JP4545889B2 - 回路基板及びその製造方法並びに半導体装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路基板及びその製造方法並びに半導体装置に関し、特にコンピュータ、ワープロ、通信機器等の高周波で動作するLSIを使用する電子機器において、LSIと回路基板との間に配置する回路基板(インターポーザ)を主な対象とする。
【0002】
【従来の技術】
近時におけるLSIの高周波数化の進展により、スイッチングノイズによる誤動作の問題が大きくなっている。このノイズを吸収するため、電源系に、いわゆるデカップリングキャパシタを挿入する技術が案出されており、LSIの周辺に個別のデカップリングキャパシタを配置する方法が一般に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、動作周波数が数百MHzにまで高くなると、配線のインダクタンス成分が影響するため、デカップリングキャパシタを更にLSIの近傍に配置する必要がある。また、LSIの微細化、高密度化の進展により、キャパシタの容量も高い値が要求されている。
【0004】
更に、配線における信号伝搬遅延を低減させるために、配線を囲む絶縁材に低い誘電率が要求されている。
【0005】
このような背景の下で、バイパスキャパシタの低インダクタンス化を狙い、LSI内部に高誘電率材によるキャパシタを内蔵させるキャパシタ内蔵LSIが考えられているが(日経エレクトロニクスNo.581.1993,p.77)、LSIプロセスに高誘電率材を取り入れるために製造コストが高く、歩留りの低下を来し、更には充分な容量が得られない等の問題がある。
【0006】
また、LSIを実装する基板の内部や表面にキャパシタを内蔵してなるキャパシタ内蔵基板が考えられているが(特開平8−213760号公報)、製造コストの大幅な増加とともに、基板単位の大面積キャパシタによる信頼性を確保することが困難となる等の問題がある。
【0007】
また、LSIと回路基板との間にスルービアを有するインターポーザを配置し、その表面に薄膜キャパシタを設けてなる薄膜キャパシタ内蔵のインターポーザも考えられているが(特開平4−21191号公報)、充分な容量が得られない等の問題がある。
【0008】
また、厚膜積層型キャパシタにスルービアを通すとともに、信号線の周囲のみを低誘電率材で囲む構造も考えられているが(特開平11−251172号公報)、低インダクタンス、大容量が得られるものの、製造プロセスが複雑で高価となる。
【0009】
このように、高駆動周波数化の進むLSIにおける電源ノイズの低減化を図る様々な工夫がなされているものの、各々無視し得ない欠点を有しており、更なる改善が待たれる現況にある。
【0010】
そこで本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、比較的簡易な構成により、駆動周波数の高い、例えば数百MHz以上の高性能LSIにおける電源ノイズを十分に除去するのに有効であり、しかも低コスト、高信頼性の回路基板及び半導体装置、更には極めて容易且つ正確に前記回路基板を作製することを可能とする好適な方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に示す発明の諸態様に想到した。
【0012】
本発明は、表面から裏面へ貫通する複数のスルービアを有する回路基板を対象とし、前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の電極が積層されてなるキャパシタを備えて構成される。この回路基板においては、スルービアのピッチ間という領域を有効利用し、回路基板が小さく、当該領域が狭くとも、スルービアに沿って高さ方向にキャパシタの形成領域を広く確保し、電極を多層に積層することで大容量を得ることができる。
【0013】
ここで、キャパシタの誘電体を、高誘電率セラミックフィラーを樹脂に分散してなる材料から形成する。これにより、更に大きなキャパシタ容量を得ることができる。
【0014】
また、回路基板のスルービアを、低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた樹脂に形成する。これにより、スルービアの信号伝搬に対するキャパシタの影響が緩和され、信号伝搬遅延が抑制される。
【0015】
更に本発明は、前記構成の回路基板を、半導体基板上に半導体素子を設ける際のインターポーザとして用い、半導体装置を構成する。この場合、当該インターポーザが小さいものであっても前述の如く大容量を得ることができ、更には半導体素子の近傍にキャパシタが位置することからインダクタンスが低く押さえられるため、高周波駆動の半導体素子を適用してもインピーダンスの増加を招くことなく電源ノイズの発生を抑止し、信頼性の高い半導体装置が実現する。
【0016】
本発明の回路基板を作製するには、先ず第1の誘電体フィルムの表面に少なくともスルービアとなる配線パターンを形成するとともに、第2の誘電体フィルムの表面に少なくともキャパシタの電極となる電極パターンを形成する。続いて、第1の誘電体フィルムと、少なくとも2層以上の第2の誘電体フィルムとを交互に積層して積層体を形成した後、この積層体をスライス加工して、個々の回路基板を切り出す。
【0017】
ここで、第1の誘電体フィルムを低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた低誘電率樹脂フィルムとし、第2の誘電体フィルムは、高誘電率セラミックフィラーを分散させた高誘電率樹脂フィルムとすることが好適である。
【0018】
この製造方法においては、1つの前記積層体から複数の回路基板を切り出すため、生産性・量産性が極めて高く、安価に高精度且つ高性能の回路基板を作製することができる。更にこの方法では、通常のビア穴開け工程がなく、フィルムへのパターン形成だけでスルービアを形成するため、単純形状でないスルービアでも容易且つ正確に形成することができ、必要があれば、直線形状のみならず曲線や折れ線等の所望形状とすることも可能である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。本例では、回路基板をインターポーザとして用いる半導体装置について例示する。
【0020】
図1は、本実施形態の半導体装置の主要構成を示す概略断面図である。
この半導体装置は、半導体基板1上にインターポーザ2を介して所定の半導体素子の形成された半導体チップ(LSI)3が接続されてなるものである。
【0021】
インターポーザ2は、表面から裏面へ貫通する複数のスルービア11を有し、半導体基板1上にハンダ18により接続されており、これらスルービア11を通じてLSI3の半導体素子と半導体基板1とが電気的に接続されている。半導体基板1の下部には接続用のピン19が設けられている。更に、スルービア11のピッチ間に、スルービア11と並行して、即ちインターポーザ2の表面と垂直な方向に少なくとも2層以上の電極が誘電体膜を介して積層されてなるキャパシタ12が形成されている。
【0022】
インターポーザ2の詳細な構成を図2に示す。ここで、図2(a)はインターポーザ2の平面図であり、図2(b)が図2(a)中矢印Aで示すA断面、図2(c)が同様にB断面、図2(d)が同様にC断面、図2(e)が同様にD断面、図2(f)が同様にE断面、図2(g)が同様にF断面をそれぞれ示す。
【0023】
インターポーザ2において、低誘電率材13と高誘電率材14が交互に積層されており、低誘電率材13にスルービア11、高誘電率材14にキャパシタ12がそれぞれ形成されている(図2(a)参照)。
【0024】
スルービア11は、信号伝搬用ビア11Sv、接地(グランド)用ビア11Gv、電源用ビア11Vvが順次繰り返して形成され、インターポーザ2の表面に信号パッド11Sp、グランドパッド11Gp、電源パッド11Vpが形成されてなるものであり、これらにより高誘電率材14を介して信号伝搬用ビア11Svが並ぶS列、グランド用ビア11Gvが並ぶG列、電源用ビア11Vvが並ぶV列が形成される(図2(a)、図2(d)参照)。
【0025】
キャパシタ12は、グランド電極12Ge及び電源電極12Veが交互に高誘電率材14からなる誘電体膜を介して積層され、グランド電極12Geの引き出し電極12Gp、電源電極12Veの引き出し電極12Vpが設けられ、G列においてはグランド電極12Geと引き出し電極12Gpが(図2(c)参照)、V列においては電源電極12Veと引き出し電極12Vpが(図2(b)参照)、それぞれ接続されて構成されている。
【0026】
更に、G列においてはグランド用ビア11Gvとグランド電極12Geとを接続する上部電極15が(図2(f)参照)、電源用ビア11Vvと電源電極12Veとを接続する上部電極16が(図2(g)参照)それぞれ形成され、これにより、各キャパシタ12が接続されることになる。
【0027】
そして、信号パッド11Sp、グランドパッド11Gp、電源パッド11Vpのみが露出するように、これらパッド上を除くインターポーザ2の表面に絶縁層17が形成されている。
【0028】
ここで、本実施形態の他のいくつかの例について説明する。
【0029】
第1例を図3に示す。ここで、図3(a)は図1(e)に、図3(b)は図1(f)、図3(c)は図1(g)にそれぞれ相当する。
ここでは、グランド電極12Ge及び電源電極12Veの上下に引き出し電極12Gp及び引き出し電極12Vpが設けられ、これに伴ってG列においてはグランド用ビア11Gvとグランド電極12Geとを接続する上部電極15及び下部電極31が、電源用ビア11Vvと電源電極12Veとを接続する上部電極16及び下部電極32がそれぞれ形成されている。
【0030】
第2例を図4に示す。この図4は、図1(a)に相当する。
ここでは、G列及びV列において、上部電極15,16が分離しており、これに伴って各キャパシタ12の接続が分離される。
【0031】
第3例を図5に示す。ここで、図5(a)は図1(a)に、図5(b)は図1(g)にそれぞれ相当する。
ここでは、グランド用ビア11Gv及び電源用ビア11Vvを隣接する低誘電率材13間で千鳥状に配置し、それに伴い、引き出し電極12Gp同士及び引き出し電極12Vp同士がそれぞれ接続されるように上部電極15,16及び絶縁層17が形成されている。
【0032】
これら第1〜第3の各例は、LSI3の半導体素子の種類やレイアウト、インターポーザ2の設置部位等の様々なバリエーションに応じて適用して好適である。更には、これらの例のみならず、例えばインターポーザ2の表面や裏面に、キャパシタ12の電極とパッドとを結ぶ表面電極以外の配線層を設けても良い。ここで、信号線を通す場合は、キャパシタ12の高誘電率材14の影響を低減するため、グランド層、絶縁層を設けると良い。
【0033】
本実施形態の半導体装置においては、スルービア11のピッチ間という領域を有効利用し、インターポーザ2が小さく、当該領域が狭くとも、スルービア11に沿って高さ方向にキャパシタ12の形成領域を広く確保し、電極を多層に積層することで大容量を得ることができる。更にはLSI3の近傍にキャパシタ12が位置することからインダクタンスが低く押さえられるため、高周波駆動のLSIを適用してもインピーダンスの増加を招くことなく電源ノイズの発生を抑止し、信頼性の高い半導体装置が実現する。
【0034】
更に、スルービア11を低誘電率材13に、キャパシタ12を高誘電率材14に形成するため、スルービア11の信号伝搬に対するキャパシタ12の影響が緩和されるとともに、更に大きなキャパシタ容量を得ることができる。
【0035】
ここで、キャパシタ12を備えたインターポーザ2の製造方法について図6を用いて説明する。
先ず、低誘電率フィルム21及び高誘電率フィルム22を用意する。低誘電率フィルム21は、低誘電率材13からなるものであり、低誘電率のセラミックス粉末をフィラーとして分散させた樹脂として構成してもよい。他方、高誘電率フィルム22は、高誘電率のセラミックス粉末をフィラーとして分散させた樹脂フィルムであり、押し出し成形、ロール成形などにより形成する。
【0036】
続いて、低誘電率フィルム21の表面の一部又は全面に、蒸着法又はスパッタ法等により、後にスルービア11となる配線パターン23を形成する。他方、高誘電率フィルム22の表面の一部又は全面に、同様に蒸着法又はスパッタ法等により、後にグランド電極12Geとなる電極パターン24又は電源電極12Veとなる電極パターン25を形成する。
【0037】
続いて、図6(a)に示すように、1組の低誘電率フィルム21間に複数枚の高誘電率フィルム22を積層して挟み込み、これを1単位として複数単位を重ね合わせる。ここで、前記1単位において、図示の例では、後にV列を構成する電極パターン24の形成された高誘電率フィルム22と、同様にG列を構成する電極パターン24の形成された高誘電率フィルム22とを交互に重畳して多層構造とする。
【0038】
続いて、図6(b)に示すように、積層された低誘電率フィルム21及び高誘電率フィルム22をプレスして圧着して積層体26を作製する。
【0039】
続いて、図6(c)に示すように、積層体26に切断(ダイシング)によるスライス加工を施し、個別切断体27を切り出す。そして、図6(d)に示すように、各々の個別切断体27の表面に信号パッド11Sp、グランドパッド11Gp、電源パッド11Vpを形成するとともに、絶縁層17及び上部電極15,16をそれぞれ形成し、インターポーザ2を完成させる。
【0040】
なお、低誘電率フィルム21は、ポリイミド、エポキシ、フェノール樹脂など、通常の回路基板に使用される樹脂で良く、更にシリカフィラーなどのセラミックフィラーを混ぜることにより、誘電率や熱膨張係数、耐熱性、機械強度などを調整しても良い。
【0041】
他方、高誘電率フィルム22のフィラー材としては、PMN−PT(PbMgNbO3−PbTiO3)等のPb系セラミックス、BTZ(BaTiZrO3)、BST(BaSrTiO3)、STO(SrTiO3)、BT0(BaTiO3)、Ta2O5等の酸化物セラミックスが適している。樹脂材は、低誘電率フィルムと同じ材料でも良く、より高い誘電率の樹脂でも良い。
【0042】
キャパシタ12の電極パターン24の材料としては、Cu,Cr,Ni等が良く、メッキや蒸着、スパッタ、イオンプレーティングなどで成膜後、パターニングするのが一般的である。
【0043】
この製造方法においては、1つの積層体26から複数の個別切断体26を切り出すため、一枚の積層体26から多数個のインターポーザ11を採ることが可能であり、生産性・量産性が極めて高く、安価に高精度且つ高性能のインターポーザ2を作製することができる。更にこの方法では、通常のビア穴開け工程がなく、低誘電体フィルム21へのパターン形成だけでスルービア11を形成するため、単純形状でないスルービアでも容易且つ正確に形成することができ、必要があれば、直線形状のみならず曲線や折れ線等の所望形状とすることも可能である。
【0044】
ところで、キャパシタ12において大きい容量を得るためには、高誘電率フィルム22の十分高い誘電率を確保することが重要である。複合材料たる高誘電率材の誘電率は、以下の(1)式及び図7のように表される。
logE=vlogEc+(1−v)logEp …(1)
E :フィルムの誘電率
V :高誘電率セラミックスフィラーの体積分率
Ec:高誘電率セラミックスフィラーの誘電率
Ep:樹脂の誘電率
【0045】
このように、高誘電率のセラミックスフィラーの体積分率の増大に伴い、誘電率は指数関数的に増加する傾向にある。従って高い誘電率を得るためには、高誘電率のセラミックスフィラーの体積分率を高くする必要があり、十分な誘電率を確保するには、当該体積分率を50%以上、好ましくは60%以上とすることが好ましい。
【0046】
また、セラミックスフィラーは粒径が小さいほど成形性に優れる一方で、内部歪み等の影響が増加して誘電率が低下してしまう。従って、成形性及び誘電率の双方を確保する観点から、平均粒径は0.1μm以上、10μm以下とすることが好ましい。
【0047】
【実施例】
以下、上述の本実施形態を更に詳細に説明するための諸実施例を例示する。
【0048】
(実施例1)
図6に示す各工程に従い、インターポーザ2を作製した。
平均粒径1μm程度のシリカ粉末とエポキシ樹脂からなる厚み10μm程度のフィルムをフィルム成形機にて成形し、低誘電率フィルム21とした。他方、平均粒径0.5μm程度のBTZ(BaTiZrO3)系粉末とエポキシ系樹脂からなる厚み5μm程度のフィルムをフィルム成形機にて成形し、高誘電率フィルム22とした。BTZの体積分率は65%である。シリカの体積分率は55%である。
【0049】
それぞれのフィルムにCuをイオンプレーティングにより0.5μm程度の厚みに成膜し、所望のパターンにエッチングした。これらのフィルムを所定の積層順で位置合わせ積層し、熱問ブレスにより一体化した後、ダイシングソーにより切断、個別化した後、Cr/Ni/Auの表面電極をイオンプレーティング成膜し、ポリイミドの保護膜を形成して、インターポーザ2とした。
【0050】
なお、作製したインターポーザ2は、外形が10×10×1mm、スルーホール11のピッチが200μm程度であり、容量は4.6μF、等価インダクタンスは20pH以下であった。
【0051】
そして、図1に示すような実装形態で、CMOS−LSIを1GHzで駆動させた場合の電源ノイズを、図8に示す比較形態の半導体装置と比較した。この比較形態の半導体装置は、半導体基板101上にスルーホール111の形成された従来のインターポーザ102を介してLSI103を設け、インターポーザ102に対してキャパシタ112を外付けしてなるものである。当該比較の結果、本実施例の半導体装置では比較形態に比して実装面積及びスイッチングノイズを共に1/2以下とすることができた。
【0052】
(実施例2)
高誘電率材にBST(BaSrTiO3)系セラミックス、電極材にNiメッキを用い、実施例1と同様にインターポーザ2を作製した。作製したインターポーザ2は、外形が20×20×1mm、スルーホール11のピッチが200μm程度、キャパシタ層厚が10μm程度であり、1つのインターポーザ2内にキャパシタ12が16個ある構成となっている。容量は各0.5μmで合計8μFであった。また、等価インダクタンスは20PH以下であった。
【0053】
そして、図2に示すような実装形態で、CMOS−LSIを1GHzで駆動させた場合の電源ノイズを、実施例1と同様に図8に示す半導体装置と比較したところ、実装面積及びスイッチングノイズを共に約1/2以下とすることができた。
【0054】
以下、本発明の諸態様を付記としてまとめて記載する。
【0055】
(付記1) 表面から裏面へ貫通する複数のスルービアを有する回路基板であって、
前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の電極が積層されてなるキャパシタを備えることを特徴とする回路基板。
【0056】
(付記2) 前記キャパシタの誘電体は、高誘電率セラミックフィラーを樹脂に分散してなる材料からなることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
【0057】
(付記3) 前記キャパシタの誘電体は、前記高誘電率セラミックフィラーを50体積%以上含むことを特徴とする付記2に記載の回路基板。
【0058】
(付記4) 前記高誘電率セラミックフィラーは、Pb系セラミックス又は酸化物セラミックスであることを特徴とする付記2に記載の回路基板。
【0059】
(付記5) 前記高誘電率セラミックフィラーの平均粒径が0.1μm〜10μmであることを特徴とする付記2に記載の回路基板。
【0060】
(付記6) 前記キャパシタの前記電極は、前記表面、前記裏面又はこれら両面において前記スルービアの一部と接続されていることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
【0061】
(付記7) 半導体素子と半導体基板との間に挿入されるインターポーザとして用いられることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
【0062】
(付記8) 前記キャパシタの前記電極は、Cu,Ni,Crから選ばれた少なくとも1種を主成分とする材料からなることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
【0063】
(付記9) 前記スルービアは、低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた樹脂に形成されていることを特徴とする付記1に記載の回路基板。
【0064】
(付記10) 第1の誘電体フィルムの表面に少なくともスルービアとなる配線パターンを形成する工程と、
第2の誘電体フィルムの表面に少なくともキャパシタの電極となる電極パターンを形成する工程と、
前記第1の誘電体フィルムと、少なくとも2層以上の前記第2の誘電体フィルムとを交互に積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体をスライス加工して、個々の回路基板を切り出す工程とを備え、
前記回路基板は、前記第1の誘電体フィルムに形成され表面から裏面へ貫通する複数の前記スルービアを有し、前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の前記電極がそれぞれ前記第2の誘電体フィルムを介して積層されてなるキャパシタを備えるように作製されることを特徴とする回路基板の製造方法。
【0065】
(付記11) 前記第1の誘電体フィルムは、低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた低誘電率樹脂フィルムであり、前記第2の誘電体フィルムは、高誘電率セラミックフィラーを分散させた高誘電率樹脂フィルムであることを特徴とする付記10に記載の回路基板の製造方法。
【0066】
(付記12) 前記第2の誘電体フィルムは、前記高誘電率セラミックフィラーを50体積%以上含むことを特徴とする付記11に記載の回路基板の製造方法。
【0067】
(付記13) 前記高誘電率セラミックフィラーは、Pb系セラミックス又は酸化物セラミックスであることを特徴とする付記11に記載の回路基板の製造方法。
【0068】
(付記14) 前記高誘電率セラミックフィラーの平均粒径が0.1μm〜10μmであることを特徴とする付記11に記載の回路基板の製造方法。
【0069】
(付記15) 半導体基板上にインターポーザを介して半導体素子が設けられてなる半導体装置であって、
前記インターポーザは、表面から裏面へ貫通する複数のスルービアを有しており、前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の電極が積層されてなるキャパシタを備えることを特徴とする半導体装置。
【0070】
(付記16) 前記キャパシタの誘電体は、高誘電率セラミックフィラーを樹脂に分散してなる材料からなることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【0071】
(付記17) 前記キャパシタの誘電体は、前記高誘電率セラミックフィラーを50体積%以上含むことを特徴とする付記16に記載の半導体装置。
【0072】
(付記18) 前記高誘電率セラミックフィラーは、Pb系セラミックス又は酸化物セラミックスであることを特徴とする付記16に記載の半導体装置。
【0073】
(付記19) 前記高誘電率セラミックフィラーの平均粒径が0.1μm〜10μmであることを特徴とする付記16に記載の半導体装置。
【0074】
(付記20) 前記キャパシタの前記電極は、前記表面、前記裏面又はこれら両面において前記スルービアの一部と接続されていることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【0075】
(付記21) 前記キャパシタの前記電極は、Cu,Ni,Crから選ばれた少なくとも1種を主成分とする材料からなることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【0076】
(付記22) 前記スルービアは、低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた樹脂に形成されていることを特徴とする付記15に記載の半導体装置。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、比較的簡易な構成により、駆動周波数の高い、例えば数百MHz以上の高性能LSIにおける電源ノイズを十分に除去するのに有効であり、しかも低コスト、高信頼性の回路基板及び半導体装置、更には極めて容易且つ正確に前記回路基板を作製する提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の半導体装置の主要構成を示す概略断面図である。
【図2】本実施形態の半導体装置の構成要素であるインターポーザの詳細な構造を示す模式図である。
【図3】本実施形態の半導体装置の他の例(第1例)を示す模式図である。
【図4】本実施形態の半導体装置の他の例(第2例)を示す模式図である。
【図5】本実施形態の半導体装置の他の例(第3例)を示す模式図である。
【図6】本実施形態の半導体装置の構成要素であるインターポーザの製造方法を示す概略斜視図である。
【図7】高誘電率フィルムにおける高誘電率のセラミックスフィラーの含有率と高誘電率フィルムの誘電率との関係を示す特性図である。
【図8】本実施形態の比較形態である半導体装置の主要構成を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 インターポーザ
3 半導体チップ(LSI)
11 スルービア
11Sv 信号伝搬用ビア
11Gv 接地(グランド)用ビア
11Vv 電源用ビア
11Sp 信号パッド
11Gp グランドパッド
11Vp 電源パッド
12 キャパシタ
12Ge グランド電極
12Ve 電源電極
12Vp,12Gp,12Vp 引き出し電極
13 低誘電率材
14 高誘電率材
15,16 上部電極
17 絶縁層
18 ハンダ
19 ピン
21 低誘電率フィルム
22 高誘電率フィルム
23 配線パターン
24 グランド電極12Geとなる電極パターン
25 電源電極12Veとなる電極パターン
26 積層体
27 個別切断体
31,32 下部電極
Claims (5)
- 樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの表面から裏面へ貫通する複数のスルービアと、
前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の電極が積層されてなるキャパシタと
を備えることを特徴とする回路基板。 - 半導体素子と半導体基板との間に挿入されるインターポーザとして用いられることを特徴とする請求項1に記載の回路基板。
- 第1の誘電体フィルムの表面に少なくともスルービアとなる配線パターンを形成する工程と、
第2の誘電体フィルムの表面に少なくともキャパシタの電極となる電極パターンを形成する工程と、
前記第1の誘電体フィルムと、少なくとも2層以上の前記第2の誘電体フィルムとを交互に積層して積層体を形成する工程と、
前記積層体をスライス加工して、個々の回路基板を切り出す工程と
を備え、
前記回路基板は、前記第1の誘電体フィルムに形成され表面から裏面へ貫通する複数の前記スルービアを有し、前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の前記電極がそれぞれ前記第2の誘電体フィルムを介して積層されてなるキャパシタを備えるように作製されることを特徴とする回路基板の製造方法。 - 前記第1の誘電体フィルムは、低誘電率のセラミックスフィラーを分散させた低誘電率樹脂フィルムであり、前記第2の誘電体フィルムは、高誘電率セラミックフィラーを分散させた高誘電率樹脂フィルムであることを特徴とする請求項3に記載の回路基板の製造方法。
- 半導体基板と、
前記半導体基板の上方に設けられた半導体素子と、
前記半導体基板と前記半導体素子とを電気的に接続する回路基板と
を備え、
前記回路基板は、
樹脂フィルムと、
前記樹脂フィルムの表面から裏面へ貫通する複数のスルービアと、
前記スルービアのピッチ間に、前記スルービアと略並行して少なくとも2層以上の電極が積層されてなるキャパシタと
を備えることを特徴とする半導体装置。
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