JP4553114B2 - ゴルフボール用樹脂成形物及びゴルフボール - Google Patents
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Description
〔1〕結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)60〜95質量%と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)5〜40質量%との合計量100質量部に対して、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2−イソシアナトエチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、2,5−または2,6−ジイソシアナトメチル−2−イソシアネートプロピルノルボルナン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、及びジイソシアネートまたはトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環状三量体化したイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートの群から選ばれる特定イソシアネート化合物が50質量%以上占めるポリイソシアネート化合物(C)0.05〜10質量部を配合してなる組成物を射出成形等により成形し、得られた成形物におけるASTM D−2240に基づくショアD硬度が25〜85であり、かつBS規格903に基づく反発弾性率が62〜90%であることを特徴とするゴルフボール用樹脂成形物。
〔2〕上記特定化イソシアネート化合物がポリイソシアネート化合物(C)の70質量%以上占める請求項1記載のゴルフボール用樹脂成形物。
〔3〕請求項1又は2記載のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形等により成形して得られた成形物に対して、JIS K7218に記載されたA法に基づいて、中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させた時の滑り摩耗において、試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3km、の条件とした時の比摩耗量が以下の式(1)を満たすことを特徴とするゴルフボール用樹脂成形物。
Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5 …(1)
〔但し、Vxはゴルフボール用樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれゴルフボール用樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、ρはゴルフボール用樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。〕
〔4〕請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物をボール構造の少なくとも1層の材料として使用することを特徴とするゴルフボール。
〔5〕コアと、カバーとを具備してなるゴルフボールであって、上記カバーが請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
〔6〕コアと、中間層と、カバーとを具備してなるゴルフボールであって、上記カバーが請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
本発明に用いられる成分の1つであるポリエーテルエステルブロック共重合体(A)は、結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とする。
即ち、特定イソシアネート化合物としては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2−イソシアナトエチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、2,5−または2,6−ジイソシアナトメチル−2−イソシアネートプロピルノルボルナン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、およびポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートを挙げることができる。さらに、ジイソシアネートあるいはトリイソシアネートのイソシアネート基どうしを環状三量体化して得られるイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートも挙げることができる。
b.ポリイソシアネート化合物(C)を熱可塑性樹脂に配合したマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物にドライブレンドし、事前に溶融混合することなく射出成形する方法。なお、マスターバッチペレットに使用する熱可塑性樹脂は、特に何ら制限を受けるものではないが、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性が良好なものが好ましい。
c.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物に、ポリイソシアネート化合物(C)を配合した原料をスクリュー型押出機に供給し、溶融混練する方法。
d.スクリュー型押出機にポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物を供給して溶融し、更に他の供給口からポリイソシアネート化合物(C)を供給し、溶融混練する方法。
e.ポリイソシアネート化合物(C)を熱可塑性樹脂に配合したマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物に配合した原料をスクリュー型押出機に供給し、溶融混練する方法。なお、マスターバッチペレットに使用する熱可塑性樹脂は、特に何ら制限を受けるものではないが、ポリエーテルエステルブロック共重合体との相溶性が良好なものが好ましい。
f.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物に、ポリイソシアネート化合物(C)を配合した原料を、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機に供給して溶融混練した後、スクリュー型押出機に供給してペレット化する方法。
g.ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレット混合物、あるいはポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)の溶融混練物に、ポリイソシアネート化合物(C)を配合した原料を、ロール、ニーダー、バンバリーミキサー等の混練機に供給し、溶融混練した後に取り出し、冷却後、粉砕する方法。
式Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5 …(1)
〔但し、Vxはゴルフボール用樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれゴルフボール用樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、ρはゴルフボール用樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。〕
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、以下、部及び反発弾性率以外の%はすべて質量基準である。また、例中に示される樹脂物性及びゴルフボール物性は次のように測定した。
[融点]
差動走査熱量計(Du Pont社製DSC−910型)を使用して、窒素ガス雰囲気下、10℃/分の昇温速度で加熱した時の融解ピークの頂上温度を測定した。
[溶融粘度指数(MFR値)]
ASTM D−1238にしたがって荷重2160gで測定した。
[表面硬度]
ASTM D−2240にしたがって測定した硬度(ショアD硬度)。
[反発弾性率]
BS規格903にしたがって測定した。
[比重]
ASTM D−792にしたがって測定した。
[比摩耗量]
JIS K7218に記載されたA法に適用しうる直径40mm、厚さ3mmの円板を成形した。摩耗摩擦試験機((株)オリエンテック社製EFM−III−EN/F型)を使用して、JIS K7218に記載されたA法に従い、その成形品上に中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させて滑り摩耗試験を行った。試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3km、の条件とし、耐摩耗性として比摩耗量を求めた。この比摩耗量は下記式
Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)
から算出した。ここで、Vxはポリエステルエラストマー樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれポリエステルエラストマー樹脂組成物からなる成形品を使用した試験片の試験前,試験後の質量(mg)、ρはポリエステルエラストマー樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義される。このうち、密度ρ(kg/m3)は比重/1000で算出される値を使用した。
ゴルフボール物性
[外径]
コア、中間層被覆状態、製品の外径(mm)をそれぞれ測定した。
[質量]
コア、中間層被覆状態、製品の質量(g)をそれぞれ測定した。
[硬度]
コア、中間層被覆状態、製品に対し、100kg荷重時の変形量(mm)を測定した。数値が大きいほど軟らかいことを示す。
[飛距離]
打撃マシン((株)ミヤマエ社製)を用い、ドライバー(W#1)でヘッドスピード45m/sで打撃したときの、キャリー飛距離、トータル飛距離をそれぞれ測定した。
[繰り返し打撃耐久性]
打撃マシン((株)ミヤマエ社製)を用い、ドライバー(W#1)でヘッドスピード45m/sで繰り返し打撃し、打撃傷を目視で判断した。比較球(比較例1)と同時に評価を行い、次の評価基準で評価した。
[耐擦過傷性]
ボールを23℃に保温し、ピッチングウェッジをスイングロボットマシンに取り付け、ヘッドスピード33m/sにて打撃し、打撃傷を目視で判断した。次の評価基準で評価した。
○:傷がない、もしくは使用上、全く気にならない程度の傷。
×:表面が毛羽立つ、ディンプルが欠ける、などのひどい傷。
[打球感]
トップアマ各5人のゴルファーにより、ドライバー(W#1)を用いた実打テストで下記基準で評価した。
◎:大変良い
○:良い
[ゴルフボールコアの製造]
表1に示す配合のコア用組成物をモールド内で加硫し、表1に示す物性、形状を有するコアを成形した。
参考例1および参考例2に示したように重合し、ペレタイズしたポリエーテルエステルブロック重合体(A−1)および(A−2)を用いた。
テレフタル酸419部、1,4−ブタンジオール409部および数平均分子量が約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(デュポン社製“テラタン”1400)476部を、チタンテトラブトキシド2部と共にヘリカルリボン型撹拌翼を備えた反応容器に仕込み、190〜225℃で3時間加熱して反応水を系外に留出しながらエステル化反応を行った。この反応混合物に“イルガノックス”1010(チバガイギー社製ヒンダードフェノ−ル系酸化防止剤)0.75部を添加した後、245℃に昇温し、次いで40分かけて系内の圧力を27Paの減圧とし、その条件下で2時間40分重合を行わせてポリエーテルエステルブロック共重合体(A−1)を得た。得られたポリマを水中にストランド状で吐出し、カッティングしてペレット化した。このペレットの融点は195℃で、220℃で測定した溶融粘度指数(MFR)は18g/10分、硬度は47ショアD、比重1.15であった。
テレフタル酸444部、1,4−ブタンジオール386部および数平均分子量が約1400のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール(保土谷化学(株)製PTG1400SN)439部を使用した以外は、参考例1と同様にして重合、カッティングして、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A−2)を得た。このペレットの融点は199℃、220℃で測定した溶融粘度指数(MFR)は16g/10分、硬度は50ショアD、比重1.17であった。
実施例および比較例において使用した熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)は、以下のとおりである。
B−1:“パンデックス”T−8295(ディーアイシー・バイエル・ポリマー(株)製 ポリエーテル型熱可塑性ポリウレタンエラストマー。硬度は56ショアD。)
実施例および比較例において使用したポリイソシアネート化合物は、以下のとおりである。
C−1:日本ポリウレタン工業(株)製“ミリオネート”MT
(ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート)
C−2:日本ポリウレタン工業(株)製“コロネート”HX
(ヘキサメチレンジイソシアネートを3量体化したイソシアヌレート構造を有 するポリイソシアネート)
C−3:日本ポリウレタン工業(株)製“ミリオネート”MR−400
(ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、1分子中にイソシアネート 基が3個以上のイソシアネートを71%以上含有)
比較例で使用したアイオノマー樹脂は以下のとおりである。
D−1 :サーリン8120、デュポン社製、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体アイオノマー、イオン種Na、表面硬度(ショアD)45
D−2 :ハイミラン1706、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸共重合体アイオノマー、イオン種Zn、表面硬度(ショアD)62
D−3 :ハイミランAM7316、三井・デュポンポリケミカル社製、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三共重合体アイオノマー、イオン種Zn、表面硬度(ショアD)40
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレットを、表2に示したような配合比でV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練した後、ペレット化して樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物ペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、ポリイソシアネート化合物(C)とともに、表2に示したような配合比になるようにV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定し、この値から式(1)の比摩耗量を求めた。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度と反発弾性率を測定した。結果を表2に併記する。
ポリイソシアネート化合物(C−2),(C−3)を、各々共重合ポリエステル樹脂に配合して、ポリイソシアネート化合物(C−2),(C−3)の含有量を、各々30質量%とした3種類のマスターバッチペレットを用意した。80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレットを、表2に示したような配合比でV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練した後、ペレット化して樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物ペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、上記3種類のマスターバッチペレットを、ポリエーテルエステルブロック共重合体(A)と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)と、ポリイソシアネート化合物(C)の配合比が表2に示したような割合になるようにV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定し、この値から式(1)の比摩耗量を求めた。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度と反発弾性率を測定した。結果を表2に併記する。
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレットを、ポリイソシアネート化合物(C)とともに、表2に示したような配合比でV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練してペレット化し、ゴルフボール用樹脂組成物を得た。これらのペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給した。ドライブレンドされた混合物はホッパーから成形機内に供給され、240℃に設定されたシリンダー内で溶融混練され、それから50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形された。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定し、この値から式(1)の比摩耗量を求めた。また、別途、各々の試験片を用意して、表面硬度と反発弾性率を測定した。結果を表2に併記する。
80℃×3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレットを、表4に示したような配合比になるようにV−ブレンダーを用いてドライブレンドし、直径45mmで三条ネジタイプのスクリューを有する二軸押出機を用いて230℃で溶融混練した後、ペレット化して樹脂組成物を得た。これらの樹脂組成物ペレットを80℃で3時間の熱風乾燥を施した後、住友重機械工業(株)製ネオマット150/75SYCAP−M型住友−ネスタール射出成形機のホッパーに供給し、50℃に設定された金型キャビティー内に射出成形した。このような方法で、直径100mm、厚さ3mmの円盤状成形品を得た。23℃、50%RHで24時間放置した後、摩耗量を測定して比摩耗量を求めた。また、別途、各々の試験片を用意して表面硬度と反発弾性率を測定した。結果を表4に併記する。
80℃で3時間の熱風乾燥を施したポリエーテルエステルブロック共重合体(A)のペレットと、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)のペレットを、平行に並んだ二本のブレードを有するニーダー中で240℃で2.5分間の溶融混練を行って溶融した。ここに、ポリイソシアネート化合物(C)を、表4に示したような配合比になるように供給して、さらに、240℃での溶融混練を行おうと試みたところ、急速なゲル化を生じて樹脂組成物がブレードに巻き付いた。ブレードに巻き付いた樹脂組成物をブレードから剥ぎ取って調べたところ、不溶かつ不融で、成形加工性を有しておらず、物性を測定することができなかった。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物の代わりに、アイオノマー樹脂を使用して、表1に示すコアを、通常のゴルフボール成形で用いられる金型に配備した射出成形機を用いて表5に示すツーピースゴルフボールを、それぞれ製造した。得られたゴルフボールについて、上記評価方法に従って、それぞれ評価を行った結果を表5に併記する。
本発明のゴルフボール用樹脂組成物の代わりに、熱可塑性ポリウレタン樹脂(MDI-PTMGタイプの熱可塑性ポリレタンエラストマー)を使用して、表1に示すコアを、通常のゴルフボール成形で用いられる金型に配備した射出成形機を用いて表5に示すツーピースゴルフボールを、それぞれ製造した。得られたゴルフボールについて、上記評価方法に従って、それぞれ評価を行った結果を表5に併記する。
Claims (6)
- 結晶性芳香族ポリエステル単位からなる高融点結晶性重合体セグメント(a)と、脂肪族ポリエーテル単位からなる低融点重合体セグメント(b)とを主たる構成成分とするポリエーテルエステルブロック共重合体(A)60〜95質量%と、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(B)5〜40質量%との合計量100質量部に対して、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、2−イソシアナトエチル(2,6−ジイソシアネート)ヘキサノエート、2,5−または2,6−ジイソシアナトメチル−2−イソシアネートプロピルノルボルナン、トリス(イソシアナトフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、及びジイソシアネートまたはトリイソシアネートのイソシアネート基同士を環状三量体化したイソシアヌレート構造を有するポリイソシアネートの群から選ばれる特定イソシアネート化合物が50質量%以上占めるポリイソシアネート化合物(C)0.05〜10質量部を配合してなる組成物を射出成形等により成形し、得られた成形物におけるASTM D−2240に基づくショアD硬度が25〜85であり、かつBS規格903に基づく反発弾性率が62〜90%であることを特徴とするゴルフボール用樹脂成形物。
- 上記特定イソシアネート化合物がポリイソシアネート化合物(C)の70質量%以上占める請求項1記載のゴルフボール用樹脂成形物。
- 請求項1又は2記載のゴルフボール用樹脂組成物を射出成形等により成形して得られた成形物に対して、JIS K7218に記載されたA法に基づいて、中空円筒状の金属を荷重をかけて回転させた時の滑り摩耗において、試験速度vを0.5m/s、試験荷重Pを50N、滑り距離Lを3km、の条件とした時の比摩耗量が以下の式(1)を満たすことを特徴とするゴルフボール用樹脂成形物。
Vx={(Wa−Wb)/(ρ・1000)}/(P・L)≦0.5 …(1)
〔但し、Vxはゴルフボール用樹脂組成物の比摩耗量(mm3/(N・km))、Wa,Wbはそれぞれゴルフボール用樹脂組成物からなる成形品である試験片の試験前,試験後の質量(mg)、ρはゴルフボール用樹脂組成物の密度(kg/m3)と定義する。〕 - 請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物をボール構造の少なくとも1層の材料として使用することを特徴とするゴルフボール。
- コアと、カバーとを具備してなるゴルフボールであって、上記カバーが請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
- コアと、中間層と、カバーとを具備してなるゴルフボールであって、上記カバーが請求項1、2又は3記載のゴルフボール用樹脂成形物にて形成されたことを特徴とするゴルフボール。
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