JPH1142696A - 耐熱性延伸樹脂容器及びその製法 - Google Patents

耐熱性延伸樹脂容器及びその製法

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JPH1142696A
JPH1142696A JP9203598A JP20359897A JPH1142696A JP H1142696 A JPH1142696 A JP H1142696A JP 9203598 A JP9203598 A JP 9203598A JP 20359897 A JP20359897 A JP 20359897A JP H1142696 A JPH1142696 A JP H1142696A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 底部が、ゲート残部を含めて、有効に高延伸
配向状態に配向結晶化され、耐熱性あるいは耐熱耐圧性
及び耐衝撃性に優れ、更には自立性や外観特性にも優れ
ている樹脂延伸成形容器及びその製法を提供するにあ
る。本発明の他の目的は、上記延伸成形容器を、比較的
少ない工程数で、しかも資源を有効に利用して製造しう
る製法を提供するにある。 【解決手段】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
された口頚部、肩部、胴部及び底部を備えた自立性容器
において、底中心ゲート残部が、ゲート接続部及びそれ
よりも径外方向の高延伸配向底部に連なる高延伸配向層
を有することを特徴とする耐熱性延伸樹脂容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性あるいは耐熱耐
圧性及び耐衝撃性に優れ、更には自立性にも優れている
樹脂延伸成形容器及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
の如き熱可塑性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形容器
は、優れた透明性や表面光沢を有すると共に、瓶に必要
な耐衝撃性、剛性、ガスバリヤー性をも有しており、各
種液体の瓶詰容器、即ちボトルとして利用されている。
【0003】一般に、瓶詰製品の製造に際しては、内容
物の保存性を高めるために、内容物を熱間充填し或いは
内容物を充填した後、加熱殺菌乃至滅菌することが必要
である。
【0004】耐熱耐圧性自立容器では、自立性の確保の
点でも、内容物の熱間充填及び加熱殺菌処理に対する耐
性が要求される。特に、底周辺部に交互に配置された足
部と谷部とを備えた容器底部(以下単にペタロイド形状
の底部ともいう)では、内容物の熱間充填及び熱殺菌処
理後の自立性の確保が重要であり、高い耐熱圧強度が要
求される。
【0005】現在市販されている耐熱耐圧性自立容器で
は、ペタロイド底中央部が未延伸または低延伸配向状態
で比較的に厚肉となっている。その様なペタロイド底部
では通常の室温での耐圧強度には優れているが、70℃
程度の高温下における耐熱圧強度はかなり低いレベルと
なる。そのため、内容物のガス圧力及び熱殺菌処理時の
温度を制限した条件下にて使用されている。また、その
厚肉のペタロイド底部を構成する樹脂が過剰に吸湿した
状態では、耐熱圧強度の低下が頭著となり、耐熱耐圧用
の自立容器には適さない。
【0006】この様な低延伸配向状態の厚肉の底部を熱
固定して、熱結晶化を行うことにより、耐熱圧強度を高
めることができる。しかし、低延伸配向状態の底部を熱
結晶化させて、十分に耐熱圧強度を高めると、その熱結
晶化部位は著しく脆化する。その脆化部がペタロイド底
部のかなりの部分を占めると、著しく耐衝撃性が低下す
る問題が生じる。また、熱結晶化により、低延伸配向状
態の底部は白化するが、その領域が広くなり過ぎると美
観上好ましくない。
【0007】特開平8−267549号公報には、底部
の中央に厚肉の熱結晶化部を有し、その周囲を高延伸配
向状態にて薄肉化し、且つ熱固定したペタロイド底部を
有する容器を開示している。この様な容器では、底中央
熱結晶化部は脆化しているものの比較的小さな面積に限
定できること、一方、その周囲の高延伸配向状態で薄肉
化された部位は熱固定されていても、柔軟性に富み、高
い耐衝撃性を保有していることから、ペタロイド底部の
耐衝撃性は問題のないレベルとすることができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記先行技術
では、容器底中央の熱結晶化部は、プリフォーム底部を
加熱、熱結晶化させることにより得られるのであり、面
倒な加熱工程が必要となる。
【0009】また、延伸ブロー成形容器の製造に用いら
れるプリフォームは、樹脂の射出成形で製造されるが、
このプリフォームの底部中心にはゲート部が必ず結合し
ている。一般の延伸ブロー成形の場合もそうであるが、
ペタロイド型の底形状の容器の場合、このゲート部は、
余分のものとしてこれを切り取るトリミング操作を行っ
ている。
【0010】しかしながら、このようなトリミング操作
は面倒な工程であると共に、切り取り寸法を一定にする
ことが必ずしも容易でないという精度上の問題がある。
特に、容器の底部の成形性を考慮してゲート部の長さを
限りなく零に近づけようとすると、トリミング操作後に
研磨等の仕上げ操作が必要となり、工程が増えて一層面
倒なことになる。
【0011】本発明者らは、プリフォームの底部を熱結
晶化することなく、またプリフォームのゲート残部をも
有効に利用して、ペタロイド底部を高延伸配向状態とす
る二軸延伸ブロー成形手段を鋭意検討した。その結果、
ブロー成形における底部の延伸成形は成形体の底中心部
であるゲート部が金型の底部に達した時点から顕著に行
われることを突き止めた。そして、成形体の底中心部が
金型底部に達する時点での底中心部及びその近傍の温度
低下を一定以下に小さくする手段を採用することによ
り、底部を、ゲート残部をも含めて、高延伸配向状態に
層状化できることを見いだした。
【0012】即ち、本発明の目的は、底部が、ゲート残
部を含めて、有効に高延伸配向状態に配向結晶化され、
耐熱性あるいは耐熱耐圧性及び耐衝撃性に優れ、更には
自立性や外観特性にも優れている樹脂延伸成形容器及び
その製法を提供するにある。本発明の他の目的は、上記
延伸成形容器を、比較的少ない工程数で、しかも資源を
有効に利用して製造しうる製法を提供するにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂の
二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩部、
胴部及び底部を備えた自立性容器において、底中心ゲー
ト残部が、ゲート接続部及びそれよりも径外方向の高延
伸配向底部に連なる高延伸配向層を有することを特徴と
する耐熱性延伸樹脂容器が提供される。本発明によれば
また、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内でプ
リフォーム内部に挿入された延伸棒とプリフォーム外部
のプレス棒とでプリフォームの底中心部を挟み込み、次
に延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム内部に高圧
気体を吹き込むことから成る延伸樹脂容器の製法におい
て、前記プリフォームが底中心部にゲート部を有するプ
リフォームであり、且つ延伸加工が終了する直前までの
間上記底中心部の温度低下を40℃以内に保持してゲー
ト残部も含めて底中心部をも高延伸することを特徴とす
る耐熱性延伸樹脂容器の製法が提供される。本発明によ
れば更に、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内
でプリフォーム内部に挿入された延伸棒とをプリフォー
ムの底中心部を押し当て、次に延伸棒を駆動しながら同
時にプリフォーム内部に高圧気体を吹き込むことから成
る延伸樹脂容器の製法において、前記プリフォームが底
中心部にゲート部を有するプリフォームであり、且つ延
伸加工が終了する直前までの間上記底中心部の温度低下
を40℃以内に保持して底中心部をも高延伸し、これに
より、底中心部をも含めて高延伸配向層を有する底部か
ら成る2次成形品とし、該2次成形品の少なくとも底部
及び底部に連なる胴部の一部を加熱収縮させて3次成形
品とし、該3次成形品を金型内にて2次ブロー成形して
最終容器とすることを特徴とする耐熱性樹脂容器の製法
が提供される。
【0014】本発明においては、 1.前記底部が底中央谷部と底中央谷部の周囲に交互に
配置された複数の谷部と足部とから形成され且つ容器が
自立性を有すること、 2.底中心ゲート残部が透明な延伸配向層と白化した低
延伸低配向層とから成ること、 3.特に(A)底中心ゲート残部が容器内面側の透明な
高延伸配向層と容器外面側の白化した低延伸低配向層と
から成るか、(B)底中心ゲート残部が中央に位置する
透明な高延伸配向層と内外両側の白化した低延伸低配向
層とから成るか、(C)底中心ゲート残部が容器内面側
の透明な高延伸配向層と、容器外面側のリング状の低延
伸白化部とその中央に位置する透明な高延伸配向部との
複合層とから成ること、 4.高延伸配向層が結晶化度が20%以上となるように
配向結晶化されていること、 5.底中心ゲート残部が熱固定され、高延伸配向層が2
5乃至55%の結晶化度を有すること、 6.ゲート残部における高延伸配向層が0.35mm以
上の肉厚を有すること、 7.底中心ゲート残部が最大肉厚部で1乃至3.5mm
の肉厚を有すること、 8.底中心ゲート残部が胴径D0 の0.25倍以下の直
径Dgを有すること、 9.底中心ゲート残部が70℃の温度において25kg
f/cm以上の降伏荷重を有すること、 10.口頸部及びその近傍、並ぴに底中心ゲート残部及
びゲート接続部を除く容器の肉厚が0.15mm乃至
1.1mmの範囲内であること、が好ましい。また、前
述した足部と谷部とを備えた自立性容器においては、 11.前記底中央谷部が、厚肉のゲート残部、そのゲー
ト残部に接するゲート接続部及びゲート接続部の周囲に
高延伸配向状態に薄肉化されたゲート周縁部とから構成
されていること、 12.胴径D0 の50%の直径の内側にある底中央谷部
及び底谷部の結晶化度が25〜55%であること、 13.底中心部を含む概球面状の底谷部の曲率半径R1
が底部に連なる胴部の半径R0 の1.25倍乃至2倍で
あり、且つ曲率半径がR1 である概球面状の底谷部での
直径D1 が胴径D0 の0.55倍乃至0.75倍の範囲
にあること、 14.底谷部が底中心部を含み底部に連なる胴部の半径
0 の0.9倍乃至1.4倍の曲率半径R1 を有する概
球面Aと概球面Aと接続し、仮想概球面の延長上よりも
外側に位置する円錐状乃至は概球状よりなる面Bより構
成され、概球面Aの直径D1 が胴径D0 の0.18倍乃
至0.5倍の範囲にあり、面Bの最外径が胴径D0
0.3倍乃至0.85倍であること、 15.胴径D0 の80%の直径内に含まれる底谷部の含
計表面積Sが、胴径の80%の直径内に含まれる底谷部
がその一部を形成する底部仮想球面の表面積S0の20
%乃至50%の範囲にあること、 16.少なくとも足先端部に至る、足部間を横切り且つ
谷部に垂直な面において谷部を挟む足部閉き角θが65
゜乃至90゜の範囲にあること、が好ましい。 17.さらに、高温の内容物を熱充填する耐熱性容器に
おいては、容器全体が熱固定されていることが好まし
い。
【0015】本発明の製法においては、 1.プリフォームのゲート部が0.1乃至3mm、特に
0.5乃至1mmの高さを有すること、 2.プリフォームが85乃至135℃の延伸温度に且つ
プリフォームの胴部と底部との温度差が10℃以内とな
るように加熱されること、 3.延伸棒またはプレス棒の先端部を断熱性能を有する
耐熱性プラスチック材またはセラミック材とすること、 4.プレス棒または延伸棒の先端部の温度を50〜13
0℃に保持すること、 5.底中心部の高延伸を、ゲート周縁部の肉厚が0.3
5乃至1mmの範囲及びゲート周縁部の面積延伸倍率が
3.5乃至12.5倍となるように行うこと、 6.延伸成形後の容器を熱固定すること、が好ましい。
【0016】
【発明の実施形態】本発明の耐熱性延伸樹脂容器は、樹
脂の二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩
部、胴部及び底部を備えているが、底中心ゲート残部
が、ゲート接続部及びそれよりも径外方向の高延伸配向
底部に連なる高延伸配向層を有することが顕著な特徴で
ある。尚、本明細書において、プリフォームのゲート部
とは、プリフォームの底から突出したゲート部をいい、
一方容器のゲート残部とは、上記ゲート部に対応した底
中心の厚み方向の全体にわたる部分をいう。
【0017】この容器では、底中心にも、ゲート接続部
及びそれよりも径外方向の高延伸配向底部に一体に連な
る高延伸配向層が存在することにより、70℃程度の高
温での耐圧強度、即ち耐熱圧強度が高いレベルにあり、
好ましい耐熱圧性を保持することが出来る。さらに、高
延伸配向状態のペタロイド形状の底部を熱固定した容器
では、さらに耐熱圧強度が向上し、特に優れた耐熱圧
性、自立性、耐衝撃性等を有する。
【0018】ブロー成形における底部の延伸成形は成形
体の底中心部であるゲート部が金型の底部に達した時点
から顕著に行われることが分かった。本発明では、成形
体の底中心部が金型底部に達する時点での底中心部及び
その近傍の温度低下を一定以下に小さくする手段を採用
することにより、底部を、ゲート残部をも含めて、高延
伸配向状態に薄肉化できる。
【0019】延伸ブロー成形容器におけるゲート残部
は、厄介な問題の一つであり、この部分が未延伸の厚肉
の状態で残留すると、熱と圧力とが同時に加わる条件下
では、クリープ変形を生じるので、この部分をプリフォ
ームの状態で熱結晶化させるか、ゲート残部を可及的に
薄肉にして延伸配向されやすくするというのが従来の考
えであったが、本発明では、ゲート残部が厚肉であって
も、この中心部に前述した手段で高延伸配向層を形成す
ることが可能となり、前記問題を解消したものである。
【0020】本発明では、プリフォームの形状と底部の
肉厚及びブロー成形条件を調整して、ブロー成形時のプ
リフォーム底部の延伸倍率、特にゲート残部に接するゲ
ート接続部を含むゲート周縁部の延伸倍率を適正化する
ことにより、容器の底中心ゲート残部を厚肉とし、その
周囲のゲート接続部及びゲート周縁部を高延伸配向状態
であって、且つ好ましい肉厚とすることができる。
【0021】さらに、上記のように底中心ゲート接続部
及びゲート周縁部を高延伸配向状態とした本発明の容器
では、驚くべきことに、厚肉のゲート残部に高延伸配向
部と低延伸配向部とが存在し、しかも、このゲート残部
の高延伸配向部は層状を成しており、高延伸配向状態の
ゲート接続部及びゲート周縁部と連続的に連なった構造
となっていることが判った。
【0022】上記の底中心ゲート残部の構造は、ブロー
成形時に底中心ゲート残部に相当するプリフォームの底
ゲート部の周囲を高延伸配向状態とすることにより、底
ゲート部の肉厚方向における一部がその高延伸される周
囲により引っ張られて局部的に高延伸配向して、結果的
に層状の高延伸配向部を形成することを示している。
【0023】
【実施例】
[本発明の容器]本発明の耐熱耐圧容器を示す図1にお
いて、この容器は、樹脂の二軸延伸ブロー成形で形成さ
れた口頸部1、口頸部に接続される肩部2及び胴部3及
び底部4から成っている。この具体例において、底部4
は、底中央谷部5と底中央谷部の周囲に交互に配置され
た複数の谷部6と足部7とから成っている。底部4に連
なる胴部3の下部は径D0 を有しており、底中心には、
径Dg の底中心ゲート残部8が存在している。肩部2及
び胴部3は、口頸部1との接続部を除き、高延伸配向状
態で薄肉化されている。
【0024】底部4は、底中央に位置する厚肉のゲート
残部8、ゲート残部8と接するゲート接続部9及ぴゲー
ト接続部の周囲にあり且つ足7の付け根部10の内側の
部分となるゲート周縁部11とにより構成される底中央
部5と、複数の谷部6と足部7とが交互に形成されてい
る底周辺部とから成っている。この具体例の容器では、
ゲート残部8を除く底部4の各部位は実質的に高延伸配
向状態の層のみから成っている。また、ゲート接続部9
を除き比較的に薄肉化されている。
【0025】本発明の容器の底中心ゲート残部8は比較
的に厚肉であり、高延伸配向部或いは高延伸配向部と低
延伸配向部との組み合わせで構成されている。通常、ゲ
ート残部8の高延伸配向部はゲート残部を横断した連続
層から成り立っており、且つゲート残部の周囲に広がる
ゲート接続部9及ぴゲート周縁部11と連結している。
その結果、本発明容器では底部4が連続した高延伸配向
層にて覆われていることになる。
【0026】[ゲート残部]底中心ゲート残部8におけ
る透明な延伸配向層の配置を以下図2乃至図5に基づい
て説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
【0027】高延伸配向層の配置の一例を示す図2にお
いて、底中心ゲート残部8は、容器内面側の一般に透明
な高延伸配向層12と容器外面側の一般に白化した低延
伸低配向層13とから成っている。この耐熱性延伸樹脂
容器の底中心ゲート残部8では、内面側に高延伸配向層
12が存在するため、耐熱圧性と耐衝撃性との組み合わ
せに特に優れている。
【0028】高延伸配向層の配置の他の例を示す図3に
おいて、底中心ゲート残部8は、厚さ方向の中央に位置
する一般に透明な高延伸配向層12と、内外両側の白化
した低延伸低配向層13、13とから成る積層構成を有
する。この積層構成は、所謂剛−柔−剛の積層構成であ
り、高温高圧下での底部の寸法安定性に特に優れてい
る。
【0029】図4に示すゲート残部8は、図2に示した
ものの変形であり、容器内面側の一般に透明な高延伸配
向層12と容器外面側の一般に白化した低延伸低配向部
13とから成るが、高延伸配向層12が非常に厚く、低
延伸低配向部13aがゲート中心或いはゲート周辺等の
非常に限られた部位に薄く形成されているのが特徴であ
る。この構造では、高延伸配向層12の厚みが増大して
いることによる底部降伏荷重の増大が著しい。
【0030】高延伸配向層の配置の更に他の例を示す図
5において、底中心ゲート残部8が、容器内面側に配置
された一般に透明な高延伸配向層12を備えている点は
図2の場合と同様であるが、容器外面側には特殊な複合
構造が存在している。即ち、容器外面側には、リング状
の低延伸白化部13bとその中央に位置する透明な高延
伸配向部12bとの複合層とが形成されている。
【0031】底中心ゲート残部8の高延伸配向部12
は、ブロー成形時に、一般的にいって20%以上、好ま
しくは25%の結晶化度に配向結晶化されていること
が、耐熱圧性、耐衝撃性の点で好ましい。
【0032】底中央ゲート残部をも含めて底部を熱固定
することにより、ゲート残部8の低延伸配向層13は熱
結晶化及び白化して結晶化度が増大する。一方、ゲート
残部8の高延伸配向層12は実質的に透明の状態を保持
しながら熱結晶化が進行する。この場合、白化したゲー
ト残部の低延伸配向層13が容器の底中央部に存在する
ことになるが、その大きさは限定されており、特に美観
上問題になることはない。
【0033】熱固定された底中心ゲート残部8では、低
延伸配向層13は20%以上、特に25%以上の結晶化
度を、高延伸配向層12は25%以上の結晶化度を有す
ることが好ましい。
【0034】底中心ゲート残部8の肉厚は、通常最大部
で1〜3.5mm程度となるのがよく、本発明では、プ
リフォームのゲート部の仕上げを行う必要なしに、底中
央ゲート残部が高延伸配向した容器底部を形成すること
ができる。一方、底中央ゲート残部8における高延伸配
向層12の厚みは、底部中心に十分な耐熱圧性を付与す
るものであればよく、一般的にいって、0.35mm以
上、特に0.4mm以上で、ゲート残部の全体の厚みの
20%以上、特に30%以上を占めるものであればよ
い。
【0035】底中心ゲート残部8の直径Dg は、胴径D
0 の0.25倍以下、特に0.2倍以下であることが、
ゲート残部の存在が目立たないので、容器の外観特性の
点で好ましい。
【0036】[ゲート接続部及びゲート周縁部]本発明
では、ゲート接続部9及びゲート周縁部11を適正な延
伸倍率にて高延伸配向状態とすることにより、厚肉のゲ
ート残部8の一部に層状の高延伸配向部12を形成させ
ることが出来る。
【0037】底中心ゲート残部8を取り囲むゲート接続
部9及びゲート周縁部11は結晶化度が20%以上、特
に25%以上に高延伸配向されることが好ましい。さら
に、熱固定後のゲート接続部及びゲート周縁部は30%
以上の結晶化度を有することが好ましい。
【0038】ゲート周縁部11は、ゲート残部及びゲー
ト接続部の周囲にあって、底中央足付け根部10までの
底中央部に位置するが、このゲート周縁部11の肉厚
は、熱固定されていない場合、一般に0.35乃至1m
m、特に0.45乃至0.8mmの範囲にあることが、
ゲート残部8に高延伸配向層12を有効に形成させるた
めに好ましく、一方、熱固定されている場合、0.35
乃至1.1mm、待に0.45乃至1mmの範囲にある
ことが好ましい。熱固定を行った場合に好ましい肉厚の
範囲が多少広がるのは、熱固定の際に熱収縮して肉厚が
増加するためである。
【0039】底中心ゲート残部8及びゲート接続部9は
1mm以上の肉厚を多少越えても高延伸配向状態を保持
することが可能である。そのゲート接続部の肉厚は0.
4乃至1.3mm、特に0.5乃至1.1mmの範囲に
あることが、やはりゲート残部8に高延伸配向層12を
有効に形成させるために好ましい。
【0040】ゲート周縁部11の肉厚が0.35mmを
下回る場合、薄肉化しすぎて底中央部の耐熱圧性が低下
し、好ましくない。一方、ブロー成形した段階でのゲー
ト周縁部の肉厚が1mmを上回る部位が多くなると、ゲ
ート残部及ぴゲート接続部に高延伸配向層を形成させる
ことが困難となる。但し、ゲート周縁部の肉厚がごく限
定された狭い部位において1mmを越える場合には、特
にゲート残部の一部を高延伸配向化することを妨げるも
のではない。
【0041】以上の様に、好ましい範囲の肉厚にあっ
て、且つ高度に配向結晶化されたゲート接続部9及びゲ
ート周縁部11は耐熱圧強度と耐衝撃強度に特に優れて
いる。従って、上記の厚肉のゲート残部とゲート接続部
及びゲート周縁部とを備えた底中央谷部からなる本発明
のペタロイド底部は優れた耐熱圧強度と優れた耐衝撃性
とを同時に併せて有することができる。
【0042】[容器の肉厚、結晶化度]本発明の容器で
は、口頸部1及びその近傍部、及び底中心ゲート残部8
及びその近傍を除く容器の肉厚が0.15mm乃至l.
1mm、好ましくは0.2mm乃至0.9mmの範囲に
ある。
【0043】口頸部1及びその近傍部、及びゲート残部
8を除く容器の延伸配向に伴う結晶化度が20%、好ま
しくは25%以上である。
【0044】底部4がゲート残部8を除いて、実質的に
白化がない状態にて熱固定されており、かつ胴径D0
50%の直径の内側にある底ゲート残部8を含む底中央
谷部の結晶化度が25〜55%であることが好ましい。
【0045】[70℃の降伏荷重]ペタロイド型底部の
谷部、特に底中央谷部では、胴部に比べて比較的に大き
な変形力が作用する。従って、この底中央谷部の耐熱圧
強度が容器の底部の耐熱圧性を決めることになる。
【0046】底中央谷部の耐熱圧強度は70℃における
降伏荷重値にて示すことができる。70℃における降伏
荷重値は、図6の様に、ゲート残部を含めた底中央谷部
から、標準試験片15を作成し、その標準試験片を70
℃の温度で引っ張り試験を行ったときの図7に示される
降伏荷重値を幅1cm当たりに換算した値として求める
ことができる。この70℃における降伏荷重値は容器底
部の肉厚を加味したものであり、最も大きな変形力が作
用するゲート残部を含む底中央部の70℃における降伏
荷重値を求めることにより、容器底部の耐熱圧性を評価
することができる。
【0047】本発明では、谷部を構成する部位の70℃
における降伏荷重を25kgf/cm以上、好ましくは
30kgf/cm以上とすることによって、熱殺菌処理
後に自立可能な耐熱耐圧性に優れたぺタロイド底部を有
する容器となることが判った。
【0048】本発明の容器において、底中心ゲート残部
を含めて肉厚が0.35mm以上の高延伸配向層を有し
ており、且つ熱固定していない状態の底谷部では70℃
における降伏荷重が通常25〜30kgf/cm程度と
なり、好ましい耐熱圧性を有することができる。その
際、底中央谷部の肉厚が0.35mmを下回る部位が存
在すると、その底谷部は70℃における降伏荷重が通常
25kgf/cmを下回る場合が多くなり、耐熱圧性が
低下することになる。
【0049】上記の本発明容器の底中央を熱固定した場
合には、底中心ゲート残部を含めて底谷部は熱結晶化さ
れ、その部位の70℃における降伏荷重値が35〜50
kgf/cm程度となり、極めて高い耐熱圧強度を有す
ることができる。
【0050】一方、底中央谷部が比較的に厚肉の低延伸
配向層のみから成っているペタロイド底部を有する従来
容器では、70℃における降伏荷重値が10〜20kg
f/cm程度となり、耐熱圧性は低くなる。特に、その
従来容器の厚肉の低延伸配向層が5000ppm程度の
水分を含んだ場合、70℃における降伏荷重値は10k
gf/cmを下回ることになり、耐熱圧性は極端に低下
する。
【0051】[底部形状]本発明では容器底部を比較的
高延伸状態にて薄肉化する。このため、従来の底部が厚
肉の自立容器に比べて、底部の重量が比較的に小さくな
り、重心の位置が容器の上部に移動する。従って、空の
容器では転倒角が小さくなり、転倒し易くなる。耐転倒
性を改良するために、本発明容器では足の本数を増加さ
せる或いは接地部径及び幅を比較的大きく取ることが必
要となる。その場合、足部の成形性が問題となる。すな
わち、元々底部を薄肉化している上に、耐転倒性の向上
のため、足先端部を広げようとすると、底足部の先端す
なわち接地部の外方近傍の肉厚が極端に薄くなり、過延
伸状態にて白化する問題が生じる。
【0052】本発明では容器の底形状を工夫することに
より、上記問題点を解決し、足先端部の肉厚が0.15
mm以上、好ましくは0.2mm以上であり、且つ足先
端部にて実質的に過延伸による白化のない容器を得るこ
とができた。
【0053】[谷部形状]図8に示される具体例におい
て、底谷部6はゲート残部8を含む底中央部に位置する
曲率半径R1 なる概略球面と胴部に連なる曲率半径R2
なる概略球面とにて構成される。
【0054】底中央部5を含む球面の曲率半径R1 を適
切な大きさとし、且つその球面の垂線が足先端部16と
谷面間の最短距離となる様にすることにより、足先端部
16と谷部6との間の距離を比較的に小さくすることが
できる。その結果、底足先端部のブロー成形性が向上
し、足先端部の肉厚を比較的厚くすること及び過延伸に
よる足先端部の白化を防止することが可能となる。
【0055】具体的には、底中央部を構成する概略球面
の曲率半径R1 と胴部半径R0 との比率R1 /R0
1.2乃至2とすることが好ましく、その球面の範囲を
示す直径D1 と胴径D0 との比率D1 /D0 を0.55
乃至0.75とすることが好ましい。R1 /R0 が2を
越えると、谷部の耐熱圧性能が低下して、内容物を充填
し、熱殺菌処理を行った後の容器の自立性を確保するこ
とが難しくなる。R1 /R0 が1.2を下回ると、足先
端部と谷部との距離が大きくなりすぎて、足先端部の好
ましい肉厚を確保することが難しくなる。
【0056】図9に示される具体例では、底谷部6がゲ
ート残部8を含む比較的小さな曲率半径R1 を有する概
略球面Aと、概略球面Aと接し概略球面Aの延長仮想面
よりも外面側に位置する円錐台状または概略球面状の面
Bと、面Bより胴部に接続される概略球面状または円錐
状の面Cより構成されている。この際、底谷周辺部を構
成する面Bまたは面Cが足先端部16からの最短距離部
となるようにすることが好ましい。
【0057】本例では、最も大きな変形力の作用する底
ゲート残部8を含む底中央谷部6を比較的小さな曲率半
径の球面Aとすることで好ましい耐熱圧強度を付与す
る。一方、底中央に比較して比較的に小さな変形力の作
用する谷面B及びCを外側に大きく膨らませることによ
り、足先端部16と谷面問の距離を短くすることができ
る。それにより、底足先端部16のブロー成形性が向上
でき、その結果、足先端部16の肉厚を比較的厚くする
こと及び過延伸による白化を防止することが可能とな
る。具体的には、底中央部を構成する概略球面Aの曲率
半径R1 と胴部半径R0 との比率R1 /R0 を0.9乃
至1.4とすることが好ましく、その球面の範囲を示す
直径D1 が胴径D0 の0.18倍乃至0.5倍とするこ
とが好ましい。概略球面Aと接続し外側に延びる面Bは
概略球面Aと接する円錐面または円錐面に近い大きな曲
率半径を有する概略球面で構成されることが好ましく、
その面Bの最外径D2 が胴径D0 の0.3倍乃至0.8
5倍であることが好ましい。
【0058】さらに、最も大きな変形力が作用する底中
央部5及びその近傍の谷幅を比較的に広く取ることによ
り、耐熱耐圧性を確保することが好ましい。具体的に
は、胴径D0 の80%の直径内に含まれる谷部の表面積
Sと谷部のみにより構成される仮想の概略球面の表面積
0 との比S/S0 を0.2乃至0.5、特に0.3乃
至0.4とすることが好ましい。S/S0 が0.2を下
回ると、底中央部及びその近傍の谷部の面積が小さく限
定され過ぎるため、底中央部の変形が大きくなり、容器
の自立性を確保することが難しくなる。一方、S/S0
が0.5を越えると、ブロー成形時に足部に利用できる
部位が限定され過ぎるため、好ましい足先端部の肉厚の
確保が難しくなる。
【0059】[足部開き角度]本発明では、図10に示
すとおり、足部7間を横切りながら足部先端部16を指
向し且つ谷部6に垂直な面において谷部を挟む足部開き
角θを65゜乃至90゜の範囲とすることが好ましい。
足部開き角度θが65゜を下回った容器では、比較的厳
しい熱殺菌処理を施した場合、熱殺菌処理後の足部開き
角度θが大きく拡大し、それに伴って谷部の変形量も大
きくなる傾向にある。足部開き角θを予め大きくした場
合、球面の一部からなる谷部を足部が引っ張り上げるよ
うに作用する力の作用方向を球面の方向に近づけると見
なすことができ、そのため、球面状谷部に垂直に働く力
成分、すなわち谷部を変形させる力成分が減じることに
なる。その結果、足部開き角θを大きくすることによ
り、谷部の変形を減じることができ、耐熱耐圧性能が向
上する。さらに、足部開き角度θを比較的に大きくする
ことにより、足部の成形性に対しても有利な方向に作用
する。すなわち、足部開き角度θを大きくすると、相対
的に足部の表面積が減少し、足部での延伸量を比較的低
く抑えることができるからである。一方、足部開き角度
θを大きくし過ぎると足先端接地部の幅が細くなること
になる。この足先端接地部が細くなりすぎると、特に充
填前の空容器にて転倒しやすくなる傾向にあり、好まし
くない。従って、足部開き角度θは90゜以下とするこ
とが好ましい。
【0060】[足高さ、足本数]初期の足高さを2乃至
8mm、好ましくは3乃至6mmとする。足高さが2m
mを下回ると、内容物充填、熱殺菌後の底中央谷部の変
形後の足高さが極く小さくなるか、またはマイナスすな
わち底中央部が足部よりも下方に出っ張った状態とな
り、容器の自立性を保持することが難しくなる。一方、
足高さが8mmを越えると、足先端部と谷部との距離が
大きくなり過ぎて、好ましい足先端部厚みを確保するこ
とが難しくなる。足の本数は6本乃至4本が好ましい。
【0061】[耐熱性容器の他の実施形態]上述した耐
熱耐圧用容器以外にも、本発明容器は80〜93℃程度
の高温の内容物を熱充填する耐熱性容器として用いるこ
とができる。その耐熱性容器では、口頸部、肩部、円筒
状或いは角筒状の胴部及び底部より成り立っており、胴
部には減圧吸収用の凹状のパネル及び底中央部には底中
心ゲート残部を含む内方へ凹んだ窪み部が設けられる。
この際、高温での熱収縮による変形を防止するための耐
熱性を確保するために、底中心ゲート部を含む底部、胴
部、肩部及び口頸部のいずれもが熱固定されていること
が好ましく、それら容器各部位の結晶化度が25〜55
%であることが好ましい。特に、上記の熱固定を施され
た底部は薄肉化に伴って著しい軽量化が達成できると共
に、薄肉化にもかかわらず優れた耐熱強度を有すること
ができる。また、比較的に小径の底ゲート残部の低延伸
配向部を除く底部の高延伸配向部は熱固定の際も透明状
を保持しており、美観上に優れる。
【0062】[樹脂]本発明において、プラスチック材
料としては、延伸ブロー成形及び熱結晶化可能なプラス
チック材料であれば、任意のものを使用し得るが、熱可
塑性ポリエステル、特にエチレンテレフタレート系熱可
塑性ポリエステルが有利に使用される。勿論、ポリカー
ボネートやアリレート樹脂等を用いることもできる。
【0063】本発明に用いるエチレンテレフタレート系
熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、
一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレン
テレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点
(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融
点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至27
0℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0064】ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧
性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以
外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使
用し得る。
【0065】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。
【0066】また、エチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルにガラス転移点の比較的高い例えばポリエ
チレンナフタレート、ポリカーボネート或いはポリアリ
レート等を5%〜25%程度をブレンドした複合材を用
いることができ、それにより比較的高温時の材料強度を
高めることができる。さらに、ポリエチレンテレフタレ
ートと上記のガラス転移点の比較的高い材料とを積層化
して用いることができる。
【0067】用いるエチレンテレフタレート系熱可塑性
ポリエステルは、少なくともフィルムを形成するに足る
分子量を有するべきであり、用途に応じて、射出グレー
ド或いは押出グレードのものが使用される。その固有粘
度(I.V.)は一般的に0.6乃至1.4dL/g、
特に0.63乃至1.3dL/gの範囲にあるものが望
ましい。
【0068】[容器の製造法]本発明の耐熱性延伸樹脂
容器は、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内で
プリフォーム内部に挿入された延伸棒とプリフォーム外
部のプレス棒とでプリフォームの底中心部を挟み込み、
次に延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム内部に高
圧気体を吹き込んで延伸樹脂容器を製造するに際し、前
記プリフォームとして、底中心部にゲート部を有するプ
リフォームを使用し、且つ延伸加工が終了する直前まで
の間上記底中心部の温度低下を40℃以内に保持して底
中心部をも高延伸することにより製造される。
【0069】容器の製造に際し、先ず有底筒状のプリフ
ォームを成形し、必要によりこのプリフォームの口頸部
を加熱して、局部的に球晶化部を設ける。
【0070】本発明の容器の製造に用いるプリフォーム
は、図11で20に示すような形状を有しており、この
プリフォーム20は、首部21、胴部22及び閉塞底部
23から成っており、首部21には、ネジ等の蓋締結機
構及び容器保持のためのサポートリング等が設けられて
おり、首部21は熱結晶化すなわち球晶化されている。
この球晶化された首部21は、図1の容器口頸部1とな
るものである。また、閉塞底部23の中心には、ゲート
残部24が存在している。
【0071】プラスチック材料のプリフォーム20への
成形には、射出成形を用いることができる。即ち、プラ
スチックを冷却された射出型中に溶融射出して、過冷却
された非晶質のプラスチックプリフォームに成形する。
【0072】射出機としては、射出プランジャーまたは
スクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノ
ズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射
出型中に射出する。これにより、ポリエステル等は射出
型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用
のプリフォームとなる。
【0073】射出型としては、容器形状に対応するキャ
ビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或い
はマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度
は270乃至310℃、圧力は28乃至110kgf/
cm2 程度が好ましい。
【0074】プリフォーム20の首部21の球晶化は、
これらの部分をそれ自体公知の手段で選択的に加熱する
ことにより行うことができる。ポリエステル等の熱結晶
化は、固有の結晶化温度で顕著に生じるので、一般にプ
リフォームの対応する部分を、結晶化温度に加熱すれば
よい。加熱は、赤外線加熱或いは誘電加熱等により行う
ことができ、一般に延伸すべき胴部を熱源から断熱材に
より遮断して、選択的加熱を行うのがよい。
【0075】上記の球晶化は、プリフォーム20の延伸
温度への予備加熱と同時に行っても或いは別個に行って
もよい。
【0076】本発明では、プリフォーム20の閉塞底部
23の中心を熱結晶化することなく、二軸延伸ブロー成
形に使用する。この閉塞底部23の中心には、射出成形
の際形成されるゲート部24が存在する。本発明では、
このゲート部24を、更に切断する等の仕上げ工程に付
することなく、そのまま残留させた状態で、容器の底部
中心に高延伸配向層12(図2乃至5参照)を形成させ
るために利用する。
【0077】このゲート部の寸法を説明するための図1
2において、ゲート部24は、長さhと付け根径dとを
有していて、一般に先細りのテーパ状(テーパ角α)と
なっている。hは3mm以下、特に0.1乃至1mmの
範囲にあるのがよく、dは2乃至6mm、αは0.5乃
至6度の範囲にあるのが適当である。
【0078】プリフォーム20の延伸温度は、一般に8
5乃至135℃、特に90乃至130℃の温度が適当で
あり、その加熱は、赤外線加熱、熱風加熱炉、誘電加熱
等のそれ自体公知の手段により行うことができる。ま
た、口部球晶化は、プリフォーム底部及び口部を、他の
部分と熱的に絶縁した状態で、一般に140乃至220
℃、特に160乃至210℃の温度に加熱することによ
り行うことができる。プリフォーム口部の結晶化度は2
5%以上であるのがよい。
【0079】尚、プリフォームからの延伸ブロー成形に
は、成形されるプリフォーム成形品に与えられた熱、即
ち余熱を利用して、プリフォーム成形に続いて延伸ブロ
ー成形を行う方法も使用できるが、一般には、一旦過冷
却状態のプリフォーム成形品を製造し、このプリフォー
ムを前述した延伸温度に加熱して延伸ブロー成形を行う
方法が好ましい。
【0080】本発明の容器では、口頚部を除く容器全体
を高延伸状態にて薄肉化することが特徴であり、特に底
中心部(ゲート残部をも含めて)を含む底部全体を比較
的に高延伸状態にブロー成形することが重要である。
【0081】特に、本発明では、ブロー成形の際に底中
心ゲート残部8(図1)及びゲート接続部9(図1)の
周囲に広がるゲート周縁部11(図1)を適正な肉厚に
て高延伸配向状態とすることが重要である。それによ
り、底中心ゲート残部8(図1)は厚肉であるにも係わ
らず高延伸配向部12(図2乃至5)をその一部に連続
した層状に形成させることができる。
【0082】この際、ゲート周縁部11(図1)の適正
な肉厚とは高延伸配向状態を保持できる最大の肉厚以下
であって、且つ極端に薄肉化しない程度の肉厚以上の範
囲にあることが好ましい。この場合、ゲート周縁部の肉
厚が厚すぎると、ゲート残部に高延伸配向層を形成する
ことが難しくなり、一方、ゲート周縁部の肉厚が薄すぎ
ると、ペタロイド底部の耐熱圧強度が低下する問題が生
じる。具体的には、中央ゲート残部の周囲にゲート接続
部を介して広がり、底中央足付け根部に至るまでの領域
であるゲート周縁部11(図1)の肉厚を0.35乃至
1mmの範囲に、特に0.45乃至0.8mmの範囲と
することが好ましい。
【0083】二軸延伸ブロー成形において、上記のゲー
ト周縁部11(図1)を適正な肉厚にて高延伸配向状態
とするには、プリフォームの底部からゲート周縁部に延
伸ブロー成形する際の延伸倍率を適正化することが重要
である。具体的には、そのゲート周縁部の延伸の際の面
積延伸倍率を3.5倍乃至12.5倍、特に5倍乃至1
0倍とすることが好ましい。
【0084】ブロー成形にて、上記の好ましい底中心ゲ
ート周縁部11の延伸倍率を達成するには、まず最初に
プリフォーム20の形状及び肉厚分布、特に最終的にゲ
ート周縁部となるプリフォーム底部の部位の肉厚を適正
化する必要がある。次に、ブロー成形を行うブロー成形
条件を適正化して、ゲート周縁部の所定の延伸倍率を得
る。ブロー成形条件としては、プリフォームの加熱温度
及び温度分布、延伸棒によりプリフォーム底部を突き上
げる延伸速度、延伸棒の延伸の開始から高圧空気を成形
体内吹き込むタイミング、高圧空気流量にて決まる延伸
ブロー速度、さらに底部が実質的に延伸される際の成形
体の温度レベル等を適正化することが重要である。
【0085】本発明者らは、検討の結果、ブロー成形に
て底部が実質的に高延伸状態となるのは、成形体の底ゲ
ート残部が金型の底部に到達した後のことであり、その
底部の延伸成形は、ほぼブロー形状が決まるブロー成形
終了の直前まで行われていることを突き止めた。その
際、金型の底部に到達してブロー成形が終了する直前ま
での成形体の底中央部の温度を比較的に高く保持するこ
とにより、底部、特にゲート周縁部を適正な延伸倍率に
て高延伸配向状態とすることができることを見いだし
た。その結果、ゲート残部に高延伸配向部を成形させる
ことが可能となった。一方、金型の底部に到達した成形
体の底中央部の温度が初期のプリフォーム加熱温度に比
べて低すぎると、ゲート周縁部は比較的に低延伸配向状
態にてとどまる。それに伴って、ゲート残部全体が低延
伸配向状態或いは未延伸状態にて残ることになる。
【0086】具体的には、ブロー成形中に金型の底部に
到達して、底部の延伸成形がほぼ終了する直前の時点ま
での成形体のゲート残部の温度をプリフォームの加熱温
度の40℃以内、特に30℃以内とすることが好まし
い。
【0087】[一段延伸ブロー成形]一段ブロー成形に
よる容器の製造を示す図13及び図14において、プリ
フォーム20は、コア金型31によりその首部を支持さ
れており、閉じた割金型32、32内に保持される。コ
ア金型の反対側には、成形品の底形状、即ちペタロイド
底を規定する底金型33も配置されている。プリフォー
ム20内に延伸棒34を挿入し、プリフォーム底部23
を突き上げることにより、延伸成形を行う。その延伸成
形の途中の段階にてタイミングを見計らって、延伸棒3
4を通して高圧気体を成形体内に吹き込むことにより、
ブロー成形を行って金型に沿った形状の容器を得る。
【0088】図13及び14に示す実施例では、延伸棒
34と同軸に、底金型33の側にプレス棒35を配置し
て、引っ張り延伸に際して、プリフォームのゲート部2
4が延伸棒34とプレス棒35とにより狭持され、プリ
フォームの底部のゲート部24が形成される容器底5の
中心に位置するように位置規制する。即ち、このプレス
棒35はプリフォームの引っ張り延伸の段階にて延伸棒
34とでプリフォームのゲート部24を挟み込んで拘束
し、さらにブロー成形の段階にて成形体の底ゲート残部
を拘束する。このプレス棒の使用により、ゲート残部の
心ずれを防止する効果を有する。
【0089】延伸加工が終了する直前までの間にて、プ
リフォーム底部の挟み込み部の温度低下を40℃以内、
より好ましくは30℃以内とすることにより、2次成形
品36の底部37を、その挟み込み部である底中心部を
含めて底部全体にわたって、高延伸化することができ
る。
【0090】上記のブロー成形に際して、第1に底中心
ゲート周縁部となるべき部位が十分に延伸され、且つ適
正な肉厚を有するように延伸倍率を考慮してプリフォー
ムの形状及び肉厚分布を決めることが重要である。この
際、プリフォーム底中央のゲート部の高さは0.1乃至
3mm、特に0.3乃至1mmの範囲とすることが好ま
しい。第2に、ブロー成形時に成形体の底中央部近傍の
温度低下を防止する手段を講じる。この場合、ブロー成
形時にプリフォームから延伸棒及びプレス棒への熱伝導
を減少させることが重要である。具体的には、延伸棒或
いはプレス棒の先端を耐熱性プラスチック或いはセラミ
ック等の断熱素材とすることが有効である。また、プレ
ス棒の少なくとも先端部を加温することが有効である。
なお、プレス棒を用いない場合には、成形体のゲート残
部がブロー成形の際に最初に接触する金型底中央部の表
面に断熱層を設けるか、または底型を加温しておくこと
が有効である。
【0091】ブロー成形を行うに当って、プリフォーム
の加熱温度及び温度分布を適正化する。プリフォームの
加熱温度は、一般に85乃至135℃、特に90乃至1
30℃の温度が適当である。その際、プリフォームの底
部と胴部の加熱温度の差を10℃以内とすることが、ペ
タロイド底部を高延伸配向状態にする上で重要となる。
この場合、プリフォームの底部と胴部の加熱温度差が1
0℃を越えると温度の高い方の部位のみが延伸されすぎ
る傾向が生じるため、好ましくない。
【0092】上記の手段及ぴ手法を用い、さらにブロー
成形諸条件を適正化することにより、ロ頸部及びその近
傍を除く底中心部を含めた容器全体に高延伸層を有した
容器を成形することができる。
【0093】図15に示すとおり、成形された容器の底
中心ゲート周縁部11は肉厚が0.35乃至1mmの範
囲で、かつ配向に伴う結晶化度が20%以上の範囲で高
延伸配向状態となっており、それに伴って底中心ゲート
残部8には高延伸配向層12が形成されている。このゲ
ート残部8の高延伸配向層12は通常内面側に位置して
おり、ゲート接続部9及びその周囲のゲート周縁部11
と連続した層を成している。底中心ゲート残部8の肉厚
はプリフォームの底中心ゲート部の高さにもよるが、通
常1乃至3.5mmの範囲にある。ゲート残部8の延伸
配向に伴う結晶化度は、外面側の低延伸配向部13から
内面側の高延伸配向部12に至るに連れて増大してお
り、外表面近傍の低延伸配向部では0〜12%程度の結
晶化度であるのに対し、内表面近傍の高延伸配向部では
20〜35%程度の結晶化度となる。また、上記底ゲー
ト残部8を含む底谷中央部では70℃における降伏荷重
が通常25〜35kgf/cm程度となり、好ましい耐
熱圧性を有することができる。
【0094】上記容器の底中央部を加熱して熱固定する
ことにより、さらに耐熱圧強度を増大させることができ
る。その際、ゲート残部の低延伸配向層13は白化し
て、結晶化度が25%以上となる程度に熱結晶化するこ
とが好ましい。その容器底部の熱固定により、耐熱圧強
度は著しく増大する。一方、白化したゲート残部の低延
伸配向部13は脆化するものの、高延伸配向層12は十
分な柔軟性を保持しているため、落下強度で示される耐
衝撃性は極めて高いレベルを保っている。具体的な容器
底部の熱固定手段としては、ブロー金型、特に底型の温
度を樹脂の結晶化温度とすることにより、ブロー成形工
程にて成形品の底部を加熱して、熱結晶化させる。
【0095】上記の本発明の一段ブロー成形手段によ
り、80〜93℃程度の高温の内容物を熱充填する耐熱
性容器を製造することができる。この場合、円筒状或い
は角筒状の胴部及び底中心ゲート残部を含む内方へ凹ん
だ窪み部を有する底部からなる製品形状に沿った形状の
ブロー金型を用いてブロー成形が行われる。この耐熱性
容器では、容器全体を熱固定することが重要であり、金
型の肩部、胴部及び底部に対応する部位を樹脂の結晶化
温度とすることにより、ブロー成形工程にて成形品の各
部位を加熱して、熱結晶化させる。通常、ブロー金型の
加熱温度波120℃〜180℃にて用いられる。熱固定
に伴う胴部及びゲート残部を含む底部の結晶化度は25
%以上であることが好ましい。この場合、ブロー成形し
た成形品の底部は高延伸配向状態であり、かつゲート残
部を除いては胴部並びに薄肉化されるため、熱固定に要
する時間はほぼ胴部並にまで短縮できる。また、ゲート
残部を構成する低延伸配向部を除いて、透明を保持した
状態にて熱結晶化を行うことができる。
【0096】[二段ブロー成形法]上記した様に、一度
の二軸延伸ブロー成形にて本発明容器を作成することが
可能である。しかし、複雑な形状のペタロイド底部を一
度に高延伸配向状態にブロー成形する場合、特に足部先
端が過延伸状態で、白化し易くなる傾向にあり、それを
防止しようとすると、ブロー成形条件がかなり狭くな
る。また、金型を用いた底部の熱固定では、比較的に時
間を要し、ブロー成形時間が長くなる問題が生じる。
【0097】検討の結果、本発明容器の成形手段として
は、1次ブロー成形にてプリフォームを中間成形品と
し、その中間成形品を2次ブロー成形して最終製品を得
る2段ブロー成形法が適することが判った。
【0098】本発明の2段ブロー成形法では、1次ブロ
ー成形にてプリフォーム成形体より最終容器よりも底部
及び底部に連なる胴部の一部が高さ方向或いは円周方向
に大きな2次成形品を作成し、次に2次成形品の少なく
とも底部及び底部に連なる胴部を加熱収縮させることに
より、2次ブロー金型に収納できる大きさの3次成形品
とし、最後に3次成形品を2次ブロー成形して最終容器
とすることが好ましい。
【0099】上記の2段ブロー成形法を採用することに
より、以下の効果が生じる。第1に、1次ブロ一成形に
て底部の形状を最適化することにより、底部を好ましい
高延伸配向状態とすること、特にゲート周縁部の延伸倍
率を適正化することが容易となる。その結果、2次成形
品の底部のゲート残部は高延伸配向層を含む厚肉とし、
且つその周囲のゲート周縁部は高延伸配向状態であっ
て、好ましい肉厚を保持するように安定的にブロー成形
することできる。第2に、2次成形品の底部及ぴ底部に
連なる胴部の一部を加熱収縮させることにより、2次成
形品の底中央部の熱固定を行い熱結晶化を進行させるこ
とができる。この熱固定工程は極めて短時間で効率よく
行うことができる。第3に、2次ブロー成形では、高温
状態の3次成形品の底部を延伸ブロー成形することによ
り、足部は過延伸状態とすることなく容易に成形可能と
なり、また足部を除く底部、特に底中央部は延伸度合い
が小さく、ブロー成形による結晶化度の低下の程度はご
く少ない。従って、好ましい性状の足部を有するととも
に、最も耐熱圧強度が要求される底中央部において、配
向結晶化と熱結晶化とが十分に行われた高い耐熱圧強度
を有する容器とすることができる。
【0100】二段ブロー成形法では、部分熱結晶化及び
延伸のための予備加熱を行ったプリフォーム20を1次
ブロー金型内にて二軸延伸ブロー成形して、最終容器よ
りも大きな寸法の底部37を形成すると共に、プリフォ
ームの球晶化した口頸部以外の部分を高延伸倍率に延伸
した2次成形品36とし(図16及び図17);この2
次成形品の底部及び底部に連なった胴部の少なくともそ
の一部を加熱して、該底部及び一部胴部が収縮した3次
成形品44とし(図19及び図20);次いでこの3次
成形品を2次ブロー金型内にてブロー成形して、複数の
谷部及び足部から成り且つ高延伸により薄肉化された底
部を有する最終製品50とする(図22及び図23)。
【0101】この際、最終容器のペタロイド底部をゲー
ト残部を除いて比較的高延伸配向状態にて薄肉化するに
は、1次ブロー成形した2次成形品の底部をゲート残部
をも含めて比較的に高延伸配向させることが重要であ
る。
【0102】(1)1次ブロー成形 1次ブロー成形に用いられるプリフォーム20は、2次
成形品の各部位の延伸倍率を考慮して、形状及び肉厚分
布を決める。この際、2次成形品の底中心ゲート残部の
周囲に広がる最終容器のゲート周縁部に相当する部位が
面積延伸倍率3.5倍乃至12.5倍、特に好ましくは
5倍乃至10倍にて延伸されるようにプリフォームの底
部のプロファイルを決めることが重要である。
【0103】1次ブロー成形では、プリフォーム20は
延伸温度に加熱される。プリフォームの延伸温度は一般
に85乃至135℃、特に90乃至130℃の温度が適
当である。その際、プリフォームの底部と胴部の加熱温
度差を10℃以内とすることが好ましく、それにより底
部及び胴部の双方の高延伸化が可能となる。
【0104】プリフォーム胴部の加熱温度が底部の加熱
温度よりも10℃を越えて高い場合には、温度の比較的
低い底部の延伸が不足する。また、底部の加熱温度が胴
部の加熱温度よりもl0℃を越えて高い場合には、底部
が局部的に延伸され過ぎて好ましくない。
【0105】ブロー成形において、延伸温度に加熱され
たプリフォーム20は延伸棒34とプレス棒35とでプ
リフォーム底部のゲート部24を挟み込みながら、延伸
棒34を上昇させることによりプリフォーム底部を延伸
することが好ましい。その延伸の過程にて、高圧気体を
プリフォーム内に送り込みブロー成形を行うことによ
り、2次成形品36aに成形される(図16及び図1
7)。その際、2次成形品の底部全体にて高延伸配向層
が形成できるように、延伸棒によりプリフォーム底部を
突き上げる延伸速度、高圧空気を成形体内に吹き込むタ
イミング、高圧空気の流量にて決まる延伸ブロー速度等
のブロー成形条件を適正化することが重要である。
【0106】また、発明者らはブレス棒先端に熱電対を
取り付けて、ブロー成形時に底中心ゲート残部の温度変
化を測定した結果、プレス棒が上死点に達した時点以降
に5〜15℃程度の温度上昇が見られることが判った。
これは、底中央部が金型に到達してからゲート残部及び
その近傍の比較的大きな延伸が行われるのであり、その
延伸の際の発熱により温度上昇しているものと推測され
る。その際、プレス棒が上死点に至った時点での、プレ
ス棒先端に対向する成形体のゲート残部の初期加熱温度
からの温度低下を少なくすることにより、それ以降の延
伸に伴う温度上昇量、すなわちゲート残部及ぴその近傍
の延伸の程度を大きくできることが判明した。具体的に
は、延伸加工が終了する直前までの間でのプリフォーム
底中心部の温度低下を40℃以内、より好ましくは30
℃以内とすることにより、2次成形品の底中心ゲート残
部及びその周縁部を高延伸配向状態にできることが判っ
たのである。
【0107】ブロー成形中のプリフォーム底中心部の温
度低下を低くするための手段として、延伸棒34及びプ
レス棒35からの過剰な熱伝導を防止することが有効で
ある。具体的には、少なくとも延伸棒或いはプレス棒の
先端部を断熱性能を有する耐熱性プラスチック材または
セラミック材とすることが好ましい。また、プレス棒或
いは延伸棒を加温し、比較的高温に温度制御する手段も
有効である。プレス棒及び延伸棒の加温は、通常プリフ
ォームの延伸温度に対応して50℃乃至130℃とする
ことが好ましい。その加温方式としては、電気ヒータ、
高周波誘導加熱などによる電気的加熱方式、高温液体の
循環による流体加熱方式、ヒートパイプなどの熱伝導方
式等を採用することができる。
【0108】2次成形品の底部の高延伸化を促進するた
めに、底中央部が平坦状であり、底中央部と胴部とを比
較的曲率半径の小さな円環状曲面で接続する底形状を採
用することが有効である。また、底中央に内面側への凹
部38を設けるが有効である(図17、図24)。ブロ
ー底金型33の底中央の凹部39は、ブロー成形の際
に、底中央から周縁部の金型表面に到達する成形品のタ
イミングを遅らせる効果を有するため、底中央及ぴその
周縁の延伸度合いを高めることができる。
【0109】得られた2次成形品36aの底部37は底
ゲート残部8及びゲート接続部9を除き、結晶化度が2
0%以上、より好ましくは25%以上に比較的に高延伸
状態に配向結晶化しており、且つ1mm以下、特に0.
8mm以下の板厚に薄肉化されていることが好ましい
(図18)。通常、底ゲート残部8は内面側に位置する
高延伸配向層12と外面側に位置する低延伸配向層13
とから構成される。そのゲート残部の高延伸配向層12
では結晶化度の最大値が20%以上、特に25%以上と
なっていることが好ましい。また、ゲート残部の直径D
G は、胴径D0 の0.25倍以下、特に0.2倍以下が
好ましい。また、ゲート残部8に接するゲート接続部9
は結晶化度が20%以上、より好ましくは25%以上に
比較的に高延伸状態に配向結晶化しており、且つ1.3
mm以下、より好ましくは1.1mm以下の板厚に薄肉
化されていることが好ましい(図18)。
【0110】1次ブロー成形に用いる底金型33の形状
を示す図24において、底金型における凹部39の高さ
1 は一般に1乃至8mm、径D4 は2次成形品の底部
に連なる胴径の0.15乃至0.6倍の範囲にあること
が、底中心の高延伸配向を有効に行わせるために望まし
い。
【0111】本発明の目的に特に適した底金型の例を示
す図25において、この底金型33は、外周から中心に
向けて、底周辺曲率部40に連なる外周側凸部41、周
状凹部42、内周側凸部43及び中央凹部44から成っ
ており、周状凹部41は中央凹部44よりも内方に突出
した形状となっている。
【0112】この1次ブロー底型を用いた1次ブロー成
形において、延伸ブロー成形された成形体の底中心部が
底中央凹部44に到達した時点から、底中央部の急激な
延伸が開始されるが、そのかなり早い段階にて、成形体
の一部が内方に突出した周状凹部42に接触し、接触部
は冷却される。その次のブロー段階では、まだ底型に接
触していない底中央部及び底周辺曲率部近傍が延伸ブロ
ー成形される。この際、底中央部及び底周辺部の延伸ブ
ロー成形は冷却した周状凹部42を挟んで行われるた
め、その2つの部位が別々のごとくに延伸ブロー成形さ
れる。特に、底中央部では周状凹部42の内側にて大き
な延伸が行われることから、ゲート残部の延伸の程度が
大きくなり、低延伸配向部の大きさが小さくなるととも
に、周状凹部42の内側の肉厚がより平均化される。
【0113】ゲート残部を含めて底中心の高延伸を可能
にするために、周状凹部41の径D 5 は2次成形品の底
部に連なる胴径の0.5乃至0.9倍の範囲にあり、周
状凹部41と中央凹部44との段差H2 は1乃至10m
mの範囲にあり、周状凹部44と外周側凸部40との段
差H3 は0乃至5mmの範囲にあるのが好適である。
【0114】(2)加熱収縮工程 本発明では、次いで行う加熱収縮工程で、2次成形品の
底部及び底部に連なる胴部の一部は加熱され、高さ方向
及ぴ径方向に収縮し、最終製品形状である2次ブロー金
型に収まる形状を有する3次成形品となる。
【0115】この2次成形品の底部の加熱収縮は非接触
加熱にて、拘束なしに加熱収縮させることが好ましい。
図19及び図20に示す例では、2次成形品36aの移
動する通路に沿って、2次成形品の底部及び胴部の一部
に対向する赤外線放射体45及び46が備えられてお
り、その赤外線放射体で囲まれた空間内を2次成形品3
6bをコア金型31により支持して、軸方向に自転させ
て加熱しながら移動させることにより、2次成形品の底
部及び胴部の一部が、図20に示すように加熱収縮して
3次成形品36bとなる。必要以外の胴部の収縮を防止
するために、熱遮蔽板47を設けることが推奨される。
【0116】赤外線放射体45、46は、400〜10
00℃程度に加熱された比較的放射効率に優れたものを
使用するとよい。これにより、比較的高エネルギー密度
の赤外線を2次成形品36aの所定の部位に照射するこ
とができ、例えば10秒以下程度の短時間にて所定の温
度とすることができる。
【0117】3次成形品36bの底48の形状は2次ブ
ロー金型の底谷部にできるだけ接近させることが好まし
く、それにより、最終製品の足部の成形を容易にするこ
とができる(図20及び図22参照)。
【0118】3次成形品36bの底形状を好ましい形状
とするには、2次成形品36bの底形状が重要であり、
加熱収縮を行う2次成形品の高さを熱収縮を見込んで高
くすることが好ましい。また、2次成形品36bの底中
心ゲート残部8は、底部の加熱の際に厚肉であるために
その周囲の薄肉部に比べて温度上昇が遅い。そのため、
2次成形品の底形状を例えば半球状とすると、そのゲー
ト残部の周囲の薄肉部が最初に円錐状に熱収縮して、厚
肉のゲート残部8を外面側に突出させる形状となり、そ
の様な中央が上凸状の形状では、2次ブロー底型の谷形
状から大きく離れることになる。この際、図24に示す
ように、2次成形品の底37を全体として見て平坦状と
し、さらに底中央に凹部38を設けた形状を採用するこ
とが有効であり、図21に示すように、底中央部に多少
凹状であるが、概ね平坦状の底面37を有し且つ肩部4
8が2次ブロー金型の谷部に近接した形状の3次成形品
36bを得ることができる。
【0119】2次成形品の高延伸配向された底部及びそ
れに連なる胴部の一部の加熱温度は130〜200℃と
することが好ましく、得られた3次成形品は収縮すると
共に熱固定され、熱結晶化が進行する。この際、3次成
形品の底部ではゲート残部の低延伸配向層が白化する
が、ゲート残部の高延伸配向層及びその周囲のゲート周
縁部は白化することなく、実質的に透明状態を保持す
る。
【0120】(3)2次ブロー成形 加熱状態の3次成形品36bは2次ブロー金型内に導入
され、2次ブロー成形されて最終製品となる(図22及
び図23)。
【0121】2次ブロー成形工程の詳細を示す図22に
おいて、3次成形品36bは、コア金型31によりその
首部を支持されており、閉じた割金型51内に保持され
る。コア金型の反対側には、最終容器の底形状を規定す
る底金型52も配置されている。3次成形品36b内に
流体を吹き込んで、3次成形品を2次ブロー成形し、所
定の谷部及び足部を備えた最終容器36cの底形状に形
成する。成形された容器50は、それ自体公知の取り出
し機構(図示せず)により、開いた2次ブロー金型51
から外部に取り出される。
【0122】また、3次成形品では、熱処理による結晶
化で、弾性率が増加しているので、高い流体圧を用いて
行うのがよく、一般に15乃至45kg/cm2 の圧力
を用いるのが好ましい。
【0123】2次ブロー成形に際して、金型の温度は、
5乃至135℃の温度に維持して、成形後直ちに冷却が
行われるようにしてもよいし、或いは、最終成形品中に
冷風等を流して冷却が行われるようにしてもよい。
【0124】この様にして得られた最終製品の底部はゲ
ート残部を含めて高耐熱圧強度と高耐衝撃強度を有する
熱固定された高延伸配向層から構成されており、耐熱圧
性能及び耐衝撃性能に優れる。(図2、図3) この際、容器の底中心ゲート残部、ゲート接続部及びゲ
ート周縁部の肉厚は1次ブロー成形された2次成形品の
肉厚よりも熱固定時に熱収縮した分だけ厚肉となり、次
の2次ブロー成形では底中央部位は殆ど延伸されないこ
とから、多少厚肉となる。
【0125】本発明の容器の底部のゲート残部は高延伸
配向層と低延伸配向部とで構成される。2段ブロー成形
法の場合、容器底部のゲート残部の構造は、1次ブロー
成形された2次成形品のゲート残部の高延伸配向層と低
延伸配向部とからなる構造により決まる。その2次ブロ
ー成形品の底ゲート残部の構造は1次ブロー成形金型の
底形状により決まる2次成形品の底形状、1次ブロー成
形条件に由来する2次成形品の底部の延伸状態及び肉厚
分布、並びにプリフォームのゲート部の大きさ及びプリ
フォームの射出条件に由来するゲート部の熱履歴等に影
響される。
【0126】1次ブロー金型の底形状が図24に示され
るように中央に凹部39を有する平坦状である場合、前
述した本発明の好ましい成形条件にて成形された典型的
な本発明容器の底ゲート残部は図2に示す様に外面側の
白化した低延伸配向部13と内面側の透明な高延伸配向
層12とから構成される。そのゲート残部8の高延伸配
向層12は高延伸配向状態のゲート接続部9及びその外
側のゲート周縁部11に連結している。
【0127】同じく図24に示される1次ブロー底型を
用いた場合においても、1次ブロー成形を行い際のプリ
フォームの加熱の程度を調整して、プリフォームの底部
の内面側の加熱温度を若干低くした条件において、得ら
れた2次成形品の底部のゲート残部は中央に位置する高
延伸配向層を内面側及び外面側の低延伸配向部にて挟み
込んだ構造と成り得る。この際、中間熱固定工程を経て
最終的に得られた容器の底ゲート残部は図3に示す様に
透明の高延伸配向層12を内面側の白化した低延伸配向
層13と外面側の白化した低延伸配向層13とで挟み込
んだ構造となる。上記の1次ブロー工程におけるプリフ
ォームの加熱は、通常プリフォームの外面側に設けられ
た赤外線放射体とプリフォーム内部に挿入された棒状の
赤外線放射体とから照射される赤外線により主に行われ
るが、プリフォーム底部の内面側の加熱温度を下げるの
は、プリフォーム内部に挿入された棒状の赤外線放射体
とプリフォーム底部の距離を遠ざけることにより行うこ
とができる。
【0128】図5に示す底ゲート残部8を有する容器
も、図24で示される1次ブロー底型を用いて製造する
ことができる。この場合、容器底部のゲート残部8の内
面側中央に透明な高延伸配向部12bが形成される理由
については明かではないが、次のように推測される。す
なわち、通常、プリフォームのゲート部では射出成形時
の熱履歴により、ゲート部の外周部分はリング状にゲー
ト部の内側部よりも熱結晶化の程度が大きくなる傾向に
ある。特に、そのリング状のゲート外周部の熱結晶化の
程度が比較的に大きなプリフォームを用いて1次ブロー
成形する場合、プリフォームのゲート部のリング状外周
部はその内側部よりも延伸され難い状態となっている。
ブロー成形時において、得られた成形品の底ゲート残部
では特に延伸倍率の高い内面側が高延伸状態となり、そ
れに応じてプリフォームのゲート部に対応するゲート残
部の外面側も延伸されるが、延伸され難いリング状のゲ
ート外周部は変形しながらも比較的に低延伸状態のまま
残り、一方延伸し易いゲート内側部はリング状のゲート
外周部に引っ張られて局部的に大きく延伸され、高延伸
状となる。これにより、図5の様なゲート 残部の外面
側にてリング状の低延伸配向部13bとその内側の高延
伸配向部12bとが存在し、且つ内面側が高延伸配向層
12となっているゲート残部8が成形されるものと考え
られる。
【0129】一方、図25に示される様なリング状の凹
凸を設けた1次ブロー底型を使用した場合、前述した様
にブロー成形時の成形品の底中央部はゲート残部を含め
て比較的に延伸の程度が大きくでき、ゲート残部に形成
される低延伸配向部の大きさを比較的に小さくできる。
その結果、図4に示す様な比較的厚い高延伸配向層12
と外面側の限られた部位に薄く形成された低延伸配向部
13とから成るゲート残部8を有する容器を得ることが
できる。
【0130】
【発明の効果】本発明によれば、ゲート部を含めて底中
心部が金型底部に達する時点での底中心部及びその近傍
の温度低下を一定以下に小さくする手段を採用すること
により、底部を、ゲート残部をも含めて、高延伸配向状
態に層状化できる。この方法によれば、プリフォームの
ゲート部のトリミング(仕上げ)操作やまた底部中心を
延伸ブローに先立って熱結晶化させる操作が不要であ
り、延伸成形容器を、比較的少ない工程数で、生産性よ
く、しかも資源を有効に利用して製造することができ
る。また、本発明の容器では、底中心ゲート残部が、ゲ
ート接続部及びそれよりも径外方向の高延伸配向底部に
連なる高延伸配向層を有するため、底全体が耐衝撃性に
も、耐クリープ性にも強い構造となっており、内容物を
熱間充填する用途に有用であり、更に容器の自立性や外
観特性にも優れているという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器の一例を示す一部断面側面図であ
る。
【図2】本発明の容器における底中心ゲート残部の透明
な高延伸配向層の配置の一例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図3】本発明の容器における底中心ゲート残部の透明
な高延伸配向層の配置の他の例を示す部分拡大断面図で
ある。
【図4】本発明の容器における底中心ゲート残部の透明
な高延伸配向層の配置の更に他の例を示す部分拡大断面
図である。
【図5】本発明の容器における底中心ゲート残部の透明
な高延伸配向層の配置の別の例を示す部分拡大断面図で
ある。
【図6】70℃における降伏荷重値の測定のための標準
試験片の寸法を示す説明図である。
【図7】降伏荷重値の求め方を示す説明図である。
【図8】本発明の容器の底谷部の形状及び寸法を説明す
るための説明図である。
【図9】本発明の容器の底谷部の形状及び寸法の他の例
を説明するための説明図である。
【図10】本発明の容器における足部開き角θを説明す
るための説明図である。
【図11】本発明の方法に使用するプリフォームの一例
を示す側面図である。
【図12】プリフォームのゲート部の形状及び寸法を示
す説明図である。
【図13】本発明の1段ブロー成形法による容器製造の
実施例において、ブロー成形開始前の状態を示す断面図
である。
【図14】本発明の1段ブロー成形法による容器製造の
実施例において、ブロー成形終了後の状態を示す断面図
である。
【図15】本発明の1段ブロー成形法で形成される容器
底部の構造を示す拡大断面図である。
【図16】2段ブロー成形法における1次ブロー成形工
程の最初の段階を示す断面図である。
【図17】2段ブロー成形法における1次ブロー成形工
程の最後の段階を示す断面図である。
【図18】2段ブロー成形法の1次ブロー成形で形成さ
れる2次成形品の底部の構造を示す拡大断面図である。
【図19】2段ブロー成形法における3次成形品を得る
ための中間加熱工程の最初の段階を示す断面図である。
【図20】2段ブロー成形法における3次成形品を得る
ための中間加熱工程の最後の段階を示す断面図である。
【図21】3次成形品の底部の構造を示す拡大断面図で
ある。
【図22】2段ブロー成形法における2次ブロー成形工
程を示す断面図である。
【図23】2段ブロー成形法における最終製品を示す側
面図である。
【図24】2段ブロー成形法の1次ブロー成形に用いる
ブロー金型の構造の一例を示す断面図である。
【図25】2段ブロー成形法の1次ブロー成形に用いる
ブロー金型の構造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 口頸部 2 肩部 3 胴部 4 底部 5 底中央谷部 6 谷部 7 足部 8 ゲート残部 9 ゲート接続部 10 付け根部 11 ゲート周縁部 12 高延伸配向層 13 低延伸低配向層 15 標準試験片 20 プリフォーム 21 首部、 22 胴部22 23 閉塞底部 33 ブロー底金型 34 延伸棒 35 プレス棒 36a 2次成形品 36b 2次成形品 37 底部 38 内面側への凹部 39 底中央の凹部 40 底周辺曲率部 41 外周側凸部 42 周状凹部 43 内周側凸部 44 中央凹部 45 赤外線放射体45及び46 47 熱遮蔽板 48 底型
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項13
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項19
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項21
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂の
二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部、肩部、
胴部及び底部を備えた自立性容器において、底中心ゲー
ト残部が、ゲート接続部及びそれよりも径外方向の高延
伸配向底部に連なる高延伸配向層を有することを特徴と
する耐熱性延伸樹脂容器が提供される。本発明によれば
また、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内でプ
リフォーム内部に挿入された延伸棒とプリフォーム外部
のプレス棒とでプリフォームの底中心部を挟み込み、次
に延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム内部に高圧
気体を吹き込むことから成る延伸樹脂容器の製法におい
て、前記プリフォームが底中心部にゲート部を有するプ
リフォームであり、且つ延伸加工が終了する直前までの
間上記底中心部の温度低下を40℃以内に保持してゲー
ト残部も含めて底中心部をも高延伸することを特徴とす
る耐熱性延伸樹脂容器の製法が提供される。本発明によ
れば更に、延伸温度に加熱されたプリフォームに対して
金型内でプリフォーム内部に挿入された延伸棒プリフ
ォームの底中心部押し当て、次に延伸棒を駆動しなが
ら同時にプリフォーム内部に高圧気体を吹き込むことか
ら成る延伸樹脂容器の製法において、前記プリフォーム
が底中心部にゲート部を有するプリフォームであり、且
つ延伸加工が終了する直前までの間上記底中心部の温度
低下を40℃以内に保持して底中心部をも高延伸し、こ
れにより、底中心部をも含めて高延伸配向層を有する底
部から成る2次成形品とし、該2次成形品の少なくとも
底部及び底部に連なる胴部の一部を加熱収縮させて3次
成形品とし、該3次成形品を金型内にて2次ブロー成形
して最終容器とすることを特徴とする耐熱性樹脂容器の
製法が提供される。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】本発明においては、 1.前記底部が底中央谷部と底中央谷部の周囲に交互に
配置された複数の谷部と足部とから形成され且つ容器が
自立性を有すること、 2.底中心ゲート残部が透明な延伸配向層と白化した
低延伸低配向層とから成ること、 3.特に(A)底中心ゲート残部が容器内面側の透明な
高延伸配向層と容器外面側の白化した低延伸低配向層と
から成るか、(B)底中心ゲート残部が中央に位置する
透明な高延伸配向層と内外両側の白化した低延伸低配向
層とから成るか、(C)底中心ゲート残部が容器内面側
の透明な高延伸配向層と、容器外面側のリング状の低延
伸白化部とその中央に位置する透明な高延伸配向部との
複合層とから成ること、 4.高延伸配向層が結晶化度が20%以上となるように
配向結晶化されていること、 5.底中心ゲート残部が熱固定され、高延伸配向層が2
5乃至55%の結晶化度を有すること、 6.ゲート残部における高延伸配向層が0.35mm以
上の肉厚を有すること、 7.底中心ゲート残部が最大肉厚部で1乃至3.5mm
の肉厚を有すること、 8.底中心ゲート残部が胴径D0 の0.25倍以下の直
径Dgを有すること、 9.底中心ゲート残部が70℃の温度において25kg
f/cm以上の降伏荷重を有すること、 10.口頸部及びその近傍、並に底中心ゲート残部及
びゲート接続部を除く容器の肉厚が0.15mm乃至
1.1mmの範囲内であること、が好ましい。また、前
述した足部と谷部とを備えた自立性容器においては、 11.前記底中央谷部が、厚肉のゲート残部、そのゲー
ト残部に接するゲート接続部及びゲート接続部の周囲に
高延伸配向状態に薄肉化されたゲート周縁部とから構成
されていること、 12.胴径D0 の50%の直径の内側にある底中央谷部
及び底谷部の結晶化度が25〜55%であること、 13.底中心部を含む概球面状の底谷部の曲率半径R1
が底部に連なる胴部の半径R0 の1.25倍乃至2倍で
あり、且つ曲率半径がR1 である概球面状の底谷部での
直径D1 が胴径D0 の0.55倍乃至0.75倍の範囲
にあること、 14.底谷部が底中心部を含み底部に連なる胴部の半径
0 の0.9倍乃至1.4倍の曲率半径R1 を有する概
球面Aと概球面Aと接続し、仮想概球面の延長上よりも
外側に位置する円錐状乃至は概球状よりなる面Bより構
成され、概球面Aの直径D1 が胴径D0 の0.18倍乃
至0.5倍の範囲にあり、面Bの最外径が胴径D0
0.3倍乃至0.85倍であること、 15.胴径D0 の80%の直径内に含まれる底谷部の含
計表面積Sが、胴径の80%の直径内に含まれる底谷部
がその一部を形成する底部仮想球面の表面積S0の20
%乃至50%の範囲にあること、 16.少なくとも足先端部に至る、足部間を横切り且つ
谷部に垂直な面において谷部を挟む足部き角θが65
゜乃至90゜の範囲にあること、が好ましい。 17.さらに、高温の内容物を熱充填する耐熱性容器に
おいては、容器全体が熱固定されていることが好まし
い。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正内容】
【0024】底部4は、底中央に位置する厚肉のゲート
残部8、ゲート残部8と接するゲート接続部9及ゲー
ト接続部の周囲にあり且つ足7の付け根部10の内側の
部分となるゲート周縁部11とにより構成される底中央
部5と、複数の谷部6と足部7とが交互に形成されてい
る底周辺部とから成っている。この具体例の容器では、
ゲート残部8を除く底部4の各部位は実質的に高延伸配
向状態の層のみから成っている。また、ゲート接続部9
を除き比較的に薄肉化されている。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】本発明の容器の底中心ゲート残部8は比較
的に厚肉であり、高延伸配向部或いは高延伸配向部と低
延伸配向部との組み合わせで構成されている。通常、ゲ
ート残部8の高延伸配向部はゲート残部を横断した連続
層から成り立っており、且つゲート残部の周囲に広がる
ゲート接続部9及ゲート周縁部11と連結している。
その結果、本発明容器では底部4が連続した高延伸配向
層にて覆われていることになる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】ゲート周縁部11の肉厚が0.35mmを
下回る場合、薄肉化しすぎて底中央部の耐熱圧性が低下
し、好ましくない。一方、ブロー成形した段階でのゲー
ト周縁部の肉厚が1mmを上回る部位が多くなると、ゲ
ート残部及ゲート接続部に高延伸配向層を形成させる
ことが困難となる。但し、ゲート周縁部の肉厚がごく限
定された狭い部位において1mmを越える場合には、特
にゲート残部の一部を高延伸配向化することを妨げるも
のではない。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0087
【補正方法】変更
【補正内容】
【0087】[段延伸ブロー成形]段ブロー成形に
よる容器の製造を示す図13及び図14において、プリ
フォーム20は、コア金型31によりその首部を支持さ
れており、閉じた割金型32、32内に保持される。コ
ア金型の反対側には、成形品の底形状、即ちペタロイド
底を規定する底金型33も配置されている。プリフォー
ム20内に延伸棒34を挿入し、プリフォーム底部23
を突き上げることにより、延伸成形を行う。その延伸成
形の途中の段階にてタイミングを見計らって、延伸棒3
4を通して高圧気体を成形体内に吹き込むことにより、
ブロー成形を行って金型に沿った形状の容器を得る。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0092
【補正方法】変更
【補正内容】
【0092】上記の手段及手法を用い、さらにブロー
成形諸条件を適正化することにより、ロ頸部及びその近
傍を除く底中心部を含めた容器全体に高延伸層を有した
容器を成形することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0095
【補正方法】変更
【補正内容】
【0095】上記の本発明の段ブロー成形手段によ
り、80〜93℃程度の高温の内容物を熱充填する耐熱
性容器を製造することができる。この場合、円筒状或い
は角筒状の胴部及び底中心ゲート残部を含む内方へ凹ん
だ窪み部を有する底部からなる製品形状に沿った形状の
ブロー金型を用いてブロー成形が行われる。この耐熱性
容器では、容器全体を熱固定することが重要であり、金
型の肩部、胴部及び底部に対応する部位を樹脂の結晶化
温度とすることにより、ブロー成形工程にて成形品の各
部位を加熱して、熱結晶化させる。通常、ブロー金型の
加熱温度120℃〜180℃にて用いられる。熱固定
に伴う胴部及びゲート残部を含む底部の結晶化度は25
%以上であることが好ましい。この場合、ブロー成形し
た成形品の底部は高延伸配向状態であり、かつゲート残
部を除いては胴部並びに薄肉化されるため、熱固定に要
する時間はほぼ胴部並にまで短縮できる。また、ゲート
残部を構成する低延伸配向部を除いて、透明を保持した
状態にて熱結晶化を行うことができる。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0096
【補正方法】変更
【補正内容】
【0096】[段ブロー成形法]上記した様に、一度
の二軸延伸ブロー成形にて本発明容器を作成することが
可能である。しかし、複雑な形状のペタロイド底部を一
度に高延伸配向状態にブロー成形する場合、特に足部先
端が過延伸状態で、白化し易くなる傾向にあり、それを
防止しようとすると、ブロー成形条件がかなり狭くな
る。また、金型を用いた底部の熱固定では、比較的に時
間を要し、ブロー成形時間が長くなる問題が生じる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0100
【補正方法】変更
【補正内容】
【0100】段ブロー成形法では、部分熱結晶化及び
延伸のための予備加熱を行ったプリフォーム20を1次
ブロー金型内にて二軸延伸ブロー成形して、最終容器よ
りも大きな寸法の底部37を形成すると共に、プリフォ
ームの球晶化した口頸部以外の部分を高延伸倍率に延伸
した2次成形品36とし(図16及び図17);この2
次成形品の底部及び底部に連なった胴部の少なくともそ
の一部を加熱して、該底部及び一部胴部が収縮した3次
成形品44とし(図19及び図20);次いでこの3次
成形品を2次ブロー金型内にてブロー成形して、複数の
谷部及び足部から成り且つ高延伸により薄肉化された底
部を有する最終製品50とする(図22及び図23)。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0106
【補正方法】変更
【補正内容】
【0106】また、発明者らはプレス棒先端に熱電対を
取り付けて、ブロー成形時に底中心ゲート残部の温度変
化を測定した結果、プレス棒が上死点に達した時点以降
に5〜15℃程度の温度上昇が見られることが判った。
これは、底中央部が金型に到達してからゲート残部及び
その近傍の比較的大きな延伸が行われるのであり、その
延伸の際の発熱により温度上昇しているものと推測され
る。その際、プレス棒が上死点に至った時点での、プレ
ス棒先端に対向する成形体のゲート残部の初期加熱温度
からの温度低下を少なくすることにより、それ以降の延
伸に伴う温度上昇量、すなわちゲート残部及その近傍
の延伸の程度を大きくできることが判明した。具体的に
は、延伸加工が終了する直前までの間でのプリフォーム
底中心部の温度低下を40℃以内、より好ましくは30
℃以内とすることにより、2次成形品の底中心ゲート残
部及びその周縁部を高延伸配向状態にできることが判っ
たのである。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0108
【補正方法】変更
【補正内容】
【0108】2次成形品の底部の高延伸化を促進するた
めに、底中央部が平坦状であり、底中央部と胴部とを比
較的曲率半径の小さな円環状曲面で接続する底形状を採
用することが有効である。また、底中央に内面側への凹
部38を設けることが有効である(図17、図24)。
ブロー底金型33の底中央の凹部39は、ブロー成形の
際に、底中央から周縁部の金型表面に到達する成形品の
タイミングを遅らせる効果を有するため、底中央及
の周縁の延伸度合いを高めることができる。
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0109
【補正方法】変更
【補正内容】
【0109】得られた2次成形品36aの底部37は底
ゲート残部8及びゲート接続部9を除き、結晶化度が2
0%以上、より好ましくは25%以上に比較的に高延伸
状態に配向結晶化しており、且つ1mm以下、特に0.
8mm以下の板厚に薄肉化されていることが好ましい
(図18)。通常、底ゲート残部8は内面側に位置する
高延伸配向層12と外面側に位置する低延伸配向層13
とから構成される。そのゲート残部の高延伸配向層12
では結晶化度の最大値が20%以上、特に25%以上と
なっていることが好ましい。また、ゲート残部の直径D
g は、胴径D0 の0.25倍以下、特に0.2倍以下が
好ましい。また、ゲート残部8に接するゲート接続部9
は結晶化度が20%以上、より好ましくは25%以上に
比較的に高延伸状態に配向結晶化しており、且つ1.3
mm以下、より好ましくは1.1mm以下の板厚に薄肉
化されていることが好ましい(図18)。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0114
【補正方法】変更
【補正内容】
【0114】(2)加熱収縮工程 本発明では、次いで行う加熱収縮工程で、2次成形品の
底部及び底部に連なる胴部の一部は加熱され、高さ方向
径方向に収縮し、最終製品形状である2次ブロー金
型に収まる形状を有する3次成形品となる。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0127
【補正方法】変更
【補正内容】
【0127】同じく図24に示される1次ブロー底型を
用いた場合においても、1次ブロー成形を行際のプリ
フォームの加熱の程度を調整して、プリフォームの底部
の内面側の加熱温度を若干低くした条件において、得ら
れた2次成形品の底部のゲート残部は中央に位置する高
延伸配向層を内面側及び外面側の低延伸配向部にて挟み
込んだ構造と成り得る。この際、中間熱固定工程を経て
最終的に得られた容器の底ゲート残部は図3に示す様に
透明の高延伸配向層12を内面側の白化した低延伸配向
層13と外面側の白化した低延伸配向層13とで挟み込
んだ構造となる。上記の1次ブロー工程におけるプリフ
ォームの加熱は、通常プリフォームの外面側に設けられ
た赤外線放射体とプリフォーム内部に挿入された棒状の
赤外線放射体とから照射される赤外線により主に行われ
るが、プリフォーム底部の内面側の加熱温度を下げるの
は、プリフォーム内部に挿入された棒状の赤外線放射体
とプリフォーム底部の距離を遠ざけることにより行うこ
とができる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【手続補正21】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図15
【補正方法】変更
【補正内容】
【図15】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深堀 穂高 神奈川県横浜市西区西戸部町2−206 (72)発明者 浜田 和久 神奈川県横浜市西区西戸部町2−206 (72)発明者 向井 豊 神奈川県川崎市中原区下小田中6−7−27

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成
    された口頚部、肩部、胴部及び底部を備えた自立性容器
    において、底中心ゲート残部が、ゲート接続部及びそれ
    よりも径外方向の高延伸配向底部に連なる高延伸配向層
    を有することを特徴とする耐熱性延伸樹脂容器。
  2. 【請求項2】 前記底部が底中央谷部と底中央谷部の周
    囲に交互に配置された複数の谷部と足部とから形成され
    且つ容器が自立性を有する請求項1記載の耐熱性延伸樹
    脂容器。
  3. 【請求項3】 底中心ゲート残部が透明な延伸配向層と
    白化した低延伸低配向層とから成る請求項1または2記
    載の耐熱性延伸樹脂容器。
  4. 【請求項4】 底中心ゲート残部が容器内面側の透明な
    高延伸配向層と容器外面側の白化した低延伸低配向層と
    から成る請求項1または2記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  5. 【請求項5】 底中心ゲート残部が中央に位置する透明
    な高延伸配向層と内外両側の白化した低延伸低配向層と
    から成る請求項1または2記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  6. 【請求項6】 底中心ゲート残部が容器内面側の透明な
    高延伸配向層と、容器外面側のリング状の低延伸白化部
    とその中央に位置する透明な高延伸配向部との複合層と
    から成る請求項1または2記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  7. 【請求項7】 高延伸配向層が結晶化度が20%以上と
    なるように配向結晶化されている請求項1乃至6の何れ
    かに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  8. 【請求項8】 底中心ゲート残部が熱固定され、高延伸
    配向層が25乃至55%の結晶化度を有する請求項1乃
    至7の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  9. 【請求項9】 高延伸配向層が0.35mm以上の肉厚
    を有する請求項1乃至8の何れかに記載の耐熱性延伸樹
    脂容器。
  10. 【請求項10】 底中心ゲート残部が最大肉厚部で1乃
    至3.5mmの肉厚を有する請求項1乃至9の何れかに
    記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  11. 【請求項11】 底中心ゲート残部が胴径D0 の0.2
    5倍以下の直径Dgを有する請求項1乃至10の何れか
    に記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  12. 【請求項12】 底中心ゲート残部が70℃の温度にお
    いて25kgf/cm以上の降伏荷重を有する請求項1
    乃至11の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  13. 【請求項13】 口頸部及びその近傍、並ぴに底中心ゲ
    ート残部及びゲート接続部を除く容器の肉厚が0.15
    mm乃至1.1mmの範囲内である請求項1乃至12の
    何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  14. 【請求項14】 前記底中央谷部が、厚肉のゲート残
    部、そのゲート残部に接するゲート接続部及びゲート接
    続部の周囲に高延伸配向状態に薄肉化されたゲート周縁
    部とから構成されている請求項2乃至13の何れかに記
    載の耐熱性延伸樹脂容器。
  15. 【請求項15】 胴径D0 の50%の直径の内側にある
    底中央谷部及び底谷部の結晶化度が25〜55%である
    請求項2乃至14の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容
    器。
  16. 【請求項16】 底中心部を含む概球面状の底谷部の曲
    率半径R1 が底部に連なる胴部の半径R0 の1.25倍
    乃至2倍であり、且つ曲率半径がR1 である概球面状の
    底谷部での直径D1 が胴径D0 の0.55倍乃至0.7
    5倍の範囲にある請求項2乃至15の何れかに記載の耐
    熱性延伸樹脂容器。
  17. 【請求項17】 底谷部が底中心部を含み底部に連なる
    胴部の半径R0 の0.9倍乃至1.4倍の曲率半径R1
    を有する概球面Aと概球面Aと接続し、仮想概球面の延
    長上よりも外側に位置する円錐状乃至は概球状よりなる
    面Bより構成され、概球面Aの直径D1 が胴径D0
    0.18倍乃至0.5倍の範囲にあり、面Bの最外径が
    胴径D0 の0.3倍乃至0.85倍である請求項2乃至
    16の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  18. 【請求項18】 胴径D0 の80%の直径内に含まれる
    底谷部の含計表面積Sが、胴径の80%の直径内に含ま
    れる底谷部がその一部を形成する底部仮想球面の表面積
    0 の20%乃至50%の範囲にある請求項2乃至17
    の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  19. 【請求項19】 少なくとも足先端部に至る、足部間を
    横切り且つ谷部に垂直な面において谷部を挟む足部閉き
    角θが65゜乃至90゜の範囲にある請求項2乃至18
    の何れかに記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  20. 【請求項20】 容器全体が熱固定されている請求項1
    記載の耐熱性延伸樹脂容器。
  21. 【請求項21】 延伸温度に加熱されたプリフォームを
    金型内でプリフォーム内部に挿入された延伸棒をプリフ
    ォームの底中心部に押し当て、次に延伸棒を駆動しなが
    ら同時にプリフォーム内部に高圧気体を吹き込むことか
    ら成る延伸樹脂容器の製法において、前記プリフォーム
    が底中心部にゲート部を有するプリフォームであり、且
    つ延伸加工が終了する直前までの間上記底中心部の温度
    低下を40℃以内に保持して底中心部をも高延伸するこ
    とを特徴とする耐熱性延伸樹脂容器の製法。
  22. 【請求項22】 延伸温度に加熱されたプリフォームを
    金型内でプリフォーム内部に挿入された延伸棒とプリフ
    ォーム外部のプレス棒とでプリフォームの底中心部を挟
    み込み、次に延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム
    内部に高圧気体を吹き込むことから成る延伸樹脂容器の
    製法において、前記プリフォームが底中心部にゲート部
    を有するプリフォームであり、且つ延伸加工が終了する
    直前までの間上記底中心部の温度低下を40℃以内に保
    持して底中心部をも高延伸し、これにより、底中心部を
    も含めて高延伸配向層を有する底部から成る2次成形品
    とし、該2次成形品の少なくとも底部及び底部に連なる
    胴部の一部を加熱収縮させて3次成形品とし、該3次成
    形品を金型内にて2次ブロー成形して最終容器とするこ
    とを特徴とする耐熱性樹脂容器の製法。
  23. 【請求項23】 プリフォームのゲート部が0.1乃至
    3mmの高さを有するものである請求項21または22
    記載の製法。
  24. 【請求項24】 プリフォームが85乃至135℃の延
    伸温度に且つプリフォームの胴部と底部との温度差が1
    0℃以内となるように加熱される請求項21乃至23の
    何れかに記載の製法。
  25. 【請求項25】 延伸棒またはプレス棒の先端部を断熱
    性能を有する耐熱性プラスチック材またはセラミック材
    とする請求項21乃至24の何れかに記載の製法。
  26. 【請求項26】 プレス棒または延伸棒の先端部の温度
    を50〜130℃に保持する請求項21乃至25の何れ
    かに記載の製法。
  27. 【請求項27】 底中心部の高延伸を、ゲート周縁部の
    肉厚が0.35乃至1mmの範囲及びゲート周縁部の面
    積延伸倍率が3.5乃至12.5倍となるように行う請
    求項21乃至26の何れかに記載の製法。
  28. 【請求項28】 延伸成形後の容器を熱固定する請求項
    21乃至27の何れかに記載の製法。
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