JP4549796B2 - 微塗工包装紙 - Google Patents

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本発明は、印刷等の美匠性が施される紙製手提げ袋などに用いられる微塗工包装紙に関する。
近年、印刷物の視覚化や多色化が進み、印刷物の高級化や高速化に伴い印刷用紙に対する要求も多様化している。品質面においても多様化が見られるようになっており、これがグレードの細分化をもたらし、品質要求が年々厳しくなってきている。
このようななか、印刷済みの紙製手提げ袋などに用いられる包装紙においても、その美匠化が求められていることから、高精細な印刷を行えることが強く要求されている。このため、従来から、カレンダー掛け、ニス引き、ラミネート加工などの後加工を行ったり、光沢インキを用いて印刷を行ったりすることが公然実施されていた。ところが、カレンダー掛けを行ったものは印刷適性が充分とはいえず、またニス引き、ラミネート加工、光沢インキによる印刷は、コストが高くつき、また加工効率も悪いという欠点がある。このようなことから、最近では、塗工技術の進歩に伴い、例えば両面当たり30g/m程度の塗工量で塗工してなる塗工層を有する包装紙を用いることが公然実施されている。
ところで、印刷等の美匠性が施される包装紙には、印刷適性やインクの着肉性などの印刷特性のほかに、包装紙としての強度や柔軟性、加工適性などが要求される。すなわち、印刷後製袋加工により得られる包装紙には、印刷特性と、包装紙としての機能を充分に発揮するための特性とを兼ね備えることが求められている。また、高精細な印刷を実現するためには塗工層を厚くすれば実現しやすくなるが、厚くすればするほど製袋加工時や荷物の搬送時などにおいて塗工層の割れや剥離が生じやすくなるという問題がある。逆に、塗工層の割れや剥離を抑制するためには、塗工層を薄くすれば実現しやすくなるが、薄くすればするほど高精細な印刷が行いにくくなる。このため、高精細な印刷を可能としつつ、塗工層に割れが生じたり、紙基材から塗工層が剥離してしまったりするのを有効に抑制することも求められている。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、塗工層に割れが生じたり、紙基材から塗工層が剥離してしまったりするのを有効に抑制しつつ、高精細な印刷を行うことができ、さらに包装紙としての強度や柔軟性、加工適性をも備えた微塗工包装紙の提供をその目的とする。
本発明の微塗工包装紙は、紙基材の少なくとも片面に塗工層が形成された微塗工包装紙であって、坪量が100〜500g/mの範囲内に設定され、前記塗工層は、顔料と接着剤とを含有する塗工液が片面当たり1〜10g/mの塗工量で塗工されて形成され、前記紙基材は、針葉樹クラフトパルプがパルプ材料全量に対し50重量%以上用いて形成されているとともに、温度23℃で湿度50%RHの環境下で24時間放置後のJIS P 8113に準じて測定される縦横引張り強度の比(縦/横)が1.7以上に設定されていることを特徴としている。
上記の構成によれば、坪量が前記した特定の範囲内に設定されているので、強度的にも実使用上も問題がない。また、塗工層が前記した所定の塗工量で形成されているので、高精細な印刷を実現しながらも、塗工層の割れや剥離を抑制することができる。さらに、紙基材は針葉樹クラフトパルプを主成分とし、さらに縦横引張り強度の比が特定の範囲に設定されていることから、包装紙としての強度や柔軟性、さらには加工適性をも確保したものとなる。このように、微塗工包装紙の坪量、所定の塗工量で形成された塗工層、針葉樹クラフトパルプを主成分とし、縦横引張り強度の比が特定の範囲に設定された紙基材とすることで、これらが相俟って、本発明の微塗工包装紙は、印刷後製袋加工により得られる紙製手提げ袋などの包装紙として適切なものとなる。
また、上記微塗工包装紙において、JIS P 8115に準じて測定される折り曲げ回数が40回以上であり、JIS P 8131に準じて測定される比破裂強さが2.00kPa・m/g以上であるのが好ましい。この場合、荷物の搬送などに使用される印刷後製袋加工により得られる紙製手提げ袋などとしてより一層適したものとなる。
本発明によれば、微塗工包装紙の坪量が特定の範囲内に設定され、塗工層が所定の塗工量で形成され、紙基材が針葉樹クラフトパルプを主成分とし、縦横引張り強度比が特定の範囲に設定されているので、塗工層が割れてしまったり、紙基材から塗工層が剥離してしまったりするのを有効に抑制しつつ、高精細な印刷を行うことができ、さらに包装紙としての強度や柔軟性、加工適性をも備えた微塗工包装紙を提供することができる。このため、印刷後製袋加工により得られる紙製手提げ袋などの包装紙として好適に用いることができる。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る微塗工包装紙を示す断面図である。本実施形態に係る微塗工包装紙Tは、紙基材1と、その両面に形成された塗工層2とを備えている。
紙基材1は、針葉樹クラフトパルプをパルプ材料全体に対し50重量%以上含むものが用いられる。より好ましくは65重量%以上である。すなわち、太くて長い針葉樹クラフトパルプを主成分とする原紙を用いるようにする。太くて長い針葉樹クラフトパルプとしては、ダグラスファーのチップから得られる針葉樹パルプが好適に利用できる。特に、ダブルディスクリファイナー(DDR)などを用いて繊維長が短くならないような条件、いわゆる粘状で叩解し、フィブリル化したものが好適に用いられる。粘状叩解は、リファイナーのプレートをカッティングが生じ難いパターンを設定することで可能となり、数平均繊維長が2.1〜3.0mm程度の叩解が好ましい。ここで、本発明でいう叩解は、一般的なカッティング叩解(繊維を長さ方向に切断しやすい叩解)や粘状叩解(繊維を長さ方向に切断せず幅方向に解きほぐす叩解)のうちの粘状叩解を高度に進めたものである。なお、粘状叩解かカッティング叩解かは叩解機により一義的に決まるものではなく、先述したように使用する刃、ローター又はディスクなどの材質、形状、間隙、パルプ濃度、叩解速度、時間などにより決定される。ここで、本発明に使用できる叩解機としては、ビーター、コニカル型リファイナー、ドラム型リファイナー、ディスク型リファイナーなどがあげられる。なかでも、比較的粘状叩解を行いやすいという点で、ドラム型リファイナー、ディスク型リファイナーが好適である。特に、ドラム型リファイナーにおいては、円筒型のローターおよびステーターの材質として、ストーンが好ましい。
上記紙基材1のパルプ材料は、針葉樹クラフトパルプだけであってもよいが、通常、広葉樹クラフトパルプ、脱墨パルプ、古紙パルプなどの他のパルプ材料と併せて用いられる。また、パルプ材料には、サイズ剤、ポリアクリルアミド系紙力増強剤等の紙力増強剤、染料、硫酸バンド、pH調整剤などの各種の添加剤が添加される。原紙の抄紙方法としては、特に制限するものではなく、ツインワイヤーフォーマーマシン、長網マシン、より好ましくは原紙から塗工層の形成及び塗工層の平坦化処理までを一連の工程で行うことができるオンラインマシンを用いた方法等を適宜に採用することができる。
また、本発明で用いられる針葉樹クラフトパルプとしては、繊維粗度が16〜28mg/100m、数平均繊維長が2.4〜2.8mmに設定されているものが好適に用いられる。繊維粗度が16mg/100m未満であると包装紙における形状安定性が損なわれるおそれがあり、逆に28mg/100mを超えると、製袋適性が悪化するだけでなく、製袋加工後に折り部の破断が生じやすくなる傾向があるからである。より好適な繊維粗度は20〜26mg/100mである。数平均繊維長は繊維粗度の算出に供されるように密接な係わり合いがあり、2.4mm未満では包装紙における強度不足を来す傾向があり、2.8mmを超えると製袋適性に問題が生じやすくなる傾向がある。なお、繊維粗度は、繊維の太さ/細さを示す指標であり、繊維100m当たりの重量をmgで表すものである。よって、繊維粗度が小さいほど繊維が細いことを意味する。この繊維粗度は繊維長分布測定装置KAJAANIFS−100によって計測に要した繊維数と繊維重量、計測された数平均繊維長から容易に測定することができる。
そして、紙基材1は、温度23℃で湿度50%RHの環境下で24時間放置後のJIS P 8113に準じて測定される縦横引張り強度の比(縦/横)が1.7以上に設定されている。より好ましくは、2.0以上である。縦横引張り強度比が大きいと、包装物の搬送時などの強度を確保できるともに、加工適性、包装紙としての柔軟性をも確保することができるからである。ここで、縦横引張り強度の比(縦/横)を1.7以上に設定する方法としては、ヘッドボックスからワイヤー上の抄紙原料を吐出する際のジェットワイヤー比を調整する方法が好適に採用されるほか、抄紙原料吐出濃度を抄紙幅方向に渡り調整可能な濃度調整インレットを使用する方法などがあげられる。
塗工層2を形成するために用いられる塗工液としては、主成分として顔料及び接着剤を含有しているものが用いられる。
顔料としては、公知の各種のものを適宜に選択して用いることができる。具体的には、炭酸カルシウム(重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム)、デラミネーテッドクレー、焼成クレー、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫酸バリウム、水酸化カルシウム、硫酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、ベントナイト、セリサイト、シリカ、タルク、活性白土等の無機顔料や、ポリスチレン樹脂微粒子、尿素ホルマリン樹脂微粒子、微小中空粒子、多孔質粒子等の有機顔料を用いることができる。これらは、単独であるいは2種以上併せて用いることができる。なかでも、炭酸カルシウム、クレーを用いるのが好ましい。そして、顔料は、塗工液の固形分濃度が50〜70%程度となる適宜の割合で使用される。
接着剤としては、特に制限するものではないが、水溶性接着剤が好適に用いられる。具体的には、酸化澱粉、陽性澱粉、エステル化澱粉、デキストリンなどの澱粉類、ポリビニルアルコール(PVA)などの合成樹脂接着剤、カゼイン、大豆蛋白、合成蛋白などの蛋白類等があげられる。また、スチレン−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス、アクリル酸エステルの重合体又は共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのビニル系重合体ラテックス、あるいはこれらの重合体ラテックスをカルボキシル基などの官能基含有単量体で変性したアルカリ溶解性、アルカリ膨潤性あるいはアルカリ非溶解性の重合体ラテックスなどを用いてもよい。これらの接着剤は、単独であるいは2種以上併せて用いられる。そして、接着剤の配合割合は、使用する接着剤の種類などによって適宜に設定されるが、通常、顔料100重量部に対して5〜30重量部の範囲内に設定されているのが好ましい。5重量部未満であると所定の接着力が得られないおそれがあり、逆に30重量部を超えると塗工性に悪影響を及ぼすおそれがあるからである。
なお、本発明で用いられる塗工液には、上記した各成分のほか、保水剤、分散剤、増粘剤、潤滑剤、消泡剤、耐水化剤、着色剤、pH調整剤などの従来公知の各種の助剤を使用目的やニーズに応じて適宜に配合することができる。
本実施形態に係る微塗工包装紙Tは、例えば、つぎのようにして製造することができる。すなわち、まず、上記紙基材1と塗工液とを準備したのち、紙基材1の両面に塗工液を片面当たり1〜10g/mの塗工量で塗工する。ここで、塗工処理は、ブレードコーター、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、リバースロールコーター、カーテンコーターなど各種の公知の塗工装置を用いて行うことができる。そして、塗工量は、上述のとおり、片面当たり1〜10g/mの範囲内に設定する。このような微塗工としたのは、片面当たり10g/mを超えると塗工層2が厚くなりすぎて、製袋加工や荷物の搬送時などにおいて、塗工層2に割れが生じたり、紙基材1から塗工層2が剥離してしまったりするからである。逆に、片面当たり1g/m未満であると、塗工層2が薄いために紙基材1の主成分である針葉樹クラフトパルプが塗工層2から露出してしまい、高精細な印刷に悪影響を及ぼすからである。ここで、塗工液の塗工量は、包装紙の表面平滑性、不透明度、隠蔽性、塗工層の柔軟性などをも考慮して、片面当たり2.5〜7.0g/mの範囲内に設定されているのが好ましい。
塗工が完了した後、熱風加熱、蒸気加熱、赤外線ヒータ加熱、ガスヒータ加熱、電気ヒータ加熱などの公知の各種の加熱乾燥方式により乾燥を行う。なお、乾燥条件については、加熱乾燥方式や塗工液の配合などに応じて適宜に調整される。その後、熱ソフトカレンダー、スーパーカレンダーなどの各種の公知の平滑化処理装置を用いて、塗工時や乾燥時に生じた微細な凹凸を潰して表面を平滑化する。こうして、本実施形態に係る微塗工包装紙Tを得ることができる。なお、本実施形態に係る微塗工包装紙Tは、原紙から塗工層の形成及び塗工層の平坦化処理までを一連の工程で行うことができるオンラインマシンを用いて製造してもよいのは勿論である。
こうして得られた本実施形態の微塗工包装紙Tは、坪量が100〜500g/mの範囲内に設定されている。すなわち、あまりに坪量が小さすぎると紙製手提げ袋などに用いられる包装紙の強度が足りないからであり、逆に大きすぎると加工が極めて困難になるとともに、実使用に不適だからである。換言すれば、上記範囲内であれば、実使用に適すとともに、必要な強度を確保した包装紙を提供することができるからである。ここで、微塗工包装紙Tの坪量は、強度面と使用面とのバランスを考慮して、110〜450g/mの範囲内に設定されているのがより好適である。
上記のように構成された本実施形態の微塗工包装紙Tは、坪量が100〜500g/mの範囲内に設定されているので、強度面や使用面で適切なものとなる。また、塗工層2が片面当たり1〜10g/mの範囲内の塗工量で形成されているので、高精細な印刷を実現しながらも、塗工層2が割れてしまったり、紙基材1から塗工層2が剥離してしまったりするのを有効に抑制することができる。さらに、紙基材1は針葉樹クラフトパルプを主成分とし、さらに前記した縦横引張り強度の比が2.0以上に設定されていることから、包装紙としての強度や柔軟性、さらには加工適性をも確保したものとなる。このように、微塗工包装紙Tの坪量、所定の塗工量で形成された塗工層2、針葉樹クラフトパルプを主成分とし、縦横引張り強度の比が特定の範囲に設定された紙基材1とすることで、これらが相俟って、本実施形態の微塗工包装紙Tは、印刷後製袋加工により得られる紙製手提げ袋などの包装紙として適切なものとなる。
そして、本実施形態の微塗工包装紙Tは、JIS P 8115に準じて測定される折り曲げ回数が40回以上で、かつ、JIS P 8131に準じて測定される比破裂強さが2.00kPa・m/g以上に設定されているのが好ましい。すなわち、上記折り曲げ回数が40回以上で、かつ上記比破裂強さが2.00kPa・m/g以上であれば、荷物の搬送時や製袋加工などにおいて充分な強度を備え、印刷後製袋加工により得られる紙製手提げ袋などの包装紙としてより適したものとなるからである。ここで、微塗工包装紙Tは、上記折り曲げ回数が60回以上で、かつ、上記比破裂強さ2.10kPa・m/g以上に設定されているのがより好ましい。なお、折り曲げ回数や破裂強さの設定数値を確保するためには、前述した、粘状叩解が非常に重要となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定するものではない。例えば、塗工層2は紙基材1の両面でなく片面のみに形成されてあってもよい。また、塗工層2は単層に限らず2層以上の多層構造であってもよいし、紙基材1も単層からなる原紙に限らず、異種又は同種の原紙を重ね合わせて2層以上の多層構造にしたものであってもよい。
また、本発明の微塗工包装紙は、紙製手提げ袋、紙袋、封筒、箸袋などの紙製の袋体の他、被包装物をラッピングするラッピング紙などとして使用することができる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
針葉樹クラフトパルプ(NBKP)をナイアガラ式ビーターにて叩解し、カナディアン・スタンダード・フリーネス(C.S.F)450mlに調整した試料に硫酸バンドを1.0%添加してpH6.5とした。そして、針葉樹クラフトパルプ(繊維粗度:22mg/100m)50重量%、上物古紙50重量%となるよう配合した紙料スラリーを抄紙するにおいて、試料濃度2.0%とし、紙力増強剤としてポリアクリルアミド系紙力増強剤を対紙料固形量0.4%添加し、その後、紙料濃度1.0%として抄紙し、紙基材を製造した。ここで、得られた紙基材を23℃、50%RHの条件下に24時間調湿したのち、JIS P 8113に準じ定速緊張形引張試験機を用いて測定される縦横引張り強度の比(縦/横)が、2.23であった。
一方、顔料としての重質炭酸カルシウム50重量部及びクレー50重量部と、接着剤としてのスチレン−ブタジエン系ラテックス10重量部と、澱粉5重量部とを混合し、水で希釈して固形分濃度65%の塗工液を得た。
そして、この塗工液を用いて、上記原紙の両面に片面当たり3g/mの塗工量で塗工し、熱風加熱乾燥処理、熱ソフトカレンダー処理を行った。こうして、坪量が150g/mの微塗工包装紙を得た。
(実施例2〜7、比較例1〜5)
後記の表1に示す他は実施例1と同様にして、各微塗工包装紙を得た。
上記のようにして得られた実施例及び比較例の微塗工包装紙について、下記の折り曲げ回数(回)、比破裂強さ(kPa・m/g)、印刷仕上がり、塗工ムラ、印刷適性、製袋適性の各特性について測定・評価を行った。その結果を後記表1に併せて示す。
(折り曲げ回数)
JIS P 8115に準じて測定することができるMIT試験機を用いて測定した。
(比破裂強さ)
JIS P 8131に準じて測定することができるミューレン型試験機を用いて測定した。
(印刷仕上がり)
各実施例及び比較例の微塗工包装紙に対し線数150のオフセット印刷を行った。そして、印刷状態について目視にて評価した。その結果、非常に高精細に印刷ができていたものを◎、それよりも若干劣るが充分に高精細な印刷であるといえるものを○、不充分な印刷状態であるものを×とした。
(塗工ムラ)
塗工層に塗工ムラが生じている度合いを目視にて評価した。明らかにムラが生じているものを×、ムラが生じているものの実用上問題がないといえるものを○、ムラが殆ど見られないものを◎とした。
(印刷適性)
明製作所製RI印刷適性試験機にて、タック6のオフセットインクを用い、マクベス印字濃度で1.3になるようにベタ印刷を施し、印刷面のインク着肉ムラ、インク着肉ローラーへの塗工層の取られを目視にて評価した。インク着肉ローラーへの塗工層の取られ、インク着肉ムラが生じているものを×、僅かに着肉ムラが見られるものの実使用上問題がないといえるものを○、着肉ムラも見られないものを◎とした。
(製袋適性)
各実施例及び比較例の微塗工包装紙を用い、オフセット印刷にて黒一色の印刷を施した後、製袋加工所にて、底辺が幅115mm、長さ320mm、高さ450mmの角底袋(手提げ袋)を加工し、加工状況、折部の印刷の割れを目視にて評価した。その結果、加工装置における紙折と貼合における不良の発生、印刷部の割れ(白いひび割れ)の発現が生じていたものを×、殆ど問題が生じていなかったものを○、全く問題が生じていなかったものを◎とした。
Figure 0004549796
表1の結果から、各実施例の微塗工包装紙は、各比較例の微塗工包装紙に比べて、塗工層の割れや剥離を生ずることなく、印刷仕上がりが良好であることが確認できる。
実施例1の微塗工包装紙は、塗工液の塗工量が3.0g/mで微塗工でありながらも、良好な印刷適性と製袋適性とを備えていることが確認できた。また、実施例2の微塗工包装紙は、折り曲げ回数が73回で比破裂強度が2.4kPa・m/gであることから、特に製袋適性が良好であることが確認できる。さらに、実施例3の微塗工包装紙は、塗工液の塗工量が10g/mで針葉樹クラフトパルプの配合割合が80重量%であることから、製袋適性を確保しつつ、良好な印刷仕上がり、印刷適性を実現していることが確認できる。また、実施例4の微塗工包装紙は、坪量が100g/mで針葉樹クラフトパルプの繊維粗度が16mg/100mでありながらも、特に塗工ムラの発生が抑制された良好な微塗工包装紙であることが確認できる。また、実施例5の微塗工包装紙は、実施例4と比べて針葉樹クラフトパルプの繊維粗度が大きく、縦横引張強度も大きいことから、印刷適性を確保しつつ、より製袋適性が良好なものとなっていることが確認できる。また、実施例6、7の微塗工包装紙は、それぞれ坪量が300g/m、500g/mと高く設定されているものの、良好な印刷適性や製袋適性を確保していることが確認できる。
これに対して、比較例1の微塗工包装紙は、坪量が75g/mと小さく縦横引張り強度が1.65と小さく、さらに比破裂強さが1.9kPa・m/gと小さいので、製袋適性が悪いことが確認できる。また、比較例2の微塗工包装紙は、坪量が550g/mと大きく縦横引張り強度が1.56と小さく、さらに折り曲げ回数が37回で比破裂強さが1.8kPa・m/gと小さいので、塗工ムラが発生し、製袋適性が悪いことが確認できる。さらに、比較例3の微塗工包装紙は、塗工層を形成していないため、印刷仕上がりが悪いことが確認できる。また、比較例4の微塗工包装紙は、塗工液の塗工量が12g/mと多すぎるため、印刷仕上がりが良好であるものの、製袋適性が悪いことが確認できる。比較例5の微塗工包装紙は、塗工液の塗工量が0.5/mと少なすぎるため、製袋適性が良好であるものの、印刷仕上がり、塗工ムラ、印刷適性が悪いことが確認できる。
本発明の一実施形態に係る微塗工包装紙を示す断面図である。
符号の説明
1 紙基材
2 塗工層
T 微塗工包装紙

Claims (2)

  1. 紙基材の少なくとも片面に塗工層が形成された微塗工包装紙であって、
    坪量が100〜500g/mの範囲内に設定され、
    前記塗工層は、顔料と接着剤とを含有する塗工液が片面当たり1〜10g/mの塗工量で塗工されて形成され、
    前記紙基材は、針葉樹クラフトパルプがパルプ材料全量に対し50重量%以上用いて形成されているとともに、温度23℃で湿度50%RHの環境下で24時間放置後のJIS P 8113に準じて測定される縦横引張り強度の比(縦/横)が1.7以上に設定されていることを特徴とする微塗工包装紙。
  2. JIS P 8115に準じて測定される折り曲げ回数が40回以上であり、JIS P 8131に準じて測定される比破裂強さが2.00kPa・m/g以上である請求項1記載の微塗工包装紙。
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