JP4559952B2 - 光通信コネクタ用光学結合部材及びこれを用いた光コネクタ並びに光コネクタの組み立て方法 - Google Patents
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Description
例えば、(特許文献1)及び(特許文献2)によれば、送信側用および受信側用の光学機能部を連結部にて連結して双方向の通信用に一体化した光学結合部材、ならびにそれらを用いた光コネクタが開示されている。
しかし、これらの文献1及び文献2の光学結合部材は、一対の光学機能部に、これらと異なる材質の一対の筒状の保護スリーブと連結部とを一体に二色成型したもので、製造コスト高となる。
以下、一体化した双方向通信用光学結合部材に係る非公知の先行技術を図12、図13を参照して説明する。
図12、図13において、107は双方向光通信コネクタ用の光学結合部材であり、この特願2004−260882号(非公知)ではスリーブユニットと呼称されているので、同じ呼称を用いて説明する。
図12において、110はレセプタクルであり、側壁102と底壁103を持つ。レセプタクル110の側壁102内に形成された光プラグ受容凹部102a内には、円筒状の送信側光ファイバ収容筒111および受信側光ファイバ収容筒112が側壁102に平行に底壁103から一体にかつ垂直に立設されている。底壁103の外側面(図12Aにおいて、底壁103の下側)には、送信側光ファイバ収容筒111および受信側光ファイバ収容筒112に連通する孔113a、113bが形成され、さらに光学結合部材収容凹部113が形成されている。
送信側光ファイバ131は図12Aにおいてレセプタクル110の光プラグ受容凹部102a内に上側から挿入され、送信側ファイバフェルール121aを介して送信側光ファイバ収容筒111に嵌合固定される。一方、受信側光ファイバ132も同様に上側から受信側ファイバフェルール122を介して受信側光ファイバ収容筒112に嵌合固定される。
スリーブユニット107がレセプタクル110に嵌合した状態を、スリーブユニット107側から見た図14から分かるように、凹部113はスリーブユニット107の外形形状(フランジ171、172と連結部170とで形成した形状)とほぼ対応する形状を持つ。この凹部113の内側壁面には、この例では3つの突条114が形成されており、この突条は断面が半球面状をなし、凹部113の深さ方向に伸びて形成されている。
ここで、スリーブユニット107、送信側光ファイバ131および受信側光ファイバ132を組み込まれたレセプタクル110は、シールドカバー104の上側レセプタクル収容部142に収容されて、送信側フランジ171と受信側フランジ172は隔壁140の開口140a、140bを介して素子ホルダ105を収容する下側素子ホルダ収容部141内に挿入され、光学機能部181、182の端部181a、182aが発光素子161および受光素子162に対向した状態となる。
以上のスリーブユニット107においては、発光素子161から放射された送信光信号は、送信側光学機能部181に入射し、送信側光ファイバ131を経由して外部に送り出される一方、光学機能部と同一光学材料により構成される連結部170にも容易に進入し、ここから外部に漏洩して光の伝送損失を招来するという問題を生起する。受信光ファイバ132を経由して外部から到来して受信側光学機能部182に入射した受信光信号についても、同様の漏洩の問題が生起する。
すなわち、円柱状の送信側光学機能部及び受信側光学機能部の側面に対して光学機能部の構成材料と同一材料より成る連結部を一体に成型し、この際に、連結部が円柱状の光学機能部の側面に対して接する接合領域が、円柱断面の半周以内の周方向の長さを持つように構成する。
更に、請求項4として:発光素子及び受光素子が装着されたシールドカバーと、請求項第1項乃至第3項のいずれかに記載の光学結合部材が装着されたレセプタクルと、を具える光コネクタが規定され、レセプタクルは、底壁と側壁から形成された光プラグ受容部と、上記底壁の光プラグ受容部側の面に互いに平行に一対で突出形成され、夫々光ファイバ収容孔を有する送信側光ファイバ収容筒及び受信側光ファイバ収容筒と、上記光ファイバ収容孔に連通し底壁を貫通して底壁の上記光プラグ受容部側の面とは反対側の面に開口する一対の互いに平行な貫通孔と、底壁の上記反対側の面に形成された突出部とを持ち、連結部により一体に成形された光学結合部材の一対の光学機能部は、一端に光ファイバ側端部と他端に素子側端部を持ち、上記一体に成形された状態で、光ファイバ側端部が貫通孔内に位置するように上記開口から貫通孔に挿入されてレセプタクルに装着固定され、夫々の素子側端部が側壁の上記反対側の面に露出し、上記シールドカバーに装着された上記発光素子及び受光素子がレセプタクルの突出部と係合し、上記光学機能部の素子側端部が上記発光素子及び受光素子と対向位置決めされて、シールドカバーとレセプタクルが結合固定され、これにより、光プラグがレセプタクルの光プラグ受容部に結合されたときに、貫通孔内に配置された上記光学結合部材の送信側光学機能部及び受信側光学機能部が、送信側光ファイバ収容筒及び受信側光ファイバ収容筒の光ファイバ収容孔に嵌合する光プラグに装着された送信側光ファイバ及び受信側光ファイバと上記発光素子及び受光素子との間をそれぞれ光結合することを特徴とする。
更に、請求項5として:請求項第4項に記載の光コネクタが規定され、レセプタクルは、底壁の上記反対側の面に光学結合部材の連結部を収容する凹部と、連結部と係合する突条と、を持ち、底壁の貫通孔に光学機能部が挿入されたときに、上記凹部に上記光学結合部材の連結部が挿入され、突条と係合して固定され、斯かるレセプタクルとシールドカバーが結合固定されていることを特徴とする。
更に、請求項6として:請求項5に記載される光コネクタの組み立て方法が規定され、上記貫通孔に夫々の光ファイバ側端部が位置するように送信側光学機能部及び受信側光学機能部を挿入し、上記凹部に上記光学結合部材の連結部を挿入して突条と嵌合させ凹部に固定した後、底壁の上記反対側の面に露出している送信側光学機能部及び受信側光学機能部の夫々の素子側端部に対し、シールドカバーに装着された上記発光素子及び受光素子が対向位置するように、レセプタクルの突出部と発光素子及び受光素子を係合させて、シールドカバーをレセプタクルに結合固定することを特徴とする。
図1において、9は双方向光通信コネクタ用の光学結合部材を示す。この光学結合部材9は、透光性の合成樹脂材からなる円柱状の送信側光学機能部81、円柱状の受信側光学機能部82、これら両光学機能部を機械的に1個体に結合する連結部90より成る。なお、この連結部は、機械的結合のためのものであるが、光学機能部と同一材質にて一体成型するために、光学的にも結合し、これが光伝送効率低下を招くことをすでに説明した。
連結部90は、その基体部90’と、送信側光学機能部81と受信側光学機能部82のその左右側部に一体に接合された接合領域91a、91a’を具えた連結部端部91、91’を持ち、かつ連結部90全体を後で説明されるレセプタクルに対して圧入して固定する固定部92、92’と、連結部の基体部90’に大きく切除形成されたV字形状の切り欠き93とを持つ。 ここで連結部90は厚さEを持ち(図1C、図1E参照)、連結部端部91、91’は『上下方向の幅H』を持ち、この幅Hは、連結部の基体部90’の上下方向の幅Mより小さく、更に、円柱状の送信側光学機能部81の直径および受信側光学機能部82の直径より小さく設計される。なお、両光学機能部81、82のそれぞれの中心軸の延長方向をX軸とし、両中心軸を含む平面内でそれぞれの中心軸に垂直な方向をY軸としこれらX軸とY軸に垂直な方向をZ軸としたとき、上記連結部90の厚さEはX軸方向の長さを指し、『上下方向の幅H』とはZ軸方向の長さを指す。(図1B、図1C参照。)
本発明で重要なことは、連結部90の連結部端部91、91’が円柱状の光学機能部81、82の側面と接する接合領域91a、91a’を持ち(実際には一体化形成されているが、接合領域が存すると想定する)、この接合領域、すなわち図1DにおいてA−B−B’−A’の4点で囲まれた領域の、円柱状の光学機能部の側面における周方向の長さ(図1B、図1C、図1Dにおいて、A点からB点、またはA’点からB’点までの円弧状の長さ)が、上記光学機能部の側面上のその周方向において半周以内の長さとなるようにされていることである。
以上の通り、本発明の光学結合部材は、連結部90の連結部端部91、91’が円柱状の光学機能部81、82の側面に対して円柱断面の半周以内で接合した構成を持つのに対し、先に説明した非公知の先行技術における光学結合部材は、その連結部が円柱状の光学機能部の側面に対して全周において接合した構成であり、両者を比較すると、本発明は、先行技術に比して、光学機能部に対する連結部の接合領域が、より削減され、連結部を介して漏洩していた光量がより抑制され、光の伝送効率をより向上させることができる。そして、切り欠き93の連結部90の上端からみた深さを送信側光学機能部81および受信側光学機能部82の最下端部を結んだレベルより深く形成したことにより、送信側光学機能部81から連結部90に漏洩した光は受信側光学機能部82に到る漏洩経路は延伸され、連結部90を拡散しながら伝播する中に減衰してクロストークは減少する。
図8Aは、レセプタクル10の光素子に対向する面3(光学結合部材を挿入する側)の正面図であり、この面3に第1の実施例に係る光学結合部材9を装着した状態を説明する図である。
これは非公知の先行技術の説明で用いた図14の構成と対応するもので、斯かるレセプタクル10にシールドカバー4(図12の104に相当するもの。図示せず)を組み合わせてコネクタ1を完成する。
図11は、本発明に係る双方向通信用の光コネクタ1のレセプタクル10を示す図である。
本発明に係る光コネクタ1は、レセプタクル10と、これに嵌合されたシールドカバー4を具え、レセプタクル10は側壁2と底壁3を持つ。レセプタクル10の側壁2内に形成された光プラグ受容凹部2a内には、円筒状の送信側光ファイバ収容筒11および受信側光ファイバ収容筒12が側壁2に平行に底壁3から一体に立設されている。(図10A及び図11A参照)なお、底壁3とは、凹部2aの入り口から見て凹部2aの底に相当する壁(請求項6参照)を指す。
4はシールドカバーであり、隔壁40により2部分(図10Aにおいて上下)に分割されており、素子ホルダ5を収容する下側の素子収容部41およびレセプタクル10を収容する上側のレセプタクル収容部42を持つ。隔壁40には、その中央部に、開口40a、40bが形成されている。素子ホルダ5の内には、発光素子61および受光素子62が適宜に収容される。
本発明におけるレセプタクル10は、底壁3に設けた孔13a、13bが光学結合部材9の光学機能部81、82を挿入するに足る径を持ち、その先端がファイバ孔11a、12aに連通して形成されている。
レセプタクル10がシールドカバー4と嵌合したとき、突出部3a、3bに囲まれた光学機能部81、82の発光素子側端部81a、及び受光素子側端部82aが、シールドカバー4に設けられた開口40a、40bにそれぞれ挿入され、その先端81b、82bが発光素子61、受光素子62と対向するように位置決めされる。
光学結合部材9は、連結部90の基体部90’及び固定部92、92’がこれら6個の突条14を圧縮するように凹部13に圧入され固定される。なお、光学結合部材9は、連結部の基体部90’によって凹部13内の位置決めがなされる。
そして、逆に、受信側光ファイバ32を経由して外部から到来した受信光信号は、受信側光学機能部82の光ファイバ側端部82cの先端に形成されているコリメートレンズ82dを介して受信側光学機能部82に収束されて入射し、受光素子側端部82aの先端に形成されているコリメートレンズ82bによって収束されて出射し、受光素子62に入射、受信される。
光学結合部材9と光学機能部81、82との間の連結部端部91、91’の断面積は、光の伝送効率向上のためには最小化すべきであるが、使用する成型用の合成樹脂材料により定まる、溶融合成樹脂が型内において行き亘るに必要なある限界面積とする。
図2を参照して図1に示した光学結合部材の第1の実施例の変形例を説明する。この変形例は、第1の実施例において用いられていたV字形状の切り欠き93をU字形状の切り欠き93’に変更すると共に、連結部90全体をレセプタクルに対して圧入して固定する固定部92、92’を有しない構成(すなわち、連結部端部91、91’の上面より上方の領域を切除した構成)とした。U字形状の切り欠き93’も、連結部90の上端(すなわち、連結部端部91、91’の上面)からみた深さD(図2B参照)は、送信側光学機能部81および受信側光学機能部82の最下端部を結んだ線Lのレベルより深く形成される。
図4を参照して図3の第2実施例の変形例を説明する。この変形例は、送信側光学機能部81、受信側光学機能部82と連結部端部91、91’との間の接合領域の面積と比較して、連結部90の上下方向の寸法M(図4B参照)を大きくしてその断面積をより大きくする構成としている。
Claims (6)
- 透光性の合成樹脂材からなる円柱状の送信側光学機能部および円柱状の受信側光学機能部を一対と、これら光学機能部に一体に成型され、これら光学機能部を互いに機械的に結合して1個体になす光学機能部の構成材料と同一材料より成る連結部とを有し、光素子と光ファイバとの間を光学的に結合する双方向光通信コネクタ用光学結合部材であって、
連結部が板状の基体部と一対の連結端部を持ち、
上記連結部の連結端部は、一対の円柱状の光学機能部の側面に対して各々接するように成型され、連結端部の接合領域が、円柱状の光学機能部の半周の長さ以内となる上記円柱状の光学機能部の周回方向の長さを持ち、
上記一対の円柱状の光学機能部の中心軸の延伸方向をX軸とし、このX軸に直交し上記一対の円柱状の光学機能部の中心軸を結ぶ方向をY軸とし、これらX軸とY軸に直交する方向をZ軸とするとき、連結部の連結端部の接合領域が持つZ軸方向の幅Hは、連結部の基体部が持つZ軸方向の幅Mより小であることを特徴とする。 - 請求項1に記載される光学結合部材であって、
連結部の基体部の中央部において、基体部の一方(これを上側と呼ぶ)の辺から他方(これを下側と呼ぶ)の辺に向かってZ軸方向にV字形状またはU字形状の切り欠きを形成し、切り欠きの頂点は2本の光学機能部の下側を結んだ直線のレベルよりZ軸方向でさらに下側となるように形成したことを特徴とする。 - 請求項1に記載される光学結合部材であって、
連結部の中央部において、基体部の一方(これを上側と呼ぶ)の辺および他方(これを下側と呼ぶ)の辺の双方からZ軸方向で互いに近付く方向にU字形状の切り欠きを形成したことを特徴とする。 - 発光素子及び受光素子が装着されたシールドカバーと、
請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の光学結合部材が装着されたレセプタクルと、
を具える光コネクタであって、
レセプタクルは、底壁と側壁から形成された光プラグ受容部と、上記底壁の光プラグ受容部側の面に互いに平行に一対で突出形成され、夫々光ファイバ収容孔を有する送信側光ファイバ収容筒及び受信側光ファイバ収容筒と、上記光ファイバ収容孔に連通し底壁を貫通して底壁の上記光プラグ受容部側の面とは反対側の面に開口する一対の互いに平行な貫通孔と、底壁の上記反対側の面に形成された突出部とを持ち、
連結部により一体に成形された光学結合部材の一対の光学機能部は、一端に光ファイバ側端部と他端に素子側端部を持ち、上記一体に成形された状態で、光ファイバ側端部が貫通孔内に位置するように上記開口から貫通孔に挿入されてレセプタクルに装着固定され、夫々の素子側端部が側壁の上記反対側の面に露出し、
上記シールドカバーに装着された上記発光素子及び受光素子がレセプタクルの突出部と係合し、上記光学機能部の素子側端部が上記発光素子及び受光素子と対向位置決めされて、シールドカバーとレセプタクルが結合固定され、
これにより、光プラグがレセプタクルの光プラグ受容部に結合されたときに、貫通孔内に配置された上記光学結合部材の送信側光学機能部及び受信側光学機能部が、送信側光ファイバ収容筒及び受信側光ファイバ収容筒の光ファイバ収容孔に嵌合する光プラグに装着された送信側光ファイバ及び受信側光ファイバと上記発光素子及び受光素子との間をそれぞれ光結合することを特徴とする。 - 請求項4に記載の光コネクタであって、
レセプタクルは、底壁の上記反対側の面に光学結合部材の連結部を収容する凹部と、連結部と係合する突条と、を持ち、
底壁の貫通孔に光学機能部が挿入されたときに、上記凹部に上記光学結合部材の連結部が挿入され、突条と係合して固定され、
斯かるレセプタクルとシールドカバーが結合固定されていることを特徴とする。 - 請求項5に記載される光コネクタの組み立て方法であって、
送信側光学機能部及び受信側光学機能部を貫通孔に挿入し、連結部を凹部に挿入して突条と係合させて固定した後、
底壁の上記反対側の面に露出している送信側光学機能部及び受信側光学機能部の夫々の素子側端部に対し、シールドカバーに装着された上記発光素子及び受光素子が対向位置するように、レセプタクルの突出部と発光素子及び受光素子を係合させて、シールドカバーをレセプタクルに結合固定する
ことを特徴とする。
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