JP4557023B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

この発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
プリンタ、複写機等の画像形成装置としては、現像剤で現像されて形成される未定着の像を用紙等の記録媒体に転写し、その未定着の像が転写された記録媒体を定着装置で定着することにより、文字、図形、模様、写真画等からなる画像を形成するものがある。また、このような画像形成装置で使用される定着装置としては、次のように構成されるものが存在する。
その定着装置とは、加熱手段により加熱されて回転するロール形態等の加熱回転体と、その加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して未定着の像が保持された記録媒体を通過させる定着処理部を形成しつつ回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体とを有し、その加熱回転体と加圧回転体との間に形成される定着処理部に対し未定着像が保持された記録媒体を導入して通過させることにより、その未定着像を加熱加圧して記録媒体に定着させるものである。加圧回転体は、一般に圧縮ばね等の力を利用した押付け機構により加熱回転体に押し付けられている。
このような定着装置及びこれを用いた画像形成装置においては、その定着を行ったときに記録媒体に皺が発生することがある。このため、その定着時に記録媒体の皺が発生することを防止する対策を施している定着装置等が知られている(特許文献1など)。特許文献1に記載の定着装置では、加圧部材を保持してその加圧部材を加熱部材に圧接させる方向に圧縮ばねで加圧して押し付けるように移動する加圧レバーをカムの回転により移動させて圧縮ばねを圧縮させた状態に保持し、これにより加圧部材の加圧力を調整している。具体的には、加熱部材に対する加圧部材の加重を小さくしている。
特開2007−25571号公報
この発明は、加圧回転体を加熱回転体に押し付ける押付け機構のばねが及ぼす状態(ひいては影響)を簡単に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を防止された定着を行うことができる定着装置を提供するとともに、定着時における記録媒体の皺の発生が防止された画像形成を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
この発明(A1)の定着装置は、
加熱手段により加熱されて回転する加熱回転体と、
前記加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して未定着の像が保持された記録媒体を通過させる定着処理部を形成しつつ回転する加圧回転体と、
前記加圧回転体の回転軸方向の両端部側に配分して複数ずつ設置されるばねを利用して、その加圧回転体を前記加熱回転体に押し付ける押付け機構と、
前記押付け機構における各複数のばねのうち選択された組み合わせのばねをその力が及ぶ状態に保持する第一押付け状態と第一押付け状態で選択した以外の組み合わせのばねをその力が及ぶ状態に保持する第二押付け状態に切り替える切替え機構と
を有するものである。
この発明(A2)の定着装置は、
加熱手段により加熱されて回転する加熱回転体と、
前記加熱回転体に回転軸方向に沿う表面部分に接触して未定着の像が保持された記録媒体を通過させる定着処理部を形成する加圧回転体と、
前記加圧回転体の回転軸方向の両端部側に配分して複数ずつ設置されるばねを利用して、その加圧回転体を前記加熱回転体に押し付ける押付け機構と、
前記押付け機構における各複数のばねをそのばね定数を並列として及ぼす状態に保持する第一押付け状態とその各複数のばねをそのばね定数を直列として及ぼす状態に保持する第二押付け状態に切り替える切替え機構と
を有するものである。
この発明(A3)の定着装置は、上記発明A1又はA2の定着装置において、前記切替え機構が、前記押付け機構における各複数のばねの力が前記加圧回転体に及ばない状態に保持する第三押付け状態に切り替えるものである。
この発明(A4)の定着装置は、上記発明A1又はA3の定着装置において、
前記押付け機構が、前記加圧回転体の両端部を支持するとともに、前記定着処理部を挟んで記録媒体の導入側となる部位を固定支持材に第一軸を介して取り付けた状態で前記加熱回転体と接近及び離間する状態となるように揺動する一対の揺動支持材と、その各揺動支持材の揺動する自由端側の部位を当該各揺動支持材が前記加熱回転体と接近する側に揺動するように押し付ける状態で設置されるとともに、前記第一軸との距離が異なる位置に配分して設置される複数のばねとで構成されており、
前記切替え機構が、前記第一押付け状態時には、前記各揺動支持材を前記各複数のばねの全部が圧縮した状態となる位置まで揺動させて保持する一方、前記第二押付け状態時には、その各揺動支持材のうち前記第一軸からの距離が相対的に遠い位置に設置されているばねが自由長の状態となる位置まで揺動させて保持する揺動保持機構で構成されているものである。
この発明(A5)の定着装置は、上記発明A2又はA3の定着装置において、
前記押付け機構が、前記加圧回転体の両端部を支持するとともに、前記定着処理部を挟んで記録媒体の導入側となる部位を固定支持材に第一軸を介して取り付けた状態で前記加熱回転体に接近及び離間する状態となるように揺動する一対の揺動支持材と、その各揺動支持材の揺動する自由端側の部位を当該各揺動支持材が前記加熱回転体と接近する側に揺動するように押し付ける状態で並べて設置される複数のばねとで構成されており、
前記切替え機構が、前記第一押付け状態時には、前記各複数のばねの全体を所定の圧縮量に圧縮させた第一の圧縮状態に保持する一方、前記第二押付け状態時には、その各複数のばねの全体が第1の圧縮状態よりも少ない圧縮量で圧縮された第二の圧縮状態に保持する圧縮変更機構で構成されているものである。
この発明(A6)の定着装置は、上記発明A4の定着装置において、
前記切替え機構が、前記第三押付け状態時には、前記切替え機構の揺動保持機構により前記押付け機構の各揺動支持材を揺動させてその支持材の一部を固定支持材に突き当てて、当該各揺動支持材の前記加熱回転体と接近する側への揺動を停止させる状態に保持するものである。
この発明(A7)の定着装置は、上記発明A5の定着装置において、
前記切替え機構が、前記第一押付け状態時には、前記各揺動支持材を前記各複数のばねの全体が前記第一の圧縮状態となる位置まで揺動させて保持する一方、前記第二押付け状態時には、その各揺動支持材をその各複数のばねの全体が前記第二の圧縮状態となる位置まで揺動させて保持する揺動保持機構を備えており、
かつ、前記第三押付け状態時には、前記揺動保持機構により前記押付け機構の各揺動支持材を揺動させてその支持材の一部を固定支持材に突き当てて、当該各揺動支持材の前記加熱回転体と接近する側への揺動を停止させる状態に保持するものである。
この発明(A8)の定着装置は、上記発明A4又はA6の定着装置において、
前記加圧回転体が、前記加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルトと、前記無端ベルトをその内周面側から前記加熱回転体の当該表面部分に押し当てて定着処理部を形成する、弾性部材の押当て部及び非弾性部材の押当て部が設けられた押当て体と、前記無端ベルトを回転自在に支持するとともに前記押当て体を支持する押当て支持材とで構成されており、
かつ、前記加圧回転体の押当て支持材を支持するとともに、前記押付け機構の第一揺動支持材に第二軸を介して取り付けた状態でその押当て支持材に支持された前記押当て体の前記無端ベルトを前記加熱回転体に押し当てる部分が変更されるように揺動する第二揺動支持材を有し、
かつ、前記切替え機構の揺動保持機構が、前記押付け機構の第一揺動支持材に回転自在に取り付けられるとともに、前記第二揺動支持材に接触してその第二揺動支持材を前記押当て体が前記加熱回転体と接近する側に移動する方向に揺動させる状態で配置されており、その第一揺動支持材を前記第一押付け状態時の位置と前記第二押付け状態時の位置に揺動させて保持すると同時に、その第二揺動支持材を前記押当て体の押当て部分が変更される位置に揺動させて保持するカムで構成されているものである。
この発明(A9)の定着装置は、上記発明A5又はA7の定着装置において、
前記加圧回転体が、前記加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルトと、前記無端ベルトをその内周面側から前記加熱回転体の当該表面部分に押し当てて定着処理部を形成する、弾性部材の押当て部及び非弾性部材の押当て部が設けられた押当て体と、前記無端ベルトを回転自在に支持するとともに前記押当て体を支持する押当て支持材とで構成されており、
かつ、前記加圧回転体の押当て支持材を支持するとともに、前記押付け機構の第一揺動支持材に第二軸を介して取り付けた状態でその押当て支持材に支持された前記押当て体の前記無端ベルトを前記加熱回転体に押し当てる部分が変更されるように揺動する第二揺動支持材を有し、
かつ、前記切替え機構の圧縮変更機構が、前記押付け機構における各複数のばねの一端部に接触して各ばねを圧縮させる方向及び伸張させる方向に変位する圧縮調整部材で構成されているものである。
この発明(A10)の定着装置は、上記発明A9の定着装置において、
前記切替え機構が、前記第一押付け状態時には、前記各揺動支持材を前記各複数のばねの全体が前記第一の圧縮状態となる位置まで揺動させて保持する一方、前記第二押付け状態時には、その各揺動支持材の全体が前記第二の圧縮状態となる位置まで揺動させて保持する揺動保持機構を備えており、
かつ、前記切替え機構の揺動保持機構が、前記押付け機構の第一揺動支持材に回転自在に取り付けられるとともに、前記第二揺動支持材に接触してその第二揺動支持材を前記押当て体が前記加熱回転体と接近する側に移動する方向に揺動させる状態で配置されており、その第一揺動支持材を前記第一押付け状態時の位置と前記第二押付け状態時の位置に揺動させて保持すると同時に、その第二揺動支持材を前記押当て体の押当て部分が変更される位置に揺動させて保持するカムで構成されているものである。
この発明(A11)の定着装置は、上記発明A8又はA9の定着装置において、
前記切替え機構のカムが、前記第一揺動支持材を前記第二押付け状態時の位置に揺動させて保持すると同時に、前記第二揺動支持材を前記押当て体の弾性部材の押当て部が単独で前記無端ベルトを押し付ける状態に揺動させて保持するものである。
この発明(A12)の定着装置は、上記発明A1又はA2の定着装置において、前記切替え機構が、前記記録媒体が封筒状物であるときに第二押付け状態に切り替えるものである。
また、この発明(A13)の画像形成装置は、未定着の像を形成して記録媒体に転写する作像装置と、前記作像装置で転写された未定着の像を記録媒体に定着する定着装置とを有し、前記定着装置が上記発明A1〜A12のいずれかの定着装置であるものである。
上記発明A1の定着装置によれば、その構成を有しない場合に比べて、加圧回転体を加熱回転体に押し付ける押付け機構のばねが及ぼす状態を容易に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生が防止された定着を行うことができる。
上記発明A2の定着装置によれば、その構成を有しない場合に比べて、加圧回転体を加熱回転体に押し付ける押付け機構のばねが及ぼす状態を簡単に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を防止することができる。
上記発明A3の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、例えば定着処理部に詰まった状態にある記録媒体を除去する作業を容易に行うことができる。
上記発明A4の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、押付け機構のばねが及ぼす状態を容易に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を容易に防止することができる。
上記発明A5の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、押付け機構のばねが及ぼす状態を簡単に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を容易に防止することができる。
上記発明A6の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、容易に第三押付け状態に切り替えて保持することができる。
上記発明A7の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、容易に第三押付け状態に切り替えて保持することができる。
上記発明A8の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、ベルト形態の加圧回転体であるにもかかわらず、押付け機構のばねが及ぼす状態を容易に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を防止した定着を行うことができる。
上記発明A9の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、ベルト形態の加圧回転体であるにもかかわらず、押付け機構のばねが及ぼす影響を簡単に変更することができ、定着時における記録媒体の皺の発生を防止した定着を行うことができる。
上記発明A10の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、押付け機構のばねが及ぼす影響をさらに簡単に変更することができ、定着時における記録媒体の皺が発生することをさらに安定して防止することができる。
上記発明A11の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、定着時における記録媒体の皺が発生することをさらに安定して確実に防止することができる。
上記発明A12の定着装置では、その構成を有しない場合に比べて、定着時において記録媒体である封筒に皺が発生することを防止することができる。
上記発明A13の画像形成装置では、その構成を有しない場合に比べて、定着時における記録媒体の皺の発生が防止された画像形成を行うことができる。
[第1の実施形態]
図1は、この発明の第1の実施形態に係る画像形成装置1(及び定着装置4)を示すものである。
画像形成装置1は、図示していない筐体の内部に、画像情報に基づく未定着のトナー像を形成するとともにそのトナー像を最終的に用紙等の記録媒体10に転写する作像装置2と、記録媒体10を収容するとともに作像装置2に搬送して供給する給紙装置3と、作像装置2で転写されたトナー像を記録媒体10に定着する定着装置4とを主に装備している。図中の矢付き一点鎖線は、記録媒体10の主な搬送経路を示す。
作像装置2は、例えば公知の電子写真方式等を利用してトナー像を形成して転写することができるものである。具体的には、矢印方向に回転する感光ドラム12を備えており、感光ドラム12の周囲に、感光ドラム12の表面(像保持面)を帯電させる帯電装置13と、感光ドラム12の帯電された表面に画像情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置14と、その感光ドラム12上の静電潜像を現像剤としてのトナーにより現像してトナー像にする現像装置15と、そのトナー像を給紙装置3から供給される記録媒体10に転写する転写装置16と、転写後の感光ドラム12の表面に残留するトナー等を除去して清掃する清掃装置17とが主に配置されている。
例えば、感光ドラム12としては、円筒状の基体に有機感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。帯電装置13としては、感光ドラム12の表面に接触して回転する帯電ロールに所定の帯電電圧を印加して帯電を行う接触帯電方式のものが使用される。露光装置14としては、LED(発光ダイオード)式記録ヘッド、半導体レーザ走査装置等で構成されるものが使用される。露光装置14には、画像形成装置1に装備又は接続(有線や無線で接続)される画像読取装置又は記憶媒体読取装置や、コンピュータ等の画像作成元となる外部機器から入力される画像情報を図示しない画像処理装置で所要の処理をした後に得られる画像信号が入力されるようになっている。
現像装置15としては、所定の色のトナーを含む現像剤(一成分現像剤、二成分現像剤など)が帯電した状態で、現像電圧が印加される現像ロール15aを介して感光ドラム12の表面に供給されるものが使用される。転写装置16としては、感光ドラム12の表面に接触して回転する転写ロールに所定の転写電圧を印加して転写を行う接触方式のものが使用される。
給紙装置3は、作像装置2に供給すべき複数枚の所定サイズ等の記録媒体10を積み重ねた状態で収容する収容カセット31と、この収容カセット31に収容される記録媒体10を1枚ずつ送り出して搬送する送出装置32とを主に備えている。収容カセット31は、必要により複数装備される。また、給紙装置3は、記録媒体10を収容カセット31から作像装置2の転写部(感光ドラム12と転写装置16との間)まで搬送するための複数の搬送ロール対33,34,…や搬送案内材等で構成される給紙用の用紙搬送路と接続されている。用紙搬送ロール対34は、搬送される記録媒体10の先端部を一時的に停止させた後、所定の送り出しタイミングが到来した時点で駆動して送り出すための搬送時期調整ロール対として構成されている。用紙搬送路は、作像装置2と定着装置4の間などにも設置されている。
定着装置4は、筐体40の内部に、加熱手段によって表面温度が所定の温度に保持されるように加熱されるとともに矢印方向に回転するロール形態の加熱回転体5と、加熱回転体5の回転軸方向にほぼ沿う表面部分に所定の圧力で接触して圧接部(定着処理部)NPを形成しつつ回転するベルト形態の加圧回転体6とを設置したものである。図1中の符合39は、定着後の記録媒体10を定着装置4から排出する排出ロール対である。なお、定着装置4の詳細については後述する。
このような画像形成装置1は、画像形成時になると、次のように作動する。
まず、作像装置2において、感光ドラム12が回転し始め、その回転する感光ドラム12の表面が帯電装置13により所定の帯電電位に帯電された後、その帯電された感光ドラム12の表面に露光装置14から画像信号に基づく光が照射されて所定の潜像電位からなる静電潜像が形成される。続いて、その静電潜像が感光ドラム12の回転に伴って移動して現像装置15を通過する際に、その潜像部分に現像装置15の現像ロール15aから供給されるトナーが静電的に付着することでトナー像として現像される。しかる後、感光ドラム12上のトナー像が、転写装置16と対向する転写位置において、給紙装置3から送り出されて搬送される記録媒体10に静電的に転写される。トナー像の転写が終了した後の感光ドラム12は、その表面が清掃装置17によって清掃される。
次いで、作像装置2において未定着のトナー像が形成された記録媒体10は、定着装置4に搬送され、加熱回転体5と加圧回転体6との圧接部NPに導入される。これにより、定着装置4では、記録媒体10が圧接部NPに挟まれた状態で搬送されて通過し、その際に未定着のトナー像が加熱加圧されて記録媒体10に定着される。定着後の記録媒体10は、定着装置4から排出された後に排出ロール対39等により搬送されて図示しない排出収容部に送られる。
画像形成装置1は、画像を形成する対象物となる記録媒体10として、用紙、厚紙、透明性シート、はがき等のシート状の記録媒体の他に、封筒に代表されるような袋形態になっている封筒状物を使用することもできる。封筒状物の記録媒体10は、給紙装置3の給紙カセット31に収容して画像形成時に給紙用の用紙搬送路を通して作像装置2の転写位置に搬送されるか、あるいは、図1に示すように手差しトレイ35に収容して画像形成時に送出装置36により給紙用の用紙搬送路に合流させて作像装置2の転写位置に搬送される。また、この画像形成装置1においては、記録媒体10として封筒状物を使用して画像形成を行う際に、皺の発生のない良好な定着を可能にするため定着装置4等に後述するような構成を採用している。
次に、定着装置4の詳細について説明する。
定着装置4は、図2や図3に示すように、前記したロール形態の加熱回転体5及びベルト形態の加圧回転体6に加えて、加圧回転体6を加熱回転体5に押し付ける押付け機構7と、押付け機構7の押付け状態を切り替える切替え機構8を備えている。
ロール形態の加熱回転体5は、加熱ロール51と、加熱ロール51を加熱する加熱源52と、加熱ロール51をその両端部において回転自在に支持する加熱支持フレーム53とで主に構成されている。
加熱ロール51は、定着対象となる記録媒体10の最大搬送幅よりも大きい寸法の長さを有する金属製の円筒基材の表面に、弾性層と離型層をこの順で形成したものである。また、加熱ロール51は、その両端部がベアリング式の軸受け54を介して支持フレーム53に取り付けられており、そのロールの一端部に取り付けられたギア55に対して画像形成装置1本体側に配置された回転駆動部からの回転動力が伝達されて所定の速度で回転駆動する。加熱源52は、例えば、加熱ロール51の円筒内部に設置される2本のハロゲンランプで構成されており(図3)、その両端部が定着装置4の筐体40に支持されている。さらに、加熱ロール51は、そのロール表面の温度が図示しない温度検知器により検知され、その検知情報に基づいて加熱源52の加熱動作が制御されることにより所定の温度に保たれる。
加熱支持フレーム53は、加熱回転体5と加圧回転体6とで形成される圧接部NPを挟んで記録媒体10の導入側となる部位53aの内面側に第一支持軸56が設けられているとともに、その圧接部NPを挟んで記録媒体の排出側となる部位53bに押付け機構7と組み合わせて使用されるばね支持面部57が形成されている。ばね支持面部57は、支持フレーム53の内側に折り曲げられて形成されている。この加熱支持フレーム53は、定着装置4の筐体40に固定された状態で取り付けられる。
ベルト形態の加圧回転体6は、加熱ロール51の回転軸方向A(図2)に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルト61と、無端ベルト61をその内周面側から加熱ロール51の当該表面部分に押し当てて圧接部NPを形成する押当て体62と、無端ベルト61を回転自在に支持するとともに押当て体62を支持する押当て支持材63とで主に構成されている。
無端ベルト61は、加熱ロール51の長さとほぼ同じ寸法の幅を有する円筒状のベルトである。無端ベルト61としては、ポリイミド等の合成樹脂にて薄肉の円筒状に形成されるベルト基材の表面に、フッ素系樹脂等からなる離型層を形成したものが使用される。
押当て体62は、図4に示すように、無端ベルト61の幅とほぼ同じ長さを有する細長い形状からなるヘッド部材64とパッド部材65とで構成されている。ヘッド部材64は、合成樹脂、金属等で構成される非弾性部材で形成されるものである。この実施形態では、圧接部NPの記録媒体排出側に位置して無端ベルト61を加熱ロール51の表面に圧接させる突出部64aと、圧接部NPの記録媒体導入側に位置してパッド部材65を保持する保持部65bとを有する形状で形成されている。パッド部材65は、ゴム材料等で構成される弾性部材で形成されるものである。この実施形態では、シリコンゴムを用いて細長い板状形態となるよう形成されている。
押当て支持材63は、図5等に示すように、無端ベルト61の両端部及び内周面の一部を回転し得るように案内して支持するガイド部材67と、押当て体62(のヘッド部材64)の裏面に接触して支持する支持板68とで主に構成されている。支持板68は、2つ使用されており、その各両端部が後述する第二揺動支持フレーム85に形成される取付け孔86に差し込まれた状態で保持されている。
押付け機構7は、ベルト形態の加圧回転体6を支持して揺動する一対の加圧揺動支持フレーム71、72と、加圧揺動支持フレーム71、72に配分して設置されてその支持フレーム71,72を加熱回転体と接近する方向に揺動させる(押付け)力を発揮する2つの圧縮コイルばね73、74とで主に構成されている。
一対の揺動支持フレーム71、72は、加熱支持フレーム53の記録媒体の導入側となる部位53aから当該記録媒体の排出側となる部位53bに至るまでの間で、加熱ロール51側から離れる方向に一度曲がる形状で形成されている。
揺動支持フレーム71、72は、その圧接部NPを挟んで記録媒体の導入側となる揺動支点側端部71a,72aが先の曲がった鉤形状で形成されており、その端部71a,72aを加熱支持フレーム53の前記第一支持軸56に取り付けた状態で加熱ロール51と接近及び離間する状態となるように矢印C,D方向に揺動されるものである。また、揺動支持フレーム71、72は、その記録媒体の排出側となる端部71b,72bに、2つの圧縮ばね73、74の力が作用して及ぶばね押付け面部75、76が形成されている。ばね押付け面部75、76は、内側に折り曲げられるとともに、加熱支持フレーム53の前記ばね支持面部57と対向し合う状態で形成されている。
圧縮コイルばね73、74は、ばね定数が大きい第一圧縮コイルばね73と、ばね定数が第一圧縮コイルばね73よりも小さい第二圧縮コイルばね74である。この実施形態では、コイルばね73,74として、その自由長(L1、L2)が互いに同じものを用いた。ただし、このばね73,74の自由長やばね定数等の条件については後述するが適宜設定することができる。
そして、圧縮コイルばね73、74は、揺動支持フレーム71、72のばね押付け面部75、76を揺動支持フレーム71、72が加熱ロール51と接近する方向Cに揺動するように押し付けることが可能な状態で設置されている。また、圧縮コイルばね73、74は、前記第一支持軸56からの距離Mが異なる位置に配分して設置されている。この実施形態では、第一コイル圧縮ばね73を第一支持軸56からの距離M1が遠い側の位置に設置し、第二圧縮ばね74を第一支持軸56からの距離M2(<M1)が近い側の位置に配置している(図7参照)。
実際、圧縮コイルばね73、74は、図4等に示すように、その一端部からコイル巻き空間内に挿し入れるとともに、その他端部から突出する長さ(コイルばねの自由長よりも長い寸法)を有する支柱77により取り付けられている。支柱77は、その支柱本体の上部にコイルばねの外径よりも大径の突出部77aが形成されている一方で、その支柱本体の下部に支柱本体よりも小径のネジ部77bが形成されている。この実施形態では、第一コイル圧縮ばね73の支柱77(の本体部)の長さを第二圧縮ばね74の支柱77の長さよりも長いものを使用している。
圧縮コイルばね73、74の取り付けは、まず圧縮コイルばね73、74の巻き空間内に各支柱77をその下部を先頭にしてそれぞれ挿し入れた後、各コイルばねの下端部から突出する支柱本体を加圧揺動支持フレーム71,72のばね押圧面部75、76に形成した支柱通し孔76c(コイルばねの外径よりも小さい孔径の孔)に通して突出させた状態にする。続いて、その支柱通し孔76cから突出した各支柱のネジ部77bを、加熱支持フレーム53のばね支持面部57に形成した支柱取付け孔57cにそれぞれ嵌め入れた後、最後にナット77dで固定することで行われる。
押付け機構7は、圧縮コイルばね73、74を、加熱支持フレーム53のばね支持面部57に固定された支柱の突出部77aと加圧揺動支持フレームのばね押付け面部75、76との間に挟んだ状態で保持し、所定の圧縮量で圧縮させた状態にしている。このときの圧縮コイルばねの圧縮量(P)は、圧縮コイルばねの自由長(L)から、ばね押付け面部75、76と支柱突出部77aとの距離Eを除して得られる値にほぼ相当する(P=L−E。図7参照)。支柱突出部77aの位置は、支柱77がばね押付け面部75,76に固定されているので一定の位置に保たれている。
そして、押付け機構7では、圧縮コイルばね73、74が、そのときの圧縮量とばね定数に応じて発揮される各圧縮コイルばね73、74のばね力F1,F2を利用して、加圧揺動支持フレーム71,72のばね押付け面部75、76を加熱支持フレーム53のばね支持面部57と接近する方向に押し、これにより加圧揺動支持フレーム71,72の全体を加熱ロール51と接近させる方向に揺動(矢印C方向に揺動)させるように押し付けている。
切替え機構8は、押付け機構7の加圧回転体6の両端部に配分されて配置される2つ(1組)の圧縮コイルばね73、74の双方を圧縮させた状態に保持する第一押付け状態(後述する「通常モード」の選択時の状態)と、その各2つの圧縮コイルばね73、74の一方(この実施形態では第一圧縮コイルばね73)を自由長の状態に保持する第二押付け状態(後述する「封筒モード」の選択時の状態)と、その各2つの圧縮コイルばね73、74のばね力が加圧回転体6に及ばない状態に保持する第三押付け状態(後述する「ジャム除去モード」の選択時の状態)に切り替えるものである。
ここで、この定着装置4では、切替え機構8により第一押付け状態と第二押付状態に切り替える動作に連動して、加圧回転体6における押当て体62の無端ベルト61を加熱ロール51に押し当てる部分(押当て部)が変更されるよう、押付け支持材63を以下の第二揺動支持フレーム85を介して加圧揺動支持フレーム71、72に取り付けた構造を採用している。この実施形態では、第一押付け状態時に押当て体62のヘッド部材64及びパッド部材65の双方が押し当たる状態となり、第二押付け状態時に押当て体62のパッド部材65のみが押し当たる状態となるように設定されている。
第二揺動支持フレーム85は、図3〜図5に示すように、押付け支持材63の両端に隣り合う状態で配置されるほぼ長方形状の板形態からなるものである。この揺動支持フレーム85は、そのフレーム中央部に形成した取付け孔86に押付け支持材63の支持板68の端部を嵌め入れて押付け支持材63を支持したうえで、その圧接部NPを挟んで記録媒体の導入側となるフレーム角部に外側にむけて設けた第二支持軸87を、加圧揺動支持フレーム72,73の揺動支点側の端部72aに近い位置に形成した支持孔78に支持フレーム71、72の内側から嵌め入れて回転自在な状態に取り付けている。
これにより、第二揺動支持フレーム85は、その第二支持軸87を支点として、押当て体62が圧接部NPにおいて記録媒体10の導入側及び排出側に移動する状態となるよう矢印G,H方向に揺動される。この揺動支持フレーム85は、後述するように切替え機構8により所定の揺動状態に保持される。
切替え機構8は、前記した第一から第三の押付け状態にする各位置まで加圧揺動フレーム71,72を揺動させるカム81で構成されている。また、切替え機構8は、押当て体62の押当て部分を変更できる位置まで第二揺動支持フレーム85を揺動させる機能も併せもっており、このためカム81を加圧揺動支持フレーム71,72上に設置している。
カム81は、加圧揺動支持フレーム71,72に回転自在に取り付けられているとともに、第二揺動支持フレーム85に接触する状態で設置されている。この実施形態では、カム81は、加圧揺動支持フレーム71,72の曲げ部分の圧接部NPよりも記録媒体排出側に少しずれた部分に回転自在に取り付けるカム回転軸83に対し、揺動支持フレーム71,72の外側位置で固定された状態に取り付けられる。カム回転軸83は、加圧揺動支持フレーム71,72の上記部分に設けたカム軸取付け孔79に軸受け82を介して取り付けられる。カム回転軸83の一端部83aには、カム回転軸83(最終的にはカム81)を回転させる操作をするレバー84が取り付けられている。
また、カム81は、第二揺動支持フレーム85に直接的に接触する構成ではなく、その揺動支持フレーム85の圧接部NPよりも記録媒体排出側に少しずれた角部の外側に取り付けた円盤状のカム受け89を介して間接的に接触するように構成されている。カム受け89は、揺動支持フレーム85の上記角部に外側にむけた状態で設けた取付け軸88に回転自在に取り付けられているとともに(図5参照)、揺動支持フレーム71,72の曲げ部分をくぐってそのフレーム外側の位置でカム81と接触する状態で配置されている(図6参照)。
さらに、カム81は、(カム回転軸83と)第二揺動支持フレーム85のカム受け89との接触点との距離K(図7参照)を調整するための3つのカム面、すなわち第一カム面81a、第二カム面81b及び第三カム面81cを有している。
第一カム面81aは、3つのカム面のうちカム回転軸83から最も離れた位置(K1:カム半径)に形成される面であり、前記した第一押付け状態を得るためのカム面として使用される。第二カム面81bは、第一カム面81aよりもカム回転軸83から近い位置(K2<K1)に形成される面であり、前記した第二押付け状態を得るためのカム面として使用される。第三カム面81cは、第二カム面81bよりもカム回転軸83から近い位置(K3<K2)に形成される面であり、前記した第三押付け状態を得るためのカム面として使用される。ちなみに、第三カム面81cのカム回転軸83との距離K3については、加圧揺動支持フレーム71,72が矢印C方向に揺動してそのばね押付け面部75、76が加熱支持フレーム53のばね支持面部57に突き当たった状態となり、かつ、押当て体62が圧接部NPにおいて記録媒体の排出側に容易に移動するように第二揺動支持フレーム85を揺動させることを許容する状態となる条件を満たすように設定している。
カム81は、上記3つのカム面のいずれか1つがカム受け89と接触した状態におかれる。また、カム81は、レバー84を所定の方向に傾けるような状態で回転させることにより、カム回転軸83が回転し、カム受け89と接触するカム面が切り替えられて保持されるようになっている。
次に、この定着装置4の動作について説明する。
はじめに、記録媒体10としてシート状物である用紙(封筒状物以外のもの)を使用して画像形成(定着工程を含む)を行う場合(以下、この場合を「通常モード」という)の動作について説明する。
定着装置4では、通常モードを選択した場合、図8等に示すように、切替え機構8におけるレバー84を操作してカム81を回転させることにより、カム81がその第一カム面81aで第二揺動支持フレーム85のカム受け89と接触した状態となるように保持される。
これにより、カム81の回転軸83がカム受け89と最も離れた位置(距離K1だけ離れた位置)に移動した状態になるが、このときカム81及びカム回転軸83が取り付けられた加圧揺動支持フレーム71,72が、第一軸56を支点として加熱ロール51から離れる矢印D方向に揺動することになる。この結果、その揺動支持フレーム71,72におけるばね押付け面部75、76が、加熱支持フレーム53のばね支持面部57から離れる方向に移動して所定の距離(S1)をおいた位置で保持される。
この切替え機構8の動作により、押付け機構7においては、第一圧縮コイルばね73及び第二圧縮コイルばね74の各支柱突出部77aと押付け面部76との距離E1、E2が、通常モード用の距離(E1a、E2a)になる。この通常モード用の距離E1a、E2aは、第一圧縮コイルばね73の自由長L1と第二圧縮コイルばね74の自由長L2のいずれよりも小さい値に設定されている。このため、2つの圧縮コイルばね73、74はいずれも圧縮された状態に保持される(これが「第一押付け状態」である)。このときの第一圧縮ばね73の圧縮量P1は「P1=L1−E1a」となり、第二圧縮ばね74の圧縮量P2は「P2=L2−E2a」となる。
これにより、通常モードでは、第一圧縮コイルばね73と第二圧縮コイルばね74とがその各圧縮量及びばね定数に応じたばね力F1a,F2a(=圧縮量×ばね定数)を発揮し、その2つの圧縮コイルばね73、74のばね力F1a,F2aによりばね押付け面部76をばね支持面部57に近づける方向に押し続けるので、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51と接近する側(矢印C)に揺動する状態に保たれる。この際、加圧揺動支持フレーム71,72には第一支持軸56を支点、ばね押付け面部75,76を力点、カム81を作用点とする「てこの原理」が働き、ばね力F1a,F2aがてこの原理で増強された強い力として作用点のカム81に伝達される。
この結果、加圧揺動支持フレーム71,72がカム81及びカム受け89を介して第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に押すため、その揺動支持フレーム85に押付け支持材62を介して支持された押付け体62が、通常モードの定着時に要求される高い圧力Xで加熱ロール51にむけて押し付けられる。この際、固定された状態にある加熱ロール51からは上記圧力Xに対する反作用としての反力が生じ、その反力と押付け機構7による荷重(押付け力)とがつりあい、加圧揺動支持フレーム71,72が静止した状態になる。
また、この通常モードでは、押付け機構7としての加圧揺動支持フレーム71,72が、カム81を介して第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に揺動させる状態に保つことになる。
これにより、第二揺動支持フレーム85が第二支持軸87を支点として矢印G方向に揺動する状態に維持されるので、押付け体62が圧接部NPを挟んで記録媒体10の導入側に移動する状態におかれ、最終的に、その押付け体62のヘッド部材64(の突出部64a)及びパッド部材65の双方が無端ベルト61を加熱ロール51にむけて押し付ける状態になる。このときの第二揺動支持フレーム85の矢印G方向への揺動は、加熱ロール51及び加圧回転体61の表面の物性(弾性層や弾性材の弾性率等)やその両者の押付け状態によって定まる位置で停止する(その停止位置が決まる)。
以上により、この通常モードでは、定着装置4の圧接部NPに対して前記した定着用の高い圧力Xが押付け体62を通して加えられる状態になるとともに、その圧接部NPが押付け体62のヘッド部材64(の突出部64a)及びパッド部材65の双方の押し付けによって形成されることになる。
そして、この通常モード時に定着対象であるシート状の記録媒体10が圧接部NPに導入されると、はじめに圧接部NPの記録媒体導入側に配置されているパッド部材65が(無端ベルト61を介して)その記録媒体10を加熱されて回転する加熱ロール51に押し付け、続いて、圧接部NPの記録媒体排出側に配置されているヘッド部材64(の突出部64a)が(無端ベルト61を介して)その記録媒体10を上記加熱ロール51に押し付ける。このようにしてシート状の記録媒体10に対する定着処理が行われる。
通常モード時における加熱ロール51の圧接部NPにかかる圧力(分布)は、図11aに示すように、圧接部NPの記録媒体導入側に配置されているパッド部材65がおよぼす圧力に比べて、その排出側に配置されているヘッド部材64がおよぼす圧力のほうが大きくなる。ちなみに、通常モード時に加熱ロール51の圧接部NPにかかる圧力としては、例えば250N程度が要求される。このような圧力を得るため、押付け機構7における2つの圧縮コイルばね73,74のばね定数や圧縮量などを選定している。また、このような高い圧力をかけた状態で定着処理をしていることにより、シート状の記録媒体10を使用したときの定着が安定して行われる。
次に、記録媒体10として封筒に代表される封筒状物を使用して画像形成を行う場合(以下、この場合を「封筒モード」という)の動作について説明する。
封筒モードが選択されると、定着装置4では、図9等に示すように、切替え機構8におけるレバー84を操作してカム81を所定の方向に回転させることにより、カム81がその第二カム面81bでカム受け89と接触した状態に保持される。
これにより、カム81の回転軸83が第一カム面1aのときよりもカム受け89に近づいた位置(距離K2の位置)に移動した状態になるので、このとき加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51に近づく矢印C方向に揺動することになる。この結果、その揺動支持フレーム71,72のばね押付け面部76が、ばね支持面部57に近づく方向に移動して所定の距離(S2>S1)をおいた位置で保持される。
この切替え機構8の動作により、押付け機構7においては、2つの圧縮コイルばね73、74の各支柱の突出部77aと押付け面部76との距離E1、E2が、封筒モード用の距離(E1b、E2b)になる。この封筒モード用の距離E1bは第一圧縮ばね73の自由長L1よりも大きい値に設定する一方で、その距離E2bは第二圧縮ばね74の自由長L2よりも小さい値に設定されている。また、この押付け機構7では、第一圧縮コイルばね73を第二圧縮コイルばね74よりも第一支持軸56から遠い側の位置(距離M1)に設置しているので、第一圧縮コイルばね73における距離E1bが第二圧縮コイルばね74の距離E2bよりも大きくなる。
このため、押付け機構7では、第一圧縮ばね73が自由長(L1)となって全く圧縮されない状態になる一方で、第二圧縮ばね74が第一押付け状態のときより少し伸張するが少し圧縮された状態に保持される(これが「第二押付け状態」である)。このときの第二圧縮ばね74の圧縮量P2は「P2=L2−E2b」となる。第一圧縮ばね73は、圧縮されないので無効化される。
これにより、押付け機構7における第二圧縮コイルばね74のみが、その圧縮量及びばね定数に応じたばね力F2b(=圧縮量×ばね定数)を発揮し、その第二圧縮コイルばね74のばね力F2bによりばね押付け面部76をばね支持面部57に近づける方向に押し続けることで、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51と接近する側(矢印C方向)に揺動する状態に保たれる。この際、加圧揺動支持フレーム71,72には通常モード時の場合と同様に「てこの原理」が働くが、第二圧縮コイルばね74によるばね力F2bのみがてこの原理で増強されただけの通常モード時の力よりも弱い力が、作用点のカム81に伝達される。また、ばね力F2b自体も、第二圧縮コイルばね74が通常モードのときよりも伸張して圧縮量が減らされた状態にあるため、弱くなっている。
この結果、封筒モードでは、加圧揺動支持フレーム71,72が、通常モード時の場合と同様に第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に押すものの、カム81に伝達される力が通常モード時よりも弱いので、その揺動支持フレーム85に支持されている押付け体62は、通常の定着時に要求される高い圧力Xよりも低い圧力Y(<X)で加熱ロール51にむけて押し付けられることになる。
また、この封筒モードでも、通常モード時の場合と同様に、押付け機構7としての加圧揺動支持フレーム71,72がカム81を介して第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に揺動させる状態に保つことになる。
しかし、この場合は、加圧揺動支持フレーム71,72が第二揺動支持フレーム85を押す力が通常モード時のときよりも弱く、しかも押付け体62の加熱ロール51を押し付ける力も弱いため、押付け体62が矢印A方向に回転する加熱ロール51と従動回転する無端ベルト61との摩擦力で発生する力などを受ける。これにより、第二揺動支持フレーム85が、第二支持軸87を支点として矢印H方向に揺動する状態に維持される。
この結果、押付け体62が圧接部NPを挟んで記録媒体10の排出側に移動する状態に保持されるので、その押付け体62のヘッド部材64(の突出部64a)が加熱ロール51から離れる方向に移動して加熱ロール51を押し付けない状態になる一方で、そのパッド部材65のみが加熱ロール51と対向する位置に移動して無端ベルト61を加熱ロール51にむけて押し付ける状態になる(変更される)。
以上により、封筒モードでは、定着装置4の圧接部NPに対して前記した封筒モード用の低い圧力Yが押付け体62を通して加えられた状態になるとともに、その圧接部NPが押付け体62の弾性部材からなるパッド部材65のみの押し付けにより形成されることになる。
そして、この封筒モード時において定着対象である封筒状の記録媒体10が圧接部NPに導入されると、低い圧力Yがかけられた弾性を有するパッド部材65だけが(無端ベルト61を介して)その記録媒体10を加熱ロール51に押し付ける。これにより、封筒モードでは、封筒状の記録媒体10に対する定着処理が、通常モード時よりも低い加圧下であって、しかも圧接部NPが記録媒体10の通過状況に合わせて弾性変形するのに加えて、その通過状況に合わせて加圧揺動支持フレーム71、72も加熱支持フレーム53に対して必要な量だけ揺動しつつ互いに(力学的に)つりあった状態になるという環境下で行われる。また、封筒モードでは、押付け機構7の圧縮コイルばね73,74が通常モード時に対して更に強制的に圧縮された状態になることがない。これにより、圧縮コイルばね73,74がその強制的な圧縮状態におかれる時期があることで縮んでへたることがない。
封筒モード時における加熱ロール51の圧接部NPにかかる圧力(分布)は、図11bに示すように、パッド部材65がおよぼす圧力のみの低い圧力となる。これは、通常モード時にかかる圧力の大きさ(図11a)に比べて小さい圧力である。また、パッド部材65が弾性部材であるため、圧接部NPではパッド部材65側に弾性変形しやすい状態にある。これにより、この封筒モード時に加熱ロール51の圧接部NPにかかる圧力は、例えば30〜40N程度の低めの圧力となる。
特にこの定着装置4では、封筒モード時に、押付け機構7により押付け体62に加えられる圧力を低い状態にすることに加えて、弾性部材のパッド部材65のみで無端ベルト61を加熱ロール51に押し付ける状態にしている。このため、封筒状の記録媒体10を定着した際にも、その記録媒体10(の特に搬送方向後方領域)に皺が発生することがなく、安定した良好な定着が可能になる。参考までに、定着装置4について、押付け機構7により押付け体62に加える圧力を低い状態にするのみで、圧接部NPを通常モード時の場合と同様にヘッド部材64及びパッド部材65の双方で押し付ける状態に設定した条件下で、封筒状の記録媒体10に対する定着を行ったところ、その記録媒体10(の搬送方向後方領域)に皺が発生する場合があることが確認された。
次に、記録媒体10が定着装置4の圧接部NPに挟まって詰まる現象(ジャム現象)が発生した際、その詰まった記録媒体10を定着装置4から取り除く作業を行う場合(以下、この場合を「ジャム除去モード」という)の動作について説明する。
ジャム除去モードを選択した場合、定着装置4では、図10等に示すように、切替え機構8におけるレバー84を操作してカム81を所定の方向に回転させることにより、カム81がその第三カム面81cでカム受け89と接触した状態に保持される。
これにより、カム81の回転軸83が第二カム面81bのときよりもさらにカム受け89に近づいた位置(距離K3の位置)に移動した状態になるので、このとき加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51に近づく矢印C方向に揺動することになる。この結果、その揺動支持フレーム71,72のばね押付け面部76が、加熱支持フレーム53のばね支持面部57と突き当たった状態になる。
この切替え機構8の動作により、押付け機構7においては、2つの圧縮コイルばね73、74の各支柱の突出部77aとばね押付け面部76との距離E1、E2が、ジャム除去モード用の距離(E1c、E2c)になる。この除去モード用の距離E1cは第一圧縮ばね73の自由長L1よりも大きい値に設定する一方で、除去モード用の距離E2cは第二圧縮ばね74の自由長L2よりも小さい値(ただし封筒モード時の距離E2bより大きい値)に設定されている。
このため、押付け機構7では、封筒モードのときとほぼ同様に、第一圧縮ばね73が自由長となってまったく圧縮されない状態となり、第二圧縮ばね74が第二押付け状態のときより少し伸張するものの僅かながら圧縮された状態になることに加えて、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51に接近する側(矢印C方向)にそれ以上揺動しない状態になる(これが「第三押付け状態」である)。このときの第二圧縮ばね74の圧縮量P3は「P2=L2−E2c」となる。
この結果、押付け機構7における第二圧縮コイルばね74のみが、その圧縮量及びばね定数に応じたばね力F2cを発揮して、ばね押付け面部76をばね支持面部57に近づける方向に押し続ける。しかし、この場合は、ばね押付け面部76がばね支持面部57と突き当たった状態にあるため、加圧揺動支持フレーム71,72は、第二圧縮コイルばね74のばね力F2cを受けても、その突き当たった位置から更に加熱ロール51と接近する側(矢印C方向)に揺動することが阻止される。
一方、このジャム除去モードでは、押付け機構7としての加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51と接近する側(矢印C方向)への揺動が阻止された状態にあるとき、カム81が第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に揺動させる力を及ぼさない状態になる。また、第三カム面81cとカム回転軸83との距離K3が封筒モード時よりも小さい値に設定されていることにより、第二揺動支持フレーム89が封筒モードのときよりも矢印H方向に更に揺動し、押付け体62(のヘッド部材64及びパッド部材65の双方)が加熱ロール51の表面から少し離れて隙間を発生させることが可能な状態になる。
以上により、ジャム除去モードでは、押付け体62に対して押付け機構7からの圧力が一定以上及ばない状態になるとともに、その押付け体62が加熱ロール51との間で隙間を発生させる状態に変位させることが可能な状態になる。
従って、このジャム除去モード時には、圧接部NPに定着対象の記録媒体10が挟まれて詰まった状態になっても、その記録媒体10の一部をユーザが掴んで排出側に引っ張ると、第二揺動支持フレーム89が矢印H方向に少し揺動して押付け体62が加熱ロール51と少し離間した状態になる。これにより、その詰まった記録用紙10は、圧接部NPから比較的容易に引き出されて除去される。このようにして詰まった記録媒体10の除去作業が行われる。
ジャム除去モード時における加熱ロール51の圧接部NPにかかる圧力(分布)は、図11cに示すように、パッド部材65が加熱ロール51に軽く接触していることにより受ける程度のゼロに近いきわめて小さい圧力となる。ちなみに、このとき、前記突き当たった状態にある加圧揺動支持フレーム71,72は、加熱ロール51に近づく方向にさらに揺動することがないので、その更なる揺動で受ける圧力は発生していない。
[第2の実施形態]
この実施形態は、第1の実施形態に係る定着装置4(画像形成装置1)における切替え機構8に、図12等に示すように、2つの圧縮コイルばね730,740の合計した圧縮量を複数(ここでは3つ)の状態に切り替える形式の切替え機構80を追加したものである。以下、第1の実施形態における構成部分と同じ構成部分には図12等の図面に同じ符合を付し、また必要な場合を除いてその構成部分の説明を省略する(この点は以後の実施形態の場合も同様とする。)。
切替え機構80は、押付け機構70における加圧揺動支持フレーム71,72のばね支持面部75,76に並べて配置する2つの圧縮コイルばね73,74の合計した圧縮量について、所定の圧縮量とする第一の圧縮状態とそれよりも少ない圧縮量とする第二の圧縮状態とのいずれか一方に切り替えて保持する圧縮変更機構810を有している。ここで、第一の圧縮状態は前記通常モードに使用する状態に、第二の圧縮状態は前記封筒モードに使用する状態に対応付けている。
圧縮変更機構810は、2つの圧縮コイルばね73,74の間に設置する支柱78の上部に取り付けられ、その各圧縮コイルばね73,74の一端部に同時に接触して各ばねを圧縮させる方向及び伸張させる方向に変位する圧縮調整板801と、圧縮調整板810の変位を前記第一及び第二の圧縮状態に保持するための位置で規制する規制材805とで構成されている。
圧縮調整板801は、2つの圧縮コイルばね73,74の一端部に同時に接触することができる大きさ及び形状で形成されたものであり、そのほぼ中央部において支柱78の上部に支点軸802を介して回転自在に取り付けられ、支点軸802を支点にして矢印J,N方向に揺動するようになっている。この圧縮調整板801を取り付ける支柱78は、その本体部をばね支持面部75,76の通し孔75c,76cに通過させた後、その本体部下部のネジ部78bを加熱支持フレーム53のばね支持面部57に取り付け孔に嵌め入れ、ネジ部78bをボルト78dで締め付けてばね支持面部75,76に固定されている。
規制材805は、圧縮調整板801の揺動するときの所定の位置でその調整板の一部に接触した状態又はその調整板と非接触の状態で制止させるように移動できるものである。この実施形態では、調整板801と接触する位置及び接触しない位置にそれぞれ移動できるように、調整板801の一端部の近くに設置する支持軸806を中心にして矢印Q,R方向に揺動する状態で設置されている。支持軸806は、所定の固定部材に設けられるものであり、例えば定着装置4の筐体40に設けられる。
圧縮変更機構810においては、2つの圧縮コイルばね73,74が、圧縮調整板801とばね支持面部75,76との間に挟まれた状態で設置されるとともに、規制材805で規制されるときの圧縮調整板801の各揺動位置で双方が常に(圧縮量の違いは別として)圧縮された状態に保たれるように設置される。圧縮コイルばね73,74は、第1の実施形態の場合と同様に、ばね定数が大きい第一圧縮コイルばね73と、ばね定数が第一圧縮コイルばね73よりも小さい第二圧縮コイルばね74であるが、その各自由長L1,L2が異なるもの(例えばL1<L2)を使用している。
この実施形態では、規制材805について、前記第一の圧縮状態とするための第一規制位置(図12及び図13に示す位置)と前記第二の圧縮状態の保持するための第二規制位置(図14)とに揺動して移動できるように設定されている。第一規制位置は、圧縮調整板801の各圧縮コイルばね73,74に接触する部分801A,801Bと押付け面部76との距離W1、W2を「通常モード用の基準セット長」である「W1a、W2a」に保持するときの固定位置としている。第二規制位置は、圧縮調整板801に接しない退避位置か又は固定されない状態(揺動自在な状態)となる位置としている。規制材805は、第一規制位置のときに圧縮調整板801の揺動位置(姿勢)を接触して規制することが可能な調整板の部分に接触するよう配置される。また、規制材805は、図示しないソレノイド等の変位駆動手段を操作することにより第一規制位置及び第二規制位置に揺動して移動する。
第二規制位置のときの上記距離W1、W2は、圧縮調整板801が規制材805の規制から開放されて2つの圧縮コイルばねの力がつりあう状態になるまで揺動した時点で得られる距離:W1b,W2bとなる。なお、この実施形態の場合における距離W1b,W2bの実体は、圧縮調整板801が揺動することで得られる量のほかに、加圧揺動支持フレーム71,72が切替え機構8のカム81の回転により第1実施形態の場合と同様に揺動して圧縮調整板801とばね押付け面部75,76との距離E1,E2(図8、図9参照)が変化することで得られる量(E1b−E1aとE2b−E2a)を付加したものとなる。
規制材805が第一規制位置にあるときの第一圧縮コイルバネ73の圧縮量P1aは「P1a=L1−W1a」となり、第二圧縮コイルばね74の圧縮量P2aは「P2a=L2−W2a」となる。また、このときの2つの圧縮コイルばねの合計した圧縮量PXaは「PXa=P1a+P2a」となる。
一方、規制材805が第二規制位置にあるときの第一圧縮コイルバネ73の圧縮量P1bは「P1b=L1−W1b」となり、第二圧縮コイルばね74の圧縮量P2bは「P2b=L2−W2b」となる。また、このときの2つの圧縮コイルばねの合計した圧縮量PXbは「PXb=P1b+P2b」となる。
そして、圧縮変更機構810では、規制材805が第二規制位置にあるときの圧縮コイルばね73,74の合計した圧縮量PXbが、規制材805が第一規制位置にあるときの圧縮コイルばね73,74の合計した圧縮量PXaよりも小さい圧縮量になるように、圧縮コイルばね73,74のばね定数及び自由長や、基準セット長(W1a、W2a)や、圧力調整板801の位置などを設定している。
次の、この定着装置4の動作について説明する。
通常モードの場合は、図13に示すように、切替え機構8におけるカム81を第1の実施形態の場合と同様に第一カム面81aでカム受け89に接触させることに加えて、切替え機構80における規制材805を第一規制位置に移動させて固定する。
この際、カム81の第一カム面81aとカム受け89の接触より、第1の実施形態の場合と同様に、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51から離れる矢印D方向に揺動し、ばね押付け面部75、76がばね支持面部57から離れる方向に移動して所定の距離(S1)をおいた位置で保持される。また、規制材805の第一規制位置への移動により、圧縮調整板801が第一規制位置を満たす位置まで揺動した後に規制された状態で保持される。
この切替え機構8、80の動作により、押付け機構7においては、2つの圧縮コイルばね73,74が圧縮調整板801とばね押付け面部76と間に挟まれた状態で、その調整板801と押付け面部76との距離W1、W2が通常モード用の基準セット距離(W1a、W2a)になるまで圧縮される。この基準セット距離:W1a、W2aは、第一圧縮コイルばね73の自由長L1と第二圧縮コイルばね74の自由長L2のいずれよりも小さい値に設定されている。この結果、2つの圧縮コイルばね73、74は、その合計した圧縮量(P1+P2)が通常モード用の圧縮量PX1となる圧縮状態に保持される。このばねの状態は、2つのばね73,74のばね定数を並列として及ぼす状態であるとみることができる(これが「第一の圧縮状態」である)。このときの合計した圧縮コイルばね全体の圧縮量PXaは前記したように「PXa=P1a+P2a」となる。
これにより、通常モードでは、第一圧縮コイルばね73と第二圧縮コイルばね74とが並列接続した場合のようにその各圧縮量(P1a、P2a)及びばね定数に応じたばね力F1c,F2c(=圧縮量×ばね定数)を発揮し、そのばね力F1c,F2cによりばね押付け面部76をばね支持面部57に近づける方向に押し続ける結果、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51と接近する側(矢印C)に揺動する状態に保たれる。
この結果、第1の実施形態における通常モードの場合と同様に、加圧揺動支持フレーム71,72がカム81及びカム受け89を介して第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に押すことで、その揺動支持フレーム85に支持された押付け体62が、通常モードの定着時に要求される高い圧力Xで加熱ロール51にむけて押し付けられる。
また、通常モードでは、押付け機構7としての加圧揺動支持フレーム71,72が第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に揺動させる状態に保つことになるので、その第二揺動支持フレーム85に支持された押付け体62のヘッド部材64(の突出部64a)及びパッド部材65の双方が無端ベルト61を加熱ロール51にむけて押し付ける状態になる。
次に、封筒モードの場合は、図14に示すように、切替え機構8におけるカム81を第1の実施形態の場合と同様に第二カム面81bでカム受け89に接触させることに加えて、切替え機構80における規制材805を第二規制位置に移動させて固定する。
この際、カム81の第二カム面81bとカム受け89の接触より、第1の実施形態の場合と同様に、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51に接近する矢印C方向に揺動し、ばね押付け面部75、76がばね支持面部57に近づく方向に移動して所定の距離(S2)をおいた位置で保持される。また、規制材805の第二規制位置への移動により、圧縮調整板801が第二規制位置を満たす位置まで揺動した後に規制された状態に保持される。
この切替え機構8、80の動作により、押付け機構7においては、2つの圧縮コイルばね73,74が、ばね支持面部57に近づく方向に揺動したばね押付け面部76と、規制材805の規制から開放されて圧縮コイルばね73,74のばね力を受けてバランスのつりあう位置まで揺動して停止する圧縮調整板801との間に挟まれた状態になる。
この際、圧縮調整板801は、ばね力が相対的に強い圧縮コイルばね(この例では第一圧縮コイルばね73)が伸張することにより、全体として支持軸802を中心にして矢印N方向に揺動して傾いた状態になる。図14中の二点鎖線Uは、通常モード時における圧縮調整板801のばねとの接触面(の位置)を示す。また、このとき第二圧縮コイルばね74は、その揺動する圧縮調整板801により圧縮される方向に押されるが、前記したようにばね支持面部57がばね支持面部57に近づく方向に移動することで圧縮調整板801からは離間する方向に移動することになるため、結果的には、わずかに伸張された状態になる。そして、このときの2つの圧縮コイルばね73,74は、圧縮調整板801を介して直列接続された1つの合成圧縮コイルばね(70)とみなすことができる。このばねの状態は、2つのばね73,74のばね定数を直列として及ぼす状態になるとみることができる。
この結果、圧縮調整板801とばね押付け面部76との距離W1、W2が封筒モード用の距離(W1b、W2b)になるので、その調整板801とばね押付け面部76との間に挟まれている2つの圧縮コイルばね73,74は、いずれも伸張した状態となる。ここで、封筒モード用のト距離:W1b、W2bは、通常モード用の基準セット距離:W1a、W2aよりも大きい値に設定されている。この結果、2つの圧縮コイルばね73、74は、その合計した圧縮量(P1+P2)が封筒モード用の圧縮量PXbとなる圧縮状態に保持される。このばねの状態は、2つのばね73,74のばね定数を直列として及ぼす状態であるとみることができる(これが「第一の圧縮状態」である)。このときの合計した圧縮コイルばね全体の圧縮量PXbは前記したように「PXb=P1b+P2b」となる。
これにより、封筒モードでは、第一圧縮コイルばね73と第二圧縮コイルばね74とがその各圧縮量の合計(P1a+P2a)と直列接続した場合の複合ばね定数[α1×α2/(α1+α2)])に応じたばね力:F1d,F2dを発揮する。α1は第一圧縮コイルばね73のばね定数、α2が第二圧縮コイルばね74のばね定数である。そして、このときのばね力:F1d,F2dによりばね押付け面部76をばね支持面部57に近づける方向に押し続ける結果、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51と接近する側(矢印C)に揺動する状態に保たれる。このときのばね力(F1d,F2d)の合計値は、通常モード時に発揮されるばね力(F1d,F2d)の合計値よりも小さくなる。
この結果、封筒モードでは、加圧揺動支持フレーム71,72が、通常モード時の場合と同様に第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に押すものの、押付け機構7におけるばね力:F1d,F2dの合計値が通常モード時におけるばね力(F1d,F2d)の合計値よりも小さいので、カム81に伝達される力が通常モード時よりも弱くなる。このため、その揺動支持フレーム85に支持されている押付け体62は、通常の定着時に要求される高い圧力Xよりも低い圧力Y(<X)で加熱ロール51にむけて押し付けられることになる。
また、この封筒モードでも、通常モード時の場合と同様に、押付け機構7としての加圧揺動支持フレーム71,72がカム81を介して第二揺動支持フレーム85を加熱ロール51に近づける方向に揺動させる状態に保つことになる。
しかし、この場合は、押付け機構7におけるばね力:F1d,F2dの合計値が通常モード時におけるばね力(F1d,F2d)の合計値よりも小さいので、加圧揺動支持フレーム71,72が第二揺動支持フレーム85を押す力が通常モード時のときよりも弱く、押付け体62の加熱ロール51を押し付ける力も弱くなる。このため、押付け体62が矢印A方向に回転する加熱ロール51と従動回転する無端ベルト61との摩擦力で発生する力などを受ける。これにより、第二揺動支持フレーム85が、第二支持軸87を支点として矢印H方向に揺動する状態に維持される。
この結果、第1の実施形態における封筒モード時の場合と同様に、押付け体62のヘッド部材64(の突出部64a)が加熱ロール51から離れる方向に移動して加熱ロール51を押し付けない状態になる一方で、そのパッド部材65のみが加熱ロール51と対向する位置に移動して無端ベルト61を加熱ロール51にむけて押し付ける状態になる(変更される)。
そして、この封筒モード時においても、第1の実施形態における封筒モード時の場合とほぼ同様に、封筒状の記録媒体10に対する定着処理が、通常モード時よりも低い加圧下であって、しかも圧接部NPが記録媒体10の通過状況に合わせて弾性変形するのに加えて、その通過状況に合わせて加圧揺動支持フレーム71、72も加熱支持フレーム53に対して必要な量だけ揺動しつつ互いに(力学的に)つりあった状態になるという環境下で行われる。また、封筒モードでは、押付け機構7の圧縮コイルばね73,74が通常モード時に対して更に強制的に圧縮された状態になることがないので、圧縮コイルばね73,74がその強制的な圧縮状態におかれる時期があることで縮んでへたることがない。
従って、この実施形態に係る定着装置4においても、封筒モード時にしたうえで封筒状の記録媒体10に対する定着を行うと、第1の実施形態における封筒モード時の定着の場合と同様に、その記録媒体10(の特に搬送方向後方領域)に皺が発生することがなく、安定した良好な定着が可能になる。
次に、ジャム除去モードの場合には、定着装置4では、切替え機構8におけるカム81を第1の実施形態の場合と同様に第三カム面81cでカム受け89と接触させる(図10参照)。
これにより、第1の実施形態におけるジャム除去モードの場合と同様に、加圧揺動支持フレーム71,72が加熱ロール51に近づく矢印C方向に揺動し、その揺動支持フレーム71,72のばね押付け面部76が、加熱支持フレーム53のばね支持面部57と突き当たった状態になる。この際、押付け機構7における2つの圧縮コイルばね73,74は、揺動支持フレーム71,72が矢印C方向に揺動するに相当した量だけ伸張した状態になるが、その各自由長を超える状態になるまでは伸張しない。従って、この除去モードにすることにより、定着装置4の圧接部NPに挟まって詰まった記録媒体10を、その圧接部NPから容易に引き出して除去することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態に係る定着装置4は、図15に示すように、第1の実施形態に係る定着装置において第2揺動支持フレーム85に代えて、固定支持フレーム850を適用したものである。
固定支持フレーム850は、押当て体62の押当て支持材63を第2揺動支持フレーム85の場合と同様に支持したうえで、加圧揺動支持フレーム71,72の所定位置に固定された状態で取り付けられている。固定支持フレーム850にはカム受け89を設けている。この固定支持フレーム850に取り付けられた押当て体62は、第1の実施形態に係る定着装置4の場合のように支持フレームが揺動することにより圧接部NPにおいて記録媒体の導入側及び排出側に大きく変位することがない。また、この固定支持フレーム850を適用した場合は、加圧揺動支持フレーム71,72は、押当て体62が無端ベルト61を介して加熱ロール51の表面を押し付けるように接触した状態になった後はそれ以上、加熱ロール51に接近する方向(矢印C方向)に揺動することがない。
この定着装置4では、第1の実施形態等の場合と同様に、切替え機構8のカム81を回転操作して3つのカム面のいずれかをカム受け89と接触させると、押付け機構7の第一押付け状態及び第二押付け状態やばね押付け面部76の突き当て状態にそれぞれ切り替えられ、その結果、通常モード、封筒モード及びジャム除去モードの各状態に設定(変更)される。特に封筒モード時には、押付け機構7が第二押付け状態になるので、押当て体62の加熱ロール51を押し付ける力が通常モード時の場合よりも小さくなり、封筒状の記録媒体10についても皺の発生が抑制された定着を行うことができる。
この実施形態においては、押当て体62が揺動する加圧揺動支持フレーム71,72と一体となって変位して圧接部NPの押し当て部分の状況が予定以上に変化してしまうこと等を回避する等の観点から、例えば、ばね押付け面部76とばね支持面部57との距離を小さめの値に設定する構成や、押付け機構7を圧接部NPの記録媒体導入側に配置する(第一支持軸56はその記録媒体排出側に配置する)構成を採用することができる。
[第4の実施形態]
第4の実施形態に係る定着装置4は、図16に示すように、第2の実施形態に係る定着装置において第2揺動支持フレーム85に代えて、第3の実施形態の場合と同様に固定支持フレーム850を適用したものである。また、この定着装置4では、固定支持フレーム850を適用したことにより、切替え機構8の設置を省略している。
この定着装置4においては、切替え機構80の規制材805を第一規制位置に固定した場合は、押付け機構7の2つの圧縮コイルばね73,74が、規制材805により位置が規制された圧縮調整板801とばね支持面部76との間で挟まれて第一の圧縮状態に保持される。また、切替え機構80の規制材805を第二規制位置に移動した場合には、押付け機構7の2つの圧縮コイルばね73,74が、規制材805の規制から開放されてばね力の大きい圧縮コイルばねのばね力で押されて揺動した状態になる圧縮調整板801と、ばね支持面部76との間で挟まれることで、第二の圧縮状態に保持される。この第二の圧縮状態は、ばね力の大きい圧縮コイルばねが伸張した状態になる。
そして、この定着装置4では、切替え機構80の規制材805を第一制止位置及び第二制止位置のいずれかに変更すると、第2の実施形態の場合とほぼ同様に、押付け機構7の第一の圧縮状態及び第二の圧縮状態にそれぞれ切り替えられ、その結果、通常モード及び封筒モードの各状態に設定(変更)することができる。特に封筒モード時には、押付け機構7が第二の圧縮状態になるので、押当て体62の加熱ロール51を押し付ける力が通常モード時の場合よりも小さくなり、封筒状の記録媒体10についても皺の発生が抑制された定着を行うことができる。また、この定着装置4では、切替え機構8の設置が不要となるため、その設置スペースの確保が不要となる分、装置の小型化や簡略化が可能になる。
この実施形態においても、第3の実施形態で説明したより好ましい構成を同様に採用することができる。
[第5の実施形態]
第5の実施形態に係る定着装置4は、図17に示すように、第1の実施形態に係る定着装置においてベルト形態の加圧回転体6に代えてロール形態の加圧回転体(加圧ロール)60を適用するとともに、その加圧ロール60を支持する支持フレームとして第2揺動支持フレーム85ではなく固定支持フレーム850を適用したものである。
加圧ロール60は、金属等からなるロール基材と、その基材の表面に必要に形成される弾性層、離型層等の機能層とで構成されている。加圧ロール60は、その両端部において固定支持フレーム850に回転自在に支持されている。固定支持フレーム850は、加圧揺動支持材71,72の所定位置に固定した状態で取り付けられている。また、固定支持フレーム850にはカム受け89を設けている。そして、この加圧ロール60は、押付け機構7で発生するばね力を加圧揺動支持フレーム71,72、カム81、カム受け89及び固定支持フレーム850を経由して受けることで、加熱ロール51の表面に所定の圧力のもとで接触して圧接部NPを形成している。
この定着装置4では、第1の実施形態の場合と同様に、切替え機構8のカム81を回転操作して3つのカム面のいずれかをカム受け89と接触させると、押付け機構7の第一押付け状態及び第二押付け状態やばね押付け面部76の突き当て状態にそれぞれ切り替えられ、その結果、通常モード、封筒モード及びジャム除去モードの各状態に設定(変更)される。特に封筒モード時には、押付け機構7が第二押付け状態になるので、加圧ロール60の加熱ロール51を押し付ける力が通常モード時の場合よりも小さくなり、封筒状の記録媒体10についても皺の発生が抑制された定着を行うことができる。
[他の実施形態]
第1〜第5の実施形態においては、押付け機構7に3つ以上の圧縮コイルばねを適用しても構わない。また、圧縮コイルばねに代えて、板状の圧縮ばねを適用することも可能である。押付け機構7において適用する複数の圧縮コイルばねのばね定数や自由長、圧縮長等の条件については適宜変更可能である。また、押付け機構7は、引っ張りばね等のばねで構成してもかまわない。
また、第一押付け状態、第二押付け状態等の切り替えを行う切替え機構8については、加圧揺動支持フレーム71,72を所定の位置まで揺動させて保持することができる揺動保持機構であれば、カム(機構)以外の方式のものを適用してもよい。カム81の回転は、レバー84の操作でなく、例えば回転駆動装置により行うように構成してもよい。
さらに、第一の圧縮状態、第二の圧縮状態等の切り替えを行う切替え機構80については、規制材805を用いず、圧縮調整板801を所定の角度まで揺動させて保持することができる他の保持機構を組みあせて適用してもよい。
この他、画像形成装置1における作像装置2としては、複数色のトナー像を形成して記録媒体10にそれぞれ転写することができる多色像形成型の作像装置を適用したものでもよい。作像装置2における転写方式には、公知の中間転写方式などを採用することも可能である。
第1(第2〜第5)の実施形態に係る画像形成装置及び定着装置を示す概略説明図である。 図1の画像形成装置に使用される定着装置の要部を示す斜視図である。 図2の定着装置の正面概略図である。 図2の定着装置におけるQ−Q線に沿う一部断面図である。 図2の定着装置の分解斜視図である。 図2の定着装置の一部を省略した上面図である。 図2の定着装置の構成を示す説明図である。 図2の定着装置の通常モード時の状態を示す説明図である。 図2の定着装置の封筒モード時の状態を示す説明図である。 図2の定着装置のジャム除去モード時の状態を示す説明図である。 図2の定着装置の通常モード時、封筒モード時及びジャム除去モード時における圧接部の圧力分布を示す説明図である。 第2の実施形態に係る定着装置の要部を示す一部断面説明図である。 図12の定着装置の通常モード時の状態を示す説明図である。 図12の定着装置の封筒モード時の状態を示す説明図である。 第3の実施形態に係る定着装置の要部を示す一部断面説明図である。 第4の実施形態に係る定着装置の要部を示す一部断面説明図である。 第5の実施形態に係る定着装置の要部を示す一部断面説明図である。
符号の説明
1…画像形成装置、2…作像装置、4…定着装置、5…加熱回転体、6,60…加圧回転体、7…押付け機構、8,80…切替え機構、10…記録媒体、40…筐体(固定支持材)、53…加熱支持フレーム(固定支持材)、56…第一支持軸(第一軸)、61…無端ベルト、62…押当て体、63…押当て支持材、64…ヘッド部材(非弾性部材)、65…パッド部材(弾性部材)、71,72…加圧揺動支持フレーム(一対の揺動支持材)、71b…自由端部側の部位、73,74…圧縮コイルばね(ばね)、81…カム(揺動保持機構の一部)、85…第二揺動支持フレーム(第二揺動支持材)、87…第二支持軸(第二軸)、801…圧縮調整板(圧縮変更機構の一部、圧縮調整部材)、805…規制材(圧縮変更機構の一部)、A…回転軸方向、L1,L2…自由長、M1,M2…第一支持軸との距離。

Claims (8)

  1. 加熱手段により加熱されて回転する加熱回転体と、
    前記加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して未定着の像が保持された記録媒体を通過させる定着処理部を形成しつつ回転する加圧回転体と、
    前記加圧回転体の回転軸方向の両端部側に配分して複数ずつ設置されるばねを利用して、その加圧回転体を前記加熱回転体に押し付ける押付け機構と、
    前記押付け機構における各複数のばねのうち選択された組み合わせのばねをその力が及ぶ状態に保持する第一押付け状態と、第一押付け状態で選択した以外の組み合わせのばねをその力が及ぶ状態に保持する第二押付け状態と、前記各複数のばねの力が前記加圧回転体に及ばない状態に保持する第三押付け状態に切り替える切替え機構とを有し、
    前記押付け機構が、
    前記加圧回転体の両端部を支持するとともに、前記定着処理部を挟んで記録媒体の導入側となる部位を固定支持材に第一軸を介して取り付けた状態で前記加熱回転体と接近及び離間する状態となるように揺動する一対の揺動支持材と、
    その各揺動支持材の揺動する自由端側の部位を当該各揺動支持材が前記加熱回転体と接近する側に揺動するように押し付ける状態で設置されるとともに、前記第一軸との距離が異なる位置に配分して設置される複数のばねとで構成されており、
    前記加圧回転体が、
    前記加熱回転体の回転軸方向に沿う表面部分に接触して回転する無端ベルトと、
    前記無端ベルトをその内周面側から前記加熱回転体の当該表面部分に押し当てて定着処理部を形成する押当て体と、前記無端ベルトを回転自在に支持するとともに前記押当て体を支持する押当て支持材とで構成されており、
    前記第一押付け状態と前記第二押付け状態とで、前記押当て支持材に支持された前記押当て体の前記無端ベルトを前記加熱回転体に押し当てる部分が変更されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記切替え機構が、
    前記第一押付け状態時には、前記各揺動支持材を前記各複数のばねの全部が圧縮した状態となる位置まで揺動させて保持する一方、前記第二押付け状態時には、その各揺動支持材のうち前記第一軸からの距離が相対的に遠い位置に設置されているばねが自由長の状態となる位置まで揺動させて保持する揺動保持機構で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記切替え機構が、
    前記第三押付け状態時には、前記切替え機構の揺動保持機構により前記押付け機構の各揺動支持材を揺動させてその支持材の一部を固定支持材に突き当てて、当該各揺動支持材の前記加熱回転体と接近する側への揺動を停止させる状態に保持することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  4. 前記加圧回転体の押当て支持材を支持するとともに、前記押付け機構の第一揺動支持材に第二軸を介して取り付けた状態でその押当て支持材に支持された前記押当て体の前記無端ベルトを前記加熱回転体に押し当てる部分が変更されるように揺動する第二揺動支持材を有し、
    かつ、前記切替え機構の揺動保持機構が、
    前記押付け機構の第一揺動支持材に回転自在に取り付けられるとともに、前記第二揺動支持材に接触してその第二揺動支持材を前記押当て体が前記加熱回転体と接近する側に移動する方向に揺動させる状態で配置されており、その第一揺動支持材を前記第一押付け状態時の位置と前記第二押付け状態時の位置に揺動させて保持すると同時に、その第二揺動支持材を前記押当て体の押当て部分が変更される位置に揺動させて保持するカムで構成されていることを特徴とする請求項又は3に記載の定着装置。
  5. 前記切替え機構のカムは、前記第一揺動支持材を前記第二押付け状態時の位置に揺動させて保持すると同時に、前記第二揺動支持材を前記押当て体の弾性部材の押当て部分が単独で前記無端ベルトを押し付ける状態となるように揺動させて保持することを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  6. 前記加圧回転体の押当て体は、弾性部材の押当て部及び非弾性部材の押当て部が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記切替え機構は、前記記録媒体が封筒状物であるときに第二押付け状態に切り替えることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 未定着の像を形成して記録媒体に転写する作像装置と、前記作像装置で転写された未定着の像を記録媒体に定着する定着装置とを有し、
    前記定着装置が請求項1〜7のいずれかに記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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