JP3674722B2 - ポリエステルエラストマー樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ポルエステルエラストマー(以下、TPEEと略す。)を用いて、より高溶融粘度に変性されたTPEEを含んでなる、耐摩耗性に優れるポリエステルエラストマー樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
TPEEは、通常、溶融重合法にて得られるが、重合時の分解を防止するために、それは比較的低温度で行われ、しかも、重合装置の能力の関係から、それ自身で高溶融粘度物を得る事は困難であり、耐摩耗性に優れたものは得られていなかった。
【0003】
一方、より高溶融粘度のTPEEを得る方法としては、エチレン・アクリル共重合体(アイオノマー)をブレンドする方法(特公昭56−9177号公報)、ジエポキシ化合物をブレンドする方法(特公昭55−43016号公報)、カルボジイミド化合物をブレンドする方法(特公昭56−21766号公報)、ジエポキシ化合物及び特定のカルボン酸金属塩をブレンドする方法(特開昭57−36124号公報)等の、ベースとするTPEEに異種化合物・樹脂をブレンドする方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記方法ではいずれにしても、耐摩耗性に優れたTPEEを得る事は困難である。しかも、例えば前記アイオノマーのブレンドは相溶性の問題、ジエポキシ化合物やカルボジイミド化合物のブレンドはTPEE末端の水酸基やカルボキシル基との反応性が遅いために増粘効果が低く、ジエポキシ化合物及び特定のカルボン酸金属塩をブレンドする方法は増粘することはできるが、耐熱性に劣り、実用的問題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目標を達成するために鋭意研究した結果、TPEE(A)と、有機ポリイソシアネート(B)と、シリコーン化合物(C)とを特定重量割合で溶融混合してなるポリエステルエラストマー樹脂組成物は、前記TPEE(A)よりもより高溶融粘度となり、耐摩耗性に優れること、加えて結果的に機械的特性、柔軟性にも優れる事を見いだした。
【0006】
すなわち本発明は、より高溶融粘度に変性されたポリエステルエラストマー樹脂組成物に関し、しかも耐摩耗性、機械的特性、柔軟性に優れるポリエステルエラストマー樹脂組成物に関するものである。
【0007】
本発明は、ポリエステルエラストマー(A)100重量部に対して、有機ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜7.0重量部と、シリコーン化合物(C)0.1〜5.0重量部とを溶融混合してなるポリエステルエラストマー樹脂組成物を提供する。
【0008】
本発明におけるTPEE(A)は公知慣用のポリエステルエラストマーが使用できる。このTPEE(A)としては、例えば低分子量ジオール、ジカルボン酸、脂肪族ポリエーテル及び/または脂肪族ポリエステル、或いはこれらのエステル形成性誘導体同志を必須成分として反応させて得られたものが使用できる。
【0009】
TPEE(A)としてはアルキレングリコールとテレフタル酸及び/またはアルキルエステルとポリ(オキシアルキレン)グリコール、或いはそれらのエステル形成性誘導体を反応させて得たアルキレンテレフタレート系TPEEが好ましく、特に柔軟性、弾性回復性に優れる点で、テトラメチレンテレフタレート系TPEEが好ましい。
【0010】
さらにTPEE(A)としては、通常、表面硬度(ショアーD)が30〜80であるものを用いるが、特に、弾性回復性の点で、33〜75のものが好ましい。
【0011】
TPEE(A)は、一般的に、分子構造から見て、ハードセグメントとソフトセグメントとから構成される。ハードセグメントは低分子量ジオール、ジカルボン酸及び/またはそのアルキルエステルから構成される単位であり、ソフトセグメントは脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルとジカルボン酸及び/またはそのアルキルエステルから構成される単位から成る。
【0012】
本発明のTPEE(A)としては分子構造中のソフトセグメントとハードセグメントの割合が前者/後者(重量比)=10/90〜80/20であるものが好ましい。
【0013】
本発明のTPEE(A)を得るための低分子量ジオールとしては例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチル−トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール等のアルキレングリコール、p−キシリレングリコール、シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
【0014】
またジカルボン酸及び/またはアルキルエステルとしては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4−スルホニルジ安息香酸等の芳香族ジカルボン酸、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸、或いはこれらのジアルキルエステルが挙げられる。
【0015】
さらに脂肪族ポリエーテルおよび/または脂肪族ポリエステルとしては例えばポリ(オキシエチレン)グリコール、ポリ(オキシプロピレン)グリコール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール等のポリ(オキシアルキレン)グリコール、これらポリ(アルキレンエーテル)グリコール類の混合物もしくは共重合体、ポリーεカプロラクトン、炭素数2〜12の脂肪族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族グリコールから得られるポリエステル、例えばポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポリネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアセテート、ポリヘキサメチレンアセテートなど、また上記脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリエーテルを組み合わせたポリエステルポリエーテル共重合体等が挙げられる。
【0016】
本発明のTPEE(A)を得るに当たっては、必要であればオキシ酸としてp−オキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸等を原料成分として少量併用してもさしつかえない。
【0017】
本発明におけるTPEE(A)は公知慣用の重縮合反応により得ることが出来、代表的なTPEEは例えばテレフタル酸又はテレフタル酸ジメチル、1,4−ブタンジオールおよびポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを必須成分として反応せしめることにより製造できる。
【0018】
モル比としては、前記ジオールとグリコールとの合計1モル当たり、ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体0.7〜1.5モルである。前記ジオールとグリコールとのモル比は、前記ジオール/前記グリコール=98/2〜55/45(モル%)、好ましくは95/5〜60/40(モル%)である。
【0019】
この際には、これらを同時に反応させる様にしても良いし、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルと1,4−ブタンジオールとを反応させてプレポリマーを得て、それにポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを反応させてもよい。
【0020】
またTPEE(A)としては予め調製したテレフタル酸又はアルキルエステルと1,4−ブタンジオールとを反応させたハードセグメント形成のプレポリマーとテレフタル酸又はそのアルキルエステルエステルとポリ(オキシテトラメチレン)グリコール及び/または脂肪族ポリエステルとを反応させたソフトセグメント形成プレポリマーとを後記有機ポリイソシアネート化合物(B)と反応させた変性ポリエーテルエステルブロック共重合体または変性ポリエステルエステルブロック共重合体からなるTPEEも使用できる。
【0021】
本発明で使用される有機ポリイソシアネート化合物(B)は、脂肪族あるいは芳香族化合物中に少なくとも2個以上のイソシアネート基を有する化合物であり、公知慣用のものがいずれも使用できる。また、マスキングされた有機ポリイソシアネート化合物も使用できる。
【0022】
有機ポリイソシアネート化合物(B)としては、公知慣用の化合物がいずれも使用できるが、例えばトルエン−2,4−ジイソシアネート、4−メトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−イソプロピル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−クロル−1,3−フェニレンジイソシアネート、4−ブトキシ−1,3−フェニレンジイソシアネート、2,4−ジイソシアネート−ジフェニルエーテル、メチレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ベンジジンジイソシアネート、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)等が挙げられる。マスキング化された有機ポリイソシアネート化合物とは前記有機ポリイソシアネート化合物をマスキング剤と共に溶媒中または溶融状態で加熱反応させることにより得られる。マスキング剤としてはアルコール類、フェノール類、アルキルフェノール類、ε-カプロラクタム、メチルエチルケトオキシム等である。
【0023】
溶融混合時に用いる有機ポリイソシアネート化合物(B)としては4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4−トリレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートが好ましい。
【0024】
有機ポリイソシアネート化合物(B)の使用量は、本発明で規定する範囲内で多い程、溶融粘度はより高くなる。
【0025】
本発明で使用されるシリコーン化合物(C)はシロキサン結合を骨格とし各種の重合度を有し、場合によって側鎖に各種有機基を有していても良いシリコーンオイルである。シリコーン化合物(C)としては例えば分子構造式(1)によって表されるものが挙げられる。
【0026】
【化1】
【0027】
〔式中、Rは同一でも異なっていてもよいメチル基、フェニル基又は水素原子、
nは整数〕
【0028】
具体的には、前記分子構造式(1)において、Rが全てメチル基の化合物に相当するジメチルシリコーンオイル、メチル基の一部をフェニル基に変えてフェニルメチルシリコーンオイル、Rの1つがメチル基で、他の1つが水素原子の化合物に相当するメチル水素シリコーンオイル等が挙げられる。
【0029】
本発明では重合度nを調節した任意の粘度のシリコーンオイルを用いることが出来るが、中でも1000〜10万センチストークス(CS)のジメチルシリコーンオイルが好適である。
【0030】
シリコーン化合物(C)の使用量は、本発明で規定する範囲内で多い程、耐摩耗性はより良好になる。
【0031】
本発明の樹脂組成物は、前記TPEE(A)と有機ポリイソシアネート化合物(B)とシリコーン化合物(C)とを所定の重量割合で溶融混合する事にある。
【0032】
この溶融混合により、用いたTPEE(A)は有機ポリイソシアネート化合物(B)により高分子量化されて増粘する。最終的に得られるポリエステルエラストマー樹脂組成物は所望の表面硬度となる様に、TPEE(A)、有機ポリイソシアネート化合物(B)及びシリコーン化合物(C)の使用量が調整される。本発明では、化合物(B)を用いた変性に当たって、TPEEの表面硬度を変性前後で著しく変化させることなく、溶融粘度のみをより高くすることが出来る。
【0033】
それらの使用量はTPEE(A)100重量部に対して有機ポリイソシアネート化合物(B)が0.05〜7.0重量部であり、好ましくは0.10〜5.0重量部である。同様にTPEE(A)100重量部に対して、シリコーン化合物(C)が0.1〜5.0重量部であり、好ましくは0.3〜4.0重量部である。
【0034】
これら混合方法は特に問わないが、粒状、粉末状、フレーク状、液状等のこれらを予備混合した後、溶融混合するのが好ましい。これらを溶融混合すると急激に粘度が上昇するために、通常エクストルーダー等溶融押出混練機が用いられる。
【0035】
溶融混合時の温度や混合時間は特に限定されるものではなく、溶融混合の方式や目的とする物性に応じて調整される。通常、TPEE(A)の溶融温度以上で行えばよいが、その結晶融点より高い温度から260℃までの範囲が好ましい。混合時間は、粘度が飽和し一定になるまで行えばよいが、通常10秒〜120分程度である。
【0036】
本発明の組成物には前記(A)〜(C)のみからなるものでも充分優れた特性を有しているが、必要に応じて無機及び/または有機の充填材や添加剤を添加することができる。
【0037】
好適な充填材としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、チタン酸カリウム、アスベスト、炭化ケイ素、セラミック、窒化ケイ素、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、カオリン、クレー、パイロフイライト、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、マイカ、雲母、ネフェリンシナイト、タルク、アタルパルジャイト、ウオラストナイト、PMF、フェライト、珪酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト、三酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化鉄、二硫化モリブテン、黒鉛、石膏、ガラスビーズ、ガラスパウダー、ガラスバルーン、石英、石英ガラス等の強化充填材を挙げることができる。他に、離型剤、カップリング剤、着色剤、滑剤、耐熱安定剤、耐候性安定剤、発泡剤、防錆剤、難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤を添加してもよい。
【0038】
さらに、必要なら、他のポリエステルエラストマーやそれ以外の熱可塑性樹脂、例えば、熱可塑性ポリウレタン樹脂、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー、ポリアミド系エラストマーを本発明の効果を損なわない範囲で添加する事もできる。
【0039】
本発明の樹脂組成物は、例えばステアリングロッドカバー、ダストカバー、ベローズ、球技用ボール、電線被覆、軸受、Vベルト、搬送用ベルト、消音ギア、ヘアーブラシ、スライドプレート、カールコード、索引ロープジャケット等に用いることができる。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、公知慣用の成形方法にて、所望の形状に成形することが出来る。成形方法としては、例えば射出成形、押出成形、ブロー成形、インサート成形等が挙げられる。その射出成形法としては例えば十分乾燥させた本発明の樹脂組成物を射出成形機の加熱シリンダー内で可塑化し、金型内で冷却固化して所定の成形品とする方法が挙げられる。またブロー成形法としては例えば十分乾燥させた本発明の樹脂組成物をブロー成形機の加熱シリンダー内で可塑化し金型内で冷却固化して所定の成形品とする方法が挙げられる。
【0041】
通常、いずれの成形方法でも、成形を行うに当たってはシリンダー温度、押し出し(又は射出)速度、パリソン肉厚、吹き込み時間、金型温度等の各条件を適宜選択され、良好な条件で成形が行われる。
【0042】
【発明の実施の形態】
次に本発明の好ましい実施形態について、具体的に説明する。
前記ソフトセグメント/前記ハードセグメント(重量比)=55/45〜35/65であり、表面硬度(ショアーD)が33〜60の、平均分子量800〜300のポリ(オキシテトラメチレン)グリコールを用いた、テトラメチレンテレフタレート系TPEE(A)100重量部に、4,4−メチレンビス(フェニルイソシアネート)0.10〜5重量部、5000〜6万センチストークスの粘度のジメチルシリコーンオイル0.3〜4.0重量部を予め均一に混合して、190〜250℃で溶融混合する。
【0043】
この様にして、表面硬度(ショアーD)が33〜60の範囲にあり、230℃における溶融粘度が6000〜55000ポイズ、引っ張り強さ15〜45Mpaの樹脂組成物を得る。
【0044】
前記樹脂組成物を、成形機で成形することにより、成形品を得ることが出来る。
【0045】
この様にして得られる好適な成形品は本発明の効果として、耐摩耗性に優れるばかりでなく、柔軟性と機械的特性のいずれにも優れている。さらには、副次的効果として、耐屈曲疲労性、耐水性、耐破性、耐寒性、耐候性、耐グリース性、耐オゾン性にも優れ、実用上極めて有用なものである。
【0046】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、実施例における溶融粘度、耐摩耗性、硬度、引張り強さ、引張り伸びは下記の要領に従って測定した。
実施例中の部は、重量部を示す。
【0047】
(1)溶融粘度
キャピラリーレオメーターを用いて溶融混合にて得られたペレットを測定。
温度:230℃
ダイ:0.5mm×5.0mm
【0048】
(2)耐摩耗性
鈴木式耐摩耗試験機を用いて試験を行い摩耗量を測定。
荷重/周速度:50kg/300mm/min
時間:30分
【0049】
(3)硬度
ASTM D−2240に従い、ショアーDを測定。
(4)引張り強さ、引張り伸び
JIS K−6301に従い、測定。
【0050】
〔TPEEの製造例〕
テレフタル酸ジメチル45.6kgと1,4−ブタンジオール19.6kg及び分子量が約1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG−1000)53.1kgを用いてエステル交換反応を行い脱メタノールしてから、テトラブチルチタネート(触媒)の存在下、温度250℃にて3時間重縮合反応を行って、ソフトセグメントが60%のTPEE(以下、TPEE−A60という。)を得た。
【0051】
テレフタル酸ジメチル59.8kgと1,4−ブタンジオール29.6kg及び分子量が約1000のポリオキシテトラメチレングリコール(PTMG−1000)35.4kgを用いてエステル交換反応を行い脱メタノールしてから、テトラブチルチタネート(触媒)の存在下、温度250℃にて3時間重縮合反応を行って、ソフトセグメントが40%のTPEE(以下、TPEE−A40という。)を得た。
【0052】
得られたTPEEペレットの固有粘度、溶融粘度と射出成形にて成形した成形シート(2mm厚)の表面硬度(ショアーD)を表−1に示す。尚、硬度は柔軟性の一つの尺度である。
【0053】
【表1】
【0054】
実施例1〜7
得られたTPEEの2種類を用い、表−2に示した配合組成物を予め均一に混合した後、240℃に設定された40mmφ1軸押出機によって混練した後、ストランドとして引き出し冷却し、ペレタイザーにてカッティングしてペレットを得た。
【0055】
このペレットを用い、インラインスクリュー式射出成形機によりシリンダー温度250℃、金型温度40℃、射出スピード中速にて成形し、評価用成形品を得た。これら成形品は良好な外観光沢を有するものであった。これら成形品の各種物性の測定結果を表−2に示す。
【0056】
【表2】
MDI:4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)
NDI:1,5−ナフタレンジイソシアネート
【0057】
実施例8〜13
実施例1〜7に示したのと同様に、表−3の配合物組成について評価した。
この結果を表−3に示す。
【0058】
【表3】
【0059】
比較例1〜2
実施例1〜6に示したのと同様に、表−4の配合物組成について評価した。
この結果を表−4に示す。
【0060】
【表4】
【0061】
表−2の実施例2と、表−4の比較例1〜3の結果から、本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、より溶融粘度が高く、耐摩耗性、柔軟性、機械的特性に優れた性能を有している。
【0062】
【発明の効果】
本発明のポリエステルエラストマー樹脂組成物は、TPEEを有機ポリイソシアネート化合物で変性して、より高い溶融粘度とするので、耐摩耗性に優れるという格別顕著な効果を奏する。しかも従来通りの柔軟性、機械的特性にも優れている。
Claims (4)
- ポリエステルエラストマー(A)100重量部に対して、有機ポリイソシアネート化合物(B)0.05〜7.0重量部と、シリコーン化合物(C)0.1〜5.0重量部とを溶融混合してなるポリエステルエラストマー樹脂組成物。
- ポリエステルエラストマー(A)の表面硬度(ショアーD)が30〜80である請求項1記載の樹脂組成物。
- 有機ポリイソシアネート(B)が、4,4’−メチレンビス(フェニルイソシアネート)、2,4−トルエンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネートからなる群から選ばれる少なくとも1種の有機ポリイソシアネートある請求項1記載の樹脂組成物。
- シリコーン化合物(C)が、ジメチルシリコーンオイルである請求項1に記載のポリエステルエラストマー樹脂組成物。
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