JP2004205838A - 像加熱装置および画像形成装置 - Google Patents

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周一 渡辺
Yoshihiro Toyoshima
吉宏 豊島
Koichi Baba
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Takanori Nakano
貴徳 中野
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Abstract

【課題】電磁誘導により円筒状発熱体に流れる渦電流の方向を一定にし、かつ電流密度を円筒状発熱体の幅方向に一定に揃えて、発熱ムラを抑制することが可能な像加熱装置を提供する。
【解決手段】支持層42により支持された電磁誘導により発熱する発熱層を有する発熱体22と、発熱層を電磁誘導によって励磁する励磁手段と、画像を担持した被記録材に発熱体を押圧するための加圧手段とを具備する。発熱層は略円筒形状の母線方向に多数本並行して配列された金属細線41により形成され、各金属細線の両端部は円筒形状の円周方向に延在する導通部40により相互に電気的に導通しており、導通部が被記録材の外側領域に位置するよう配置され、励磁手段の励磁コイルは、発熱体の円筒面の母線方向に配向させて配置される。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導加熱により発熱する円筒形の発熱体を備え、電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置において未定着画像を熱定着するために使用される像加熱装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
加熱定着装置に代表される像加熱装置として、従来からフィルム加熱方式、加熱ローラ方式等の接触加熱方式が一般に用いられている。近年、ウォームアップ時間の短縮化などを目的に、熱容量の小さいフィルム加熱方式やベルト加熱方式に、電磁誘導加熱を利用した発熱機構の提案がなされている。
【0003】
フィルム加熱方式の一例が、例えば特許文献1に開示されており、図14にその構造を示す。回転するエンドレスフィルム101の内側に、励磁コイル103と鉄心102とからなる励磁部材が配置されている。フィルム101の外側に、励磁部材と対向して加圧ローラ104が配置されている。加圧ローラ104は、フィルム101を挟んで励磁部材を含む固定部品に対して所定の押圧力で圧接されている。加圧ローラ104が回転すると、フィルム101は、内部の励磁部材などの固定部品上を摺動しながら加圧ローラ104と一緒に回転する。
【0004】
励磁部材はフィルム101に交番磁界を貫通させて、フィルム101内に渦電流を発生させる。フィルム101は渦電流によって発熱し、フィルム101と加圧ローラ104との間に形成されるニップ部を通過する被記録材(紙)105上のトナー像106を定着する。フィルム101は3層構成になっており、中央の層107が導電層で、この部分に渦電流が生じ発熱する。内側の層108は低熱伝導性の層で、導電層107で発生した熱が内側に設置された励磁コイル103等の固定部品に伝わりにくくすると同時に、該固定部品に対する摺動特性を確保する。外側の層109はトナー106との離型性をよくするための樹脂層である。
【0005】
また、加熱ローラ方式の一例が、特許文献2に開示されており、図15にその構造を示す。加熱ローラ110は、回転軸113とその外側の弾性層112とからなる中実の支持層と、該支持層の外側に設けられ、該支持層に支持された、導電性を有する発熱層111とを有し、支持層と発熱層111とが一体として回転する。中空の加圧ローラ116が、上記加熱ローラ110に所定の押圧力で圧接されてニップ部を形成している。加圧ローラ116の内部に、励磁コイル114と芯材115とからなる励磁部材が配置されている。励磁部材から交番磁界を発生させて、加熱ローラ110の発熱層111内に渦電流を発生させる。発熱層111は渦電流によって発熱し、加熱ローラ110と加圧ローラ116との間のニップ部を通過する被記録材(紙)117上のトナー像118を定着する。
【0006】
上記いずれの従来例においても、フィルム101あるいは発熱層111は、円筒状のベルトにより構成されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−114276号公報
【0008】
【特許文献2】
特開平11−288190号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の構成においては、円筒状の発熱体における両端部分で渦電流の密度が低くなるため、発熱量が中央部に較べて低くなり、発熱ムラが生じやすかった。その問題を回避するために、紙幅に較べて幅の広いコイルや発熱体を用い、温度の均一な中央部分のみを使用する構成が用いられた。その場合、発熱体の両端部は加熱に寄与しないため、装置が必要以上に大きくなってしまう欠点があった。
【0010】
また、スポンジローラの表面に金属シートを配置した発熱ローラの構成の場合、金属シートの曲げ剛性が大きいために、ニップ幅を広くすることが難しかった。
【0011】
本発明は、円筒状発熱体に流れる渦電流の方向を一定方向にし、かつ電流密度を円筒状発熱体の幅方向に一定に揃えて、発熱ムラを抑制することが可能な像加熱装置を提供することを目的とする。
【0012】
また、発熱体の曲げ剛性が小さく、ニップ幅を広くすることが比較的容易な像加熱装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の像加熱装置は、支持層により支持された電磁誘導により発熱する発熱層を有する発熱体と、前記発熱層を電磁誘導によって励磁する励磁手段と、画像を担持した被記録材に前記発熱体を押圧するための加圧手段とを具備する。上記課題を解決するために、前記発熱層は略円筒形状の母線方向に多数本並行して配列された金属細線により形成され、前記各金属細線の両端部は前記円筒形状の円周方向に延在する導通部により相互に電気的に導通しており、前記導通部が前記被記録材の外側領域に位置するよう配置され、前記励磁手段の励磁コイルは、前記発熱体の円筒面の母線方向に配向させて配置される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の像加熱装置の構成によれば、発熱層は略円筒形状の母線方向に多数本並行して配列された金属細線により形成されるので、渦電流の流れる方向を一定方向に、かつ電流密度を紙幅方向に一定に揃えることが出来る。そのため、発熱ムラを解消することが可能であり、さらに紙幅に較べてコイルや発熱体をあまり大きくする必要がないため、装置の小型化にも有効である。
【0015】
また、発熱体を形成する金属が面状ではないので、発熱体の曲げ剛性が小さく、ニップ幅を広くすることが比較的容易である。
【0016】
発熱体は、ローラ形状、あるいはエンドレスベルト形状とすることができる。
【0017】
好ましくは、発熱層の抵抗値を励磁手段の駆動周波数で割った値が、2.8×10-8〜1.6×10-7(Ω/Hz)の範囲にあるように構成する。それにより、効率の良い誘導加熱を実現できる。
【0018】
発熱体は、銅箔付きの樹脂フィルムの銅箔をスダレ状にパターニングし、前記銅箔側表面に弾性層を形成した構成とすることもできる。
【0019】
被記録材に未定着画像を形成し担持させる画像形成手段と、未定着画像を被記録材に熱定着させるための上記いずれかの構成の像加熱装置とを用いて画像形成装置を構成することができる。
【0020】
図1は、本発明の実施形態における像加熱装置を用いた画像形成装置の一例の断面図である。1は電子写真感光体(以下「感光ドラム」という)である。感光ドラム1は矢印の方向に所定の周速度で回転駆動されながら、その表面が帯電器2によりマイナスの所定の暗電位V0に一様に帯電される。一様に帯電された感光ドラム1の表面が、レーザビームスキャナ3からのレーザビームで走査され露光されて、露光部分が電位絶対値が小さくなって明電位VLとなり、感光ドラム1面に静電潜像が形成される。レーザビームスキャナ3は、図示しない画像読取装置やコンピュータ等のホスト装置から入力される、画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームを出力する。
【0021】
感光ドラム1面に形成された潜像は、現像器4により、マイナスに帯電した粉体トナーで反転現像されて顕像化される。現像器4は回転駆動される現像ローラ4aを有し、そのローラ外周面にマイナスの電荷をもったトナーの薄層が形成されて、感光ドラム1面と対向している。現像ローラ4aには、その絶対値が感光ドラム1の暗電位V0より小さく、明電位VLより大きな現像バイアス電圧が印加されている。これにより、現像ローラ4a上のトナーが感光ドラム1の明電位VLの部分にのみ転移して潜像が顕像化される。
【0022】
一方、給紙部10からは被記録材(例えば、紙)11が一枚ずつ給送され、レジストローラ対12、13の間を通過して、感光ドラム1とこれに当接させた転写ローラ14とからなる転写部へ、感光体ドラム1の回転と同期した適切なタイミングで送られる。転写バイアス電圧が印加された転写ローラ14の作用によって、感光ドラム1上のトナー像は被記録材11に順次転写される。転写部を通った被記録材11は感光ドラム1から分離され、定着装置15へ導入され、転写トナー像の定着が行われる。定着され像が固定された被記録材11は、排紙トレイ16へ出力される。
【0023】
被記録材11が分離した後の感光ドラム1の面は、クリーニング装置17で転写残りトナー等の残留物が除去されて清浄にされ、繰り返し次の作像に供される。
【0024】
定着装置15は、加熱ローラと、加熱ローラを電磁誘導加熱する励磁手段と、加熱ローラに圧接してニップ部を形成する加圧手段とを有する。なお、転写と定着とを同時に行う画像形成装置の場合は、未定着画像を担持させて定着する装置を、本発明でいう定着装置と同様のものとして定義する。
【0025】
加熱ローラは、略円筒状の発熱体と、発熱体の内周面側に設けた弾性層と、その弾性層の内周面側に設けた当該弾性層を保持する保持部材とから構成される。また、発熱体がローラを形成せず、ベルト状で像加熱装置を構成する場合にも、本発明を適用できる。以下に、本発明の実施の形態における像加熱装置について、詳細に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図2は、定着装置として使用される本発明の実施の形態1に係る像加熱装置の断面図である。加熱ローラ21は、外周面側から順に配置された、発熱体22、低熱伝導材よりなる弾性層23、および弾性層23を保持し回転軸となる保持部材24から構成されている。弾性層23は低熱伝導性の発泡状の弾性体からなる。
【0027】
加熱ローラ21の外周の円筒面に対向して、励磁手段を構成する誘導加熱コイル25が配置されている。誘導加熱コイル25の線束は、加熱ローラ21の円筒面を覆うように、加熱ローラ21の回転中心軸を中心軸とする仮想の円筒面上に、密着して配置されている。線束は表面の接着剤により互いに接着され、図示した形状を保っている。加熱ローラ21と誘導加熱コイル25の間には、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)などの耐熱温度の高い樹脂からなる断熱部材26が配置されている。
【0028】
誘導加熱コイル25の背面には、誘導加熱コイル25とともに励磁手段を構成する背面コア27が配置されている。誘導加熱コイル25の線束および背面コア27の平面形状を図3に示す。図4に、図3のA−Aにおける矢視断面を示す。誘導加熱コイル25の線束は、加熱ローラ21の長手方向の端部では、加熱ローラ21の外周面に沿って円弧状に配置され、それ以外の部分では外周面の母線方向に沿って配置されている。誘導加熱コイル25の卷回中心軸は、加熱ローラ21の回転軸方向の略中心点において加熱ローラ21の回転中心軸と略直交する。誘導加熱コイル25は、卷回中心軸に対してほぼ対称に形成されている。背面コア27は、誘導加熱コイル25の卷回中心軸を通り、加熱ローラ21の回転中心軸と平行に配置された中心コア27aと、誘導加熱コイル25に対して加熱ローラ21とは反対側に、誘導加熱コイル25と離間して配置された略U字状のU字コア27bと、中心コア27aと平行にU字コア27bの端部に配置された端部コア27cからなる。U字コア27bは、加熱ローラ21の回転中心軸と誘導加熱コイル25の卷回中心軸とを含む面に対して略対称なU字状である。またU字コア27bは、図3に示すように、加熱ローラ21の回転軸方向に離間して複数個配置されている。U字コア27bは、誘導加熱コイル25から外部に漏れる磁束を捕捉する。図2に示すように、各U字コア27bの両先端は、誘導加熱コイル25の端部まで延びている。また、中心コア27aと端部コア27cは、誘導加熱コイル25を介さずに加熱ローラ21と直接対向している。
【0029】
背面コア27の材料として、例えばフェライトを用いることができる。背面コア27の材料としては、フェライトやパーマロイ等の高透磁率で固有抵抗の高い材料が望ましいが、透磁率が多少低くても磁性材であれば用いることができる。
【0030】
加熱ローラ21の周面に対して、加圧手段となる加圧ローラ28が当接している。加圧ローラ28は、金属軸29の表面にシリコーンゴムよりなる弾性層30を積層した構造を有する。弾性層30は、一例として、硬度50度(JIS−A)であり、加熱ローラ21に対して全体で約250Nの力で圧接され、ニップ部31を形成している。加圧ローラ28の有効長は、加熱ローラ21の有効長とほぼ同一であるが、発熱体22の幅より僅かに長い。従って、発熱体22は、加熱ローラ21の弾性層23と加圧ローラ28との間で全幅にわたって均一に加圧される。加圧ローラ28は、金属軸29の両端の軸受により回転可能に支持された従動ローラである。
【0031】
加圧ローラ28の弾性層30の硬度は、加熱ローラ21の表面硬度より大きく設定されるので、図2に示すように、ニップ部31では加熱ローラ21の発熱体22及び第3の弾性層23が加圧ローラ28の外周面に沿って凹状に変形している。そのため、ニップ部31から出てくる被記録材34の進行方向が、加熱ローラ21の外表面から離れる方向になり、被記録材34の加熱ローラ21からの剥離性が極めて良い。
【0032】
32は温度検知センサであり、加熱ローラ21の表面に接触しながら摺動し、ニップ部31の直前の加熱ローラ21の表面の温度を検知し、図示しない制御回路にフィードバックする。それにより、加熱ローラ21の表面温度は、摂氏170度に制御される。
【0033】
上記の加熱ローラ21と誘導加熱コイル25及び背面コア27からなる励磁手段とによって、加熱ローラ21の発熱体22に渦電流を生じさせて発熱させる。渦電流は電磁誘導によって発生する磁束を弱める方向に流れるので、誘導加熱コイル25に流れる電流と向きは逆で、同じ経路を辿るように発熱体22の発熱層の表面を流れる。
【0034】
誘導加熱コイル25により生じた磁束は、中心コア27aと加熱ローラ21との対向部から加熱ローラ21の発熱体22内に入り、発熱体22内を通過し、U字コア27bの両端部からU字コア27b内に入り、U字コア27b内を通過して、中心コア27aに戻る。発熱体22の厚さが表皮深さ以上のときは、ほとんどの磁束は発熱体22内を通過する。励磁回路33により交流駆動されることによって発生する渦電流は、表皮効果によってほとんど発熱体22内にのみ発生し、発熱体22内にジュール熱が発生する。
【0035】
上記構成の像加熱装置の一例として、実施例における各部寸法を示す。加熱ローラ21の直径は30mmであり、その有効長はJIS規格のA4用紙の幅(短辺長さ)に対して余裕を持たせた長さとした。弾性層23は、シリコーンゴムの発泡体よりなり、硬度45度(ASKER-C)、厚さ5mmとした。保持部材24は非磁性のステンレス鋼SUS304と、その表面にフェライトよりなる厚さ1mmの遮蔽層を形成したものを用いた。保持部材24の直径は20mmとした。誘導加熱コイル25は加熱ローラ21の外周の円筒面に対向して配置され、表面を絶縁した外径0.15mmの銅線からなる線材を60本束ねた線束を、10回周回して形成した。
【0036】
次に、本実施の要部である加熱ローラ21の構成について、図5〜図7を参照して詳細に説明する。図5は、本実施の形態における加熱ローラ21を、一部切り欠いて示した要部の斜視図である。図6は、図5のローラ表面近傍の一部を示す横断図である。図7は、加熱ローラ21および誘導加熱コイル25を含む構成の縦断面を示す。
【0037】
発熱体22は、本実施の形態の主要な特徴を形成し、電磁誘導により発熱する発熱層が、多数平行に配置された金属細線である銅線41を主体として構成されている。図5に示すように、銅線41はシリコーンゴムからなる支持層42により支持されて、略円筒形状を形成している。銅線41は、円筒形状の母線方向に多数本並行して配列されている。
【0038】
図5および図7から判るように、各銅線41の両端部は、円筒形状の円周方向に延在して円環を形成する銅箔40からなる導通部により、相互に電気的に導通している。銅線41は、銅箔40に対して接合金属43により電気的に接続されている。支持層42の外表面には、PFA(四フッ化エチレン−パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体)層44が積層されている。
【0039】
導通部すなわち銅箔40は、図1に示した被記録材の外側領域に位置するよう配置される。すなわち、図7に示した銅箔40の間隔(W)は、被記録材の幅よりも広い。励磁手段の誘導加熱コイル25は、銅線41により形成された円筒面の母線方向に配向させて配置されている。また、誘導加熱コイル25の長手方向端部と銅箔40は、概略同等の位置になるように配置される。
【0040】
以上のように平行に多数本配置された銅線41により導電体の導電層が形成されるので、誘導加熱コイル25により励起され発生する渦電流の流れる方向を一定方向に、かつ電流密度を幅方向に一定に揃えることが出来る。それにより、発熱ムラを解消することが可能になる。さらに紙幅に較べて誘導加熱コイル25や発熱体をあまり大きくする必要がないため、装置の小型化にも有効である。また、発熱体を形成する金属が面状ではなく、円筒形状の周方向において分離されているので、発熱体の曲げ剛性が小さく、ニップ幅を広くすることが比較的容易に行える。
【0041】
ここで、上記のように、発熱層を円筒母線方向に並べた細線により構成した場合に、電磁誘導による発熱に適した条件が得られることについて述べる。
【0042】
誘導加熱を行うとき、表皮効果によって渦電流は導体表面に流れる。このとき渦電流の流れる深さを表皮深さδといい、電気伝導度をσ、透磁率をμ、周波数をfとした場合以下の式で表すことができる。
【0043】
δ=1/(πσμf)1/2
ニッケルの場合、電気伝導度が1.4×107 で比透磁率100なので、周波数が50kHzの時の表皮深さは60μmとなる。非磁性体の銅では、周波数が50kHzのときの表皮深さは290μmとなる。
【0044】
表皮深さよりも薄い導体においては、渦電流は厚さ方向全体に流れることになる。その時、渦電流に対する抵抗値は面抵抗となり、(電気伝導度×厚さ)の逆数で表すことが出来る。
【0045】
駆動電流を30A×10T、駆動周波数を25kHzと50kHzにとり、電気伝導度と板厚をパラメータとして、電磁界解析により発熱量の変化を求めた結果を図8に示す。横軸は面抵抗を駆動周波数で割った値、縦軸は発熱量である。図8に示されるように、周波数によらず、発熱量が大きくなる条件は、面抵抗を駆動周波数で割った値が、2.8×10-8〜1.6×10-7(Ω/Hz)の範囲にある時であることが判った。なお、駆動周波数が25kHzと50kHzの間の範囲は、通常、電磁誘導により像加熱装置を構成する場合の好適な周波数範囲を含む。
【0046】
発熱体に流れる励磁電流は、励磁コイルの電流の方向と同じである。このことから、発熱体中央部においては、コイルが円筒母線方向に配置されているため、渦電流も円筒母線方向に流れる。従って、発熱体は円周方向に導通がある必要はなく、円筒母線方向に金属細線を並べて配置しても発熱の効率に影響はない。発熱体の抵抗値は、細線の断面積とその並べるピッチで決まる。
【0047】
発熱体を銅線(電気伝導度は6×107 )で構成した場合、直径20μmの線をピッチ30μmで並べると、面抵抗は1.6×10-3Ωとなり、駆動周波数25kHzでは面抵抗を駆動周波数で割った値が6.4×10-8となり、発熱に最適な条件となる。また、銅線の変わりにアルミニウム製(電気伝導度は1.7×107 )の導線を用いてもよく、この場合は直径60μmの線をピッチ80μmで並べると、銅線の場合と同じ面抵抗になる。
【0048】
(実施の形態2)
実施の形態2における像加熱装置を構成する加熱ローラの要部断面を、図9に示す。図9は、銅線41とシリコーンゴムからなる支持層42を含む発熱層の近傍を示し、加熱ローラの基本的な構造は実施の形態1と同様である。相違点は、各々の銅線41の両端が、接合金属43によって直接接合され導通しており、図6に示した銅箔40が用いられていないことである。
【0049】
(実施の形態3)
実施の形態3における像加熱装置について、図10〜図13を参照して説明する。本実施の形態は、フィルム加熱方式の構造に本発明を適用した例である。すなわち、上記の実施の形態のような加熱ローラではなく、ベルト状の発熱体が構成される。
【0050】
図10に示すように、加熱ベルト50は環状であり、その内周に環状の摺動部材51が当接している。コア52と誘導加熱コイル53からなる励起手段が、摺動部材51の内周面に当接して、加熱ベルト50を加圧ローラ54に対して押圧している。それによりニップ部55が形成され、被記録材56を挟み込むことが可能である。
【0051】
加熱ベルト50の概略斜視図が図11に示される。図12は、図11のB−Bにおける断面図である。円筒形状のポリイミト゛フィルム57の表面全体に、厚さ20ミクロンの銅箔59がメッキにより形成され、加熱ベルト50の軸方向両端を除く中央部が、すだれ状にパターニングされている。それにより、上記実施の形態における銅線と同様に金属細線60からなる発熱層が形成されている。銅箔59の上からシリコーンゴム61、PFA層62が形成されて、金属細線60の表面に弾性層を有する構造が形成されている。ポリイミト゛フィルム57の内周面には、潤滑層58が形成されている。
【0052】
図13は、加熱ベルト50、コア52および誘導加熱コイル53を含む構成の縦断面を示す。加熱ベルト50の内周面に形成された潤滑層58とコア52が、間摺動部材51を介在させて対向することにより、円滑な回転と電磁誘導が可能となっている。
【0053】
以上のように、フィルム加熱方式に用いる加熱ベルト50に対しても本発明が適用される。
【0054】
【発明の効果】
本発明の像加熱装置によれば、電磁誘導により円筒状発熱体に流れる渦電流の方向を一定方向にし、かつ電流密度を円筒状発熱体の幅方向に一定に揃えて、発熱ムラを抑制することが可能である。
【0055】
また、発熱体の曲げ剛性が小さく、ニップ幅を広くすることが比較的容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における像加熱装置が使用される画像形成装置の断面図
【図2】実施の形態1における像加熱装置の断面図
【図3】図2の装置における加熱ローラと誘導加熱コイルを示す平面図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】図2の装置における加熱ローラの要部斜視図
【図6】図5の加熱ローラの要部を示す断面図
【図7】発熱ローラと誘導加熱コイルの相互関係を示す断面図
【図8】発熱体の(面抵抗/駆動周波数)に対する発熱量の関係を表す図
【図9】実施の形態2における加熱ローラの要部を示す断面図
【図10】実施の形態3における像加熱装置の断面図
【図11】同実施の形態における発熱ベルトの断面図
【図12】図11のB−B断面図
【図13】発熱ベルトと誘導加熱コイルの相互関係を示す断面図
【図14】従来例の加熱ローラ方式の像加熱装置を示す断面
【図15】従来例の像加熱装置に用いられる加熱ベルトを示す断面図
【符号の説明】
1 電子写真感光体
2 帯電器
3 レーザビームスキャナ
4 現像器
4a 現像ローラ
10 給紙部
11、34、56、105、117 被記録材
12、13 レジストローラ
14 転写ローラ
15 定着装置
16 排紙トレイ
17 クリーニング装置
21、110 加熱ローラ
22、50 加熱ベルト
23 弾性層
24 回転軸
25、53 誘導加熱コイル
26 断熱部材
27 背面コア
27a 中心コア
27b U字コア
28、54、104、116 加圧ローラ
29 金属軸
30 弾性層
31、55 ニップ部
32 温度検知センサ
33 励磁回路
40、59 銅箔
41 銅線
42、61 シリコーンゴム
43 接合金属
44、62 PFA層
51 摺動部材
52 コア
57 ポリイミト゛フィルム
58 潤滑層
60 金属細線
101 エンドレスフィルム
102 鉄心
103、114 励磁コイル
106、118 トナー像
107 導電層
108 低熱伝導性の層
109 外側の層
111 発熱層
112 弾性層
113 回転軸
115 芯材

Claims (6)

  1. 支持層により支持された電磁誘導により発熱する発熱層を有する発熱体と、前記発熱層を電磁誘導によって励磁する励磁手段と、画像を担持した被記録材に前記発熱体を押圧するための加圧手段とを具備した像加熱装置において、
    前記発熱層は略円筒形状の母線方向に多数本並行して配列された金属細線により形成され、前記各金属細線の両端部は前記円筒形状の円周方向に延在する導通部により相互に電気的に導通しており、前記導通部が前記被記録材の外側領域に位置するよう配置され、前記励磁手段の励磁コイルは、前記発熱体の円筒面の母線方向に配向させて配置されたことを特徴とする像加熱装置。
  2. 前記発熱体はローラ形状を有する請求項1記載の像加熱装置。
  3. 前記発熱体はエンドレスベルト形状を有する請求項1記載の像加熱装置。
  4. 前記発熱層の抵抗値を励磁手段の駆動周波数で割った値が、2.8×10-8〜1.6×10-7(Ω/Hz)の範囲にある請求項1〜3記載の像加熱装置。
  5. 前記発熱体は、銅箔付きの樹脂フィルムの銅箔をスダレ状にパターニングし、前記銅箔側表面に弾性層を形成した構成を有する請求項1〜3記載の像加熱装置。
  6. 被記録材に未定着画像を形成し担持させる画像形成手段と、前記未定着画像を前記被記録材に熱定着させる請求項1〜5のいずれかに記載の像加熱装置を有する画像形成装置。
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