JP4552498B2 - 合成樹脂製壜体 - Google Patents

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Description

本発明は殺菌等の高温での熱処理工程を要する用途に使用される合成樹脂製壜体に関する。
従来、殺菌を必要とするたとえば果汁飲料、お茶等の内容液のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと記載。)樹脂製壜体等の合成樹脂製壜体への充填方法として、所謂高温充填法と呼ばれる方法があり、これは90℃前後の温度で内容液を壜体に充填し、キャップをして密封後、冷却するものであり、壜体内がかなりの減圧状態となる。
このため、上記のような高温充填を伴う用途については、胴部に意図的に減圧により陥没状の変形が容易な領域である、所謂減圧吸収パネルを形成して、減圧時にこの減圧吸収パネルを陥没状に変形させることにより、良好な外観を保持すると共に、減圧吸収パネル以外の部分で壜体としての剛性を確保して、壜体の搬送ライン、積重保管、自販機内等におけるトラブルがないようにしている。
たとえば特許文献1には減圧吸収パネルを有する壜体についての記載がある。図3にこの特許文献1の実施例で示される壜体を示すが、この壜体101は容量が500mlの丸形のPET樹脂製壜体であり、口筒部102、肩部103、胴部104および底部105から形成され、壜体1の略中央高さ位置に環状溝部106が形成され、この環状溝部106の下方に6ケの減圧吸収パネル107が形成されている。この減圧吸収パネル107は、略平板状であり、壜体1内が減圧状態になった際には、容易に内側に陥没状に変形可能であるので、外観上において、壜体がいびつに変形した感じを与えることなく、すなわち目立たないように減圧状態を吸収(緩和)する機能(以下、減圧吸収機能と記す。)を発揮することができる。また壜体としての剛性は主として隣接する減圧吸収パネル107間に形成される柱部109が担う。
特開平10−58527号公報
また近年においては上記PET樹脂製壜体等の合成樹脂製壜体が、レトルト処理を必要とする食品向けへも使用されるようになってきている。この場合、レトルト処理は食品を室温〜80℃程度の温度で壜体に充填、口筒部をキャップで密閉した状態で、レトルト釜内で加圧加熱水あるいは加熱蒸気を利用して、120〜130℃程度の温度、20分程度の時間の加熱殺菌が行なわれる。
前述したように、合成樹脂製壜体をレトルト食品向けに使用する場合には、壜体をキャップで密閉後、レトルト釜内で120〜130℃程度の温度で殺菌処理するので、ヘッドスペースの空気および内容物の膨張により壜体内の圧力(内圧)が上昇して加圧状態となる。ここで、加圧加熱水を利用する場合には、熱水の圧力を調整して内圧とバランスさせることにより壜体の膨出状の変形を抑制することができるが、加熱蒸気を利用する場合にはその温度での飽和水蒸気圧近傍で熱処理する必要があり、壜体の内圧とバランスさせることはできない。
このため特に加熱蒸気を利用する場合には、レトルト処理中に薄肉である胴部は膨出状の変形状態となる。この際、処理温度がPET等の汎用樹脂ではガラス転移温度以上の高温であるので、この加圧状態を局部的な変形を起こすことなく吸収する機能(以下加圧吸収機能と記す。)が十分でないと、永久変形が発生し、壜体内部を常圧に戻しても元の形状に戻らず、いびつな外観を有する壜体製品となってしまう。
またさらに、レトルト処理を終了して製品を室温に戻すに際しては、内圧が減少、特に内容物を70〜80℃程度の温度で高温充填した場合には室温では減圧状態となるため、減圧吸収機能も併せて有した構成とする必要がある。すなわち、良好な外観を確保しながら、加圧状態および減圧状態に対応した吸収機能を十分に発揮できると共に、加圧状態そして減圧状態に至る大きな圧力の変動に対応してスムーズに変形が起こるような構造が要求される。
そこで、本発明は上記した問題点を解消すべく創案されたもので、加圧吸収機能と減圧吸収機能が共に十分発揮され、加圧状態および減圧状態に至る大幅な圧力の変動に対応してスムーズに変形可能な胴壁構造の創出を課題として、特にレトルト食品向等、高温での熱処理工程を要する用途に十分使用可能な合成樹脂製壜体の提供を目的とする。
上記技術的課題を解決する請求項1記載の発明の手段は、
丸形壜体の胴部に、この胴部の壁を屈曲させて形成した凹状の断面形状を有する周溝を設けること、
この周溝の断面形状の弾性的な変形により胴部を上下方向へ伸縮可能な構成とし、壜体内部の加圧状態と減圧状態の両状態に対応可能とすること、
溝上端幅Wと溝底幅wの比であるw/Wを0.5以下とすること、
にある。
請求項1記載の上記構成により、まず壜体内部の加圧状態に対しては、従来より炭酸飲料等にも使用される丸形壜体を用いることにより壜体を基本的に壜体内部の加圧状態に係る耐圧性の高いものとすると共に、周溝を設けることによりこの周溝の周リブ的な補強機能により、壜体を形成する合成樹脂のガラス転移温度を越える温度域での加圧状態においても胴部の顕著な、あるい局部的な膨出状の変形を抑制することができる。
ここで、周溝がない場合には壜体の胴部は薄肉に形成されているので、結晶性の合成樹脂であっても、ガラス転移温度を越える温度域における加圧状態により、胴部の壁の周方向の伸長により、膨出変形はかなり大きく顕著な変形となる。また、部分的に薄肉部分があれば変形が集中していびつな状態で変形が起こり、弾性変形の領域をこえる永久変形が発生し、熱処理後常圧に戻したとしても部分的に変形状態が回復されないで残ってしまう。そして、このような顕著な変形、あるいは薄肉部における変形の集中をなくすためには胴部の壁の肉厚を相当厚くしなければならないが、材料コストの点、あるいは壜体の生産性の観点から厚肉化には限界がある。
また、本請求項1の構成によれば、胴部の壁を屈曲させて形成した周溝の凹状の断面形状が、加圧状態によってその溝幅を広げるようにして弾性変形し、胴部が上下方向へ伸長した状態となり、この結果壜体の内容積が増加し、加圧吸収機能が発揮される。
また、この周溝の凹状の断面形状の変形は、特に胴部の壁を形成する合成樹脂自体を壜体の軸方向に大きく伸長変形させることなく達成できるので、永久変形を抑制することが可能となる。また本請求項の構成によれば顕著な膨出状の変形がないのでレトルト処理等の高温での処理時においても外観上の壜体の目立った変形もなくすことができる。そして、処理後、温度の低下により、周溝の断面形状の変形は弾性的に元の形状に復帰する。
すなわち、請求項1の構成は、周溝の周リブ的な補強機能により胴部の壁の周方向における伸長変形を抑制すると共に、一方で周溝の凹状の断面形状の変形という作用により胴部を上下方向に伸長させて加圧吸収機能を発揮せしめるものであり、この周溝の両機能により、特に胴部の壁の肉厚を大幅に厚くすることなくレトルト処理等の高温、加圧下での処理が可能な壜体を提供することが可能となった。
次に、レトルト処理等の高温での処理を終了して製品を室温に戻すに際しては、内圧が減少、特に内容物を70〜80℃程度の温度で高温充填した場合には室温では減圧状態となるが、これについても周溝の作用効果により、胴部の壁の顕著な、あるいは局部的な陥没変形を防ぐことができると共に、減圧吸収機能を発揮させることができる。
すなわち、周溝のない丸型壜体は減圧状態で胴部の壁が顕著に、あるいは部分的に陥没変形してしまうが、請求項1記載の周溝の周リブ的な補強機能により胴部の壁の顕著な、あるいは局部的な陥没変形を防止することができる。また、減圧状態では、胴部の壁を屈曲させて形成した周溝の凹状の断面形状がその溝幅を狭めるようにして弾性変形し、胴部が上下方向に収縮した状態となり、この結果壜体の内容積が減少し、壜体内部の減圧状態を緩和することができ、外観上目立たない方法で減圧吸収機能を発揮させることができる。
以上説明したように、請求項1記載の構成により、胴部に壁を屈曲させて形成した凹状の断面形状を有する周溝を設けて、この周溝の断面形状の弾性的な変形により胴部を上下方向へ伸縮可能な構成とすることにより、周リブ的な補強機能と圧力変動(加圧および減圧)吸収機能の両機能が発揮され、高温での加圧状態、および室温等での減圧状態においても、胴部の形状が大きく変形することのない、あるいは局部的な変形のない壜体を提供することが可能となった。
w/Wが大きくて1に近い値になると、周溝の底壁近傍での変形が容易となり周溝によるリブ的な補強機能が小さくなるのでw/Wは0.5以下とするのが良い。なお、凹状に形成される周溝の断面形状、あるいは周溝の付設本数、付設位置等は、壜体の大きさ、胴部の壁の肉厚等に係る胴部の壁面の剛性、熱処理温度、そして外観等を考慮して、予備試験もしながら決めることができ
請求項2記載の発明の手段は、請求項1記載の発明において、壜体胴部の平均肉厚を0.5〜0.65mmの範囲とすること、にある。
請求項2記載の上記構成により、壜体胴部の平均肉厚を0.5mm以上として胴部壁の面剛性を大きくすることにより、周溝による補強機能と相俟って高温での加圧状態、あるいは室温等での減圧状態における胴部の壁の顕著な、あるいは局部的な変形をより効果的に防止することができる。一方、生産性の低下、材料コスト増等の点から肉厚には自ずと限界があり、0.65mm以下の範囲とするのが良い。
請求項3記載の発明の手段は、請求項1または2記載の発明において、周溝の溝深さを1.5mm以上とし、溝側壁の水平方向からの傾斜角度を45°以下とすること、にある。
溝深さを1.5mm以上とし、溝側壁の水平方向からの傾斜角度を45°以下とする請求項3記載の周溝の断面形状に係る上記構成により、壜体内の加圧、および減圧により周溝の断面形状をスムーズに変形させることができ、より十分な加圧、および減圧吸収機能が発揮される。なお、傾斜角度は0°以上である。
請求項記載の発明の手段は、請求項1、2または記載の発明において、周溝を少なくとも2本設けること、にある。
請求項記載の上記構成により、2本の凹溝を胴部に適宜の間隔で付設することにより、胴部壁の変形スパンを短くして高温における加圧状態での胴部の顕著な膨出変形をより効果的に抑制することができ、また減圧状態における陥没変形を防止することができる。
請求項記載の発明の手段は、請求項1、2、3または記載の発明において、周溝を少なくとも胴部の上端部、略中央高さ位置、および下端部に各1本、計3本設けること、にある。
請求項記載の上記構成により、3本の凹溝を略等間隔に付設することにより胴部の剛性を十分にして、高温における加圧状態での胴部の顕著な膨出変形、および減圧状態における陥没変形をより確実に防止することができると共に、3本の周溝で胴部を上下方向に伸長させることができ、十分な加圧および減圧吸収機能を発揮させることができる。
請求項6記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4または記載の発明において、壜体が加熱蒸気によるレトルト処理に使用されること、にある。
請求項記載の上記構成により、レトルト処理では120〜130℃の高温状態で殺菌処理をするが、また特に加熱蒸気を利用する場合には、外圧の調整により薄肉な胴部の膨出状の変形を抑えることが困難であるが、このような高温での加圧状態に対応して適宜、周溝の断面形状、付設本数、位置を決めることにより、加圧吸収機能が十分に発揮さるので、熱蒸気を利用してレトルト処理する用途においても十分使用可能な壜体を提供することができる。
請求項記載の発明の手段は、請求項1、2、3、4、5または記載の発明において、PET系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であること、にある。
請求項記載の上記構成により、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形の壜体はレトルト処理温度に対応する耐熱性を有するものとすることができるので、本願発明の周溝を胴部に付設し、レトルト処理等の高温での取り扱いが必要な用途にも幅広く使用できる。
なお、本発明に使用するポリエチレンテレフタレート系樹脂としては、主としてPETが使用されるが、PET樹脂の本質が損なわれない限り、エチレンテレフタレート単位を主体として、他のポリエステル単位を含む共重合ポリエステルも使用できると共に、たとえば耐熱性を向上させるためにナイロン系樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等の樹脂をブレンドして使用することもできる。共重合ポリエステル形成用の成分としては、たとえばイソフタル酸、ナフタレン2,6ジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸成分、プロピレングリコール、1,4ブタンジオール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール等のグリコール成分を挙げることができる。
さらには、本発明のPET系樹脂製壜体は、PET樹脂製壜体としての本質が損なわれない限り、たとえば耐熱性、ガスバリア性の向上のためにPET樹脂/ナイロン樹脂/PET樹脂のようにナイロン樹脂等の中間層を有したものであっても良い。
本発明は上記した構成であり、以下に示す効果を奏する。
請求項1記載の発明にあっては、周溝の周リブ的な補強機能と圧力変動吸収機能の両機能により、高温での加圧状態、および室温等での減圧状態においても、胴部の形状が大きく変形することのない、あるいは局部的な変形のない壜体を提供することができる。また、溝上端幅と溝底幅の比であるw/Wは0.5以下とすることにより、周溝によるリブ的な補強機能を損なうことなく、加圧及び減圧吸収機能を発揮させることができる。
請求項2記載の発明にあっては、壜体胴部の平均肉厚を0.5mm以上として胴部壁の面剛性を大きくすることにより、周溝による補強機能と相俟って高温での加圧状態、あるいは室温等での減圧状態における胴部の壁の顕著な、あるいは局部的な変形をより効果的に防止することができる。一方、平均肉厚を0.65mm以下とすることにより、生産性の大幅な低下、材料コスト大幅な増加を防ぐことができる。
請求項3記載の発明にあっては、溝深さを1.5mm以上とし、溝側壁の水平方向からの傾斜角度を45°以下とする周溝の断面形状に係る構成により、壜体内の加圧、および減圧により周溝の断面形状をスムーズに変形させることができ、より十分な加圧、および減圧吸収機能が発揮される。
請求項記載の発明にあっては、2本の周溝を胴部に適宜の間隔で付設することにより、胴部壁の変形スパンを短くして高温における加圧状態での胴部の顕著な膨出変形を抑制することができ、また減圧状態における陥没変形を防止することができる。
請求項記載の発明にあっては、3本の凹溝を略等間隔に付設することにより高温における加圧状態での胴部の顕著な膨出変形、および減圧状態における陥変形をより確実に防止することができ、また3本の周溝で胴部を上下方向に伸長させることができ、十分な加圧および減圧吸収機能を発揮させることができる。
請求項記載の発明にあっては、周溝により加圧吸収機能を十分に発揮させることができ、熱蒸気を利用してレトルト処理する用途においても十分使用可能な壜体を提供することができる。
請求項記載の発明にあっては、PET系樹脂製の2軸延伸ブロー成形壜体をレトルト処理等の高温での取り扱いが必要な用途にも幅広く使用できる。
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1および図2は本発明の合成樹脂製壜体の一実施例を示すものである。図1は壜体1の半縦断正面図である。この壜体1はPET樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であり、口筒部2、肩部3、胴部4、底部5を有し、胴部4径63mm、全高130mmで、300ml用の小型の丸型ボトルである。また、口筒部2は熱結晶化処理により白化した状態であり、さらに底部5は陥没状に形成されている。
また、胴部の平均肉厚は0.58mmであり、胴部4の上端近傍、下端近傍、そして中央高さ位置に、胴部4の壁4aを屈曲させて凹状の断面形状を有する3本の周溝6を等間隔に付設している。また、胴部4の径63mmに対して周溝6の溝深さDは5mm、溝上端幅Wは5mm、溝底幅wは1.75mm(w/W=0.35)、そして溝側壁6bの水平方向からの傾斜角度Aは20°である(図2(本実施例の壜体1の中央高さ位置に位置する周溝6近傍の要部拡大縦断面における外輪郭線図)参照)。なお本実施例では、温度変化による加圧状態あるいは減圧状態の影響が厳しく現れる比較的小型(300ml用)の壜体を用いた。
実施例
上記のようにして成形された壜体1に80℃の水を充填し、キャップをして124℃、20分の条件で蒸気加熱式によるレトルト処理を、その後放冷して室温とする試験を実施し、壜体1の形状変化を観察した。レトルト処理直後において胴部4の周溝6間の壁面は若干膨出状態ではあるが、顕著な、あるいは局部的な膨出状の変形はなかった。また、室温に戻った状態では胴部4の周溝6間の壁面は若干凹んだ状態となるが胴部4に顕著な陥没状の変形は観察されなかった。
そして、高温での加圧状態で、周溝6の凹状の断面形状は、その溝上端幅Wが5mmから6mmへと1mm程度開くように変形し、この結果胴部4が上下方向に伸長して、壜体1の内容積が増加して加圧吸収機能が発揮される。
一方、水を80℃で充填した直後キャップで密封しているので、室温に戻した状態では壜体1内は減圧状態にあるが、各周溝6の凹状の断面形状は、その溝上端幅Wが5mmから4.7mmへと、略0.3mm狭めるように変形した。この結果胴部4が上下方向に収縮して、壜体の内容積が減少して減圧吸収機能が発揮された。
以上説明したように、本実施例の壜体1では胴部4の上端近傍、中央高さ位置、および下端近傍に等間隔に3本の周溝6を付設することにより、この3本の周溝6の周リブ的な補強強化と、加圧および減圧吸収機能が相俟って、レトルト処理という厳しい条件下でも顕著な、あるいは局部的な変形のない壜体1を提供することができた。
なお、周溝6の付設本数、付設位置、周溝6の断面形状等は壜体1の大きさ、熱処理温度等の条件、そして外観等を考慮して予備試験もしながら決めることができる設計事項である。また、周溝6の断面形状等は溝深さD、溝側壁6bの傾斜角度等の設定により上下方向に伸縮しやすい形状とすることができる。
なお、本発明は、壜体の形状について本実施例に限定されるものではなく、また合成樹脂の種類もPET系樹脂に限定されるものでもない。またレトルト処理向けの壜体に限定されるものでもない。
本発明の合成樹脂製壜体は蒸気加熱式のレトルト処理という厳しい用途にも使用できるものであり、より幅広い用途への展開が期待できる。
本発明の壜体の一実施例を示す半縦断正面図である。 図1の壜体の周溝近傍の要部拡大縦断面の外輪郭線図である。 壜体の従来例を示す全体正面図である。
符号の説明
1 ;壜体
2 ;口筒部
3 ;肩部
4 ;胴部
4a;壁
5 ;底部
6 ;周溝
6a;溝上端
6b;溝側壁
6c;溝底
D ;溝深さ
W ;溝上端幅
w ;溝底幅
A ;傾斜角度
101;壜体
102;口筒部
103;肩部
104;胴部
105;底部
106;環状溝部
107;減圧吸収パネル
109;柱部

Claims (7)

  1. 丸形壜体(1)の胴部(4)に該胴部(4)の壁(4a)を屈曲させて形成した凹状の断面形状を有する周溝(6)を設け、該周溝(6)の断面形状の弾性的な変形により前記胴部(4)を上下方向へ伸縮可能な構成とし、該壜体(1)内部の加圧状態と減圧状態の両状態に対応可能とし、溝上端幅(W)と溝底幅(w)の比であるw/Wを0.5以下とした合成樹脂製壜体。
  2. 壜体(1)胴部(4)の平均肉厚を0.5〜0.65mmの範囲とした請求項1記載の合成樹脂製壜体。
  3. 周溝(6)の溝深さ(D)を1.5mm以上とし、溝側壁(6b)の水平方向からの傾斜角度(A)を45°以下とした請求項1または2記載の合成樹脂製壜体。
  4. 周溝を少なくとも2本設けたことを特徴とする請求項1、2または記載の合成樹脂製壜体。
  5. 周溝(6)を少なくとも胴部(4)の上端部、略中央高さ位置、および下端部に各1本、計3本設けたことを特徴とする請求項1、2、3または記載の合成樹脂製壜体。
  6. 加熱蒸気によるレトルト処理に使用されることを特徴とする請求項1、2、3、4または記載の合成樹脂製壜体。
  7. ポリエチレンテレフタレート系樹脂製の二軸延伸ブロー成形品であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または記載の合成樹脂製壜体。
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