JP4681252B2 - 光輝性塗料の調色方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光輝性塗料を簡便に且つ精度よく調色する方法に関する。
従来、塗料の調色について、特開昭63−153677号公報において、ポータブルなカラーメータを使用して調色すべき選択色の色相、彩度、明度を表す色データを記憶し、前記カラーメータ内の前記色データをコンピュータに接続するとともに、利用可能な複数の塗料配合を前記コンピュータ内に記憶し、前記記憶した利用可能な色公式によって指定された各塗料の色相、彩度、輝度を表す色データを前記コンピュータ内に記憶し、前記カラーメータから受取った選択色の色データと、前記記憶した利用可能な塗料配合のそれぞれを表す前記記憶した色データとを比較して最近似整合を見つけ出し、前記最近似整合として見つけ出された前記色データによって表される記憶した塗料配合を選択し、これによって前記選択色に対する色合わせを行う方法及び装置が提案されている(特許文献1参照)。
近年、自動車などの塗色は、個人の好みの多様化、美粧性の向上などの観点からアルミニウム粉や光輝性マイカ粉が配合された光輝感のある塗色が増加している。この光輝感のある塗色の色合わせを行う場合、上記特開昭63−153677号公報に記載された色合わせ方法では、色合わせ精度がいまだ十分ではなく、合格レベルまで調色するのが難しく調色回数が多くなりがちであった。
特開平10−310727号公報には、光輝材又は着色材と光輝材を配合したメタリック・パール系塗料の目標色に合致した着色材と光輝材の配合比又は光輝材の配合量を求めるメタリック・パール系塗料の調色方法において、使用する光輝材の配合量又は着色材及び光輝材の配合比を変化させた複数の塗板サンプルを、予め変角分光光度計により分光反射率を測定してコンピュータのメモリ上に記憶させておき、これを用いて調色する際に添加する光輝材の添加量を変えることにより生じる変角分光反射率の変化を取り込みつつ再現分光反射率を予測計算し、光輝材の配合量又は着色材と光輝材の適切な配合比を求める方法が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この方法においては、光輝材の配合量又は着色材及び光輝材の配合比を変化させた塗板サンプルを1色材について、少なくとも5〜6水準程度必要であり、基礎データ作成に多くの労力が必要であり、計算アルゴリズムも複雑であることから使用する装置のコストが高くなる要因となる。
また、特開2001−221690号公報には、(A)測色計と、(B)ミクロ光輝感測定器と、(C)複数の塗料配合、該各塗料配合に対応した色データとミクロ光輝感データ、複数の原色塗料の色特性データとミクロ光輝感特性データが登録されており、該塗料配合及び該各データを利用した色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータとから構成されてなる塗料のコンピュータ調色装置を用いた光輝感を有する塗料にも対応できる調色方法が記載されている(特許文献3参照)。
しかしながら、この方法に使用する各塗料配合に対応した色データとミクロ光輝感データ、複数の原色塗料の色特性データとミクロ光輝感特性データの登録に非常に多くの労力、コストがかかり、計算アルゴリズムも複雑であることから使用する装置のコスト高の要因となる。
さらに、特開2001−50891号公報には、セルに充填された着色液を測色する方法であって、セルの測定部位を含む面に対して上記着色液を吐出循環することによって、上記セルの測定部位における着色液を連続して更新しながら、測色することを特徴とする液体測色方法が記載されている(特許文献4参照)。
しかしながら、この方法に使用する各光輝性塗料の配合に対応した色データや複数の原色塗料の色特性データの登録に非常に多くの労力、コストがかかり、また、セルの測定部位を含む面に対して着色液を吐出循環する必要があることから使用する装置のコスト高の要因となる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
特開昭63−153677号公報 特開平10−310727号公報 特開2001−221690号公報 特開2001−50891号公報
上記特開平10−310727号公報及び特開2001−221690号公報に記載の方法のいずれにおいても、光輝感を有する塗料を調色する場合、塗料の基本配合が既知である繰返し調色においても、光輝材を含む塗膜の光学特性を把握しながらの調色であり、色以外に光輝感が要因として含まれている為、調色が複雑になり出荷合格レベルに到達するまでの調色回数が多くなり、調色の為の塗装板作成などの工数が多くなるといった問題があった。
また、特開2001−50891号公報に記載の方法は、光輝性塗料の調色のための塗装板を作成しない方法であるが、光輝材が配合された光輝性塗料について、塗装板を作成してはじめて、その効果が確認できること、また、この方法による調色が塗装板と合わない場合があるという問題があった。
本発明の目的は、光輝感を有する塗料を調色する場合において、簡便に且つ精度よく調色でき、出荷合格レベルに到達するまでの調色回数を減らすことが可能な調色方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するため、光輝材を含有させた光輝感を有する塗料を調色する場合において、着色顔料配合による色変化と光輝材配合による光輝感、色への影響を分離して調色を行うことによって上記目的を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、1.下記工程
(1)調色色合わせの基準となる基準塗料配合における光輝材成分をベヒクル中に分散してなる光輝材分散体を塗装して光輝材分抽出塗板を予め得ておく工程、
(2)該光輝材抽出塗板の色度と、JIS Z8729(1994)に規定されたL 表色系による△E 値が0.5以下の色度を示す塗色を形成する、光輝材を含有しない塗料配合である光輝材代用配合を予め得ておく工程、
(3)上記基準塗料配合から光輝材を除いた配合に、該光輝材に代わる光輝材代用配合を所定割合加えた薄め色塗料について、薄め色基準板を予め得ておく工程であって、該所定割合は、薄め色基準板の塗色が上記基準塗料配合の塗色との色差ΔEが15以下となる範囲内である工程、
(4)目的とする光輝性塗料を調色するにあたり、基準塗料配合に使用の原料のうち光輝材を除いた原料である複数の原色と、光輝材に代わる光輝材代用配合を用いて、該光輝材代用配合の顔料配合比率を変えず、かつ該複数の原色の配合比率を調整して顔料の配合比率を変化させることによって、薄め色塗料塗装板を上記薄め色基準板に合わせるように調色を行い、色が合格となる薄め色塗料の配合を得る工程及び
(5)上記工程(4)で色が合格した薄め色塗料の配合から光輝材代用配合分を除いた調色エナメル塗料に対して、上記光輝材成分を基準塗料における光輝材成分の基準配合量又は該基準配合量に基づく所定量を配合する工程、
を有することを特徴とする光輝性塗料の調色方法、
2.上記工程(4)における薄め色塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする上記項1記載の調色方法、
3.(6)上記工程(5)において、調色エナメル塗料に対して基準配合量又は該基準配合量に基づく所定量の光輝材成分を配合して得た第一次調色塗料について、塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定し、色が合格であれば調色を終了し、色が不合格であれば更に光輝材成分量の調整による調色を行う工程、を有する上記項1又は2記載の調色方法、及び
4.上記工程(6)において、色一致性の判定を測色計及び/又は目視にて行うことを特徴とする上記項3記載の調色方法を提供するものである。
本発明方法によると、光輝性塗料の調色において、従来方法に比べ、精度よく調色でき、出荷合格レベルに到達するまでの調色回数を減らすことができる。
以下、本発明の調色方法について詳細に説明する。
本発明調色方法は、基準塗料配合が既知である光輝性塗料を調色する方法である。したがって、基準配合が既知である同一塗色について、繰り返して調色塗料を製造する場合に好適に使用できる方法である。
光輝性塗料を製造するための原料にロット間のばらつきが全くなければ、その基準配合どおりに配合すれば、目的とする色の塗料を得ることが可能であるが、現実には、ロット間のばらつきが存在し、単一種の顔料を含有する原色塗料においても着色力にある程度のばらつきがあり、色味などがばらつく場合もある。したがって、基準配合が既知である光輝性塗料を調色する場合にも、基準配合どおりの配合で色一致性が合格となる場合はほとんどない。
本発明調色方法は、光輝性塗料の調色を行うにあたり、基準塗料配合中の光輝材成分と同等の色度を示す光輝材代用配合を得て、光輝材代用配合による薄め色に基づいて調色を行うものであり、下記の工程(1)〜(5)を有する。
工程(1)
工程(1)は、調色色合わせの基準となる基準塗料配合における光輝材成分をベヒクル中に分散してなる光輝材分散体を塗装して光輝材分抽出塗板を予め得ておく工程である。すなわち、基準塗料配合における光輝材成分のみを塗料樹脂成分などのベヒクル中に分散してなる光輝材分散体を塗装して光輝材分抽出塗板を作成する工程である。光輝材成分が2種類以上の混合物である場合には、基準塗料配合における各光輝材の配合割合を保持したまま、ベヒクル中に分散する。光輝材成分とベヒクルとの配合割合は、得られる光輝材分抽出塗板の塗膜が隠蔽する範囲内であれば特に制限されるものではない。
ベヒクルとしては、基準塗料配合における樹脂成分などのベヒクルを好適に使用することができる。光輝材分抽出塗板の作成にあたり、光輝材分散体の粘度調整などの目的で適宜、溶剤、塗面調整剤などを配合することができる。光輝材分抽出塗板の作成条件は、基準塗料の塗装条件に準ずることができる。
工程(2)
工程(2)は、該光輝材抽出塗板の色度と同等の色度を示す塗色を形成する、光輝材を含有しない塗料配合である光輝材代用配合を予め得ておく工程である。すなわち、光輝材を含有しない複数の着色エナメル塗料を配合して光輝材抽出塗板の色度に合わせて調色し、同等の色度を示す光輝材代用配合を予め得ておく。色度は、例えば、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系による△E値などによって管理することが出来、通常、△E値が0に近いほど色度が合っていることを意味し、△E値を0.5以下、好ましくは0.3以下とすることが好適である。この△E値が大きくなると、調色精度が低下する原因となる。調色に際しては、調色塗装板を作成し、この調色塗装板の塗色を光輝材抽出塗板の塗色に合わせるように調色を行うことができる。調色塗装板の作成条件は、基準塗料の塗装条件に準ずることができる。
工程(3)
工程(3)は、上記基準塗料配合から光輝材を除いた配合に、該光輝材に代わる光輝材代用配合を所定割合加えた薄め色塗料について、薄め色基準板を予め得ておく工程である。光輝材を除いた配合と光輝材代用配合との配合割合は、混合して得られる薄め色基準板の塗色が、上記基準塗料配合の塗色との色差ΔEが15以下、好ましくは10以下となる範囲内である所定割合であることが好適である。色差ΔEが大きくなると、調色精度が低下する原因となる。また、特に限定されるものではないが、薄め色基準板の塗色は、L値が5〜70程度、好ましくは10〜50程度の範囲にあることが調色精度を確保し易く適している。薄め色基準板の作成条件は、基準塗料の塗装条件に準ずることができる。
上記工程(2)及び(3)における色差ΔE及びL値は、いずれも受光角度45度測定による値である。
工程(4)
工程(4)は、目的とする光輝性塗料を調色するにあたり、基準塗料配合に使用の原料のうち光輝材を除いた原料と、光輝材に代わる光輝材代用配合を用いて、薄め色塗料塗装板を上記薄め色基準板に合わせるように調色を行い、色が合格となる薄め色塗料の配合を得る工程である。薄め色塗料塗装板の作成条件は、薄め色基準板の作成条件と同様とすることができる。
薄め色塗料を調色する方法としては、例えば、まず、上記基準塗料配合から光輝材成分を除き、その代わりに上記光輝材代用配合を上記所定割合加えてなる薄め色塗料について、基準塗料配合において使用する原色及び上記光輝材代用配合のうちの少なくとも、薄め色塗料塗装板を上記薄め色基準板に合わせるように調色を行う方法を挙げることができる。
薄め色塗料の調色にあたり、色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いてコンピュータ調色することもできるし、コンピュータ調色を用いずに、測色計及び/又は目視による調色を行うこともできる。当然のことながら、コンピュータ調色と目視の両者を併用してもよい。測色計としては、多角度にて測色を行うことができる多角度測色計が好適である。測色計によって、色一致性の判断を行う場合、多角度、例えば2〜5水準程度の受光角度において、例えば、JIS Z8729(1994)に規定されたL表色系によるΔE値が一定範囲内にあるか否かで判断することができる。上記受光角度とは、塗膜に一定の入射角度で光照射したときの鏡面反射軸と受光軸とがなす角度を意味する。受光角度3水準で測定を行う場合には、例えば、上記受光角度が15〜30度、35〜60度及び75〜110度の各角度範囲のうちの各1ずつであることが目視による色の判断との対応がとれやすいことから好適である。
工程(5)
工程(5)は、上記工程(4)で色が合格した薄め色塗料の配合から光輝材代用配合分を除いた調色エナメル塗料に対して、上記光輝材成分を基準塗料における光輝材成分の基準配合量又は該基準配合量に基づく所定量を配合する工程である。
上記光輝材成分の基準配合量に基づく所定量とは、目的とする光輝性塗料を調色して得るに当り、調色エナメルに対して光輝材成分を加えるのに合理的な種々の量を挙げることができる。その具体例としては、例えば、1.光輝材成分の配合量が過剰とならないように、光輝材成分の基準配合量に安全係数を乗じた量、2.調色エナメルの着色力の程度に応じて光輝材成分の基準配合量を増減させてなる量であり、調色エナメルの着色力の程度が大きいと光輝材成分の基準配合量を増加させるものであり、その着色力の程度は上記工程(4)における調色エナメル塗料に占める光輝材代用配合の配合割合から推定することもできる、3.これらを組合せた量などを挙げることができる。
上記工程(1)〜(5)によって、目的とする光輝性塗料を得ることができるが、必要に応じて下記工程(6)を行うことができる。
工程(6)
光輝材のロット間における光輝感のバラツキは光輝材を製造する技術の向上などによって小さくなってきており、バラツキの大きいものを除いては、光輝材の規定量を一度に加えても不合格になることはなくなってきていると考えられるが、必要に応じてこの工程(6)を行うことができる。
工程(6)は、調色された調色エナメル塗料に対して光輝材を配合した第一次調色塗料について、塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定し、この判定において、色一致性が合格であれば調色を終了し、色一致性が不合格であれば更に光輝材成分量の調整による調色を行う工程である。この色一致性の判定は、例えば、測色計を用いて行うこともできるし、目視によって行うこともでき、また、両者を併用してもよい。測色計としては、多角度にて測色を行うことができる多角度測色計が好適である。
以下、実施例、比較例などを示し、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例及び比較例において、調色にはコンピュータカラーマッチング装置(関西ペイント(株)製、商品名「アレスマッチ」)を用い、塗料には自動車補修用アクリル・ウレタン樹脂系塗料(関西ペイント(株)製、商品名「レタンPGハイブリッド」)を用いた。なお、以下に示す実施例、比較例のうち、実施例1、2及び比較例1、2は1角度測色計(X−Rite社製968型、照明の入射角度0度で反射角度が45度の光を測定、すなわち受光角度が45度)を用いた場合の例であり、実施例3及び比較例3は3角度測色計(コニカミノルタ製CM−512m3型、照明の入射角度25、45、75度で反射角度がそれぞれ0度の光を測定、すなわち受光角度が25度、45度、75度の3段階)を用いた場合の例である。実施例及び比較例において測定角度条件を明示する場合、例えば、「照明の入射角度45度で反射角度0度、すなわち受光角度45度」は、簡便に受光角度にて「45度」と表記することがある。受光角度が「25度」、「75度」も同様に表記することがある。
比較例1 赤メタリックマイカ色塗料Aの調色
比較例1は、赤メタリックマイカ色塗料Aの調色をコンピュータカラーマッチング装置を用いて、従来の方法にて行ったものである。表1に配合などを示す。見本色塗板(塗色12a)作成時とはロットの異なる塗料にて基準配合を調合し、塗装し塗板を作成し(塗色1b)、この塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色12a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、1.04であった。この後、微調色を3回実施して得られた塗板(塗色1e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色12a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.48であった。塗装板(塗色1e)の目視評価はBであった。
Figure 0004681252
実施例1 赤メタリックマイカ色塗料Aの調色
赤メタリックマイカ色塗料Aの塗色の基準配合は表2中の見本色塗板(塗色12a)の通りである。この塗色の光輝材分相当量のみを配合して塗板を作成し(塗色2b)、さらに、この塗色2bとほぼ同じ色度を持ち、かつ十分に隠蔽が確保できる光輝材を含有しない塗色(塗色2c)を作成した。この塗色2cの配合の決定は手調合によっても良いが、本実施例においてはコンピュータカラーマッチング装置を用いて行った。ここで、塗色2bと塗色2cについて分光光度計により色度を測定し、色差ΔEを得たところ、0.00であった。
さらに、塗色塗色12aの塗料から光輝材分を抜いた残りの塗料配合に塗色2cの塗料を加えた薄め色見本板(塗色2d)を作成した。塗色2dと塗色2aとの色度を分光光度計により測定したところ、色差ΔEは10.16であった。
下記表2に示した、基準配合の記載通りに、見本板作成時とはロットの異なった塗料を調合し、塗装し塗板を作成した。この塗板(塗色2e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色12a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、1.04であった。
薄め色基準配合(塗色2f)は薄め色見本板(塗色2d)の塗料と同じ原色エナメル配合割合の塗料である。塗色2dの塗料と塗色2fの塗料とは使用した原色エナメルのロットが異なり、分光光度計により色度を測定し、色差ΔEを得たところ、1.62であった。以後、薄め色基準配合(塗色2f)を薄め色見本板(塗色2d)に近づくよう調色を進めた。その結果、調整後配合(塗色2g)を得た。薄め色見本板(塗色2d)と調整後配合塗板(塗色2g)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.20であった。そして、塗色2gの塗料配合から光輝材代替用に使用した塗色2c分の塗料配合を除いた配合に、所定光輝材を所定量配合して目的塗料調整後配合(塗色2h)を得た。目的塗料調整後配合(塗色2h)塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色12a)とを分光光度計により測定したところ、色差ΔEは、0.13であった。塗装板(塗色2h)の目視評価はAであった。
Figure 0004681252
比較例2 赤マイカ色塗料Bの調色
比較例2は赤マイカ色塗料Bの調色をコンピュータカラーマッチング装置を用いて従来の方法にて行った場合のである。表3に配合などを示す。見本色塗板(塗色34a)作成時とはロットの異なる塗料にて基準配合を調合し、塗装し塗板を作成した(塗色3b)。この塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色34a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、1.25であった。この後、微調色を3回実施して得られた塗板(塗色3e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色34a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.53であった。塗装板(塗色3e)の目視評価はBであった。
Figure 0004681252
実施例2 赤マイカ色塗料Bの調色
赤マイカ色塗料Bの基準配合は表4中の見本色塗板(塗色34a)の通りである。この塗色の光輝材分相当量のみを配合して塗板を作成し(塗色4b)、さらに、この塗色4bとほぼ同じ色度を持ち、かつ十分に隠蔽が確保できる光輝材を含有しない塗色(塗色4c)を作成した。この塗色4cの配合の決定は手調合によっても良いが、本実施例においてはコンピュータカラーマッチング装置を用いて行った。ここで、塗色4bと塗色4cについて分光光度計により色度を測定し、色差ΔEを得たところ、0.10であった。
さらに、塗色4aの塗料から光輝材分を抜いた残りの塗料に塗色4cの塗料を加えた薄め色見本板(塗色4d)を作成した。塗色4dと塗色4aとの色度を分光光度計により測定したところ、色差ΔEは14.35であった。
下記表4に示した、基準配合の記載通りに、見本板作成時とはロットの異なった塗料を調合し、塗装し塗板を作成した。この塗板(塗色4e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色34a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、1.25であった。
薄め色基準配合(塗色4f)は薄め色見本板(塗色4d)の塗料と同じ原色エナメル配合割合の塗料である。塗色4dの塗料と塗色4fの塗料とは使用した原色エナメルのロットが異なり、分光光度計により色度を測定し、色差ΔEを得たところ、0.91であった。以後、薄め色基準配合(塗色4f)を薄め色見本板(塗色4d)に近づくよう調色を進めた。その結果、調整後配合(塗色4g)を得た。薄め色見本板(塗色4d)と調整後配合塗板(塗色4g)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、0.14であった。そして、塗色4gの塗料配合から光輝材代替用に使用した塗色4c分の塗料配合を除いた配合に、所定光輝材を所定量配合して目的塗料調整後配合(塗色4h)を得た。目的塗料調整後配合(塗色4h)塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色34a)とを分光光度計により測定したところ、色差ΔEは、0.27であった。これで十分出荷に耐えうるものと考えられるが、さらに手調色にて干渉マイカ量を調整して塗板を得て(塗色4i)、調色の目標となる見本色塗板(塗色34a)とを分光光度計により測定したところ、色差ΔEは、0.08であった。塗装板(塗色4h)の目視評価はAであった。
Figure 0004681252
比較例3 緑マイカ色塗料Cの調色
比較例3は緑マイカ色塗料Cの調色をコンピュータカラーマッチング装置を用いて従来の方法にて行ったものである。表5に配合などを示す。見本色塗板(塗色56a)作成時とはロットの異なる塗料にて基準配合を調合し、塗装し塗板を作成した(塗色5b)。この塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色56a)を分光光度計により測定し、色差ΔEを得たところ、1.25であった。これより微調色を3回実施して得られた塗板(塗色5e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色56a)を分光光度計により測定し、45度色差ΔEを得たところ、0.60であった。塗装板(塗色5e)の目視評価はBであった。
Figure 0004681252
実施例3 緑マイカ色塗料Cの調色
緑マイカ色塗料Cの基準配合は表6中の見本色塗板(塗色56a)の通りである。この塗色の光輝材分相当量のみを配合して塗板を作成し(塗色6b)、さらに、この塗色6bとほぼ同じ色度を持ち、かつ十分に隠蔽が確保できる光輝材を含有しない塗色(塗色6c)を作成した。この塗色6cの配合の決定は手調合によっても良いが、本実施例においてはコンピュータカラーマッチング装置を用いて45度の色度に調整することとした。ここで、塗色6bと塗色6cについて分光光度計により色度を測定し、45度色差ΔEを得たところ、0.25であった。
さらに、塗色6aの塗料から光輝材分を抜いた残りの塗料に塗色6cの塗料を加えた薄め色見本板(塗色6d)を作成した。塗色6dと塗色6aとの色度を分光光度計により測定したところ、45度色差ΔEは7.47であった。
下記表4に示した、基準配合の記載通りに、見本板作成時とはロットの異なった塗料を調合し、塗装し塗板を作成した。この塗板(塗色6e)と、調色の目標となる見本色塗板(塗色56a)を分光光度計により測定し、45度色差ΔEを得たところ、1.55であった。
薄め色基準配合(塗色6f)は薄め色見本板(塗色6d)の塗料と同じ原色エナメル配合割合の塗料である。塗色6dの塗料と塗色6fの塗料とは使用した原色エナメルのロットが異なり、分光光度計により色度を測定し、45度色差ΔEを得たところ、1.75であった。以後、薄め色基準配合(塗色6f)を薄め色見本板(塗色6d)に近づくよう調色を進めた。その結果、調整後配合(塗色6g)を得た。薄め色見本板(塗色6d)と調整後配合塗板(塗色6g)を分光光度計により測定し、45度色差ΔEを得たところ、0.34であった。そして、塗色6gの塗料配合から光輝材代替用に使用した塗色6c分の塗料配合を除いた配合に、所定光輝材を所定量配合して目的塗料調整後配合(塗色6h)を得た。目的塗料調整後配合(塗色6h)塗板と調色の目標となる見本色塗板(塗色56a)とを分光光度計により測定したところ、45度色差ΔEは、0.25であった。これで十分出荷に耐えうるものと考えられるが、さらに手調色にて干渉マイカ量を調整して塗板を得て(塗色6i)、調色の目標となる見本色塗板(塗色56a)とを分光光度計により測定したところ、45度色差ΔEは、0.15でとなった。塗装板(塗色6i)の目視評価はAであった。ここでは45度条件について説明したが、25度、75度も表5に示すように良好な調色結果を得ている。
Figure 0004681252
上記比較例1〜3及び実施例1〜3並びに上記表1〜表6における塗装板の目視評価は下記基準に基いて行った。
目視評価:各光輝性塗料の標準板と塗装板とを目視により観察し、下記基準により評価した。
A:基準板と差が認められず良好。
B:基準板と比較してほんの僅かに差が認められるが良好。
C:基準板と比較して差が認められるが、限度内であり出荷合格範囲である。
D:基準板と比較して差が限度を超えるものであり、出荷不合格である。

Claims (4)

  1. 下記工程
    (1)調色色合わせの基準となる基準塗料配合における光輝材成分をベヒクル中に分散してなる光輝材分散体を塗装して光輝材分抽出塗板を予め得ておく工程、
    (2)該光輝材抽出塗板の色度と、JIS Z8729(1994)に規定されたL 表色系による△E 値が0.5以下の色度を示す塗色を形成する、光輝材を含有しない塗料配合である光輝材代用配合を予め得ておく工程、
    (3)上記基準塗料配合から光輝材を除いた配合に、該光輝材に代わる光輝材代用配合を所定割合加えた薄め色塗料について、薄め色基準板を予め得ておく工程であって、該所定割合は、薄め色基準板の塗色が上記基準塗料配合の塗色との色差ΔEが15以下となる範囲内である工程、
    (4)目的とする光輝性塗料を調色するにあたり、基準塗料配合に使用の原料のうち光輝材を除いた原料である複数の原色と、光輝材に代わる光輝材代用配合を用いて、該光輝材代用配合の顔料配合比率を変えず、かつ該複数の原色の配合比率を調整して顔料の配合比率を変化させることによって、薄め色塗料塗装板を上記薄め色基準板に合わせるように調色を行い、色が合格となる薄め色塗料の配合を得る工程及び
    (5)上記工程(4)で色が合格した薄め色塗料の配合から光輝材代用配合分を除いた調色エナメル塗料に対して、上記光輝材成分を基準塗料における光輝材成分の基準配合量又は該基準配合量に基づく所定量を配合する工程、
    を有することを特徴とする光輝性塗料の調色方法。
  2. 上記工程(4)における薄め色塗料の調色を色合わせ計算ロジックが作動するコンピュータを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の調色方法。
  3. (6)上記工程(5)において、調色エナメル塗料に対して基準配合量又は該基準配合量に基づく所定量の光輝材成分を配合して得た第一次調色塗料について、塗装板を作成し、目的とする光輝性塗料の基準塗板との色一致性を判定し、色が合格であれば調色を終了し、色が不合格であれば更に光輝材成分量の調整による調色を行う工程、を有する請求項1又は2記載の調色方法。
  4. 上記工程(6)において、色一致性の判定を測色計及び/又は目視にて行うことを特徴とする請求項3記載の調色方法。



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