JP4551448B2 - 加速度発生装置及び擬似力覚発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、手応えのような力覚を利用者に知覚させる技術に関し、特に、その反作用力を支持する支点や力点を外部や人体に必要とせず、物理的な作用力としての平均はゼロのままでありながら力覚を知覚させる装置に関する。
現代は情報が輻輳する時代である。ところが、人間の情報処理能力には限界がある。それもかかわらず、従来の情報提供手法は視覚や聴覚を用いたものが中心であった。そのため、視聴覚に対する情報提供では、提供された情報が視聴覚に集中し、ユーザの注意を遷移させてしまうという点が問題であった。また、視聴覚の刺激を運動に反映させるには意識上の解釈を必要とするため、情報を受けてから動作を開始するまでの遅延時間が比較的長いという問題点もあった。
このような問題点を解決するため、視聴覚チャンネル以外の情報提供チャンネルとして手応え等の力覚チャンネルの開発が進められている。
従来の力覚研究は接地型、非接地型の2つに分類することができる。接地型は、発生させる力覚の反作用力を支持する支点や力点を外部或いは人体に固定する形態であり、非接地型は、このような支点・力点を用いない形態である(例えば、非特許文献1、特許文献1参照)。
しかし、従来の力覚発生手法では、モバイル機器やウェアブルコンピューティングなどの可搬型機器分野への応用が困難であったという問題点がある。
例えば、外部に支点・力点を固定する接地型の場合、自由な移動を伴うモバイル機器やウェアラブルコンビューティングなどの分野ヘの応用は困難である。また、支点・力点を作用点以外の身体部位に設ける接地型の場合、提示した力覚情報の反作用力も人体に加わるため、この力覚情報によって正確な方向情報を提示することは困難である。また、特許文献1「撃力発生装置及びその制御装置、制御方法並びにプログラム」は急激なモーメント力の反作用によって上記の問題点を解決するために発明されたものであるが、提示可能な力覚が撃力に限定されており、時間的に安定した力覚を提示することは困難であった。
これに対し、本願の発明者は、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させる手法を提案している(本願の優先日時点で未公開であった「特開2006−065665」)。この手法は、回転動力に対してリンク機構等を適用し、正負の絶対値が大きく異なる加速度を発生させるものである。
筧直之,矢野博昭,斉藤充,小木哲郎,廣瀬通考:投入型仮想空間における力覚提示デバイスHapticGERAの開発とその評価,日本バーチャルリアリティ学会論文誌,VOL. 5, No.4, pp. 1113-1120, 2000. 特開2002−346225号公報
しかし、リンク機構或いは非円形歯車機構を用いた特開2006−065665の手法では、回転動力がリンク機構等に伝達された際、力覚を知覚させたい方向と異なる方向の力ベクトルも発生してしまうという問題点がある。この力ベクトルは、力覚を知覚させたい方向と異なる方向の振動として知覚され、力覚提示機能を低減させる原因となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、反作用力を支持する支点や力点を外部や人体に設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させ、なおかつ、力覚を知覚させたい方向と異なる方向の力ベクトルの発生を抑制し、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1の本発明では、特定の直線上で周期的な並進運動を行う移動部材と、特定の直線と平行な方向に発生させた第1の力を、移動部材に対し、特定の直線と平行な方向に加える第1の作用部と、特定の直線と平行な方向に発生させた第2の力を、移動部材に対し、特定の直線と平行な方向に加える第2の作用部と、を有し、第1の力の大きさは、第1の作用部の支点に対する移動部材の相対位置によって異なり、第2の力の大きさは、第2の作用部の支点に対する移動部材の相対位置によって異なり、移動部材は、特定の直線と平行な一方向を正方向とし、当該正方向の反対方向を負方向とした場合における、移動部材の一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う加速度発生装置が提供される。
通常、物理的に完全な作用力を生じさせるためには、その反作用力を支持する支点や力点が必要となる。これに対し、本発明では、そのような支点や力点はなく、物理的な作用力としての平均はゼロのままである。しかし、本発明の移動部材は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行う。そして、この移動部材の加速度の正負の絶対値の差、作用時間の差及び人間の力覚知覚の非線形性により、上記の特定の直線上の狙った方向ヘの擬似的な力覚を表示する(詳細は後述)。さらに、本発明では、第1の作用部及び第2の作用部が上記の特定の直線と平行な力を移動部材に加えることによって移動部材の並進運動を実現している。この場合、第1の作用部及び第2の作用部は、上記の特定の直線と平行な方向以外の加速度を生じさせない。そのため、上記の特定の直線方向と異なる方向の力ベクトルの発生を抑制できる。なお、本発明における「平行」とは厳密な平行のみを意味するのではなく、本発明の目的を達成できる程度の幅を持った概念(略平行)である。
また、第1の本発明において、第1の力の大きさと第2の力の大きさとの比率は、第1の作用部の支点及び第2の作用部の支点に対する移動部材の相対位置によって変化する。これにより、移動部材が、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行う。
また、第1の本発明において、移動部材の正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とでは、加速度の変化に対する生体の知覚反応量の変化の比率が異なる。これにより、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させることが可能となる。
この移動部材の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。そして、移動部材は、例えば、その加速度と、その加速度の力を人体に加えた際に人体が知覚する加速度と、の関係を示すS字型曲線の傾きが、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで異なる、並進運動を行う。この移動部材の加速度の正負の絶対値の差、作用時間の差及び人間の力覚知覚の非線形性により、上記の特定の直線上の狙った方向ヘの擬似的な力覚を表示できる(詳細は後述)。
また、第1の本発明において好ましくは、第1の作用部及び第2の作用部の少なくとも一方は、バネの弾性力によって移動部材に力を加える構成を採り、当該加速度発生装置は、バネの少なくとも一方のバネ定数を変化させるバネ定数可変部を有する。なお、ここでの「バネ」とは、金属材料のコイルバネや板バネのみに限らず、ゴムや合成樹脂や空気バネや液体バネ等のその他の弾性体をも含む広い概念である。
ここで、バネ定数可変部によって上述のバネ定数を変化させることにより、第1の作用部が移動部材に加える第1の力、及び、第2の作用部が移動部材に加える第2の力の少なくとも一方を変化させることができる。これにより、移動部材が行う並進運動の周期や振幅を変化させ、移動部材の加速度を調整することが可能となる。そして、この調整は、加速度発生装置を動作させる前だけではなく、移動部材が並進運動を行っている最中であっても可能である。
また、好ましくは、第1の本発明の加速度発生装置は、フレームを具備し、特定の直線は、フレームを基準とした直線であり、移動部材は、特定の直線上で周期的な並進運動を行う第1の永久磁石を具備し、第1の作用部は、支点がフレームに対して固定され、他端が移動部材に固定され、移動部材を、特定の直線上で振幅運動させる弾性体であり、第2の作用部は、特定の直線上の位置に配置され、支点が前記フレームに対して固定された第2の永久磁石である。これによって第1の本発明の構成が実現できる。
また、好ましくは、第1の本発明の加速度発生装置は、フレームを具備し、特定の直線は、フレームを基準とした直線であり、第1の作用部は、特定の直線上に配置される第1の鉄芯と、支点がフレームに固定され、他端が第1の鉄芯に固定され、第1の鉄芯を特定の直線上で振幅運動させる第1の弾性体と、を有し、第2の作用部は、特定の直線上に配置される第2の鉄芯と、支点がフレームに固定され、他端が第2の鉄芯に固定され、第2の鉄芯を特定の直線上で振幅運動させる第2の弾性体と、を有し、移動部材は、第1の鉄芯と第2の鉄芯との間を、特定の直線に沿って並進運動する。これによって第1の本発明の構成が実現できる。
さらにこの構成においてより好ましくは、第1の弾性体及び第2の弾性体の少なくとも一方は、バネであり、当該加速度発生装置は、バネである第1の弾性体及び第2の弾性体の任意の位置を、フレームに対して固定するバネ定数可変部を更に有する。また、第1の弾性体及び第2の弾性体の少なくとも一方を導電性のバネとし、当該加速度発生装置は、導電性のバネである第1の弾性体及び第2の弾性体に電圧を加える電源であるバネ定数可変部を更に有する構成としてもよい。電圧が加えられたバネはその電気抵抗に応じて発熱する。これにより、バネのバネ定数が変化する。その結果、移動部材が行う並進運動の周期や振幅を変化させ、移動部材の加速度を調整することが可能となる。そして、これらの調整は、加速度発生装置を動作させる前だけではなく、移動部材が並進運動を行っている最中であっても可能である。
また、好ましくは、第1の本発明の加速度発生装置は、フレームと、フレームに対する特定の直線方向の相対位置を変更可能な可動部とを有し、第1の作用部は、フレームを支点とし、移動部材に対して第1の力を加える構成を採り、第2の作用部は、可動部を支点とし、移動部材に対して第2の力を加える構成を採る。
ここで、フレームに対する可動部の相対位置を、上述した特定の直線方向に変化させた場合、第1の作用部及び第2の作用部の少なくとも一方に対する移動部材の相対位置は必ず変化する。その結果、移動部材に加えられる第1の力と第2の力との合力も変化させることができ、移動部材の並進運動の周期及び振幅を変化させることが可能となる。すなわち、フレームに対する可動部の相対位置を変化させるだけで、容易に移動部材の加速度を調整することができる。そして、この調整は、加速度発生装置を動作させる前だけではなく、移動部材が並進運動を行っている最中であっても可能である。
また、上記課題を解決するために、第2の本発明の擬似力覚発生装置は、第1の本発明の加速度発生装置を2台以上具備してなる。これにより、各加速度発生装置が発生した加速度を合成し、2次元或いは3次元空間内に任意に非対称な加速度を発生させることができる。
また、好ましくは、第2の本発明の擬似力覚発生装置は、擬似力覚発生装置を構成する所定数の加速度発生装置を駆動させた場合、それぞれの加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和が、全ての時刻においてゼロとなる。これにより、駆動させる擬似力覚発生装置に応じて任意な方向の力覚を発生させたり、力覚を全く発生させなかったりといった制御が可能となる。
また、好ましくは、第2の本発明の擬似力覚発生装置は、当該擬似力覚発生装置を構成する複数の加速度発生装置間の位置関係を変化させる位置可変部を有し、当該擬似力覚発生装置を構成する複数の加速度発生装置が所定の位置関係にある際、それぞれの加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和は、全ての時刻においてゼロとなり、当該擬似力覚発生装置を構成する複数の加速度発生装置が他の位置関係にある際、それぞれの加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和は、少なくとも一部の時刻においてゼロ以外の値となる。これにより、位置可変部を用いて擬似力覚発生装置を構成する加速度発生装置の位置関係を変化させることにより、任意な方向の力覚を発生させたり、力覚を全く発生させなかったりといった制御が可能となる。
また、上記課題を解決するために、第3の本発明の擬似力覚発生装置では、回転動力が伝えられる回転入力軸と、回転入力軸に伝えられた回転動力を、特定の直線上での周期的な並進運動に変換する動力伝達部と、動力伝達部によって伝達された動力により、特定の直線上での周期的な並進運動を行う移動部材と、特定の直線に対して動力伝達部と対称に構成された対称部とを有し、移動部材は、特定の直線と平行な一方向を正方向とし、当該正方向の反対方向を負方向とした場合における、移動部材の一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行い、動力伝達部及び対称部がそれぞれ発生させる力ベクトルの総和は、特定の直線と平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロであることを特徴とする擬似力覚発生装置が提供される。これにより、力覚を知覚させたい方向と異なる方向の力ベクトルの発生を抑制することが可能となる。
以上のように、本発明では、反作用力を支持する支点や力点を外部や人体に設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させ、なおかつ、力覚を知覚させたい方向と異なる方向の力ベクトルの発生を抑制し、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能となる。
図1Aは、第1の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した上面図である。また、図1Bは、図1Aにおける1B−1B断面図である。 図2A〜図2Cは、加速度発生装置の振る舞いを示したグラフである。 図3は、第2の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図4は、第3の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図5A〜図5Cは、加速度発生装置の振る舞いを示したグラフである。 図6は、第4の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図7A及び図7Bは、巻き数調整機構の構成例を説明するための部分断面図である。 図8は、第5の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図9A及び図9Bは、第6の実施の形態における加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図10A〜図10Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図11A〜図11Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図12A〜図12Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図13A〜図13Cは、第7の実施の形態のバリエーションを示した図である。 図13D〜図13Eは、第7の実施の形態のバリエーションを示した図である。 図14は、図13Aに示した構成の具体例であり、第6の実施の形態の加速度発生装置を利用した擬似力覚発生装置の構成を示した断面図である。 図15A〜図15Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図16A〜図16Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図17A〜図17Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図18A〜図18Cは、フレームに対する可動ボビンの相対位置による加速度発生装置の振る舞いの違いを示したグラフである。 図19は、第8の実施の形態の加速度発生装置の構成を示した断面図である。 図20Aは、第9の実施の形態の擬似力覚発生装置の構成を示した断面図である。また、図20Bは、図20Aの20B−20B断面図である。 図21Aは、第10の実施の形態の擬似力覚発生装置の構成を示した断面図である。また、図21Bは、図21Aの21B−21B断面図である。 図22は、第11の実施の形態における並進型の加速度発生装置の構成を例示した平面図である。 図23Aは、図22のW0方向からみた正面図であり、図23Bは図22における23A−23A部分断面図である。 図24A及び図24Bは、モータによって回転入力軸がW1方向回転した際の各機構の動きを例示した図である。 図25は、加速度発生装置を2つ組み合わせた擬似力覚発生装置の構成を示した図である。 図26A〜図26Cは、擬似力覚発生装置のモデルを示した概念図である。 図26D〜図26Fは、擬似力覚発生装置のモデルを示した概念図である。 図27は、知覚反応を近似するS字型曲線を例示した図である。 図28Aは各被験者の極性の正答率を示す表である。図28Bは各被験者の正答率の平均を極性ごとに表示したグラフである。 図29は、各被験者の正答率を示すグラフである。 図30A,30Bは、それぞれ、モータの回転周波数が10Hz,20Hzである場合の錘284の加速度を示すグラフである。 図30C,30Dは、それぞれ、モータの回転周波数が30Hz,40Hzである場合の錘284の加速度を示すグラフである。 図31Aは、同位相タンデム装置での力覚知覚方位精度の実験結果を示すグラフである。図31Bは、逆位相タンデム装置での力覚知覚方位精度の実験結果を示すグラフである。
符号の説明
10,40,50,60,91〜94,110,201 加速度発生装置
100,130,300 擬似力覚発生装置
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
〔原理〕
まず、本発明の構成によって、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させる原理を説明する。ある質量をもった物体の並進運動を考える。そしてこの並進運動は、擬似力覚を提示したい方向へは大きな加速度で短時間で移動し、逆の方向へは小さな加速度で長時間で移動する、偏加速度をもった周期運動であるものとする。この場合、この物体を含む系を把持しているユーザは、この提示方向への擬似力覚を知覚する。これは、人間の知覚特性を利用したものであり、把持動作に関わる固有感覚と触覚によって発生する現象である。すなわち、筋紡錘(筋肉の収縮を感知して感覚を起こす骨格筋中の感覚器)の反射特性には、筋の長さが変化するときに強く興奮する動的反応と、伸ばされた筋が一定の長さに保たれるときにインパルス発射を続ける静的反応とがある。また動的反応は、筋の長さの変化が比較的小さく急であるときに強い(例えば「大山正,今井省吾,和気典二編:新編 感覚・知覚心理学ハンドブック,誠信書房,1994.」参照)。このような知覚反応は一般に図27に示すようなS字型曲線(sigmoid curve)で近似できることが知られている。なおこの図の横軸は人体に加えられる物理的な加速度を示し、縦軸はその加速度が人体に加えられた際に人体が知覚する加速度(知覚反応量)を示している。物理的な周期運動では加速度を一周期分積分すると零になるが、このS字型曲線の知覚反応量は同様に積分しても零になるとは限らない。例えば、図27のf(x)のような範囲では、加速度の変化すなわち微分値の差(f1’(a+k)-f1’(a))が、感覚値の差よりも大きくなる。逆にf(x)のような範囲では、加速度の変化(f1’(b+k)-f1’(b))が、感覚値の差よりも小さくなる。これは、物理的な加速度の変化を感覚的に過小評価する箇所と、感覚的に過大評価する箇所とが存在することを意味している。そして、この感覚強度の違いを利用することにより、擬似的な力覚を発生させることができることを意味している。
また、皮膚表面と運動物体との接触面では、静止摩擦係数と動摩擦係数との関係により、ある加速度において並進運動の並進力が静止摩擦力を超え、すべりが生じることがある。そのため、提示したい方向へ大きな加速度を加えることにより、このすべりを発生させ、力覚を表示することもできる。
〔第1の実施の形態〕
まず、本発明における第1の実施の形態について説明する。
<構成>
図1Aは、第1の実施の形態における加速度発生装置10の構成を示した上面図である。また、図1Bは、図1Aにおける1B−1B断面図である。
図1に例示する通り、本形態の加速度発生装置10は、表裏面で磁気極性が異なる円盤状の永久磁石11,17(「第1,第2の永久磁石」に相当)と、リンク状のフレーム12aと、ドーナツ型円盤であるフレームベース12bと、円盤の中心部に窪み部13aを有するカップ状のヨーク(継鉄)13と、ポリプロピレン等の特殊繊維からなる糸状の弾性体である複数のセンターサスペンション14(「弾性体」に相当)と、円筒の一端(端部15b)を閉じた形状のボビン(絶縁材料)15と、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル16と、円柱状のヨーク(継鉄)18とを有する。
ヨーク13の窪み部13a内の底面13bには永久磁石17が固着されている。この例の場合、永久磁石17のN極側の面が底面13bに固着されている。また、この永久磁石17のS極側の面(底面13b側と反対の面/「支点」に相当)には、ヨーク18の底面18a固着されている。これにより、ヨーク18の支点がフレーム12aに対して固定される。
さらに、ヨーク13の表面部13cには、フレームベース12bが固着されている。なお、フレームベース12bの中空部12baは、窪み部13aの開口位置に配置されている。フレームベース12bのヨーク13と反対側の面のエッジ部分にはフレーム12aが固着されている。このフレーム12aの内周の同一円周上には、複数のセンターサスペンション14の一端(「支点」に相当)が、一定の間隔をおいて固着され、各センターサスペンション14の他端は、それぞれ「移動部材」を構成するボビン15の側面部15cの同一円周上に一定の間隔をおいて固着されている。これにより、ボビン15は、各センターサスペンション14の張力によってフレーム12a内の位置に配置される。さらに、このボビン15の内部15aの開口部側には、ヨーク18の少なくとも一部が配置される。ここで、ヨーク18の外径は、ボビン15の内径よりも小さい。また、ボビン15の側面部15cには、それを周回する一定の向きにコイル16が巻きつけられている。さらに、ボビン15の端部15bの外面には、永久磁石11が固着されている。この例の場合、永久磁石11のS極側の面が端部15bの外面に固着されている。そして、永久磁石11,17の中心軸と、ヨーク13の底面13bの中心軸と、ボビン15の端部15bの中心軸と、ヨーク18の中心軸とは、フレーム12aを基準としたほぼ同一の直線A(「特定の直線」に相当)上に配置される。
<動作>
以上のような構成により、ボビン15は、永久磁石11と永久磁石17とのクーロン力(磁極が同じSであるため斥力)と、センターサスペンション14による張力と、重力とのバランスが取れた位置(「原点位置」と呼ぶ)に配置されることになる。そして、コイル16に正弦波状の交流電流が供給されると、その電流の向きに応じた磁界が発生し(フレミングの左手の法則)、ボビン15及び永久磁石11(これらが「移動部材」に相当する)が直線A上で周期的な並進運動を行う。
ここで、ボビン15及び永久磁石11が原点位置からずれた位置に存在していた場合、弾性体であるセンターサスペンション14(「第1の作用部」に相当)の張力の合力(「第1の力」に相当)は直線Aと平行な方向に発生する。その合力はボビン15及び永久磁石11に対し、直線Aと平行な方向に加えられる。そして、その大きさは、センターサスペンション14の支点に対する、ボビン15及び永久磁石11の相対位置によって変化する。また、永久磁石17(「第2の作用部」に相当)と、永久磁石11とのクーロン力(「第2の力」に相当)は、直線Aと平行な向きとなり、その力は永久磁石11に対し、直線Aと平行な方向に加えられる。また、その大きさは、永久磁石17の支点に対する、ボビン15及び永久磁石11の相対位置によって変化する。すなわち、上述の「第1の力」の大きさと「第2の力」の大きさとの比率は、センターサスペンション14の支点と、ヨーク18の支点となる永久磁石17と、ボビン15及び永久磁石11との相対位置によって変化する。これにより、ボビン15及び永久磁石11は、正方向〔直線Aと平行な図1Bの上方向〕の加速度と、負方向〔直線Aと平行な図1Bの下方向〕の加速度とが、一周期中で非対称な並進運動を行う。すなわち、ボビン15及び永久磁石11は、その一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う。より具体的には、本形態のボビン15及び永久磁石11の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。
これを、重力及びコイル16によるクーロン力を無視した運動方程式で近似すると以下のようになる。
mx''=‐k(x‐x0)+M/x2 …(1)
M=m1m2/(4πμ) …(2)
ただし、本形態の場合、kはセンターサスペンション14のバネ定数を示し、mはボビン15及び永久磁石11の合計質量を示し、xはボビン15及び永久磁石11が「原点位置」にある際の永久磁石11と永久磁石17との距離を示し、xは永久磁石11と永久磁石17との距離を示し、x’’はxの2階微分(加速度)を示す。また、Mは永久磁石11と永久磁石17との磁荷斥力の比例定数であり、m,mは永久磁石11及び永久磁石17の磁気量をそれぞれ示し、μは透磁率を示す。
図2は、m=0.04[kg],k=50[N/m],M=0.2[N/m],x=130×10−3[m],ボビン15及び永久磁石11の初期速度x’(0)=0[m/s],永久磁石11と永久磁石17との距離の初期値x(0)=100×10−3[m]とした場合の加速度発生装置10の振る舞いを示したグラフである。ここで図2Aは、時間と距離xとの関係を示しており、縦軸は距離x[m]を横軸は時間[s]を表している。また、図2Bは、時間と速度x’との関係を示しており、縦軸は速度x’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。さらに、図2Cは、時間と加速度x’’との関係を示しており、縦軸は加速度x’’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。また、図2B及び図2Cでは、図1Bにおける上方向を正とし、下方向を負としている。
図2Cに示すように、ボビン15及び永久磁石11は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行っている。具体的には、正方向の加速度の最大値が500[m/s]程度であるのに対し、負方向の加速度の絶対値の最大値がその半分程度となっている。そして、正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なっていた場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲にあった場合、前述したような擬似的な力覚が発生する。言い換えれば、「移動部材」であるボビン15及び永久磁石11が、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで前述のS字型曲線の傾きが異なる並進運動を行う場合に、前述したような擬似的な力覚が発生する。
<本形態の特徴>
以上のように、本形態では、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させることができる。
また、加速度発生装置10は、直線A方向の単振動のみによって、このA方向に擬似的な力覚を発生させている。そのため、直線Aと異なる方向の力ベクトルはほとんど発生しない。これにより、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能となる。
さらに、加速度発生装置10は、摩擦等の損失が存在せず、エネルギーが完全に保存されるのであれば、永久に並進運動を継続する構成である。よって、コイル16に供給される交流電流は、この損失分を補う程度のものであればよい。すなわち、低い消費電力で上述の擬似的な力覚を発生させることができる。なお、コイル16に供給する交流電流の制御は、例えば、一般の共振駆動回路と同様に行う。すなわち、例えば、コイル16に発生する誘導起電力を検出し、その誘導起電力からボビン15及び永久磁石11の速度を計算し、指定された速度になるようにコイル16に交流電流を流す制御を行う。
加えて、加速度発生装置10は、一旦発生させた回転動力を並進運動に変換するのではなく、コイル16に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線A方向)の動力を直接発生させている。そのため、回転動力を並進運動に変換する場合に必要な機構が不要となり、装置の小型・軽量化が可能となる。その結果、加速度発生装置10を携帯電話等の電子機器に内蔵することも可能となり、その応用分野が広がる。
なお、本形態では、円盤状の永久磁石11,17、リンク状のフレーム12a、ドーナツ型円盤であるフレームベース12b、円盤の中心部に窪み部13aを有するカップ状のヨーク13、円筒の一端を閉じた形状のボビン15等、B−B断面と垂直な断面形状が円形の部材を用いて加速度発生装置10を構成したが、断面形状が多角形等その他の形状である部材を用いて加速度発生装置10を構成してもよい。また、永久磁石11,17の磁極を反転させた構成であってもよい。さらに、本形態では、コイル16に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線A方向)の動力を発生させることとしたが、レシプロモータやシャフトモータを利用し、この動力を発生させる構成としてもよい。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明における第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態も、バネの弾性力と永久磁石間のクーロン力とを用いて移動部材を並進運動させ、擬似的な力覚を発生させるものである。第1の実施の形態との相違点は、そのための構成のみである。
<構成>
図3は、第2の実施の形態における加速度発生装置20の構成を示した断面図である。
図3に例示する通り、本形態の加速度発生装置20は、表裏面で磁気極性が異なる円盤状の永久磁石21,27(「第1,第2の永久磁石」に相当)と、円筒の両開口部を塞いだ形状のフレーム(絶縁材料)22と、円筒の一端を塞いだカップ状のヨーク(継鉄)23と、弾性体であるバネ24と、円筒の一端(端部25b)を閉じた形状のボビン(絶縁材料)25と、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル26と、円柱状のヨーク(継鉄)28とを有する。
ヨーク23内部の底面23aには、フレーム22の長手方向の一端22b及び永久磁石27が固着されている。この例の場合、永久磁石27のN極側の面(「支点」に相当)が底面23aに固着されている。また、この永久磁石27のS極側の面(底面23a側と反対の面)には、ヨーク28の底面28aが固着されている。フレーム22の長手方向の一端22c(一端22bと反対側)の内部に位置する支点22aには、バネ24の一端が固着されている。このバネ24の他端には、永久磁石21が固着されている。この例の場合、永久磁石21のN極側の面がバネ24の一端に固着されている。さらに、この永久磁石21の他面(この例ではS極側の面)には、ボビン25の端部25bが固着されている。そして、このボビン25の内部25aの開口部側には、ヨーク28の少なくとも一部が配置される。ここで、ヨーク28の外径は、ボビン25の内径よりも小さい。また、ボビン25の側面部25cには、それを周回する一定の向きにコイル26が巻きつけられている。そして、永久磁石21,27の中心軸と、ヨーク23の中心軸と、支点22aと、バネ24の永久磁石21への固着位置と、ボビン25の端部25bの中心軸と、ヨーク28の中心軸とは、フレーム22aを基準としたほぼ同一の直線C(「特定の直線」に相当)上に配置される。
<動作>
以上のような構成により、ボビン25は、永久磁石21と永久磁石27とのクーロン力(磁極が同じSであるため斥力)と、バネ24の弾性力とのバランスが取れた位置(「原点位置」と呼ぶ)に配置されることになる。そして、コイル26に正弦波状の交流電流が供給されると、その電流の向きに応じた磁界が発生し、ボビン25及び永久磁石21(これらが「移動部材」に相当する)が直線C上で周期的な並進運動を行う。
ここで、バネ24(「第1の作用部」に相当)の弾性力(「第1の力」に相当)は、直線Cと平行な方向に発生し、それによってボビン25及び永久磁石21に加えられる力は、直線Cと平行な向きとなる。そして、その大きさは、バネ24の支点22aに対する、ボビン25及び永久磁石21の相対位置によって変化する。また、永久磁石27(「第2の作用部」に相当)と、永久磁石21とのクーロン力(「第2の力」に相当)は、直線Cと平行な方向に発生し、それによって永久磁石21に加えられる力も直線Cと平行な向きとなる。また、その大きさは、永久磁石27の支点に対する、ボビン25及び永久磁石21の相対位置によって変化する。すなわち、上述の「第1の力」の大きさと「第2の力」の大きさとの比率は、バネ24の支点22aと、永久磁石27の支点と、ボビン25及び永久磁石21との相対位置によって変化する。これにより、ボビン25及び永久磁石21は、正方向〔直線Cと平行な図3の右方向〕の加速度と、負方向〔直線Cと平行な図3の左方向〕の加速度とが、一周期中で非対称な並進運動を行う。すなわち、ボビン25及び永久磁石21は、その一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う。より具体的には、本形態のボビン25及び永久磁石21の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。
これを、重力及びコイル26によるクーロン力を無視した運動方程式で近似すると前述の式(1)(2)と同様になる。ただし、本形態での場合、kはバネ24のバネ定数を示し、mはボビン25及び永久磁石21の合計質量を示し、xはボビン25及び永久磁石21が「原点位置」にある際の永久磁石21と永久磁石27との距離を示し、xは永久磁石21と永久磁石27との距離を示し、x’’はxの2階微分(加速度)を示す。また、Mは永久磁石21と永久磁石27との磁荷斥力の比例定数であり、m,mは永久磁石21及び永久磁石27の磁気量をそれぞれ示し、μは透磁率を示す。
そして、正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なっていた場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲にあった場合、前述したような擬似的な力覚が発生する。言い換えれば、「移動部材」であるボビン25及び永久磁石21が、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで前述のS字型曲線の傾きが異なる並進運動を行う場合に、前述したような擬似的な力覚が発生する。
<本形態の特徴>
以上のように、本形態では、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させることができる。
また、加速度発生装置20は、直線C方向の単振動のみによって、このC方向に擬似的な力覚を発生させている。そのため、直線Cと異なる方向の力ベクトルはほとんど発生しない。これにより、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能となる。
さらに、加速度発生装置20は、摩擦等の損失が存在せず、エネルギーが完全に保存されるのであれば、永久に並進運動を継続する構成である。よって、コイル26に供給される交流電流は、この損失分を補う程度のものであればよい。すなわち、低い消費電力で上述の擬似的な力覚を発生させることができる。なお、コイル26に供給する交流電流の制御は、例えば、第1の実施の形態と同様に行う。
加えて、加速度発生装置20は、一旦発生させた回転動力を並進運動に変換するのではなく、コイル26に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線C方向)の動力を直接発生させている。そのため、回転動力を並進運動に変換する場合に必要な機構が不要となり、装置の小型・軽量化が可能となる。その結果、加速度発生装置20を携帯電話等の電子機器に内蔵することも可能となり、その応用分野が広がる。
なお、本形態では、円盤状の永久磁石21,27、円筒の両開口部を塞いだ形状のフレーム22、円筒の一端を塞いだヨーク23、円筒の一端を閉じた形状のボビン25、円柱状のヨーク28等、断面形状が円形の部材を用いて加速度発生装置20を構成したが、断面形状が多角形等その他の形状である部材を用いて加速度発生装置20を構成してもよい。また、永久磁石21,27の磁極を反転させた構成であったもよい。さらに、本形態では、コイル26に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線C方向)の動力を発生させることとしたが、レシプロモータやシャフトモータを利用し、この動力を発生させる構成としてもよい。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明における第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態では、2つ以上のバネから成る質点バネ系において移動部材(プランジャー)が並進運動を行う構成を採る。そして、移動部材がその位置に応じて異なるバネ定数を有するバネと衝突することで、この移動部材が、一周期中で加速度が非対称な並進運動を行う。なお、本形態では、2つのバネから成る質点バネ系を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<構成>
図4は、第3の実施の形態における加速度発生装置30の構成を示した断面図である。
図4に例示する通り、本形態の加速度発生装置30は、円盤状の鉄芯31a,31b(「第1の鉄芯」,「第2の鉄芯」に相当)と、円筒の両開口部を塞いだ形状であり絶縁材料で構成されたフレーム32と、バネ定数が大きく異なるバネ34a,34bと、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル36と、強磁性体である可動鉄芯(プランジャー)37(「移動部材」に相当)とを有している。
フレーム32の長手方向の一端32cの内側に位置する支点32aには、バネ34aの一端が固着され、このバネ34aの他端には鉄芯31aの片面側が固着されている。また、フレーム32の長手方向の他端に位置する一端32dの内側の支点32bには、バネ34bの一端が固着され、このバネ34bの他端には鉄芯31bの片面側が固着されている。鉄芯31a,31bも直線Dに沿って並進運動できる。さらに、フレーム32内部空間の鉄芯31aと鉄芯31bとの間には、可動鉄芯37が配置されている。この可動鉄芯37は、鉄芯31a,31bと接続されていない。そのため、可動鉄芯37は、鉄芯31a,31bと独立に、それらの間を、フレーム32の長手方向の直線D(フレーム32を基準とした「特定の直線」に相当)に沿って並進運動できる。なお、本形態の鉄芯31a,31bや可動鉄芯37の外形は、フレーム32の内径よりもわずかに小さい。そのため、鉄芯31a,31bや可動鉄芯37は、フレーム32の内壁に支持されつつ並進運動可能である。また、別の構成例として、フレーム32の内部にレールを設け、鉄芯31a,31bや可動鉄芯37がこのレールに支持されつつ並進運動する構成であってもよい。
また、可動鉄芯37が並進運動する付近のフレーム32の外周には、フレーム32を周回する一定の向きにコイル36が巻きつけられている。そして、鉄芯31a,31bの中心軸と、支点32a,32bと、バネ34a,34bの鉄芯31a,31bへの固着位置と、可動鉄芯37の中心軸とは、ほぼ直線D上に配置される。
<動作>
フレーム32の一端32dを基準位置(x=0)とした場合、初期静止状態では、鉄芯31aはx=xA0の位置に静止し、鉄芯31bはx=xB0の位置に静止している。また、初期静止状態では、可動鉄芯37(「移動部材」に相当)は、鉄芯31a,31bの何れか一方側に偏った位置に配置されているものとする。以下では、可動鉄芯37が鉄芯31a側に偏った位置に配置されているものとする。なお、図4における直線Dに沿った右方向を正方向とし、左方向を負方向とする。
ここでコイル36に正弦波状の交流電流が供給されると、その電流の向きに応じた磁界が発生し、可動鉄芯37が磁化される。磁化された可動鉄芯37は、隣接する鉄芯31aに引き寄せられ、これにより可動鉄芯37にD直線方向(負)の初速度が与えられる。なお、可動鉄芯37の速度は、例えば、コイル36に発生する誘導起電力を用いて検出され、可動鉄芯37に所定の速度が与えられた場合、コイル36への電流の供給は一端中止される。
初速度が与えられた可動鉄芯37は、まず鉄芯31aに衝突し、この力を受けた鉄芯31aは、それに接続されたバネ34a(「第1の作用部」に相当)を負方向に縮める。次に、縮められたバネ34aが発生させた直線Dと平行な方向(正方向)の弾性力(「第1の力」に相当)を、鉄芯31aが可動鉄芯37に対し、直線Dと平行な方向(正方向)に加える。可動鉄芯37は、この力を受け、D直線上を正方向に移動する。次に、可動鉄芯37は、鉄芯31bに衝突し、この力を受けた鉄芯31bは、それ接続されたバネ34b(「第2の作用部」に相当)を正方向に縮める。そして、縮められたバネ34bが発生させた直線Dと平行な方向(負方向)の弾性力(「第2の力」に相当)を、鉄芯31bが可動鉄芯37に対し、直線Dと平行な方向(負方向)に加える。可動鉄芯37は、この力を受け、D直線上を負方向に移動する。
このような動作を繰り返すことにより、可動鉄芯37はD直線上で周期的な並進運動を行う。なお、完全にエネルギーが保存されるのであれば、可動鉄芯37の並進運動は永遠に継続する。しかし、実際は、可動鉄芯37と鉄芯31a,31bとの衝突等によりエネルギーが失われる。そのため、可動鉄芯37に初速度を与えたのと同様な処理により、可動鉄芯37にエネルギーを補充することにより、この並進運動を継続させる。
ここで、バネ34aは、可動鉄芯37が鉄芯31aに接触している間は、バネ34aの縮み量に応じた力(「第1の力」に相当)を直線Dと平行に可動鉄芯37に与えるが、可動鉄芯37が鉄芯31aと非接触になると、この力は可動鉄芯37に加わらない。同様に、バネ34bは、可動鉄芯37が鉄芯31bに接触している間は、バネ34bの縮み量に応じた力(「第2の力」に相当)を直線Dと平行に可動鉄芯37に与えるが、可動鉄芯37が鉄芯31bと非接触になると、この力は可動鉄芯37に加わらない。すなわち、バネ34a,34bは、それぞれの支点32a,32bに対する可動鉄芯37の相対位置によって大きさの異なる力を、直線Dと平行な方向に加える。そして、バネ34a,34bが、それぞれ可動鉄芯37に与える力の大きさの比率は、可動鉄芯37とバネ34a,34bの支点32a,32bとの相対位置によって変化する。その結果、可動鉄芯37は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行う。すなわち、可動鉄芯37は、その一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う。より具体的には、本形態の可動鉄芯37の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。
以下に、可動鉄芯37が鉄芯31aに接触に接触しているときの可動鉄芯37の並進運動の周期Tと、可動鉄芯37が鉄芯31bに接触に接触しているときの可動鉄芯37の並進運動の周期Tとを示す。ただし、k,kは、それぞれバネ34a,34bのバネ定数であり、mは可動鉄芯37の質量である。
Figure 0004551448
よって、可動鉄芯37が鉄芯31a,31bの一方に接触に接触しているとき、及び、可動鉄芯37がいずれの鉄芯31a,31bにも接触していないときを含む可動鉄芯37の周期Tは、以下のように表される。なお、Tnotouchは、可動鉄芯37がいずれの鉄芯31a,31bにも接触していないときの周期を示す。
Figure 0004551448
また、以下に、可動鉄芯37の並進運動を示す運動方程式を示す。
Figure 0004551448
式(3)(4)(5)に示すように、一周期の中で正負の大きく異なる加速度を可動鉄芯37に与えるためには、T,Tが大きく異なるように、バネ34a,34bのバネ定数k,kを選択すればよい。
図5は、m=0.02[kg],k=1000.0[N/m],k=30[N/m],xA0=20×10−3[m],xB0=40×10−3[m],初期静止状態時の可動鉄芯37の速度x’(0)=0[m/s],可動鉄芯37の初期位置x(0)=20×10−3[m]とした場合の加速度発生装置30の振る舞いを示したグラフである。ここで図5Aは、時間と可動鉄芯37の基準点からの距離xとの関係を示しており、縦軸は距離x[m]を横軸は時間[s]を表している。また、図5Bは、時間と速度x’との関係を示しており、縦軸は速度x’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。さらに、図5Cは、時間と加速度x’’との関係を示しており、縦軸は加速度x’’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。
図5Cに示すように、可動鉄芯37は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行っている。具体的には、正方向の加速度の最大値が500[m/s]程度であるのに対し、負方向の加速度の絶対値の最大値が100[m/s]程度となっている。そして、正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なっていた場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲にあった場合、前述したような擬似的な力覚が発生する。言い換えれば、「移動部材」である可動鉄芯37が、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで前述のS字型曲線の傾きが異なる並進運動を行う場合に、前述したような擬似的な力覚が発生する。
<本形態の特徴>
以上のように、本形態では、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させることができる。
また、加速度発生装置30は、直線D方向の単振動のみによって、このD方向に擬似的な力覚を発生させている。そのため、直線Dと異なる方向の力ベクトルはほとんど発生しない。これにより、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能となる。
さらに、加速度発生装置30は、損失が存在せず、エネルギーが完全に保存されるのであれば、永久に並進運動を継続する構成である。よって、コイル36に供給される電流は、この損失分を補う程度のものであればよい。すなわち、低い消費電力で上述の擬似的な力覚を発生させることができる。
加えて、加速度発生装置30は、一旦発生させた回転動力を並進運動に変換するのではなく、コイル36に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線D方向)の動力を直接発生させている。そのため、回転動力を並進運動に変換する場合に必要な機構が不要となり、装置の小型・軽量化が可能となる。その結果、加速度発生装置30を携帯電話等の電子機器に内蔵することも可能となり、その応用分野が広がる。
なお、第1,第2の実施の形態と同様、本形態の加速度発生装置30を構成する各部品の形状が、これまで例示したもとに限定されないのは言うまでもない。本形態では、コイル36に電流を供給することによって並進運動方向(直線D方向)の動力を発生させることとしたが、レシプロモータやシャフトモータを利用し、この動力を発生させる構成としてもよい。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明における第4の実施の形態について説明する。
本形態は、第3の実施の形態の変形例であり、バネの少なくとも一方のバネ定数を変化させる機構(バネ定数可変部)を設け、バネ定数を変化させることで可動鉄芯の共振周波数を制御する形態である。本形態では、バネの巻き数Nを変化させることによりバネ定数を変化させる構成を採る。以下では、第3の実施の形態との相違点を中心に説明を行う。
<構成>
図6は、第4の実施の形態における加速度発生装置40の構成を示した断面図である。 図6に例示する通り、本形態の加速度発生装置40は、円盤状の鉄芯41a,41bと、円筒の両開口部を塞いだ形状であり絶縁材料で構成されたフレーム42と、バネ44a,44b(「第1の弾性体」,「第2の弾性体」に相当)と、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル46と、強磁性体である可動鉄芯(プランジャー)47と、バネ44a,44bのバネ定数をそれぞれ変更可能な巻き数調整機構48a,48b(「バネ定数可変部」に相当)を有し、可動鉄芯47を直線Eと平行に並進運動させる。
巻き数調整機構48a,48b以外の構成は第3の実施の形態と同じである。すなわち、鉄芯41a,41b、フレーム42、バネ44a,44b、コイル46、可動鉄芯47及び直線Eは、それぞれ、第3の実施の形態の鉄芯31a,31b、フレーム32、バネ34a,34b、コイル36、可動鉄芯37及び直線Dに相当する。以下では、巻き数調整機構48a,48bの構成について説明する。
図7A,図7Bは、巻き数調整機構48aの構成例を説明するための部分断面図である。なお、以下では、巻き数調整機構48aの構成例のみを示すが、巻き数調整機構48bも同様な構成となる。また、図7A,図7Bの例はバネ44a,44bとしてコイルバネを用いた場合に適用可能な例である。以下では、バネ44a,44bがコイルバネであるとして説明を行う。
図7Aは、巻き数調整機構48aの構成例の一つを示している。この例の巻き数調整機構48aは、円筒状のベース部48aaの内壁にらせん状のねじ込み溝48abを形成してなる。このねじ込み溝48abは、ベース部48aaの一方の開放端から他方の開放端までらせん状に連なる溝であり、このねじ込み溝48abによってバネ44aが保持される。これにより、バネ44aの任意の位置がフレーム42に対して固定される。また、フレーム42の内壁には、直線Eを軸として巻き数調整機構48aを回転可能に保持する保持部42aが形成されている。この例の保持部42aは、フレーム42の内壁面をリング状に周回する2本のリングであり、この2本のリングの間に若干の隙間をおいて巻き数調整機構48aが保持される。これにより、巻き数調整機構48aは、直線Eを軸としてF方向に回転可能であるが、直線E方向には移動しない。このような構成の巻き数調整機構48aを、直線Eを軸としてF方向に回転させた場合、そのねじ込み溝48abに保持されているバネ44aが直線Eと平行に送り出される。なお、バネ44aが送り出される向きは、ねじ込み溝48abのらせん方向、バネ44aのつる巻き方向及び巻き数調整機構48aの回転方向によって定まる。ここで、バネ44aのうち弾性体として機能するのは、巻き数調整機構48aの鉄芯41a側の外部に位置する部分のみである。従って、巻き数調整機構48aが送り出すバネ44aの方向によってバネ44aのうち弾性体として機能する部分の長さ(実質的な巻き数N)を調整することができ、これにより、実質的なバネ定数を調整することができる。
図7Bは、巻き数調整機構48aの他の構成例を示している。この例の巻き数調整機構48aは、フレーム42の内壁に固着されるベース部48acと、このベース部48acに回転可能に取り付けられた送り駆動歯車48adとを有している。送り駆動歯車48adは、直線Eと垂直な回転軸を中心としたG方向の回転及び回転固定が可能な歯車であり、その歯48aeによってバネ44aを保持する。これにより、バネ44aの任意の位置がフレーム42に対して固定される。このような送り駆動歯車48adを回転させることによって、バネ44aを直線Eと平行に送り出すことができ、バネ44aのうち弾性体として機能する部分(実質的な巻き数N)を調整することができる。これにより、実質的なバネ定数を調整することができる。
なお、バネの実質的な巻き数Nを減少させるとバネ定数は増加する。一般にバネ定数kは以下の等式で表されるからである。
Figure 0004551448
(k:ばね定数 (N/mm), P:荷重 (N), δ:変位 (mm), G:ばね材料の剛性率 (N/mm2=Mpa), d:ばねの線径 (mm), N:巻き数, D:平均コイル径 (mm))
<本形態の特徴>
本形態では、バネ44a,44bの実質的なバネ定数を調整可能であるため、可動鉄芯47の並進運動の加速度も調整できる。そして、この巻き数調整機構48a,48bをモータ等によって駆動可能な構成とすれば、加速度発生装置40の駆動前のみではなく、駆動中も可動鉄芯47の並進運動の加速度を調整することが可能となる。その結果、擬似的な知覚が最もよく発生させるための加速度の調整が容易になる。
なお、ここでは、バネ44a,44b双方の実質的なバネ定数を調整可能としたが、バネ44a,44bの何れか一方のみの実質的なバネ定数を調整可能としてもよい。また、本形態の巻き数調整機構を用い、図3のバネ24のバネ定数を調整する構成としてもよい。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明における第5の実施の形態について説明する。
本形態は、第3の実施の形態の変形例であり、バネの少なくとも一方のバネ定数を変化させる機構(バネ定数可変部)を設け、バネ定数を変化させることで可動鉄芯の共振周波数を制御する形態である。本形態では、バネを加熱することによってバネ定数を変化させる構成を採る。以下では、第3の実施の形態との相違点を中心に説明を行う。
<構成>
図8は、第5の実施の形態における加速度発生装置50の構成を示した断面図である。
図8に例示する通り、本形態の加速度発生装置50は、円盤状の鉄芯51a,51bと、円筒の両開口部を塞いだ形状であり絶縁材料で構成されたフレーム52と、導電性のバネ54a,54bと、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル56と、強磁性体である可動鉄芯(プランジャー)57と、バネ54a,54bそれぞれに電流を供給する電源55a,55b(「バネ定数可変部」に相当)を有し、可動鉄芯57を直線Hと平行に並進運動させる。
電源55a,55bによってバネ54a,54bそれぞれに電流を供給する以外の構成は、第3の実施の形態と同じである。すなわち、鉄芯51a,51b、フレーム52、バネ54a,54b、コイル56、可動鉄芯57及び直線Hは、それぞれ、第3の実施の形態の鉄芯31a,31b、フレーム32、バネ34a,34b、コイル36、可動鉄芯37及び直線Dに相当する。以下では、電源55a,55bによってバネ54a,54bに電流を供給する部分のみを説明する。
図8に示すように、電源55aは、バネ34aの端部54aaと端部54abとの間に電圧を加える。これにより、バネ54aは、その電気抵抗に応じた発熱を行う。同様に、電源55bは、バネ34bの端部54baと端部54bbとの間に電圧を加える。これにより、バネ54bは、その電気抵抗に応じた発熱を行う。これらにより、バネ54a,54bのバネ定数を変化させることができる。
なお、バネの温度が上昇するとバネ定数は増加する。以下に示すように、バネ定数kを示す式(6)のバネの剛性率Gは、温度の上昇に従って減少するからである。
Figure 0004551448
<本形態の特徴>
本形態では、バネ54a,54bのバネ定数を調整可能であるため、可動鉄芯57の並進運動の加速度も調整できる。そして、この調整は、加速度発生装置50の駆動前のみではく駆動中も可能である。その結果、擬似的な知覚が最もよく発生させるための加速度の調整が容易になる。なお、電源55a,55bが供給電流量を調整できる構成であれば、より詳細な調整が可能となるが、電源55a,55bが供給電流量を調整できなくても、電源55a,55bのオン・オフにより、バネ54a,54bのバネ定数をそれぞれ2段階に調整することは可能である。
なお、ここでは、バネ54a,54b双方のバネ定数を調整可能としたが、バネ54a,54bの何れか一方のみのバネ定数を調整可能としてもよい。また、本形態の構成を用い、図3のバネ24のバネ定数を調整する構成としてもよい。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明における第6の実施の形態について説明する。
本形態は、第1の作用部と第2の作用部と移動部材との相対位置を調整可能とし、これらの釣り合い点をシフトさせることが可能な形態である。
<構成>
図9A及び図9Bは、第6の実施の形態における加速度発生装置60の構成を示した断面図である。
図9Aに例示する通り、本形態の加速度発生装置60は、表裏面で磁気極性が異なる円盤状の永久磁石61a,67と、表裏面で磁気極性が異なり貫通孔61baを具備するドーナツ円盤状の永久磁石61bと、絶縁材料からなる円筒の両開口部を塞いだ形状であるフレーム62と、円筒の両開口部を塞いだ形状であって、その長手方向の一端63bに貫通孔63cを具備し、絶縁材料からなる可動ボビン63(「可動部」に相当)と、バネ64と、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル66とを有する。
フレーム62の内部には、可動ボビン63(「可動部」に相当)が収納される。可動ボビン63が外形はフレーム62の内径よりもわずかに小さい。可動ボビン63は、フレーム62内部を直線I(フレーム62を基準とした「特定の直線」に相当)方向にスライド可能であるとともに、好みの位置で固定可能な構成となっている。また、可動ボビン63の一端63bの内壁には、永久磁石61bが固着されている。この例の場合、永久磁石61bのS極側の面が一端63bの内壁に固着され、永久磁石61bの貫通孔61baと可動ボビン63の貫通孔63cとが同一の直線I上に配置されている。また、フレーム62の長手方向の端部62aの内壁(「第1の作用部の支点」に相当)には、バネ64(「第1の作用部」に相当)の一端が固着されている。このバネ64の他端は、永久磁石61bの貫通孔61baと可動ボビン63の貫通孔63cを通じて可動ボビン63の内部63dに配置され、永久磁石67(「移動部材」に相当)に固着されている。この例の場合、永久磁石67のN極側の面がバネ64に固着されている。さらに、可動ボビン63の他端63aの内壁(「第2の作用部の支点」に相当)には、永久磁石61a(「第2の作用部」に相当)が固着されている。この例の場合、永久磁石61aのN極側の面が他端63aの内壁に固着されている。また、フレーム62の側面には、それを周回する一定の向きにコイル66が巻きつけられている。そして、フレーム62の中心軸と、可動ボビン63の中心軸と、永久磁石61a,61b,67の中心軸と、バネ64の両端とは、ほぼ直線I上に配置される。
また、永久磁石67の外形は、可動ボビン63の内径よりもわずかに小さい。そのため、永久磁石67は、可動ボビン63の内壁に支持されつつ並進運動可能である。また、例えば、可動ボビン63の内部にレールを設け、永久磁石67がこのレールに支持されつつ並進運動する構成であってもよい。
以上の構成により、可動ボビン63は、フレーム62に対する直線I方向の相対位置を変更可能である。また、バネ64は、フレーム62の端部62aを支点として直線I方向の「第1の力」を発生し、永久磁石67に対して直線I方向の「第1の力」を加える構成を採る。さらに、永久磁石61aは、可動ボビン63の他端63aを支点として直線I方向の「第2の力」を発生し、永久磁石67に対して直線I方向の「第2の力」を加える構成を採る。また、永久磁石61bは、可動ボビン63の一端63bを支点とし、永久磁石67に対して直線I方向の力を加える構成を採る。
<動作>
以上のような構成により、永久磁石67は、永久磁石61a,61bから受けるクーロン力(共に斥力)と、バネ64から受ける弾性力とのバランスが取れた位置(「原点位置」と呼ぶ)に配置される。なお、図9Aと図9Bとでは、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置が異なる。この場合、永久磁石67に加えられる、可動ボビン63を支点とする永久磁石61a,61bのクーロン力と、フレーム62を支点とするバネ64の弾性力とが相違する。その結果、図9Aと図9Bとでは、原点位置も異なる。そして、このようにフレーム62に対する可動ボビン63の相対位置の設定を変化させることにより、原点位置や永久磁石67の加速度の変位を調整することができる。なお、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置の設定は、加速度発生装置60の駆動前に行ってもよいし、駆動中に行っても良い。
コイル66に正弦波状の交流電流が供給されると、その電流の向きに応じた磁界が発生し、その磁力を受けた永久磁石67は、直線I上で周期的な並進運動を行う。
ここで、バネ64の弾性力によって永久磁石67に加えられる力は、直線Iと平行な向きとなる。そして、その大きさは、永久磁石67とバネ64の支点との相対位置によって変化する。また、永久磁石61a,61bによって永久磁石67に加えられるクーロン力は、直線Iと平行な向きとなり、その大きさは、永久磁石61a,61bと永久磁石67との相対位置によって変化する。すなわち、上述の「第1の力」の大きさと「第2の力」の大きさとの比率は、永久磁石67とバネ64と永久磁石61a,61bとの相対位置によって変化する。これにより、永久磁石67は、正方向〔直線Iと平行な図9の右方向〕の加速度と、負方向〔直線Iと平行な図9の左方向〕の加速度とが、一周期中で非対称な並進運動を行う。すなわち、永久磁石67は、その一周期中での加速度の時間変化が、当該加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う。より具体的には、本形態の永久磁石67の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。
これを、運動方程式で近似すると
Figure 0004551448
となる。ただし、本形態の場合、mは永久磁石67の質量を示し、xは「原点位置」にある際の永久磁石67の端部62aからの距離を示し、xB0は永久磁石67が「原点位置」にある際の永久磁石61bの端部62aからの距離を示し、xC0は永久磁石67が「原点位置」にある際の永久磁石61aの端部62aからの距離を示し、xは永久磁石67の端部62aからの距離を示す。また、kは、バネ64のバネ定数を示し、Mは永久磁石67と永久磁石61bとの磁荷斥力の比例定数を示し、Mは永久磁石67と永久磁石61aとの磁荷斥力の比例定数を示す。
図10から12は、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置による加速度発生装置60の振る舞いの違いを示したグラフである。ここで、図10は、m=0.05[kg],k=100[N/m],x=150×10−3[m],xB0=100×10−3[m],xC0=400×10−3[m],M=0.3[N/m],M=0.005[N/m],x’(0)=0[m/s],x(0)=200×10−3[m]とした場合のグラフである。また、図11は、m=0.05[kg],k=100[N/m],x=150×10−3[m],xB0=50×10−3[m],xC0=250×10−3[m],M=0.3[N/m],M=0.005[N/m],x’(0)=0[m/s],x(0)=200×10−3[m]とした場合のグラフである。また、図12は、m=0.05[kg],k=100[N/m],x=150×10−3[m],xB0=0[m],xC0=300×10−3[m],M=0.3[N/m],M=0.005[N/m],x’(0)=0[m/s],x(0)=200×10−3[m]とした場合のグラフである。ここで図10A,図11A,図12Aは、時間と距離xとの関係を示しており、縦軸は距離x[m]を横軸は時間[s]を表している。また、図10B,図11B,図12Bは、時間と速度x’との関係を示しており、縦軸は速度x’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。さらに、図10C,図11C,図12Cは、時間と加速度x’’との関係を示しており、縦軸は加速度x’’[m/s]を横軸は時間[s]を表している。
図10C,図11C,図12Cに示すように、永久磁石67の並進運動の加速度の変位は、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置によって異なる。すなわち、図10C及び図11Cの場合には、永久磁石67は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中で非対称な並進運動を行っているが、図12Cの場合には、永久磁石67は、正方向の加速度と負方向の加速度とが一周期中でほぼ対称な並進運動を行っている。本形態では、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置の設定を変えることにより、永久磁石67の加速度の変位を調整できる。そして、正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なるものとなった場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲になった場合、前述したような擬似的な力覚が発生する。言い換えれば、「移動部材」である永久磁石67が、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで前述のS字型曲線の傾きが異なる並進運動を行う場合に、前述したような擬似的な力覚が発生する。
<本形態の特徴>
第1の実施の形態と同様、本形態でも、反作用力を支持する支点や力点を設けることなく時間的に安定した力覚を知覚させることができる。加えて本形態では、フレーム62に対する可動ボビン63の相対位置の設定を変えることにより、永久磁石67の加速度の変位を調整できる。その結果、擬似的な力覚を発生させるために適した加速度の変位を容易に設定可能となる。
また、加速度発生装置60は、直線I方向の単振動のみによって、このI方向に擬似的な力覚を発生させている。そのため、直線Iと異なる方向の力ベクトルはほとんど発生しない。これにより、時間的に安定した力覚をより明確に知覚させることが可能となる。
さらに、加速度発生装置60は、摩擦等の損失が存在せず、エネルギーが完全に保存されるのであれば、永久に並進運動を継続する構成である。よって、コイル66に供給される交流電流は、この損失分を補う程度のものであればよい。すなわち、低い消費電力で上述の擬似的な力覚を発生させることができる。なお、コイル66に供給する交流電流の制御は、例えば、一般の共振駆動回路と同様に行う。
加えて、加速度発生装置60は、一旦発生させた回転動力を並進運動に変換するのではなく、コイル66に交流電流を供給することによって並進運動方向(直線I方向)の動力を直接発生させている。そのため、回転動力を並進運動に変換する場合に必要な機構が不要となり、装置の小型・軽量化が可能となる。その結果、加速度発生装置60を携帯電話等の電子機器に内蔵することも可能となり、その応用分野が広がる。
なお、永久磁石61bは必ずしも必要ではない。また、バネ64の代わりに永久磁石を用いても良いし、永久磁石61aの代わりにバネを用いてもよい。その他、第1の実施の形態で述べたような部材の形状や磁極の反転等の変形が可能なことはいうまでもない。
〔第7の実施の形態〕
次に、本発明における第7の実施の形態について説明する。
本形態は、本発明の加速度発生装置を2台以上具備する擬似力覚発生装置の形態である。これにより、擬似的な力覚を発生させたくないときには外部への力の発生を極力抑え、擬似的な力覚を発生させたいときには明確に擬似的な力覚を知覚させる構成をとることができる。さらには、2次元或いは3次元上の好みの方向に擬似的な力覚を知覚させる構成も可能となる。
<バリエーション>
図13は、第7の実施の形態のバリエーションを示した図である。
図13Aは、2つの加速度発生装置71,72同士を直線J上に固定することによって構成された擬似力覚発生装置70を例示した図である。これらの加速度発生装置71,72は、それらの移動部材の並進運動方向が共に直線J方向となり、その擬似的な力覚発生方向J1,J2が相互に逆(この図では外向き)になるように構成される。
ここで、加速度発生装置71,72の移動部材の加速度の振幅や周期が同一であった場合、それぞれの加速度発生装置71,72が発生させる力ベクトルの総和は、全ての時刻においてゼロとなる。その結果、外部に対する力はほとんど発生しない。しかし、加速度発生装置71,72の移動部材の加速度の振幅や周期の互いのバランスを崩した場合(例えば、一方の加速度発生装置を停止させる、或いは、一方の加速度発生装置の移動部材の加速度の振幅や周期を変化させる)、方向J1或いはJ2のいずれかの方向に擬似的な力覚を発生させることができる。その結果、擬似的な力覚の発生の有無、発生方向、擬似的な力覚の強度等を容易に制御することが可能となる。
図13Bは、2つの加速度発生装置81,82同士をある角度で固定することによって構成された擬似力覚発生装置80を例示した図である。ここで、加速度発生装置81,82は、それらの移動部材の並進運動方向がそれぞれ直線K,L方向(直線Kと直線Lとはある角度をもつ)となり、それらの擬似的な力覚発生方向がそれぞれK1,K2となるように構成される。この場合、2つの加速度発生装置81,82がそれぞれ直線K,L方向に発生する擬似的な力覚の合力をK1+L1方向に生じさせることができる。そして、このK1+L1方向は、加速度発生装置81,82の移動部材の加速度の振幅や周期の相互のバランスによって変化させることができる。また、2つの加速度発生装置81,82の位置関係を変化させる位置可変部を設け、2つの加速度発生装置81,82の位置関係(例えば、各加速度発生装置81,82の可動部材の並進運動方向がなす角度)を変化させることにより、このK1+L1方向を変化させる構成としてもよい。或いは、加速度発生装置81,82が所定の位置関係にある際、それぞれの加速度発生装置81,82が発生させる力ベクトルの総和が、全ての時刻においてゼロとなり、加速度発生装置81,82が他の位置関係にある際、それぞれの加速度発生装置81,82が発生させる力ベクトルの総和が、少なくとも一部の時刻においてゼロ以外の値となる構成としてもよい。これにより、擬似的な力覚の発生の有無、発生方向、擬似的な力覚の強度等を容易に制御することが可能となる。この場合の構成は、例えば、図13D,図13Eのようになる。
図13D,図13Eの例の擬似力覚発生装置80は、加速度発生装置81,82と、ベース部83とを有する。加速度発生装置81,82には、それぞれ歯車81a,82aが固着され、各歯車81a,82aは、相互に噛み合った状態でベース部83に対して回転可能に構成されている。そして、各歯車81a,82aがY1,Y2方向に回転することにより、これらの回転軸を中心として、加速度発生装置81,82がそれぞれY5,Y6方向に回転する構成となっている。これにより、図13Dの状態のような、加速度発生装置81,82がそれぞれ発生させるY3,Y4方向の擬似的な力覚が相殺される状態と、図13Eの状態のような、加速度発生装置81,82がそれぞれ発生させるY3,Y4方向の擬似的な力覚の合力方向Y5に擬似的な力覚を発生させる状態と、を容易に切り替えることが可能となる。
図13Cは、正α面体における中心点と頂点とを結ぶ直線上に加速度発生装置91〜94を1個ずつ配置した擬似力覚発生装置90を例示した図である。なお、図13Cは、α=4の場合の例である。各加速度発生装置91〜94は、それぞれの移動部材が正4面体の中心点と頂点とを結ぶ直線上で並進運動する位置に配置され、各加速度発生装置91〜94は、正4面体の中心点から各頂点へ向かう向きに擬似的な力覚を発生させる。
加速度発生装置91〜94の移動部材の加速度の振幅や周期が同一であった場合、それぞれの加速度発生装置91〜94が発生させる力ベクトルの総和は、全ての時刻においてゼロとなる。その結果、外部に対する力はほとんど発生しない。しかし、加速度発生装置91〜94の移動部材の加速度の振幅や周期の互いのバランスを崩す(例えば、一部の加速度発生装置を停止させる、一部の加速度発生装置の移動部材の加速度の振幅や周期を変化させる、或いは、加速度発生装置91〜94間の相対位置や向きを変化させる)ことによって、各加速度発生装置91〜94間が発生させる力ベクトルの総和を、少なくとも一部の時刻においてゼロ以外の値とし、擬似的な力覚を三次元空間上の任意の向きに発生させることができる。これにより、擬似的な力覚の発生の有無、発生方向、擬似的な力覚の強度等を容易に制御することができる。
次に、このように複数の加速度発生装置を組み合わせた擬似力覚発生装置の具体的構成例を示す。
<構成>
図14は、図13Aに示した構成の具体例であり、第6の実施の形態の加速度発生装置を利用した擬似力覚発生装置100の構成を示した断面図である。
図14に例示する通り、この例の擬似力覚発生装置100は、表裏面で磁気極性が異なる円盤状の永久磁石101b,107a,107bと、表裏面で磁気極性が異なり貫通孔101aa,101caをそれぞれ具備するドーナツ円盤状の永久磁石101a,101cと、円筒形状のフレーム(絶縁材料)102と、長手方向の端部103b,103cに貫通孔103aa,103caをそれぞれ具備する円筒形状の可動ボビン(絶縁材料)103と、バネ104a,104bと、銅線等の導線の側面を絶縁体で覆ったコイル106a,106bとを有する。
フレーム102の内部には、可動ボビン103(「可動部」に相当)が収納される。可動ボビン103は、フレーム102内部を直線N(フレーム102を基準とした「特定の直線」に相当)方向にスライド可能であるとともに、好みの位置で固定可能な構成となっている。また、可動ボビン103の端部103a,103cの内壁には、永久磁石101a,101cがそれぞれ固着されている。この例の場合、永久磁石101aのN極側の面が端部103aの内壁に固着され、永久磁石101cのS極側の面が端部103cの内壁に固着されている。また、永久磁石101aの貫通孔101aaと可動ボビン103の貫通孔103aaと永久磁石101cの貫通孔101caと可動ボビン103の貫通孔103caとは同一の直線N上に配置されている。また、フレーム102の長手方向の端部102a,102bの各内壁には、バネ104a,104b(「第1の作用部」に相当)の一端がそれぞれ固着されている。これらのバネ104a,104bの他端は、それぞれ、可動ボビン103の貫通孔103aa,103ca、及び、永久磁石101a,101cの貫通孔101aa,101caを通じて可動ボビン103の内部に配置され、それぞれ、永久磁石107a,107b(「移動部材」に相当)に固着されている。この例の場合、永久磁石107aのN極側の面がバネ104aに固着され、永久磁石107bのS極側の面がバネ104bに固着されている。さらに、永久磁石107aと永久磁石107bとの間には、永久磁石101b(「第2の作用部」に相当)が配置され、永久磁石101bの側面は可動ボビン103の内壁103bに固着されている。この例の場合、永久磁石101bのS極側が永久磁石107a側を向き、永久磁石101bのN極側が永久磁石107b側を向くように固着されている。また、フレーム102の側面には、それを周回する一定の向きにコイル106a,106bが巻きつけられている。なお、コイル106a,106bは、それぞれ永久磁石107a,107bが存在する位置付近(永久磁石107a,107bにクーロン力を与えられる位置)に配置される。また、コイル106a,106bは、それらに供給される電流量が別々に制御可能なように構成される。そして、フレーム102の中心軸と、可動ボビン103の中心軸と、永久磁石101a,101b,101c,107a,107bの中心軸と、バネ104a,104bの両端とは、ほぼ直線N上に配置される。
また、永久磁石107a,107bの外形は、可動ボビン103の内径よりもわずかに小さい。そのため、永久磁石107a,107bは、可動ボビン103の内壁に支持されつつ並進運動可能である。また、例えば、可動ボビン103の内部にレールを設け、永久磁石107a,107bが当該レールに支持されつつ並進運動する構成であってもよい。
以上の構成により、可動ボビン103は、フレーム102に対する直線N方向の相対位置を変更可能とする。また、バネ104a,104bは、それぞれ、フレーム102の端部102a,102bを支点とし、永久磁石107a,107bに対して直線N方向の「第1の力」を加える構成を採る。さらに、永久磁石101bは、可動ボビン103の内壁103bを支点とし、永久磁石107a,107bに対して直線N方向の「第2の力」を加える構成を採る。また、永久磁石101a,101cは、それぞれ、可動ボビン103の端部103a,103cを支点とし、永久磁石107a,107bに対して直線N方向の力を加える構成を採る。
<動作>
以上のような構成においてコイル106a,106bに交流電流を供給することにより、各永久磁石107a,107bは、第6の実施の形態と同様な並進運動を行う。そして、フレーム102に対する可動ボビン103の相対位置の設定に応じて、永久磁石107aと永久磁石107bとの加速度運動のバランスを制御でき、これによって、擬似的な力覚の発生の有無、発生方向、強度を調整することができる。
図15から図18は、フレーム102に対する可動ボビン103の相対位置に応じた、擬似力覚発生装置100の振る舞いの違いを示したグラフである。これらの図15A,図16A,図17A,図18Aは永久磁石107aの加速度を、図15B,図16B,図17B,図18Bは永久磁石107bの加速度を、図15C,図16C,図17C,図18Cは永久磁石107aの加速度と永久磁石107bの加速度の合成加速度を、それぞれ示している。なお、これらの縦軸は加速度[m/s]を横軸は時間[s]を表している。また、図14における右方向を正方向とし、左方向を負方向としている。
ここで、図15は、m=0.05[kg],k=100[N/m],xA0=150×10−3[m],xD0=100×10−3[m],xCD0=400×10−3[m],M=0.3[N/m],MCA=0.005[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=200×10−3[m],m=0.05[kg],k=100[N/m],xB0=150×10−3[m],xE0=100×10−3[m],xCE0=400×10−3[m],M=0.3[N/m],MCB=0.005[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=200×10−3[m]とした場合のグラフである。
また、図16は、m=0.05[kg],k=100[N/m],xA0=150×10−3[m],xD0=130×10−3[m],xCD0=430×10−3[m],M=0.3[N/m],MCA=0.005[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=200×10−3[m],m=0.05[kg],k=100[N/m],xB0=150×10−3[m],xE0=70×10−3[m],xCE0=370×10−3[m],M=0.3[N/m],MCB=0.005[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=200×10−3[m]とした場合のグラフである。
また、図17は、m=0.05[kg],k=100[N/m],xA0=300×10−3[m],xD0=200×10−3[m],xCD0=400×10−3[m],M=0.01[N/m],MCA=0.01[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=300×10−3[m],m=0.05[kg],k=100[N/m],xB0=300×10−3[m],xE0=200×10−3[m],xCE0=400×10−3[m],M=0.01[N/m],MCB=0.01[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=300×10−3[m]とした場合のグラフである。
図18は、m=0.05[kg],k=100[N/m],xA0=300×10−3[m],xD0=290×10−3[m],xCD0=490×10−3[m],M=0.01[N/m],MCA=0.01[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=300×10−3[m],m=0.05[kg],k=100[N/m],xB0=300×10−3[m],xE0=110×10−3[m],xCE0=310×10−3[m],M=0.01[N/m],MCB=0.01[N/m],x’(0)=1[m/s],x(0)=300×10−3[m]とした場合のグラフである。
なお、m,mはそれぞれ永久磁石107a,107bの質量を示し、k,kはそれぞれバネ104a,104bのバネ定数を示し、MCAは永久磁石101bと永久磁石107aとの磁荷斥力の比例定数を示し、MCBは永久磁石101aと永久磁石107aとの磁荷斥力の比例定数を示し、Mは永久磁石101cと永久磁石107aとの磁荷斥力の比例定数を示し、Mは永久磁石101aと永久磁石107bとの磁荷斥力の比例定数を示す。また、xA0は均衡状態における端部102aと永久磁石107aとの距離を、xD0は端部102aと永久磁石101cとの距離を、xCD0は端部102aと永久磁石101bとの距離を、xCE0は端部102bと永久磁石101bとの距離を、xB0は均衡状態における端部102bと永久磁石107bとの距離を、xE0は端部102bと永久磁石101aとの距離を、x(0)は端部102aと永久磁石107aとの初期の距離を、x(0)は端部102bと永久磁石107bとの初期の距離を、x’(0)はx(0)の一階微分値(初期速度)を、x’(0)はx(0)の一階微分値(初期速度)を、それぞれ示している。
図15C,図16C,図17C,図18Cに示した通り、永久磁石107aの加速度と永久磁石107bの加速度の合成加速度は、フレーム102に対する可動ボビン103の相対位置に応じて変化する。よって、フレーム102に対する可動ボビン103の相対位置の設定を調整するだけで、擬似力覚発生装置100全体としての合成加速度を調整でき、発生させる擬似力覚を調整することができる。
<本形態の特徴>
以上のように、本形態では、複数の加速度発生装置によって擬似力覚発生装置を構成することとしたため、擬似的な力覚の発生の有無、発生方向、擬似的な力覚の強度等を容易に制御することが可能となる。
〔第8の実施の形態〕
次に、本発明における第8の実施の形態について説明する。
本形態は、回転動力が伝えられる回転入力軸からの入力を偏心カム(偏心板)機構により非対称な加速度を有する並進運動を起こさせる形態である。
<構造>
図19は、第8の実施の形態の加速度発生装置110の構成を示した断面図である。
図19に示すように、本形態の加速度発生装置110は、フレーム111と、モータ等(図示しない)の回転動力が伝えられる入力軸112と、回転軸112に固着され偏心回転を行う偏心カム113と、先端部114aが偏心カム113に接触し、偏心カム113の形状に応じた並進運動を行うガイド棒114と、ガイド棒114の他端部114b(先端部114aの他端)に固着された錘115とを有している。
<動作>
入力軸112がP1方向に回転することにより、偏心カム113もP2方向に回転し、それに接しているガイド棒114が上下運動する。この上下運動の加速度は、偏心カム113の形状によって異なり、その形状によってガイド棒114に固着されている錘115の並進運動の加速度も異なる。そして、このような機構によって錘115の正方向(図19の上方向)の加速度の最大値部分と負方向(図19の下方向)の加速度の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なるものであった場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲であった場合、前述したような擬似的な力覚が発生する。
〔第9の実施の形態〕
次に、本発明における第9の実施の形態について説明する。
本形態は、第8の実施の形態の変形例であり、対称な2つの偏心カムを回転させ、それぞれ発生させる力ベクトルの総和を、特定の直線と平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロとする構成である。
<構成>
図20Aは、第9の実施の形態の擬似力覚発生装置120の構成を示した断面図である。また、図20Bは、図20Aの20B−20B断面図である。
図20に示すように、擬似力覚発生装置120は、フレーム121と、回転動力が伝えられる回転入力軸122a,122bと、同形状・同質量の2つの偏心カム123a,123bと、ガイド棒124と、錘125と、モータ126a,126bとを有している。
フレーム121は、内部が空洞である箱形状からなり、その上面(図20における上面)内壁には板状の軸保持部121aが固着されている。フレーム121の向い合う2つ側面には、それぞれモータ126a,126bが固着され、各モータ126a,126bの回転軸である入力軸122a,122bが、それぞれ、フレーム121の図示していない貫通孔を通じ、フレーム121の内部に挿入されている。フレーム121の内部に挿入された各入力軸122a,122bの他端は、それぞれ、軸保持部121aに回転可能に保持される。なお、各入力軸122a,122bは同軸上に配置されるが、これらは連動していない。フレーム121の内部に位置する各入力軸122a,122bには、それぞれ偏心カム123a,123bが固着され、各偏心カム123a,123bは、各入力軸122a,122bの回転に伴って回転する。また、フレーム121の上面(図20における上面)に設けられた貫通孔121bには、ガイド棒124が挿入されている。このガイド棒124のフレーム121外部に配置される他端部124bには錘125が固着され、フレーム121内部に配置される先端部124aは、ガイド棒124及び錘125の重さにより、一方の偏心カム123aに常時接した状態となる。
なお、入力軸122aは、「回転動力が伝えられる回転入力軸」に相当し、偏心カム123aは、「回転入力部に伝えられた回転動力を、特定の直線上での周期的な並進運動に変換する動力伝達部」に相当し、錘125は、「動力伝達部によって伝達された動力により、特定の直線上での周期的な並進運動を行う移動部材」に相当し、偏心カム123bは、「動力伝達部と対称に構成された対称部」に相当する。
<動作>
モータ126aとモータ126bとは、同一の回転方向に同一の角速度で回転させる。これにより、入力軸122aはS1方向に回転し、入力軸122bはS2方向に回転し、これに伴い、偏心カム123aはS3方向に回転し、偏心カム123bはS4方向に回転する。また、図20Aの紙面と平行な面に対する偏心カム123a,123bそれぞれの射影が重なり合った際、この面に対する偏心カム123a,123bそれぞれの先端部123aa,123baの射影が、直線R(「特定の直線」に相当)の射影上に位置するように、入力軸122a,122bの回転位相を設定する。これにより、偏心カム123a,123bがそれぞれ発生させる力ベクトルの総和が、直線Rと平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロとなる。その結果、直線Rと平行な方向には力覚が生じ得るが、直線R以外の方向には力覚が生じない。
そして、偏心カム123aがS3方向に回転すると、それに接しているガイド棒124の上下運動し、ガイド棒124に固着されている錘125も上下運動(S5方向の並進運動)する。この錘125の並進運動の加速度は、偏心カム123aの形状によって異なるが、本形態の偏心カム123aは、この正方向(直線Rと平行な図20の上方向)の加速度の変位と負方向(直線Rと平行な図20の下方向)の加速度の変位とが一周期中で非対称となるような形状に構成してある。これにより、錘125は、加速度が正方向である場合と負方向である場合とで非対称となる、並進運動を行う。より具体的には、本形態の錘125の並進運動は、正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である。
そして、このような機構によって錘125の正方向の加速度の最大値部分と負方向の加速度の絶対値の最大値部分とで、加速度の変化に対する知覚反応量の変化の比率が異なるものであった場合、すなわち、正方向の加速度の最大値が、図27に例示したS字型曲線のf(x)の範囲にあり、負方向の加速度の絶対値の最大値がf(x)の範囲であった場合、前述したような擬似的な力覚が直線R方向に発生する。言い換えれば、「移動部材」である錘125が、移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで前述のS字型曲線の傾きが異なる並進運動を行う場合に、前述したような擬似的な力覚が発生する。
<本形態の特徴>
本形態のような構成としても前述したような擬似的な力覚を発生させることができる。加えて、本形態の構成では、擬似的な力覚を発生させる方向以外の方向の力ベクトルは常時ゼロであるため、擬似的な力覚を生じさせる方向以外には振動等を生じさせない。これにより、擬似的な力覚をより明確に認識させることが可能となる。
〔第10の実施の形態〕
次に、本発明における第10の実施の形態について説明する。
本形態は、第9の実施の形態の変形例であり、1つのモータを用いて対称な2つの偏心カムを回転させ、それぞれ発生させる力ベクトルの総和を、特定の直線と平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロとする構成である。
<構成>
図21Aは、第10の実施の形態の擬似力覚発生装置130の構成を示した断面図である。また、図21Bは、図21Aの21B−21B断面図である。
図21に示すように、擬似力覚発生装置130は、フレーム131と、回転動力が伝えられる回転入力軸132a,132bと、同形状・同質量の2つの偏心カム133a,133bと、ガイド棒134と、錘135と、モータ136と、その回転軸137とを有している。
フレーム121は、内部が空洞である箱形状からなり、その上面(図21における上面)内壁には板状の軸保持部131aが固着されている。フレーム121の底面(図21における下面)には、モータ136が固着され、モータ136の回転軸137は、フレーム131の図示していない貫通孔を通じ、フレーム131の内部に挿入されている。そして、フレーム131の内部に挿入された回転軸137の先端部137aには、かさ歯車138aが固着されている。また、回転軸137と垂直な直線上には、入力軸132a,132bが配置され、それらの両端部132aa,132ab及び両端部132ba,132bbは、フレーム131の内壁及び軸保持部131aに回転可能に保持されている。さらに、各入力軸132a,132bの一端には、それぞれ、かさ歯車138b,138c固着される。これらのかさ歯車138b,138cは、回転軸137に固着されたかさ歯車138aと噛み合って回転する。
フレーム131の内部に位置する各入力軸132a,132bには、それぞれ偏心カム133a,133bが固着され、各偏心カム133a,133bは、各入力軸132a,132bの回転に伴って回転する。また、フレーム131の上面(図21における上面)に設けられた貫通孔131bには、ガイド棒134が挿入されている。このガイド棒134のフレーム131外部に配置される他端部134bには錘135が固着され、フレーム131内部に配置される先端部134aは、ガイド棒134及び錘135の重さにより、一方の偏心カム133aに常時接した状態となる。
なお、入力軸132aは、「回転動力が伝えられる回転入力軸」に相当し、偏心カム133aは、「回転入力部に伝えられた回転動力を、特定の直線上での周期的な並進運動に変換する動力伝達部」に相当し、錘135は、「動力伝達部によって伝達された動力により、特定の直線上での周期的な並進運動を行う移動部材」に相当し、偏心カム133bは、「動力伝達部と対称に構成された対称部」に相当する。
<動作>
モータ136が駆動し、回転軸137がU0方向に回転すると、入力軸132aがU1方向に回転し、入力軸132bがU2方向に回転する。そして、入力軸132aがU1方向に回転することにより、偏心カム133aもU3方向に回転し、入力軸132bがU2方向に回転することにより、偏心カム133bもU4方向に回転する。
また、図21Aの紙面と平行な面に対する偏心カム133a,133bそれぞれの射影が重なり合った際、この面に対する偏心カム133a,133bそれぞれの先端部133aa,133baの射影が、直線T(「特定の直線」に相当)の射影上に位置するように、入力軸132a,132bの回転位相を設定する。これにより、偏心カム133a,133bがそれぞれ発生させる力ベクトルの総和が、直線Tと平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロとなる。その結果、直線Tと平行な方向には力覚が生じ得るが、直線T以外の方向には力覚が生じない。
そして、偏心カム133aがU3方向に回転すると、それに接しているガイド棒134の上下運動し、ガイド棒134に固着されている錘135も上下運動(U5方向の並進運動)する。そして、前述したのと同様な原理により、擬似的な力覚が直線T方向に発生する。
<本形態の特徴>
本形態のような構成としても前述したような擬似的な力覚を発生させることができる。加えて、本形態の構成では、擬似的な力覚を発生させる方向以外の方向の力ベクトルは常時ゼロであるため、擬似的な力覚を生じさせる方向以外には振動等を生じさせない。これにより、擬似的な力覚をより明確に認識させることが可能となる。
〔第11の実施の形態〕
次に、本発明における第11の実施の形態について説明する。
本形態は、回転動力を一周期中で加速度の変位が非対称の並進運動に変換し、この並進運動によって擬似的な力覚を発生させる。そして、このような機構の加速度発生装置を2つ用い、それらを鏡面対称に配置して擬似力覚発生装置を構成する。
<加速度発生装置の構成>
図22は、第11の実施の形態における並進型の加速度発生装置201の構成を例示した平面図であり、図23Aは、図22のW0方向からみた正面図であり、図23Bは図22における23B−23B部分断面図である。なお、図23Bのベース部210は断面図ではなく側面図である。
以下、これらの図を用いて本形態の加速度発生装置201の構成を説明する。
図22,23に例示するように、本形態の加速度発生装置201は、ベース部210と、ベース部210に内蔵されたモータ220と、モータ220の回転動力が伝えられる回転入力軸221と、回転入力軸221に固定された回転部材230(クランク)と、回転入力軸221以外の回転部材230上の部分に、当該回転入力軸221と平行な第1回転軸233によって回転可能に接合された第1リンク機構250と、第1回転軸233以外の第1リンク機構250上の部分に、当該第1回転軸233と平行な第2回転軸251によって回転可能に接合された第2リンク機構270と、第2回転軸251以外の第2リンク機構270上の部分が、当該第2回転軸251と平行な第3回転軸283aによって回転可能に接合され、移動範囲が一方向(W6方向)のスライド運動に限定されたスライド機構282と、回転入力軸221に対する相対位置が固定されたスライド支点ベース部241と、回転入力軸221と平行なスライド支点回転軸243によってスライド支点ベース部241に回転可能に接合され、第1リンク機構250を長手方向(W7方向)へスライド可能に保持するスライド支点機構242と、回転入力軸221に固着され、その回転に伴って回転する歯車291とを主な構成部品とする。
この例のベース部210は、1つの段差によって低段部211と高段部212とが構成された階段状の中空体であり、その底面にはねじ孔が設けられた板状のタブ213,214が構成されている。このベース部210の高段部212の端部には、モータ220の回転動力を伝える回転入力軸221を通すための貫通孔212aが設けられる。また、ベース部210の貫通孔212aが設けられている反対側の面(図23の下方向)にも貫通孔(図示しない)が設けられている。モータ220は、その回転動力を伝える回転入力軸221がこれらの貫通孔を通じ、上下面外部に突き出した状態でベース部210の高段部212内部に固定配置される。
貫通孔212aからベース部210の上面外部に突き出した回転入力軸221には、円盤状の回転部材230の中心部が固着される。また、ベース部210の下面外部に突き出した回転入力軸221には、円盤状の歯車291が固着される。これにより、回転部材230及び歯車291は、回転入力軸221の回転動力によりW1方向に回転運動する。
回転部材230上の辺縁部232には、柱状の第1リンク機構250の端部が第1回転軸233(ビス等)によってW2方向に回転可能に取り付けられる。これにより、第1リンク機構250は、回転入力軸221以外の回転部材230上の部分に、当該回転入力軸221と平行な第1回転軸233によって回転可能に接合されることになる。なお、この第1リンク機構250の長手方向の両側面には直線上の溝252が構成されている。
また、ベース部210の高段部212表面には、断面がコの字型となる部材の両端を外側に直角に折り返した形状の(この折り返し部分をタブと呼ぶ)スライド支点ベース部241が、回転入力軸221に対する相対位置が固定されて配置されている。この例の場合、スライド支点ベース部241は、回転入力軸221からベース部210の中央部側(すなわち低段部211方向)へずれた位置(より具体的には、図22の静止状態において第1リンク機構250の回転入力軸221側先端付近が配置される位置)にタブを通じてねじ止めされる。このスライド支点ベース部241の内側中央部には、第1リンク機構250の溝252を両側からスライド可能に抱え込むスライド支点機構242が配置される。このスライド支点機構242は、スライド支点回転軸243(ビス等)によってスライド支点ベース部421に対しW3方向に回転可能に取り付けられる。なお、このスライド支点回転軸243の位置は第1回転軸233よりもベース部210中央寄り(低段部211寄り)である。以上により、スライド支点機構242は、回転入力軸221と平行なスライド支点回転軸243(ビス等)によってスライド支点ベース部241にW3方向に回転可能に接合され、第1リンク機構250を長手方向(W7方向)へスライド可能に保持することになる。
第1リンク機構250の他端部のベース部210側には、補強部材260がねじ261,262によってねじ止めされ、この補強部材260を介し、柱状の第2リンク機構270の端部が第2回転軸251によってW4方向に回転可能に取り付けられる。
また、図22における回転入力軸221とスライド支点回転軸243とを結ぶ直線上に位置するベース部210低段部211表面には柱状のレール281が、ねじ281a〜281fによってねじ止めされる。このレール281の長手方向(W6方向)の両側面には直線上の溝282aが設けられ、このレール281上には、これらの溝282aを両側から挟みこみ、このレール281に沿ってW6方向にスライド移動するスライド機構282が配置される。このスライド機構282におけるレール281と反対側の面には、錘保持板283が固着される。そして、この錘保持板283のベース部210と反対側面の両端には錘284,285(慣性質量)が、ねじ284a,284b,285a,285bによってそれぞれねじ止めされる。また、この錘保持板283の中央部には、第3回転軸283a(ビス等)によって第2リンク機構270の他端部がW5方向に回転可能に取り付けられる。この構成により、スライド機構282には、第2回転軸251以外の第2リンク機構270上の部分が、当該第2回転軸251と平行な第3回転軸283aによって回転可能に接合され、このスライド機構282の移動範囲は、レール281によって一方向(W6方向)のスライド運動に限定されることとなる。
図24A及び図24Bは、モータ220によって回転入力軸221がW1方向回転した際の各機構の動きを例示した図である。これらの図に示すように、回転入力軸221がW1方向回転するとそれに保持されている第1回転軸233もW1方向に回転移動する。これに伴い、第1リンク機構250の第1回転軸233に保持された部分も当該第1回転軸233を中心としたW2方向の回転運動を伴いながらスライド移動する。この移動に伴い、第1リンク機構250の第2回転軸251部分に保持された第2リンク機構270も、第2回転軸251を中心とした回転運動を伴いながらスライド移動する。そして、この移動に伴い、第2リンク機構270の第3回転軸283a部分に回転保持された錘保持板283及びスライド機構282がW6方向に移動する。
これにより、加速度発生装置201は、前述したのと同様な原理により、W6方向の擬似的な力覚を発生させる。
<擬似力覚発生装置の構成>
図25は、上述のような加速度発生装置201を2つ組み合わせた擬似力覚発生装置300の構成を示した図である。図25に示すように、本形態の擬似力覚発生装置300は、上述した2つの加速度発生装置201をその擬似的な力覚発生方向が平行となるように鏡面対称に配置する。そして、2つの加速度発生装置201の歯車291は相互に噛み合い、これらが同じ角速度でX1,X2方向に回転するように構成される。これにより、2つの加速度発生装置201は、鏡面対称の動作を行い、X3,X4方向に擬似的な力覚を発生させる。
<擬似力覚発生装置300の動作>
図26A〜図26Fは、この擬似力覚発生装置300のモデルを示した概念図である。
これらの図に示すように、第1回転軸233の円周回転運動(W13,W14方向)に伴い、第1リンク機構250がスライド支点回転軸243にスライド回転保持されつつ回転シフト運動を行い、これに伴って、第2回転軸251が略楕円状の軌道を描いて移動し、第3回転軸283aがW61或いはW62方向(W6方向)に移動する。この図の例の場合、図26A,図26Fの時点では、第3回転軸283aがW61方向に移動しており、図26C,図26Dの時点では、W62方向に移動している。この第3回転軸283aの移動に伴い、スライド機構282、錘保持板283及び錘284,285もW6方向に並進移動するが、モータ220が定速回転であった場合、これらの並進運動は、一周期の中で正及び負の加速度をもつ周期的な加速度運動となる。
また、2つの加速度発生装置201は、相互に鏡面対称に駆動する。そのため、擬似的な力覚が発生するW6方向以外の方向の合力は各時点においてゼロになる。この図の例の場合、図26Aの時点では、反対向きのW81方向及びW82方向の同一の力が発生しており、図26C,図26D,図26Fの時点では、反対向きのW83方向及びW84方向の同一の力が発生している。これらは、互いに相殺しあうためそれらの合力はゼロになる。また、全ての時点において、歯車291等のW13,W14方向の回転に伴う力が発生しているがW13,W14方向は互いに逆向きであるため、これに起因する力の合力もゼロになる。よって、擬似的な力覚を発生させるX3,X4方向以外の合力は大きく抑制され、擬似的な力覚を明確に知覚させることができる。
<本形態の特徴>
本形態のような構成としても前述したような擬似的な力覚を発生させることができる。加えて、本形態の構成では、擬似的な力覚を発生させる方向以外の方向の力ベクトルは常時ゼロであるため、擬似的な力覚を生じさせる方向以外には振動等を生じさせない。これにより、擬似的な力覚をより明確に認識させることが可能となる。
なお、本形態では、歯車291を用い、擬似力覚発生装置300を構成する各加速度発生装置201のモータ220の位相を合わせることとした。しかし、電気的な制御によって、これらのモータ220の位相を合わせる構成としてもよい。例えば、ホール素子やロータリーエンコーダを用いて各モータ220の位相情報を獲得し、それらの情報を利用して各モータ220の同期制御を行ってもよい。
〔知覚特性評価結果〕
最後に、本発明の擬似力覚発生装置の知覚特性評価結果を示す。なお、以下は、第11の実施の形態で示した回転運動を質点の並進運動に変換して本発明を構成する場合の評価結果である。
<実験1>
[実験方法]
任意の方向のみに出力を出すため、リニアレール(日本トムソン社製LWFF,レール長400mm)を用い、錘の並進方向を一軸のみに限定した。また錘の重量は20gとした。本実験では、肘から手掌の方向を正とした軸について調べた。本形態の擬似力覚発生装置にABS樹脂の箱を装着させ、被験者はその部分を利き手で握持した。被験者は24歳から31歳までの男性5名であり、アイマスクにより視覚からの情報を遮断させた。そして、擬似力覚発生装置を駆動させ、被験者は「前方(肘から掌の方向)」又は「後方(掌から肘の方向)」のいずれに力覚を感じたかを答えることとした。なお、力覚を提示する秒数は2秒であり、振動成分の順応を防ぐため20試行おきに1分程度の休息を入れた。また加速度の出力の極性(前方・後方)及び周波数の値は、ランダムに変化させ、被験者間で統一させた順序とした。周波数の値は5Hzから11Hzまで1Hzずつの7段階とし、被験者ごとに10試行ずつ(正逆5試行ずつ)測定を行った。
[実験結果]
実験結果を図28に示す。ここで図28Aは各被験者の極性の正答率を示す表であり、図28Bは各被験者の正答率の平均を極性ごと(前方"forward"・後方"backward"・両方"total")に表示したグラフである。
これらに示すように、正答率は周波数の増加とともに上がっていく傾向が見られる。これは周波数の増加とともに加速度成分の絶対値が大きくなることによるものである。そして、周波数が10Hz以上の場合において全員の正答率が80%を超えることとなった。なお、正答とは、擬似力覚発生装置が発生させた力覚と被験者が回答した力覚との極性が一致することを意味する。
<実験2>
[実験方法]
任意の方向のみに出力を出すため、リニアレールを用い、錘の並進方向を一軸のみに限定した。また錘の重量は20gとした。本実験では、肘から手掌の方向を正とした軸について調べた。本形態の擬似力覚発生装置にABS樹脂の箱を装着させ、被験者はその部分を利き手で握持した。被験者は28歳から31歳までの男性3名(IT,GK,TB)と女性1名(AM)であり、アイマスクにより視覚からの情報を遮断させた。そして、擬似力覚発生装置を駆動させ、被験者は「前方(肘から掌の方向)」又は「後方(掌から肘の方向)」のいずれに力覚を感じたかを答えることとした。モータの回転周波数の値は5,10,15,20,40Hzの5水準を用いた。加速度の出力の極性及び周波数の値はランダムに変化させ、各被験者ごとに500試行(各回転周波数条件あたり100試行、前方への提示に50試行、後方への提示に50試行)を行った。加速度の出力の極性及び周波数の値の順番は、被験者ごとにランダムに変化させた。被験者は知覚した方向が「前方(肘から掌の方向)」又は「後方(掌から肘の方向)」のどちらかを把持しているリングマウスの左右のボタンを押して回答した。そのため,チャンスレベルは50%である。被験者の回答を決定する「決定」ボタンを押された2秒後に次の刺激が2秒間1回だけ提示された。振動順応と疲労の影響を考慮して、50試行おきに2分間の休憩を入れた。また、並進運動する錘284の加速度を計測した。
[実験結果]
実験結果を図29及び図30A〜30Dに示す。
図29は各被験者の正答率を示すグラフである。ここで、横軸はモータの回転周波数,縦軸は正答率である。また、図30A,30B,30C,30Dは、それぞれ、モータの回転周波数が10Hz,20Hz,30Hz,40Hzである場合の錘284の加速度を示すグラフである。図30において実線は測定値を示し、破線はシミュレーションによる理論値を示す。
図29に示すように、すべての被験者においてモータの回転周波数が10Hzのときが最も高い正答率であり、平均正答率は96.5%であった。また40Hzのとき最も低い正答率となり、ほぼチャンスレベルと等しい値となった。
前述のように、<実験1><実験2>は、第11の実施の形態で示した回転運動を質点の並進運動に変換して本発明を構成する場合の評価結果である。しかし、正方向と負方向で加速度が非対称となる並進運動によって擬似力覚を発生させるという原理については、全ての実施形態について共通する。よって、これらの実験結果は、第11の実施の形態以外の構成に対しても妥当なものといえる。
<実験3>
実験3では、第11の実施の形態の構成において、擬似的な力覚を発生させる方向以外の方向の力ベクトルを常時ゼロにすることにより、擬似的な力覚をより明確に認識させることができることを示す。
[実験方法]
この実験では、直交方向の揺動の有無の影響を比較するために、第11の実施の形態で説明したような逆位相で動作する2つの加速度発生装置201,202によって構成される擬似力覚発生装置(以下「逆位相タンデム装置」と呼ぶ)と、それとは異なり、同位相で動作する2つの加速度発生装置201,202によって構成される擬似力覚発生装置(以下「同位相タンデム装置」と呼ぶ)とを用いた。擬似力覚発生装置は、アクリル円盤に対して回転する平歯車上に固定される。この平歯車を回転させることにより、擬似力覚発生装置の向きが変えられ、任意の方向に擬似力覚を発生させることができる。
被験者はアクリル円盤のマークされた位置を両手で持ち、実験を通して把持状態を変化させない。被験者の腕や手は固定されず、被験者は能動的に円盤を動かして方位を探索することができる。被験者の聴覚情報は防音保護具によって制限され、視覚情報は一枚の遮断板によって抑制された。被験者はその遮断板の上に置かれた分度器を見て、感じた力の方向を口頭で答えた。擬似力覚発生装置による擬似力覚の発生は、被験者が十分に擬似力覚の発生方向を認識するまで継続して行った。被験者が擬似力覚発生装置の振動に順応することによって、擬似力覚を知覚しにくくなることを防ぐため、被験者は10試行(およそ55分間)おきに2分間の休憩を行った。また、被験者の疲労を考慮し、被験者に自由に小休止をとることを許した。
[実験結果]
図31は、力覚知覚方位精度の実験結果を示すグラフである。ここで図31Aは同位相タンデム装置での実験結果を、図31Bは、逆位相タンデム装置での実験結果を示す。両図とも、横軸は力覚刺激の提示方向を示し、縦軸は被験者の回答方向を示す。また、両図の黒丸は各試行に対応する。また、これらの黒丸が図31の破線の直線上にある場合、その試行に対する回答は正解であったことを示す。なお、被験者からみた前方は0度、後方は±180 度、左方は90 度、右方は−90度に、それぞれ対応する。
図31Bに示すように、逆位相タンデム装置では、ほとんどの試行において応答は正解となった。これに対し、図31Aに示すように、同位相タンデム装置では、回答の誤りが発生している。これは、逆位相タンデム装置では、擬似的な力覚を発生させる方向以外の方向の力ベクトルを常時ゼロにすることにより、擬似的な力覚をより明確に認識させることができることを示している。
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
物理的に完全な作用力を生じさせるためには通常、その反作用力を支持する支点や力点が必要となるが、本発明では、物理的な作用力としての平均は0のままでありながら、人間の力覚知覚の非線形性と作用力の正負の絶対値の差によって擬似的に狙った方向ヘの力覚表示を可能にする。このように外部や人体に支点を必要としないため、感覚提示デバイスとして携帯電話等のモバイル機器やウェアラブルコンビューティングなどの分野にも応用できる。

Claims (13)

  1. 所定の方向に擬似的な力覚を提示する加速度発生装置であって、
    前記所定の方向と平行な直線上で周期的な並進運動を行う移動部材と、
    前記所定の方向に発生させた第1の力を、前記移動部材に対し、前記所定の方向に加える第1の作用部と、
    前記所定の方向とは逆の方向に発生させた第2の力を、前記移動部材に対し、前記所定の方向とは逆の方向に加える第2の作用部と、を有し、
    前記第1の力の大きさは、
    前記第1の作用部の支点に対する前記移動部材の相対位置によって異なり、
    前記第2の力の大きさは、
    前記第2の作用部の支点に対する前記移動部材の相対位置によって異なり、
    前記移動部材は、
    前記所定の方向を正方向とし、前記所定の方向とは逆の方向を負方向とした場合に、前記移動部材の加速度とその加速度を人体に加えた際に人体の知覚する加速度との関係を示すS字型曲線の傾きが、前記移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで異なる並進運動を行う
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  2. 請求項1の加速度発生装置であって、
    前記第1の力の大きさと、前記第2の力の大きさとの比率は、
    前記第1の作用部の支点及び前記第2の作用部の支点に対する、前記移動部材の相対位置によって変化する
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  3. 請求項1の加速度発生装置であって、
    前記移動部材の並進運動は、
    正方向の加速度の絶対値の最大値と、負方向の加速度の最大値とが異なり、当該最大値が大きい方向の加速度をもつ時間が、当該最大値が小さい方向の加速度をもつ時間よりも短い運動である
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  4. 請求項1の加速度発生装置であって、
    前記第1の作用部及び前記第2の作用部の少なくとも一方は、バネの弾性力によって前記移動部材に力を加える構成を採り、
    当該加速度発生装置は、前記バネの少なくとも一方のバネ定数を変化させるバネ定数可変部を有する
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  5. 請求項1の加速度発生装置であって、
    フレームを具備し、
    前記特定の直線は、
    前記フレームを基準とした直線であり、
    前記移動部材は、
    前記特定の直線上で周期的な並進運動を行う第1の永久磁石を具備し、
    前記第1の作用部は、
    支点が前記フレームに対して固定され、他端が前記移動部材に固定され、前記移動部材を、前記特定の直線上で振幅運動させる弾性体であり、
    前記第2の作用部は、
    前記特定の直線上の位置に配置され、支点が前記フレームに対して固定された第2の永久磁石である
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  6. 請求項1の加速度発生装置であって、
    フレームを具備し、
    前記特定の直線は、
    前記フレームを基準とした直線であり、
    前記第1の作用部は、
    前記特定の直線上に配置される第1の鉄芯と、
    支点が前記フレームに固定され、他端が前記第1の鉄芯に固定され、前記第1の鉄芯を前記特定の直線上で振幅運動させる第1の弾性体と、を有し、
    前記第2の作用部は、
    前記特定の直線上に配置される第2の鉄芯と、
    支点が前記フレームに固定され、他端が前記第2の鉄芯に固定され、前記第2の鉄芯を前記特定の直線上で振幅運動させる第2の弾性体と、を有し、
    前記移動部材は、
    前記第1の鉄芯と前記第2の鉄芯との間を、前記特定の直線に沿って並進運動する
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  7. 請求項の加速度発生装置であって、
    前記第1の弾性体及び前記第2の弾性体の少なくとも一方は、バネであり、
    当該加速度発生装置は、
    バネである前記第1の弾性体及び前記第2の弾性体の任意の位置を、前記フレームに対して固定するバネ定数可変部を更に有する
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  8. 請求項の加速度発生装置であって、
    前記第1の弾性体及び前記第2の弾性体の少なくとも一方は、導電性のバネであり、
    当該加速度発生装置は、
    導電性のバネである前記第1の弾性体及び前記第2の弾性体に電圧を加える電源であるバネ定数可変部を更に有する
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  9. 請求項1に記載の加速度発生装置であって、
    フレームと、前記フレームに対する前記特定の直線方向の相対位置を変更可能な可動部とを有し、
    前記第1の作用部は、前記フレームを支点とし、前記移動部材に対して前記第1の力を加える構成を採り、
    前記第2の作用部は、前記可動部を支点とし、前記移動部材に対して前記第2の力を加える構成を採る
    ことを特徴とする加速度発生装置。
  10. 請求項1に記載の加速度発生装置を2台以上具備する擬似力覚発生装置。
  11. 請求項10に記載の擬似力覚発生装置であって、
    当該擬似力覚発生装置を構成する所定数の前記加速度発生装置が駆動した場合、それぞれの前記加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和は、全ての時刻においてゼロとなる、
    ことを特徴とする擬似力覚発生装置。
  12. 請求項10に記載の擬似力覚発生装置であって、
    当該擬似力覚発生装置を構成する複数の前記加速度発生装置間の位置関係を変化させる位置可変部を有し、
    当該擬似力覚発生装置を構成する複数の前記加速度発生装置が所定の位置関係にある際、それぞれの前記加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和は、全ての時刻においてゼロとなり、
    当該擬似力覚発生装置を構成する複数の前記加速度発生装置が他の位置関係にある際、それぞれの前記加速度発生装置が発生させる力ベクトルの総和は、少なくとも一部の時刻においてゼロ以外の値となる、
    ことを特徴とする擬似力覚発生装置。
  13. 所定の方向に擬似的な力覚を提示する擬似力覚発生装置であって、
    回転動力が伝えられる回転入力軸と、
    前記回転入力軸に伝えられた回転動力を、前記所定の方向と平行な直線上での周期的な並進運動に変換する動力伝達部と、
    前記動力伝達部によって伝達された動力により、前記所定の方向と平行な直線上での周期的な並進運動を行う移動部材と、
    前記所定の方向と平行な直線を中心として前記動力伝達部と対称に構成された対称部と、を有し、
    前記移動部材は、
    前記所定の方向を正方向とし、当該正方向の反対方向を負方向とした場合に、前記移動部材の加速度とその加速度を人体に加えた際に人体の知覚する加速度との関係を示すS字型曲線の傾きが、前記移動部材の正方向の加速度の最大値点と負方向の加速度の最大値点とで異なる並進運動を行い、
    前記動力伝達部及び前記対称部がそれぞれ発生させる力ベクトルの総和は、前記正方向と平行な方向を除き、全ての時刻においてゼロである
    ことを特徴とする擬似力覚発生装置。
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