JP4561171B2 - セラミック電子部品の製造方法および導電ペースト - Google Patents
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Description
そのため、外部電極55a,55bの表面に、NiめっきやSnめっきなどのめっきを施す工程で、外部電極55a,55bの内部、さらにはセラミック素子51の内部にめっき液が浸入し、特性を劣化させる場合がある。
(a)外部電極を構成する金属粉末の粒径を小さくする
(b)導電ペーストの焼き付け温度を高くする
などの方策を採用して、外部電極の緻密化を図ってきた。
(a)焼き付け中に、外部電極の金属成分が内部電極に拡散して、内部電極が膨張し、セラミック素子にクラックが発生する
(b)焼き付け後の冷却工程における熱膨張差により、外部電極からセラミック素子に圧縮応力が働き、セラミック素子に残留応力が発生する
などの要因により製品の信頼性が低下するという問題点がある。
さらに、上記(a),(b)の現象が生じると、めっきの浸入を招きやすくなり、この点でも、製品の信頼性が低下するという問題点がある。
そして、かかる知見に基づいて、さらに実験、検討を行うことにより、本願発明を完成した。
導電ペーストを、卑金属を主たる成分とする内部電極を備えたセラミック素子に塗布し、焼き付けることにより、セラミック素子の表面に内部電極と導通する外部電極を形成する工程を備えたセラミック電子部品の製造方法において、
前記導電ペーストとして、
(a)卑金属を主たる成分とする金属粉末と、
(b)軟化温度が500〜550℃であるガラスフリットと、
(c)平均分子量が150000以上、760000以下で、熱重量分析における分解開始温度が150℃以上、250℃以下であるアクリル樹脂と、
(d)溶剤と
を含有する導電ペーストを用いることを特徴としている。
(a)卑金属を主たる成分とする金属粉末と、
(b)軟化温度が500〜550℃であるガラスフリットと、
(c)平均分子量が150000以上、760000以下で、熱重量分析における分解開始温度が150℃以上、250℃以下であるアクリル樹脂と、
(d)溶剤と
を含有することを特徴としている。
したがって、本願発明によれば、ブリスタの発生などを招いたりすることなく、緻密な外部電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品を確実に製造することが可能になる。
また、本願発明においては、導電ペーストを構成するアクリル樹脂として、平均分子量が150000以上のアクリル樹脂を用いることにより、基本的な効果を得ることができるが、ペーストの粘度が高くなりハンドリングが悪くなるため、流動性の見地からは、平均分子量が760000までのアクリル樹脂を用いることが望ましい。
また、本願発明においては、導電ペーストを構成するアクリル樹脂として、熱重量分析における分解開始温度が250℃以下であるアクリル樹脂を用いることにより、基本的な効果を得ることができるが、分解温度が150℃未満では、導電ペーストの乾燥工程においても分解が始まるため、乾燥性の見地からは、熱重量分析における分解開始温度が150℃以上のアクリル樹脂を用いることが望ましい。
したがって、ブリスタの発生のない外部電極を備えた信頼性の高いセラミック電子部品をさらに確実に製造することが可能になる。
図1は、この実施例1の方法で外部電極を形成することにより製造した積層セラミックコンデンサの構造を示す断面図である。
そして、外部電極5a,5bの表面には、はんだ喰われを抑制するためのNiめっき膜6a,6bが形成され、さらに、その上に、はんだ付け性を向上させるためのSnめっき膜7a,7bが形成されている。
それから、この内部電極パターン配設シートを積層するとともに、その上下に内部電極パターンの配設されていないセラミックグリーンシートを積層することによりマザー積層体を形成した。
(b)ガラスフリット : 5重量%
(c)アクリル樹脂 : 5重量%
(d)溶剤 : 20重量%
なお、アクリル樹脂量の配合割合は、導電ペーストに対して5重量%となるような割合とし、(d)の溶剤と配合して用いた。
また、外部電極5a,5bの表面に、Niめっき膜6a,6bを形成し、さらに、Niめっき膜6a,6bの表面に、Snめっき膜7a,7bを形成した状態で、外部電極を切断し、露出した端面を研磨してその状態を観察したところ、外部電極の内部に空隙や空孔などの発生は認められず、非常に緻密な外部電極が形成されていることが確認された。
また、内部電極と外部電極の界面にはクラックは認められなかった。
アクリル樹脂として、平均分子量が700000で、分解開始温度が熱重量分析(TG)で150℃のアクリル樹脂を使用したことを除いて、上記実施例1の場合と同様の条件で導電ペーストを作製した。
なお、この導電ペーストの収縮開始温度を熱機械分析(TMA)により測定したところ、収縮開始温度は750℃であった。
それから、導電ペーストを上記実施例1の場合と同様の方法でセラミック素子に塗布し、ピーク温度750℃の連続炉で焼き付けることにより外部電極を形成した後、外部電極の表面にNiめっき膜を形成し、さらに、Niめっき膜の表面にSnめっき膜を形成した。
また、外部電極の表面に、Niめっき膜を形成し、Niめっき膜の表面に、Snめっき膜を形成した状態で、外部電極を切断し、露出した端面を研磨してその状態を観察したところ、外部電極の内部に空隙や空孔などの発生は認められず、非常に緻密な外部電極が形成されていることが確認された。
また、内部電極と外部電極の界面にはクラックは認められなかった。
比較のため、導電ペーストを構成するアクリル樹脂として、平均分子量が50000と本願発明の範囲よりも小さく、かつ、分解開始温度が熱重量分析(TG)で290℃と、本願発明の範囲よりも高いものを用い、他の条件は、上記実施例1の場合と同じにして導電ペーストを作製した。
この導電ペーストの収縮開始温度を熱機械分析(TMA)により測定したところ、収縮開始温度は820℃であった。
なお、金属粉末としては、球形粉末の場合、0.3μm〜5μm、特に1μm〜3μmの範囲の粒径のもの、鱗片状の粉末の場合、長径が1μm〜30μm、特に10μm〜20μmの範囲の粒径のものを使用するのが望ましい。
したがって、本願発明は、塗布された導電ペーストを焼き付けることにより外部電極が形成されるようなセラミック電子部品およびそれに用いられる導電ペーストの分野に広く適用することが可能である。
2a,2b 内部電極
3 セラミック層
4a,4b セラミック素子の端面
5a,5b 外部電極
6a,6b Niめっき膜
7a,7b Snめっき膜
10 積層セラミックコンデンサ
Claims (6)
- 導電ペーストを、卑金属を主たる成分とする内部電極を備えたセラミック素子に塗布し、焼き付けることにより、セラミック素子の表面に内部電極と導通する外部電極を形成する工程を備えたセラミック電子部品の製造方法において、
前記導電ペーストとして、
(a)卑金属を主たる成分とする金属粉末と、
(b)軟化温度が500〜550℃であるガラスフリットと、
(c)平均分子量が150000以上、760000以下で、熱重量分析における分解開始温度が150℃以上、250℃以下であるアクリル樹脂と、
(d)溶剤と
を含有する導電ペーストを用いること
を特徴とするセラミック電子部品の製造方法。 - 前記導電ペーストの熱機械分析における収縮開始温度が750〜800℃であって、前記導電ペーストを750〜800℃で焼き付けることにより、前記外部電極を形成することを特徴とする請求項1記載のセラミック電子部品の製造方法。
- 前記セラミック電子部品の内部電極が、卑金属のニッケルを主たる成分とする内部電極であり、前記導電ペーストを構成する金属粉末が、卑金属の銅を主たる成分とする金属粉末であることを特徴とする請求項1または2記載のセラミック電子部品の製造方法。
- 卑金属を主たる成分とする内部電極を備えたセラミック素子に、塗布し、焼き付けることにより、セラミック素子の表面に内部電極と導通する外部電極を形成するために用いられる導電ペーストであって、
(a)卑金属を主たる成分とする金属粉末と、
(b)軟化温度が500〜550℃であるガラスフリットと、
(c)平均分子量が150000以上、760000以下で、熱重量分析における分解開始温度が150℃以上、250℃以下であるアクリル樹脂と、
(d)溶剤と
を含有することを特徴とする導電ペースト。 - 熱機械分析における収縮開始温度が750〜800℃であることを特徴とする請求項4記載の導電ペースト。
- 前記金属粉末が、卑金属の銅を主たる成分とする金属粉末であることを特徴とする請求項4または5記載の導電ペースト。
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