JPH11105110A - ポリエステルボトル - Google Patents

ポリエステルボトル

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JPH11105110A
JPH11105110A JP27447897A JP27447897A JPH11105110A JP H11105110 A JPH11105110 A JP H11105110A JP 27447897 A JP27447897 A JP 27447897A JP 27447897 A JP27447897 A JP 27447897A JP H11105110 A JPH11105110 A JP H11105110A
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JP
Japan
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bottle
preform
polyester
molding
heat
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JP27447897A
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English (en)
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Kazuhisa Hamada
和久 浜田
Kichiji Maruhashi
吉次 丸橋
Nobuyuki Kato
信行 加藤
Kimio Takeuchi
公生 竹内
Kenji Matsuno
建治 松野
Hodaka Fukahori
穂高 深堀
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Original Assignee
Individual
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  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 延伸成形性の変動が解消され、底部が一様に
延伸薄肉化されていると共に、底部の自立性、更には、
耐熱性や耐熱圧性にも優れているポリエステルボトルを
提供する。 【解決手段】 このボトルは、射出成形したプリフオー
ムを、成形工程外にて保存した後、延伸ブロー成形工程
に付することにより得られたものであり、このボトルは
底部に自立構造を有すると共に、底中心部を除くボトル
底部が1mm以下の肉厚に延伸されており、且つボトル
を構成するポリエステルは、下記式 0.70≦IV≦0.80
‥(I) 20*IV−14.2≦DEG≦12*IV−7.4
‥(II) で規定される固有粘度(IV、dL/g)及びジエチレ
ングリコール含有量(DEG、wt%)を満足するもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルボトルに
関するもので、より詳細には、プリフォームを成形工程
外で保存した後、延伸ブロー成形で製造され、底部が有
効に分子配向されていると共に、自立性にも優れている
ポリエステルボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(PET)
の如き熱可塑性ポリエステルの二軸延伸ブロー成形ボト
ルは、優れた透明性や表面光沢を有すると共に、瓶に必
要な耐衝撃性、剛性、ガスバリヤー性をも有しており、
各種液体の瓶詰容器として利用されている。
【0003】二軸配向ポリエステルボトルに自立性と共
に、耐熱性や耐圧性を付与したボトルも既に知られてお
り、本出願人の提案に係る特開平9−118322号公
報には、樹脂の二軸延伸ブロー成形によって形成された
口頚部、肩部、胴部及び複数の谷部及び足部とよりなる
底部を備えた自立性容器において、比較的低延伸状態の
底中心部を除く底部が1mm以下の厚みに薄肉化され、
結晶化度が20%以上に比較的高延伸状態にて配向結晶
化されており、且つ底中心部の直径Dc が胴径D0 の1
〜20%の範囲内にあることを特徴とする耐熱耐圧性に
優れた自立性容器が記載されている。また、上記公報に
は、延伸温度に加熱されたプリフォームを金型内でプリ
フォーム内部に挿入された延伸棒とプリフォーム外部の
プレス棒とでプリフォームの底中心部を挟み込み、次に
延伸棒を駆動しながら同時にプリフォーム内部に高圧気
体を吹き込むと共に、延伸加工が終了する直前までの間
上記底中心部の温度低下を40℃以内に保持して二軸延
伸ブロー成形を行い、これにより、底中心部を除き比較
的高延伸状態で薄肉化された、概ねドーム状の底部を有
する2次成形品とし、該2次成形品の少なくとも底部及
び底部に連なる胴部の一部を加熱収縮させて3次成形品
とし、該3次成形品を金型内にて2次ブロー成形して最
終容器とすることを特徴とする耐熱耐圧性に優れた自立
性容器の製造方法も記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のポリエステルボ
トルは、オンライン方式で製造されている。即ち、ポリ
エステルボトルの製造は、ポリエステルの射出成形によ
るポリエステルプリフォームの製造工程と、ポリエステ
ルプリフォームを延伸温度に加熱した後、金型内で引張
延伸と流体吹き込みによる膨張延伸を行う二軸延伸成形
工程とに大別されるが、従来のポリエステルボトルの製
造方法では、プリフォームの製造工程とプリフォームの
二軸延伸成形工程とがライン的につながっており、一貫
した製造工程となっていた。
【0005】しかしながら、単位重量当たりの容積は、
ボトルの方がプリフォームに比して著しく大であるか
ら、輸送及び貯蔵等に際しては、可及的にプリフォーム
の形で輸送及び貯蔵を行い、パッカーの近くでボトルを
製造することが、流通のコストの面で優れている。更
に、プリフォームへの射出成形と、ボトルへの二軸延伸
成形とでは、生産速度や適性装置規模においてもかなり
の違いがあるので、プリフォームの射出成形工程と、ボ
トルの二軸延伸ブロー成形工程とを切り離し、両者をオ
フラインで製造することには、多くの利点があるものと
期待される。
【0006】ところが、オフラインで製造され、大気中
で保存されたプリフォームを二軸延伸ブロー成形する場
合には、オンラインで製造されたプリフォームを使用す
る場合からは全く予想外のトラブルが発生することが分
かった。
【0007】即ち、プリフォームを大気中で経時させた
場合、ボトル底部に対応するプリフォーム部分の延伸成
形性が大きく変動し、ボトル底部に高度の延伸配向を付
与することが困難となったり、底部重量が一定化しな
い、即ち底部の延伸配向の程度がボトル毎にまちまちと
なるという欠点が生じるのである。更に、自立性ボトル
では、底周辺部に足部と谷部とを交互に形成させること
により、自立性を付与しているが、底部に高度の延伸配
向を付与すると、自立性を付与するための足の部分に十
分な賦形性をもたせることが困難となったり、延伸成形
中に底中心に近い部分が結晶化したりするという問題も
認められた。
【0008】従って、本発明の目的は、射出成形で形成
されたポリエステルプリフォームを成形工程外で保存し
た後、延伸ブロー成形することにより形成されたポリエ
ステルボトルにおいて、延伸成形性の変動が解消され、
底部が一様に延伸薄肉化されていると共に、底部の自立
性、更には、耐熱性や耐熱圧性にも優れているポリエス
テルボトルを提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、エチレ
ンテレフタレート単位を主体とする熱可塑性ポリエステ
ルを非晶質のプリフオームに射出成形し、このプリフオ
ームを延伸温度に加熱した後、延伸ブロー成形すること
から成るポリエステルボトルにおいて、(1)このボト
ルは、射出成形したプリフオームを、成形工程外にて保
存した後、延伸ブロー成形工程に付することにより得ら
れたものであり、(2)このボトルは底部に自立構造を
有すると共に、底中心部を除くボトル底部が1mm以下
の肉厚に延伸されており、且つ(3)ボトルを構成する
ポリエステルは、下記式 0.70≦IV≦0.80 ‥(I) 20*IV−14.2≦DEG≦12*IV−7.4 ‥(II) で規定される固有粘度(IV、dL/g)及びジエチレ
ングリコール含有量(DEG、wt%)を満足するもの
であることを特徴とするポリエステルボトルが提供され
る。本発明のポリエステルボトルでは、耐熱用及び耐熱
圧用に関しては、更に(4)ボトルの口部が熱結晶化さ
れていること及び(5)ボトルを構成するポリエステル
が下記式 1.0≦DEG≦1.4 ‥(III) で規定されるジエチレングリコール含有量(DEG、w
t%)を満足することが好ましい。更に、本発明のポリ
エステルボトルにおいては、更に(6)用いるプリフオ
ーム底部のゲート直下を除く最大肉厚が4.2mm以上
であること、及び(7)成形に用いる熱可塑性ポリエス
テル樹脂の触媒がSb系以外の触媒であることが好まし
い。
【0010】
【発明の実施形態】
[作用]本発明は、ボトルを構成するポリエステルの固
有粘度(IV、dL/g)及びジエチレングリコール含
有量(DEG、wt%)が上記式(I)及び(II)を同
時に満足する場合に、射出成形したプリフオームを、成
形工程外にて保存した後、延伸ブロー成形工程に付する
ことにより得られたポリエステルボトルであっても、底
部に安定で耐熱性乃至耐熱圧性に優れた自立構造を形成
しうると共に、底中心部を除くボトル底部を、1mm以
下の肉厚になるように延伸して、高度に配向結晶化させ
得るという知見に基づくものである。
【0011】図1は、オフライン方式で製造した種々の
ポリエステルボトルについて、固有粘度(IV、dL/
g)と、ジエチレングリコール含有量(DEG、wt
%)との関係をプロットしたものであり、図中の直線A
は式 DEG=20*IV−14.2 の直線を、直線Bは式 DEG=12*IV−7.4 を表しており、また直線Cは下記式 IV=0.7 の直線を、直線Dは下記式 IV=0.8 の直線を表している。更に、図中のプロットは、後述す
る例の試料Noと対応している。
【0012】本発明によれば、ポリエステルの固有粘度
(IV、dL/g)と、ジエチレングリコール含有量
(DEG、wt%)とを、上記4本の直線で囲まれる範
囲にコントロールすることにより、オフライン方式であ
っても、底部の延伸成形性を向上させると共に、延伸成
形性の変動を抑制し、安定な自立構造を底部に形成する
ことができる。
【0013】本発明において、ボトルを構成するポリエ
ステルの固有粘度(IV、dL/g)及びジエチレング
リコール含有量(DEG、wt%)を上記の特定の範囲
に選択することにより、オフライン方式における延伸成
形性の変動を抑制することに成功したのは、多数の実験
の結果見出されたものであり、格別の理論に拘束される
ものでは決してないが、次のように考えられる。
【0014】即ち、成形されたプリフォームのデシケー
タ中の防湿保存では、経時に係わらず、プリフォームの
延伸成形性の低下や延伸成形性の変動は全く認められな
かった。一方、引っ張り荷重−伸度曲線を求めると、成
形されたプリフォームの加湿下保存では、経時により、
経時していない場合に比して、降伏変形後の一定の伸び
に対する応力が低くなると共に、応力の立ち上がりも遅
くなっており、これがプリフォームの延伸成形性の低下
や延伸成形性の変動の原因と考えられる。また、加湿下
保存では、ポリエステル中の含水率は経時と共に増加
し、この傾向は樹脂の種類に関係なくほぼ同じである
が、延伸成形の低下や延伸成形性の変動の樹脂間の違い
については、含水率だけでは説明できないことが分かっ
た。
【0015】本発明者らは、この原因について究明した
結果、ポリエステル中のジエチレングリコール含有量及
び固有粘度と、経時後のプリフォームの延伸成形性とは
密接な関係があり、ポリエステル中のジエチレングリコ
ール含有量が多くしかも固有粘度が低い場合(図1中の
直線Bよりも左側及び上側の領域)では、延伸成形性の
変動が大きく、一方ポリエステル中のジエチレングリコ
ール含有量が少なく或いは固有粘度が高い場合(図1中
の直線Aよりも右側及び下側の領域)では、底部の延伸
成形性や自立構造への賦形性の点、更には底中心部の結
晶化が生じやすい点などの問題があり、経時後のプリフ
ォームの延伸成形性に関して、ポリエステル中のジエチ
レングリコール含有量及び固有粘度には最適範囲がある
ことを見出したものである。
【0016】本発明のポリエステルボトルは、内容物を
熱間充填し或いは充填後湯殺菌等を行う耐熱用ボトル乃
至耐熱圧用ボトルとして有用であるが、この場合、未延
伸のボトル口部は、密封時の寸法安定性の点で、熱結晶
化させるのが一般的である。この用途のボトルでは、ジ
エチレングリコール含有量(DEG)は、1.0乃至
1.4%の限られた範囲にあることが好ましい。即ち、
DEGが上記範囲よりも大きいと、経時安定性や成形安
定性が低下する傾向があると共に、上記の口部熱結晶化
に際して結晶化速度が低下する傾向がある。DEGがあ
まりにも少ないと、前述した問題点が生じやすくなると
共に、このようなポリエステルの工業的な製造も難しく
なる。
【0017】また、本発明のポリエステルボトル、特に
内容積が500mLを越えるようなボトルでは、交互に
配置された谷部と足部とからなる自立底部構造を形成し
ているため、製造に用いるプリフォームは、ゲート残部
を除いて、底部の最大肉厚が4.2mm以上となってい
ることが好ましい。このように、プリフォームの底部を
肉厚にすることに関連して、本発明では、ボトルを構成
するポリエステルは、Sb系以外の触媒、特にGe系触
媒を用いて製造されたポリエステルであることが好まし
い。Sb系触媒を用いて製造されたポリエステルでは、
最も冷却が遅くなるゲート近傍が結晶化するため、ゲー
ト残部を除いて、底部を1mm以下に高延伸薄肉化する
という本発明の構成を達成することが困難となる。
【0018】以上説明した本発明によれば、ポリエステ
ルプリフォームの射出成形工程と、ポリエステルプリフ
ォームの二軸延伸ブロー成形工程とをオフラインで実施
できる結果として、夫々の工程を最も能率よく実施でき
ると共に、流通コストを低減でき、更にこのオフライン
で製造されるボトルにおいても、延伸成形性の変動が解
消され、底部が一様に延伸薄肉化されていると共に、底
部の自立性、更には、耐熱性や耐熱圧性にも優れている
という利点が奏されるものである。
【0019】[ポリエステルボトル]本発明のボトルの
一例を示す図5において、このボトルはポリエステルの
二軸延伸ブロー成形によって形成された口頚部1、肩部
2、胴部3及び底部4を備えており、底部4はその中心
に底中心部5を有し且つ周辺に複数の谷部6と複数の足
部7とを交互に有している。谷部6は底方向に凸の仮想
曲面上に位置しており、一方谷部間に位置する足部7
は、谷部6よりも底方向に突出して設けられている。足
部7は中央の付けから径外方向及び軸外方向にのびてい
る先端部8が接地部となっている。
【0020】本発明のボトルにおいては、口頚部1は、
キャップとの締結、密封に際して十分な密封精度が得ら
れるように、熱結晶化されており、その密度法による結
晶化度は、一般に25%以上、特に35%以上である。
【0021】尚、本明細書において、結晶化度は、密度
勾配管を用いて次のように求められる値をいう。即ち、
試料について、まず20℃のnヘプタン−四塩化炭素系
密度勾配管により密度を求め、次式に従い計算した。 ここで、X:結晶化度(%) d:試料の密度(g/cm3 ) dc:結晶領域の密度(=1.455g/cm3 ) da:非晶領域の密度(=1.335g/cm3
【0022】本発明のボトルにおいて、胴部3が高度に
延伸薄肉化され、高度な配向結晶化状態となっているこ
とは当然であるが、底部4も底中心部5、即ちゲート残
部を除き、1mm以下の厚みに高度に延伸薄肉化されて
いる。
【0023】即ち、底部4は底中心部5を除いて、比較
的高延伸状態にて薄肉化されている。すなわち、比較的
高延伸状態にて薄肉化された底部は高配向結晶化されて
おり、60〜70℃程度の温度域での降伏応力強度が十
分高くなっている。従って、65℃程度温度で熱殺菌処
理を行う耐熱乃至耐熱耐圧容器として十分に使用でき
る。
【0024】具体的には、底部は底中心部を除いて、1
mm以下、より好ましくは0.8mm以下の板厚であ
り、且つ結晶化度が20%以上、より好ましくは25%
以上に比較的に高延伸状態で配向結晶化されていること
が好ましい。
【0025】底部の配向結晶化による結晶化度が20%
を下回る比較的低延伸状態の場合、通常底部の板厚は1
mmを越えるが、オフライン成形において肉厚の変動が
起こりやすくなり、急激に高温域での降伏応力強度の低
下が生じやすくなる。
【0026】本発明では、底中心部を除き比較的に高配
向に延伸薄肉化された底部を加熱、熱固定して、熱結晶
化させることにより、底部、特に底中央近傍の谷部の強
度を高めることができ、耐熱耐圧性能を一段と向上させ
ることができる。この際、比較的に高配向に延伸薄肉化
された底部は、130℃〜200℃程度の温度にて熱固
定することにより、殆ど白化することなく熱結晶化し、
それ故、十分な耐衝撃性能を有することができる。この
底部の熱固定によって、少なくとも胴径の50%程度の
直径の範囲内にある底谷球状面部の結晶化度を上昇させ
ることが重要であり、その部位の結晶化度は30〜55
%とすることが好ましい。
【0027】ボトルの自立安定性の点で、底中心部5か
ら足接地部8までの高さ(足高さH 0 )はある一定値以
上の値であることが好ましい。一般に、この足高さH0
は3mm以上であるのが望ましく、一般に8mm以下で
あることが好ましい。足高さH0 が3mmを下回ると、
内容物の充填及び熱殺菌処理後の容器の自立性を有効に
確保することが難しく、また、足高さH0 が8mmを上
回ると、谷部から足部までの距離が長くなり、足部先端
の厚みを確保することが難しくなる。この足高さを確保
する上で、底部の成形性や賦形性が重要となることが了
解されよう。
【0028】足部7の本数は5乃至6本であることが好
ましい。足部の本数が4本以下の場合、足の間隔が広く
なりすぎて、空容器の転倒角が小さくなり、転倒し易く
なる。一方、足部の本数を7本以上とすると、足部の幅
が狭くなることにより、足部の成形性が劣ることにな
る。
【0029】本発明の自立ボトルにおいては、底足部先
端8に十分な肉厚を確保することが好ましい。底中心近
傍を含めて底部を比較的高延伸状態に薄肉化する場合、
谷部6から最も距離のある足部先端8の肉厚が極端に薄
くなる傾向があるが、経時後のポリエステルプリフォー
ムの成形性を保持して、その部位の最低肉厚を十分に確
保する必要がある。具体的には、足部先端の最低肉厚は
ボトルの強度上0.13mm以上、より好ましくは0.
15mm以上とすることが望ましい。
【0030】[ポリエステル]本発明のボトルを構成す
るポリエステルは、エチレンテレフタレート単位を主体
とし、且つボトルの状態において、前述した固有粘度と
ジエチレングリコール含有量を有するものである。
【0031】本発明に用いるエチレンテレフタレート系
熱可塑性ポリエステルは、エステル反復単位の大部分、
一般に70モル%以上、特に80モル%以上をエチレン
テレフタレート単位を占めるものであり、ガラス転移点
(Tg)が50乃至90℃、特に55乃至80℃で、融
点(Tm)が200乃至275℃、特に220乃至27
0℃にある熱可塑性ポリエステルが好適である。
【0032】ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱圧
性の点で好適であるが、エチレンテレフタレート単位以
外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使
用し得る。
【0033】テレフタル酸以外の二塩基酸としては、イ
ソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳
香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂
環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種
又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール
以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノー
ル、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の
1種又は2種以上が挙げられる。
【0034】[プリフォームの射出成形]本発明のオフ
ライン方式によるボトルの製造では、先ず射出成形によ
り、有底筒状のプリフォームを製造する。
【0035】本発明に用いるプリフォームの一例を示す
図6において、このプリフォーム10は、口頚部11、
胴部12及び閉塞底部13から成っており、首部11に
は、ネジ等の蓋締結機構14及び容器保持のためのサポ
ートリング15等が設けられている。耐熱乃至耐熱圧用
途では、口頚部11は、後段の二軸延伸ブロー成形に先
だって、長さKの範囲にわたって熱結晶化されている。
この熱結晶化された口頚部11は、図5の容器口頸部1
となるものである。
【0036】ポリエステル材料のプリフォーム10への
成形には、射出成形を用いることができる。即ち、プラ
スチックを冷却された射出型中に溶融射出して、過冷却
された非晶質のプラスチックプリフォームに成形する。
【0037】射出機としては、射出プランジャーまたは
スクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノ
ズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射
出型中に射出する。これにより、ポリエステルは射出型
キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用の
プリフォームとなる。
【0038】射出型としては、容器形状に対応するキャ
ビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或い
はマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度
は270乃至310℃、圧力は28乃至110kg/c
2 程度が好ましい。
【0039】本発明では、このように製造されるプリフ
ォームを、プリフォームの成形工程外にて保存した後、
延伸ブロー成形工程に付する。この二軸延伸ブロー成形
に先だって、必要によりプリフォーム口頚部の熱結晶化
及びプリフォームの延伸温度への加熱を行う。尚、耐熱
乃至耐熱圧用途では、プリフォーム口頚部の結晶化を行
うが、この口部結晶化は、射出成形の最後、独立した中
間工程、ブロー成形の最初の工程、或いはブロー成形工
程以降の任意の段階で行うことができる。
【0040】[二軸延伸ブロー成形]プリフォーム10
の口頚部11の熱結晶化は、これらの部分をそれ自体公
知の手段で選択的に加熱することにより行うことができ
る。ポリエステル等の熱結晶化は、固有の結晶化温度で
顕著に生じるので、一般にプリフォームの対応する部分
を、結晶化温度に加熱すればよい。加熱は、赤外線加熱
或いは誘電加熱等により行うことができ、一般に延伸す
べき胴部を熱源から断熱材により遮断して、選択的加熱
を行うのがよい。
【0041】上記の熱結晶化は、プリフォーム10の延
伸温度への予備加熱と同時に行っても或いは別個に行っ
てもよい。口部熱結晶化は、プリフォーム底部及び口部
を、他の部分と熱的に絶縁した状態で、一般に140乃
至220℃、特に160乃至210℃の温度に加熱する
ことにより行うことができる。プリフォーム口部の結晶
化度は25%以上であるのがよい。
【0042】プリフォームの延伸温度は、一般に85乃
至135℃、特に90乃至130℃の温度が適当であ
り、その加熱は、赤外線加熱、熱風加熱炉、誘電加熱等
のそれ自体公知の手段により行うことができる。その
際、プリフォームの底部13と胴部12の加熱温度差を
10℃以内とすることが好ましい。
【0043】プリフォームの二軸延伸ブロー成形は、所
謂1段法でも、2段法でもよい。一般には、2段法が好
適である。
【0044】1段法では、延伸温度に加熱されたプリフ
ォームを金型内でプリフォーム内部に挿入された延伸棒
とプリフォーム外部のプレス棒とでプリフォームの底中
心部を挟み込み、次に延伸棒を駆動しながら同時にプリ
フォーム内部に高圧気体を吹き込むと共に延伸加工が終
了する直前までの間上記底中心部の温度低下を40℃以
内に保持して二軸延伸ブロー成形を行い、これにより、
底中心部を除き比較的高延伸状態で薄肉化された複数の
谷部及び足部より構成された底部を有する容器とし、必
要により容器の底部を金型内で熱固定する。
【0045】延伸倍率は、軸方向延伸倍率を2乃至5
倍、特に2.2乃至4倍、周方向延伸倍率を2.5乃至
6.6倍、特に3乃至6倍とするのがよい。軸方向延伸
倍率は、プリフォーム成形品の軸方向の長さと延伸棒の
ストローク長とによって決定されるが、周方向の延伸倍
率は、プリフォームの径と金型キャビティの径とにより
決定される。圧力流体としては、室温或いは加熱された
空気や、その他のガス、例えば窒素、炭酸ガス或いは水
蒸気等を使用することができ、その圧力は、通常10乃
至40kg/cm2 ゲージ、特に15乃至30kg/c
2 ゲージの範囲にあるのがよい。
【0046】二軸延伸ブロー成形に際して、予備加熱さ
れたプリフォームを、コア金型によりその首部を支持し
て、一対の割金型で形成されるキャビティ内に保持す
る。コア金型の反対側には、最終成形品の自立性底形状
を規定する底金型を配置する。コア金型の側に延伸棒及
び底金型の側にプレス棒を同軸となるように配置し、引
っ張り延伸に際して、プリフォームの底部中心部を延伸
棒とプレス棒とにより狭持し、延伸棒を前進駆動し、プ
リフォームを軸方向に引っ張り延伸すると共に、プリフ
ォーム内に前述した流体を吹き込んで、プリフォームを
周方向に膨張延伸させ、これにより底部が二軸延伸され
しかも複数の足部と谷部が交互に配置された底形状の最
終製品とする。
【0047】最終製品の底部を比較的高延伸状態にて薄
肉化するためには、プリフォームの底部13と胴部12
との加熱温度差を10℃以内とすること及び延伸加工が
終了する直前の間までのプリフォーム底部の温度低下を
40℃以内、より好ましくは30℃以内とするのがよ
い。
【0048】プリフォーム底部13の挟み込み部の温度
低下を上記範囲内に維持するために、延伸棒を中空に形
成して、その内部に気体通路を形成し、且つ側面に気体
吐き出し用の孔を形成すると共に、延伸棒の先端に、断
熱部材、例えばジルコニアのような断熱性セラミック製
の把持部を装着して、熱伝導による底部中心部の温度低
下が可及的に少なくなるようにするのがよい。同様に、
プレス棒の先端に、小径の先端金属部材を設け、この先
端金属部材を、その中に組み込まれた電気ヒーターによ
り温度制御して、先端部温度を60乃至130℃に保持
するのもよい。
【0049】所望によっては、、ブロー成形品の底部を
加熱された金型に密着させることにより、成形品の底部
を熱固定することができる。この場合、ブロー金型の底
型の温度を熱固定温度である130℃〜160℃に維持
するのがよい。この場合、成形品の底部は薄肉化されて
いるため、1〜5秒程度の短時間にて熱固定が終了す
る。
【0050】一方、2段法では、延伸温度に加熱された
プリフォームを金型内でプリフォーム内部に挿入された
延伸棒とプリフォーム外部のプレス棒とでプリフォーム
の底中心部を挟み込み、次に延伸棒を駆動しながら同時
にプリフォーム内部に高圧気体を吹き込むと共に延伸加
工が終了する直前までの間上記底中心部の温度低下を4
0℃以内に保持して二軸延伸ブロー成形を行い、これに
より、底中心部を除き比較的高延伸状態で薄肉化され
た、概ねドーム状の底部を有する2次成形品とし、該2
次成形品の少なくとも底部及び底部に連なる胴部の一部
を加熱収縮させて3次成形品とし、該3次成形品を金型
内にて2次ブロー成形して最終容器とする。
【0051】2段法における1次ブロー成形は、底金型
として次のものを使用する以外は、1段法の場合と同様
にして行うことができる。
【0052】底金型は、2次成形品の底部の高延伸化を
促進するために、曲率半径の大きな概ねドーム状の形状
をしていることが好ましく、特に底中央部に平坦状部を
設けることも有効である。また、底金型は、2次成形品
の底形状を、続いて行う熱処理工程で底形状が以下に説
明する好適な形に規制するためのものであり、胴部形成
部よりも大きい径の底形成部を有しているのが望まし
い。即ち、2次成形体の底部の直径を最終容器の胴部及
び底部直径よりも大きい大径部に形成させておくことも
有用であり、これは、2次成形品の底部の収縮に際し
て、径の大きい底部が中心側へのくぼみを抑制して、半
球状面を形成するように作用するからである。
【0053】更に、底金型の中心近傍に内向きの小さな
突起を設けておくと、ブロー金型の平坦状部に到達する
成形品のタイミングを遅らせるという効果が得られ、こ
れにより、底中央及びその周縁の延伸度合いを高めるこ
とができる。また、1次ブロー成形に際して、2次成形
体の底部の中央部外面に比較的小さな凹部が形成され、
熱処理工程で、3次成形体の底肩部が径内方側に過度に
引き込まれるのが防止される。これは、前記凹部が熱収
縮時に底部を半球状面に持ち上げる作用をしているため
と思われる。
【0054】得られた2次成形品の底部は底中心部を除
き、結晶化度が20%以上、より好ましくは25%以上
に比較的に高延伸状態にて配向結晶化しており、且つ1
mm以下、より好ましくは0.8mm以下の肉厚に薄肉
化されている。
【0055】2次成形品の熱処理は、例えば次の通り行
われる。即ち、2次成形品をコア金型に支持して自転さ
せ、この2次成形品の底部及び底部に連なった胴部の少
なくとも一部と対面するように赤外線加熱体を設ける。
2次成形品の底部及び底部に連なった胴部の少なくとも
一部を赤外線加熱体からの赤外線で加熱し、高さ方向及
び径方向に収縮させて、最終製品形状である2次ブロー
金型に収まる形状を有する3次成形品とする。
【0056】3次成形品の底部の形状を、2次ブロー金
型の底谷部にできるだけ接近させることが好ましく、そ
れにより、最終製品の足部の成形を容易にすることがで
きる。
【0057】2次成形品の比較的高延伸状態で薄肉化さ
れた底部及びそれに連なる胴部の一部の加熱温度を13
0〜200℃とすることが好ましく、得られた3次成形
品は収縮(応力緩和)すると共に熱固定され、熱結晶化
が進行する。この際、2次成形品の底部は、比較的延伸
状態の低い底中心部を除いて、比較的高延伸状態にある
ため、加熱による白化は殆ど生じない。
【0058】赤外線放射体からの加熱は、非接触式加熱
であるので、底部及び一部胴部の収縮が、拘束なしに行
われ、また、2次成形品の表面に照射された赤外線は、
その一部が板厚分を通過し、照射部位に対向する反対側
の内面側に至ってその一部がさらに吸収され内面側から
器壁の赤外線による加熱が極めて効率良く短時間内に均
一に行われる。
【0059】また、前記熱処理工程の赤外線放射体を、
2次成形品が移動する通路にそって、この通路の上部乃
至側面に配置された一または二以上の赤外線放射体で構
成し、この赤外線放射体内を2次成形品を軸方向に自転
させて加熱しながら移動すれば、2次成形品の加熱収縮
と工程間の移動が同時にできるので、ロスタイムなしで
熱処理を行うことができると共に、生産性を向上させる
ことができる。赤外線放射体は、400〜1000℃程
度に加熱された比較的放射効率に優れた且つ比較的表面
積の大きな面状の表面を有するものを組み合わせて使用
するのがよい。これにより、比較的高エネルギー密度の
赤外線を2次成形品に照射することができ、短時間加熱
が可能となる。特に、2次成形品の加熱部位は高延伸に
より薄肉化されているため、前記赤外線加熱体により、
例えば10秒以内の短時間にて所定の温度とすることが
できる。その赤外線加熱体としては具体的には炭素鋼或
いはステンレス鋼等の金属面、アルミナ、マグネシア或
いはジルコニア等のセラミック面、セラミックとカーボ
ン等の複合材面などの固体表面或いはガスを燃焼して得
られる気体表面などが利用できる。固体からなる赤外線
加熱体の表面は埋め込んだ電熱ヒータによる加熱或いは
高周波誘導加熱などにより所定の温度とする。
【0060】加熱された3次成形体を、2次ブロー成形
に付する。3次成形品24を、コア金型によりその首部
を支持して、閉じた割金型内に保持する。コア金型の反
対側には、最終容器の底形状を規定する底金型を配置す
る。3次成形品内に流体を吹き込んで、3次成形品を2
次ブロー成形し、図5に示すとおりの所定の谷部6及び
足部7を備えた最終容器の底形状(例えば6本足)に形
成する。成形された容器を、それ自体公知の取り出し機
構により、開いた2次ブロー金型から外部に取り出す。
この様にして得られた最終製品の底部は底中心部を除い
て、比較的高延伸状態にて薄肉化されており、且つ熱固
定されており、耐熱耐圧性能に優れる。
【0061】3次成形品では、熱処理による結晶化で、
弾性率が増加しているので、高い流体圧を用いて行うの
がよく、一般に15乃至45kg/cm2 の圧力を用い
るのが好ましい。
【0062】2次ブロー成形に際して、金型の温度は、
5乃至135℃の温度に維持して、成形後直ちに冷却が
行われるようにしてもよいし、或いは、最終成形品中に
冷風等を流して冷却が行われるようにしてもよい。
【0063】
【実施例】本発明を次の例で説明する。実施例中におけ
る測定は、次のように行った。
【0064】[測定方法] 1)ボトルの肉厚分布の成形安定性については、20本
を連続成形した中から5本を抜き出し、底型パーティン
グライン面で切断した底部の重量を測定して評価した。 2)経時保存中のプリフオームの水分率の変化について
は、三菱化学の電量滴定式水分測定装置CA−06を用
いて、カールフィツシャー法により測定した。試料中の
水分は付属の水分気化装置VA−06により230℃で
気化、採取した。 3)熱結晶化されたプリフオームの口部の結晶化度につ
いては、まず20℃のnヘプタン−四塩化炭素系密度勾
配管により密度を求め、次式に従い計算した。 ここで、X:結晶化度(%) d:試料の密度(g/cm3 ) dc:結晶領域の密度(=1.455g/cm3 ) da:非晶領域の密度(=1.335g/cm3 ) 4)ボトルのIVは、フェノール・1,1,2,2−テ
トラクロロエタン1:1混合溶媒(重量比)で1g/d
Lの濃度の試料を調整し、ウベローデ型粘度計にて30
℃の落下時間を測定し、次式により求めた。 ここで、 [η]:IV(固有粘度、dL/g) ηsp:比粘度(−) k’:ハギンスの恒数(=0.33) C :濃度(=1g/dL) τ :試料の落下時間(sec) τ0 :溶媒の落下時間(sec)。
【0065】[実施例1]本発明の効果を比較するため
に、表1に示す種々の組成を持つPET樹脂を用いて図
5に示す形状の1.5L炭酸ボトルの成形試験を行っ
た。射出成形機によりプリフォーム(49g、底部最大
肉厚4.5mm)を成形した。それぞれのプリフオーム
を22℃−50%RHの条件下で1昼夜保存した後、前
述した2段法で、延伸ブロー成形を行い、各樹脂毎に最
適な成形条件を求めた。成形安定性の指標としてボトル
のD底部重量の測定結果を表1に示す。
【0066】
【表1】
【0067】PET1は底部重量の変動が他の樹脂に比
べて大きかった。PET4は底部重量の変動は最も少な
かったが、足の先端の賦形性が不十分だった。PET
5、PET8はゲート部分が白く曇って所定の形状が得
られず、以降の成形を中止した。各プリフオームを22
℃−50%RH及び30℃−80%RHの条件下で経時
させ、初日に設定した成形条件で延伸ブロー成形を行
い、底部重量を測定した。測定結果を図2及び図3に示
す。
【0068】経時に伴うプリフオームの吸湿はどちらの
条件でも樹脂の種類に依らず、ほぼ同じ傾向で増加し
た。PET3について水分率を測定した結果を図4に示
す。
【0069】PET1は経時が進むと共に底部重量が増
加し、胴部の肉厚不足や底に未延伸部が残る等の不良が
現れた。PET4は肉厚の分布は安定していたが、賦形
性の不良は変わらなかった。その他はPET7>PET
6>PET2、PET3の順で変動が小さかった。
【0070】[実施例2]耐熱・耐熱圧用途への適応性
を評価する為、実施例1で成形したプリフォームの口部
を同一条件で加熱、結晶化し、所定の結晶化度(35%
以上)に達する時間を比較した。
【0071】PET3と比較してPET1は約1.2
倍、PET2は約1.5倍の時間を要し、これらの用途
には不向きであることが分かった。他の樹脂はPET3
とほぼ同程度の時間で35%の結晶化度を確保できた。
【0072】
【発明の効果】本発明によれば、ボトルを構成するポリ
エステルの固有粘度(IV、dL/g)及びジエチレン
グリコール含有量(DEG、wt%)を前記式(I)及
び(II)を同時に満足するようにすることにより、射出
成形したプリフオームを、成形工程外にて保存した後、
延伸ブロー成形工程に付することにより得られたポリエ
ステルボトルであっても、延伸成形性の変動を抑制し、
延伸成形性を向上させて、底部に安定で耐熱性乃至耐熱
圧性に優れた自立構造を形成しうると共に、底中心部を
除くボトル底部を、1mm以下の肉厚になるように延伸
して、高度に配向結晶化させることが可能となった。ま
た、本発明によれば、ポリエステルプリフォームの射出
成形工程と、ポリエステルプリフォームの二軸延伸ブロ
ー成形工程とをオフラインで実施できる結果として、夫
々の工程を最も能率よく実施できると共に、流通コスト
を低減でき、更にこのオフラインで製造されるボトルに
おいても、延伸成形性の変動が解消され、底部が一様に
延伸薄肉化されていると共に、底部の自立性、更には、
耐熱性や耐熱圧性にも優れているという利点が奏される
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフライン方式で製造した種々のポリエステル
ボトルについて、固有粘度(IV、dL/g)と、ジエ
チレングリコール含有量(DEG、wt%)との関係を
プロットしたグラフである。
【図2】実施例1において、各プリフオームを22℃−
50%RHの条件下で経時させ、初日に設定した成形条
件で延伸ブロー成形を行ったボトルについて、経時と底
部重量との関係を示すグラフである。
【図3】実施例1において、各プリフオームを30℃−
80%RHの条件下で経時させ、初日に設定した成形条
件で延伸ブロー成形を行ったボトルについて、経時と底
部重量との関係を示すグラフである。
【図4】実施例1の試料PET3について経時と水分率
との関係を示すグラフである。
【図5】本発明のボトルの一例を示す側面図である。
【図6】本発明のボトルの製造に用いるプリフォームの
一例を示す側面図である。
【符号の説明】
1 口頚部 2 肩部 3 胴部 4 底部 5 底中心部 6 谷部 7 足部 8 先端部 10 プリフォーム 11 口頚部 12 胴部 13 閉塞底部 14 蓋締結機構 15 サポートリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 22:00 C08L 67:02 (72)発明者 松野 建治 神奈川県横浜市南区六ツ川3−85−6 パ ークタウンハイツH−705号 (72)発明者 深堀 穂高 神奈川県横浜市西区西戸部町2−206

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主体とす
    る熱可塑性ポリエステルを非晶質のプリフオームに射出
    成形し、このプリフオームを延伸温度に加熱した後、延
    伸ブロー成形することから成るポリエステルボトルにお
    いて、(1)このボトルは、射出成形したプリフオーム
    を、成形工程外にて保存した後、延伸ブロー成形工程に
    付することにより得られたものであり、(2)このボト
    ルは底部に自立構造を有すると共に、底中心部を除くボ
    トル底部が1mm以下の肉厚に延伸されており、且つ
    (3)ボトルを構成するポリエステルは、下記式 0.70≦IV≦0.80 ‥(I) 20*IV−14.2≦DEG≦12*IV−7.4 ‥(II) で規定される固有粘度(IV、dL/g)及びジエチレ
    ングリコール含有量(DEG、wt%)を満足するもの
    であることを特徴とするポリエステルボトル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたポリエステルボト
    ルにおいて、更に(4)ボトルの口部が熱結晶化されて
    いること及び(5)ボトルを構成するポリエステルが下
    記式 1.0≦DEG≦1.4 で規定されるジエチレングリコール含有量(DEG、w
    t%)を満足することを特徴とするポリエステルボト
    ル。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたポリエステルボト
    ルにおいて、更に(6)プリフオーム底部のゲート直下
    を除く最大肉厚が4.2mm以上であること、及び
    (7)成形に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂の触媒が
    Sb系以外の触媒であることを特徴とするポリエステル
    ボトル。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094510A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Toyo Seikan Kaisha Ltd プリフォーム成形方法及びプリフォーム

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003094510A (ja) * 2001-09-26 2003-04-03 Toyo Seikan Kaisha Ltd プリフォーム成形方法及びプリフォーム
JP4736291B2 (ja) * 2001-09-26 2011-07-27 東洋製罐株式会社 プリフォーム成形方法及びプリフォーム

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