JP4547780B2 - 固体電解コンデンサの製造方法 - Google Patents

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    • H01G11/56Solid electrolytes, e.g. gels; Additives therein

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は導電性高分子層を固体電解質として用いた固体電解コンデンサの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器のデジタル化にともない、それに使用される固体電解コンデンサに優れた高周波特性が求められている。
【0003】
そこで従来における固体電解コンデンサの正面図とその要部の断面図を図11(a),(b)に、固体電解コンデンサの断面図を図12に示す。
【0004】
図11(a),(b)において、21は表面に誘電体酸化皮膜層を形成したタンタルからなる陽極体、22はタンタルからなる陽極導出線、23は陽極体21の上に形成された導電性高分子層である。ここで図示しないが、陽極体21は多数の細孔を有した多孔質体であり、誘電体酸化皮膜層および導電性高分子層23は全ての細孔表面にも形成される。
【0005】
このような導電性高分子層23を固体電解質として用いた固体電解コンデンサを得るために一般に行われている従来における第1の固体電解コンデンサの製造方法は、導電性高分子層23が米国特許4697001号公報に示されるように、陽極体21をモノマー溶液と酸化剤溶液に交互に浸漬することにより得られ、先に浸漬した溶液例えばモノマー溶液を陽極体21の内部に含ませ、他方の溶液例えば酸化剤溶液に浸漬し、陽極体21の内部に導電性高分子層23を重合生成させていた。
【0006】
また、従来における第2の固体電解コンデンサの製造方法は、特許出願H9−316283号に示されるように、先に浸漬した溶液例えばモノマー溶液を陽極体21の内部に含ませ、他方の溶液例えば酸化剤溶液に浸漬する際、酸化剤溶液を低温にしておき所定時間浸漬した後引き上げ低温保持して酸化剤溶液を陽極体21の内部に拡散させ、その後温度を上昇して反応させ、陽極体21の内部に導電性高分子層23を重合生成させていた。
【0007】
また、従来における第3の固体電解コンデンサの製造方法は、モノマー溶液と酸化剤溶液の混合液に陽極体21を浸漬することにより、陽極体21の内部に導電性高分子層23を重合生成させていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来における第1および第2および第3の固体電解コンデンサの製造方法では、陽極体21のコーナー部24の導電性高分子層23は1〜2μmとなっており、化学酸化重合にて導電性高分子層23を形成しているので、陽極体21のコーナー部24付近の導電性高分子層23が形成されにくいという問題を有しており、陽極体21のコーナー部24における導電性高分子層23の形成不足による陽極体21の露出が引き起こすショートの一因になっていた。また、陽極体21の露出がない場合でも陽極体21のコーナー部24の導電性高分子層23は薄いので、誘電体酸化皮膜がストレスを受けやすくなり、ストレス発生時に誘電体酸化皮膜に欠陥が発生しショートの一因になっていた。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するもので、陽極体のコーナー部を被覆することによりショート不良の少ない固体電解コンデンサを提供することおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の固体電解コンデンサの製造方法は、陽極導出線を埋没した弁作用金属粉末の成形体を焼結して多孔質体とし、この多孔質体を陽極酸化して表面に誘電体酸化皮膜を形成して陽極体とし、この陽極体にモノマー溶液と酸化剤溶液を用いて化学酸化重合により第1の導電性高分子層を形成し、その上に導電性高分子粉末と結合剤と溶媒からなる被覆塗料を塗布して第2の導電性高分子層を形成して少なくとも上記陽極体のコーナー部の第1と第2の導電性高分子層の合計の厚みが5μm以上100μm以下となるように固体電解質としての導電性高分子層を形成し、この導電性高分子層上に陰極層を形成し、上記陽極導出線および陰極層にそれぞれ引出し端子を接続し、この引出し端子の一部を除いて樹脂による外装を形成する固体電解コンデンサの製造方法であって、前記第1の導電性高分子層を形成する前に、前記陽極体を、モノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液に導電性高分子粉末を5wt%以上添加したものに浸漬し、その後所定の雰囲気温度中で所定の時間保持して化学酸化重合させてプレ重合膜層を形成する固体電解コンデンサの製造方法としたものである。
【0011】
この構成によれば、陽極体のコーナー部を被覆することにより、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出が引き起こすショートを防ぐことができる。また、誘電体酸化皮膜が外層樹脂形成後の乾燥などによる熱ストレスを受けにくくなり、ストレス発生時に酸化皮膜の欠陥の発生を抑制しショートを防ぐことができる。またより効果的に容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、陽極導出線を有し表面に誘電体酸化皮膜層を形成した弁作用金属からなる陽極体と、この陽極体の誘電体酸化皮膜層上に形成された化学酸化重合による第1の導電性高分子層と導電性高分子粉末と結合剤による第2の導電性高分子層とからなる少なくとも陽極体のコーナー部の厚みが5μm以上100μm以下の固体電解質層としての導電性高分子層と、この導電性高分子層上に設けた陰極層と、上記陽極導出線および陰極層にそれぞれ接続された引出し端子と、この引出し端子の一部を除いて全体を被った外装とからなるようにしたものであり、コーナー部の導電性高分子層の厚みが5μm以上100μm以下になるようにすると、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0013】
また本発明は、弁作用金属がタンタルまたはアルミニウムから選ばれるものであり、弁作用金属がタンタルまたはアルミニウムであることが好ましい。
【0014】
また本発明は、第2の導電性高分子層を形成する導電性高分子粉末の粒径を0.01μm以上10μm未満としたものであり、0.01μm未満の粒径であれば厚みが不足し、10μm以上であればポーラスな膜になり、陽極体露出によるショートを低減しにくいので、0.01μm以上10μm未満の粒径が好ましい。これにより、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0015】
また本発明は、陽極体の誘電体酸化皮膜上に化学酸化重合によるプレ重合膜層を設け、このプレ重合膜層上に導電性高分子層を有するものであり、第2の導電性高分子層を形成しやすくすることができる。
【0016】
また本発明は、プレ重合膜が主として陽極体の表面近傍に形成されたポーラスで凸凹のある導電性高分子層であり、導電性高分子層を陽極体の内部に形成する前に、陽極体の表面近傍にプレ重合膜層をポーラスにかつ凸凹に形成することにより容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【0017】
また本発明は、陽極導出線を埋没した弁作用金属粉末の成形体を焼結して多孔質体とし、この多孔質体を陽極酸化して表面に誘電体酸化皮膜を形成して陽極体とし、この陽極体にモノマー溶液と酸化剤溶液を用いて化学酸化重合により第1の導電性高分子層を形成し、その上に導電性高分子粉末と結合剤と溶媒からなる被覆塗料を塗布して第2の導電性高分子層を形成して少なくとも上記陽極体のコーナー部の第1と第2の導電性高分子層の合計の厚みが5μm以上100μm以下となるように固体電解質としての導電性高分子層を形成し、この導電性高分子層上に陰極層を形成し、上記陽極導出線および陰極層にそれぞれ引出し端子を接続し、この引出し端子の一部を除いて樹脂による外装を形成するものであり、第1の導電性高分子層を陽極体内部に形成し、その後第2の導電性高分子層を陽極体の表面近傍に形成することによりコーナー部の被覆ができるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0018】
また本発明は、第2の導電性高分子層を形成する被覆塗料の粘度として10cps以上のものを用いたものであり、被覆塗料の粘度が10cps未満であれば、導電性高分子層の形成不足になり、陽極体の露出によるショートを低減しにくいので、10cps以上の粘度が好ましい。これにより、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0019】
また本発明は、被覆塗料として導電性高分子粉末の組成比を5wt%以上のものを用いたものであり、5wt%未満であれば、導電性高分子層の形成不足になり、陽極体の露出によるショートを低減しにくいので、5wt%以上の組成比が好ましい。これにより、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0020】
また本発明は、第1の導電性高分子層をモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液に浸漬して化学酸化重合させて形成するものであり、このように導電性高分子層を形成することによりコーナー部の被覆ができるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショートを防ぐことができる。
【0021】
また本発明は、第1の導電性高分子層を形成する前にモノマー溶液と酸化剤溶液を用いて化学酸化重合によりプレ重合膜層を形成するものであり、陽極体の表面近傍にプレ重合膜層をポーラスにかつ凸凹に形成することにより容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【0022】
また本発明は、モノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液に導電性高分子粉末を5wt%以上添加したものに浸漬し、その後所定の雰囲気温度中で所定の時間保持して化学酸化重合させてプレ重合膜層を形成するものであり、陽極体の表面近傍にプレ重合膜層をより凸凹に形成することができ、より効果的に容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【0023】
また本発明は、プレ重合膜層を形成する混合溶液に添加する導電性高分子粉末の粒径が0.01μm以上10μm以下であり、陽極体の表面近傍にプレ重合膜層をより凸凹に形成することができ、より効果的に容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【0024】
また本発明は、第1の導電性高分子層を形成する化学酸化重合の反応速度よりプレ重合膜層を形成する化学酸化重合の反応速度を速くしたものであり、プレ重合膜層を形成する化学酸化重合の反応速度を速くすることで、より陽極体の表面近傍にポーラスに、かつ凸凹に形成することができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1(a)〜(d)は本発明の第1の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0027】
図1(a)〜(d)において、1は陽極体、2は陽極体1から導出されたタンタルからなる陽極導出線、3はモノマー溶液、4は酸化剤溶液、5は被覆塗料である。
【0028】
本発明の第1の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、図1(a)に示すようにタンタルからなる陽極導出線2にタンタル粉末を所定の形状にプレス成形後、焼成して1.4mm×3.0mm×3.8mmの多孔質体を形成し、リン酸水溶液中において印加電圧30vで陽極酸化して多孔質体の表面に誘電体酸化皮膜層を形成して陽極体1を得る。
【0029】
次に図1(b)に示すように5℃に保持したモノマー溶液3に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、5分後に引き上げる。その後、図1(c)に示すように25℃に保持した酸化剤溶液4に10分間浸漬し、化学酸化重合反応させる。その後80℃の純水で洗浄し、105℃で5分間乾燥する。以上の操作を8回繰り返し、第1の導電性高分子層を形成する。次に図1(d)に示すように被覆塗料5に第1の導電性高分子層を形成した陽極体1を浸漬し、その後105℃で5分間乾燥する。以上の操作で第2の導電性高分子層を形成する。
【0030】
一方、比較として第1の従来における固体電解コンデンサの製造方法を示す。誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、導電性高分子層は、上記本発明の第1の実施の形態の第1の導電性高分子層と同様に形成する。
【0031】
上記のようにして得られた本発明の第1の実施の形態におけるコンデンサ素子の正面図とその要部の断面図を図2(a),(b)に示す。コンデンサ素子のコーナー部15は化学酸化重合の第1の導電性高分子層6および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層7により被覆され、厚みは15μmであった。
【0032】
また、本発明の第1の実施の形態および第1の従来におけるコンデンサ素子を図3に示すように第1の導電性高分子層6、第2の導電性高分子層7からなる固体電解質層上にカーボン層8、銀塗料層9からなる陰極層を形成し、引出し端子10および11を設け、樹脂12で外装して固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。
【0033】
その結果、第1の従来における固体電解コンデンサがショート発生率が20%であるのに対して、本発明の第1の実施の形態で得られた固体電解コンデンサは、ショート発生率が4%であった。
【0034】
このように本発明の第1の実施の形態の製造方法は、第1の導電性高分子層6を素子内部に形成し、その後被覆塗料にて第2の導電性高分子層7を素子表面近傍に形成することにより、陽極体1のコーナー部15を第1の導電性高分子層6および第2の導電性高分子層7で被覆できるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体1の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでショート発生率を低減することができる。
【0035】
なお、本発明の第1の実施の形態および従来のモノマー溶液は、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液にモノマーとしてピロールを1.0mol/lとなるように溶解させ、酸化剤溶液は、イソプロピルアルコールを10vol%含有する水溶液に酸化剤として硫酸第二鉄を0.25mol/l、ドーパントとしてアルキルナフタレンスルホン酸イオンをNa塩の形で0.03mol/lとなるように溶解させた。また、モノマーは、ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0036】
また、本発明の第1の実施の形態の被覆塗料は、導電性高分子粉末として粒径0.1〜1μmのポリピロール粉末20wt%と結合剤と溶媒中に分散しており、そのときの粘度が150cpsである。また、導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0037】
また、本発明の第1の実施の形態の被覆塗料は、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0038】
また、本発明の第1の実施の形態では、第1の導電性高分子層6の形成にはモノマー溶液を5℃、酸化剤溶液を25℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0039】
また、本発明の第1の実施の形態では、第1の導電性高分子層6を形成する際モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合について述べたが、酸化剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
【0040】
また、本発明の第1の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、アルミニウムであっても良い。
【0041】
(実施の形態2)
図4(a)〜(f)は本発明の第2の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0042】
図4(a)〜(f)中において、図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0043】
本発明の第2の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図4(b)に示すように5℃に保持してモノマー溶液3に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、5分後に引き上げる。その後、図4(c)に示すように5℃に保持した酸化剤溶液4に浸漬し、10秒後引き上げ、図4(d)に示すように5℃の雰囲気中に5分間保持する。図4(c)および(d)に示す酸化剤溶液4に浸漬する一連の操作を4回繰り返し、その後図4(e)に示すように30℃の雰囲気中に10分間保持し、化学酸化重合反応させる。その後上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第1の導電性高分子層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第2の導電性高分子層を形成する。
【0044】
一方、比較として第2の従来における固体電解コンデンサの製造方法を示す。誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、導電性高分子層は、上記本発明の第2の実施の形態の第1の導電性高分子層と同様に形成する。
【0045】
上記得られた本発明の第2の実施の形態におけるコンデンサ素子のコーナー部は化学酸化重合の第1の導電性高分子層および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層により被覆され、厚みは13μmであった。
【0046】
また、本発明の第2の実施の形態および第2の従来におけるコンデンサ素子は本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。
【0047】
その結果、第2の従来における固体電解コンデンサがショート発生率が20%であるのに対して、本発明の第2の実施の形態で得られた固体電解コンデンサはショート発生率が5%であった。
【0048】
このように本発明の第2の実施の形態の製造方法は、本発明の第1の実施の形態と同様の作用と効果がある。
【0049】
なお、本発明の第2の実施の形態のモノマー溶液および酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは本発明の第1の実施の形態と同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0050】
また、本発明の第2の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0051】
また、本発明の第2の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0052】
また、本発明の第2の実施の形態では、第1の導電性高分子層の形成にはモノマー溶液および酸化剤溶液を5℃、雰囲気温度を30℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0053】
また、本発明の第2の実施の形態では、第1の導電性高分子層を形成する際モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合について述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
【0054】
また、本発明の第2の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0055】
(実施の形態3)
図5(a)〜(c)は本発明の第3の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0056】
図5(a)〜(c)において、13は混合溶液、その他図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0057】
本発明の第3の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図5(b)に示すように10℃に保持してモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液13に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、20分後に引き上げる以外は、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第1の導電性高分子層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第2の導電性高分子層を形成する。
【0058】
一方、比較として第3の従来における固体電解コンデンサの製造方法を示す。誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、導電性高分子層は、上記本発明の第3の実施の形態の第1の導電性高分子層と同様に形成する。
【0059】
上記のようにして得られた本発明の第3の実施の形態におけるコンデンサ素子のコーナー部は化学酸化重合の第1の導電性高分子層および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層により被覆され、厚みは12μmであった。
【0060】
また、本発明の第3の実施の形態および第3の従来におけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。その結果、第3の従来における固体電解コンデンサがショート発生率が22%であるのに対して、本発明の第3の実施の形態で得られた固体電解コンデンサは、ショート発生率が6%であった。
【0061】
このように本発明の第3の実施の形態の製造方法は、本発明の第1の実施の形態と同様の作用と効果がある。
【0062】
なお、本発明の第3の実施の形態の混合液としてのモノマー溶液および酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1の実施の形態と同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0063】
また、本発明の第3の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0064】
また、本発明の第3の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0065】
また、本発明の第3の実施の形態では、第1の導電性高分子層の形成には混合溶液を10℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0066】
また、本発明の第3の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0067】
(実施の形態4)
図6(a)〜(d)は本発明の第4の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0068】
図6(a)〜(d)において、13は混合溶液、その他図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0069】
本発明の第4の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図6(b)に示すように10℃に保持してモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液13に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、5分後に引き上げる。その後図6(c)に示すように30℃の雰囲気中に10分間保持して化学酸化重合させる。その後上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第1の導電性高分子層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され第2の導電性高分子層を形成する。
【0070】
上記のようにして得られた本発明の第4の実施の形態におけるコンデンサ素子のコーナー部は化学酸化重合の第1の導電性高分子層および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層により被覆され、厚みは12μmであった。
【0071】
また、本発明の第4の実施の形態におけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。その結果、本発明の第4の実施の形態で得られた固体電解コンデンサはショート発生率が5%であった。
【0072】
このように本発明の第4の実施の形態の製造方法は、本発明の第1の実施の形態と同様の作用と効果がある。
【0073】
なお、本発明の第4の実施の形態のモノマー溶液および酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1の実施の形態と同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0074】
また、本発明の第4の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0075】
また、本発明の第4の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0076】
また、本発明の第4の実施の形態では、第1の導電性高分子層の形成には混合溶液を10℃、雰囲気温度を30℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0077】
また、本発明の第4の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0078】
(実施の形態5)
図7(a)〜(f)は本発明の第5の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0079】
図7(a)〜(f)において、図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0080】
本発明の第5の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図7(b)に示すように5℃に保持したモノマー溶液3に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、5分後に引き上げる。その後、図7(c)に示すように40℃に保持した酸化剤溶液4に10分間浸漬し、化学酸化重合反応させる。その後80℃の純水で洗浄し、105℃で5分間乾燥する。以上の操作を2回繰り返し、プレ重合膜層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、第1および第2の導電性高分子層を形成する。
【0081】
上記のようにして得られた本発明の第5の実施の形態におけるコンデンサ素子の正面図と断面図を図8に示す。コンデンサ素子のコーナー部15は化学酸化重合のプレ重合膜層14および化学酸化重合の第1の導電性高分子層6および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層7により被覆され、厚みは19μmであった。
【0082】
また、本発明の第5の実施の形態におけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。その結果、本発明の第5の実施の形態で得られた固体電解コンデンサはショート発生率が3%であった。
【0083】
このように本発明の第5の実施の形態の製造方法は、プレ重合膜層14をまず陽極体1の表面近傍にポーラスに、かつ凸凹状に形成し、導電性高分子層の被覆性を向上させ、第2の導電性高分子層を素子表面に形成しやすくしている。これにより、その後第1および第2の導電性高分子層6,7を形成したとき陽極体1のコーナー部15を本発明の第1の実施の形態より厚く被覆できるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体1の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでより効果的にショート発生率を低減することができる。
【0084】
なお、本発明の第5の実施の形態のモノマー溶液および酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1の実施の形態と同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0085】
また、本発明の第5の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0086】
また、本発明の第5の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0087】
また、本発明の第5の実施の形態では、反応速度を第1の導電性高分子層6を形成する反応速度よりも速くするために、プレ重合膜層14を形成する酸化剤溶液4の温度を第1の導電性高分子層6を形成する酸化剤溶液4の温度よりも上昇したが、モノマー溶液3を上昇しても良い。また、モノマー溶液3と酸化剤溶液4の両方の温度を上昇しても良い。さらにモノマー溶液3のモノマー濃度、もしくは酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。また、モノマー溶液3のモノマー濃度および酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。
【0088】
また、本発明の第5の実施の形態では、プレ重合膜層14の形成にはモノマー溶液3を5℃、酸化剤溶液4を40℃になるようにし、第1の導電性高分子層6の形成にはモノマー溶液3を5℃、酸化剤溶液4を25℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0089】
また、本発明の第5の実施の形態では、第1および第2の導電性高分子層6,7を形成するに当たり本発明の第1の実施の形態と同様の方法を採用したが、これに限られるものでなく、本発明の第2から第4の実施の形態のいずれかを採用しても良い。
【0090】
また、本発明の第5の実施の形態では、プレ重合膜層14および第1の導電性高分子層6を形成する際モノマー溶液3に浸漬した後酸化剤溶液4に浸漬した場合について述べたが、酸化剤溶液4に浸漬した後モノマー溶液3に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
【0091】
また、本発明の第5の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0092】
(実施の形態6)
図9(a)〜(e)は本発明の第6の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0093】
図9(a)〜(e)において、13は混合溶液であり、その他図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0094】
本発明の第6の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図9(b)に示すように35℃に保持してモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液13に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を10分間浸漬して化学酸化重合させる。その後80℃の純水で洗浄し、105℃で5分間乾燥する。以上の操作を2回繰り返し、プレ重合膜層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、第1および第2の導電性高分子層を形成する。
【0095】
上記のようにして得られた本発明の第6の実施の形態におけるコンデンサ素子のコーナー部は化学酸化重合のプレ重合膜層14および化学酸化重合の第1の導電性高分子層6および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層7により被覆され、厚みは21μmであった。
【0096】
また、本発明の第6の実施の形態におけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。その結果、本発明の第6の実施の形態で得られた固体電解コンデンサは、ショート発生率が3%であった。
【0097】
このように本発明の第6の実施の形態の製造方法は、プレ重合膜層14をまず陽極体1の表面近傍にポーラスにかつ凸凹状に形成し、導電性高分子層の被覆性を向上させ、第2の導電性高分子層7を素子表面に形成しやすくしている。これにより、その後第1および第2の導電性高分子層6,7を形成したとき陽極体1のコーナー部を本発明の第1の実施の形態より厚く被覆できるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体1の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでより効果的にショート発生率を低減することができる。
【0098】
なお、本発明の第6の実施の形態の混合溶液13は、本発明の第3の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1の実施の形態と同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0099】
また、本発明の第6の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0100】
また、本発明の第6の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0101】
また、本発明の第6の実施の形態では、反応速度を第1の導電性高分子層を形成する反応速度よりも速くするために、プレ重合膜層を形成する混合溶液13の温度を第1の導電性高分子層を形成する酸化剤溶液4の温度よりも上昇したが、モノマー溶液3のモノマー濃度、もしくは酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。また、モノマー溶液3のモノマー濃度および酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。
【0102】
また、本発明の第6の実施の形態では、プレ重合膜層の形成には混合溶液13を35℃になるようにし、第1の導電性高分子層の形成にはモノマー溶液3を5℃、酸化剤溶液4を25℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0103】
また、本発明の第6の実施の形態では、第1および第2の導電性高分子層を形成するに当たり本発明の第1の実施の形態と同様の方法を採用したが、これに限られるものでなく、本発明の第2から第4の実施の形態のいずれかを採用しても良い。
【0104】
また、本発明の第6の実施の形態では、モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合について述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
【0105】
また、本発明の第6の実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0106】
(実施の形態7)
図10(a)〜(f)は本発明の第7の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図である。
【0107】
図10(a)〜(f)において、13は混合溶液であり、その他図1と同一のものについては同一の符号を示してある。
【0108】
本発明の第7の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法は、誘電体酸化皮膜層を形成するまでは、上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製される。次に図10(b)に示すように10℃に保持してモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液13に誘電体酸化皮膜層を形成した陽極体1を浸漬し、5分後に引き上げる。その後図10(c)に示すように40℃の雰囲気中に10分間保持し、化学酸化重合させる。その後80℃の純水で洗浄し、105℃で5分間乾燥する。以上の操作を2回繰り返し、プレ重合膜層を形成する。次に上記本発明の第1の実施の形態と同様に作製され、第1および第2の導電性高分子層を形成する。
【0109】
上記のようにして得られた本発明の第7の実施の形態におけるコンデンサ素子のコーナー部は化学酸化重合のプレ重合膜層14および化学酸化重合の第1の導電性高分子層6および導電性高分子粉末からなる第2の導電性高分子層7により被覆され、厚みは22μmであった。
【0110】
また、本発明の第7の実施の形態におけるコンデンサ素子は、本発明の第1の実施の形態と同様な方法で固体電解コンデンサを得、ショートの発生率の測定を行った。その結果、本発明の第7の実施の形態で得られた固体電解コンデンサは、ショート発生率が2%であった。
【0111】
このように本発明の第7の実施の形態の製造方法は、プレ重合膜層14をまず陽極体の表面近傍にポーラスにかつ凸凹状に形成し、導電性高分子層の被覆性を向上させ、第2の導電性高分子層7を素子表面に形成しやすくしている。これにより、その後第1および第2の導電性高分子層を形成したとき陽極体1のコーナー部を本発明の第1の実施の形態より厚く被覆できるため、導電性高分子層の形成不足による陽極体1の露出がなくなり、ストレスに対しても誘電体酸化皮膜の欠陥の発生を抑制できるのでより効果的にショート発生率を低減することができる。
【0112】
なお、本発明の第7の実施の形態のモノマー溶液および酸化剤溶液は、本発明の第1の実施の形態と同様の液組成である。また、モノマーは、本発明の第1の実施の形態同様ピロールに限られるものではなく、酸化剤も硫酸第二鉄に限られるものではない。
【0113】
また、本発明の第7の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の組成比である。また、本発明の第1の実施の形態と同様導電性高分子粉末はポリピロールに限られるものではなく、粒径も0.01μm以上10μm未満であれば良く、導電性高分子粉末の組成比も5wt%以上で良く、粘度も10cps以上であれば良い。
【0114】
また、本発明の第7の実施の形態の被覆塗料は、本発明の第1の実施の形態と同様の塗布方法である。また、浸漬により塗布したがこれに限られるものではなく、ディスペンサまたは噴霧により塗布しても良い。
【0115】
また、本発明の第7の実施の形態では、反応速度を第1の導電性高分子層を形成する反応速度よりも速くするために、プレ重合膜層を形成する混合溶液13の温度を第1の導電性高分子層を形成する酸化剤溶液4の温度よりも上昇したが、モノマー溶液3のモノマー濃度、もしくは酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。また、モノマー溶液3のモノマー濃度および酸化剤溶液4の酸化剤濃度を上昇しても良い。
【0116】
また、本発明の第7の実施の形態では、プレ重合膜層の形成には混合溶液13を10℃、雰囲気温度を40℃になるようにし、第1の導電性高分子層の形成にはモノマー溶液3を5℃、酸化剤溶液4を25℃になるようにしたが、これに限られるものではない。
【0117】
また、本発明の第7の実施の形態では、プレ重合膜層を形成するのにモノマー溶液と酸化剤溶液からなる混合溶液13を用いたが、好ましくは、混合溶液13に粒径0.01μm以上10μm以下の導電性高分子粉末を5wt%以上添加した混合溶液が良い。
【0118】
また、本発明の第7の実施の形態では、第1および第2の導電性高分子層を形成するに当たり本発明の第1の実施の形態と同様の方法を採用したが、これに限られるものでなく、本発明の第2から第4の実施の形態のいずれかを採用しても良い。
【0119】
また、本発明の第7の実施の形態では、モノマー溶液に浸漬した後酸化剤溶液に浸漬した場合について述べたが、本発明の第1の実施の形態と同様酸化剤溶液に浸漬した後モノマー溶液に浸漬した場合であっても同様の作用と効果を有することはいうまでもない。
【0120】
また、本発明の第7実施の形態では、弁作用金属をタンタルとしたが、本発明の第1の実施の形態と同様アルミニウムであっても良い。
【0121】
【発明の効果】
以上のように本発明は構成されるため、陽極体のコーナー部を導電性高分子層で十分に被覆できてショートを防ぐとともに誘電体酸化皮膜が熱ストレスを受けにくくなり、欠陥を発生することなく、品質の優れた固体電解コンデンサが提供できることになる。またより効果的に容易に第2の導電性高分子層を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(d)本発明の第1の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図2】 (a),(b)本発明の第1の実施の形態のコンデンサ素子の正面図と断面図
【図3】 本発明の第1の実施の形態の固体電解コンデンサの断面図
【図4】 (a)〜(f)本発明の第2の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図5】 (a)〜(c)本発明の第3の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図6】 (a)〜(d)本発明の第4の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図7】 (a)〜(f)本発明の第5の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図8】 (a),(b)本発明の第5の実施の形態のコンデンサ素子の正面図と断面図
【図9】 (a)〜(e)本発明の第6の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図10】 (a)〜(f)本発明の第7の実施の形態における固体電解コンデンサの製造方法の要部を説明する図
【図11】 (a),(b)従来におけるコンデンサ素子の正面図と断面図
【図12】 従来における固体電解コンデンサの断面図
【符号の説明】
1 陽極体
2 陽極導出線
3 モノマー溶液
4 酸化剤溶液
5 被覆塗料
6 第1の導電性高分子層
7 第2の導電性高分子層
8 カーボン層
9 銀塗料層
10,11 引出し端子
12 樹脂
13 混合溶液
14 プレ重合膜層
15 コーナー部

Claims (6)

  1. 陽極導出線を埋没した弁作用金属粉末の成形体を焼結して多孔質体とし、この多孔質体を陽極酸化して表面に誘電体酸化皮膜を形成して陽極体とし、この陽極体にモノマー溶液と酸化剤溶液を用いて化学酸化重合により第1の導電性高分子層を形成し、その上に導電性高分子粉末と結合剤と溶媒からなる被覆塗料を塗布して第2の導電性高分子層を形成して少なくとも上記陽極体のコーナー部の第1と第2の導電性高分子層の合計の厚みが5μm以上100μm以下となるように固体電解質としての導電性高分子層を形成し、この導電性高分子層上に陰極層を形成し、上記陽極導出線および陰極層にそれぞれ引出し端子を接続し、この引出し端子の一部を除いて樹脂による外装を形成する固体電解コンデンサの製造方法であって、
    前記第1の導電性高分子層を形成する前に、前記陽極体を、モノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液に導電性高分子粉末を5wt%以上添加したものに浸漬し、その後所定の雰囲気温度中で所定の時間保持して化学酸化重合させてプレ重合膜層を形成する固体電解コンデンサの製造方法。
  2. プレ重合膜層を形成する混合溶液に添加する導電性高分子粉末の粒径が0.01μm以上10μm以下である請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  3. 第2の導電性高分子層を形成する被覆塗料の粘度として10cps以上のものを用いた請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  4. 被覆塗料として導電性高分子粉末の組成比が5wt%以上のものを用いた請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  5. 第1の導電性高分子層をモノマー溶液と酸化剤溶液の混合溶液に浸漬して化学酸化重合させて形成する請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  6. 第1の導電性高分子層を形成する化学酸化重合の反応速度よりプレ重合膜層を形成する化学酸化重合の反応速度を速くした請求項に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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