JP4558239B2 - 印刷装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、印刷データのスプール機能を有する印刷装置とホストコンピュータをネットワークを通じて接続した印刷システムに用いて好適な上記印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は従来および後述する本発明の実施の形態による印刷装置およびこの印刷装置を用いた印刷システムを示すブロック図である。
本システムは、印刷装置としてのレーザープリンタ(以下プリンタと言う)1とホストマシン3がネットワーク等の通信媒体を介して接続されることにより構成される。
プリンタ1は、コントローラ2と、操作パネル4と、プリンタエンジン13と、HDD17とを有して構成されると共に、フィニッシャ15が接続されている。
【0003】
コントローラ2は、そのとき設定されている制御モードおよびホストマシン3からの制御コードに従って、ホストマシン3からのデータを画像データに変換してプリンタエンジン13へ出力する制御機構の総称であり、以下のようなモジュールを有して構成される。
【0004】
コントローラ2において、ホストI/F5は、ホストマシン3からプリンタ1への制御信号およびデータ、プリンタ1からホストマシン3へのステータス信号のインターフェースである。CPU9は、プログラムROM6内の制御プログラムに従ってホストマシン3からのデータ(印刷データ、制御データ)を処理する。RAM10は、CPU9が処理するときのワークメモリ、ホストマシン3からの印刷データをページ単位に管理して一時記憶するバッファ、バッファに記憶された印刷データを実際の印刷パターンとなる画像データに変換した後、記憶するビットマップメモリ等に使われる。
【0005】
NV−RAM11は、電源を切っても保持したいデータを格納しておくための不揮発性RAMである。プログラムROM6は、コントローラ2内でのデータの管理や周辺モジュールを制御するためのプログラムが格納されている。フォントROM7は、印刷に使用される様々な種類のフォントを有する。エンジンI/F12は、コントローラ2からプリンタエンジン13への制御信号のインタフェースである。プリンタエンジン13は、コントローラ2からの画像データおよび制御信号により感光体上に静電潜像を作り、現像し、また、給紙部より転写紙を給紙し、転写および定着し、画像を形成する。パネルI/F8は、プリンタ1の状態、モード、フォント等の切替えを行うための信号のインタフェースである。なお、14はオプションRAMである。また、HDD I/F16はHDD17とコントローラ2をつなぐインタフェースである。
【0006】
操作パネル4は、プリンタ1の状態を表示する表示部と、プリンタのモード、フォント等を切替えるスイッチ部とを有してなるものである。
【0007】
次に、動作の概略を説明する。
ホストマシン3からホストI/F5を通じて送られてきたデータは、CPU9により印刷データおよび印刷制御データ(SP,CR,LF,HT,VT,…等)とその他のデータとに分けられ、印刷データおよび印刷制御データは、制御コードに変換されてバッファに記憶される。ホストマシン3からプリント命令があったとき、又はホストマシン3から受け取ったデータが1ページ分を超えたとき、コントローラ2はまず、中間コードを画像データに変換し、それが終了したら、エンジンI/F12を通じてプリンタエンジン13にプリントスタートの命令を出す。
以上のような一連の流れにより、ホストマシン3からの印刷データがプリンタエンジン13を介して印刷される。
【0008】
次に、パスワード付き印刷データと通常の印刷データの印刷動作について図4のフローチャートを参照して説明する。
図3、図4において、ホストマシン3(上位装置)において印刷データを生成し(ステップS1)生成された印刷データはホストI/F5を通じてプリンタ1に送信される(ステップS2)。プリンタ1で受信された印刷データは、コントローラ2に接続されているHDD17内のスプール領域に格納される(ステップS3)。このとき、プログラムROM6内のスプール制御プログラムが、印刷データ内のデータを順次スプールしながら、ホストI/F5を通じてホストマシン3に「スプール中」である旨の情報を通知する(ステップS4)。この通知を受けたホストマシン3は、ジョブ管理ユーティリティにより「スプール中」を画面表示して、ユーザに視覚的にジョブのスプール情報を提供する。
【0009】
一方、プリンタ1では、スプール制御プログラムが終了コードを受けたかどうかのチェックを常に行い(ステップS5)、終了コードを受けた時点でそのジョブのスプール完了を判断し(ステップS6)、ジョブスプール完了情報をホストマシン3に通知する(ステップS7)。
【0010】
この後、スプールした印刷情報の処理を開始するが(ステップS8)、まず、印刷中情報をホストI/F5を通じてホストマシン3に通知する(ステップS9)。この通知を受けたホストマシン3は、図5に示すようなジョブ管理ユーティリティによる表示を行い、そのジョブが現在「印刷中」であることを示す情報をユーザに視覚的に提供する。なお、上記ステップS4における「スプール中」を示す情報は、図5における「印刷中」の欄に表示される。
【0011】
次に、印刷データの解析作業に入り、そのジョブの印刷データがパスワード付き印刷データであるか否かを調べる(ステップS10)。パスワード付き印刷データである場合は、プリンタエンジン13による印刷動作は行わず、その印刷データを中間データとしてHDD17に保存し、ユーザによるパスワード付きの印刷指示を待つことになる(ステップS11)。このとき、印刷データ自体の処理は終了しているため、プログラムROM6内の印刷データ処理プログラムが印刷完了情報をホストI/F5を通じてホストマシン3に通知する(ステップS12)。これに基づいてホストマシン3は、ジョブ管理ユーティリティにより「印刷完了」を表示する。
【0012】
一方、ステップS10でパスワード付きでない通常の印刷データと判断された場合は、その印刷データを中間コードに変化した後すぐに画像データに変換し(ステップS13)、プリンタエンジン13に印刷実行を指示する(ステップS14)。そして、ジョブ中の全てのページが印刷排紙されたことがプリンタエンジン13から通知されたら(ステップS15)、上記印刷データ処理プログラムは印刷完了情報をホストI/F5を通してホストマシン3に通知する(ステップS16)。これに基づいてホストマシン3は、ジョブ管理ユーティリティにより「印刷完了」を表示する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
上述した図4のフローチャートにおいて、通常の印刷データが現在印刷中である状態で、パスワード付き印刷データが後から送られて来た場合、そのパスワード付き印刷データの処理が速く行われると、印刷動作を伴わずに印刷完了情報をホストマシン3に通知することになる。即ち、この印刷完了情報は、上記現在印刷中の印刷データの印刷完了情報より先に通知され表示されることになる。この通知をそのままジョブ管理ユーティリティにより表示すると、後から送ったジョブの方が現在印刷中のジョブより先に印刷完了した状態となり、矛盾した表示になってしまうという問題があった。
【0014】
なお、特開平9−190298号公報には、スプール機能を有し、スプールされたジョブに対してステータス表示を行い、印刷装置本体のデータ処理状況を視覚的に報知することを目的とする技術が開示されているが、印刷データ蓄積量を表示するものであり、上記問題については未解決であった。
【0015】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、パスワード付き印刷データを受信したとき、現在印刷中のジョブが存在する場合は、その印刷中のジョブの印刷が完了したことを検知してから印刷完了を表示することにより、ジョブステータス表示に矛盾がないようにすることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による印刷装置においては、情報処理装置から送信された印刷データを受信して一時的に格納するスプール管理手段と、前記スプール管理手段に格納された印刷データがパスワード付き印刷データかパスワード付きでない印刷データかを判断する第1の判断手段と、パスワード付きでない印刷データと判断されたときはその印刷データの印刷を実行する印刷手段と、前記印刷手段による印刷後、印刷完了を前記情報処理装置に通知する第1の通知手段と、パスワード付き印刷データと判断されたときは印刷を行わずにその印刷データを処理して保持する変換保持手段と、前記パスワード付き印刷データの処理後、現在印刷中の印刷データがあるか否かを判断する第2の判断手段と、現在印刷中の印刷データがあると判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨の通知を保留し、現在印刷中の印刷データがないと判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨を情報処理装置に通知する第2の通知手段とを設けている。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面と共に説明する。
本発明の実施の形態による印刷装置およびこの印刷装置を適用した印刷システムの基本部分の構成は、前述した図3に示すものと実質的に同様である。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態による動作を示すフローチャートであり、前述した図4と対応するステップには同一ステップ番号を付して重複する説明は省略する。なお、本実施の形態は請求項1記載の発明に関するものである。
図1においては、ステップS11とステップS12との間にステップS11Aが追加されており、他のステップについては図4と同じである。
【0019】
図1において、ステップS11によりパスワード付き印刷データが処理され、中間データとしてHDD17に保存された後、ステップS11Aにおいて、そのパスワード付き印刷データの前に送信された印刷データの中で、現在印刷中のジョブがあるか否かを調べ(判断し)、ある場合はそのジョブがなくなるまで、即ち、上記現在印刷中の完了が検知されるまで待つ。その間、ホストマシン3側では、ジョブ管理ユーティリティにより前のジョブの「印刷中」が表示されている。
【0020】
そして、前のジョブの印刷完了を検知した時点で、パスワード付き印刷データ自体の処理は終了しているため、上記印刷データ処理プログラムが、パスワード付き印刷データの印刷完了情報をホストI/F5を通じてホストマシン3に通知する。これにより、ホストマシン3においては、ジョブ管理ユーティリティによりパスワード付き印刷データの「印刷完了」が表示される。
従って、本実施の形態によれば、従来における前述したホストマシン側でのジョブ管理ユーティリティ上におけるジョブステータス表示の矛盾を回避することができる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、請求項2記載の発明に関するものである。
本実施の形態は、上述した第1の実施の形態の機能、即ち、パスワード付き印刷データを受信し処理したとき、現在印刷中のジョブがあるか否かを調べ(判断し)、ある場合はその印刷の完了が検知された後に、パスワード付き印刷データのジョブの印刷完了をホストマシン3側のジョブ管理ユーティリティで表示する機能を有効にするか、無効にするかをユーザ側で選択できる選択手段を設けたものである。選択手段としては、操作パネルやコマンドによる処理などを用いてよい。
【0022】
図2は本発明の第3の実施の形態による動作を示すフローチャートであり、前述した第1の実施の形態による図1と対応するステップには同一ステップ番号を付して重複する説明は省略する。なお、本実施の形態は請求項3記載の発明に関するものである。
図2においては、ステップS11AとステップS12との間にステップS11Bが追加されると共に、ステップS12の後にステップS17が追加されている。他のステップについては図1、図4と同じである。
【0023】
図2において、ステップS11Aで、パスワード付き印刷データの前のジョブで現在印刷中のジョブがある場合は、印刷完了情報の通知自体はホストマシン3に通知すると共に、ステップS11Bでジョブの表示順番の入れ替えを行う。この入れ替えたことを示す情報もホストマシン3に通知する。上記印刷完了情報と入れ替え情報を受け取ったホストマシン3は、ステップS17によりジョブ管理ユーティリティ上でのジョブ表示自体の入れ替えを実行する。上記シーケンスを採用することにより、ホスト側のジョブ管理ユーティリティ上でのステータス表示の矛盾を回避することができる。
【0024】
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、請求項4記載の発明に関するものである。
本実施の形態は、上述した第3の実施の形態の機能、即ち、印刷完了情報と入れ替え情報を受け取ったホストマシン3が、ステップS17によりジョブ管理ユーティリティ上でのジョブ表示の入れ替えを実行する機能を有効にするか、無効にするかをユーザ側で選択できる選択手段を設けたものである。選択手段としては、操作パネルやコマンドによる処理などを用いてよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、情報処理装置から送信された印刷データを受信して一時的に格納するスプール管理手段と、スプール管理手段に格納された印刷データがパスワード付き印刷データかパスワード付きでない印刷データかを判断する第1の判断手段と、パスワード付きでない印刷データと判断されたときはその印刷データの印刷を実行する印刷手段と、印刷手段による印刷後、印刷完了を情報処理装置に通知する第1の通知手段と、パスワード付き印刷データと判断されたときは印刷を行わずにその印刷データを処理して保持する変換保持手段と、パスワード付き印刷データの処理後、現在印刷中の印刷データがあるか否かを判断する第2の判断手段と、現在印刷中の印刷データがあると判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨の通知を保留し、現在印刷中の印刷データがないと判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨を情報処理装置に通知する第2の通知手段とを設けたことによって、パスワード付き印刷データを受信して処理が完了したときの処理完了の旨の表示が、その前の印刷データの印刷中に表示されることを回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第3の実施の形態による印刷システムの動作を示すフローチャートである。
【図3】従来および本発明の実施の形態による印刷装置、この印刷装置を用いた印刷システムの基本構成を示すブロック図である。
【図4】従来のパスワード付き印刷データと通常の印刷データの印刷動作を示すフローチャートである。
【図5】ホストマシン側のジョブ管理ユーティリティによる表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザプリンタ
2 コントローラ
3 ホストマシン
4 操作パネル
5 ホストI/F
6 プログラムROM
7 フォントROM
8 パネルI/F
9 CPU
10 RAM
11 NV−RAM
12 エンジンI/F
13 プリンタエンジン
14 オプションRAM
15 フィニッシャ
16 HDD I/F
17 HDD
Claims (4)
- 情報処理装置から送信された印刷データを受信して一時的に格納するスプール管理手段と、
前記スプール管理手段に格納された印刷データがパスワード付き印刷データかパスワード付きでない印刷データかを判断する第1の判断手段と、
パスワード付きでない印刷データと判断されたときはその印刷データの印刷を実行する印刷手段と、
前記印刷手段による印刷後、印刷完了を前記情報処理装置に通知する第1の通知手段と、
パスワード付き印刷データと判断されたときは印刷を行わずにその印刷データを処理して保持する変換保持手段と、
前記パスワード付き印刷データの処理後、現在印刷中の印刷データがあるか否かを判断する第2の判断手段と、
現在印刷中の印刷データがあると判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨の通知を保留し、現在印刷中の印刷データがないと判断されたとき、パスワード付き印刷データの処理完了の旨を情報処理装置に通知する第2の通知手段とを設けたことを特徴とする印刷装置。 - 前記第2の通知手段の機能を有効にするか無効にするかを選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
- 情報処理装置から送信された印刷データを受信して一時的に格納するスプール管理手段と、
前記スプール管理手段に格納された印刷データがパスワード付き印刷データかパスワード付きでない印刷データかを判断する第1の判断手段と、
パスワード付きでない印刷データと判断されたときはその印刷データの印刷を実行する印刷手段と、
前記印刷手段による印刷後、印刷完了を前記情報処理装置に通知する第1の通知手段と、
パスワード付き印刷データと判断されたときは印刷を行わずにその印刷データを処理して保持する変換保持手段と、
前記変換保持手段による処理後、処理完了の旨を前記情報処理装置に通知する第2の通知手段と、
前記パスワード付き印刷データの処理後、現在印刷中の印刷データがあるか否かを判断する第2の判断手段と、
前記第2の判断手段により現在印刷中の印刷データがあると判断されたとき、前記第2の通知手段による処理完了の旨の情報より先に前記第1の通知手段による印刷完了の情報を前記情報処理装置に表示させる通知を行う入れ替え通知手段を設けたことを特徴とする印刷装置。 - 前記入れ替え通知手段の機能を有効にするか無効にするかを選択する選択手段を設けたことを特徴とする請求項3記載の印刷装置。
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