JP6602650B2 - 擬似力覚発生装置 - Google Patents

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本発明は、擬似的な力覚を利用者に知覚させる技術に関する。
操作者の指先に外力または振動を与えることにより、擬似的な力覚を提示もしくは調節する装置がいくつか提案されている。例えば、指先に40−200Hzの振動周波数成分を主に含んだ非対称な振動を与えることで、定常的な力が働いているかのような錯覚(牽引力錯覚)を生じさせる擬似力覚提示装置が提案されている(例えば、非特許文献1,2等参照)。また、指先ではなく、手の平で握って持つ形態の擬似力覚提示装置も提案され、この装置では5−10Hzの低い周波数の振動によって効果的な力覚が生成されることが知られている(例えば、特許文献1等参照)。これらの装置では、一般的には、装置自体の固有振動数を利用することで、少ないエネルギーで効率良く擬似力覚を提示することができる。
特許第4551448号公報
雨宮智浩,高椋慎也,伊藤翔,五味裕章,"指でつまむと引っ張られる感覚を生み出す装置「ぶるなび3」",2014年,NTT技術ジャーナル,Vol.26,No.9,pp.23−26. 暦本純一,"Traxion:仮想力覚提示デバイス",2013年,日本ソフトウェア科学会インタラクティブシステムとソフトウェアに関する研究会,WISS2013.
擬似力覚提示装置によって擬似力覚を適切に提示するためには、人が把持する部位(把持部)を所望の振動パターンで振動させる必要がある。このような振動は擬似力覚提示装置の錘を非対称に振動させることによって実現でき、一般に錘の質量や振幅が大きいほど擬似力覚を明確に呈示できる。しかし、把持部の内側で錘が非対称振動する小さな擬似力覚提示装置(例えば非特許文献1,2)では、その錘の質量や振幅が制限され、明確な擬似力覚を呈示できない場合がある。また把持部の外側で錘が非対称振動する擬似力覚提示装置(例えば特許文献1)であっても、把持部の一方側のみで錘が非対称振動するのでは、自然な力覚を呈示することはできない。
発明の課題は、明確かつ自然な擬似的な力覚を呈示することである。
本発明の擬似力覚発生装置は、支持部と、当該支持部の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行う複数個の振動部と、当該非対称振動によって支持部に与えられた振動が伝達される把持部と、を有する。ただし、これら複数個の振動部による複数の非対称振動の振動中心の一部が把持部の外方の一方側に位置し、これら複数の非対称振動の振動中心の他の一部が把持部の外方の他方側に位置する。
これにより、本発明では明確かつ自然な擬似的な力覚を呈示できる。
図1Aは実施形態の擬似力覚発生装置の構成を説明するための概念図である。図1Bは実施形態の擬似力覚発生装置およびその制御システムを説明するためのブロック図である。 図2Aおよび図2Bは実施形態の振動部を例示するための概念図である。 図3Aから図3Dは、実施形態の振動部が擬似的な力覚を提示するための制御を説明するための図である。 図4Aおよび図4Bは、ケースを手に持った状態で、図2Aおよび図2Bの左方向へ擬似的な並進力覚を提示するための制御を行ったときの、外部静止座標系に対するケースの位置変化および加速度変化を例示した図である。図4Cおよび図4Dは、図2Aおよび図2Bの右方向へ擬似的な並進力覚を提示するための制御を行ったときのケースの位置変化および加速度変化を例示した図である。 図5Aおよび図5Bは振動部の変形例を例示するための概念図である。 図6Bは振動部の変形例を例示するための概念図である。 図7は実施形態の擬似力覚発生装置の構成を説明するための概念図である。 図8Aは実施形態の擬似力覚発生装置の構成を説明するための平面図である。図8Bは図8Aの8B−8B断面図である。図8Cは擬似力覚発生装置の使用状態を説明するための図8Aの8B−8B断面図である。 図9Aは実施形態の擬似力覚発生装置の構成を説明するための平面図である。図9Bは図9Aの9B−9B断面図である。図9Cは擬似力覚発生装置の使用状態を説明するための図9Aの9B−9B断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[概要]
まず概要を説明する。実施形態の擬似力覚発生装置は、「支持部」と、当該「支持部」の互いに異なる位置に支持(例えば、固定や一体化)され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行う複数個の「振動部」と、当該非対称振動によって「支持部」に与えられた振動が伝達される「把持部」と、を有する。ただし、複数個の「振動部」による複数の非対称振動の「振動中心」の一部は「把持部」の外方の一方側に位置し、当該複数の非対称振動の「振動中心」の他の一部は「把持部」の外方の他方側に位置する。つまり「把持部」は、複数個の「振動部」による複数の非対称振動の「振動中心」を通る境界によって囲まれた領域の内側に位置する。言い換えると「把持部」は、複数の「振動中心」に挟まれた領域の内側または複数の「振動中心」に囲まれた領域の内側に位置する。
ここで「振動部」による各非対称振動は、その内部に収容された錘が非対称振動することで実現される。非対称振動の「振動中心」が「把持部」の外方に配置される「振動部」の場合、その大きさを手の平に収まる範囲に制限する必要はない。そのため、非対称振動を行う錘の質量や振幅を大きくとることができ、擬似的な力覚を明瞭に知覚させることができる。例えば、小型軽量化した「把持部」(中空の部材を利用するなど)と大きな「振動部」を利用することで、「把持部」に大きな振動を生じさせ(ニュートンの運動法則に示されるように、全体の重量を小さくすると同じ力でより大きな振動を生じることができる)、より明瞭な力覚を呈示できる。
すべての「振動部」を手の平に収まる範囲に収める必要がないため、「振動部」の個数を増加させることも容易であり、多くの「振動部」を駆動させることで、より明瞭な力覚を呈示できる。また当該複数の非対称振動の「振動中心」の一部を「把持部」の外方の一方側に配置し、他の一部を「把持部」の外方の他方側に配置するため、「把持部」の外方の一方側のみに「振動中心」が配置される場合に比べ、「把持部」にバランスのよい振動が与えられる。その結果、自然な力覚を知覚させることができる。
さらに複数の「振動部」を利用することで自由度の高い力覚提示が可能となる。例えば、2個以上の「振動部」を独立に制御することで、力とトルクの感覚を各「振動部」から独立に提示できる。
複数個の「振動部」の少なくとも一部による非対称振動の振動軸が「把持部」の外側に存在していてもよい。これにより、小型の「振動部」でも大きなトルクの力覚を呈示できる(てこの原理)。この効果は「振動部」の振動軸と「把持部」との距離が大きいほど大きく、「振動部」と「把持部」との距離が離れているほど大きい。好ましくは、すべての「振動部」が「把持部」の外方に位置することが望ましく、複数個の「振動部」のすべての振動軸が「把持部」の外側に位置することが望ましい。
また、「把持部」の形状を「振動部」の形状と独立に設計できるため、設計の自由度が高く、多様な寸法や形状の擬似力覚発生装置を構成できる。例えば、「把持部」を手のひらなどの皮膚との接触面積が大きな形状にすることもできる。この場合、発生した振動を安定的に人の伝達し、安定的な力覚を知覚させることができる。
好ましくは、上述した複数個の「振動部」そのものが「把持部」の外方に配置されることが望ましい。これにより、「振動部」内の錘の質量や振幅に制約がなくなり、より明瞭な力覚の呈示が可能となる。また、「振動部」およぼ「把持部」のそれぞれの大きさや形状を独立に設計できるため、「振動部」の大きさや形状が「把持部」の大きさに限定されず、「把持部」の大きさや形状も自由に選択できる。
例えば、「支持部」の一端に複数個の「振動部」の何れかが支持され、当該「支持部」の他端に複数個の「振動部」の他の何れかが支持される場合、当該「支持部」の一端と他端との間の「支持部」の領域に「把持部」を設ければよい。「把持部」は、複数個の「振動部」の重心を含む領域に配置されてもよいし、複数個の「振動部」および「支持部」の重心を含む領域に配置されてもよいし、擬似力覚発生装置の重心を含む領域に配置されてもよい。これにより、より自然な力覚を知覚させることができる。
「把持部」は人が把持可能な大きさに制限する必要があるが、「振動部」をそのような大きさに制限する必要はない。「把持部」が占める領域の体積は「振動部」が占める領域の体積よりも小さくてもよい。つまり「把持部」の断面領域は「振動部」の断面領域よりも狭くてもよい。「把持部」の太さは「振動部」の太さよりも細くてもよい。例えば、「把持部」および「振動部」の外形がともに円柱形状である場合、「把持部」の外径は「振動部」の外径よりも小さくてよい。
好ましくは、複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさは、複数個の「振動部」の何れかの非対称振動のみによって生じる力の大きさよりも大きい。複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさの最大値が、何れかの非対称振動のみによって生じる力の大きさ最大値よりも大きくてもよい。複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさの時間平均値が、何れかの非対称振動のみによって生じる力の大きさの時間平均値よりも大きくてもよい。擬似力覚発生装置の駆動時間のすべてにおいて、複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさが、複数個の「振動部」の何れかの非対称振動のみによって生じる力の大きさよりも大きくてもよい。例えば、上述の合力の大きさ(例えば、当該合力の大きさの平均値または最大値)が最大となるように制御されてもよいし、閾値以上となるように制御されてもよい。複数個の「振動部」の非対称振動の位相を同期させてもよい。複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさ(例えば、当該合力の大きさの平均値または最大値)が最大となるように、当該複数個の「振動部」の非対称振動の位相が制御されてもよい。複数個の「振動部」の非対称振動によって生じる合力の大きさが閾値以上となるように、当該複数個の「振動部」の非対称振動の位相が制御されてもよい。なお、「複数個の振動部の非対称振動によって生じる合力の大きさ」とは、複数個の「振動部」の非対称振動による力ベクトルを合成したベクトルの大きさを意味する。また、加速度の大きさを指標として力の大きさを制御してもよい。
複数個の「振動部」の非対称振動の方向が同一または略同一であってもよい。すなわち複数個の「振動部」の非対称振動の方向が同一直線に沿ったもの(同一直線と平行または略平行)であってもよい。これにより、「振動部」の位相を制御することで、「振動部」の非対称振動による合力の大きさを最大化できる。複数個の「振動部」の非対称振動の方向が互いに異なっていてもよい。例えば、複数個の「振動部」の非対称振動の方向が多角形の各辺に沿った方向であってもよい。このような「振動部」の非対称振動を制御することで、全体として呈示される力覚の方向や大きさを制御できる。
[第1実施形態]
第1実施形態について説明する。以降、既に説明した事項については同一の参照番号を用い、重複した説明を省略する場合がある。
<構成および動作>
図1Aに例示するように、本形態の擬似力覚発生装置100は、支持部110(接続部)と、支持部110の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる所望の非対称振動を行う2個(複数個)の振動部120,130と、当該非対称振動によって支持部110に与えられた振動が伝達される把持部110aとを有する。振動部120による非対称振動の振動中心120a(複数個の振動部による複数の非対称振動の振動中心の一部)は把持部110aの外方の一方側に位置し、振動部130による非対称振動の振動中心130a(複数個の振動部による複数の非対称振動の振動中心の他の一部)は把持部110aの外方の他方側に位置する。
本形態の振動部120,130は、アクチュエータであり、入力された制御信号を所定の機械的な運動に変換する。振動軸に沿った直線的な非対称振動を行うのであれば、リニアアクチュエータを用いて振動部120,130が構成されてもよいし、回転子を用いて振動部120,130が構成されてもよい。制御の便宜上、振動部120,130は同一の構成であることが望ましいが、振動部120,130が異なる構成であってもよい。振動部120,130の具体例については後述する。
本形態の支持部110は、剛体または剛体とみなせる軽量な材料(例えば、ボール紙,木片,ABS樹脂,アクリル,カーボンファイバなどのほとんど変形したい材料)で構成された円筒状または円柱状の部材である。軽量化のためには、支持部110が円筒状であるほうが望ましい。また、支持部110の内部がハニカム構造となっていてもよい。支持部110の一端には振動部120が機械的に固定(接続)され、他端には振動部130が機械的に固定(接続)されている。すなわち、振動部120およびその振動中心120aが把持部110aの外方の一方側に位置し、振動部130およびその振動中心130aは把持部110aの外方の他方側に位置する。支持部110の外径は振動部120,130の外径よりも小さく、人の手1000で把持可能である。振動部120,130の外径は人の手1000で把持可能な範囲に限定されず、それよりも大きくてもよい。振動部120,130の振動軸は支持部110の長手方向に沿って配置され、振動部120,130は支持部110の長手方向(C,CおよびD,D方向)に沿って非対称振動を行う。つまり、振動部120,130の振動軸および支持部110は略同軸上に配置される。振動部120,130の振動軸は互いに完全な平行である必要はなく、軸方向がある程度揃っていれば良い。ただし、振動部120,130の振動軸が互いに平行でない場合、それぞれの振動によって生じる力の一部の成分が互いに打ち消し合う。そのため、振動部120,130の振動軸が互いに平行な場合に比べ、呈示される力覚の明瞭度が低下する。そのため、好ましくは、振動部120,130の振動軸は互いに平行であることが望ましい。より好ましくは、振動部120,130の振動軸および支持部110が同軸上に配置されることが望ましい。これにより、所望の力覚の呈示に不必要なトルクや振動を抑制でき、明確な力覚を呈示できる。さらに好ましくは、振動部120,130の振動軸、支持部110、および擬似力覚発生装置100の重心110aaが同軸上に配置されることが望ましい。所望の力覚の呈示に不必要なトルクや振動をより抑制できるからである。把持部110aは支持部110の中央付近の領域であり、擬似力覚発生装置100の重心110aaは把持部110aの内側に存在する。重心110aaが把持部110aの内側に存在することで、把持部110aを把持する手1000に加わる不要な力を抑制し、より自然な力覚を呈示できる。図1Aに例示するように、手1000で把持部110aを把持した場合、擬似力覚発生装置100の全体が手1000の中に収まるのではなく、少なくとも「親指と人差し指で握られる側」(図1Aの振動部120側)「小指と手のひらで挟まれる側」(図1Aの振動部130側)の双方から擬似力覚発生装置100の一部が手1000の外側に配置される。手1000で把持部110aを把持した際、さらに手1000の指の間からも擬似力覚発生装置100の一部が外側にはみ出す構成であってもよい。
図1Bに例示するように、振動部120,130の非対称振動を制御する制御部11に、信号増幅装置12,13が電気的に接続され、信号増幅装置12に振動部120,130が電気的に接続される。制御部11は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)やRAM(random-access memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータに、所定のプログラムが読み込まれて構成される装置である。制御部11が電子回路(制御回路)であってもよい。信号増幅装置12,13は、例えば、入力された制御信号をアンプ回路などにより増幅して出力する回路である。デジタルポテンショ素子等の機能に基づき、信号増幅装置12,13の増幅率が変更可能であってもよい。制御部11は、振動部120,130の非対称振動を制御するための制御信号を生成して出力し、信号増幅装置12,13は制御信号を増幅して振動部120,130に供給する。振動部120,130は供給された制御信号に基づいて駆動し、非対称振動を行う。振動部120はC,C方向に非対称振動(周期的な偏加速度運動)を行い、振動部130はD,D方向に非対称振動を行う。
本形態では、振動部120,130の非対称振動によって生じる合力の大きさが、振動部120または130の一方のみの非対称振動によって生じる力の大きさよりも大きくなるように制御される。これにより、振動部120または130の一方のみを非対称振動させる場合よりも明瞭に力覚を呈示できる。例えば、振動部120,130の非対称振動によって生じる合力の大きさの最大値が、振動部120または130の一方の非対称振動のみによって生じる力の大きさの最大値よりも大きくなるように制御されてもよい。このような合力の大きさの時間平均値が、振動部120または130の一方の非対称振動のみによって生じる力の大きさの時間平均値よりも大きくないように制御されてもよい。駆動時間のすべてにおいて、このような合力の大きさが振動部120または130の一方の非対称振動のみによって生じる力の大きさよりも大きくないように制御されてもよい。上述の合力の大きさ(例えば、当該合力の大きさの平均値または最大値)が最大となるように制御されてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように制御されてもよい。なお、振動部120,130の非対称振動によって生じる合力の大きさとは、振動部120の非対称振動による力ベクトルと、振動部130の非対称振動による力ベクトルとを合成したベクトルの大きさを意味する。振動部120,130の振動軸が同軸上に位置する場合、振動部120の非対称振動によって生じる力(C方向を正、C方向を負)と振動部130の非対称振動によって生じる力(D方向を正、D方向を負)との和の絶対値が「合力の大きさ」となる。
振動部120および130の非対称振動の位相を同期させてもよい。上述の合力の大きさが最大となるように位相を同期させてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように位相を同期させてもよい。例えば、振動部120がC方向に加速しているときに振動部130がD方向に加速し、振動部120がC方向に加速しているときに振動部130がD方向に加速するように位相を同期させてもよい。
以上のような「合力の大きさ」や「位相」は、制御部11が生成する制御信号によって制御できる。例えば、供給される制御信号(制御電流または制御電圧)が正のときに振動部120,130がC,D方向に加速し、負のときに振動部120,130がC,D方向に加速する場合、同一の制御信号を振動部120,130に供給してもよい。
<振動部120,130の具体例>
振動部120,130の具体例を説明する。以下では振動部120を例示するが、振動部130も振動部120と同様な構成(以下のCをDに、CをDに置換した構成)でよい。
図2Aおよび図2Bに例示するように、振動部120は、例えば、ベース121、ばね122,123(弾性体)、コイル124、永久磁石125(錘)、およびケース126を有する。本形態のケース126およびベース121は、ともに円筒の両方の開放端を閉じた形状からなる中空の部材である。ただし、ベース121は、ケース126よりも小さく、ケース126の内部に収容可能な大きさである。ケース126およびベース121は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂から構成される。ばね122,123は、例えば、金属等から構成されるつるまきばねや板ばね等である。ばね122,123のばね定数は同一であることが望ましいが、互いに相違していてもよい。永久磁石125は、例えば、円柱形状の永久磁石であり、長手方向の一方の端部125a側がN極であり、他方の端部125b側がS極である。コイル124は、例えば、一つながりのエナメル線であり、第1巻き部124aと第2巻き部124bとを有する。
永久磁石125はベース121の内部に収容され、そこで長手方向にスライド可能に支持されている。このような支持機構の詳細は図示しないが、例えば、ベース121の内壁面に長手方向に沿ったまっすぐなレールが設けられ、永久磁石125の側面にこのレールをスライド可能に支持するレール支持部が設けられている。ベース121の長手方向の一端側の内壁面121aには、ばね122の一端が固定され(すなわち、ベース121にばね122の一端が支持され)、ばね122の他端は永久磁石125の端部125aに固定されている(すなわち、永久磁石125の端部125aがばね122の他端に支持されている)。また、ベース121の長手方向の他端側の内壁面121bには、ばね123の一端が固定され(すなわち、ベース121にばね123の一端が支持され)、ばね123の他端は永久磁石125の端部125bに固定されている(すなわち、永久磁石125の端部125bがばね123の他端に支持されている)。
ベース121の外周側にはコイル124が巻きつけられている。ただし、永久磁石125の端部125a側(N極側)では、第1巻き部124aがA方向(奥から手前に向けた方向)に巻きつけられており、端部125b側(S極側)では、第2巻き部124bがA方向と反対向きのB方向(手前から奥に向けた方向)に巻き付けられている。すなわち、永久磁石125の端部125a側(N極側)からみた場合、第1巻き部124aは時計回りに巻き付けられており、第2巻き部124bは反時計回りに巻き付けられている。また、永久磁石125が停止し、ばね122,123からの弾性力が釣り合った状態において、永久磁石125の端部125a側(N極側)が第1巻き部124aの領域に配置され、端部125b側(S極側)が第2巻き部124bの領域に配置されることが望ましい。
以上のように配置構成されたベース121、ばね122,123、コイル124、および永久磁石125が、ケース126内に収容され、ベース121がケース126の内部に固定されている。すなわち、「ベース121」は、振動部120の中で磁石125とばね122,123を振動部120のケース126に固定する部分である。ただし、ケース126の長手方向は、ベース121の長手方向および永久磁石125の長手方向と一致する。
コイル124は、流された電流に応じた加速度(力)を永久磁石125に与え、これにより、永久磁石125は、ベース121に対し、振動中心120aを中心とした非対称振動(周期的な偏加速度運動:ベース121を基準とした軸方向に偏加速度をもった周期的な並進往復運動)を行う。すなわち、コイル124にA方向(B方向)に電流を流すと、フレミングの左手の法則で説明されるローレンツ力の反作用により、永久磁石125−iにC方向(永久磁石125−iのN極からS極に向かう方向:右方向)の力が加えられる(図2A)。逆に、コイル124にA方向(B方向)に電流を流すと、永久磁石125にC方向(永久磁石125のS極からN極に向かう方向:左方向)の力が加えられる(図2B)。ただし、A方向はA方向の反対方向である。これらの動作により、永久磁石125およびばね122,123からなる系に運動エネルギーが与えられる。それにより、ケース126を基準とする永久磁石125の位置および加速度(ベース121を基準とした軸方向の位置および加速度)を変化させることができる。
ここで、永久磁石125に所望の方向(C方向またはC方向)の加速度を与える向きの電流をコイル124に流す第1の期間と、それ以外の第2の期間と、を周期的に繰り返す。その際、所定の方向に電流を流す期間(時間)とそれ以外の期間(時間)との比(反転比)を何れか一方の期間に偏らせる。言い換えると、1つの周期に占める第1の期間の割合が当該周期に占める第2の期間の割合と異なる周期的な電流をコイル124に流す。これにより、所望の方向に擬似的な力覚を提示できる。なお、「疑似的な力覚」とは、実際には物体(擬似力覚発生装置)が並進運動をしていないにも関わらず、あたかも並進方向へ動きそうな力が働いているような知覚が生成されることをいう。以下、図3Aから図3Dを用いてこの制御を例示する。ただし、図3Aから図3Dの縦軸はコイル124に流す電流値(電流指令値)[A]を表し、横軸は時間[msec]を表す。A方向(B方向)の電流値を正で表現し、A方向(B方向)の電流値を負で表現している。
図3Aおよび図3Bは、A方向(B方向)の電流(X:C方向の加速度を永久磁石125に与える向きの電流)を流す期間t(第1の期間)とA方向(B方向)の電流(−X)を流す期間t(第2の期間)とを周期的に繰り返す例である。この場合、A方向(B方向)の電流を流す期間tとA方向(B方向)の電流を流す期間tとの比(反転比t:t)に応じ、図2Aおよび図2Bの左方向または右方向に擬似的な力覚を提示できる。すなわち、図2Aおよび図2Bの左方向に擬似的な力覚を提示する場合には、t>tとなる反転比の周期的な電流をコイル124に流す(図3A)。例えば、反転比t:t=18msec:7msecの周期的な電流(40Hzの周波数の電流)をコイル124に流す。逆に、右方向に擬似的な力覚を提示する場合には、t<tとなる反転比の周期的な電流をコイル124に流す(図3B)。例えば、反転比t:t=7msec:18msecの周期的な電流(40Hzの周波数の電流)をコイル124に流す。
図3Cおよび図3Dは、A方向(B方向)の電流(−X)を流す期間tと電流を流さない期間tとを周期的に繰り返すか、A方向(B方向)の電流(X)を流す期間(時間)tと流さない期間tとを周期的に繰り返す例である。ただし、期間tと期間tとの反転比t:tが何れかの期間に偏っている。すなわち、左方向に擬似的な力覚を提示する場合には、A方向(B方向)の電流(−X:C方向の加速度を永久磁石125に与える向きの電流)を流す期間tと電流を流さない期間tとを周期的に繰り返す電流をコイル124に流す。この電流の反転比t:tは期間tに偏っており、t>tである(図3C)。例えば、反転比t:t=18msec:7msecの電流をコイル124に流す。逆に、右方向に擬似的な力覚を提示する場合には、A方向(B方向)の電流(X:C方向の加速度を与える向きの電流)を流す期間tと流さない期間tとを周期的に繰り返す電流をコイル124に流す。この電流の反転比t:tは期間tに偏っており、t<tである(図3D)。例えば、反転比t:t=7msec:18msecの電流をコイル124に流す。
なお、説明の便宜上、図3Aから図3Dに図示した電流値(電流指令値)は矩形波であった。しかしながら、所定の方向に電流を流す期間とそれ以外の期間とを周期的に繰り返す電流であって、所定の方向に電流を流す期間とそれ以外の期間との反転比が何れか一方の期間に偏っているのであれば、どのような波形の電流であってもよい。例えば、立ち上がりや立ち下がりが鈍った電流であってもよいし、リップルを含む電流であってもよい。また、所定の方向に電流を流す期間とその逆の方向に電流を流す期間とを周期的に繰り返す電流であって、所定の方向の電流の振幅値またはその平均値と、その逆の方向の電流の振幅値またはその平均値とが互いに相違していてもよい。
<振動部が擬似的な力覚を提示できる理由>
ある質量をもった物体の並進運動を考える。この並進運動は、擬似力覚を提示したい方向へ大きな加速度で短時間で移動し、逆の方向へは小さな加速度で長時間で移動する、偏加速度をもった周期運動であるものとする。この場合、この物体を含む系を把持しているユーザは、この提示方向への擬似力覚を知覚する。これは、人間の知覚特性を利用したものであり、把持動作に関わる固有感覚と触覚によって発生する現象である(例えば、特許文献1参照)。上述のように、所定の方向に電流を流す期間とそれ以外の期間との反転比を何れかの期間に偏らせた電流をコイルに流すことにより、永久磁石125に偏加速度を与えることができ、それによって所望の方向へ擬似的な力覚を提示することができる。
図4Aおよび図4Bは、A方向(B方向)の電流を流す期間(時間)tとA方向(B方向)の電流を流す期間tとを反転比t:t=18msec:7mseで繰り返す40Hzの周波数の電流を、図2Aおよび図2Bに例示した振動部120のコイル124に流した場合における、ケース126を手で把持した場合の外界を基準としたケース126の位置の変化および加速度変化をそれぞれ例示している。一方、図4Cおよび図4Dは、A方向(B方向)の電流を流す期間(時間)tとA方向(B方向)の電流を流す期間tとを反転比t:t=7mse:18msecで繰り返す40Hzの周波数の電流を、コイル124に流した場合における、ケース126を手で把持した場合の外界を基準としたケース126の位置変化および加速度変化をそれぞれ例示している。なお、図4Aから図4Dの横軸は時間[Sec]を表し、図4Aおよび図4Cの縦軸は外界を基準とした場合のケース126の位置変化[mm]を表し、図4Bおよび図4Dの縦軸は外界を基準とした場合のケース126の加速度変化[m/s]を表す。図2Aおよび図2Bの左方向が図4Aから図4Dの縦軸の正方向であり、右方向が負方向である。図4Bに例示するように、反転比t:t=18msec:7mseの電流を流した場合、tの始まりの時点(tからtに切り替わる時点)で、図2Aおよび図2Bの永久磁石125が左に動いている状態から急激に右方向へ動かす力が働くため、その反作用でケース126に左方向へ大きな加速度が生ずる。一方、tの始まる時点(tからtに切り替わる時点)では、tの間に移動して静止している永久磁石125が左方向に動くため,その反作用で生ずるケース126への右方向の加速度はtの開始時点より大きさが小さい。その結果、ケース126の加速度に左右差が生じ、左方向へ擬似的な力覚が提示される。逆に、図4Dに例示するように、反転比t:t=7mse:18msecの電流を流した場合、図2Aおよび図2Bの右方向へはケース126に大きな加速度が生じ、左方向へは小さな加速度が生ずる。その結果、右方向へ擬似的な力覚が提示される。
<振動部120,130の制御の具体例>
図2Aおよび図2Bで例示した振動部120、および振動部120のCをDに、CをDに置換した振動部130を用いた場合の制御を例示する。
≪制御例1≫
(すなわちD)方向に擬似的な力覚を呈示する場合に、振動部120,130に図3Bまたは図3Dの電流指令値に基づく同一の制御電流を供給する。C(すなわちD)方向に擬似的な力覚を呈示する場合に、振動部120,130に図1Bまたは図1Dの電流指令値に基づく同一の制御電流を供給する。なお、正負の波形が対称な制御電流のうち期間が短い方の電流が流れ始めるタイミングで力が働き、擬似力覚が発生する。複数の振動部に供給される制御電流の位相が揃っている場合には、力が働くタイミングで複数の振動部で発生する力の合力に相当する力覚を提示することができる。
≪制御例2≫
(すなわちD)方向に擬似的な力覚を呈示する場合に、振動部120に図3Bの電流指令値に基づく制御電流を供給し、振動部130に図3Dの電流指令値に基づく制御電流を供給する。C(すなわちD)方向に擬似的な力覚を呈示する場合に、振動部120に図3Aの電流指令値に基づく制御電流を供給し、振動部130に図3Cの電流指令値に基づく制御電流を供給する。
≪制御例3≫
制御例1,2において、振動部120に供給される制御電流と振動部130に供給される制御電流との位相が多少ずれていてもよい。個々の振動部で発生する擬似力覚よりも大きな擬似力覚を提示するには、期間t(第1の期間)と期間t(第2の期間)のうち、時間の長さが短い方の期間が重なっていることが望ましい。例えば、図3Bや図3Dを例にすると、これらの制御電流の間に2π×const×t/(t+t)未満の位相差に抑えた方がよい。ただし、constは0<const<1の定数である。
≪制御例4≫
制御電流に代えて制御電圧を制御信号としてもよい。
<本形態の特徴>
本形態では、振動部120,130が把持部110aの外方に配置されるため、振動部120,130の大きさが把持部110aの大きさに制限されない。これにより、把持部110aを把持に適した大きさにしつつ、振動部120,130の大きさを大きくすることができる。これによって明瞭な力覚を呈示できる。また、把持部110aの形状を振動部120,130の形状と独立に設計できるため、把持部110aを手1000のひらなどの皮膚との接触面積が大きな形状にすることもできる。皮膚との接触面積が大きいほど多くの機械受容器を刺激する。特に、剪断応力に関与する機械受容器は皮膚の深い部分に位置しており、接触面積が大きいほど空間加重の効果が高い。これにより、発生した振動を安定的に人の伝達し、安定的な力覚を知覚させることができる。このような観点から、支持部110は、把持部110aと皮膚との接触面積が広くなる形状であることが望ましい。例えば、図1Aで例示した円筒または円柱はその一例であるがその他の形状であってもよい。例えば、把持部110aの長手方向に垂直な断面領域が楕円領域であってもよいし、円に近い正多角形であってもよい。
振動部120を把持部110aの外方の一方側に配置し、振動部130を把持部110aの外方の他方側に配置するため、把持部110aの一方側のみに振動部が配置される場合に比べ、自然な力覚を知覚させることができる。
また、図3および図4で例示したような高い周波数で駆動する振動部120,130を用いることで、なめらかな力覚(牽引力感覚)を呈示できる。
[第1実施形態の変形例1]
図2Aおよび図2Bで例示した振動部120の変形として、永久磁石125の端部125a側(N極側)または端部125b側(S極側)のみにコイル124が巻き付けられていてもよい。例えば、図5Aおよび図5Bの振動部120’のように、ベース121の外周側の端部125b側(S極側)のみにコイル124が巻き付けられていてもよい。振動部120’のその他の構成は、振動部120と同じである。このような場合の制御およびそれによって提示される擬似的な力覚の方向は、振動部120と同じである。同様に、振動部130に代えて振動部120’が用いられてもよい。
[第1実施形態の変形例2]
すなわち、第1巻き部124a’側のコイルと第2巻き部124b’側のコイルとが電気的に接続されておらず、互いに異なる電気信号を与えることができる構成であってもよい。その他の構成は、図2Aおよび図2Bで例示した振動部120と同じである。この場合、第1巻き部124a’側のコイルのみにA方向の逆向きのA方向の電流(−X)を流す期間tと電流を流さない期間tとを周期的に繰り返すか、第2巻き部124b’側のコイルのみにB方向の電流(X)を流す期間(時間)tと流さない期間tとを周期的に繰り返す。ただし、期間tと期間tとの反転比t:tが何れか一方の期間に偏っている。すなわち、図6の左方向に擬似的な力覚を提示する場合には、第1巻き部124a’側のコイルのみにA方向の電流(−X)を流す期間tと電流を流さない期間tとを周期的に繰り返す電流を流すが、この電流の反転比t:tは期間tに偏っており、t>tである(図3C)。例えば、反転比t:t=18msec:7msecの電流を流す。逆に、右方向に擬似的な力覚を提示する場合には、第2巻き部124b’側のコイルのみにB方向の電流(X)を流す期間(時間)tと流さない期間tとを周期的に繰り返す電流を流すが、この電流の反転比t:tは期間tに偏っており、t<tである(図3D)。例えば、反転比t:t=7msec:18msecの電流を流す。
[第1実施形態の変形例3]
振動部120,130としてボイスコイルモータを用いてもよい。一般的に市販のボイスコイルモータは、その内部の構造上、正負の波形が対称な制御信号を入力しても、その振動波形(加速度波形など)は正負で非対称となる。振動部120,130としてボイスコイルモータを用い、振動部120の向きを振動部130の向きの反対向きとし、それらの振動の正負を互いに反対向きとすることで、ボイスコイルモータ自体の非対称特性をキャンセルできる。この場合、例えば、反転比t:t=3msec:22msec(1周期25msなので40Hzの周波数相当)の矩形波の制御信号を、互いに逆符号にして振動部120,130に入力し、振動部120,130を制御する。
[第1実施形態の変形例4]
第1実施形態では、把持部110aの内側(内方)に擬似力覚発生装置100の重心110aaが存在した。しかし、把持部の外側(外方)に擬似力覚発生装置100の重心110aaが存在してもよい。例えば、図7に例示するように、支持部110における振動部120と重心110aaとの間の領域を第1の把持部110bとし、支持部110における振動部130と重心110aaとの間の領域を第2の把持部110cとしてもよい。人はその左手で把持部110bを把持し、右手で把持部110cを把持する。このような構成でも力覚を呈示できる。この構成では、把持部100bと把持部100cとの間に重心110aaが配置されるため、比較的バランスのよい力覚を人に与えることができる。
[第2実施形態]
本形態は第1実施形態の変形例である。本形態の擬似力覚発生装置は4個の振動部を含み、それらによる非対称振動の振動軸がすべて把持部の外側に存在する。
<構成および動作>
図8Aから図8Cに例示するように、本形態の擬似力覚発生装置200は、支持部211〜214と、支持部211〜214の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行う4個の振動部120,130,240,250と、非対称振動によって支持部211〜214に与えられた振動が伝達される把持部210と、を有する。振動部120による非対称振動の振動中心120aが把持部210の外方の一方側に位置し、振動部130による非対称振動の振動中心130aが把持部210の外方の他方側に位置する。同様に、振動部240による非対称振動の振動中心240aが把持部210の外方の一方側に位置し、振動部250による非対称振動の振動中心250aが把持部210の外方の他方側に位置する。振動部120,240による非対称振動の振動中心120a,240aが把持部210の外方の一方側に位置し、振動部130,250による非対称振動の振動中心130a,250aが把持部210の外方の他方側に位置するとみてもよい。振動部120,130,240,250による非対称振動の振動軸L,L,L,Lはすべて把持部210の外側に位置する。
本形態の振動部120,130,240,250はアクチュエータであり、入力された制御信号に応じ、それぞれ振動軸L,L,L,Lに沿った直線的な非対称振動を行う。振動部120,130,240,250の具体例は、第1実施形態で例示した通りである。本形態の把持部210は、剛体または剛体とみなせる軽量な材料で構成された円筒状または円柱状の部材である。支持部211〜214は、剛体または剛体とみなせる軽量な材料で構成された棒状の部材である。軽量化のためには、把持部210および支持部211〜214が中空であることが望ましく、内部がハニカム構造となっていてもよい。
支持部211,214は互いに略平行(例えば、平行)に対向配置され、それらの内側中央部が把持部210の両端にそれぞれ機械的に接続されている。すなわち、把持部210の一端が支持部211の内側中央部に機械的に接続され、把持部210の他端が支持部214の内側中央部に機械的に接続されている。支持部212,213は互いに略平行に対向配置され、それらの内側中央部が、支持部211,214の外側中央部に機械的に接続されている。支持部211,214と支持部211,214とは互いに略垂直(例えば、支持部211,214を含む平面と支持部211,214を含む平面とが略垂直)に配置されている。略垂直とは、例えば垂直である。すなわち、支持部211と支持部212とは互いに略垂直に配置され、支持部213と支持部214とは互いに略垂直に配置され、把持部210の両端にそれぞれ機械的に接続されている。支持部211,214の一端には振動部120が機械的に接続され、支持部211,214の他端には振動部130が機械的に接続される。この際、振動部120の振動軸Lが支持部211,214と略垂直(例えば、支持部211,214を含む平面と略垂直)となるように配置され、振動部130の振動軸Lが支持部211,214と略垂直(例えば、支持部211,214を含む平面と略垂直)となるように配置される。支持部212,213の一端には振動部240が機械的に接続され、支持部212,213の他端には振動部250が機械的に接続される。この際、振動部240の振動軸Lが支持部212,213と略垂直(例えば、支持部212,213を含む平面と略垂直)となるように配置され、振動部250の振動軸Lが支持部212,213と略垂直(例えば、支持部212,213を含む平面と略垂直)となるように配置される。これにより、振動部120,130,240,250の振動中心120a,130a,240a,250aおよび振動軸L,L,L,Lはすべて把持部210の外側(外方)に位置する。例えば、振動中心120a,130a,240a,250aは仮想的な正方形の4つの辺上に配置され、振動軸L,L,L,Lはそれぞれ各辺に沿った方向(略平行な方向)となり、この仮想的な正方形の内側の領域に把持部210が位置する。擬似力覚発生装置200の重心210aaは、把持部210の内側に位置する。例えば、支持部211〜214の構成および長さを略同一とし、振動部120,130,240,250の構成を略同一とすることで、重心210aaを把持部210の内側に位置させることができる。
振動部120,130,240,250には、制御部で生成され、信号増幅装置で増幅された制御信号が入力される(図1B参照)。振動部120,130,240,250は、入力された制御信号に応じて非対称振動し、図8Cに例示するように把持部210を手1000で把持する人に擬似的な力覚を呈示する。
本形態の擬似力覚発生装置200は、例えば、振動部120,130,240,250の非対称振動によって生じる合力の大きさ(例えば、当該合力の大きさの平均値もしくは最大値、または各時刻での当該合力の大きさ)が、振動部120,130,240,250の何れか一つのみの非対称振動によって生じる力の大きさ(例えば、当該力の大きさの平均値もしくは最大値、または各時刻での当該力の大きさ)よりも大きくなるように制御される。これにより、振動部120,130,240,250の何れかのみを非対称振動させる場合よりも明瞭に力覚を呈示できる。上述の合力の大きさ(例えば、当該合力の大きさの平均値または最大値)が最大となるように制御されてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように制御されてもよい。すべての振動部120,130,240,250を同時に駆動させてもよいし、振動部120,130,240,250の一部のみを同時に駆動させてもよい。すべての振動部120,130,240,250の非対称振動の位相を同期させてもよいし、振動部120,130,240,250の一部の非対称振動の位相を同期させてもよい。上述の合力の大きさが最大となるように位相を同期させてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように位相を同期させてもよい。
例えば、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240,250を停止させた場合、把持部210を把持する人は、振動部120によって呈示されるC方向の力覚と振動部130によって呈示されるD方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。例えば、C方向の力覚とD方向の力覚とが同一の強さであれば、把持部210を把持する人は把持部210から振動部240に向かう方向の力覚を知覚する。逆に、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240,250を停止させた場合、把持部210を把持する人はC方向の力覚とD方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。
例えば、振動部240,250がそれぞれF,E方向に力覚を呈示するように制御され、振動部120,130を停止させた場合、把持部210を把持する人は、F方向の力覚とE方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。例えば、F方向の力覚とE方向の力覚とが同一の強さであれば、把持部210を把持する人は把持部210から振動部120に向かう方向の力覚を知覚する。逆に、振動部240,250がそれぞれF,E方向に力覚を呈示するように制御され、振動部120,130を停止させた場合、把持部210を把持する人は、F方向の力覚とE方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。
例えば、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240,250がそれぞれF,E方向に力覚を呈示するように制御された場合、把持部210を把持する人は、C方向の力覚とD方向の力覚とF方向の力覚とE方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。例えば、これらの力覚がすべて同一の強さであれば、把持部210を把持する人は把持部210から、振動部120と振動部240との間に向かう方向の力覚を知覚する。
駆動させた振動部の非対称振動の位相を同期させることで、上述のような力覚をより明瞭に知覚させることができる。
あるいは、全体として回転力覚(トルク感覚)を呈示するように制御されてもよい。例えば、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240,250がそれぞれF,E方向に力覚を呈示するように制御された場合、把持部210を把持する人はC→E→D→Fの向きの回転力覚を知覚する。例えば、振動部120がC方向に力覚を呈示するように制御され、振動部130がD方向に力覚を呈示するように制御された場合も、把持部210を把持する人はC→E→D→Fの向きの回転力覚を知覚する。ただし、前者の方が後者よりも明確な力覚が知覚される。また駆動させた振動部の非対称振動の位相を同期させることで、回転力覚をより明瞭に呈示できる。
このように、振動部120,130,240,250を独立に制御することにより、任意の方向に任意の明瞭さの力覚(並進力覚)を呈示したり、任意の回転方向に任意の明瞭さの回転力覚(トルク感覚)を呈示したりできる。
<本形態の特徴>
本形態でも第1実施形態と同じように、明瞭で自然な力覚を知覚させることができる。特に本形態では、振動部120,130,240,250による非対称振動の振動軸L,L,L,Lがすべて把持部210の外側に位置する。そのため、てこの原理により、各振動部120,130,240,250の非対称振動による加速度はより大きな加速度として把持部210に与えられる。その結果、把持部210を手1000で把持する人により明瞭な力覚を呈示できる。さらに、本形態では全体として任意の並進力覚や回転力覚を任意の明瞭さで呈示できる。
[第2実施形態の変形例1]
擬似力覚発生装置が3個の振動部を含み、それらによる非対称振動の振動軸がすべて把持部の外側に存在してもよい。
<構成および動作>
図9Aから図9Cに例示するように、本変形例の擬似力覚発生装置200’は、支持部211’〜216’と、支持部211’〜216’の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行う3個の振動部120,130,240と、非対称振動によって支持部211’〜216’に与えられた振動が伝達される把持部210’と、を有する。振動部120,240による非対称振動の振動中心120a,240aが把持部210の外方の一方側に位置し、振動部130による非対称振動の振動中心130aが把持部210の外方の他方側に位置する。振動部120,130,240による非対称振動の振動軸L,L,Lはすべて把持部210の外側に位置する。
本形態の把持部210’は、剛体または剛体とみなせる軽量な材料で構成された円筒状または円柱状の部材である。支持部211’〜216’は、剛体または剛体とみなせる軽量な材料で構成された棒状の部材である。
支持部211’,214’は互いに略平行に対向配置され、それらの一端が把持部210’に機械的に接続され、他端が振動部120に機械的に接続されている。支持部212’,215’は互いに略平行に対向配置され、それらの一端が把持部210’に機械的に接続され、他端が振動部130に機械的に接続されている。支持部213’,216’は互いに略平行に対向配置され、それらの一端が把持部210’に機械的に接続され、他端が振動部240に機械的に接続されている。支持部211’,212’がなす角度(内角)、支持部212’,213’がなす角度、および支持部211’,213’がなす角度の合計は360°であり、例えば、これらの角度はすべて120°である。支持部214’,215’がなす角度、支持部215’,216’がなす角度、および支持部214’,216’がなす角度の合計は360°であり、例えば、これらの角度はすべて120°である。また、振動部120の振動軸Lが支持部211’,214’と略垂直(例えば、支持部211’,214’を含む平面と略垂直)となるように配置され、振動部130の振動軸Lが支持部212’,215’と略垂直(例えば、支持部212’,215’を含む平面と略垂直)となるように配置され、振動部240の振動軸Lが支持部213’,216’と略垂直(例えば、支持部213’,216’を含む平面と略垂直)となるように配置される。例えば、振動中心120a,130a,240aは仮想的な正三角形の3つの辺上に配置され、振動軸L,L,Lはそれぞれ各辺に沿った方向となり、この仮想的な正三角形の内側の領域に把持部210’が位置する。
振動部120,130,240には、制御部で生成され、信号増幅装置で増幅された制御信号が入力される(図1B参照)。振動部120,130,240は、入力された制御信号に応じて非対称振動し、図9Cに例示するように把持部210を手1000で把持する人に擬似的な力覚を呈示する。
擬似力覚発生装置200’は、例えば、振動部120,130,240の非対称振動によって生じる合力の大きさが、振動部120,130,240の何れか一つのみの非対称振動によって生じる力の大きさよりも大きくなるように制御される。上述の合力の大きさが最大となるように制御されてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように制御されてもよい。すべての振動部120,130,240を同時に駆動させてもよいし、振動部120,130,240の一部のみを同時に駆動させてもよい。すべての振動部120,130,240の非対称振動の位相を同期させてもよいし、振動部120,130,240の一部の非対称振動の位相を同期させてもよい。上述の合力の大きさが最大となるように位相を同期させてもよいし、上述の合力の大きさが閾値以上となるように位相を同期させてもよい。
例えば、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240を停止させた場合、把持部210’を把持する人は、C方向の力覚とD方向の力覚とが合成された力覚を知覚する。例えば、これらが同一の強さであれば、把持部210’を把持する人は把持部210’から振動部240に向かう方向の力覚を知覚する。駆動させた振動部の非対称振動の位相を同期させることで、上述のような力覚をより明瞭に知覚させることができる。
あるいは、全体として回転力覚を呈示するように制御されてもよい。例えば、振動部120,130がそれぞれC,D方向に力覚を呈示するように制御され、振動部240がそれぞれF方向に力覚を呈示するように制御された場合、把持部210’を把持する人はC→F→Dの向きの回転力覚を知覚する。また駆動させた振動部の非対称振動の位相を同期させることで、回転力覚をより明瞭に呈示できる。
このように、振動部120,130,240を独立に制御することにより、任意の方向に任意の明瞭さの力覚(並進力覚)を呈示したり、任意の回転方向に任意の明瞭さの回転力覚を呈示したりできる。
[第2実施形態の変形例2]
第2実施形態では把持部を中心とした4方向にそれぞれ1個の振動部が固定され、第2実施形態の変形例1では把持部を中心とした3方向にそれぞれ1個の振動部が固定された。把持部を中心としたn方向(ただし、nは3以上の整数)にそれぞれ1個の振動部が固定されればよい。例えば、n個の振動部のn個の振動中心が仮想的な正n角形のn個の辺上に配置され、n個の振動部のn個の振動軸がそれぞれ当該正n角形の各辺に沿った方向となり、この仮想的な正n角形の内側の領域に把持部が位置してもよい。n個の振動部のn個の振動中心が仮想的な正n角形のn個の頂点となる配置であってもよいし、その他の仮想的なn角形の頂点となる配置であってもよい。n個の振動部のn個の振動軸が略同一の仮想的な平面上に配置されてもよいし、配置されなくてもよい。
[第2実施形態の変形例3]
把持部に対する振動部の振動軸の角度が第2実施形態やその変形例1と相違してもよい。例えば、図8Aや図9Aにおいて、すべての振動部の振動軸が把持部の中心軸と略平行であってもよい。これにより、把持部の中心軸に沿った方向の擬似的な並進力覚や、把持部の中心軸が傾くような力覚を呈示できる。例えば、図8Aや図9Aにおいて、すべての振動部の振動軸が互いに略平行であり、かつ、すべての振動部の振動軸が把持部の中心軸と略垂直であってもよい。
[その他の変形例]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、特許文献1、特許第4551448号公報、特許第4658983号公報、特許5158879号公報等に開示された擬似的な力覚を呈示する装置を振動部として用いてもよい。
複数の振動部に供給される制御信号(制御電流または制御電圧)の位相を揃えると、前述のように複数の振動部により生じる力の合力に応じた擬似力覚を提示することができる。擬似力覚の大きさよりも「滑らかさ」を重視する場合には、複数の振動部に供給される制御信号の位相を等間隔(あるいは、等間隔に近い位相差)でずらしても良い。
出力の効率性から振動部の固有振動を利用するように各振動部が制御されてもよい。ただし、一般に振動部の容積が大きくなると固有振動数(周波数)が低くなるため、位相を揃えて複数の振動部を制御すると擬似力覚が断続的に提示され、違和感につながることがある。たとえば、期間tと期間tの切り替わりの時点で擬似力覚が生成されるが、期間が長い方は短い方に比べてほとんどの期間で提示される力が弱い(小さい)。そのため、弱い力が提示される期間を認識してしまう程度に固有振動数が低い場合、互いの位相を等間隔隔にずらした制御信号で複数の振動部を、制御電流の位相を等間隔隔にずらした制御電流などの制御信号で駆動することにより、人が常にいずれかの振動部で擬似力覚が提示されていると感じるようにすることができる。この結果、滑らかな擬似力覚を提示可能となる。例えば、図1Aの振動部120と振動部130を、半周期位相をずらした制御電流で駆動すると、振動部120と振動部130の双方で交互に同じ方向への擬似力覚が提示されるため、一定方向に滑らかな擬似力覚を提示することができる。
本件での把持部と複数個の振動部との位置関係を満たしていれば、擬似力覚発生装置の内側もしくは外側に、擬似力覚発生に必要となる機能部(たとえば、電源や制御部)を配置しても良い。また、擬似力覚発生装置の内部もしくは外部にセンサを取り付けてセンシング結果に基づいた擬似力覚を発生したり擬似力覚を切り替えたりする場合、センサ(例:姿勢センサ、光センサ)を擬似力覚発生装置の内部に組み込んだり外部に取り付けても良い。
上述の制御部をコンピュータによって実現する場合、制御部が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例は、非一時的な(non-transitory)記録媒体である。このような記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。
このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。
本発明は擬似的な力覚を呈示する様々な分野に利用できる。例えば、バーチャルリアリティ(VR)環境において、自転車などで走行しているときに体感する加速度感(G)の力を擬似的に呈示してもよい。CGなどで構成されたVR空間を体感しつつ擬似力覚発生装置の把持部を両手で把持する体験者(図7)に、VR空間内の動きに併せて左右方向に擬似的な牽引力を呈示し、バーチャルな遠心力を体感させてもよい。例えば、ハンググライダーの操縦体験をVR空間で体感させるときに、体験者に擬似力覚発生装置の把持部を両手で把持させ、擬似的な左右方向の動きを知覚させてもよい。第1実施形態やその変形例で例示した擬似力覚発生装置(図1Aや図7参照)を自転車のハンドルに内蔵し、擬似的な力覚呈示によって方向指示を行うことで目的地まで誘導してもよい。乗り物以外でもキャリーバックのハンドルや、ベビーカーの手押しハンドル部分、スーパーマーケットの買い物カートのハンドルなどに擬似力覚発生装置を内蔵し、擬似的な力覚呈示によって方向指示を行ってもよい。携帯電話やスマートフォンの歩行者ナビ機能と連携させ、擬似的な力感覚によって方向指示を行うことで目的地まで誘導してもよい。
100,200,200’ 擬似力覚発生装置
120,130,240,250 振動部
110,210,211〜214,211’〜216’ 支持部
110a〜110c,210,210’ 把持部

Claims (5)

  1. 支持部と、
    前記支持部の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行うn個(nは3以上)の振動部と、
    前記非対称振動によって前記支持部に与えられた振動が伝達される把持部と、を有する擬似力覚発生装置であって、
    前記n個の振動部によるn個の非対称振動の振動中心の一部が前記把持部の外方の一方側に位置し、前記n個の非対称振動の振動中心の他の一部が前記把持部の外方の他方側に位置し、前記n個の振動部による非対称振動の振動軸が前記把持部の外側に存在し、前記n個の振動部による前記n個の非対称振動の振動中心は仮想的な正n角形のn個の辺上に配置されており、前記把持部の中心軸は前記仮想的な正n角形に対して略垂直であり、前記n個の振動部による前記n個の非対称振動の振動方向は前記把持部の中心軸と略垂直な方向であり、前記n個の振動部は全体として回転力覚を呈示するように前記非対称振動を行い、 前記擬似力覚発生装置の重心が前記把持部の内側に位置する、擬似力覚発生装置。
  2. 支持部と、
    前記支持部の互いに異なる位置に支持され、擬似的な力覚を知覚させる非対称振動を行うn個(nは3以上)の振動部と、
    前記非対称振動によって前記支持部に与えられた振動が伝達される把持部と、を有し、
    前記把持部は使用者に把持され、前記把持部のみが前記使用者の身体に支持される、擬似力覚発生装置であって、
    前記n個の振動部によるn個の非対称振動の振動中心の一部が前記把持部の外方の一方側に位置し、前記n個の非対称振動の振動中心の他の一部が前記把持部の外方の他方側に位置し、前記n個の振動部による非対称振動の振動軸が前記把持部の外側に存在し、前記n個の振動部による前記n個の非対称振動の振動中心は仮想的な正n角形のn個の辺上に配置されており、前記把持部の中心軸は前記仮想的な正n角形に対して略垂直であり、前記n個の振動部による前記n個の非対称振動の振動方向は前記把持部の中心軸と略垂直な方向であり、前記n個の振動部は全体として回転力覚を呈示するように前記非対称振動を行い、
    前記擬似力覚発生装置の重心が前記把持部の内側に位置する、擬似力覚発生装置。
  3. 請求項1または2の擬似力覚発生装置であって、
    前記n個の振動部の非対称振動によって生じる合力の大きさが、前記n個の振動部の何れかの非対称振動のみによって生じる力の大きさよりも大きい、擬似力覚発生装置。
  4. 請求項1から3の何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記n個の振動部の非対称振動の位相が同期する、擬似力覚発生装置。
  5. 請求項1から4の何れかの擬似力覚発生装置であって、
    前記把持部の断面領域は、前記振動部の断面領域よりも狭い、擬似力覚発生装置。
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