合計配合比(50/1000)よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比(25/1000)が存在するときには、これらの中間値(37.5/1000)よりも高く、考慮している標準合計配合比(50/1000)よりも低い(40/1000)値を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の下限値とする。
一方、考慮している標準合計配合比(50/1000)よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比(100/1000)が存在するときには、これらの中間値(75/1000)よりも高く、高側標準合計配合比(100/1000)よりも低い値(85/1000)を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の上限値とする。
このように考えて、ステップS41で得た合計配合比が0〜40/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が25/1000である組(第1組)を選択し、40/1000〜85/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が50/1000である組(第2組)を選択し、85/1000〜220/1000の範囲の場合には、標準合計配合比が100/1000である組(第3組)を選択し、220/1000〜の範囲の場合には、標準合計配合比が250/1000である組(第4組)を選択ようにするのがさらに好ましい。
これにより、近似色サンプル塗装物データの合計配合比が、2つの標準合計配合比の中間値よりも若干高い(大きな)値である場合でも、この2つの標準合計配合比のうち、低い標準合計配合比が適合すると判断される。これにより、近似色サンプル塗装物データにかかる合計配合比に応じて、より適切な標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて、推薦配合比を得ることができる。
ついで、ステップS43では、ステップS42で選択され、標準塗装物データベース12a等に格納された標準塗装物データの組(例えば、「なら」の第1組)を用いて、各基本色材の光学濃度を算出する。これにより、標準合計配合比を固定した状態での各基本色材の光学濃度が得られる。
ついで、ステップS44において、近似色サンプル塗装物データの色(分光反射率)を、ステップS11で測色しステップS1で取得した見本物MHの分光反射率に近づけるべく、ステップS43で得た各基本色材の光学濃度の組を用いて、近似色サンプル塗装物デ
ータに示された近似色サンプル塗料のベース及び各基本色材の配合比の補正値を算出する。この手法としては、例えば、公知のクベルカムンク式を用いる手法を採用することができる。
ついで、ステップS45において、ステップS44で得られた配合比の補正値を、近似色サンプル塗装物データにおけるベース及び各基本色材の配合比に反映させて、推薦配合比を算出し、メインルーチンに戻る。これにより、色差の小さい(つまり見本物MHの色に近い色を有する)近似色サンプル塗装物のデータを用いながら、さらに、見本物MHの色に近づけた推薦配合比を得ることができる。
その後、前述したように、ステップ5において、得られたこの推薦配合比に従い、ディスペンサ30及び攪拌装置40を用いて非隠蔽性塗料(推薦塗料、試作塗料)を調合し、塗装装置50を用いて指定された下地材に塗布して試験塗装物51を試作する。
ついで、ステップS6において、この試験塗装物51の色を確認する。具体的には、目視による評価のほか、分光光度計20で測色してその分光反射率、L*TR、a*TR、b*TR等を得、評価が良好で、試験塗装物51の色が満足できるもので有れば、色合わせは完了する。
一方、不十分の場合(色差が大きい場合)には、ステップS4に戻る。具体的には、図6において破線で示すようにデータを取り込み、、ステップS44,S45において、近似色サンプル塗装物データ(L*等)に代えて、この試験塗装物51の分光反射率、L*TR,a*TR,b*TRなどのデータを用いて、前回の推薦配合比を補正して、新たな推薦配合比を算出する。
さらに具体的には、図4に示すように、ステップS7において、前回用いた近似色サンプル塗料の配合比に代え前回得た推薦配合比に置換する。また同様に、近似色サンプル塗装物データのL*,a*,b*、分光反射率等を試験塗装物の明度L*TR、a*TR、b*TR、分光反射率等 に置換する。これにより、前回得た推薦塗料(試作塗料)の推薦配合比と試験塗装物51の結果を反映させて、新たな推薦塗料の推薦配合比を得ることができるため、見本物(色見本)との色差が十分小さな試験塗装物51及び推薦塗料を早期に得ることができる。
以上において、コンピュータ10は、ステップS1において、見本色データ取得手段として機能し、ステップS2において、下地材種類指定手段として機能し、ステップS3において、近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段あるいは近似色データ取得手段として機能し、ステップ42において、標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段として機能し、ステップS43において、光学濃度算出手段として機能し、ステップS44及びS45において、推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段として機能していることが判る。また、ステップS6において試作色データ取得手段及び差異判断手段として機能している。
本実施例1では、コンピュータ10を各手段として用いて得た推薦塗料の推薦配合比に従って、ディスペンサ30から吐出した塗料成分を攪拌装置40で攪拌して推薦塗料を調合する。その後、塗装装置50によって、これに供給された推薦塗料を下地材へ塗装する。具体的には、本例では、前述したように、ロールコータよって下地材に塗布された推薦塗料(ステイン)を、リバース掻き取りロールによって、下地材表面の化粧板(突板)の導管内に注入塗布した後、乾燥する。その後、無色透明のUVクリア塗料をロールコータで下塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を中塗りし、UV乾燥する。さらに無色透明のUVクリア塗料を上塗りし、UV乾燥することで、塗装物52を製造する。このように、色合わせ装置100と塗装装置50とを備えることで、全体で色合わせされた塗装物52の製造装置1100となっている。
本実施例の色合わせ装置100では、色差の小さい近似色サンプル塗装物のデータを用い、しかも、合計配合比に適合した標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を用いて算出した各基本色材の光学濃度を用いて配合比を補正し、推薦配合比を得た。このため、非隠蔽性塗料(推薦塗料)を、基本色材の合計配合比が低い場合から高い場合まで、広い範囲にわたって、見本物MHの色が得られるように適切に色合わせできる。
ついで、従来の装置及び本実施例1の色合わせ装置を用いて色合わせを行った具体例(2例)について説明する。
(具体例1)
図7に第1の具体例を示す。本例では、見本物MHは、下地材に「なら」を用い、ベース及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの基本色材の配合比を、975,14,2,6,3(いずれも千分率)とした非隠蔽性塗料を塗布してなる。なお、この配合比は、あくまでも参考データであり、実際の色合わせにおいては、この配合比は使用しないので、未知(不明)であってもよい。この見本物MHについて分光光度計20を用いて測色し、分光反射率を計測したところ、見本色データとして、CIELABで表して、L*=54.4,a*=10.1,b*=26.6が得られた。なお、図7では、各波長における分光反射率については具体的数値を示さないこととする。
従来装置による色合わせの場合について先に説明する。従来装置においては、基本色材の標準合計配合比が50/1000(5.0%)である標準塗装物データの組を1組のみ有している。また、本実施例のように、近似色サンプル塗装物データを用いることなく、見本色
データに基づいて、標準塗装物データの組(標準合計配合比が50/1000)から得た各基本色材の光学濃度を用いて、推薦配合比1を算出し、推薦配合比1による試験塗装物1を作成した。その色を測色してLabを算出したところ、△L*=−5.1,△a*=−0.1,△b*=−3.6となり、色差△E=6.2となった。本例では、色差△E<1.0程度に色合わせされることが求められており、不十分であることが判る。目視評価でも、判定はNGであり、色が濃いと判定された。
そこで、この結果を基に、推薦配合比1を補正して推薦配合比2を得、さらに、推薦配合比2による試験塗装物2を作成し、その色を測色してLabを算出したところ、△L*=3.0,△a*=−0.1,△b*=2.1、色差△E=3.7となり未だ色合わせ不十分であった。目視評価でも、判定はNGであり、色が白濃いと判定された。
そこで、この結果を基に、推薦配合比2を補正して推薦配合比3を得、さらに、推薦配合比3による試験塗装物3を作成し、その色を測色してLabを算出したところ、△L*=−1.4,△a*=0.2,△b*=1.1となり、色差△E=1.8となり未だ色合わせ不十分であった。目視評価でも、判定はNGであり、色が濃いと判定された。
このように、従来装置では、3回分塗料を調合し、3回の試験塗装物を作成したが、満足できる結果を得られなかった。
ついで、本実施例1の色合わせ装置による色合わせの場合について説明する。本実施例1では、ステップS3で選択した近似色サンプル塗装物データを用いる。本例では、図2に示すデータのうち、サンプルNo25のサンプル塗装物データを近似色サンプル塗装物データとする。この場合、△L*=−1.6,△a*=−0.3,△b*=−0.9となり、色差△E=1.9である。
また、実施例1の装置においては、図3に示すように、下地材「なら」について、基本色材の標準合計配合比が互いに異なる4組の標準塗装物データの組を有している。そこで、近似色サンプル塗装物データにおける色材の合計配合比が30/1000であることから、標準合計配合比が25/1000である第1組の標準塗装物データの組を選択した(ステップS42)。そして、これを用いて各基本色材の光学濃度を算出し(ステップS43)、推薦配合比1を算出し、推薦配合比1による試験塗装物1を作成した。その色を測色してLabを算出したところ、△L*=0.9,△a*=0.1,△b*=0.7となり、色差△E=1.1となった。目視評価でも、判定はほぼOKであると判定された。本例では、推薦配合比1の塗料において、ほぼ満足できる色合わせができた。
ついで、さらにこの結果を基に、推薦配合比1を補正して推薦配合比2を得、さらに、推薦配合比2による試験塗装物2を作成し、その色を測色してLabを算出したところ、△L*=0.6,△a*=0.0,△b*=0.5、色差△E=0.6となり適切な色合わせができた。目視評価でもOKと判定され、色合わせを完了することができた。具体的には、ステップS44において、近似色サンプル塗料の配合比に代えて第1回目に得られた推薦配合比1を用い、近似色サンプル塗装物の明度L*等に代えて、試験塗装物1の明度L*TRを用いて、配合比の補正値を算出し、ステップS45で推薦配合比2を得る。
このように、本実施例1によれば、従来装置では、3回の試作を繰り返しても色合わせができなかった場合でも、1回でほぼ満足でき、2回で十分満足できる色合わせができた。
これは、近似色サンプル塗装物データを用いたことによるほか、近似色サンプル塗装物データにおける配合比の補正値を算出する(ステップS44)に当たって、それに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択し、これを用いて算出した各基本色材の光学濃度を用いて補正値を得たためである。
(具体例2)
ついで、図8に第2の具体例を示す。本例の見本物MHは、下地材に「なら」を用い、ベース及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの基本色材の配合比を、900,25,15,40,20(いずれも千分率)とした非隠蔽性塗料を塗布してなる。この見本物MHについて測色し、分光反射率を計測したところ、見本色データとして、CIELABで表して、L*=36.7,a*=9.0,b*=17.0が得られた。なお、図8では、各波長における分光反射率については具体的数値を示さないこととする。
従来装置による色合わせについて先に説明する。従来装置においては、前述したように、基本色材の標準合計配合比が50/1000(5.0%)である標準塗装物データの組を1組のみ有している。また、本実施例のように、近似色サンプル塗装物データを用いることなく、見本色データに基づいて、標準塗装物データの組(標準合計配合比が50/1000)から得た各基本色材の光学濃度を用いて、推薦配合比1を算出する。
そこで、従来装置によって推薦配合比1を算出させたところ、実現可能な配合比が得られず、推薦配合比1が算出不能であった。
これは、この従来装置では、使用できる標準塗装物データの組を、基本色材の標準合計配合比が50/1000である1組しか有していないために、適切に推薦配合比1を算出することができなかったものと解される。
一方、本実施例1の色合わせ装置による色合わせについて説明する。本実施例1では、ステップS3で選択した近似色サンプル塗装物データを用いる。本例では、図2に示すデータのうち、サンプルNo53のサンプル塗装物データが近似色サンプル塗装物データとされた。この場合、△L*=−1.9,△a*=0.9,△b*=−0.5となり、色差△E=2.2となった。
また、実施例1の装置においては、図3に示すように、下地材「なら」について、基本色材の標準合計配合比が互いに異なる4組の標準塗装物データの組を有している。そこで、近似色サンプル塗装物データにおける色材の合計配合比が120/1000であることから、標準合計配合比が100/1000である第3組の標準塗装物データの組を選択した(ステップS42)。そして、これを用いて各基本色材の光学濃度を算出し(ステップS43)、推薦配合比1を算出し、推薦配合比1による試験塗装物1を作成した。その色を測色してLabを算出したところ、△L*=1.2,△a*=−0.1,△b*=0.2となり、色差△E=1.2となった。目視評価でも、判定はほぼOKであると判定された。本例では、推薦配合比1の塗料において、ほぼ満足できる色合わせができた。
ついで、さらにこの結果を基に、推薦配合比1を補正して推薦配合比2を得、さらに、推薦配合比2による試験塗装物2を作成し、その色を測色してLabを算出したところ、△L*=0.8,△a*=−0.1,△b*=0.3、色差△E=0.9となり適切な色合わせができた。目視評価でもOKと判定され、色合わせを完了することができた。
このように、本具体例2では、本実施例1の装置によれば、従来装置では、色合わせのための推薦配合比1すら得られなかった場合でも、1回でほぼ満足でき、2回で十分満足できる色合わせができた。
これも、近似色サンプル塗装物データを用いたことによるほか、近似色サンプル塗装物データにおける配合比の補正値を算出する(ステップS44)に当たって、それに適合する標準合計配合比にかかる標準塗装物データの組を選択し、これを用いて算出した各基本色材の光学濃度を用いて補正値を得たためである。
実施例2にかかる色合わせ装置200は、すでに説明した実施例1の色合わせ装置100とほぼ同様な構成を有しており、図1にその概要を示すように、コンピュータ10、分光光度計20,ディスペンサ30,及び攪拌装置40を含んでいる。
ただし、この色合わせ装置200では、コンピュータ10内のハードディスク等の記憶媒体には、後述するサンプル塗装物データが格納されるサンプル塗装物データベース11のほか、実施例1における標準塗装物データベース12a等に代えて、各基本色材の光学濃度の組が下地材の種類別に格納される光学濃度データベース13a,13b,13cが構築されている。
この実施例2にかかる色合わせ装置200及び塗装物製造装置1200は、すでに説明した実施例1の色合わせ装置100及び塗装物製造装置1100とほぼ同様な構成を有しているので、異なる部分について説明し、同様な部分については記載を省略または簡略化する。
ついで、コンピュータ10内に構築される光学濃度データベースに格納される基本色材の光学濃度の組の例について、図9を参照して説明する。光学濃度データベース13a等は、下地材の種類「なら」「かば」、「ぶな」にそれぞれ対応した光学濃度の組を格納している。下地材の種類によって、下地材自身の色が異なるため、この影響を加味した光学濃度の組を用いるためである。図9に示す光学濃度の組は、「なら」を下地材とした場合のデータである。
またこれらに格納される光学濃度は、色材の標準合計配合比の等しいデータが組をなしている。すなわち、1−1,1−2,…で表される第1組に属する光学濃度は、いずれも、色材の標準合計配合比が25/1000(2.5%)に固定されたものである。同様に、第2組は色材の標準合計配合比が50/1000(5.0%)、第3組は色材の標準合計配合比が100/1000(10.0%)、第4組は色材の標準合計配合比が250/1000(25.0%)に固定されたものである。
本実施例で色合わせを行うのは、非隠蔽性塗料であるため、各基本色材単独の光学濃度を用いても、適切な色合わせを行うことはできない。ベース(透明被膜成分)に基本色材が含まれた状態で、各基本色材の色に対する影響(効き)を考慮する必要があるからである。しかも、前述したように、非隠蔽性塗料では、透明皮膜成分(ベース)との割合、つまり、色材の合計配合比が異なると、基本塗料の透明皮膜成分中での濃度によって、非隠蔽性塗料の光学濃度が非線形的に大きく変化する場合がある。このため、1つの標準合計配合比にかかる1組の光学濃度のみを用意しただけでは、見本色データによっては、合計配合比が大きく異なるサンプル塗装物データの配合比を補正することとなり、適切な推薦配合比を得ることができない場合がある。
そこで、本実施例2では、異なる色材の合計配合比にかかる光学濃度の組を、予め複数組(本例では4組)用意してある。これにより、本実施例の色合わせ装置によれば、広い範囲の見本色データに対して、適切に色合わせされた非隠蔽性塗料を提供することができる。
また、図9に示す光学濃度データベース13a等に格納される光学濃度の組も、実施例1における標準塗装物データベース12a等と同じく、各組の標準合計配合比をその大きさの順に並べると、25/1000、50/1000、100/1000、250/1000となる。このように、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との値の差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる。このようにすることで、近似色サンプル塗装物データの合計配合比の値が小さく塗料の色に対する各基本色材の影響が変化しやすい場合でも、合計配合比の値が大きい場合でも、適切に推薦配合比を得ることができるようにされている。
ついで、本実施例2にかかる色合わせ装置200における色合わせ手順について、図10を参照して説明する。本実施例2にかかる色合わせ装置200における色合わせ手順は、実施例1にかかる色合わせ装置100とほぼ同じであり、推薦配合比算出のサブルーチン(ステップS24)のみ実施例1のステップS4(図6参照)とは異なるので、同様な部分についての説明は省略し、このサブルーチンについてのみ説明する。
すなわち、ステップS3において、近似色サンプル塗装物データを選択した後、ステップS24に進み、推薦配合比を算出する。具体的には、図10に示すように、ステップS3で選択し、サンプル塗装物データベース11に格納されている近似色サンプル塗装物データから、ステップS41において、その基本色材の合計配合比を取得する。この部分は実施例1と同じである。
ついで、ステップS242において、ステップS2で取得した下地材の種類を参照し、複数ある光学濃度データベース13a等のうち、この指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースを選択する。例えば、ステップS2で「なら」が指定された場合には、「なら」に関する光学濃度データベース13aを選択する。
その上で、これに格納された複数組の光学濃度の組(例えば図9参照)のうち、ステップS41で得た合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。例えば、ステップS41で得た近似色サンプル塗装物データにかかる合計配合比が30/1000(サンプルNo25)である場合、これに近い値である25/1000の標準合計配合比にかかる第1組(No1−1,1−2,…)の光学濃度の組を選択する。
なお、合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する具体的な手法としては、実施例1において、標準塗装物データの組を選択するのと同様とすればよい。
すなわち、2つの標準合計配合比の中間値を境界として範囲を分ければ良く、これにより、適切な標準合計配合比にかかる光学濃度データの組を選択することができる。
あるいは、これらの範囲を若干高い側にずらすようにするとさらに好ましい。つまり、近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲に関し、考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く考慮している標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の下限値とする。一方、考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く高側標準合計配合比よりも低い値を、考慮している標準合計配合比が近似色サンプル塗装物データの合計配合比に適合する範囲の上限値とするのが好ましい。
ついで、実施例1と同じく、ステップS44において、近似色サンプル塗装物データの色(分光反射率)を、ステップS11で測色しステップS1で取得した見本物MHの分光反射率に近づけるべく、ステップS242で選択した各基本色材の光学濃度の組を用いて、近似色サンプル塗装物データに示されたベース及び各基本色材の配合比の補正値を算出する。この手法としては、例えば、公知のクベルカムンク式を用いる手法を採用することができる。
ついで、ステップS45において、配合比の補正値を、近似色サンプル塗装物データにおけるベース及び各基本色材の配合比に反映させて、推薦配合比を算出し、メインルーチンに戻る。これにより、見本物MHの色に近い色を有する(つまり色差の小さい)近似色サンプル塗装物のデータを用いながら、さらに、見本物MHの色に近づけた推薦配合比を得ることができる。
その後、実施例1と同じく、ステップ5において、得られたこの推薦配合比に従い、ディスペンサ30及び攪拌装置40を用いて非隠蔽性塗料(推薦塗料、試作塗料)を調合し、塗装装置50を用いて指定された下地材に塗布して試験塗装物51を試作する。
ついで、ステップS6において、この試験塗装物51の色を確認する。具体的には、目視による評価のほか、分光光度計20で測色してその分光反射率、L*TR、a*TR、b*TR等を得、評価が良好で、試験塗装物51の色が満足できるもので有れば、色合わせは完了する。
一方、不十分の場合(色差が大きい場合)には、ステップS4に戻る。具体的には、図10において破線で示すようにデータを取り込み、、ステップS44,S45において、近似色サンプル塗装物データに代えて、この試験塗装物51の分光反射率を用いて、前回の推薦配合比を補正して、新たな推薦配合比を算出する。
さらに具体的には、図4に示すように、ステップS7において、前回用いた近似色サンプル塗料の配合比に代え前回得た推薦配合比に置換する。また同様に、近似色サンプル塗装物データのL*,a*,b*、分光反射率等を試験塗装物の明度L*TR,a*TR,b*TR、分光反射率等に置換する。これにより、前回得た推薦塗料(試作塗料)の推薦配合比と試験塗装物51の結果を反映させて、新たな推薦塗料の推薦配合比を得ることができるため、見本物(色見本)との色差が十分小さな試験塗装物51及び推薦塗料を早期に得ることができる。
このようにして、複数組の光学濃度を格納した光学濃度データベースを用いても、同様に、非隠蔽性塗料の色合わせを適切に行うことができ、これによって色合わせされた塗装物52が製造できる。
実施例2において、コンピュータ10は、ステップS1において、見本色データ取得手段として機能し、ステップS2において、下地材種類指定手段として機能し、ステップS3において、近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段あるいは近似色データ取得手段として機能し、ステップ242において、光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段として機能し、ステップS44及びS45において、推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段として機能していることが判る。また、ステップS6において試作色データ取得手段及び差異判断手段として機能している。
また本実施例2でも、コンピュータ10を各手段として推薦配合比に従って推薦塗料を調合する。その後、塗装装置50によって、下地材へ塗装する。具体的には、前述したように、ロールコータよって下地材に塗布された推薦塗料(ステイン)を、下地材表面の化粧板(突板)塗布し掻き取り後、乾燥する。その後、無色透明のUVクリア塗料の塗布と乾燥を3回繰り返して、塗装物52を製造する。このように、色合わせ装置200と塗装装置50とを備えることで、色合わせされた塗装物52の製造装置1200となっている。
上記実施例1,2においては、サンプル塗装物データベース11に蓄積されたサンプル塗装物データから選択した近似色サンプル塗装物データを用いて、色合わせを行った。このようにすることで、様々な色調のサンプル塗装物データを蓄積しておけば、多様な色調の見本物に対しても、適切な色合わせをすることができる。しかも、色合わせを行ったデータを更にサンプル塗装物データとして蓄積することで、更に、適切な、また少ない回数での色合わせが可能となる。
上記実施例1,2では、データベース11に蓄積されたサンプル塗装物データの中から、色見本(見本物)の色に近い色の近似色サンプル塗装物データを選択し、これを用いて色合わせを行った。これに対し、本実施例3では、予め与えられた既知配合塗料と、これを塗布した出発塗装物とを用いて、塗料の色合わせを行う点で異なる。しかし他の部分は同様であるので、同様な部分の説明は省略あるいは簡略化する。
実施例3にかかる色合わせ装置300及び塗装物製造装置1300は、すでに説明した実施例1の色合わせ装置100及び塗装物製造装置1100と同様な構成を有しており、図1にその概要を示すように、色合わせ装置300はコンピュータ10、分光光度計20,ディスペンサ30,及び攪拌装置40を、また塗装物製造装置1300は、さらに塗装装置50を含んでいる。但し、サンプル塗装物データベース11は含んでいない。
ついで、実施例3にかかる色合わせ装置300における色合わせ手順について、図11及び 図12を参照して説明する。まず、予め入手した見本物MHの分光反射率、CIELAB(L*ST,a*ST,b*ST)などの見本色データを取得する(ステップS301)。なお、見本色データを取得するステップS12としては、分光光度計20を用いて見本物MHを直接測色するほか、予め得ておいた見本色データを記録メディアあるいはネットワークを通じて取り込んでも良い。
また、下地材の種類(木質材(突板)の材質、仕上げ、明るさ、その他)も、見本物のデータからステップS302において取り込む。
ついで、予め与えられていた既知配合塗料データ(S13)を取得する(ステップS303)。さらに、ステップS304において、既知配合塗料データに従って塗料を調合して既知配合塗料を得、これをステップS302で指定された種類の下地材に塗布して見本物と近似した色の出発塗装物53を得る。具体的には、既知配合塗料をステインとして用い、更にクリア塗料を3回(下塗り、中塗り、上塗り)塗布と乾燥を繰り返して出発塗装物53を作製する。
ついで、ステップS305において、出発塗装物53を分光光度計20によって測色し、L*,a*,b*等のデータを得る。
ついで、ステップS306に進み、出発塗装物53と見本物MHとの色を比較する。具体的には、Labを用いて両者間の色差△E(=√(△L*2+△a*2+△b*2))を算出し、この大きさが所定値以下(OK)であれば、以下の色合わせは不要であるとして、この色合わせを終了する。
一方、色差△Eの大きさが所定値以上である場合(NG)には、ステップS307のサブルーチンに進み、推薦配合比を算出する。具体的には、図12に示すように、ステップS403及びS405で取得した出発塗装物及び既知配合塗料のデータ14から、まず、ステップS471において、既知配合塗料における4つの基本色材の合計配合比等のデータを取得する。例えば、図13に示す既知配合塗料について言えば、合計配合比として30/1000(=(16+3+8+3)/1000=0.030=3.0%)の値を取得する。
ついで、前述した実施例1と同じく、ステップS42おいて標準塗装物データの組を選択し、ステップS43において選択された標準塗装物データの組を用いて各基本色材の光学濃度を算出する。
さらに、ステップS474では、この光学濃度を用いて、公知の手法により既知配合塗料におけるベース及び基本色材の配合比の補正値を算出する。この手法としては、前述した実施例1におけるステップS44と同じく、公知のクベルカムンク式を用いる手法を採用することができる。
ついで、実施例1と同じく、ステップS45において、配合比の補正値を既知配合塗料の配合比に反映させて推薦配合比を算出し、メインルーチンに戻る。これにより、既知配合塗料を塗布した場合(出発塗装物)よりも見本物MHの色に近い色を呈する推薦塗料の推薦配合比を得ることができる。
かくして、出発塗装物データを用いて、既知配合塗料の配合比を、見本色データに基づいて補正し、これに近づけ色あわせを行った塗料(推薦塗料)を得ることができた。
その後、メインルーチンに戻り、ステップS308において、得られた推薦配合比に従って調合された推薦塗料を作製し、これをステップS302で指定された下地材に塗布して試験塗装物51を製作する。具体的には、前述した出発塗装物53と同じく、推薦塗料をステインとして用い、クリア塗料を塗布して試験塗装物51を作製する。
ついで、ステップS309において、試験塗装物51を分光光度計20によって測色し、試験塗装物の明度L*TRをはじめ、a*TR,b*TR等のデータを得る。
ついで、ステップS310に進み、試験塗装物51と見本物MHとの色を比較する。具体的には、両者間の色差△Eを算出し、この大きさが所定値以下(OK)であれば、再度の色合わせは不要であるとして、この色合わせを終了する。
一方、色差△Eの大きさが所定値以上である場合(NG)には、再度、推薦配合比を算出するため、ステップS307に戻る。
この際、ステップS307で新たな推薦配合比を得るにあたり、ステップS311において、推薦配合比を得るためにステップS307(ステップS474)で用いた既知配合塗料の配合比に、今回得た推薦塗料の配合比を代入する。また同様に、今回得た試験塗装物51の分光反射率データやL*TR、a*TR、b*TRを、出発塗装物53の分光反射率データやL*,a*,bに代入して用いる。これにより、図12において破線で示すようにしてデータを取り込み、ステップS307及びS309で得た、今回の推薦塗料の推薦配合比と試験塗装物51の結果を反映させて、新たな推薦塗料の推薦配合比を得ることができるため、見本物(色見本)との色差が十分小さな試験塗装物51及び推薦塗料を早期に得ることができる。
さらに、本実施例3では、色差△Eを十分小さくできる推薦塗料を得たら、この推薦配合比に従って、ディスペンサ30及び攪拌装置40を用いて推薦塗料を調合する。その後、塗装装置50によって、指定された種類の下地材に推薦塗料(ステイン)を塗布し、掻き取り乾燥後、さらに、クリア塗料を3回塗布及び乾燥を繰り返して、塗装物52を製造する。このようにして、色合わせされた塗装物52を製造装置1300によって製造することができる。
ついで、本実施例3の色合わせ装置300を用いて色合わせを行った具体例3(1例)について説明する。
(具体例3)
図13に具体例3を示す。本例では、見本物MHのデータとして、下地材に「なら」を用いること、そのLabが、L*ST=52.80,a*ST=9.80,b*ST=27.50であることが示されたとする。なお、見本物に塗装されている塗料におけるベース及び各基本色材の配合比は不明である。
ついで、本実施例3に色合わせ装置300による色合わせについて説明する。本実施例3では、ステップS303において、既知配合塗料のデータが与えられる。そのデータは、ベース及びホワイト、ブラック、エロー、レッドの基本色材の配合比であり、具体的には、これらが順に、970.0,16.0,3.0,8.0,3.0(いずれも千分率)で与えられた。
そこで、この既知配合塗料の配合比に従って、ディスペンサ30及び攪拌装置40を用いて推薦塗料を調合し、「なら」の下地材に塗布し測色したところ、L*=51.58,a*=9.66,b*=28.39が得られた。見本物と出発塗装物との色差△Eは、△E=1.52となり、所定値△E≦1.0よりも若干色差が大きく、NGと判断された(ステップS306)。
そこで、ステップS307(ステップS471〜S45)で推薦配合比1を算出したところ、推薦配合比1として、970.0,16.3,2.8,7.8,3.(いずれも千分率)が得られた。
この実施例3の装置及び方法で得た具体例3にかかる推薦配合比の推薦塗料を塗布した試作塗装物51を測色したところ、L*RE=52.31,a*RE=9.87,b*RE=27.82であった。見本色データとの色差△Eは、△E=0.59であり、色差△E≦1.0の十分近似した色となった。このことから、推薦塗料の色あわせが適切に行えたことが判る。
この実施例3において、コンピュータ10は、ステップS301において見本色データ取得手段として機能し、ステップS302において下地材種類指定手段として機能し、ステップS303において既知塗料データ取得手段として機能し、ステップS305において出発塗装物データ取得手段として機能し、ステップS307(S474,S45)において推薦配合比算出手段として機能していることが判る。また、ステップ303及びS305において近似色データ取得手段としても機能している。
また、ステップS42において標準データ選択手段として機能し、ステップS43において光学濃度算出手段として機能していることが判る。さらに、ステップS309において試作色データ取得手段として機能し、ステップS310において差異判断手段として機能していることが判る。また、ステップS306において初期差異判断手段として機能している。
また本実施例3でも、コンピュータ10を各手段として用いて得た推薦塗料の推薦配合比に従って、ディスペンサ30から吐出した塗料成分を攪拌装置40で攪拌して推薦塗料を調合する。その後、塗装装置50によって、これに供給された推薦塗料を下地材へ塗装する。具体的には、前述したように、ロールコータによって下地材に塗布された推薦塗料(ステイン)を、下地材表面の化粧板(突板)塗布し掻き取り後、乾燥する。その後、無色透明のUVクリア塗料の塗布と乾燥を3回繰り返して、塗装物52を製造する。このように、色合わせ装置300と塗装装置50とを備えることで、色合わせされた塗装物52の製造装置1300となっている。
実施例4にかかる色合わせ装置400は、すでに説明した実施例1〜3の色合わせ装置100,200,300とほぼ同様な構成を有しており、図1にその概要を示すように、コンピュータ10、分光光度計20,ディスペンサ30,及び攪拌装置40を含んでいる。
ただし、この色合わせ装置400では、実施例2と同じく、コンピュータ10内のハードディスク等の記憶媒体には、後述するサンプル塗装物データが格納されるサンプル塗装物データベース11のほか、各基本色材の光学濃度の組が格納された光学濃度データベース13a,13b,13cが、下地材の種類別に構築されている。
この実施例4にかかる色合わせ装置400及び塗装物製造装置1400は、すでに説明した実施例1〜3の色合わせ装置100,200,300及び塗装物製造装置1100,1200,1300とほぼ同様な構成を有しているので、異なる部分について説明し、同様な部分については記載を省略または簡略化する。
コンピュータ10内に構築される光学濃度データベースに格納される基本色材の光学濃度の組の例も、実施例2(図9参照)と同じであり、光学濃度データベース13a等は、下地材の種類「なら」「かば」、「ぶな」にそれぞれ対応した光学濃度の組を格納している。またこれらに格納される光学濃度は、色材の標準合計配合比の等しいデータが組をなしている。
ついで、実施例4にかかる色合わせ装置400における色合わせ手順について、図14を参照して説明する。本実施例4にかかる色合わせ装置400における色合わせ手順は、実施例3にかかる色合わせ装置300とほぼ同じであり、推薦配合比算出のサブルーチン(ステップS347)のみ実施例3のステップS307(図12参照)とは異なるので、同様な部分についての説明は省略し、このサブルーチンについてのみ説明する。
すなわち、ステップS303及びS305において、既知配合塗料データ及び出発塗装物データを取得した後、ステップS306を経てステップS347に進み、推薦配合比を算出する。具体的には、図14に示すように、与えられた既知配合塗料データ及び出発塗装物データ14を、ステップS471において取得する。この部分は実施例3と同じである。
ついで、ステップS472において、ステップS302で取得した下地材の種類を参照し、複数ある光学濃度データベース13a等のうち、この指定された種類の下地材にかかる光学濃度データベースを選択する。例えば、ステップS302で「なら」が指定された場合には、「なら」に関する光学濃度データベース13aを選択する。
その上で、これに格納された複数組の光学濃度の組(例えば図9参照)のうち、ステップS471で得た既知配合塗料の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する。例えば、ステップS471で得た既知配合塗料にかかる合計配合比が30/1000である場合、これに近い値である25/1000の標準合計配合比にかかる第1組(No1−1,1−2,…)の光学濃度の組を選択する。
なお、合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる光学濃度の組を選択する具体的な手法としては、実施例2と同様とすればよい。すなわち、2つの標準合計配合比の中間値を境界として範囲を分ければ良く、これにより、適切な標準合計配合比にかかる光学濃度データの組を選択することができる。また、これらの範囲を若干高い側にずらすようにするとさらに好ましい。
ついで、実施例3と同じく、ステップS474において、出発塗装物の色(分光反射率)を、ステップS12で測色しステップS301で取得した見本物MHの分光反射率に近づけるべく、ステップS472で選択した各基本色材の光学濃度の組を用いて、既知配合塗料のベース及び各基本色材の配合比の補正値を算出する。この手法としては、例えば、公知のクベルカムンク式を用いる手法を採用することができる。
ついで、ステップS45において、配合比の補正値を、既知配合塗料の配合比に反映させて、推薦配合比を算出し、メインルーチンに戻る。出発塗装物よりも見本物MHの色に近づけた色を呈する推薦塗料の推薦配合比を得ることができる。
その後、実施例1〜3と同じく、ステップ308で推薦塗料を調合し、塗装装置50を用いて指定された下地材に塗布して試験塗装物51を試作する。
ついで、ステップS309において、この試験塗装物51の色を、目視による評価のほか、分光光度計20で測色して、その分光反射率、L*TR、a*TR、b*TR等を得、評価が良好で、試験塗装物51の色が満足できるもので有れば、色合わせは完了する。
一方、不十分の場合(色差が大きい場合)には、ステップS307に戻る。具体的には、図14において破線で示すようにデータを取り込み、ステップS474,S45において、既知配合塗料の配合比や出発塗装物の色データに代えて、この試験塗装物51の分光反射率や今回得た推薦塗料の推薦配合比を用いて、この推薦配合比を補正して、新たな推薦配合比を算出する。
このようにして、複数組の光学濃度を格納した光学濃度データベースを用いても、同様に、非隠蔽性塗料の色合わせを適切に行うことができ、これによって色合わせされた塗装物52が製造できる。
この実施例4において、コンピュータ10は、ステップS301において、見本色データ取得手段として機能し、ステップS302において、下地材種類指定手段として機能し、ステップS303において、既知塗料データ取得手段として機能し、ステップS305において出発塗装物データ取得手段として機能していることが判る。また、ステップS303及びS305は近似色データ取得手段としても機能している。
また、ステップ472において、光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段として機能し、ステップS474及びS45において、推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段として機能していることが判る。また、ステップS309において試作色データ取得手段及として、ステップS310において差異判断手段として機能している。また、ステップS306において、初期差異判断手段として機能している。
また本実施例4でも、推薦配合比に推薦塗料を調合し、塗装装置50によって下地材へ塗装し、塗装物52を製造する。このように、色合わせ装置400と塗装装置50とを備えることで、色合わせされた塗装物52の製造装置1400となっている。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、図1に示す色合わせ装置100等においては、ディスペンサ30、攪拌装置40をも色合わせ装置100に含めて説明した。しかしながら、図1において破線で示すように、コンピュータ10で算出した推薦配合比を記載した用紙をプリンタ18から打ち出させたり、ディスプレイ10aに表示する、あるいは、インターネットやLANなど、図示しない通信回線を用いて別の場所のコンピュータに推薦配合比の値を伝送するだけの色合わせ装置とすることもできる。この場合には、別途、推薦配合比に従って、作業者がベースや各基本色材の塗料を秤量して調合したり、作業者の指示によりディスペンサを動作させたりすることで、色合わせされた非隠蔽性塗料を得ることとなる。
また、図1に示す色合わせ装置100等においては、分光光度計20を用いて、見本物MHの測色を行って、見本色データをコンピュータ10に入力した。しかしながら、コンピュータ10が見本色データを取得できればよいから、図示しない通信回線を通じて見本色データを取得するようにしても良い。なお、コンピュータ10が取得する見本色データは、見本物を測色した実測データでなく、何らかの手法で作成した見本色データでも良い。
実施例1および2にかかる色合わせ装置の概要を示す説明図である。 色合わせ装置内のサンプル塗装物データベースに格納されているサンプル塗装物データの内容を説明する図表である。 色合わせ装置内の標準塗装物データベースに格納されている標準塗装物データの組の内容を説明する図表である。 実施例1及び2の色合わせ装置による色合わせの各工程の流れを示すフローチャートである。 近似色サンプル選択のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 推薦配合比算出のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 具体的な見本物の色合わせを、従来装置を用いて行った結果、及び実施例1にかかる色合わせ装置を用いて行った具体例1の結果を対比して示す図表である。 具体的な他の見本物の色合わせを、従来装置を用いて行った結果、及び実施例1にかかる色合わせ装置を用いて行った具体例2の結果を対比して示す図表である。 実施例2にかかる色合わせ装置内の光学濃度データベースに格納されている光学濃度の組の内容を説明する図表である。 実施例2にかかり、推薦配合比算出のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 実施例3及び4の色合わせ装置による色合わせの各工程の流れを示すフローチャートである。 実施例3にかかり、推薦配合比算出のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。 具体的な見本物の色合わせを実施例3にかかる色合わせ装置を用いて行った具体例3の結果を対比して示す図表である。 実施例4にかかり、推薦配合比算出のサブルーチンの流れを示すフローチャートである。
符号の説明
100,200、300,400 色合わせ装置
1100,1200,1300,1400 塗装物製造装置
10 コンピュータ
11 サンプル塗装物データベース
12a,12b,12c 標準塗装物データベース
13a,13b,13c 光学濃度データベース
15 キーボード
16 マウス
18 プリンタ
20 分光光度計
30 ディスペンサ
40 攪拌装置
50 塗装装置
51 試験塗装物
52 塗装物
53 出発塗装物
MH 見本物(色見本)

Claims (33)

  1. 透明被膜成分と1または複数の基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくとも、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得手段と、
    上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  2. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データを格納したサンプル塗装物データベースと、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    上記サンプル塗装物データベース中のサンプル塗装物データから、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段と、
    上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  3. 請求項2に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記サンプル塗装物データベースに格納されたサンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、
    上記下地材の種類別に、前記標準塗装物データベースをそれぞれ有し、
    各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、
    上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、
    前記サンプル選択手段は、
    上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、
    前記標準データ選択手段は、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択するように構成されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  4. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得手段と、
    上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色データを含む出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得手段と、
    上記標準塗装物データベースに格納された複数の上記標準塗装物データの組のうち、上記出発塗装物に用いた上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択手段と、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出手段と、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記出発塗装物に用いた上記既知配合塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  5. 請求項4に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記下地材の種類別に、前記標準塗装物データベースをそれぞれ有し、
    各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、
    上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、
    前記標準データ選択手段は、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、前記標準塗装物データの組を選択するように構成されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記標準塗装物データベースに格納された複数組の標準塗装物データは、この複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記標準データ選択手段は、
    前記複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、
    いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、
    考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、
    考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値としてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  8. 透明被膜成分と1または複数の基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比を含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得手段と、
    上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  9. 透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データを格納したサンプル塗装物データベースと、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    上記サンプル塗装物データベース中のサンプル塗装物データから、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択手段と、
    上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  10. 請求項9に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記サンプル塗装物データベースに格納されたサンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、
    上記下地材の種類別に、前記光学濃度データベースをそれぞれ有し、
    各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、
    上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、
    前記サンプル選択手段は、
    上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、
    前記光学濃度選択手段は、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択するように構成されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  11. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなる均一な非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースと、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得手段と、
    透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得手段と、
    上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得手段と、
    上記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度の組のうち、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択手段と、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記出発塗装物データにおける上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出手段と、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  12. 請求項11に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記下地材の種類別に、前記光学濃度データベースをそれぞれ有し、
    各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、
    上記下地材の種類を指定する下地材種類指定手段を有し、
    前記光学濃度選択手段は、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択するように構成されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  13. 請求項8〜請求項12のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度は、この複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  14. 請求項8〜請求項13のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記光学濃度選択手段は、
    前記複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、
    いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、
    考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、
    考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値としてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  15. 請求項1〜請求項14のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置であって、
    前記推薦配合比に従って調合した前記推薦塗料を前記下地材に塗布して作成した試験塗装物に関し、この試験塗装物の色データを取得する試作色データ取得手段、及び、
    前記見本色データと上記試験塗装物の色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する差異判断手段、を備え、
    上記差異判断手段において、
    上記色に関する差異が所定範囲内でないと判断した場合には、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データと前記既知配合塗料の配合比とに代えて、上記試験塗装物の色データ及び上記推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、前記推薦配合比算出手段により、再度、推薦塗料の推薦配合比を算出し、
    色に関する差異が所定範囲内であると判断した場合には色合わせを終了するように構成されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ装置。
  16. 請求項15に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置と、
    前記下地材に、前記透明被膜成分及び各基本色材を前記推薦配合比に従って配合した非隠蔽性の推薦塗料を塗布する塗装手段と、を備える
    塗装物製造装置。
  17. コンピュータを、請求項1〜請求項15のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ装置の各手段として機能させるためのプログラム。
  18. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくともこの近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得ステップと、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  19. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データの中から、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択ステップと、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  20. 請求項19に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、
    前記標準塗装物データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、
    各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、
    前記サンプル選択ステップに先だって、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、
    前記サンプル選択ステップは、
    上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、
    前記標準データ選択ステップは、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  21. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得ステップと、
    上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得ステップと、
    非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して、各基本色材の配合比を変化させて得た複数の標準塗料を下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであって、少なくとも、塗布した標準塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこの標準塗装物の分光反射率データを含む標準塗装物データの組を、標準塗料における各基本色材の標準合計配合比が互いに異なる複数組分格納した標準塗装物データベースに関し、これに格納された複数組の上記標準塗装物データの中から、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する標準データ選択ステップと、
    選択された上記標準塗装物データの組から、各基本色材についての光学濃度を算出する光学濃度算出ステップと、
    上記見本色データ及び上記各基本色材についての光学濃度を用いて、上記既知配合塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  22. 請求項21に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記標準塗装物データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、
    各々の標準塗装物データベースに格納された標準塗装物データは、前記複数の標準塗料を該当する種類の下地材にそれぞれ塗布して作成した複数の標準塗装物に関するデータであり、
    前記標準データ選択ステップに先だって、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、
    前記標準データ選択ステップは、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記標準塗装物データベースから、上記標準塗装物データの組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  23. 請求項18〜請求項22のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記標準塗装物データベースに格納された複数組の標準塗装物データは、この複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比の値が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  24. 請求項18〜請求項23のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記標準データ選択ステップは、
    前記複数組の標準塗装物データについての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、
    いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、
    考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、
    考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値として、
    適合する標準合計配合比にかかる上記標準塗装物データの組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  25. 透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    上記見本色データで表される色に近似した色を有する近似色塗装物の近似色塗装物データであって、少なくとも、この近似色塗装物において下地材に塗布した非隠蔽性の近似色塗料の透明被膜成分と各基本色材の配合比データ及び近似色塗装物の色データを含む近似色塗装物データを取得する近似色データ取得ステップと、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記近似色塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  26. 透明皮膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    下地材に予め非隠蔽のサンプル塗料を塗布したサンプル塗装物に関するサンプル塗装物データであって、少なくとも、塗布したサンプル塗料における透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データ、及びこのサンプル塗装物の色データを含むサンプル塗装物データの中から、上記見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択するサンプル選択ステップと、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記近似色サンプル塗装物データにかかる非隠蔽性の近似色サンプル塗料における各基本色材の合計配合比に適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記近似色サンプル塗装物データにかかる近似色サンプル塗料における上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  27. 請求項26に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記サンプル塗装物データは、それぞれ下地材の種類を示す種類データを含み、
    前記光学濃度データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、
    各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、
    前記サンプル選択ステップに先立って、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、
    前記サンプル選択ステップは、
    上記サンプル塗装物データベースから、指定された下地材の種類データを含み、見本色データで表される色に最も近似した色を有する近似色サンプル塗装物の近似色サンプル塗装物データを選択し、
    前記光学濃度選択ステップは、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  28. 透明被膜成分と1または複数の各基本色材とからなり下地材に塗布する均一な非隠蔽性塗料の
    色合わせ方法であって、
    色見本に関する見本色データを取得する見本色データ取得ステップと、
    透明皮膜成分及び各基本色材の配合比データが既知で非隠蔽性の既知配合塗料であって、この既知配合塗料を上記下地材に塗布した出発塗装物が上記色見本と近似した色を呈する既知配合塗料について、上記配合比データを取得する既知塗料データ取得ステップと、
    上記下地材に上記既知配合塗料を塗布した出発塗装物の色に関する出発塗装物データを取得する出発塗装物データ取得ステップと、
    各基本色材についての光学濃度を格納する光学濃度データベースであって、非隠蔽性塗料における各基本色材の標準合計配合比を固定して得た各基本色材についての光学濃度の組を、互いに異なる標準合計配合比に対応させて複数組分格納した光学濃度データベースに関し、これに格納された複数組の光学濃度の組の中から、上記既知配合塗料における各基本色材の合計配合比に対し、これと適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する光学濃度選択ステップと、
    上記見本色データ及び上記選択された光学濃度を用いて、上記出発塗装物データにおける上記透明被膜成分及び各基本色材の配合比を補正して、上記下地材に塗布する、上記非隠蔽性塗料に対する推薦塗料の上記透明被膜成分及び各基本色材の推薦配合比を算出する推薦配合比算出ステップと、を有する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  29. 請求項28に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記光学濃度データベースは、上記下地材の種類別に存在しており、
    各々の光学濃度データベースに格納された複数の光学濃度の組は、いずれも該当する種類の下地材を用いて得た光学濃度の組であり、
    前記光学濃度選択ステップに先立って、上記下地材の種類を指定する下地材種類指定ステップを有し、
    前記光学濃度選択ステップは、
    上記指定された種類の下地材にかかる上記光学濃度データベースから、上記光学濃度の組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  30. 請求項25〜請求項29のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記光学濃度データベースに格納された複数組の光学濃度は、この複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、標準合計配合比が低いほど、隣り合う標準合計配合比との差が小さくなるように標準合計配合比の値が選択されてなる
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  31. 請求項25〜請求項30のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法であって、
    前記光学濃度選択ステップは、
    前記複数組の光学濃度についての前記標準合計配合比をその大きさの順に並べたとき、
    いずれの標準合計配合比についても、前記近似色塗料、前記近似色サンプル塗料、または前記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲に関し、
    考慮している標準合計配合比よりも値の低い側で隣り合う低側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記考慮している標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の下限値とし、
    考慮している標準合計配合比よりも値の高い側で隣り合う高側標準合計配合比が存在するときには、これらの中間値よりも高く上記高側標準合計配合比よりも低い値を、上記考慮している標準合計配合比が、上記近似色塗料、上記近似色サンプル塗料、または上記既知配合塗料の合計配合比に適合する範囲の上限値として、
    適合する標準合計配合比にかかる上記光学濃度の組を選択する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  32. 請求項18〜請求項31のいずれか1項に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法によって前記透明被膜成分及び各基本色材の前記推薦配合比を得る第1色合わせステップと、
    上記推薦配合比に従って前記推薦塗料を調合する試作調合ステップと、
    前記下地材に、上記推薦塗料を塗布して、試験塗装物を作成する試験塗装ステップと、
    上記試験塗装物の色データを取得する試作色データ取得ステップと、
    前記見本色データと上記試験塗装物の色データとを比較し、色に関する差異が所定範囲内であるか否かを判断する差異判断ステップと、を備え、
    上記差異判断ステップにおいて、
    上記色に関する差異が所定範囲内でないと判断した場合には、前記推薦配合比算出ステップに戻り、前記近似色塗装物データ、前記近似色サンプル塗装物データ、または前記出発塗装物データと前記既知配合塗料の配合比とに代えて、上記試作塗装物の色データ及び上記推薦塗料にかかる推薦配合比を用いて、再度、推薦塗料の推薦配合比を算出し、
    色に関する差異が所定範囲内であると判断した場合には色合わせを終了する
    非隠蔽性塗料の色合わせ方法。
  33. 請求項32に記載の非隠蔽性塗料の色合わせ方法を用いて、前記色に関する差異が所定範囲内であると判断された前記試作非隠蔽性塗料にかかる前記透明被膜成分及び各基本色材の前記推薦配合比を得る色合わせ遂行ステップと、
    前記下地材に、上記推薦配合比に従って調合された非隠蔽性の推薦塗料を塗布する塗装ステップと、を備える
    塗装物の製造方法。
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