JP4556358B2 - 階調補正装置及び階調補正方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はビデオカメラなどに用いられる階調補正装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図10に従来の階調補正装置の構成図を示す。図10において、1は光学レンズ、2は固体撮像素子(CCD:Charge Coupled Device)、3はアナログ回路、4はAD変換器、5はカメラ信号処理回路、6は輝度色分離回路、7は帯域分離手段、8a,8b,8cはガンマROM、9は乗算器、10はコアリング回路、11は加算器、12a,12bは出力端子、13はマトリクス回路である。
【0003】
従来の階調補正装置では、光学レンズ1を通して光が入射し、固体撮像素子2で光電変換され、固体撮像素子2の出力信号がアナログ回路3、AD変換器4を通してデジタル信号としてカメラ信号処理回路5に入力される。カメラ信号処理回路5では入力した固体撮像素子2の出力信号を輝度色分離回路6で輝度信号成分YとR(赤)、G(緑)、B(青)の色信号成分Cに分離する。帯域分離手段7は輝度信号成分Yを入力し、高周波成分YHと低周波成分YLに分離する。低周波成分YLはガンマROM8aにより非線形な階調補正によりγ補正が施され、γ補正後の低周波成分YLγが出力される。また、YLはガンマROM8bにも入力され、γ特性に対応する輝度レベルに応じたゲインGapが出力される。乗算器9では高周波成分YHがゲインGapと乗算され、γ補正された高周波成分YHγが出力される。YHγはコアリング回路10に入力され、ノイズに相当する小振幅の高周波成分が抑圧され、YHcとして出力される。加算器11でYLγとYHcが加算され、出力信号Youtとして、出力端子12aより出力される。
【0004】
また、色信号成分R、G、BはガンマROM8cでγ補正され、Rγ、Gγ、Bγとして出力される。Rγ、Gγ、Bγの各色信号はマトリクス回路13でマトリクス変換され、R−Y、B−Yの色差信号Coutとして出力端子12bより出力される。
【0005】
図11、12にグレースケールを撮像した場合の従来の階調補正装置の各部の信号波形を示す。図11において、横軸は画面の水平位置で、縦軸は信号レベルを表す。また、図11でYLは破線、YLγは太線、Youtは実線で示す。図12も横軸は画面の水平位置で、図11の位置と対応が取れている。また、縦軸は信号レベルを表す。さらに、図12で太線はGap細線はYHγである。
【0006】
図11でγ補正前の輝度信号の低周波成分YLに対し、γ後の輝度信号の低周波成分YLγが階調補正され、階段波形の各段の段差であるコントラストのうち、低輝度側のコントラストが強調されていることがわかる。
【0007】
ここで、図12に示すように、輝度信号の高周波成分YHγは高周波成分YHに対し、輝度信号レベルに応じたゲインGapで増幅することにより得られるが、ゲインによる増幅で得られるため、高周波成分の上向きの信号の振幅と下向きの振幅のレベルに大きな差がないことがわかる。
【0008】
これにより、図11における、出力信号波形Youtでは、各階段波形のエッジ部には、上下に均等のエッジ信号が付加されることになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような構成では、各階段波形のエッジ部には、上下に均等のエッジ信号が付加されることになるが、本来γ補正では、低輝度側の信号が強調され、高輝度側の信号が抑圧されるため、エッジ部では下側のエッジが長く、上側のエッジが短くなる必要がある。モニタを含む全体の系ではこのような構成では、上側のエッジが強調され、下側のエッジが抑圧され、不自然な画像となるという課題がある。
【0010】
また、上記のような構成では、階調補正の特性をガンマROMで与えているため、ゲインアップでノイズ成分が強調されるような様々な条件下における階調特性の変更が困難であるという課題がある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明は、入力信号を高周波成分と低周波成分に分離する帯域分離手段と、入力信号または高周波成分と低周波成分を合成した信号に非線形な階調補正を施す第1の階調補正手段と、低周波成分に非線形な階調補正を施す第2の階調補正手段と、第1の階調補正手段から出力される信号と第2の階調補正手段から出力される信号との演算により、高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、抽出された高周波成分と階調補正された低周波成分を合成する合成手段と備えるものである。
【0012】
これにより、高周波成分のうち、上側成分に対して下側成分を長くすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、帯域分離手段は入力信号を高周波成分と低周波成分に分離し、第1の階調補正手段は前記入力信号または前記高周波成分と低周波成分を合成した信号に非線形な階調補正を施し、第2の階調補正手段は前記低周波成分に非線形な階調補正を施し、高周波成分抽出手段は第1の階調補正手段から出力される信号と第2の階調補正手段から出力される信号との演算により高周波成分を抽出し、合成手段は抽出された高周波成分と階調補正された低周波成分を合成するというものである。
【0014】
また、本発明の請求項2に記載の発明は、第3の階調補正手段は第2の階調補正手段とは独立に低周波成分に対して非線形な階調補正を施し、合成手段において、第3の階調補正手段から出力される階調補正された低周波成分と抽出された高周波成分とを合成するというものである。
【0015】
また、本発明の請求項3に記載の発明は、階調補正特性制御手段を有し、前記第1、第2または第3の階調補正手段の階調補正特性を制御するというものである。
【0016】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による階調補正装置は、高周波成分に対しても正規のガンマ補正を施すことにより高周波成分のうち、上側成分に対して下側成分が長くなるようにし、自然な階調再現を与えるというものである。
【0018】
図1は本発明の実施の形態1による階調補正装置の構成を表すブロック図である。図1において、1は光学レンズ、2は固体撮像素子、3はアナログ回路、4はAD変換器、5はカメラ信号処理回路、6は輝度色分離回路、7は帯域分離手段、8a,8c,8dはガンマROM、10はコアリング回路、11a,11bは加算器、12a,12bは出力端子、13はマトリクス回路、14は減算器である。
【0019】
光学レンズ1を通して光が入射し、固体撮像素子2で光電変換され、固体撮像素子2の出力信号がアナログ回路3、AD変換器4を通してデジタル信号としてカメラ信号処理回路5に入力される。カメラ信号処理回路5では入力した固体撮像素子2からの出力信号を輝度色分離回路6で輝度信号成分YとR、G、Bの色信号成分Cに分離する。帯域分離手段7は輝度信号成分Yを入力し、高周波成分YHと低周波成分YLに分離する。低周波成分YLはガンマROM8aにより非線形な階調補正によりγ補正が施され、γ補正後の低周波成分YLγが出力される。
【0020】
また、YLは加算器11aで高周波成分YHと加算され、高周波成分と低周波成分が合成された信号YAが出力される。YAはガンマROM8dに入力され、低周波成分YLと同様に非線形な階調補正によりγ補正が施され、γ補正後の輝度信号YAγが出力される。
【0021】
減算器14ではγ補正後の輝度信号YAγからγ補正後の低周波成分YLγが減算され、高周波成分YHγが出力される。高周波成分YHγはコアリング回路10でコアリング処理によりノイズ成分が抑圧され、YHcとして出力される。加算器11bでは、コアリング処理された高周波成分YHcとγ補正処理後の低周波成分YLγが加算され、出力信号Youtとして出力端子12aより出力される。
【0022】
また、色信号成分R、G、BはガンマROM8cでγ補正され、Rγ、Gγ、Bγとして出力される。Rγ、Gγ、Bγの各色信号はマトリクス回路13でマトリクス変換され、R−Y、B−Yの色差信号として出力端子12bより出力される。
【0023】
図2、3にグレースケールを撮像した場合の実施の形態1の階調補正装置の各部の信号波形を示す。図2において、横軸は画面の水平位置で、縦軸は信号レベルを表す。また、図2でYLは破線、YLγは太線、Youtは実線で示す。図3も横軸は画面の水平位置で、図2の位置と対応が取れている。また、縦軸は信号レベルを表す。さらに、図3で太線はYH、細線はYHγである。
【0024】
図2でγ補正前の輝度信号の低周波成分YLに対し、γ後の輝度信号の低周波成分YLγが階調補正され、階段波形の各段の段差であるコントラストのうち、低輝度側のコントラストが強調されていることがわかる。
【0025】
ここで、図3に示すように、輝度信号の高周波成分YHはYLと加算された後、γ補正処理されて、γ補正された高周波成分YHγとして生成されているので、高周波成分の上向きの信号の振幅に対して下向きの振幅のレベルが大きくなっていることがわかる。
【0026】
これにより、図2における、出力信号波形Youtでは、各階段波形のエッジ部には、上向きに対して下向きのエッジ信号が強調されて付加されることになる。
【0027】
本発明の効果は、高周波成分のうち、上側成分に対して下側成分が長くなるようにし、自然な階調再現を与えることができるというものである。
【0028】
なお、本実施の形態において、輝度信号の低周波成分YLを帯域分割手段7により得ているが、輝度色分離回路6から出力される帯域が抑圧されたR、G、Bの色信号からマトリクス変換により得られる輝度信号YrgbをYLとして用いても同様の効果が得られる。この場合の構成図を図4に示すが、動作は実施の形態1と同様なので省略する。
【0029】
また、本実施の形態において、高周波成分と低周波成分が合成された輝度信号YAを加算器11aにより得ているが、輝度色分離回路6から出力される輝度信号Yをそのまま用いても同様の効果を得ることが出来る。この場合の構成図を図5に示すが、動作は実施の形態1と同様なので省略する。
【0030】
また、本実施の形態において、撮像素子が単一の単板方式について説明したが、撮像素子を複数備えたもの(例えば、3板方式の撮像装置)でも同様の効果が得られる。ただしこの場合にはカメラ信号処理回路5の構成は若干異なる。
【0031】
(実施の形態2)
実施の形態1ではγ補正した輝度信号の低周波成分に、同じ特性でγ補正した高周波成分を加算して出力輝度信号を得ているが、輝度信号の低周波成分を異なる回路において、異なるγ特性で与えるようにすれば、高周波成分の階調特性を自由に調整することが出来る。
【0032】
以下、本発明の実施の形態2による階調補正装置について、図面を参照しながら説明する。
【0033】
本実施の形態は、輝度信号の低周波成分を異なる回路において、異なるγ特性で与えるようにし、高周波成分の階調特性を自由に調整することにより、ノイズの目立ちやすい低輝度部の高周波成分を抑圧し、ノイズ感の少ない出力信号を得ようというものである。
【0034】
図6に実施の形態2による階調補正装置の構成を示す。図6において、1は光学レンズ、2は固体撮像素子、3はアナログ回路、4はAD変換器、5はカメラ信号処理回路、6は輝度色分離回路、7は帯域分離手段、8a,8c,8dはガンマROM、10はコアリング回路、11a,11bは加算器、12a,12bは出力端子、13a,13b,13cはマトリクス回路、14は減算器、20は絞りである。
【0035】
光学レンズ1を通して光が入射し、固体撮像素子2で光電変換され、固体撮像素子2からの出力信号がアナログ回路3、AD変換器4を通してデジタル信号としてカメラ信号処理回路5に入力される。カメラ信号処理回路5では入力した固体撮像素子2からの出力信号を輝度色分離回路6で輝度信号成分YとR、G、Bの色信号成分Cに分離する。帯域分離手段7は輝度信号成分Yを入力し、高周波成分YHを分離する。色信号成分R、G、Bはマトリクス回路13aでマトリクス処理により輝度信号Yrgbに変換される。色信号成分R、G、Bは帯域が制限されているので、マトリクス処理により得られた輝度信号Yrgbは輝度信号の低周波成分YLとして高周波成分のγ補正に使用される。
【0036】
低周波成分YLは実施の形態1と同様にガンマROM8aにより非線形な階調補正によりγ補正が施され、γ補正後の低周波成分YLγが出力される。
【0037】
また、YLは加算器11aで高周波成分YHと加算され、高周波成分と低周波成分が合成された信号YAが出力される。信号YAはガンマROM8dに入力され、低周波成分YLと同様に非線形な階調補正によりγ補正が施され、γ補正後の輝度信号YAγが出力される。
【0038】
減算器14ではγ補正後の輝度信号YAγからγ補正後の低周波成分YLγが減算され、高周波成分YHγが出力される。高周波成分YHγはコアリング回路10でコアリング処理によりノイズ成分が抑圧され、YHcとして出力される。
【0039】
また、色信号成分R、G、BはガンマROM8cでγ補正され、Rγ、Gγ、Bγとして出力される。γ補正後の色信号成分Rγ、Gγ、Bγはマトリクス回路13bで輝度信号成分Yrgbγに変換される。加算器11bでは、コアリング処理された高周波成分YHcとγ補正処理後のRγ、Gγ、Bγから生成された輝度信号成分Yrgbγが加算され、出力信号Youtとして出力端子12aより出力される。
【0040】
また、Rγ、Gγ、Bγの各色信号はマトリクス回路13cでマトリクス変換され、R−Y、B−Yの色差信号として出力端子12bより出力される。
【0041】
図7、8にグレースケールを撮像した場合の実施の形態2の階調補正装置の各部の信号波形を示す。図7において、横軸は画面の水平位置で、縦軸は信号レベルを表す。また、図7でYLは破線、Yrgbγは太線、YLγは中太線、Youtは実線で示す。
【0042】
図7において、YLγは本来のγ特性に対して、低輝度部でのコントラスト強調を弱めたγ特性で階調補正されている。そのため、低輝度部でのノイズの強調が抑圧される。
【0043】
図8は通常のγ特性でYHを生成した場合のYHcの波形を細線で、低輝度部でのコントラスト強調を抑圧した場合のYHcの波形を太線で示している。入力信号レベルの高い右側ではほぼ重なっているが、左側の低輝度部では、コントラスト強調が抑圧された太線のほうが高周波成分が抑圧されていることがわかる。
【0044】
本発明の効果は、輝度信号の低周波成分を異なる回路において、異なるγ特性で与えるようにし、高周波成分の階調特性を自由に調整することにより、ノイズの目立ちやすい低輝度部の高周波成分を抑圧し、ノイズ感の少ない出力信号を得ることができるというものである。
【0045】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3の階調補正装置について、図面を参照しながら説明する。
【0046】
本実施の形態は、画像の状態に応じて高周波成分の階調特性を調整することにより、ゲインアップなどによりノイズの多い場合には特に低輝度部の高周波成分を抑圧することにより、より自然な画像を得るというものである。
【0047】
図9に実施の形態3の階調補正装置の構成を示す。図9において、1は光学レンズ、2は固体撮像素子、3はアナログ回路、4はAD変換器、5はカメラ信号処理回路、6は輝度色分離回路、7は帯域分離手段、8cはガンマROM、10はコアリング回路、11a,11bは加算器、12a,12bは出力端子、13a,13b,13cはマトリクス回路、14は減算器、15はマイクロコンピュータ、16はレベル検出回路、17a,17bは階調特性設定手段、18a,18bは階調補正回路、19は絞り駆動回路、20は絞りである。
【0048】
光学レンズ1および絞り20を通して光が入射し、固体撮像素子2で光電変換され、固体撮像素子2からの出力信号がアナログ回路3、AD変換器4をとおしてデジタル信号としてカメラ信号処理回路5に入力される。カメラ信号処理回路5では入力した固体撮像素子2からの出力信号を輝度色分離回路6で輝度信号成分YとR、G、Bの色信号成分に分離する。帯域分離手段7は輝度信号成分Yを入力し、高周波成分YHを分離する。色信号成分R、G、Bはマトリクス回路13aでマトリクス処理により輝度信号Yrgbに変換される。色信号成分R、G、Bは帯域が制限されているので、マトリクス処理により得られた輝度信号Yrgbは輝度信号の低周波成分YLとして高周波成分のγ補正に使用される。
【0049】
ここで、通常の撮影状態においては、マイクロコンピュータ15は階調特性設定回路17aおよび17bに0.45のガンマ特性(入力信号に対して0.45乗のカーブを有するガンマ特性)に応じた階調特性データを設定する。これにより、輝度信号YLは階調補正回路18aで0.45のガンマ特性に対応した階調補正が施され、ガンマ処理後の輝度信号YLγとして出力される。
【0050】
また、YLは加算器11aで高周波成分YHと加算され、高周波は成分と低周波成分が合成された信号YAが出力される。YAは階調補正回路18bに入力され、低周波成分YLと同様に0.45のガンマ特性によりγ補正が施され、γ補正後の輝度信号YAγが出力される。
【0051】
減算器14ではγ補正後の輝度信号YAγからγ補正後の低周波成分YLγが減算され、高周波成分YHγが出力される。高周波成分YHγはコアリング回路10でコアリング処理によりノイズ成分が抑圧され、YHcとして出力される。
【0052】
また、色信号成分R、G、BはガンマROM8cでγ補正され、Rγ、Gγ、Bγとして出力される。γ補正後の色信号成分Rγ、Gγ、Bγはマトリクス回路13bで輝度信号成分Yrgbγに変換される。加算器11bでは、コアリング処理された高周波成分YHcとγ補正処理後のRγ、Gγ、Bγから生成された輝度信号成分Yrgbγが加算され、出力信号Youtとして出力端子12aより出力される。
【0053】
また、Rγ、Gγ、Bγの各色信号はマトリクス回路13cでマトリクス変換され、R−Y、B−Yの色差信号として出力端子12bより出力される。
【0054】
ここで、被写体の照度が極端に下がった場合について説明する。図9におけるレベル検出回路16は輝度色分離回路6から出力される輝度信号Y(マトリクス回路13aにより生成されたYrgb)を入力し、1画面分の信号の平均値を求め、マイクロコンピュータ15に入力する。被写体の照度が下がると、レベル検出回路16で検出される平均値が下がるので、マイクロコンピュータ15は絞り駆動回路19を通して、絞り20の絞り値を開くように指令を出し、レベル検出回路16から得る信号の平均値を一定に保つように絞り20を制御する。
【0055】
しかしながら、被写体照度が極端に下がった場合には、絞り20は開放となり、絞り制御ではそれ以上信号レベルをあげることが出来ない。そこで、マイクロコンピュータ15はアナログ回路3における入力信号の増幅率を上げることにより、信号レベルを上げる。
【0056】
次にマイクロコンピュータ15は階調特性設定回路17にガンマカーブを0.55に応じた設定値になるように指令を出す。ガンマカーブの傾き以外の動作は通常の撮影状態と同様である。
【0057】
このような処理を施した場合の各部の波形は図7、図8と同様であるため省略するが、ゲインアップされた場合には、高周波成分に対するγ特性を0.55(入力信号に対して0.55乗のカーブを有する特性)とすることにより低輝度部のコントラスト強調を抑圧することになり、低輝度部のノイズを抑圧することができる。また、通常状態では、ノイズ抑圧の必要はないので、高周波成分に対するγ特性を0.45にすることにより、低輝度部でもコントラストを強調することができる。
【0058】
本発明の効果は、画像の状態に応じて高周波成分の階調特性を調整することにより、ゲインアップなどによりノイズの多い場合には特に低輝度部の高周波成分を抑圧することにより、より自然な画像を得ることができるというものである。
【0059】
なお、本実施の形態において、ゲインアップ時のガンマ特性を0.55としているが、ノイズ成分を抑圧するような階調特性であれば、それに限らない。
【0060】
また、本実施の形態において、色信号成分Cに対してはガンマROM8cにより階調補正を行ったが、信号YA,YLと同様に階調特性設定手段と階調補正回路を用いた構成にしてもよい。
【0061】
【発明の効果】
本発明の効果は、高周波成分のうち、上側成分に対して下側成分が長くなるようにし、自然な階調再現を与えることができるというものである。
【0062】
本発明の別の効果は、輝度信号の低周波成分を異なる回路において、異なるγ特性で与えるようにし、高周波成分の階調特性を自由に調整することにより、ノイズの目立ちやすい低輝度部の高周波成分を抑圧し、ノイズ感の少ない出力信号を得ることができるというものである。
【0063】
本発明のさらに別の効果は、画像の状態に応じて高周波成分の階調特性を調整することにより、ゲインアップなどによりノイズの多い場合には特に低輝度部の高周波成分を抑圧することにより、より自然な画像を得ることができるというものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による階調補正装置の構成を示すブロック図
【図2】同階調補正装置の各部における輝度信号波形を示す波形図
【図3】同階調補正装置の各部における高周波成分の波形を示す波形図
【図4】同階調補正装置の他の例の構成を表す構成図
【図5】同階調補正装置の他の例の構成を表す構成図
【図6】本発明の実施の形態2による階調補正装置の構成を示すブロック図
【図7】同階調補正装置の各部における輝度信号波形を示す波形図
【図8】同階調補正装置の各部における高周波成分の波形を示す波形図
【図9】本発明の実施の形態3による階調補正装置の構成を示すブロック図
【図10】従来の階調補正装置の構成を表す構成図
【図11】従来の階調補正装置の各部における輝度信号波形を示す波形図
【図12】従来の階調補正装置の各部における高周波成分の波形を示す波形図
【符号の説明】
1 光学レンズ
2 固体撮像素子
3 アナログ回路
4 AD変換器
5 カメラ信号処理回路
6 輝度色分離回路
7 帯域分離手段
8 ガンマROM
10 コアリング回路
11 加算器
12 出力端子
13 マトリクス回路
14 減算器
15 マイクロコンピュータ
16 レベル検出回路
17 階調特性設定手段
18 階調補正回路
19 絞り駆動回路
20 絞り
Claims (5)
- 入力信号を高周波成分と低周波成分に分離する帯域分離手段と、
前記入力信号または前記高周波成分と、前記低周波成分とを合成した信号に非線形な階調補正を施す第1の階調補正手段と、
前記低周波成分に非線形な階調補正を施す第2の階調補正手段と、
前記第1の階調補正手段から出力される信号と前記第2の階調補正手段から出力される信号との演算により、高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、
前記抽出された高周波成分と階調補正された前記低周波成分とを合成する合成手段と備える階調補正装置。 - 第2の階調補正手段とは独立に低周波成分に対して非線形な階調補正を施す第3の階調補正手段を有し、合成手段において、高周波成分抽出手段で抽出された高周波成分と前記第3の階調補正手段から出力される階調補正された低周波成分とを合成することを特徴とする請求項1記載の階調補正装置。
- 階調補正特性制御手段を有し、前記第1、第2または第3の階調補正手段の階調補正特性を制御する請求項1または2記載の階調補正装置。
- 入力信号を高周波成分と低周波成分に分離する帯域分離手段と、
前記入力信号または前記高周波成分と、前記低周波成分とを合成した信号に非線形な階調補正を施す第1の階調補正手段と、
前記低周波成分に非線形な階調補正を施す第2の階調補正手段と、
前記第1の階調補正手段から出力される信号と前記第2の階調補正手段から出力される信号との演算により、高周波成分を抽出する高周波成分抽出手段と、
前記抽出された高周波成分と階調補正された前記低周波成分とを合成する合成手段とを含むことを特徴とする階調補正方法。 - さらに、前記第2の階調補正手段とは独立に低周波成分に対して非線形な階調補正を施す第3の階調補正手段を含み、
前記合成手段は、高周波成分抽出手段で抽出された高周波成分と前記第3の階調補正手段から出力される階調補正された低周波成分とを合成することを特徴とする請求項4記載の階調補正方法。
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