JP4553085B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成に用いられる誘導加熱タイプの定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置は、粉体現像剤からなるトナー像を坦持した転写材を加熱する定着ローラ及び加圧しつつ搬送する加圧ローラとを備え、これら定着ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)である定着ポイントを転写材が通過することで、この転写材上のトナーを融着圧着して定着するようになっている。
【0003】
この定着ローラの加熱源として、ハロゲンランプ等を用いこれを金属ローラの内側に設置し、このローラを輻射熱によって加熱する方式が一般的であるが、近年では、誘導加熱の手法を用いた定着装置として、定着ローラの回転軸に沿って設けられた磁性体コアに励磁コイルを巻いた形状で定着ローラに渦電流を流して加熱する方式が提案されている。
【0004】
このような定着装置は、交流磁束により定着ローラに渦電流を発生させ、渦電流損であるジュール熱によって直接ローラを発熱させ、またハロゲンランプを用いた熱ローラよりも消費エネルギーの効率アップが達成でき、しかも温度制御が容易に、かつ高精度に行なうことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来、磁性体コアと励磁コイルからなるコイルアセンブリは、磁性体コアを磁性体コア軸方向で同じものを使用した場合、定着ローラの端部で温度だれが発生していた。これを解消するために定着ローラよりも長いコイルアセンブリを用いたものが提案されているが、これでは端部からの電磁波漏れ対策を施す必要性が生じる。
【0006】
その他にも、コイルアセンブリの両端部でのみ励磁コイルと定着ローラを近づけるものなども提案されているが、共振が起こる可能性が否定できないし、励磁コイルの形状が複雑になり、コストがかかる。
【0007】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、簡単な構成で定着ローラ軸方向の温度分布を改善し、温度の均一化を可能にする定着装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0037】
請求項1に記載の発明は、『中空円筒状の定着ローラと、この定着ローラの内部に配置される磁性体コアとスプリング型の励磁コイルからなるコイルアセンブリとを有し、このコイルアセンブリにより前記定着ローラを誘導加熱する定着装置であって、前記磁性体コアは、板状磁性体を複数枚積層して形成し、この積層枚数が磁性体コア軸方向で異なることを特徴とする定着装置。』である。
【0038】
この請求項1に記載の発明によれば、磁性体コアは、板状磁性体を複数枚積層して形成し、この積層枚数が磁性体コア軸方向で異なるから、簡単な構成で定着ローラ軸方向の発熱を変えて温度分布を改善し、温度の均一化を可能にする。
【0039】
請求項2に記載の発明は、『前記磁性体コアは、板状磁性体の積層枚数が磁性体コア軸方向の中央部より両端部の方が多いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。』である。
【0040】
この請求項2に記載の発明によれば、磁性体コアは、板状磁性体の積層枚数が磁性体コア軸方向の中央部より両端部の方が多いことで、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0041】
請求項3に記載の発明は、『前記磁性体コアは、2種以上の比透磁率の異なる板状磁性体を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。』である。
【0042】
この請求項3に記載の発明によれば、磁性体コアは、2種以上の比透磁率の異なる板状磁性体を用いることで、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0043】
請求項4に記載の発明は、『前記磁性体コアは、中央部より両端部で大きい比透磁率の板状磁性体を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。』である。
【0044】
この請求項4に記載の発明によれば、磁性体コアは、中央部より両端部で大きい比透磁率の板状磁性体を用いることで、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0045】
請求項5に記載の発明は、『一様に帯電した感光体ドラムに像露光を行い、感光体ドラム上に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像が形成し、このトナー像を転写材に転写して定着する画像形成装置において、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置を備え、前記転写材上のトナー像を定着すること特徴とする画像形成装置。』である。
【0046】
この請求項5に記載の発明によれば、簡単な構成で定着ローラ軸方向の温度分布を改善し、温度の均一化を可能にする定着装置を備えることで、その分画像形成装置の小型化かつ低コスト化が可能である。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の定着装置及び画像形成装置の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、この発明の実施の形態における断定的な説明は、一例を示すものであって、この発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0048】
この発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1を用いて説明する。図1は定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【0049】
この実施の形態の画像形成装置は、像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0050】
感光体ドラム10は、駆動源からの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。この発明では、画像露光用の露光ビームは、その結像点である感光体ドラム10の光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していればよい。従って、この実施の形態における感光体ドラム10の透光性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収するような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラストを付与できればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対して透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用できる。
【0051】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高い。
【0052】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されており、この実施の形態においては、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0053】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は、像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10の有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッド11bと、コロナ放電電極11aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0054】
各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0055】
各色毎の画像書込手段としての露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0056】
露光光学系12は、別体のコンピュータ(不図示)から送られメモリに記憶された各色の画像データに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0057】
各色毎の現像手段としての現像器13は、内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ13aを備えている。
【0058】
現像領域では、現像スリーブ13aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置において順方向に回転するようになっており、現像時、現像スリーブ13aに対してトナーと同極性の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防ぐために20μm程度以下が必要である。
【0059】
現像器13は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナーにより反転現像する。
【0060】
画像形成のスタートにより不図示の像形成体駆動モータの始動により、感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が開始され感光体ドラム10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0061】
次いで、感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0062】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0063】
このように、この実施の形態では、Y、M、C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10の外部から露光してもよい。
【0064】
一方、転写材としての記録紙Pは、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ30により送り出され、給送ローラ31により給送されてタイミングローラ16へ搬送される。
【0065】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性の電圧が印加される転写手段としての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0066】
カラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置40へと搬送される。
【0067】
定着装置40は、中空円筒状の加熱される定着ローラ41と、この定着ローラ41内に沿って配置される磁性体コア42aと磁性体コア42aの周囲に磁性体コア軸方向に巻回する励磁縦コイル42bとからなり、定着ローラ41に誘導電流を誘起させて加熱するコイルアセンブリ43と、定着ローラ41とニップ部Nを形成する加圧ローラ44とを有する。縦巻きコイル42bには、高周波電源42cから駆動電力が供給される。定着ローラ41と加圧ローラ44は回転し、この定着ローラ41と加圧ローラ44とのニップ部Nで転写材を挟持搬送させることで、記録紙P上に形成されたトナー像に熱エネルギーを付与して定着する。
【0068】
定着ローラ41と対をなす下側の加圧ローラ44は、例えばアルミ材を用いた芯金と、この芯金の外周面に、例えばシリコンゴム層或いはフッ素ゴム層や、シリコンゴムの発泡材を用いたスポンジ状の、厚さ(肉厚)5〜20mm厚で、ゴム硬度が10Hs〜40Hs(JIS、Aゴム硬度)の厚肉ゴム層よりなるゴムローラ層471bを形成した、外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成される。ゴムローラ層の外側(外周面)に離型性を有するPFA、PTFA等の耐熱性のフッ素樹脂のチューブ(不図示)を被覆した構成としてもよい。
【0069】
次に、参考例の実施の形態の定着装置40の定着ローラ41及びコイルアセンブリ43を、図2乃至図4に基づいて説明する。図2は定着ローラの長手方向と直交する方向の断面図、図3は定着ローラの長手方向の断面図、図4は定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【0070】
この実施の形態では、定着ローラ41内に磁性体コア42aと励磁コイル42bを配置し、励磁コイル42bには高周波の交流電流を使用し磁界を発生させ、定着ローラ41に渦電流によるジュール熱で定着ローラ41を加熱する。
【0071】
定着ローラ41は、鉄、ステンレス合金管、ニッケル、炭素鋼管などの磁性体金属部材から形成され、その外周面にフッ素樹脂をコーティングして、表面に耐熱性の離型層が形成されている。定着ローラ41は、高電気伝導率の導電性磁性部材から形成することがさらに好ましい。
【0072】
また、定着ローラ41は、例えば円筒状の熱伝導性基体と、この熱伝導性基体の外側に弾性の高い弾性断熱層と磁性粒子が混入された磁性弾性発熱層と保護層とをその順に設けた外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成される。
励磁コイル42bは、例えばリッツ線で構成される。
【0073】
磁性体コア42aは、磁性体コア軸方向の両端部42a1と中央部42a2とで比透磁率の異なる材料で形成する。磁性体コア42aは、フェライト・アモルファス合金・積層鋼板の比透磁率の異なる材料で形成し、簡単な構成で定着ローラ軸方向の発熱を変えて温度分布を改善し、温度の均一化を可能にすることができる。
【0074】
この実施の形態の磁性体コア42aは、磁性体コア軸方向の両端部42a1が中央部42a2より高比透磁率の材料で形成し、例えば中央部42a2の比透磁率を5,000とし、両端部42a1の比透磁率を10,000とする。
【0075】
このように、磁性体コア42aは、磁性体コア軸方向の両端部42a1が中央部42a2より高比透磁率の材料で形成し、磁性体コア42aには交周波交流電流を流し、磁束を発生させ定着ローラ41に渦電流を発生させる。この渦電流によるジュール熱で定着ローラ41を昇温させることができ、図4に示すように、磁性体コア42aの全体を比透磁率5,000とすると、両端部で温度だれが生じるが、両端部42a1の比透磁率を10,000とすると、定着ローラ軸方向の両端部41aに磁束が集中し、定着ローラ軸方向の両端部41aの発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0076】
また、定着ローラ41の他の実施の形態を、図5に示す。
【0077】
この実施の形態の定着ローラ41は、定着ローラ軸方向の両端部41aと中央部41bとで比透磁率の異なる磁性体金属で形成する。例えば、図5に示すように、定着ローラ軸方向の両端部41aを鉄で形成し、中央部41bをニッケルで形成する。鉄よりニッケルが比透磁率が大きく、定着ローラ軸方向の両端部41aが中央部41bより高比透磁率の材料で形成することで、定着ローラ軸方向の両端部41aに磁束が集中し、定着ローラ軸方向の両端部41aの発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0078】
また、定着ローラ41は、図6に示すように、高熱伝導率の金属から形成し、この定着ローラ41の内面に磁性金属の層41cを設け、その層41cの比透磁率は定着ローラ軸方向の中央部41c1より両端部41c2を大きくする。このように、定着ローラ41の内面に設けた磁性金属の層41cの比透磁率は、定着ローラ軸方向の中央部41c1より両端部41c2を大きくしたから、簡単な構造で定着ローラ軸方向の両端部41c2に磁束が集中し、定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0079】
また、定着ローラ41には、図7に示すように、定着ローラ軸方向の両端部内面に発熱層41dを設け、この発熱層41dの肉厚を電流浸透深さの所定倍以上、好ましくは2倍以上とする。発熱層41dは、高比透磁率の磁性体金属で形成する。
【0080】
例えば、発熱層41dとしてパーマロイ薄板を設け、この薄板の厚さは電流浸透深さの2倍程度とする。発生する電流は浸透深さ分に集中して流れるが、その厚さ分の材料だと抵抗が高くなり流れにくくなるので、電流浸透深さの2倍以上の肉厚にすることが好ましい。
【0081】
このように、定着ローラ41は、定着ローラ軸方向の両端部内面に発熱層41dを設け、この発熱層41dの肉厚を電流浸透深さの所定倍以上とすることで、定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0082】
また、定着装置40は、図8に示すように、中空円筒状の定着ローラ41と、この定着ローラ41の内部に配置される磁性体コア42aとスプリング型の励磁コイル42bからなるコイルアセンブリ43とを有している。磁性体コア42aはパーマロイ積層コアで構成する。
【0083】
この定着ローラ41の内面に、スプリング型の励磁コイル42bに沿ってらせん状に肉厚が電流浸透深さの所定倍以上の発熱層41eを設けている。
【0084】
スプリング型の励磁コイル42bは、例えば巻き数10とし、磁性体コア42aは円筒型積層コアとし、励磁コイル42bには高周波交流電流を流し、磁束を発生させ定着ローラ41に渦電流を発生させ、渦電流によりジュール熱で定着ローラを昇温させ、簡単な構成で定着ローラ軸方向の発熱を変えて温度分布を改善し、温度の均一化を可能にすることができる。
【0085】
また、図9に示すように、定着ローラ41内には、パーマロイ薄板45の発熱層をスプリング型の励磁コイル42bに沿って貼り付ける。
【0086】
また、図10に示すように、定着ローラ41の両端部41aの内側には鉄層と、中央部41bの内側にはニッケル層を設け、両端部41aの方が比透磁率が高いため、磁束集中が中央部41bに比べて多くなり、発熱も多くなる。
【0087】
次に、他の実施の形態の定着装置40の定着ローラ41及びコイルアセンブリ43を、図11乃至図14に基づいて説明する。図11は定着ローラの長手方向と直交する方向の断面図、図12は定着ローラの長手方向の断面図、図13は他の実施の形態の定着ローラの長手方向の断面図、図14は定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【0088】
この実施の形態の磁性体コア42aは、磁性体コア軸方向で幅を変えている。
例えば、磁性体コア42aは、図12に示すように、磁性体コア軸方向の中央部42a5で薄い部材を用いて薄くし、両端部42a6で厚い部材を用いて厚くする。磁性体コア42aは、両端部42a6を中央部42a5でよりも厚さを2倍にすることが好ましい。
【0089】
また、磁性体コア42aは、図13に示すように、中央の長い磁性薄板42a7と、磁性薄板42a7の上下で端部に順次積層した短い磁性薄板42a8,42a9とで構成し、磁性体コア軸方向の中央部から両端部にかけて連続的に幅を大きくする。磁性体コア42aは、積層コアもしくはフェライトコアで構成し、積層コアは、パーマロイもしくはアモルファス合金で構成する。
【0090】
このように、磁性体コア42aは、磁性体コア軸方向で幅を変え、例えば磁性体コア軸方向の中央部で薄く、両端部で厚くし、あるいは磁性体コア軸方向の中央部から両端部にかけて連続的に幅を大きくすることで、図14に示すように、定着ローラ軸方向の両端部41aに磁束が集中し、定着ローラ軸方向の両端部41aの発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0091】
次に、磁性体コア42aのこの発明の実施の形態を、図15に基づいて説明する。
【0092】
磁性体コア42aは、板状磁性体42a10を複数枚積層して形成し、この積層枚数が磁性体コア軸方向で異なる。例えば、ケイ素鋼板の薄板を複数枚重ねて、直方体形状のコアを作成する。
【0093】
その際、定着ローラ長手方向で、磁束密度を変えるために、積層する枚数を変える。薄板の厚さは、薄い方がコアでの損失を少なくするが、薄すぎると加工性が悪くなりコストアップにつながるため0.02〜0.5mm好ましくは0.05〜0.1mmの板厚のものを用いる。
【0094】
中央付近のおよそ2倍の枚数を端部に用い、この場合、図15(a)のように、中央付近に非磁性の薄板42a11を間においても良いし、図15(b)のように、中央付近にはなにも設けないようにしてもよい。
【0095】
このように、磁性体コア42aは、板状磁性体42a10の積層枚数が磁性体コア軸方向の中央部より両端部の方が多いことで、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0096】
また、中央付近に用いる材料よりも透磁率の高い材料を端部に使用することもできる。この場合、中央付近にはケイ素鋼板、端部にはパーマロイを用いる。
【0097】
このように、磁性体コア42aは、2種以上の比透磁率の異なる板状磁性体を用い、中央部より両端部で大きい比透磁率の板状磁性体を用いることで、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0112】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明では、磁性体コアは、板状磁性体を複数枚積層して形成し、この積層枚数が磁性体コア軸方向で異なるから、簡単な構成で定着ローラ軸方向の発熱を変えて温度分布を改善し、温度の均一化を可能にする。
【0113】
請求項2に記載の発明では、磁性体コアは、板状磁性体の積層枚数が磁性体コア軸方向の中央部より両端部の方が多いから、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0114】
請求項3に記載の発明では、磁性体コアは、2種以上の比透磁率の異なる板状磁性体を用いるから、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0115】
請求項4に記載の発明では、磁性体コアは、中央部より両端部で大きい比透磁率の板状磁性体を用いるから、簡単な構成で定着ローラ軸方向の両端部の発熱を多くして温度低下を防止することができる。
【0116】
請求項5に記載の発明では、簡単な構成で定着ローラ軸方向の温度分布を改善し、温度の均一化を可能にする定着装置を備えることで、その分画像形成装置の小型化かつ低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】定着ローラの長手方向と直交する方向の断面図である。
【図3】定着ローラの長手方向の断面図である。
【図4】定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【図5】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図6】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図7】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図8】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図9】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図10】定着ローラの他の実施の形態の斜視図である。
【図11】定着ローラの長手方向と直交する方向の断面図である。
【図12】定着ローラの長手方向の断面図である。
【図13】他の実施の形態の定着ローラの長手方向の断面図である。
【図14】定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【図15】磁性体コアの他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
10 感光体ドラム
40 定着装置
41 定着ローラ
42a 磁性体コア
42b 励磁コイル
43 コイルアセンブリ
Claims (5)
- 中空円筒状の定着ローラと、この定着ローラの内部に配置される磁性体コアとスプリング型の励磁コイルからなるコイルアセンブリとを有し、このコイルアセンブリにより前記定着ローラを誘導加熱する定着装置であって、前記磁性体コアは、板状磁性体を複数枚積層して形成し、この積層枚数が磁性体コア軸方向で異なることを特徴とする定着装置。
- 前記磁性体コアは、板状磁性体の積層枚数が磁性体コア軸方向の中央部より両端部の方が多いことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記磁性体コアは、2種以上の比透磁率の異なる板状磁性体を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記磁性体コアは、中央部より両端部で大きい比透磁率の板状磁性体を用いることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 一様に帯電した感光体ドラムに像露光を行い、感光体ドラム上に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像が形成し、このトナー像を転写材に転写して定着する画像形成装置において、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置を備え、前記転写材上のトナー像を定着すること特徴とする画像形成装置。
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