JP3765387B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成に用いられる誘導加熱タイプの定着装置及びこの定着装置を備える画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンタ、FAX等の画像形成装置に用いられる定着装置は、粉体現像剤からなるトナー像を坦持した転写材を加熱する加熱ローラ及び加圧しつつ搬送する加圧ローラとを備え、これら加熱ローラと加圧ローラとの圧接部(ニップ部)である定着ポイントを転写材が通過することで、この転写材上のトナーを融着圧着して定着するようになっている。
【0003】
この加熱ローラの加熱源として、ハロゲンランプ等を用いこれを金属ローラの内側に設置し、このローラを輻射熱によって加熱する方式が一般的であるが、近年では、誘導加熱の手法を用いた定着装置として、定着ローラの回転軸に沿って設けられたコイル支持体に加熱コイルを巻いた形状でローラに渦電流を流して加熱する方式が提案されている。
【0004】
このような定着装置は、磁束により定着ローラに渦電流を発生させ、ジュール熱によって発熱させ、発熱位置をできるだけトナーに接近させることができ、またハロゲンランプを用いた熱ローラよりも消費エネルギーの効率アップが達成でき、しかも温度制御が容易に、かつ高精度に行うことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図28に示すように、コイル支持体100に一様に加熱コイル101を巻いた場合、図29に示すように、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が小さく、その分発熱が少なく温度だれが生じ、定着不良を起こす。
【0006】
この温度だれを解消するために定着ローラの長さを定着に必要な部分よりも長くすることで、必要部分の温度を確保している。その場合、加熱コイルの長さが長くなり、消費電力が多くなり、かつコンパクト化が図れず装置の大型化を招くようになる。また、加熱コイルやコイル支持体が大きくなることによってコストが嵩む等の問題がある。
【0007】
この発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化を可能にする定着装置及び画像形成装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、かつ目的を達成するために、この発明は、以下のように構成した。
【0009】
請求項1に記載の発明は、『円筒の加熱される定着ローラと、この定着ローラ内に沿って配置されるコイル支持体と、このコイル支持体の周囲に巻回して形成され前記定着ローラに誘導電流を誘起させて加熱する加熱コイルと、前記定着ローラとニップ部を形成する加圧ローラとを有し、前記定着ローラと加圧ローラとのニップ部で転写材を挟持搬送させることで、前記転写材上に形成されたトナー像に熱エネルギーを付与して定着する定着装置において、
前記加熱コイルは、前記コイル支持体にコイル支持体長手方向に沿って長く、コイル支持体長手方向と、コイル支持体長手方向と交差する方向を有するように巻回し、この加熱コイルは、コイル支持体長手方向の巻き密度より、このコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き密度を高くし、
前記加熱コイルは、断面形状が中心で直交する縦線と横線の長さが異なる形状であり、コイル支持体長手方向ではコイル断面の長線側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向と交差する方向ではコイル断面の短線側同士が並ぶように巻いたことを特徴とする定着装置。』である。
【0010】
この請求項1に記載の発明によれば、加熱コイルのコイル支持体長手方向の巻き密度より、このコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き密度を高くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。また、加熱コイルのコイル支持体長手方向ではコイル断面の長線側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向と交差する方向ではコイル断面の短線側同士が並ぶように巻くことで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、『前記加熱コイルは、コイル支持体長手方向と、コイル支持体長手方向と交差する方向で積層数が異なり、コイル支持体長手方向の積層数より、コイル支持体長手方向と交差する方向の積層数を多くしたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。』である。
【0014】
この請求項2に記載の発明によれば、加熱コイルのコイル支持体長手方向の積層数より、コイル支持体長手方向と交差する方向の積層数を多くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0015】
請求項3に記載の発明は、『前記加熱コイルは、コイル支持体長手方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離より、コイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離を短くしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。』である。
【0016】
この請求項3に記載の発明によれば、加熱コイルのコイル支持体長手方向の巻き表面と定着ローラ内面との距離より、コイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と定着ローラ内面との距離を短くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束が強く、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0017】
請求項4に記載の発明は、『前記加熱コイルの端子は、前記加熱コイルの巻きの内側に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0018】
この請求項4に記載の発明によれば、加熱コイルの端子を加熱コイルの巻きの内側に配置することで、加熱コイルの巻回に端子が邪魔にならず、しかも電源との接続が容易である。
【0019】
請求項5に記載の発明は、『前記コイル支持体は、耐熱性であり、その両端が固定支持されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0020】
この請求項5に記載の発明によれば、コイル支持体が耐熱性であり、その両端が固定支持されることで、コイル支持体の耐久性が向上する。
【0021】
請求項6に記載の発明は、『前記加熱コイルの端子は、コイル支持体に固定され、コイル支持体長手方向の片方から引き出して電源に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0022】
この請求項6に記載の発明によれば、加熱コイルの端子がコイル支持体に固定され、かつコイル支持体長手方向の片方から引き出すことで、簡単且つ確実に電源に接続することができ、しかも組み付けの作業性も向上する。
【0023】
請求項7に記載の発明は、『前記加熱コイルと前記定着ローラとの間に、断熱層を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0024】
この請求項7に記載の発明によれば、加熱コイルと定着ローラとの間に、断熱層を形成することで、定着ローラからの放熱を軽減することで、安定した定着が可能で、かつ消費電力を少なくすることができる。
【0025】
請求項8に記載の発明は、『前記コイル支持体は、熱伝導性材料であり、前記加熱コイルの熱を放出する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0026】
この請求項8に記載の発明によれば、コイル支持体が熱伝導性材料であり、加熱コイルの熱を放出することで、コイル支持体及び加熱コイルの耐久性を向上することができる。
【0027】
請求項9に記載の発明は、『前記コイル支持体を、コイル支持体長手方向に2分割して分割半体で構成し、それぞれの分割半体に前記加熱コイルを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ巻き、このそれぞれの分割半体を接合して前記加熱コイルの外側の巻き終端同士を接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。』である。
【0028】
この請求項9に記載の発明によれば、分割半体に加熱コイルを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ巻きユニットにし、このそれぞれの分割半体を接合して加熱コイルの外側の巻き終端同士を接続することで、簡単に組み付けることができ、組付けの作業性が向上する。
【0029】
請求項10に記載の発明は、『一様に帯電した感光体ドラムに像露光を行い、感光体ドラム上に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像が形成し、このトナー像を転写材に転写して定着する画像形成装置において、請求項1乃至請求項9に記載の定着装置を備え、前記転写材上のトナー像を定着すること特徴とする画像形成装置。』である。
【0030】
この請求項10に記載の発明によれば、小型かつ低コストで発熱領域を確保することができる定着装置を備えることで、その分画像形成装置の小型化かつ低コスト化が可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の定着装置及び画像形成装置の実施の形態を説明する。なお、本欄の記載は請求項の技術的範囲や用語の意義を限定するものではない。また、以下の、この発明の実施の形態における断定的な説明は、一例を示すものであって、この発明の用語の意義や技術的範囲を限定するものではない。
【0032】
この発明にかかわる定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態の画像形成プロセスおよび各機構について、図1を用いて説明する。図1は定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【0033】
この実施の形態の画像形成装置は、像形成体である感光体ドラム10は、例えばガラスや透光性アクリル樹脂等の透光性部材によって形成される円筒状の基体の外周に、透光性の導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体層を形成したものである。
【0034】
感光体ドラム10は、駆動源からの動力により、透光性の導電層を接地された状態で図1の矢印で示す時計方向に回転される。この発明では、画像露光用の露光ビームは、その結像点である感光体ドラム10の光導電体層において、光導電体層の光減衰特性(光キャリア生成)に対して適正なコントラストを付与できる波長の露光光量を有していればよい。従って、この実施の形態における感光体ドラム10の透光性の基体の光透過率は、100%である必要はなく、露光ビームの透過時にある程度の光を吸収するような特性を有していてもよい。要は、適切なコントラストを付与できればよい。透光性の基体の素材としては、アクリル樹脂、特にメタクリル酸メチルエステルモノマーを重合したものが、透光性、強度、精度、表面性等において優れており好ましく用いられるが、その他一般光学部材などに使用されるアクリル、フッ素、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートなどの各種透光性樹脂が使用可能である。また、露光光に対して透光性を有していれば、着色していてもよい。透光性の導電層としては、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化錫、酸化鉛、酸化インジウム、ヨウ化銅や、Au、Ag、Ni、Alなどからなる透光性を維持した金属薄膜が用いられ、成膜法としては、真空蒸着法、活性反応蒸着法、各種スパッタリング法、各種CVD法、浸漬塗工法、スプレー塗布法などが利用できる。また、光導電体層としては各種有機感光層(OPC)が使用できる。
【0035】
光導電体層の感光層としての有機感光層は、電荷発生物質(CGM)を主成分とする電荷発生層(CGL)と電荷輸送物質(CTM)を主成分とする電荷輸送層(CTL)とに機能分離された二層構成の感光層とされる。二層構成の有機感光層は、CTLが厚いために有機感光層としての耐久性が高い。
【0036】
以下に説明する帯電手段としてのスコロトロン帯電器11、画像書込手段としての露光光学系12、現像手段としての現像器13は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及び黒色(K)の各色毎の画像形成プロセス用として準備されており、この実施の形態においては、図1の矢印にて示す感光体ドラム10の回転方向に対して、Y、M、C、Kの順に配置される。
【0037】
帯電手段としてのスコロトロン帯電器11は、像形成体である感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方向(図1において紙面垂直方向)に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、感光体ドラム10の有機感光体層に対し所定の電位に保持された制御グリッド11bと、コロナ放電電極11aとして、例えば鋸歯状電極を用い、トナーと同極性のコロナ放電とによって帯電作用を行い、感光体ドラム10に対し一様な電位を与える。コロナ放電電極11aとしては、その他ワイヤ電極や針状電極を用いることも可能である。
【0038】
各色毎の露光光学系12は、それぞれ、像露光光の発光素子としてのLED(発光ダイオード)を感光体ドラム10の軸と平行に複数個アレイ状に並べた線状の露光素子(不図示)と等倍結像素子としてのセルフォックレンズ(不図示)とがホルダに取り付けられた露光用ユニットとして構成される。露光光学系保持部材としての円柱状の保持体20に、各色毎の露光光学系12が取付けられて感光体ドラム10の基体内部に収容される。露光素子としてはその他、FL(蛍光体発光)、EL(エレクトロルミネッセンス)、PL(プラズマ放電)等の複数の発光素子をアレイ状に並べた線状のものが用いられる。
【0039】
各色毎の画像書込手段としての露光光学系12は、感光体ドラム10上での露光位置を、スコロトロン帯電器11と現像器13との間で、現像器13に対して感光体ドラム10の回転方向上流側に設けた状態で、感光体ドラム10の内部に配置される。
【0040】
露光光学系12は、別体のコンピュータ(不図示)から送られたメモリに記憶された各色の画像データに基づいて画像処理を施した後、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成する。この実施形態で使用される発光素子の発光波長は、通常Y、M、Cのトナーの透光性の高い680〜900nmの範囲のものが良好であるが、裏面から像露光を行うことからカラートナーに透光性を十分に有しないこれより短い波長でもよい。
【0041】
各色毎の現像手段としての現像器13は、内部にイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)若しくは黒色(K)の二成分(一成分でもよい)の現像剤を収容し、それぞれ、例えば厚み0.5〜1mm、外径15〜25mmの円筒状の非磁性のステンレスあるいはアルミ材で形成された現像剤担持体である現像スリーブ13aを備えている。
【0042】
現像領域では、現像スリーブ13aは、突き当てコロ(不図示)により感光体ドラム10と所定の間隙、例えば100〜1000μmをあけて非接触に保たれ、感光体ドラム10の回転方向と最近接位置において順方向に回転するようになっており、現像時、現像スリーブ13aに対してトナーと同極性の直流電圧或いは直流電圧に交流電圧ACを重畳する現像バイアス電圧を印加することにより、感光体ドラム10の露光部に対して非接触の反転現像が行われる。この時の現像間隔精度は画像むらを防ぐために20μm程度以下が必要である。
【0043】
現像器13は、スコロトロン帯電器11による帯電と露光光学系12による像露光によって形成される感光体ドラム10上の静電潜像を、非接触の状態で感光体ドラム10の帯電極性と同極性のトナーにより反転現像する。
【0044】
画像形成のスタートにより不図示の像形成体駆動モータの始動により、感光体ドラム10が図1の矢印で示す時計方向へ回転され、同時にYのスコロトロン帯電器11の帯電作用により感光体ドラム10に電位の付与が開始される。感光体ドラム10は電位を付与されたあと、Yの露光光学系12において第1の色信号すなわちYの画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が開始され感光体ドラム10の回転走査によってその表面の感光層に原稿画像のイエロー(Y)の画像に対応する静電潜像が形成される。この潜像はYの現像器13により非接触の状態で反転現像され、感光体ドラム10上にイエロー(Y)のトナー像が形成される。
【0045】
次いで、感光体ドラム10は前記イエロー(Y)のトナー像の上に、Mのスコロトロン帯電器11の帯電作用により電位が付与され、Mの露光光学系12の第2の色信号すなわちマゼンタ(M)の画像データに対応する電気信号による露光(画像書込)が行われ、Mの現像器13による非接触の反転現像によって前記のイエロー(Y)のトナー像の上にマゼンタ(M)のトナー像が重ね合わせて形成される。
【0046】
同様のプロセスにより、Cのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によってさらに第3の色信号に対応するシアン(C)のトナー像が、また、Kのスコロトロン帯電器11、露光光学系12及び現像器13によって第4の色信号に対応する黒色(K)のトナー像が順次重ね合わせて形成され、感光体ドラム10の一回転以内にその周面上にカラーのトナー像が形成される。
【0047】
このように、この実施の形態では、Y、M、C及びKの露光光学系12による感光体ドラム10の有機感光層に対する露光は、感光体ドラム10の内部より透光性の基体を通して行われる。従って、第2、第3及び第4の色信号に対応する画像の露光は何れも先に形成されたトナー像により遮光されることなく静電潜像を形成することが可能となり、好ましいが、感光体ドラム10の外部から露光してもよい。
【0048】
一方、転写材としての記録紙Pは、転写材収納手段としての給紙カセット15より、送り出しローラ30により送り出され、給送ローラ31により給送されてタイミングローラ16へ搬送される。
【0049】
記録紙Pは、タイミングローラ16の駆動によって、感光体ドラム10上に担持されたカラートナー像との同期がとられ、紙帯電手段としての紙帯電器150の帯電により搬送ベルト14aに吸着されて転写域へ給送される。搬送ベルト14aにより密着搬送された記録紙Pは、転写域でトナーと反対極性の電圧が印加される転写手段としての転写器14cにより、感光体ドラム10の周面上のカラートナー像が一括して記録紙Pに転写される。
【0050】
カラートナー像が転写された記録紙Pは、転写材分離手段としての紙分離AC除電器14hにより除電されて、搬送ベルト14aから分離され、定着装置40へと搬送される。
【0051】
定着装置40は、円筒の加熱される定着ローラ41と、この定着ローラ41内に沿って配置されるコイル支持体42と、このコイル支持体42の周囲に巻回して形成され定着ローラ41に誘導電流を誘起させて加熱する加熱コイル43と、定着ローラ41とニップ部Nを形成する加圧ローラ44とを有し、定着ローラ41と加圧ローラ44とのニップ部Nで転写材を挟持搬送させることで、記録紙P上に形成されたトナー像に熱エネルギーを付与して定着する。
【0052】
定着ローラ41は、鉄、ステンレス合金管、ニッケル、炭素鋼管あるいはアルミニウム合金管などの導電性部材から形成され、その外周面にフッ素樹脂をコーティングして、表面に耐熱性の離型層が形成されている。定着ローラ41は、導電性磁性部材から形成することがさらに好ましい。
【0053】
また、定着ローラ41は、例えば円筒状の熱伝導性基体と、この熱伝導性基体の外側に弾性の高い弾性断熱層と磁性粒子が混入された磁性弾性発熱層と保護層とをその順に設けた外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成される。
【0054】
円筒状の熱伝導性基体としては、厚さ0.5〜3mm厚で、磁力線を透過し、熱伝導性の良好なアルミ材(熱伝導率が2.38J/cm・s・K、体積抵抗率が2×10-8Ω・cm)や非磁性ステンレス材(熱伝導率が0.25J/cm・s・K、体積抵抗率が〜5×10-8Ω・cm)が主として用いられる。熱伝導性基体は厚さが比較的薄く、熱伝導性の良好な非磁性体を用いる。弾性断熱層は、厚さ(肉厚)0.2〜2mm、好ましくは0.5〜1.5mm厚の、例えばシリコンゴム(熱伝導率が1×10-3J/cm・s・K)やフッ素ゴム(熱伝導率が5×10-4J/cm・s・K)等のベースゴム(ベース層)を用い、磁力線を透過する磁力線透過性の弾性高分子材料としてのベースゴムで形成される。
【0055】
弾性断熱層としては高速化対応のために、弾性高分子材料としてのベースゴム(シリコンゴムやフッ素ゴム)にフィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末を配合させて熱伝導率を向上させる方法がとられ、熱伝導率が(1〜10)×10-3J/cm・s・K程度のベース層とすることが好ましい。このベース層は熱伝導率が、アルミ材(熱伝導率が2.38J/cm・s・K)や非磁性ステンレス材(熱伝導率が0.25J/cm・s・K)を用いた熱伝導性基体より低くして断熱層の役割をする。弾性断熱層の熱伝導率は熱伝導性基体の熱伝導率の1/2以下とすることが好ましく、さらに好ましくは1/10以下とする。弾性断熱層の好ましいゴム硬度は5〜60Hsである。
【0056】
磁性弾性発熱層は、例えばシリコンゴム(熱伝導率が1×10-3J/cm・s・K)やフッ素ゴム(熱伝導率が5×10-4J/cm・s・K)等の弾性高分子材料(バインダー)としてのベースゴム中(ベースゴムを構成するゴム液中)に、鉄、クロム、ニッケル、コバルト等の金属の強磁性体の微粒子からなる磁性粒子と、さらに体積抵抗率を調整するために、ケッチェンECブラック、Calbolacl、Vulcan−XC72、アセチレンブラック等の導電性カーボンブラックと、さらに高速化対応のために、フィラーとしてシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等の金属酸化物の粉末とを混入して配合するものを用いる。
【0057】
磁性弾性発熱層のゴム液中に混入される磁性粒子としては、鉄粉粒子が好ましく用いられるが、製造方法により還元鉄粉、アトマイズ鉄粉、窒化鉄粉等に分けられる。還元鉄粉、窒化鉄粉は不定形であるため球形化処理されることが好ましい。また、防錆のため鉄粉粒子は予め軽度の酸化処理や重合前のゴム液との分散性を高めるための表面処理を施しておくことが好ましい。また、鉄粉粒子は低抵抗であり、磁化も大きいので好ましい。
【0058】
コイル支持体42は、例えば金属で形成された磁性コアであり、加熱コイル43の発生する磁力線により、定着ローラ41の磁性弾性発熱層の内部に0.5〜50kHz程度の交流磁界が形成され、磁性弾性発熱層が加熱される。
【0059】
加熱コイル43としては表面に融着層と絶縁層を持つ単一またはリッツ銅線を用いることが好ましい。
【0060】
定着ローラ41と対をなす下側の加圧ローラ44は、例えばアルミ材を用いた芯金と、この芯金の外周面に、例えばシリコンゴム層或いはフッ素ゴム層や、シリコンゴムの発泡材を用いたスポンジ状の、厚さ(肉厚)5〜20mm厚で、ゴム硬度が10Hs〜40Hs(JIS、Aゴム硬度)の厚肉ゴム層よりなるゴムローラ層を形成した、外径25〜50mm程度のソフトローラとして構成される。ゴムローラ層の外側(外周面)に離型性を有するPFA、PTFA等の耐熱性のフッ素樹脂のチューブ(不図示)を被覆した構成としてもよい。
【0061】
次に、この実施の形態の定着装置40を、図2乃至図7に基づいて説明する。図2は定着装置の断面図、図3加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の斜視図、図4は図3のIV−IV線に沿う断面図、図5は図3のV−V線に沿う断面図、図6は図3のVI−VI線に沿う断面図、図7は定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【0062】
この定着装置40においては、定着ローラ41は軸受50,51を介して定着装置本体52に回動可能に支持され、この定着ローラ41の一端部には駆動ギア53が設けられ、この駆動ギア53は駆動モータ54の動力により駆動される。
【0063】
コイル支持体42は、耐熱性で円筒に形成され、定着ローラ41内に沿って配置されている。このコイル支持体42の端部支持部42aが突出され、支持板55,56を介して定着装置本体52に固定支持されている。コイル支持体42は耐熱性であり、その両端が固定支持されることで、コイル支持体42の耐久性が向上する。
【0064】
加熱コイル43は、コイル支持体42の外表面の対称位置に、コイル支持体42のコイル支持体長手方向に沿って長く、コイル支持体長手方向43aと、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bを有するように巻回されている。この加熱コイル43は、コイル支持体長手方向43aの巻き密度より、このコイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き密度を高くしている。
【0065】
このコイル支持体長手方向43aの巻き密度より、このコイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き密度を高くする手段として、この実施の形態では、加熱コイル43の断面形状が小判形で、中心で直交する縦線と横線の長さが異なる形状であり、コイル支持体長手方向43aでは、図5に示すように、コイル断面の長線a1側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bではコイル断面の短線b1側同士が並ぶように巻いている。
【0066】
このように、加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aの巻き密度より、このコイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き密度を高くすることで、定着ローラ41の長手方向端部41aでの磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、図7に示すように、定着ローラ41の発熱分布が改善されて長手方向端部41aでの温度低下を抑えることができる。したがって、加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aの長さをできるだけ短くし、かつ簡単な構造で画像幅の発熱領域を確保することができる。
【0067】
この実施の形態では、加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aではコイル断面の長線a1側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bではコイル断面の短線b1側同士が並ぶように巻く、簡単な構造で発熱領域を確保することができる。
【0068】
また、加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aと交差する方向43bでは、図8に示すように、コイル支持体42の端部42b側になるにしたがって、加熱コイル43が徐々に立上るように巻くようにしてもよい。この場合は、定着ローラ41の発熱分布が改善されて長手方向端部41aになるにしたがって温度低下を、さらに徐々に抑えることができる。
【0069】
また、加熱コイル43の断面形状は、小判形に限定されず、図9に示すような断面形状のものを用いることができ、図9(a)は長方形であり、図9(b)は楕円形であり、図9(c)は卵形である。
【0070】
また、加熱コイル43は、図10に示すように、小径のワイヤ430を複数本集合させたものでもよく、図10(a)は小判形であり、図10(b)は長方形であり、図10(c)は楕円形であり、図10(d)は卵形である。
【0071】
このコイル支持体長手方向43aの巻き密度より、このコイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き密度を高くする手段として、図11乃至図14に示すように構成することができる。図11は加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の斜視図、図12は図11のXII-XII線に沿う断面図、図13は図11のXIII-XIII線に沿う断面図、図14は図11のXIV-XIV線に沿う断面図である。
【0072】
この実施の形態の加熱コイル43は、コイル支持体長手方向43aと、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bで積層数が異なり、コイル支持体長手方向43aの積層数が1層で、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの積層数が2層になっている。
【0073】
このように加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aの積層数より、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの積層数を多くすることで、定着ローラ41の長手方向端部41aでの磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラ41の発熱分布が改善されて長手方向端部41aでの温度低下を抑えることができる。この実施の形態の加熱コイル43の断面形状は、小判形に限定されず、図9に示すような断面形状のものを用いることができ、 また図10に示すように、小径のワイヤ430を複数本集合させたものでもよいが、円形等の中心で直交する縦線と横線の長さが同じ形状のものでもよい。
【0074】
図2乃至図7の実施の形態では、図15に示すように、加熱コイル43は、コイル支持体長手方向43aの巻き表面と定着ローラ内面との距離L1より、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き表面と定着ローラ内面との距離L2を短くしている。図11乃至図14の実施の形態では、図16に示すように、加熱コイル43は、コイル支持体長手方向43aの巻き表面と定着ローラ内面との距離L1より、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き表面と定着ローラ内面との距離L2をさらに短くしている。
【0075】
このように、加熱コイル43のコイル支持体長手方向43aの巻き表面と定着ローラ内面との距離L1より、コイル支持体長手方向43aと交差する方向43bの巻き表面と定着ローラ内面との距離L2を短くすることで、定着ローラ41の長手方向端部41aでの磁束が強く、その分発熱が多くなり、定着ローラ41の発熱分布が改善されて長手方向端部41aでの温度低下を抑えることができる。
【0076】
図17乃至図19では、加熱コイル43の端子の引き出しを示す。図17は加熱コイルの端子の引き出しを示す斜視図、図18はコイル支持体の支持部の断面図、図19は加熱コイルの端子の引き出しを示すコイル支持体の端部の斜視図である。
【0077】
加熱コイル43の端子43cは、コイル支持体42の端部42bで加熱コイル43の巻きの内側に配置し、端部42bの内側に挿入して引き出し、端部支持部42aの溝42a1に嵌合している。この加熱コイル43の端子43cを加熱コイル43の巻きの内側に配置することで、加熱コイル43の巻回に端子43cが邪魔にならず、しかも電源60との接続が容易である。
【0078】
加熱コイル43の端子43cは、コイル支持体42に固定され、コイル支持体長手方向の片方から引き出して電源60に接続され、かつコイル支持体長手方向の片方から引き出すことで、簡単且つ確実に電源60に接続することができ、しかも組み付けの作業性も向上する。
【0079】
図20及び図21は、加熱コイル43と定着ローラ41との間に、断熱層を形成した実施の形態を示す。図20の実施の形態では、定着ローラ41の内面に断熱部材61を設け、断熱部材61と加熱コイル43との間に空間62を設けて断熱層63を形成している。図21の実施の形態では、加熱コイル43の表面に断熱部材61を設け、断熱部材61と定着ローラ41との間に空間62を設けて断熱層63を形成している。
【0080】
このように、加熱コイル43と定着ローラ41との間に、断熱層63を形成することで、定着ローラ41からの放熱を軽減することで、安定した定着が可能で、かつ消費電力を少なくすることができる。
【0081】
図22及び図23は、コイル支持体42が熱伝導性材料であり、加熱コイル43の熱を放出する手段Aを有する実施の形態を示す。図22の実施の形態では、コイル支持体42がアルミニウム等の金属の高熱伝導性材料であり、コイル支持体42の表面に絶縁層64を積層している。図23の実施の形態では、コイル支持体42の端部42bに放熱フィン42eを設けている。このように、コイル支持体42が熱伝導性材料であり、加熱コイル43の熱を放出することで、コイル支持体42及び加熱コイル43の耐久性を向上することができる。
【0082】
図24は加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の他の実施の形態を示す図である。この実施の形態では、図24(a)に示すように、コイル支持体42を、コイル支持体長手方向に2分割して分割半体42A,42Bで構成し、それぞれの分割半体42A,42Bに加熱コイル43A,43Bを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ分割半体42A,42Bの全体に巻き、このそれぞれの分割半体を、図24(b)に示すように接合し、加熱コイル43A,43Bの外側の巻き終端43A1,43B1同士を接続し、1本の加熱コイル43としている。
【0083】
この実施の形態では、1本の加熱コイル43が加熱コイル43A,43Bに2分割されることから、図25(a)に示すように同一形状に巻回すると、終端43A1,43B1同士を接続した場合には端子43A2,43B2が両方に分かれる。このため、図25(b)に示すように、終端43A1,43B1を曲げて内部を通して中で接続すると、端子43A2,43B2が同じ方向になる。
【0084】
このように、分割半体42A,42Bに加熱コイル43A,43Bを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ巻きユニットにし、このそれぞれの分割半体42A,42Bを接合して加熱コイル43A,43Bの外側の巻き終端43A1,43B1同士を接続することで、簡単に組み付けることができ、組付けの作業性が向上する。
【0085】
この実施の形態の画像形成装置は、図1に示すように、一様に帯電した感光体ドラム10に像露光を行い、感光体ドラム10上に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像が形成し、このトナー像を転写材の記録紙Pに転写し、図2乃至図25に示す定着装置40でトナー像を定着する。
【0086】
この定着装置40では、図26に示すように、温度センサS1で定着ローラ41を検出すると、図27に示すように、ローラ長手方向の位置でほぼ同じ温度になり、ローラ長手方向端部の温度が従来のように温度低下が防止される。このように、小型かつ低コストで発熱領域を確保することができる定着装置40を備えることで、その分画像形成装置の小型化かつ低コスト化が可能である。
【0087】
【発明の効果】
前記したように、請求項1に記載の発明では、加熱コイルのコイル支持体長手方向の巻き密度より、このコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き密度を高くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。また、加熱コイルのコイル支持体長手方向ではコイル断面の長線側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向と交差する方向ではコイル断面の短線側同士が並ぶように巻くことで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0089】
請求項2に記載の発明では、加熱コイルのコイル支持体長手方向の積層数より、コイル支持体長手方向と交差する方向の積層数を多くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束密度が大きく、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0090】
請求項3に記載の発明では、加熱コイルのコイル支持体長手方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離より、コイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離を短くすることで、定着ローラの長手方向端部での磁束が強く、その分発熱が多くなり、定着ローラの発熱分布が改善されて長手方向端部での温度低下を抑えることができ、加熱コイルの長さができるだけ短く、かつ簡単な構造で発熱領域を確保し、小型化かつ低コスト化が可能である。
【0091】
請求項4に記載の発明では、加熱コイルの端子を加熱コイルの巻きの内側に配置することで、加熱コイルの巻回に端子が邪魔にならず、しかも電源との接続が容易である。
【0092】
請求項5に記載の発明では、コイル支持体が耐熱性であり、その両端が固定支持されることで、コイル支持体の耐久性が向上する。
【0093】
請求項6に記載の発明では、加熱コイルの端子がコイル支持体に固定され、かつコイル支持体長手方向の片方から引き出すことで、簡単且つ確実に電源に接続することができ、しかも組み付けの作業性も向上する。
【0094】
請求項7に記載の発明では、加熱コイルと定着ローラとの間に、断熱層を形成することで、定着ローラからの放熱を軽減することで、安定した定着が可能で、かつ消費電力を少なくすることができる。
【0095】
請求項8に記載の発明では、コイル支持体が熱伝導性材料であり、加熱コイルの熱を放出することで、コイル支持体及び加熱コイルの耐久性を向上することができる。
【0096】
請求項9に記載の発明では、分割半体に加熱コイルを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ巻きユニットにし、このそれぞれの分割半体を接合して加熱コイルの外側の巻き終端同士を接続することで、簡単に組み付けることができ、組付けの作業性が向上する。
【0097】
請求項10に記載の発明では、小型かつ低コストで発熱領域を確保することができる定着装置を備えることで、その分画像形成装置の小型化かつ低コスト化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 定着装置を用いる画像形成装置の一実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図である。
【図2】 定着装置の断面図である。
【図3】 加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の斜視図である。
【図4】 図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】 図3のV−V線に沿う断面図である。
【図6】 図3のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】 定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
【図8】 加熱コイルのコイル支持体長手方向と交差する方向での巻回を示す図である。
【図9】 加熱コイルの断面形状を示す図である。
【図10】 小径のワイヤを複数本集合させた加熱コイルの断面形状を示す図である。
【図11】 加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の斜視図である。
【図12】 図11のXII−XII線に沿う断面図である。
【図13】 図11のXIII−XIII線に沿う断面図である。
【図14】 図11のXIV−XIV線に沿う断面図である。
【図15】 加熱コイルのコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と定着ローラ内面との距離を示す図である。
【図16】 加熱コイルのコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と定着ローラ内面との距離を示す他の実施例の図である。
【図17】 加熱コイルの端子の引き出しを示す斜視図である。
【図18】 コイル支持体の支持部の断面図である。
【図19】 加熱コイルの端子の引き出しを示すコイル支持体の端部の斜視図である。
【図20】 加熱コイルと定着ローラとの間に断熱層を形成した実施の形態を示す図である。
【図21】 加熱コイルと定着ローラとの間に断熱層を形成した実施の形態を示す他の実施の形態の図である。
【図22】 加熱コイルの熱を放出する手段の実施の形態を示す図である。
【図23】 加熱コイルの熱を放出する手段の実施の形態を示す図である。
【図24】 加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態の他の実施の形態を示す図である。
【図25】 1本の加熱コイルに接続する実施の形態の示す図である。
【図26】 温度センサで定着ローラの温度検出を示す図である。
【図27】 ローラ長手方向の位置の温度を示す図である。
【図28】 従来の加熱コイルをコイル支持体に巻回した状態を示す図である。
【図29】 従来の定着ローラの長手方向の温度分布を示す図である。
Claims (10)
- 円筒の加熱される定着ローラと、この定着ローラ内に沿って配置されるコイル支持体と、このコイル支持体の周囲に巻回して形成され前記定着ローラに誘導電流を誘起させて加熱する加熱コイルと、前記定着ローラとニップ部を形成する加圧ローラとを有し、前記定着ローラと加圧ローラとのニップ部で転写材を挟持搬送させることで、前記転写材上に形成されたトナー像に熱エネルギーを付与して定着する定着装置において、
前記加熱コイルは、前記コイル支持体にコイル支持体長手方向に沿って長く、コイル支持体長手方向と、コイル支持体長手方向と交差する方向を有するように巻回し、この加熱コイルは、コイル支持体長手方向の巻き密度より、このコイル支持体長手方向と交差する方向の巻き密度を高くし、
前記加熱コイルは、断面形状が中心で直交する縦線と横線の長さが異なる形状であり、コイル支持体長手方向ではコイル断面の長線側同士が並ぶように巻き、コイル支持体長手方向と交差する方向ではコイル断面の短線側同士が並ぶように巻いたことを特徴とする定着装置。 - 前記加熱コイルは、コイル支持体長手方向と、コイル支持体長手方向と交差する方向で積層数が異なり、コイル支持体長手方向の積層数より、コイル支持体長手方向と交差する方向の積層数を多くしたことを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記加熱コイルは、コイル支持体長手方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離より、コイル支持体長手方向と交差する方向の巻き表面と前記定着ローラ内面との距離を短くしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定着装置。
- 前記加熱コイルの端子は、前記加熱コイルの巻きの内側に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記コイル支持体は、耐熱性であり、その両端が固定支持されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記加熱コイルの端子は、コイル支持体に固定され、コイル支持体長手方向の片方から引き出して電源に接続されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記加熱コイルと前記定着ローラとの間に、断熱層を形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記コイル支持体は、熱伝導性材料であり、前記加熱コイルの熱を放出する手段を有することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記コイル支持体を、コイル支持体長手方向に2分割して分割半体で構成し、それぞれの分割半体に前記加熱コイルを巻き始め端子が内側になるようにして内側から外側へ巻き、このそれぞれの分割半体を接合して前記加熱コイルの外側の巻き終端同士を接続したことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の定着装置。
- 一様に帯電した感光体ドラムに像露光を行い、感光体ドラム上に潜像を形成し、この潜像を現像してトナー像が形成し、このトナー像を転写材に転写して定着する画像形成装置において、
請求項1乃至請求項9に記載の定着装置を備え、前記転写材上のトナー像を定着すること特徴とする画像形成装置。
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