JP4557753B2 - 同期制御システム - Google Patents

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Description

本発明は輪転印刷機、パターンパーフォレータ(ミシン穴加工機)や糊つけ装置など印刷二次加工装置、及び精密搬送装置において、電動機を任意の減速比又は増速比で運転し、回転速度と回転位置を超高精度で制御する同期制御システムに関するものである。
輪転印刷機は新聞や広告物を高速かつ大量に印刷可能であり今日広く使用されている。そして、前記輪転印刷機にはさまざまの用途や種類があると共に、前記輪転印刷機は電動機により駆動され該電動機による前記輪転印刷機の駆動方式も従来種々考案されている。 図15は従来の輪転印刷機の一例を示す図であり、「第1の印刷部」、「第2の印刷部」、及び「1の折り部」を備えるものである。なお、同図ではインキング装置や水処理装置を省き駆動系統を主として示している。
図15において始めに第1の印刷部について説明を行う。
符号1、2、4、及び5はそれぞれ主電源、開閉器、同期制御装置、及び駆動装置を示し、該主電源1は開閉器2を介して該同期制御装置4、及び駆動装置5に電源を供給する。6a、6b、及び6cはそれぞれ電動機、歯車装置、及びロータリーエンコーダを示し、電動機6aは前記同期制御装置4及び駆動装置5により駆動され、該電動機6aに付属するロータリーエンコーダ6cは回転位置と回転速度を前記同期制御装置4にフィードバックする。
7b、71、72、及び73はそれぞれ歯車装置、ラインシャフト、伝達装置、及びサブシャフトを示し、該歯車装置7bは前記歯車装置6bと組み合わせて電動機の速度を減速、或いは増速してラインシャフト71を駆動し、伝達装置72及びサブシャフト73に依り後述する印刷ユニット74aから74dをそれぞれ駆動する。
81、82、83はそれぞれ給紙部、印刷紙、インフィードロールを示し、また、74aから74dは印刷ユニットを、75は版胴、76はブランケット胴を示し、前記給紙部81から送り出された印刷紙82はインフィードロール83を経て前記印刷ユニット74a、74b、74c、74dに供給される。そして各印刷ユニット74aから74dにおいて、刷版が装着された版胴75は図示しないインクロールなどから成るインキング装置によりインクが供給されてブランケット胴76に版胴75の刷版の絵柄や文字が転写され、該ブランケット胴に依り印刷紙82に印刷がなされる。
ここで、前記印刷ユニット74aから74dは4色のカラー印刷の場合を例にするものであり、例えば印刷ユニット74aはイエロー、74bはマゼンダ、74cはシアン、74dはブラックの印刷を行う。
84と85はそれぞれアウトフィードロール、ドラッグロールで、該アウトフィードロール84とドラッグロール85は、印刷された前記印刷紙82を後述する折り機91へ導く。
また、前記図15において、前記歯車装置6bと7bは前記電動機6aの回転速度を例えば減速比1/N(Nは正の整数)で減速するものであり、前記ラインシャフト71、サブシャフト73、版胴75、及びブランケット胴76の回転速度は同じとしている。説明を容易とする為に具体例を示せば、前記電動機6aの回転速度が1400rpmのとき前記歯車装置6bと7bに依り減速比が1/2で減速され、前記ラインシャフト71、サブシャフト73、版胴75、及びブランケット胴76の回転速度は700rpmとなる。
以上では第1の印刷部について説明したが、第2の印刷部も主電源1からドラッグロール85まで第1の印刷部と同様の装置で構成されており、説明は割愛する。
次に前記図15の折り部について説明を行う。折り部の主電源1、開閉器2、同期制御装置4、駆動装置5、電動機6a、歯車装置6b、ロータリーエンコーダ6c、及び歯車装置7bは、第1の印刷部において同じ符号を付すものと同じ機能を有し、その説明は割愛する。そして、91は折り機であり前記第1の印刷部、及び第2の印刷部から送り出される印刷紙を重ね合わせ裁断し折り畳みを行う。
3及び31はそれぞれ回転位置速度設定器、通信回線であり、該回転位置速度設定器3は回転位置設定信号と回転速度設定信号を前記通信回線31経由にて前記第1の印刷部、第2の印刷部、及び折り部の同期制御装置4に送出する。これにより、前記第1の印刷部、第2の印刷部、及び折り機91が回転速度と共に回転位置も精度良く同期し、印刷紙82はページ毎に揃えて印刷がなされ折り機91にて裁断され折り畳まれることとなる。
ここで、同期制御を行って印刷物をページ毎に揃えて裁断するとき、前記図15の歯車装置6b、7bに依る減速比1/Nは従来、1/2、又は1/4などNは正の整数であることが必要であった(例えば特許文献1参照)。
次に、前記図15の従来の輪転印刷機に用いられている同期制御をモデル化して図16に示し、以下その説明を行う。
図16において1、2、3、31、6a、6b、6c、及び7bは、前記図15において同じ符号を付すものと同じ機能を有しその説明を割愛し、4、5はそれぞれ同期制御装置及び駆動装置を示す。
又、7aは出力ロールであり前記図15における前記版胴75及びブランケット胴76などの印刷を行うロールをモデル化したものであり、該出力ロール7aは以降の説明において印刷ロール7aとも言い、該印刷ロール7aは1回転毎に1頁の印刷を行う。
そして、図16の前記歯車装置6bと7bによる減速比を1/N(Nは正の整数)とすることに依り、前記回転位置速度設定器3が出力する回転速度と回転位置に同期して前記電動機6aを駆動すると共に前記印刷ロール7aも前記回転位置速度設定器3に同期して駆動されることになる。
また、図16において、4a、4b、及び4cはそれぞれ回転速度設定信号検出器、回転速度フィードバック信号検出器、及び加減算器である。該回転速度設定信号検出器4aは前記回転位置速度設定器3から前記通信回線31経由にて信号を受信して回転速度設定信号a1を検出する。また、回転速度フィードバック信号検出器4bは前記ロータリーエンコーダ6cが出力する信号から前記電動機6aの回転速度フィードバック信号a2を検出する。そして、加減算器4cは前記回転速度設定信号a1と前記回転速度フィードバック信号a2を加減算して回転速度偏差ΔSを生成する。
4d、4e、4f、及び4gはそれぞれ回転位置設定信号検出器、回転位置フィードバック信号検出器、加減算器、及び回転位置偏差アンプである。該回転位置設定信号検出器4dは前記回転位置速度設定器3からの信号を受信して回転位置設定信号b1を検出する。また、前記回転位置フィードバック信号検出器4eは前記ロータリーエンコーダ6cが出力する信号から前記電動機6aの回転位置フィードバック信号b2を検出する。
そして、加減算器4fに依り前記回転位置設定信号b1と前記回転位置フィードバック信号b2を加減算して得られた回転位置偏差ΔPは前記回転位置偏差アンプ4gに入力され、該回転位置偏差アンプ4gはP制御を行って比例ゲインGを乗算し補正後回転位置偏差GΔPを生成する。
4h及び4jはそれぞれ加算器及び演算増幅器であり、該加算器4hは前記回転速度偏差ΔSと前記補正後回転位置偏差GΔPを加算してその出力を前記演算増幅器4jに入力する。該演算増幅器4jはトルク指令を生成して前記駆動装置5を制御し、前記電動機6aが駆動される。すなわち、前記回転速度偏差ΔSを用いることにより前記電動機6aは速度制御にて駆動され、前記補正後回転位置偏差GΔPを用いることにより前記電動機6aは位置制御にて駆動され、前記電動機6aは回転速度の他、回転位置も前記回転位置速度設定器3が出力する指令に追従する同期制御により駆動される。
図17は前記図16の従来の前記同期制御装置4の同期制御中における動作をグラフにより時間の推移と共に説明する図であり、図17(a)は速度制御について説明し、Y軸は回転速度を示し、図中のa1は前記回転速度設定信号を、a2は前記回転速度フィードバック信号を示し、同期制御中は前記回転速度設定信号a1と前記回転速度フィードバック信号a2は極めて等しいことを示す。
図17(b)、(c)、及び(d)は位置制御の動作を時間の推移と共に説明するものであり、Y軸は回転位置を示す。該図17(b)は前記図16における前記印刷ロール7aの回転位置を指令する回転位置設定信号b1の時間的推移を示し、図中のPmaxは前記印刷ロール7aの1回転における最大回転位置であり、時間の経緯と共に前記回転位置設定信号b1はゼロから増加しPmaxに達すると1回転したのでゼロに戻り、順次この動作を繰り返す。
図17(c)は前記図16の電動機6aと印刷ロール7aの回転位置を示し、図中の実線で示すb2は前記位置フィードバック信号検出器4eが出力する前記電動機6aの回転位置フィードバック信号b2の時間的推移を示す。また、図中の点線で示すc0は前記印刷ロール7aの回転位置の時間的推移を示す。なお、該回転位置c0は前記図16において検出される信号ではなく説明の為に付記したものである。
又、図17(c)では説明を容易とするために、前記図16の歯車装置6bと歯車装置7bによる減速比が2分の1(1/2)の場合を例としており、前記印刷ロール7aの1回転における最大回転位置をPmaxとすれば前記電動機6aの1回転における最大回転位置はPmaxを2で除した(Pmax/2)となる。それ故、前記印刷ロール7aの回転位置c0の周期は前記電動機6aの回転位置フィードバック信号b2の周期の2倍となる。
図17(d)は前記図17(b)と(c)を同時に表すもので、位置制御により前記印刷ロール7aの回転位置を指令する回転位置設定信号b1に前記電動機6aの前記回転位置フィードバック信号b2が追従することにより前記印刷ロール7aの回転位置c0も追従する。
以上のように、従来、図16の前記歯車装置6bと7bによる減速比を1/N(Nは正の整数)とすることに依り、前記回転位置速度設定器3に同期して前記電動機6aを駆動すると共に前記印刷ロール7aも位置速度設定器3に同期して駆動される。
上記減速比1/NにおいてNは正の整数であり、上記の例ではNが2のとき、1回転における最大回転位置がPmax、(Pmax/2)と異なる前記回転位置設定信号b1と前記回転位置フィードバック信号b2の同期制御を行う手段については、従来例である前記特許文献1で明らかにされている。
特許文献1に記載のものでは、主機オーバーカウンターOVCmと従機オーバーカウンターOVCsを定義し、原点合わせモード2開始時においては特許文献1の図13及び図14に説明する手段にて、前記主機オーバーカウンターOVCmと従機オーバーカウンターOVCsの初期化を行い、同期制御にて運転中は図16に説明する手段にて前記主機オーバーカウンターOVCmと従機オーバーカウンターOVCsの更新を行う。
上述のとおり同期制御を行うとき、従来の手段においては、減速比1/NにおいてNは正の整数である制約が有る他、前記図17(d)の一例で示した通り、最大回転位置が前記印刷ロール7aの回転位置を指令する回転位置設定信号b1ではPmax、前記電動機6aの前記回転位置フィードバック信号b2では(Pmax/2)と異なる検出量から前記回転位置偏差ΔPを検出する。このため、例えば特許文献1に記載のものでは、前記したように主機オーバーカウンターOVCmと従機オーバーカウンターOVCsを設けるなど甚だ難解なものであった。
特開2001−309681号
図15及び図16で示したように、近年、複数の電動機を極めて精度良く同期制御させることが可能な同期制御装置が実用に供されているが、前述のとおり前記電動機6aを減速して前記印刷ロール7aを駆動するとき、減速比1/NにおいてNは正の整数である制約があった。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであって、前記電動機6aと前記印刷ロール7aの減速比又は増速比が正の整数ではなく、正の実数であっても同期制御を実現することができ、さらに、前記電動機6aと前記印刷ロール7aのカップリングが歯車装置に依らず、ベルトに依るものであっても、ベルトの滑りを補償することができる、設置の容易な同期制御システムを実現することを目的とする。
上記課題を本発明においては、次のように解決する。
)本発明の請求項の発明は出力ロールと、該出力ロールを駆動する電動機と、出力ロールの回転速度と回転位置を設定する回転位置速度設定器と、上記電動機を駆動制御する同期制御装置と、同期駆動装置で構成され、上記同期制御装置には上記回転位置速度設定器が出力する回転速度設定信号と回転位置設定信号が入力され、上記出力ロールの回転速度信号と回転位置信号が上記回転速度設定信号と回転位置設定信号に一致するように上記電動機を駆動制御して、出力ロールを精度良く同期制御をする同期制御システムを以下のように構成する。
前記電動機の回転軸と出力ロールの回転軸にそれぞれプーリを付属させ、該電動機と出力ロールのプーリをベルトにより結合し、前記電動機には速度検出用ロータリーエンコーダを付属させ、該速度検出用ロータリーエンコーダが出力する電動機の回転速度に対応した信号を、回転速度フィードバック信号として前記同期制御装置に入力させる。
また、前記出力ロールには位置検出用ロータリーエンコーダを付属させ、該位置検出用ロータリーエンコーダが出力する出力ロールの回転位置に対応した信号を、回転位置フィードバック信号として前記同期制御装置に入力する。
前記同期制御装置には、前記電動機と出力ロールの間に設けられた上記ベルトとプーリに依る減速比または増速比と上記回転速度設定信号とから上記電動機の回転速度設定信号を求める手段と、該電動機の回転速度設定信号と上記回転速度フィードバック信号との差である回転速度偏差を求めるとともに、上記回転位置設定信号と回転位置フィードバック信号との差である回転位置偏差を求める手段と、該回転位置偏差を周期的にサンプリングして平均値を演算することにより、上記プーリとベルトによる滑りを補償する第1のすべりキャンセレーション信号を生成する手段と、該第1のすべりキャンセレーション信号と前記回転位置偏差を演算して新たな回転位置偏差を生成する手段と、上記回転速度偏差と、上記新たな回転位置偏差とに基づき上記電動機の駆動信号を求める手段を設ける。
)本発明の請求項の発明は、請求項1の発明において、前記電動機と出力ロールの間に設けられた歯車装置、もしくは、電動機と出力ロール間に設けられた前記ベルトとプーリに依る減速比または増速比を正の整数の逆数、または、正の実数とする。
)本発明の請求項の発明は、請求項1または2の発明において、前記同期制御装置に、前記電動機の回転速度設定信号を入力とするベルト補償パターン発生器を設け、該ベルト補償パターン発生器が、前記回転速度設定信号に応じて定まる、滑り位置補正信号に対応した予め設定したパターンの値である第2のすべりキャンセレーション信号を出力し、該第2のすべりキャンセレーション信号と、前記第1のすべりキャンセレーション信号とを演算して第3のすべりキャンセレーション信号を生成し、該第3のすべりキャンセレーション信号と前記回転位置偏差とを演算して新たな回転位置偏差を生成する。
)本発明の請求項の発明は、請求項1,2または請求項3の発明において、前記同期制御装置において、前記新たな回転位置偏差から得た補正量に基づき、ベルトの滑りや延びを数値で示すベルトすべり表示器を設ける。
)本発明の請求項の発明は、請求項の発明において、上記ベルトすべり表示器が、前記補正量を長さの単位を有する数値に変換し、ベルトの滑りや延びを長さの単位で表示する。
)本発明の請求項の発明は、請求項1,2,3,4または請求項5の発明において、前記新たな回転位置偏差から得た補正量と、すべり基準値を比較する比較器と、該比較器の出力により動作し、ベルトのすべりや延びが過大になったことを表示する監視表示灯を設ける。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)電動機の回転速度を検出するとともに、出力ロールの回転位置を検出し、電動機と出力ロールの回転数比と出力ロールの回転速度設定信号とから上記電動機の回転速度設定信号を求め、該回転速度設定信号と電動機の回転速度に対応した回転速度フィードバック信号との回転速度偏差と、出力ロールの回転位置設定信号と出力ロールの回転位置に対応した回転位置フィードバック信号との回転位置偏差に基づき、上記電動機を駆動制御しているので、印刷ロール等の出力ロールとの回転数比が、正の整数のみならず正の実数であっても精度の良く同期制御を行うことが可能となる。
このため、出力ロールの回転速度と電動機の速度の組み合わせの自由度を広げることができる。
(2)すべりキャンセレーション信号を生成し、ベルトの滑りや延びを補正しているので、電動機と出力ロール間のカップリングが滑りや延びのあるベルトであっても精度よく同期制御を行うことが可能となる。このため、歯車装置によるカップリングと比較して設置を容易とすると共に、設置のコストを著しく低減させることができる。
(3)電動機と出力ロール間のカップリングがベルトの場合、ベルトの滑りや延びを数値で明確に検出し表示したり、ベルトの滑りや延びが基準値を超えたとき表示灯を点灯させることができるので、ベルトの保守や交換が容易となる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の前提となる装置の構成を示す図、図3と図6は請求項と請求項に、図10は請求項に、図12は請求項、請求項、及び請求項に関わる実施例を説明するものである。
図1は本発明の前提となる装置の構成を説明する図であり、前記輪転印刷機をモデル化して示したものである。また、図2は図1の動作を説明する図である。
図1において、1、2はそれぞれ主電源及び開閉器で後述する駆動装置5に電源を供給し、3、31、及び4はそれぞれ回転位置速度設定器、通信回線、及び同期制御装置であり、該回転位置速度設定器3は回転位置設定信号と回転速度設定信号を前記通信回線31経由にて前記同期制御装置4に送信する。ここで、前記回転位置設定信号と回転速度設定信号は後述する印刷ロール7aの回転位置と回転速度を指令するものである。
5、6a、6b、及び6dはそれぞれ駆動装置、電動機、歯車装置、及び速度検出用ロータリーエンコーダであり、該電動機6aは前記駆動装置5により駆動され前記歯車装置6bを介して後述する印刷ロール7aを駆動し、前記速度検出用ロータリーエンコーダ6dは前記電動機6aの回転速度フィードバック信号を前記同期制御装置4へ出力する。
7a、7b、及び7dはそれぞれ印刷ロール、歯車装置、及び位置検出用ロータリーエンコーダであり、該歯車装置7bは前記歯車装置6bと組み合わせて任意の減速比又は増速比で前記印刷ロール7aを駆動し、前記位置検出用ロータリーエンコーダ7dは前記印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号を前記同期制御装置4へ出力する。そして、説明を容易とする為に具体例を示せば、前記電動機6aの回転速度が1600rpmのとき印刷ロール7aの回転速度は600rpmとすれば、このとき減速比(1/r)は次の(1)式と(2)式の通りとなる。
減速比=1/r(rは正の実数)…(1)式
減速比=1/r=1/(1600/600)=1/(8/3)=1/2.66667
…(2)式
このように、本発明では減速比又は増速比は正の整数のみならず正の実数に依るものであっても、前記回転位置速度設定器3に追従して前記印刷ロール7aの同期制御を可能とするものである。
次に前記図1において前記同期制御装置4の内部構成について説明する。
4a、4b、及び4cはそれぞれ回転速度設定信号検出器、回転速度フィードバック信号検出器、及び加減算器である。
上記回転速度設定信号検出器4aは次の(3)式に示すとおり、前記回転位置速度設定器3から前記通信回線31経由にて信号を受信して前記印刷ロール7aに対する回転速度設定信号a3(該回転速度設定信号a3は図示しない)を抽出する。また、回転速度設定信号a3を前記(1)式に示す減速比(1/r)で除して前記電動機6aに対する回転速度設定信号a4を演算して出力する。
[回転速度設定信号検出器4aの出力]=[電動機6aに対する回転速度設定信号a4] =[印刷ロール7aに対する回転速度設定信号a3]/(1/r)
=[印刷ロール7aに対する回転速度設定信号a3]×r…(3)式
回転速度フィードバック信号検出器4bは、前記速度検出用ロータリーエンコーダ6dが出力する信号から前記電動機6aの回転速度フィードバック信号a2を検出し、加減算器4cは前記回転速度設定信号a4と前記回転速度フィードバック信号a2を加減算して回転速度偏差ΔSを生成する。
又、4d、4e、4f、及び4gはそれぞれ回転位置設定信号検出器、回転位置フィードバック信号検出器、加減算器、及び回転位置偏差アンプである。
回転位置設定信号検出器4dは前記回転位置速度設定器3からの信号を受信して前記印刷ロール7aに対する回転位置設定信号c1を検出し、回転位置フィードバック信号検出器4eは前記位置検出用ロータリーエンコーダ7dが出力する信号から前記印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号c2を検出する。
そして、加減算器4fは前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2を加減算して回転位置偏差ΔP出力し、該回転位置偏差ΔPは回転位置偏差アンプ4gに入力される。該回転位置偏差アンプ4gはP制御を行って、比例ゲインGを回転位置偏差ΔPに乗算し補正後回転位置偏差GΔPを生成する。
図1の4h、4j、4k、及び4mはそれぞれ加算器、演算増幅器、マイクロプロセッサ、及び入り切りアンプである。
入り切りアンプ4mの入力aには前記補正後回転位置偏差GΔPが入力され、入力bには値ゼロが入力されている。そして、該入り切りアンプ4mは前記マイクロプロセッサ4kによりオン、オフされ、オフのときは入り切りアンプ4mの入力bよりゼロが出力cに出力され、オンのときは入力aの補正後回転位置偏差GΔPが出力cに出力される。
前記マイクロプロセッサ4kは前記回転速度設定信号検出器4aが出力する回転速度設定信号a4を監視し、例えば、該回転速度設定信号a4が生産速度に達したとき(出力ロールの回転速度が設定速度もしくはその近傍に達したとき)、前記入り切りアンプ4mをオンする。
そして、前記入り切りアンプ4mの出力は前記回転速度偏差ΔSと前記加算器4hにて加算された後、演算増幅器4jに入力され、該演算増幅器4jはトルク指令を生成して前記駆動装置5を制御し前記電動機6aが駆動されることとなる。
更に説明を付加すると、前記入り切りアンプ4mがオフのとき前記加算器4hの出力は前記回転速度偏差ΔSのみとなって前記電動機6aは速度制御にて駆動される。また、前記入り切りアンプ4mがオンのとき前記加算器4hの出力は前記回転速度偏差ΔSと前記補正後回転位置偏差GΔPが加算されたものとなり、速度制御に加えて位置制御が実行され、前記電動機6aは回転位置も前記回転位置速度設定器3が出力する指令に精密に追従する同期制御を行うこととなる。
ここで本発明においては、速度制御と位置制御が同時に行われているときを同期制御と呼称する。
図2は前記図1において前記入り切りアンプ4mがオンして、同期制御装置4が同期制御中における動作を説明する図であり、時間の推移と共に回転速度、回転位置をグラフにより示している。図2(a)は速度制御について説明する図であり、Y軸は回転速度を示し、図2(b)と(c)は位置制御について説明する図であり、Y軸は回転位置を示す。 図2(a)のa4は前記電動機6aに対する前記回転速度設定信号a4を示し、a2は前記電動機6aからの前記回転速度フィードバック信号a2を示す。なお、同図では、同期制御中は前記回転速度設定信号a4と前記回転速度フィードバック信号a2は極めて一致することを示している。
図2(b)は前記印刷ロール7aが一定の速度で回転するとき、前記回転位置設定信号検出器4dが出力する前記印刷ロール7aに対する前記回転位置設定信号c1の時間的推移を示し、図中のPmaxは前記印刷ロール7aの1回転における最大回転位置である。同図に示すように、前記回転位置設定信号c1は時間と共に増大し1回転毎にゼロにクリアされる。
図2(c)において、実線で示すc2は前記印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号c2の時間的推移を示し、図中の点線で示すb3は前記電動機6aの回転位置の時間的推移を示す。
前記電動機6aの該回転位置信号b3は前記図1において検出されている信号ではなく説明の為に付記するものである。
又、前記印刷ロール7aの1回転における最大回転位置、換言すれば前記回転位置フィードバック信号c2の最大値は前記図2(b)と同じくPmaxとなり、前記電動機6aの1回転における最大回転位置、換言すれば前記回転位置信号b3の最大値は、例えば、前記(2)式の具体例で示す減速比のときPmaxに(3/8)を乗じた値となる。
前記図2(b)と図2(c)を対比すれば、前記電動機6aをいかなる比率で減速或いは増速して前記印刷ロール7aを駆動するときも、前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2の最大値は共にPmaxで常に同じとすることができ前記補正後回転位置偏差GΔPを容易に演算することができる。
そして、前記図1において前記入り切りアンプ4mがオンしているとき、前記図2(b)の前記位置速度設定器3による回転位置設定信号c1に、前記図2(c)の前記回転位置フィードバック信号c2が位置制御により追従することとなる。
前記図16では、電動機6aのロータリーエンコーダ6cが出力する信号から回転位置フィードバック信号を検出していたが、本発明では、電動機6aの回転位置信号を位置制御に用いずに、印刷ロール7aに取り付けられた位置検出用ロータリーエンコーダ7dが出力する信号から前記印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号c2を検出する。
このため、前記電動機6aと前記印刷ロール7aの減速比又は増速比が正の整数のみならず正の実数であっても、前記印刷ロール7aを同期制御で駆動することができる。
図3は本発明の実施例の構成を説明する図であり、図4及び図5は図3の実施例の動作を説明する図である。以下、図3より順次説明を行う。
図3において前記図1と同じ符号を付すものはそれと同じ機能を有しその説明を割愛し、6e、6f、及び7eはそれぞれプーリ、ベルト、及びプーリである。プーリ6eは前記電動機6aに付属してプーリ7eは前記印刷ロール7aに付属し、これら2つのプーリ6eと7eは前記ベルト6fにより連結される。該ベルト6fはVベルト、平ベルト、又は歯付きベルトを使用することができる。
前記プーリ6e、7e、及びベルト6fによる前記電動機6aと前記印刷ロール7aとの減速比又は増速比は正の整数の逆数、或いは正の整数であっても良く、又、正の実数であっても良く、前記位置速度設定器3が出力する回転速度と回転位置に追従して前記印刷ロール7aの同期制御を可能とする。前記図1のときと同様に減速比は前記(1)式となる。又、前記図1では歯車を用いていたが、本実施例では以上の説明の通りベルトを用いており、これにより前記印刷ロール7a及び前記電動機6aの設置が容易となると共に設置費用も安価とすることができる。
図3において、前記回転速度設定信号検出器4aは前記回転位置速度設定器3が送信する信号から前記印刷ロール7aに対する前記回転速度設定信号a3(図示せず)を検出する。
減速比を前記(1)式の(1/r)とすれば、回転速度設定信号検出器4aは前記(3)式で示す前記電動機6aに対する前記回転速度設定信号a4を演算し出力する。
ここで、前記入り切りアンプ4mがオフのとき前記加算器4hの出力は前記回転速度偏差ΔSのみとなって前記電動機6aは速度制御にて駆動され、前記回転速度フィードバック信号a2は前記回転速度設定信号a4に等しくなるよう制御される。
一方、前記印刷ロール7aは前記電動器6aと前記プーリ6e、プーリ7e、及びベルト6fに依り連結しており、該ベルト6fの伸び及び該ベルトと前記プーリ6e、7e間の滑りにより、前記印刷ロール7aは所定の回転速度より遅く回転することとなる。すなわち、前記印刷ロール7aの回転速度フィードバック信号をa5とすれば次の(4)式の通りとなる。
[前記印刷ロール7aの回転速度フィードバック信号a5]<[前記印刷ロール7aに対する回転速度設定信号a3]…(4)式
なお、該回転速度フィードバック信号a5は図3の位置検出用ロータリーエンコーダ7dより検出し得るが、本発明では検出している信号では無く説明の為の信号である。
次に、図4と図5に依り前記図3の同期制御について説明を行う。
図4は前記図3において前記入り切りアンプ4mがオフのときの前記同期制御装置4の動作を説明する図であり、図5は該入り切りアンプ4mがオンするときの前記同期制御装置4の動作を説明する図である。以下、図4より順次説明を行う。
図4(a)においてY軸は回転位置であり、前記図3の印刷ロール7aに対する前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2の時間的推移を、それぞれ図中の実線c1及び点線c2で示す。
前記(4)式で示した通り、前記印刷ロール7aの回転速度フィードバック信号a5は前記印刷ロール7aに対する回転速度設定信号a3より小さい為、図4(a)で示す通り前記回転位置フィードバック信号c2の1回転の周期は前記回転位置設定信号c1の周期より長くなる。
前記回転位置偏差ΔPは前記加減算器4fにより次の(5)式で演算するもので、時刻t1、t2、及びt3における回転位置偏差ΔPt1、ΔPt2、及びΔPt3は(6)式のとおり時間と共にプラス方向に大きくなる。これを換言すれば、前記回転位置速度設定器3の回転位置設定信号c1が前記印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号c2より進みのとき前記回転位置偏差ΔPの極性はプラスとなる。
[回転位置偏差ΔP]=[回転位置設定信号c1]−[回転位置フィードバック信号c2]…(5)式
(ΔPt1)<(ΔPt2)<(ΔPt3)…(6)式
図4(b)は前記回転位置偏差ΔPの時間的推移を示し、時間の経過と共に該回転位置偏差ΔPが増大する上記(6)式の様相を時間の経緯と共に連続して模擬的に表すものである。
このように、前記入り切りアンプ4mがオフのとき位置制御がオフとなり、前記電動機6aは速度制御のみで駆動され、前記電動機6aとベルトで結合されている前記印刷ロール7aはベルトの滑りに依り所定の回転速度より遅く回転し、前記回転位置偏差ΔPの時間的推移は前記図4(b)の如く時間と共にプラス方向に無限に増大することとなる。 図5により前記入り切りアンプ4mがオンしているときの前記同期制御装置4の動作の説明を行う。図5(a)は前記図4(a)と同様に前記印刷ロール7aに対する前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2の時間的推移をそれぞれ図中の実線c1及び点線c2で示す。
そして、時刻0から時刻t4において前記印刷ロール7aはベルトの滑りに依り所定の回転速度より遅く回転するので、前記回転位置フィードバック信号c2にて示す回転位置は前記回転位置設定信号c1にて示す回転位置より遅れるものである。又、図5(b)は前記図4の(b)と同様に前記回転位置偏差ΔPの時間的推移を示し、時刻0から時刻t4において前記回転位置偏差ΔPが増大することを示している。
ここで前記図3において説明した通り、前記(5)式による回転位置偏差ΔPは前記回転位置偏差アンプ4gにより前記補正後回転位置偏差GΔPに変換され、前記入り切りアンプ4mがオンしているとき、該入り切りアンプ4mを経由して前記加算器4hに入力される。
そして前記加算器4hは、前記回転速度偏差ΔSと前記補正後回転位置偏差GΔPを加算して前記演算増幅器4jに入力し、該演算増幅器4jはPI制御を行うもので次の(7)式が成立するよう前記駆動装置5を駆動する。
ΔS+GΔP≒0…(7)式
ここで、ΔS+GΔP=0とすると(7)式は(8)式に置き換えることができる。
a4−a2+GΔP=0
[回転速度フィードバック信号a2]=[回転速度設定信号a4]+[補正後回転位置偏差GΔP]…(8)式
上記(8)式を説明すれば、前記ベルト6fに依る滑りがあっても、前記回転位置速度設定器3が送信する回転速度設定信号に依る速度で前記印刷ロール7aを駆動する為には、前記電動機6aを前記補正後回転位置偏差GΔPに依る補正分だけ増速して駆動すれば良いことを示している。
そして、前述のとおり前記図5(a)の時刻t4以前において、前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2の位相ずれは時間と共に大きくなり、前記図4(b)で示すとおり回転位置偏差ΔPがプラス方向に大きくなる。
該回転位置偏差ΔPは比例ゲインGが乗じられて前記補正後回転位置偏差GΔPとなり、ベルトの滑りとして前記(8)式により前記電動機6aを増速させる。そして、前記図5(b)の時刻t4における前記回転位置偏差がΔPa4(前記補正後回転位置偏差で表すとGΔPa4)のとき、ベルトの滑りが前記補正後回転位置偏差GΔPa4と等価となり、時刻t4以降は前記回転位相偏差がΔPa4と一定の値となる。かかるΔPa4は滑り位置補正と言うべきものであって、該滑り位置補正ΔPa4は前記回転速度設定信号a4に対応するものである。
以上のように、前記図3の前記入り切りアンプ4mがオフのときは、前記図4(b)に示すとおり前記回転位置偏差ΔPは時間の経過と共に無限に増大するが、前記入り切りアンプ4mがオンのときは、前記図5(b)に示すとおり前記回転位置偏差ΔPは或る時刻t4以降は前記滑り位置補正ΔPa4と一定の値となる。そして、前記(8)式は次に示す(9)式の通りとなり、該(9)式の補正後回転位置偏差GΔPa4はベルトの滑り量を表し、該補正後回転位置偏差GΔPa4により定量的及び明確にベルトの滑り量の検出を可能とした。
[回転速度フィードバック信号a2]=[回転速度設定信号a4]+[補正後回転位置偏差GΔPa4]…(9)式
そして、前記印刷ロール7aは前記図5の時刻t4以降においては、前記回転位置速度設定器3が出力する回転速度設定信号a3(前記電動機6aに対しては前記回転速度設定信号a4)に精度良く等しい速度で回転し、回転位置については回転位置設定信号(前記回転位置設定信号c1)から滑り位置補正ΔPa4だけ遅れて回転するものである。
図6は本発明の実施例の構成を説明する図であり、図7、図8及び図9は図6の実施例の動作を説明する図である。図6において前記図3と同じ符号を付すものはそれと同じ機能を有しその説明を割愛し、4n、4p、及び4qはそれぞれベルト補償器、入り切りアンプ、及び加算器である。
ここで、前記図3において前記加減算器4fが前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2を加減算した結果を回転位置偏差ΔPとしているが、図6においては回転位置偏差ΔXとするものである。そして加算器4qは次の(10)式に示すとおり、前記回転位置偏差ΔXと後述する前記入り切りアンプ4Pが出力する滑りキャンセレーション信号1ΔY1を加算して回転位置偏差ΔPを生成し、前記回転位置偏差アンプ4gと前記ベルト補償器4nへ出力する。
[回転位置偏差ΔP]=[回転位置偏差ΔX]+[滑りキャンセレーション信号1ΔY1]…(10)式
図6の前記ベルト補償器4nは前記マイクロプロセッサ4kからの指令により、前記回転位置偏差ΔPを入力して移動平均、又はサンプリングなどの遅延処理を行って滑りキャンセレーション信号1ΔY1を出力するものであり、該ベルト補償器4nの構成例については後述する。
そして、前記入り切りアンプ4Pの入力aには前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1が入力され入力bには値ゼロが入力され、該入り切りアンプ4pは前記マイクロプロセッサ4kによりオン、オフされる。入り切りアンプ4pがオフのときは、入り切りアンプ4pの入力bよりゼロが出力cに出力され、オンのときは入力aの前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1が出力cに出力されて前記加算器4qに入力される。ここで通常、前記入り切りアンプ4mをオンとして前記同期制御装置4が同期制御を開始した後、前記入り切りアンプ4pをオンとする。
前記ベルト補償器4nは周知の移動平均、又はサンプリングなどの遅延処理を用いて実現され得るもので図7に移動平均に依る構成の一例を示す。
図7において4nは前記図6における前記ベルト補償器4nであり、ΔPは前記回転位置偏差ΔPであり、4n1は前記マイクロプロセッサ4kからのサンプリング指令の入力であり、ΔY1は前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1である。
ここで、前記サンプリング指令4n1は図7の4n2に示すとおり前記マイクロプロセッサ4kからパルスが周期的に送出される信号である。又、4n3、4n4、及び4n5はそれぞれm個の選択スイッチ、m個のメモリ0からメモリ(m−1)からなるリングメモリ、及び平均演算器を示す。
そして、前記回転位置偏差ΔPはm個の前記選択スイッチ4n3に入力され、前記マイクロプロセッサ4kからの前記サンプリング指令4n1により該m個の前記選択スイッチ4n3が周期的に順次1個ずつオンされ、対応する前記リングメモリ4n4(m個目のメモリ(m−1)の次は1個目のメモリ0に戻るリング形式である)に前記回転位置偏差ΔPが時間の経過とともに順次格納される。すなわち、前記メモリ0からメモリ(m−1)には最新のm回のサンプリングした前記回転位置偏差ΔPが格納され、これらのメモリ0からメモリ(m−1)は、前記平均演算器4n5により平均の演算がなされ滑りキャンセレーション信号1ΔY1として出力されることとなる。
このように前記ベルト補償器4nは、前記回転位置偏差ΔPを入力とし該回転位置偏差ΔPを例えば移動平均により遅延させた滑りキャンセレーション信号1ΔY1を出力するものである。
ここで、前記図6の前記(10)式により定まる前記回転位置偏差ΔPは前記図3の前記回転位置偏差ΔPと等しい値となるもので、前記入り切りアンプ4mがオンして前記同期制御装置4が同期制御を行っているとき、次の(11)式で示すとおり前記回転位置偏差ΔPは前記回転速度設定信号a4に対応して定まる前記滑り位置補正ΔPa4となる。[回転位置偏差ΔP]=[滑り位置補正ΔPa4]…(11)式
又、(11)式は前記(10)式より次の(12)式となる。
[回転位置偏差ΔP]=「滑り位置補正ΔPa4]=[回転位置偏差ΔX]+[滑りキャンセレーション信号1ΔY1]…(12)式
図8は上記(12)式を更に説明する図である。
図8(a)は前記回転速度設定信号a4がある値で一定のとき、前記印刷ロール7aに対する前記回転位置設定信号c1と前記回転位置フィードバック信号c2の時間的推移をそれぞれ図中の実線c1及び点線c2で示し、時刻t5迄は前記入り切りアンプ4mがオン、前記入り切りアンプ4pがオフであり、時刻t5以降は前記入り切りアンプ4m及び4pが共にオンとしている。
そして、前記図5の時刻t4と同様に前記図8(a)の時刻t4において、前記印刷ロール7aはベルトの滑りに依り設定の回転速度より遅く回転するので、前記回転位置フィードバック信号c2にて示す回転位置は、前記回転位置設定信号c1にて示す回転位置より遅れるものである。
そして、時刻t5において前記入り切りアンプ4pがオンすることにより、前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1の補正が加わり、前記電動機6aは増速するよう微調整され前記回転位置フィードバック信号c2は前記回転位置設定信号c1に時間の経緯と共に接近し、ついには時刻t6において回転位置が一致して回転することとなる。
図8(a)に対応して図8(b)は前記回転位置偏差ΔXと滑りキャンセレーション信号1ΔY1の時間的推移をそれぞれ図中の実線及び点線で示す図である。
時刻t5迄は前記入り切りアンプ4mがオンしており前記図5において説明したとおり、前記回転位置偏差ΔXは時刻t4において、前記電動機6aに対する前記回転速度設定信号a4から定まる滑り位置補正ΔPa4に等しくなる。
そして、時刻t5において前記入り切りアンプ4pがオンとなると共に前記ベルト補償器4nを機能させ、該ベルト補償器4nは前記回転位置偏差ΔP(前記回転速度設定信号a4に対応する滑り位置補正ΔPa4に等しい)を入力とし該回転位置偏差ΔPを遅延させた滑りキャンセレーション信号1ΔY1を出力する。
かようにして、滑りキャンセレーション信号1ΔY1は前記図8(b)において点線で示すとおり時間の経緯と共に増加して前記滑り位置補正ΔPa4に一致することとなり、一方、前記(12)式により前記回転位置偏差ΔXは減少し時刻t6においてついにはゼロとなり、前記回転位置フィードバック信号c2は前記回転位置設定信号c1に一致することとなる。
以上のようにして前記印刷ロール7aは精度の良い速度制御のみならず、前記回転位置設定信号c1に精密に追従する位置制御が実行され同期制御により駆動されることとなる。
すなわち前記図6の前記印刷ロール7aの駆動において、前記回転速度設定信号a4と前記速度検出用ロータリーエンコーダ6dが出力する回転速度フィードバック信号a2に依り速度制御を行って前記電動機6aを安定に駆動することをベースとする。
そして、位置制御については前記プーリ6e、7e、及び前記ベルト6fによる減速比又は増速比が正の整数に依るものであっても正の実数に依るものであっても、前記位置検出用ロータリーエンコーダ7dを印刷ロール7aに設けることに依り、前記回転位置フィードバック信号c2と前記回転位置設定信号c1の1回転当たりの最大回転位置Pmaxを同じとし、次の(13)式による前記回転位置偏差ΔXの演算を容易に可能として位置制御を行う。
ΔX=回転位置設定信号c1−回転位置フィードバック信号c2…(13)式
更に前記ベルト6fを使用するものであっても、前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1に依り前記ベルトの滑りや延びを補償して前記電動機6aを増速し、正確な位置制御を実現するものである。
本実施例では以上のような速度制御と位置制御を行って、前記前記印刷ロール7aの同期制御を精度良く行うことを可能とした。
図9は前記図6における前記回転速度設定信号a4と前記回転位置偏差ΔPの関係を模擬的に説明する図で、X軸は前記回転速度設定信号a4をrpmの単位で示し、Y軸は前記回転位置偏差ΔPを回転位置と同じ単位で示す。
これを更に説明すると、図9のY軸は前記印刷ロールの外周が1000mmで前記位置検出用ロータリーエンコーダの1回転の位置分解能が115,200のときの例であり、前記Y軸の前記回転位置偏差ΔPの200、400、及び600は前記位置分解能と同じ単位で表すものである。そして、該Y軸の200、400、及び600を長さに換算すると次の(14)式のとおりとなると共に、図9のY軸に示す1から5は(mm)の単位で併記するものである。
(1000mm/115,200)×600=5.208mm
(1000mm/115,200)×400=3.472mm
(1000mm/115,200)×200=1.736mm…(14)式
ここで前記(11)式にて示すとおり前記回転位置偏差ΔPは前記回転速度設定信号a4に対応して前記滑り位置補正ΔPa4となり、該滑り位置補正ΔPa4は前記図9(a)に示すとおり前記回転速度設定信号a4に対応して増減すると共に、前記ベルト6fの種類、張り具合や負荷の大小に依って異なり、例えば前記図9(a)は図9(b)に比較してベルトの張りが緩やかで滑りが大きい場合を示している。そして、前記(14)式で示すとおり前記滑り位置補正ΔPa4は長さに換算できるものである。
又、前記図9において示される前記滑り位置補正ΔPa4、すなわち前記回転位置偏差ΔPは、前記図6のベルト補償器4nにより遅延処理が行なわれて前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1となり、前記図9のY軸は該滑りキャンセレーション信号1ΔY1の補正量をも表すものである。ここで、前記図9のベルト6fはVベルトを用いて採取したデータを元に示す。
図10は本発明の実施例の構成を説明する図である。図11は図10の実施例の動作を説明するものであり、図10より説明を行う。
図10において前記図6と同じ符号を付すものはそれと同じ機能を有しその説明を割愛し、4r及び4sはそれぞれベルト補償パターン発生器及び加算器である。
ベルト補償パターン発生器4rは前記回転速度設定信号a4を入力とし該回転速度設定信号a4の増減に対応して、前記図9における前記滑り位置補正ΔPa4に近似するパターンの値である滑りキャンセレーション信号2ΔY2を出力する。そして、前記図9と同じく前記ベルト補償器4nの出力は前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1であり、前記加算器4sは該滑りキャンセレーション信号1ΔY1と前記滑りキャンセレーション信号2ΔY2を加算して(15)式のとおり新たな滑りキャンセレーション信号3ΔY3を出力するものである。
[滑りキャンセレーション信号3ΔY3]=[滑りキャンセレーション信号1ΔY1]+[滑りキャンセレーション信号2ΔY2]…(15)式
上記滑りキャンセレーション信号3ΔY3は前記入り切りアンプ4pの入力aに入力され、該入り切りアンプ4pが前記マイクロプロセッサ4kによりオンされると前記滑りキャンセレーション信号3ΔY3が出力cに出力されて前記加算器4qに入力される。
図11は前記(15)式を更に説明するもので、該図11においてX軸、Y軸、曲線(a)、及び曲線(b)は前記図9と同じでありその説明を割愛し、図11の(c)は前記ベルト補償パターン発生器4rが出力する前記滑りキャンセレーション信号2ΔY2の例を示す。
すなわち本実施例により前記ベルト6fの張り具合や負荷の大小に対し、運転中の前記回転位置偏差ΔPが前記図11の(a)及び(b)の如くであることを測定することが可能となり、前記回転速度設定信号a4の変化に対し該曲線(a)及び曲線(b)に近似して前記ベルト補償パターン発生器4rが出力する前記滑りキャンセレーション信号2ΔY2の特性を点線で示す図11の(c)のパターンの如くとする。
これにより、前記ベルト6fの特性が前記図11の(b)のとき、例えば1000rpmにおける前記図11の(b)は、前記滑りキャンセレーション信号2ΔY2に前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1を加えたものとなる。
以上のように、前記回転速度設定信号a4の変化に対応する前記滑りキャンセレーション信号2ΔY2を予めパターン化して定めてベルトの滑りを補償し、前記ベルト補償器4nが出力する前記滑りキャンセレーション信号1ΔY1の補償量を小さくすることにより、前記回転速度設定信号a4が変化中においても精度よく滑り位置補正を可能とすることができる。
図12は本発明の実施例の構成を説明する図である。また、図13は図12の実施例の動作を更に説明するものであり、図12より説明を行う。
図12において前記図10と同じ符号を付すものはそれと同じ機能を有しその説明を割愛し、4t、4u、及び4vはそれぞれ比較器、表示灯インターフェイス、及びベルト監視表示灯であり、4w及び4xはそれぞれ表示器インターフェイス及びベルト滑り表示器である。
表示器インターフェイス4wは前記回転位置偏差ΔPすなわち前記滑り位置補正ΔPa4を入力とし前記ベルト滑り表示器4xへ信号を出力する。これにより、該ベルト滑り表示器4xは前記滑り位置補正ΔPa4の値を常時表示し、前記ベルト6fの装着状態を経験や勘に頼ることなく数値データにより監視することが可能となる。
又、前記(14)式の例において、前記印刷ロールの外周が1000mmで前記位置検出用ロータリーエンコーダの1回転の位置分解能が115,200のとき、前記滑り位置補正ΔPa4が600は長さ5.208mmに換算される例を示した。かかる長さへ変換する機能を前記表示器インターフェイス4wが有することに依り、前記ベルト滑り表示器4xは滑りや延びの量を長さの単位で表示し、これにより前記ベルト6fの装着状態の監視をより平易なものとした。
又、前記比較器4tは端子1に入力する前記滑り位置補正ΔPa4と端子2に入力する予め定めた滑り基準値と比較し、前記滑り位置補正ΔPa4が該滑り基準値を超えたとき、前記表示灯インターフェイスを介して前記ベルト監視表示灯4vを点灯する。
図13は前記滑り基準値を説明するもので、該図13においてX軸、Y軸、曲線(a)、及び曲線(b)は前記図9と同じで説明を割愛し、(d)又は(e)で示す直線が前記比較器4tの端子2に入力する前記滑り基準値である。すなわち前記直線(d)の場合は前記滑り位置補正ΔPa4が該直線(d)に示す固定値を越えたとき、アラームとして前記ベルト監視表示灯4vを点灯する。
図13の前記直線(e)は、前記回転速度設定信号a4の変化に対応した前記滑り位置補正ΔPa4の特性を示す前記曲線(a)及び(b)に近似し、該直線(e)を前記比較器4tの端子2に入力することによりアラームの検出精度を向上させたものである。
このような前記ベルト監視表示灯4vや警報器を設置することにより、前記ベルト6fの装着状態を簡便に常時監視することを可能とした。
本発明によれば歯車装置を用いるときも減速比又は増速比が正の実数であっても同期制御を可能とし、同様にベルトを用いても減速比又は増速比が正の整数に依るものであっても正の実数であっても、ベルトの滑りを補償して同期制御を可能とした。
本発明は輪転印刷機、パターンパーフォレータなどの印刷二次加工装置、及び精密搬送装置に利用できるものであり、図14に本発明を輪転印刷機に適用する場合で、第1の印刷部、第2の印刷部、及び折り部より構成される例を示す。
該図14において回転位置速度設定器及び折り部を構成する1、2、3、31、4、5、6a、6b、及び7bは前記図1に同じ符号を付すものと機能は同じでその説明を割愛し6cはロータリーエンコーダ、91は折り機である。
そして、第1と第2の印刷部を構成する4、5、6a、6d、6e、6f、7d、及び7eは前記図3に同じ符号を付すものと機能は同じでその説明を割愛し、71、72、及び73はそれぞれ機械的に連結されたラインシャフト、伝達装置、及びサブシャフトで次に説明する印刷ユニットを駆動し、74a、74b、74c、及び74dはカラーの印刷を行う印刷ユニットで例えばイエロー、マゼンダ、シアン、及びブラックの各印刷ユニットであり、75及び76は版胴とブランケット胴である。
そして、81、82、及び83はそれぞれ給紙部、印刷紙、インフィードロールで、前記給紙部81から前記印刷紙82がインフィードロール83を経て前記印刷ユニット74aから74dに供給され、84及び85はアウトフィードロール及びドラッグロールで前記印刷紙81を前記折り機91に導く。
図14の第1の印刷部及び第2の印刷部において、前記電動機6aと前記ラインシャフト71は前記ベルト6fでカップリングし、本発明による前記同期制御装置4を用いて制御するものである。
本発明によれば、前記電動機6aと前記ラインシャフト71間の減速比又は増速比は正の実数であればよく選択が容易であるとともに、前記電動機6aの設置が歯車装置に比して簡単でコストも安価となる特徴がある。なお、折り部は裁断機や折り畳み機構を有して負荷変動が大きいので歯車装置で構成する例としている。そして、第1の印刷部、第2の印刷部、及び折り部はお互いのページを揃え、裁断、折り畳む必要があるので、前記回転位置速度設定器3に精度良く追従して同期制御が実施されるものである。
本発明の前提となる装置の構成を示す図である。 図1の装置の同期制御の動作を説明する図である。 本発明の実施例を示す図である。 図3の実施例の同期制御の動作を説明する図−その1である。 図3の実施例の同期制御の動作を説明する図−その2である。 本発明の実施例を示す図である。 図6に記載のベルト補償器4nの構成例である。 図6の実施例2の同期制御の動作を説明する図−その1である。 図6の実施例の動作を説明する図−その2である。 本発明の実施例を示す図である。 図10の実施例の動作を説明する図である。 本発明の実施例を示す図である。 図12の実施例の動作を説明する図である。 本発明を輪転印刷機に適用した例を示す図である。 従来の輪転印刷機の例を示す図である。 従来の同期制御を説明する図である。 従来の同期制御の動作を説明する図である。
符号の説明
1 主電源
2 開閉器
3 回転位置速度設定器
31 通信回線
4 同期制御装置
4a 回転速度設定信号検出器
4b 回転速度フィードバック信号検出器
4c 加減算器
4d 回転位置設定信号検出器
4e 回転位置フィードバック信号検出器
4f 加減算器
4g 回転位置偏差アンプ
4h 加算器
4j 演算増幅器
4k マイクロプロセッサ
4m 入り切りアンプ
4n ベルト補償器
4n1 サンプリング指令
4n2 サンプリング指令
4n3 選択スイッチ
4n4 リングメモリ
4n5 平均演算器
4p 入り切りアンプ
4q 加算器
4r ベルト補償パターン発生器
4s 加算器
4t 比較器
4u 表示灯インターフェィス
4v ベルト監視表示灯
4w 表示器インターフェィス
4x ベルト滑り表示器
5 駆動装置
6a 電動機
6b 歯車装置
6c ロータリーエンコーダ
6d 速度検出用ロータリーエンコーダ
6e プーリ
6f ベルト
7a 印刷ロール(又は出力ロールと呼称する)
7b 歯車装置
7d 位置検出用ロータリーエンコーダ
7e プーリ
71 ラインシャフト
72 伝達装置
73 サブシャフト
74a 印刷ユニット(イエロー)
74b 印刷ユニット(マゼンダ)
74c 印刷ユニット(シアン)
74d 印刷ユニット(ブラック)
75 版胴
76 ブランケット胴
81 給紙部
82 印刷紙
83 インフィードロール
84 アウトフィードロール
85 ドラッグロール
91 折り機
a1 電動機6aに対する回転速度設定信号
a2 電動機6aの回転速度フィードバック信号
a3 印刷ロール7aに対する回転速度設定信号(図示せず)
a4 電動機6aに対する回転速度設定信号
b1 電動機6aに対する回転位置設定信号
b2 電動機6aの回転位置フィードバック信号
c1 印刷ロール7aに対する回転位置設定信号
c2 印刷ロール7aの回転位置フィードバック信号
G 比例ゲイン
GΔP 補正後回転位置偏差GΔP
ΔP 回転位置偏差
ΔPa4 滑り位置補正
ΔS 回転速度偏差
ΔX 回転位置偏差
ΔY1 滑りキャンセレーション信号1
ΔY2 滑りキャンセレーション信号2
ΔY3 滑りキャンセレーション信号3

Claims (6)

  1. 出力ロールと、該出力ロールを駆動する電動機と、出力ロールの回転速度と回転位置を設定する回転位置速度設定器と、上記電動機を駆動制御する同期制御装置と、同期駆動装置で構成され、
    上記同期制御装置には上記回転位置速度設定器が出力する回転速度設定信号と回転位置設定信号が入力され、上記出力ロールの回転速度信号と回転位置信号が上記回転速度設定信号と回転位置設定信号に一致するように上記電動機を駆動制御して、出力ロールの同期制御をする同期制御システムであって、
    前記電動機の回転軸と出力ロールの回転軸にはそれぞれプーリが付属され、該電動機と出力ロールのプーリはベルトにより結合され、
    前記電動機には速度検出用ロータリーエンコーダが付属され、該速度検出用ロータリーエンコーダが出力する電動機の回転速度に対応した信号は、回転速度フィードバック信号として前記同期制御装置に入力され、
    前記出力ロールには位置検出用ロータリーエンコーダが付属され、該位置検出用ロータリーエンコーダが出力する出力ロールの回転位置に対応した信号は、回転位置フィードバック信号として前記同期制御装置に入力され、
    前記同期制御装置は、前記電動機と出力ロールの間に設けられた上記ベルトとプーリに依る減速比または増速比と上記回転速度設定信号とから上記電動機の回転速度設定信号を求める手段と、
    該電動機の回転速度設定信号と上記回転速度フィードバック信号との差である回転速度偏差を求めるとともに、上記回転位置設定信号と回転位置フィードバック信号との差である回転位置偏差を求める手段と、
    上記回転位置偏差を周期的にサンプリングして平均値を演算することにより、上記プーリとベルトによる滑りを補償する第1のすべりキャンセレーション信号を生成する手段と、該第1のすべりキャンセレーション信号と前記回転位置偏差とを演算して新たな回転位置偏差を生成する手段と、
    上記回転速度偏差と、上記新たな回転位置偏差とに基づき上記電動機の駆動信号を求める手段を備える
    ことを特徴とする同期制御システム。
  2. 前記電動機と出力ロール間に設けられた前記ベルトとプーリに依る減速比または増速比は正の整数の逆数、または、正の実数である
    ことを特徴とする請求項記載の同期制御システム。
  3. 前記同期制御装置は、前記電動機の回転速度設定信号を入力とするベルト補償パターン発生器を備え、該ベルト補償パターン発生器は、
    前記回転速度設定信号に応じて定まる、滑り位置補正信号に対応した予め設定したパターンの値である第2のすべりキャンセレーション信号を出力するものであり、
    該第2のすべりキャンセレーション信号と、前記第1のすべりキャンセレーション信号とを演算して第3のすべりキャンセレーション信号を生成し、該第3のすべりキャンセレーション信号と前記回転位置偏差とを演算して新たな回転位置偏差を生成する
    ことを特徴とする請求項1または2記載の同期制御システム。
  4. 前記新たな回転位置偏差から得た補正量に基づき、ベルトの滑りや延びを数値で示すベルトすべり表示器を備えた
    ことを特徴とする請求項1,2または請求項記載の同期制御システム。
  5. 上記ベルトすべり表示器は、前記補正量を長さの単位を有する数値に変換し、ベルトの滑りや延びを長さの単位で表示する
    ことを特徴とする請求項記載の同期制御システム。
  6. 前記新たな回転位置偏差から得た補正量と、すべり基準値を比較する比較器と、該比較器の出力により動作し、ベルトのすべりや延びが過大になったことを表示する監視表示灯を備えた
    ことを特徴とする請求項1,2,3,4または請求項記載の同期制御システム。
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