JP4549531B2 - 1,3−二置換−4−オキソ環式尿素の製造方法 - Google Patents

1,3−二置換−4−オキソ環式尿素の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明は、種々の医学的疾患の治療に有用な化合物を製造する化学的な方法に関し、このような用途には抗細動薬および不整脈治療薬のような用途があるが、これに限定されない。本発明の方法は、1,3−二置換−4−オキソ環式尿素、特に1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−3−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチル]−2,4−イミダゾリジンジオンおよびそれらの塩の製造に有用である。
【0002】
(発明の背景)
本発明は、1,3−二置換−4−オキソ環式尿素、特に1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−3−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチル]−2,4−イミダゾリジンジオンまたはそれらの塩を製造する方法に関する。この方法では、その最終生成物が純粋な形態かつ高収率で得られる。
【0003】
1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−3−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチル]−2,4−イミダゾリジンジオン二塩酸塩(アジミリド(Azimilide))は、Norwich Eaton Pharmaceuticalsの米国特許第5,462,940号(1995)に開示があり、その開示を参照として本明細書中に取り込む。この種類の化合物に対して、1995年10月31日にYu等に発行された米国特許第5,462,940号には、2つの一般的な方法が開示されている。その各々は、3つから5つの中間体化合物の単離を含む一連の反応を記載している。この両方法の欠点は、高可燃性かつ水分に鋭敏な水素化ナトリウム、潜在的に爆発性のDMF/水素化ナトリウム混合物、過剰の溶媒容量、ヨウ化ナトリウム、および幾つかの単離ステップを使用することである。1つの方法の付加的な欠点は、アミン保護基の使用、およびその除去のための水素化反応を必要とすることである。
【0004】
より安全な、より高収率の、より経済的なアジミリドの製造方法が有益であることは、当技術分野では明白である。特に、合成ステップ数の減少、単位時間の反応量の増加(より高い反応濃度)、水素化反応の排除、アミン保護基の排除、より高い総収率、大規模製造の可能性、より優れた最終生成物の単離の可能性は有益である。驚くべきことに、アルキル化反応に対して炭酸カリウムのような穏和な塩基を用いる一連の反応を行い、ヨウ化ナトリウムの使用を排除してアミノ部位のアルキル化を促進させ、かつメチルスルホキシド(DMSO)およびN−メチルピロリドン(NMP)のような溶媒を用いてかなり高い反応濃度を可能にすることにより、これらの化合物の文献に見られる合成法の欠点が克服され、生成物の収率および純度が高められることが見出された。
【0005】
本特許の主題は、1,3−二置換−4−オキソ環式尿素の製造方法である。最初に、対応する1−置換−4−オキソ環式尿素を、2個までの脱離基を含む炭素鎖でアルキル化することによって、付加物を形成し、この付加物を単離することなく使用して、アミンをアルキル化して1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を形成し、これを最終的に酸と反応させて所望の塩を形成することにより、中間体を単離することなく高収率で1,3−二置換−4−オキソ環式尿素が、この方法により有利に合成される。本発明の方法では、水素化ステップの必要性およびアミン保護基の使用を排除する反応条件下で1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を製造することができる。この方法は、収率および生成物の純度を向上させ、高い単位時間処理量を可能にして、これらの類の分子を調製するための合成をさらに簡単にする。
【0006】
特に、本発明の好ましい方法は、アジミリドのスケールアップおよび製造に特に適した新規な方法論を提供する。
【0007】
(発明の概要)
本発明は、下記一般式の1,3−二置換−4−オキソ環式尿素の製造方法を提供する。
【0008】
【化1】
Figure 0004549531
【0009】
上式中、R1、R2およびR3は、H、Cl、F、Br、NH2、NO2、COOH、CH3SO2NH、SO3H、OH、アルコキシ、アルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキルおよびアシルオキシからなる群から独立して選択され、
4は、置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルアシルおよびヘテロアルキルからなる群から選択され、かつ
Aは、1〜7個の炭素原子で構成される、置換または無置換、飽和または不飽和、直鎖または分枝されたアルキルまたはアルケニルアミノ基であるか、またはAは、少なくとも1個の窒素を含有する5、6または7員の置換または無置換、飽和または不飽和複素環であり、R4はこの窒素に結合されている。
【0010】
この方法で、1,3−二置換−4−オキソ環式尿素は、中間体を単離することなく製造され、かつこの方法は、
(Ia)穏和な塩基および溶媒の存在下で、1−置換−4−オキソ環式尿素を少なくとも2個の脱離基を含む炭素鎖と反応させて、少なくとも1個の脱離基を含む付加物を形成するステップ、
(Ib)その付加物をアミンと縮合させて1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を形成するステップ、および
(II)前記1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を回収するステップを含んでいる。
【0011】
この方法は、アジミリドの製造に対して特に好ましい。アジミリドの製造に用いられる1−置換−4−オキソ環式尿素は、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオンである。
【0012】
(用語の定義と用法)
本明細書で用いる用語の定義を以下に記載する。
【0013】
本明細書で使用される、「酸」は、無機または有機の酸を意味する。無機酸は硫酸、硝酸、塩酸およびリン酸のような鉱酸である。有機酸は、ギ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸および酒石酸のような有機カルボン酸である。
【0014】
本明細書で使用される、「付加物」は、新たに導入された官能基を含む化学反応中間体または生成物を意味する。
【0015】
本明細書で使用される、「アルケニル」は、直鎖または分枝、無置換または置換の、1個または複数の二重結合を有する炭化水素置換基を意味する。
【0016】
本明細書で使用される、「アルコキシ」は、Q−O−の構造(Qはアルキルまたはアルケニルである)を有する置換基である。
【0017】
本明細書で使用される、「アルキル」は、直鎖または分枝、無置換または置換の飽和炭化水素置換基を意味する。
【0018】
本明細書で使用される、「塩基」は、反応混合物に添加し、アルキル化試薬を用いる窒素のアルキル化を促進する塩基性試薬を意味する。塩基には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、重炭酸ナトリウムのような窒素塩基および無機塩基が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される、「ハロゲン」は、塩素、臭素、フッ素またはヨウ素原子の基である。臭素および塩素が好ましいハロゲンである。
【0020】
本明細書で使用される、「複素環」は、環中に炭素原子および1個または複数のヘテロ原子からなる飽和環または不飽和環または芳香族環の基である。複素環は、単環式であるか、または縮合多環式、架橋した多環式、またはスピロ多環式の環系である。単環式の環は、3から9個の原子、好ましくは4から7個の原子、最も好ましくは5または6個の原子を含む。多環式の環は、7から17個の原子、好ましくは7から14個の原子、最も好ましくは9または10個の原子を含む。
【0021】
本明細書で使用される、「脱離基」は、任意の置換または無置換のアルキルまたはアリールスルホネート、または置換または無置換のアルキルハライドを意味する。好ましい置換基はハロゲンである。
【0022】
本明細書で使用される、「メチレン」は、−CH2−基である。
【0023】
本明細書で使用される、「極性非プロトン性溶媒」は、高い極性の性質を有するが、プロトンを供与する能力を持たない溶媒である。好ましい極性非プロトン性溶媒には、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)、N−メチルピロリドン(NMP)、およびメチルスルホキシド(DMSO)がある。
【0024】
上に定義し、明細書中で用いられる置換基は、それ自身が置換されていてもよい。このような置換は、1個または複数の置換基で行われてもよい。このような置換基には、C.HanschとA.LeoのSubstituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology(1979)に掲載された置換基があり、この文献を参照として本明細書中に取り込む。好ましい置換基には、(例えば)アルキル、アルケニル、アルコキシ、ヒドロキシ、オキソ、アミノ、アミノアルキル(例えばアミノメチルなど)、シアノ、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシアシル(例えばカルボエトキシなど)、チオール、アリール、シクロアルキル、ヘテロアリール、複素環式アルキル(例えばピペリジニル、モルホリニル、ピロリジニルなど)、イミノ、チオキソ、ヒドロキシアルキル、アリールオキシ、アリールアルキル、およびそれらの組合せが含まれる。
【0025】
本明細書で使用される、「容量(volumes)」は、指示された溶媒の、出発材料のキログラム当たりのリットルを言う。
【0026】
(発明の詳細な説明)
本発明は、アジミリドおよびその他の薬剤として許容されるそれらの塩(これらに限定されない)を含めた、1,3−二置換−4−オキソ環式尿素の製造方法に関し、これらの薬剤を、高収率、高製品純度、高スループット、および簡便な合成法で得ることができる。本発明は、穏和な塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒中で、1−置換−4−オキソ環式尿素を2個の脱離基を含む炭素鎖試薬と反応させ、さらにアミンと反応させ、共溶媒(cosolvent)を用いて塩を沈澱させ、ろ過して、最後に酸を加えて1,3−二置換−4−オキソ環式尿素またはそれらの他の塩を回収する逐次的手順を含む。
【0027】
最初のアルキル化は、40℃から120℃、好ましくは約60℃から75℃の温度で起きる。使用可能な塩基は、容易にろ過可能であるか、さもなければ除去可能な塩になるものから選択する。特に好ましい塩基には、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、水素化ナトリウム、水素化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムが含まれる。より好ましい塩基は、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムである。最も好ましい塩基は、炭酸カリウムであり、イミダゾリジンジオンのモル当たり、一般に、0.8から4.0当量、好ましくは1.2から2当量である。好ましい炭素鎖試薬は、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,4−ジクロロ−または1,4−ジブロモブタン(これに限定されない)を含めた、ハロゲン基を含む群から選択され、1−ブロモ−4−クロロブタンがより好ましい。当業者は、炭素鎖試薬として、ブチルアルコール類、ブチルスルホネート類およびテトラヒドロフランも使用可能であることを認識するであろう。一般に、イミダゾリジンジオンのモル当たり、0.8から2.5当量、好ましくは1から1.2当量を使用する。使用される溶媒は、DMF、DMAC、DMSOおよびNMPであり、NMPが好ましい。一般に、2から20容量、好ましくは2.5から5容量のNMPを用いる。
【0028】
好ましい1−置換−4−オキソ環式尿素は、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン、1−[[[5−(4−メタンスルホンアミドフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン、1−[[[5−(4−フルオロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン、1−[[[5−(4−ニトロフェニル)−2−オキサゾリジニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン、1−[[[5−(4−メチルフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン、1−[[[5−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオンからなる群から選択される。アジミリドの製造では、使用される1−置換−4−オキソ環式尿素は、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオンである。
【0029】
第2のアルキル化は、50℃から120℃の温度、好ましくは約75℃から95℃で起きる。このステップでの好ましいアミンは、ジメチルアミン、ジエチルアミン、N,N−ビス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、イソプロピルアミン、N−ベンジル−N−メチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)−N−メチルアミン、N−メチルピペラジン、モルホリン、4−ヒドロキシピペリジン、N−メチル−N−フェニルアミンからなる群から選択される。アジミリドを製造するために使用されるアミンは、N−メチルピペラジンである。一般に、イミダゾリジンジオンのモル当たり0.8から5当量、好ましくは1.2から3当量のアミンを添加する。
【0030】
第2のアルキル化に続き、反応混合物を、一般に、−10℃から50℃、好ましくは5℃から35℃に冷却する。塩を沈澱させるために使用される共溶媒は、アセトン、メタノール、エタノール、または上記の混合物であり、好ましくはアセトンである。一般に、0から20容量、好ましくは6から10容量を使用する。ろ過により不溶性の塩を集め、共溶媒で洗浄する。
【0031】
反応混合物に水を添加して塩形成の準備をする。一般に、0から5容量、好ましくは0.5から2.8容量の水を使用する。所望の塩を形成するために使用される酸は、塩酸である。
【0032】
一般に、核生成のためには、pHをpH3から7の範囲に、好ましくはpH4.5から5に制御し、引き続き、さらに酸を添加してpH0〜3にしてアジミリドを沈澱させ、これをろ過により80から90%の収率で集める。
【0033】
本発明の方法に従って製造されるアジミリドは、種々の医学的疾患の治療に有用であり、このような用途には抗細動薬および不整脈治療薬のような用途があるが、これに限定されない。また、当業者には、この方法の最終段階で種々の酸を添加して、単離および取り扱いが容易な種々の塩を形成できることも理解されよう。本発明の方法に従って、例えば、硫酸塩および臭化水素酸塩のようなその他の薬剤として許容できる塩を調製することができ、これらの塩は本発明の範囲に含まれる。
【0034】
本発明の方法は、下記の一般的スキームで説明される。
【0035】
【化2】
Figure 0004549531
【0036】
上式中、R1、R2およびR3は、H、Cl、F、Br、NH2、NO2、COOH、CH3SO2NH、SO3H、OH、アルコキシ、アルキル、アルコキシカルボニル、ヒドロキシアルキル、カルボキシアルキルおよびアシルオキシからなる群から独立して選択され、
4は、置換または無置換のアルキル、アルケニル、アルキニル、アルキルアシルおよびヘテロアルキルからなる群から選択され、
Aは、1〜7個の炭素原子から構成される、置換または無置換、飽和または不飽和、直鎖または分枝されたアルキルまたはアルケニルアミノ基であるか、またはAは、少なくとも1個の窒素を含有する5、6または7員の置換または無置換、飽和または不飽和複素環であり、R4はこの窒素に結合されており、
XおよびYは独立に、脱離基、好ましくは異なる脱離基である。
【0037】
この方法において、この1,3−二置換−4−オキソ環式尿素は、中間体を単離することなく製造され、この方法は、
(Ia)穏和な塩基および溶媒の存在下で、1−置換−4−オキソ環式尿素を少なくとも2個の脱離基を含む炭素鎖と反応させて、少なくとも1個の脱離基を含む付加物を形成するステップ、および
(Ib)その付加物をアミンと縮合させて1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を形成するステップ、および
(II)前記1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を回収するステップを含む。
【0038】
以下の非限定的実施例により本発明の方法を説明する。
【0039】
実施例1
アジミリドの調製のための、反応溶媒としてのジメチルホルムアミド(DMF)の使用
温度計、機械式攪拌機、加熱用マントル、還流コンデンサおよび添加ロートを備えた12Lの3口フラスコにDMF(4.77L)を充填し、50℃に加熱する。1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン(597g)を加え、加熱を続ける。完全に溶解したとき、フラスコに炭酸カリウム(276g)を充填し、85℃まで加熱する。10分後、1−ブロモ−4−クロロブタン(370g)を加え、約100℃まで加熱する。35分後、N−メチルピペラジン(465g)を加え、この混合物を100℃で1時間攪拌する。反応混合物を約10℃に冷却し、ろ過して不溶物を取り除く。減圧下、65〜68℃でDMFを除去し、無水アルコール(3.6L)で置換する。混合物を加熱して遊離塩基を溶解させ、ろ過して不溶物を取り除く。418gの濃塩酸を加えてエタノール(全量で6.0L)から生成物を沈澱させ、次いでろ過して680gの化合物を得る。
【0040】
実施例2
アジミリドの調製のための、反応溶媒としてのメチルスルホキシド(DMSO)の使用
温度計、機械式攪拌機、加熱用マントル、還流コンデンサおよび添加ロートを備えた500mLの3口フラスコにDMSO(200mL)、および1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン(20g)を充填する。溶解したら、炭酸カリウム(15.5g)および1−ブロモ−4−クロロブタン(13.6g)を加え、この混合物を30分間かけて70℃に加熱する。15分間かけて混合物にN−メチルピペラジン(19.8g)を加え、この間90℃に加熱する。総計で2時間15分後、反応混合物を約30℃に冷却し、メタノール(200mL)を加える。混合物を室温に冷却し、ろ過して不溶物を取り除く。濃塩酸を用いてろ液をpH1〜2に酸性化する。混合物を15℃に冷却し、ろ過して30.4gの化合物を得る。
【0041】
実施例3
アジミリドの調製のための、反応溶媒としてのN,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)の使用
温度計、機械式攪拌機、加熱用マントル、還流コンデンサおよび添加ロートを備えた2Lの3口フラスコにDMAC(200mL)、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン(100g)、1−ブロモ−4−クロロブタン(59g)、および炭酸カリウム(73g)を充填する。混合物を約100分間攪拌し、この間70℃に加熱する。N−メチルピペラジン(59.5g)を加え、混合物を86℃に加熱しながらさらに3時間攪拌する。反応混合物を20℃に冷却し、アセトン(900mL)を加える。混合物をろ過して不溶物を取り除く。濃塩酸を用いてろ液をpH1〜2に酸性化し、15℃に冷却して、ろ過することにより122.7gの化合物を得る。
【0042】
実施例4
アジミリドの調製のための、反応溶媒としてのN−メチルピロリドン(NMP)の使用
温度計、機械式攪拌機、加熱用マントル、還流コンデンサおよび添加ロートを備えた5Lの3口フラスコにNMP(1.2L)、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオン(300g)、1−ブロモ−4−クロロブタン(187g)、および炭酸カリウム(219g)を充填した。混合物を約1時間攪拌し、この間70℃に加熱する。N−メチルピペラジン(149g)を加え、混合物を約150分間攪拌し、この間90℃に加熱する。反応混合物を約20℃に冷却し、アセトン(2.4L)を加える。混合物をろ過して不溶物を取り除く。ろ液に水(0.42L)を加え、混合物を30℃〜35℃に加熱する。濃塩酸を用いて混合物をpH4.5〜5に酸性化し、生成物の種を投入し、1時間攪拌し、次いで、さらに濃塩酸を用いてpH0〜3に酸性化する。混合物を10℃に冷却し、ろ過して382.8gの化合物を得る。
【0043】
【化3】
Figure 0004549531

Claims (1)

  1. 1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−3−[4−(4−メチル−1−ピペラジニル)ブチル]−2,4−イミダゾリジンジオン二塩酸塩の製造方法であって、
    (Ia)炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムおよび重炭酸ナトリウムよりなる群から選択される穏和な塩基およびN−メチルピロリドンの存在下で、1−[[[5−(4−クロロフェニル)−2−フラニル]メチレン]アミノ]−2,4−イミダゾリジンジオンを、1,4−ジハロゲン化ブタン(但し、ハロゲンはClまたはBrである)である2個の脱離基を含む炭素鎖試薬と反応させて、1個の脱離基を含む付加物を形成するステップ、および
    (Ib)その付加物をN−メチルピペラジンと縮合させて1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を形成するステップ、と
    (II)以下の、
    (IIa)メタノール、エタノール、アセトン、またはそれらの混合物からなる群から選択される共溶媒を添加するステップ、
    (IIb)沈澱した塩をろ過し、水を添加するステップ、
    (IIc)塩酸を用いて、最初にpHを4.5から5に調節し、続いてpHを0から3に調節する、pHを調節するステップ、および
    (IId)生成物をろ過するステップ
    により前記1,3−二置換−4−オキソ環式尿素を回収するステップ
    を含むことを特徴とする方法。
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