JP3178538B2 - ２軸延伸ブロー成形壜体とその成形方法 - Google Patents
２軸延伸ブロー成形壜体とその成形方法Info
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、飽和ポリエステル樹脂
製、特にポリエチレンテレフタレート樹脂製の２軸延伸
ブロー成形壜体の底部の構造と、この壜体の成形方法に
関するものである。
製、特にポリエチレンテレフタレート樹脂製の２軸延伸
ブロー成形壜体の底部の構造と、この壜体の成形方法に
関するものである。
【０００２】
【従来の技術】比較的大型な壜容器として、飽和ポリエ
ステル樹脂製、特にポリエチレンテレフタレート樹脂
（以下、単にＰＥＴと記す）製の２軸延伸ブロー成形壜
体が多量に利用されている。このＰＥＴ製の２軸延伸ブ
ロー成形壜体は、ビールを含む炭酸飲料を収納すること
ができるように、当初からその底部を、高い内圧に耐え
ることのできる特殊な構造に成形した耐圧型壜体を除い
て、その底部は、中央部分を内方に陥没させた構造とな
っている。
ステル樹脂製、特にポリエチレンテレフタレート樹脂
（以下、単にＰＥＴと記す）製の２軸延伸ブロー成形壜
体が多量に利用されている。このＰＥＴ製の２軸延伸ブ
ロー成形壜体は、ビールを含む炭酸飲料を収納すること
ができるように、当初からその底部を、高い内圧に耐え
ることのできる特殊な構造に成形した耐圧型壜体を除い
て、その底部は、中央部分を内方に陥没させた構造とな
っている。
【０００３】この普通のＰＥＴ製２軸延伸ブロー成形壜
体の底部の一般的な構造を図８を参照して説明すると、
壜体内方に陥没した陥没部分の中央に位置し、その中心
に延伸中心点を有する全く延伸変形しない延伸中心部６
は、この全く延伸変形しない延伸中心部６と、この延伸
中心部６の周囲の延伸変形する部分との境界部に位置す
る未延伸周縁部７と、充分に延伸変形されて、壜体に自
立機能を与える脚部５とから構成されている。
体の底部の一般的な構造を図８を参照して説明すると、
壜体内方に陥没した陥没部分の中央に位置し、その中心
に延伸中心点を有する全く延伸変形しない延伸中心部６
は、この全く延伸変形しない延伸中心部６と、この延伸
中心部６の周囲の延伸変形する部分との境界部に位置す
る未延伸周縁部７と、充分に延伸変形されて、壜体に自
立機能を与える脚部５とから構成されている。
【０００４】また、この底部の中央を内方に陥没させた
だけの単純な底部構造を有する壜体とは別に、内方に陥
没した陥没部の壁に多数の凹凸を設け、或る程度の内圧
に耐えることができる底部構造を有する壜体が、炭酸ガ
ス含有量の少ない飲料液、または加熱充填とか熱滅菌処
理されて、密閉状態で内圧が一時的に高くなる内容液を
収納する壜体として利用されている。
だけの単純な底部構造を有する壜体とは別に、内方に陥
没した陥没部の壁に多数の凹凸を設け、或る程度の内圧
に耐えることができる底部構造を有する壜体が、炭酸ガ
ス含有量の少ない飲料液、または加熱充填とか熱滅菌処
理されて、密閉状態で内圧が一時的に高くなる内容液を
収納する壜体として利用されている。
【０００５】しかしながら、炭酸ガス含有量の少ない飲
料液を密封収納した状態で壜体内に発生する内圧は、さ
ほど大きい値ではなく、また内容液の加熱充填および熱
滅菌処理時に増大する内圧もさほど大きい値ではないと
共に、この内圧の増大は一時的なものであることから、
底部の中央を単純に陥没させた一般的の底部構造でも機
械強度的に充分に耐えることができると考えられ、さら
に底部の陥没部の壁に凹凸を設ける壜体のに比べて、底
部中央を単純に陥没させた一般的な底部構造の壜体の製
造単価がはるかに安いことから、この炭酸ガス含有量の
少ない飲料液、また加熱充填もしくは熱滅菌処理を必要
とする内容液の収納壜体として、底部の中央を単純に陥
没させた一般的な底部構造の壜体の使用が考えられてい
る。
料液を密封収納した状態で壜体内に発生する内圧は、さ
ほど大きい値ではなく、また内容液の加熱充填および熱
滅菌処理時に増大する内圧もさほど大きい値ではないと
共に、この内圧の増大は一時的なものであることから、
底部の中央を単純に陥没させた一般的の底部構造でも機
械強度的に充分に耐えることができると考えられ、さら
に底部の陥没部の壁に凹凸を設ける壜体のに比べて、底
部中央を単純に陥没させた一般的な底部構造の壜体の製
造単価がはるかに安いことから、この炭酸ガス含有量の
少ない飲料液、また加熱充填もしくは熱滅菌処理を必要
とする内容液の収納壜体として、底部の中央を単純に陥
没させた一般的な底部構造の壜体の使用が考えられてい
る。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】この底部の中央を単純
に陥没させた底部構造の一般的な壜体を、炭酸ガス含有
量の少ない飲料液、または加熱充填もしくは熱滅菌処理
される内容液の収納壜体として使用した場合、底部の陥
没部分が、壜体内に発生した内圧により反転変形すると
云うことはなく、この陥没形状を安定して自己保持する
ことができるのであるが、図７および図８に示すよう
に、未延伸部分である延伸中心部６が吸湿して、内圧の
作用により割れ９が発生すると云う問題が生じた。
に陥没させた底部構造の一般的な壜体を、炭酸ガス含有
量の少ない飲料液、または加熱充填もしくは熱滅菌処理
される内容液の収納壜体として使用した場合、底部の陥
没部分が、壜体内に発生した内圧により反転変形すると
云うことはなく、この陥没形状を安定して自己保持する
ことができるのであるが、図７および図８に示すよう
に、未延伸部分である延伸中心部６が吸湿して、内圧の
作用により割れ９が発生すると云う問題が生じた。
【０００７】多くの実験例によると、この割れ９は、完
全な無延伸部分である延伸中心部６に発生するのではな
く、この無延伸部分である延伸中心部６の周囲に位置す
る未延伸周縁部７、すなわち無延伸部分と延伸部分との
境界部に発生することが確認された。
全な無延伸部分である延伸中心部６に発生するのではな
く、この無延伸部分である延伸中心部６の周囲に位置す
る未延伸周縁部７、すなわち無延伸部分と延伸部分との
境界部に発生することが確認された。
【０００８】これは、この未延伸周縁部７が無延伸部分
と延伸部分との境界部であるため、延伸部分の延伸変形
に伴うストレスが、この境界部分である未延伸周縁部に
集中するためと思われる。
と延伸部分との境界部であるため、延伸部分の延伸変形
に伴うストレスが、この境界部分である未延伸周縁部に
集中するためと思われる。
【０００９】また、この未延伸周縁部７に発生する割れ
９は、壜体に対する内容液の充填ライン等で使用されて
いる滑走剤により促進される実験結果を得た。
９は、壜体に対する内容液の充填ライン等で使用されて
いる滑走剤により促進される実験結果を得た。
【００１０】そして、この割れ９は、未延伸周縁部７の
外面側に生じ、壜体の内圧の増大により成長するもので
あることが確認された。
外面側に生じ、壜体の内圧の増大により成長するもので
あることが確認された。
【００１１】なお、壜体の底部の耐熱性を高める目的
で、底部の陥没した中央部分を結晶化させて白化させる
手段が知られているが、この底部の中央部分を結晶化さ
せる手段は、確かに底部の中央部分の耐熱性を高めるこ
とができるのであるが、底部の機械的な耐衝撃性を低下
させると云う新たな問題が生じていた。
で、底部の陥没した中央部分を結晶化させて白化させる
手段が知られているが、この底部の中央部分を結晶化さ
せる手段は、確かに底部の中央部分の耐熱性を高めるこ
とができるのであるが、底部の機械的な耐衝撃性を低下
させると云う新たな問題が生じていた。
【００１２】そこで、本発明は、上記した従来技術にお
ける問題点を解消すべく創案されたもので、壜体の底部
に発生する割れは、底部の未延伸周縁部の外面側に発生
することに着眼して、この未延伸周縁部の外面側のスト
レスに対する機械的耐久力を高めると共に、滑走剤に対
する耐薬品性を高めることを技術的課題とし、もって中
央部分を単純に陥没させた底部構造を有する壜体の耐内
圧性を高めることを目的とする。
ける問題点を解消すべく創案されたもので、壜体の底部
に発生する割れは、底部の未延伸周縁部の外面側に発生
することに着眼して、この未延伸周縁部の外面側のスト
レスに対する機械的耐久力を高めると共に、滑走剤に対
する耐薬品性を高めることを技術的課題とし、もって中
央部分を単純に陥没させた底部構造を有する壜体の耐内
圧性を高めることを目的とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】上記技術的課題を解決す
る本発明の手段は、底壁の中央部を単純に内方に陥没さ
せた底部を有する壜体であること、底部の延伸中心点が
位置する未延伸部分である延伸中心部の周囲に位置する
未延伸周縁部を含む中央部を結晶化させること、この中
央部の結晶化は、この中央部の壁の内面側よりも外面側
の密度を高めた形態で達成すること、にある。
る本発明の手段は、底壁の中央部を単純に内方に陥没さ
せた底部を有する壜体であること、底部の延伸中心点が
位置する未延伸部分である延伸中心部の周囲に位置する
未延伸周縁部を含む中央部を結晶化させること、この中
央部の結晶化は、この中央部の壁の内面側よりも外面側
の密度を高めた形態で達成すること、にある。
【００１４】また、この壜体を成形する手段としては、
有底円筒形状に予め成形されているプリフォームから壜
体を２軸延伸ブロー成形すること、この２軸延伸ブロー
成形された壜体の底部の中央部を、結晶化温度まで加熱
した後、徐冷して結晶化させること、この中央部に対す
る結晶化温度までの加熱を、中央部の外面側から行うこ
と、にある。
有底円筒形状に予め成形されているプリフォームから壜
体を２軸延伸ブロー成形すること、この２軸延伸ブロー
成形された壜体の底部の中央部を、結晶化温度まで加熱
した後、徐冷して結晶化させること、この中央部に対す
る結晶化温度までの加熱を、中央部の外面側から行うこ
と、にある。
【００１５】
【作用】壜体の底部の中央部は結晶化されており、未延
伸周縁部は、この結晶化された中央部に含まれているの
で、壜体の延伸成形時に発生するストレスによる機械的
強度の低下はなく、また吸湿による脆化もない。
伸周縁部は、この結晶化された中央部に含まれているの
で、壜体の延伸成形時に発生するストレスによる機械的
強度の低下はなく、また吸湿による脆化もない。
【００１６】また、中央部の結晶化形態は、外面側の結
晶化程度を高くし、内面側の結晶化程度を低くしている
ので、この結晶化程度の低い内面側の機械的な粘り強さ
は失われず、このためＰＥＴ製２軸延伸ブロー成形壜体
において、底部を結晶化させることにより、この底部の
耐衝撃性が低下すると云う従来技術における不都合の発
生がなく、ＰＥＴ製２軸延伸ブロー成形壜体が本来発揮
する高い耐衝撃性を維持することになる。
晶化程度を高くし、内面側の結晶化程度を低くしている
ので、この結晶化程度の低い内面側の機械的な粘り強さ
は失われず、このためＰＥＴ製２軸延伸ブロー成形壜体
において、底部を結晶化させることにより、この底部の
耐衝撃性が低下すると云う従来技術における不都合の発
生がなく、ＰＥＴ製２軸延伸ブロー成形壜体が本来発揮
する高い耐衝撃性を維持することになる。
【００１７】中央部の外面側は、高度に結晶化されてい
るので、この中央部の外側表面の耐薬品性も高められて
おり、このため滑走剤による中央部外面側の脆化を確実
に防止することができる。
るので、この中央部の外側表面の耐薬品性も高められて
おり、このため滑走剤による中央部外面側の脆化を確実
に防止することができる。
【００１８】中央部に対する結晶化処理は、２軸延伸ブ
ロー成形品である壜体に対して施されるので、中央部の
結晶化による延伸成形の成形性の低下を引き起こす恐れ
が全くなく、このため壜体を、その成形性を低下させる
ことなしに２軸延伸ブロー成形することができる。
ロー成形品である壜体に対して施されるので、中央部の
結晶化による延伸成形の成形性の低下を引き起こす恐れ
が全くなく、このため壜体を、その成形性を低下させる
ことなしに２軸延伸ブロー成形することができる。
【００１９】中央部を結晶化させるための加熱処理を、
２軸延伸ブロー成形品である壜体に対して施すので、２
軸延伸ブロー成形処理により底部の中央部に発生してい
たストレスが、この中央部に対する加熱処理により低減
されることになり、これにより、中央部の割れに対する
耐久力を高めることになる。
２軸延伸ブロー成形品である壜体に対して施すので、２
軸延伸ブロー成形処理により底部の中央部に発生してい
たストレスが、この中央部に対する加熱処理により低減
されることになり、これにより、中央部の割れに対する
耐久力を高めることになる。
【００２０】中央部に対する結晶化温度までの加熱は、
この中央部の外面側から行うので、当然の結果として、
この中央部の加熱状態は、外面側が内面側よりも温度が
高いと云う温度勾配が発生し、このため加熱された中央
部をそのまま徐冷すると、内面側に比べて外面側の徐冷
程度が顕著となり、これにより内面側に比べて外面側の
結晶化程度が必然的に高くなる。
この中央部の外面側から行うので、当然の結果として、
この中央部の加熱状態は、外面側が内面側よりも温度が
高いと云う温度勾配が発生し、このため加熱された中央
部をそのまま徐冷すると、内面側に比べて外面側の徐冷
程度が顕著となり、これにより内面側に比べて外面側の
結晶化程度が必然的に高くなる。
【００２１】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照しなが
ら説明する。図１は、本発明による壜体１の一例を示す
一部破断した全体正面図で、主体部分である胴部２の上
端に、上方に縮径した肩部を介して無延伸部分である口
部３を設け、胴部２の下端に連設された底部４は、中央
部分を内方に略球弧状に陥没させた形状に成形されてい
る。
ら説明する。図１は、本発明による壜体１の一例を示す
一部破断した全体正面図で、主体部分である胴部２の上
端に、上方に縮径した肩部を介して無延伸部分である口
部３を設け、胴部２の下端に連設された底部４は、中央
部分を内方に略球弧状に陥没させた形状に成形されてい
る。
【００２２】この壜体１のプリフォーム1'からの２軸延
伸ブロー成形は、通常の２軸延伸ブロー成形操作で達成
される。
伸ブロー成形は、通常の２軸延伸ブロー成形操作で達成
される。
【００２３】この２軸延伸ブロー成形された壜体１の底
部４の中央部８に対する結晶化のための加熱処理は、例
えば図２に示すように、壜体１外に、底部４に対向して
ヒータ11を配置し、このヒータ11と底部４との間に、ヒ
ータ11からの輻射熱を底部４の中央部８にだけ照射させ
る遮熱板10を配置し、このヒータ11からの輻射熱により
中央部８を結晶化温度まで加熱する。
部４の中央部８に対する結晶化のための加熱処理は、例
えば図２に示すように、壜体１外に、底部４に対向して
ヒータ11を配置し、このヒータ11と底部４との間に、ヒ
ータ11からの輻射熱を底部４の中央部８にだけ照射させ
る遮熱板10を配置し、このヒータ11からの輻射熱により
中央部８を結晶化温度まで加熱する。
【００２４】中央部８に対する結晶化温度までの加熱
を、中央部８の外面側8aから行うことにより、中央部８
には、外面側8aから内面側8bに向かって加熱温度が低く
なる温度勾配が発生するので、この状態のまま、中央部
８に対する加熱処理を停止して中央部８を自然冷却して
徐冷状態とすると、中央部８は結晶化するが、この中央
部８における外面側8aと内面側8bに比べてその徐冷状態
が顕著となるので、外面側8aの結晶化程度は内面側8bの
結晶化程度に比べて高くなる。
を、中央部８の外面側8aから行うことにより、中央部８
には、外面側8aから内面側8bに向かって加熱温度が低く
なる温度勾配が発生するので、この状態のまま、中央部
８に対する加熱処理を停止して中央部８を自然冷却して
徐冷状態とすると、中央部８は結晶化するが、この中央
部８における外面側8aと内面側8bに比べてその徐冷状態
が顕著となるので、外面側8aの結晶化程度は内面側8bの
結晶化程度に比べて高くなる。
【００２５】この中央部８に対する結晶化のための加熱
処理に際して、壜体１内、すなわち中央部８の内面側8b
に適当な冷却を与えておくことにより、中央部８の外面
側8aと内面側8bとの徐冷程度の差がより顕著なものとな
り、これにより中央部８の外面側8aと内面側8bとの結晶
化程度の差を大きくすることができるので、内面側8bを
殆ど結晶化させることなしに外面側8aの結晶化をより高
めることができる。
処理に際して、壜体１内、すなわち中央部８の内面側8b
に適当な冷却を与えておくことにより、中央部８の外面
側8aと内面側8bとの徐冷程度の差がより顕著なものとな
り、これにより中央部８の外面側8aと内面側8bとの結晶
化程度の差を大きくすることができるので、内面側8bを
殆ど結晶化させることなしに外面側8aの結晶化をより高
めることができる。
【００２６】図３は、中央部８における外面側8aと内面
側8bとの結晶化程度の変化形態を示す断面図で、1.5 リ
ットルの良品として成形された壜体１における実測値で
は、内面側8bから外面側8aに進むに従って連続的に1.33
5 〜1.391g／cm3 の範囲で密度の変化があり、多くの実
験結果からすると、中央部８の内面側8bの密度範囲を1.
335 〜1.360g／cm3 の範囲に設定し、外面側8aの密度範
囲を1.350 〜1.391g／cm3 の密度範囲に設定し、内面側
8bから外面側8aに進むに従って密度の値を連続的に高め
るのが良い。
側8bとの結晶化程度の変化形態を示す断面図で、1.5 リ
ットルの良品として成形された壜体１における実測値で
は、内面側8bから外面側8aに進むに従って連続的に1.33
5 〜1.391g／cm3 の範囲で密度の変化があり、多くの実
験結果からすると、中央部８の内面側8bの密度範囲を1.
335 〜1.360g／cm3 の範囲に設定し、外面側8aの密度範
囲を1.350 〜1.391g／cm3 の密度範囲に設定し、内面側
8bから外面側8aに進むに従って密度の値を連続的に高め
るのが良い。
【００２７】底部４の結晶化される中央部８としては、
未延伸周縁部７を含んでいれば良いのであって、それゆ
え図４および図５に示すように、未延伸周縁部７を含む
外郭線の内部全域を中央部８として結晶化させても良
く、また図６に示すように、延伸中心部６の中心部分を
除いたリング状部分を中央部８として結晶化させても良
い。
未延伸周縁部７を含んでいれば良いのであって、それゆ
え図４および図５に示すように、未延伸周縁部７を含む
外郭線の内部全域を中央部８として結晶化させても良
く、また図６に示すように、延伸中心部６の中心部分を
除いたリング状部分を中央部８として結晶化させても良
い。
【００２８】図６に示すように、中央部８をリング状に
成形した場合には、結晶化により白化した中央部８が底
部４に白いリングを外観として現出するので、底部４の
外観に面白味を出すことになる。
成形した場合には、結晶化により白化した中央部８が底
部４に白いリングを外観として現出するので、底部４の
外観に面白味を出すことになる。
【００２９】
【発明の効果】本発明は、上記した構成となっているの
で、以下に示す効果を奏する。未延伸周縁部を含む底部
の中央部を結晶化させたので、未延伸周縁部のストレス
による機械的強度の低下、吸湿による脆化の発生を防止
することができ、これにより壜体の内圧の作用による伸
び変形に対する未延伸周縁部の機械的耐久力を充分に高
めることができ、また未延伸周縁部の外面側の滑走剤に
対する耐薬品性を高めることができるので、この未延伸
周縁部における割れの発生を殆ど無くすことができ、も
って底部の中央部分を単純に陥没させただけの底部構造
の壜体であっても、或る程度の内圧に耐えることのでき
る壜体として利用することを可能とすることができる。
で、以下に示す効果を奏する。未延伸周縁部を含む底部
の中央部を結晶化させたので、未延伸周縁部のストレス
による機械的強度の低下、吸湿による脆化の発生を防止
することができ、これにより壜体の内圧の作用による伸
び変形に対する未延伸周縁部の機械的耐久力を充分に高
めることができ、また未延伸周縁部の外面側の滑走剤に
対する耐薬品性を高めることができるので、この未延伸
周縁部における割れの発生を殆ど無くすことができ、も
って底部の中央部分を単純に陥没させただけの底部構造
の壜体であっても、或る程度の内圧に耐えることのでき
る壜体として利用することを可能とすることができる。
【００３０】底部の中央部分を単純に陥没させただけの
底部構造を有する通常の２軸延伸ブロー成形壜体を、或
る程度の内圧に耐えることのできる壜体として使用する
ことを可能としたので、この通常の壜体の利用範囲を大
幅に拡大することができると共に、或る程度の内圧が作
用する内容液を収納する壜体の価格を低減させることが
可能となる。
底部構造を有する通常の２軸延伸ブロー成形壜体を、或
る程度の内圧に耐えることのできる壜体として使用する
ことを可能としたので、この通常の壜体の利用範囲を大
幅に拡大することができると共に、或る程度の内圧が作
用する内容液を収納する壜体の価格を低減させることが
可能となる。
【００３１】中央部の結晶化は、外面側から内面側に進
むに従って結晶化程度を低下させたものとしたので、内
面側の耐衝撃性を充分に高い状態に維持することがで
き、これにより結晶化程度を高くすることによる外面側
の耐衝撃性の低下を防止することができ、もって結晶化
により底部の耐衝撃性が低下すると云う不都合の発生を
完全に防止することができる。
むに従って結晶化程度を低下させたものとしたので、内
面側の耐衝撃性を充分に高い状態に維持することがで
き、これにより結晶化程度を高くすることによる外面側
の耐衝撃性の低下を防止することができ、もって結晶化
により底部の耐衝撃性が低下すると云う不都合の発生を
完全に防止することができる。
【００３２】中央部の加熱処理による結晶化を、２軸延
伸ブロー成形品である壜体に対して施した場合には、こ
の延伸成形により中央部に発生したストレスを、この加
熱処理により大きく低減させることになり、これにより
割れ発生防止効果をより高いものとすることができる。
伸ブロー成形品である壜体に対して施した場合には、こ
の延伸成形により中央部に発生したストレスを、この加
熱処理により大きく低減させることになり、これにより
割れ発生防止効果をより高いものとすることができる。
【００３３】中央部に対する結晶化のための加熱処理
を、中央部の外面側からの加熱により達成した場合に
は、中央部に外面側から内面側に進むに従って加熱温度
が低下すると云う温度勾配が必然的に発生するので、こ
の温度勾配により、中央部を自然徐冷状態としても、中
央部の結晶化程度は、必然的に内面側から外面側に進む
に従って高くなり、もって中央部の結晶化処理を正確に
かつ簡単にそして安定して達成することができる。
を、中央部の外面側からの加熱により達成した場合に
は、中央部に外面側から内面側に進むに従って加熱温度
が低下すると云う温度勾配が必然的に発生するので、こ
の温度勾配により、中央部を自然徐冷状態としても、中
央部の結晶化程度は、必然的に内面側から外面側に進む
に従って高くなり、もって中央部の結晶化処理を正確に
かつ簡単にそして安定して達成することができる。
【００３４】
【図１】本発明による壜体の一実施例の、その成形方法
の一例と一緒に示した一部破断した全体正面図。
の一例と一緒に示した一部破断した全体正面図。
【図２】図１に示した実施例の底部の中央部に対する加
熱処理の一例を示す要部縦断面図。
熱処理の一例を示す要部縦断面図。
【図３】本発明による壜体の底部の中央部の結晶化状態
を示す要部拡大断面図。
を示す要部拡大断面図。
【図４】図１に示した実施例の底部の底面図。
【図５】図４に示した実施例の底部拡大半断面図。
【図６】中央部を、延伸中心部の中心部分を除いてリン
グ状にした実施例の底部拡大半断面図。
グ状にした実施例の底部拡大半断面図。
【図７】割れが発生した従来の壜体の底面図。
【図８】図７に示した壜体の、割れが発生している底部
拡大半断面図。
拡大半断面図。
【００３５】
１ ；壜体 １’；プリフォーム ２ ；胴部 ３ ；口部 ４ ；底部 ５ ；脚部 ６ ；延伸中心部 ７ ；未延伸周縁部 ８ ；中心部 ８ａ；外面側 ８ｂ；内面側 ９ ；割れ １０；遮熱板 １１；ヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−2331（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−2330（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B29C 49/00 - 49/80 B65D 1/00 - 1/48
Claims (2)
- 【請求項１】 底壁の中央部を内方に陥没させた底部
(4)の、延伸中心点が位置する未延伸部分である延伸中
心部(6)の周囲に位置するリング状の未延伸周縁部(7)
を、底壁の内面側(8b)よりも外面側(8a)の密度を高めた
形態で結晶化させた２軸延伸ブロー成形壜体。 - 【請求項２】 底壁の中央部を内方に陥没させた底部
(4)の、延伸中心点が位置する未延伸部分である延伸中
心部(6)の周囲に位置するリング状の未延伸周縁部(7)
を、底壁の外面から結晶化温度まで加熱した後、徐冷し
て、該リング状の未延伸周縁部(7)を結晶化する２軸延
伸ブロー成形壜体の成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4094691A JP3178538B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | ２軸延伸ブロー成形壜体とその成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4094691A JP3178538B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | ２軸延伸ブロー成形壜体とその成形方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05131529A JPH05131529A (ja) | 1993-05-28 |
| JP3178538B2 true JP3178538B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=12594676
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4094691A Expired - Fee Related JP3178538B2 (ja) | 1991-02-12 | 1991-02-12 | ２軸延伸ブロー成形壜体とその成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3178538B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2002172681A (ja) * | 2000-09-29 | 2002-06-18 | Aoki Technical Laboratory Inc | 延伸ブロー容器及びその成形方法 |
-
1991
- 1991-02-12 JP JP4094691A patent/JP3178538B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05131529A (ja) | 1993-05-28 |
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