JP4542664B2 - プロピレン系重合体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロピレン系重合体の製造方法に関する。さらに詳しくは、特定の担持型メタロセン錯体触媒を用いることによって、広い分子量分布を有し、かつ高い曲げ弾性率を示すプロピレン系重合体を得ることのできるプロピレン系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
広い分子量分布を有するプロピレン系重合体の製造方法はいくつか知られている。例えば特開平4−226109号公報には、チーグラー/ナッタ触媒組成物を用いて、二段重合によって分子量分布を表す指標である重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが6〜30程度の分子量分布を有するプロピレン系重合体を製造する方法が示されている。
【0003】
また特開平8−3223号公報にも、同様の手法によってMw/Mn=30〜70程度の分子量割合を有する超高分子量のポリプロピレンを製造する方法が開示されている。
【0004】
一方、特開平5−140227号公報には、特定の少なくとも2種類のジルコノセン型遷移金属化合物とアルミ化合物との混合物からなる触媒を用いて、Mw/Mnが3以上の分子量割合を有するプロピレン系重合体の製法が開示されている。
【0005】
このように、広い分子量分布を有するプロピレン系重合体を製造するためには、従来、複数の反応段階を経るか、複数の触媒種を用いることにより達成されていた。
【0006】
しかしながらこれらの方法は生産性が低く工業的に不利である。メタロセン触媒は、一般に「シングルサイト触媒」の例として示されるように、単一の錯体を用いる限り単一の活性種を与えるのがその特徴である。従って単一のメタロセン型触媒を用い、単一の反応工程によって広い分子量分布を有するプロピレン系重合体を得るのは一般に困難であった。また一般に、広い分子量分布を有する材料は、個別に製造された2種以上の重合体を混合することにより製造することもできるが、工程数が増えるため、工業的に不利になる。
【0007】
このため、複数段の反応によることなく、また単一の触媒で広い分子量分布を有するプロピレン系重合体を得ることのできるプロピレン系重合体の製造方法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、複数段の反応によることなく、また単一の触媒であっても広い分子量分布を有するプロピレン系重合体を得ることのできるプロピレン系重合体の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等が上記目的を達成するため鋭意努力を重ねた結果、特定のメタロセン錯体を特定の担体に担持した担持型触媒を用い、特定の連鎖移動剤の存在下でプロピレンを反応させることで、複数の錯体を用いることなく、かつ一段の反応により広い分子量分布をもつプロピレン系重合体が得られることを見いだし本発明を達成した。この方法によって得られるプロピレン系重合体は、充填剤や造核剤を用いずに単独でも極めて高い曲げ弾性率を示すため、本発明で示される重合方法は、工業的にも有用なプロピレンの重合技術である。
【0010】
具体的には、本発明は、下記成分(A)、(B)および必要に応じて使用される成分(C)からなるプロピレン重合用触媒を用いて、成分(A)に対してモル比で1,000〜100,000倍の量の分子状水素(D)の存在下でプロピレンを重合することを特徴とする、プロピレン系重合体の製造方法を提供するものである。
【0011】
成分(A):一般式(Ia)で表されるメタロセン錯体、
【0012】
【化2】
【0013】
(一般式(Ia)中、R1、R2、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基:R3、R6は、ペンタメチレン基:R7、R8は、それぞれ独立してアリール基またはハロゲン化芳香族置換基:mおよびnは、それぞれ1〜5の整数:Qは、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基:X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基、ジエチルフェニルシリルメチル基、ジメチルトリルシリルメチル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基、フェニルメトキシ基、ナフチルメトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基またはインドリル基:Mは、周期律表第4族の遷移金属、を示す。)
成分(B):粘土または粘土鉱物、
成分(C):有機アルミニウム化合物
【0014】
【発明の実施の形態】
まず、本発明を実施するに好ましいプロピレン重合用触媒について説明する。
本発明で用いられるプロピレン重合用触媒は、後述の成分(A)、(B)および必要に応じて使用する成分(C)からなることを特徴とする。
<成分(A)>
本発明に適する遷移金属化合物成分(A)は、以下の一般式(Ia)で示される。
【0015】
【化3】
【0016】
(一般式(Ia)中、R1、R2、R4、R5は、それぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6の炭化水素基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル基または炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基:R3、R6は、ペンタメチレン基:R7、R8は、それぞれ独立してアリール基またはハロゲン化芳香族置換基:mおよびnは、それぞれ1〜5の整数:Qは、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基:X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基、ジエチルフェニルシリルメチル基、ジメチルトリルシリルメチル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基、フェニルメトキシ基、ナフチルメトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基またはインドリル基:Mは、周期律表第4族の遷移金属、を示す。)
【0017】
炭素数1〜6の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等のアルキル基、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等の脂環式炭化水素基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基の他、フェニル基などが挙げられる。
【0018】
炭素数1〜7のケイ素含有炭化水素基の具体例としては、トリメチルシリル、トリエチルシリル、t−ブチルジメチルシリル等のトリアルキルシリル基、ビス(トリメチルシリル)メチル等のアルキルシリルアルキル基などが挙げられる。
【0019】
炭素数1〜6のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0020】
ハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が上記炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。その具体例としては、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、2−、3−、4−フルオロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニル、2−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニルなどが挙げられる。
【0021】
これらの中では、R1及びR4としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等の炭素数1〜6の炭化水素基が好ましく、R2およびR5としては水素原子が好ましい。
【0022】
なお、本発明においては、例示置換基として挙げられるものを、一部省略した形式で表記する。例えば先述の「2−、3−、4−フルオロフェニル」は、「2−フルオロフェニル」、「3−フルオロフェニル」、「4−フルオロフェニル」の3つの化合物を挙げたことを意味する。
【0025】
一般式(Ia)中、R7、R8は、それぞれ独立して炭素数20までのアリール基またはハロゲン化芳香族置換基を示す。
【0026】
上記のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等が挙げられる。
【0027】
上記のハロゲン化芳香族置換基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化芳香族置換基は、ハロゲン原子が芳香族置換基の任意の位置に置換した化合物である。その具体例としては、2−、3−、4−フルオロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニル、2−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、2,3,4トリフルオロメチルフェニル、2,3,4トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。これらの中で、特に2,3,4−トリクロロフェニル、2,3,4−ブロモフェニル、4−クロロナフチルなどが好ましい。
【0028】
一般式(1a)中、m、nはそれぞれ置換基R7、R8の数を表す。通常m、nはそれぞれ1〜20の整数、好ましくはそれぞれ1〜5の整数、より好ましくは1あるいは2であり、特に好ましくはm=n=1である。
【0029】
一般式(Ia)中、Qは、二つの五員環を結合する、炭素数1〜20の炭化水素基を有していてもよいシリレン基を示す。上述のシリレン基上に2個の炭化水素基が存在する場合は、それらが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0030】
上記のQの具体例としては、シリレン基;メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n−プロピル)シリレン、ジ(i−プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン等のアルキルシリレン基、メチル(フェニル)シリレン、メチル(トリル)シリレン等の(アルキル)(アリール)シリレン基;ジフェニルシリレン等のアリールシリレン基;テトラメチルジシリレン等のアルキルオリゴシリレン基などを挙げることができる。これらの中では、炭素数1〜20の炭化水素基を有するシリレン基が好ましく、アルキルシリレン基、(アルキル)(アリール)シリレン基またはアリールシリレン基が特に好ましい。
【0031】
一般式(Ia)中、X及びYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、トリメチルシリルメチル基、トリエチルシリルメチル基、ジメチルフェニルシリルメチル基、ジエチルフェニルシリルメチル基、ジメチルトリルシリルメチル基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロプロポキシ基、ブトキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基、フェニルメトキシ基、ナフチルメトキシ基、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基またはインドリル基を示す。
【0032】
上記のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0033】
炭素数1〜20の炭化水素基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニル等のアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル等のアリールアルキル基、trans−スチリル等のアリールアルケニル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、エチルフェニル、トリメチルフェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アセナフチル、フェナントリル、アントリル等のアリール基が挙げられる。
【0036】
炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。そして、上記のハロゲン化炭化水素基は、ハロゲン原子が上記炭化水素基の任意の位置に置換した化合物である。具体的には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、ヨードメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,1,1−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、ペンタクロロエチル、ペンタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリフルオロビニル、1,1−ジフルオロベンジル、1,1,2,2−テトラフルオロフェニルエチル、2−、3−、4−フルオロフェニル、2−、3−、4−クロロフェニル、2−、3−、4−ブロモフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジフルオロフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ジクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、ペンタフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル、4−フルオロナフチル、4−クロロナフチル、2,4−ジフルオロナフチル、ヘプタフルオロ−1−ナフチル、ヘプタクロロ−1−ナフチル、2,3,4トリフルオロメチルフェニル、2,3,4トリクロロメチルフェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、2,4−、3,5−、2,6−、2,5−ビス(トリクロロメチル)フェニル、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルナフチル、4−トリクロロメチルナフチル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)ナフチル基などが挙げられる。
【0037】
X及びYとしては、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基またはインドリル基が好ましく、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基またはインドリル基が更に好ましく、塩素原子、メチル基、i−ブチル基、フェニル基、ベンジル基、ジメチルアミノ基またはジエチルアミノ基が特に好ましい。
【0038】
一般式(Ia)中、Mは、周期表第4族の遷移金属、すなわちチタン、ジルコニウム、ハフニウムを示し、好ましくはジルコニウム又はハフニウムである。
【0039】
<成分(B)の説明>
成分(B)としては、粘土または粘土鉱物が使用される。
【0040】
成分(B)粘土または粘土鉱物:粘土は通常、粘土鉱物を主成分として構成される。イオン交換性層状化合物とは、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である層状化合物をいう。大部分の粘土は、イオン交換性層状化合物である。天然に産出される粘土は、粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状化合物以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。
【0041】
また、本発明で使用する粘土または粘土鉱物は、天然産のものに限らず、人工合成物であってもよい。上記化合物の具体例としては、例えば、白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている次のような層状珪酸塩が挙げられる。これらの化合物は、通常5μm〜5mm、好ましくは10μm〜2mmの粒径を有する微粒子状の粘土及び粘土鉱物である。
【0042】
粘土及び粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アーノキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ソーコナイト、バイデライト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト族、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、等があげられる。これらは混合物を形成していてもよい。人工の粘土及び粘土鉱物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等があげられる。これらの中で、モンモリロナイトが最も好ましく用いられる。
【0043】
上記粘土及び粘土鉱物は、必要により、塩類処理または酸処理といった公知の化学処理により、酸強度、表面積、層間距離などの物理的、化学的性質を調節することが出来る。ここで使われる塩類の具体例としては、1〜14族原子から選ばれた少なくとも1種を含む陽イオンと、ハロゲン、有機酸または無機酸の少なくとも一種から誘導される陰イオンとからなる化合物である。これらの塩は、2種以上を同時に用いてもよい。
【0044】
酸処理で用いられる酸類としては、好ましくは塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸から選択され、これらは2種以上を同時に使用してもよい。塩類処理と酸処理を組み合わせてもよく、塩類処理を行った後に酸処理を行う方法、酸処理を行った後に塩処理を行う方法、酸と塩類を共存させて同時に処理を行う方法などがある。
【0045】
上記処理の際の処理条件は特に限定されないが、通常、塩類及び酸の濃度は0.1重量%〜30重量%、処理温度は室温〜使用溶媒の沸点、処理時間は5分から24時間の条件を採用し、担体の少なくとも一部を溶出させる条件で行うことが好ましい。
【0046】
上記の塩類/酸類による処理の前後で、粉砕や造粒等の形状制御を行ってもよい。また、アルカリ処理、有機化合物処理、有機金属処理等の他の処理を併用してもよい。
【0047】
上記粘土化合物を本発明に用いる際には、吸着水や結晶の層間に存在する層間水を除去してから用いるのが好ましい。脱水方法には特に制限はないが、気流下あるいは減圧状態での加熱脱水、有機溶媒中での共沸脱水などが使用される。好ましくは、有機溶媒を使用しない、気流下あるいは減圧状態での加熱脱水が好ましい。この際の加熱温度は、吸着水や層間水が脱離する温度であり、通常100℃以上、好ましくは150℃以上である。但し、無機担体が破壊されるような高温は好ましくない。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。
【0057】
<成分(C)の説明>
成分(C)有機アルミニウム化合物の具体例としては、一般式(VI)で表されるものが挙げられる。
【0058】
AlRaJ3-a (VI)
一般式(VI)において、Rは炭素数1〜20の炭化水素基、Jは水素、ハロゲン、アルコキシ基またはシロキサン基を示し、aは0より大きく3以下の数である。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム類を挙げることができる。
【0059】
また、ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムモノメトキサイド等のハロゲンまたはアルコキシ置換のアルキルアルミニウム類を挙げることもできる。これらのうち、トリアルキルアルミニウム類が最も好ましい。
【0061】
本発明で使用される触媒を製造する工程において、成分(A)(B)(C)の混合の順序は特に限定されない。例えば、(A)と(B)を混合した後に(C)を添加する方法、(B)と(C)を混合した後に(A)を添加する方法、(A)と(C)を混合した後に(B)を添加する方法、(A)(B)(C)を同時に混合する方法などが挙げられる。また、この混合を重合前にあらかじめ行なって担持触媒を製造した後、これを用いて重合反応を行ってもよいし、混合を重合反応器中で行い、触媒を単離せずに重合反応を行ってもよい。
【0062】
担持触媒を製造した後、これを用いて重合反応を行う際に、その触媒の安定性に問題がある場合には、あらかじめ少量のオレフィンと反応させて安定化を図ることができる。
【0063】
プロピレン系重合体の製造においては、プロピレン単独重合の他に、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合を行うこともできる。コモノマーとして使用されるモノマーは、プロピレン以外の炭素数2〜20のα−オレフィンである。
この中でもエチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましい。モノマー/コモノマーの組合せとしては、プロピレン/エチレン、プロピレン/1−ブテン、プロピレン/1−ヘキセン、プロピレン/1−オクテン、などが挙げられる。あるいは、上記のオレフィンを3種類以上組み合わせてもよい。これらの組合せの中では、プロピレン/エチレンが最も好ましい。
【0064】
本発明のプロピレン系重合体製造反応の実施形態は、溶媒を利用する溶液重合、実質的に溶媒を使用せずにオレフィン原料自体を液相として行う液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合のいずれでも行うことができる。また反応の方法としては、回分式、連続式のいずれの方法も採用することができる。
【0065】
<成分(D)の説明>
成分(D)で示される連鎖移動剤とは、添加により重合反応の連鎖移動を促進し、生成する重合体の分子量を調節する化合物である。
【0066】
具体的な化合物としては分子状水素、AlR3、RMgCl、RMgBr、RLi(ここでRは炭素数1〜4の飽和炭化水素基を表す)等があげられる。
この中では特に分子状水素が好ましい。
【0067】
成分(D)の使用量は目的とする重合体の分子量、使用する連鎖移動剤の種類や添加の形態により異なるが、用いる成分(D)の全量は、通常用いる錯体量に対しモル比で1,000〜100,000倍、好ましくは2,000〜80,000倍の範囲である。
【0068】
成分(D)の使用量が少ないと、十分なMw/Mnの値が得られないため高い曲げ弾性率が達成されず、また成分(D)の使用量が多すぎると低分子量成分が増えてくるため好ましくない。
【0069】
成分(D)の反応系への添加方法は、反応開始前に一括で添加してもよいし、反応中に逐次的あるいは連続的に添加してもよい。十分に広い分子量分布が得られるのであれば、成分(D)の濃度が反応器中常に同一濃度を保つように制御しながら反応を行ってもよいし、徐々に変化するように制御してもよい。
【0070】
本重合反応は、1段の反応を終了させたあと、そのまま生成物を取り出して材料として用いてもよいし、さらに残存している触媒を用いて、あるいは新たに触媒を添加した後に別の反応条件で2段目以降の反応を継続してもよい。2段目以降の反応としては、1段目と同様のプロピレン単独重合、1段目とは異なるモノマーの単独重合、複数のモノマーを用いる共重合があげられる。特に2段目以降で共重合を行ってゴム性の重合体を付与した重合体はブロック共重合体と呼ばれ、単独のポリマーでは十分でない対衝撃性を有する材料として工業的に極めて有用であるため特に好ましい。2段目以降に共重合を行う場合に用いられる、ゴム性成分を生成するモノマーの組み合わせとしては、エチレン/プロピレン、エチレン/1−ブテン、エチレン/1−ヘキセン、エチレン/1−オクテンなどがあげられる。
【0071】
2段目以降の重合反応の形態は1段目と同様に、溶媒を利用する溶液重合、実質的に溶媒を使用せずにオレフィン原料自体を液相として行う液相無溶媒重合、気相重合、溶融重合のいずれでも行うことが出来る。また反応の方法としては、回分式、連続式のいずれの方法も採用することができる。
【0072】
以下に実施例をあげて、本発明を詳細に説明する。
【0073】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例をあげて詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、物性データの分析、測定は、それぞれ以下の手法により行った。
【0074】
(1)MFR(MELT FLOW INDEX)の測定
得られたポリマー6gに熱安定剤(BHT)のアセトン溶液(0.6重量%)6gを添加した。次いで上記ポリマーを乾燥した後、メルトインデクサー(230℃)に充填し、2.16Kg加重の条件下に5分間放置した。その後、ポリマーの押し出し量を測定して10分あたりの量に換算し、MFRの値とした。
【0075】
(2)分子量および分子量分布の測定
GPC測定により決定した。Waters社製「150CV型」を使用し、オルトジクロロベンゼンを溶媒とし、東ソーTSKgelGMH−HT(30cm×4)を用いて135℃にて測定した。得られた重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比により、分子量分布を算出した。
【0076】
(3)ブロック共重合体中のエチレンープロピレン共重合ゴムの分子量及び分子量分布の測定
CFC測定により決定した。ダイアインスツルメント社製CFC T150Bを使用し、オルトジクロロベンゼンを溶媒として東ソーTSKgelGMH−HT(30cm×4)を用い、5℃〜135℃で測定した。うち5℃で溶出した成分のMw×Mnを求め、これより分子量分布を算出した。
【0077】
(4)融点の測定(Tm2)
DSCにより、10℃/minで20〜200℃の昇降温を1回行った後の2回目の昇温時の測定により求めた。DSC装置はデュポン社製「TA2000型」である。
【0078】
(5)アイソタクティックペンタッド率(mmmm%)及び異種結合量の測定ポリマーの13C−NMR測定により求めた。ポリマー試料約100mgを2mLのオルトジクロロベンゼンと0.2mLのベンゼン−D6の混合溶媒に溶解し、Varian社製500MHz−NMR装置Inova500を用い、共鳴周波数125.7MHzで13CNMRを測定した。得られたスペクトルを、Macromolecules 20(1987),616−620、及びMacromolecules 21(1988),617−622記載の方法に基づき各ピークの帰属を行い、全ペンタッド中のmmmmの比率、及び1000炭素原子中の2,1−異種結合及び1,3−異種結合の比率として表示した。
【0079】
(6)曲げ弾性率(FM)
型締力28トンの(株)日本製鋼所製射出成型機J28SAを用い、230℃の加熱シリンダにて127mm×12.7mm×6.4mmの試験片を作製し、ASTM:D790に準じ、23℃における曲げ弾性率を測定した。5回測定し、平均の値を表示した。
【0080】
(7)Izod衝撃強度
型締力28トンの(株)日本製鋼所製射出成型機J28SAを用い、230℃の加熱シリンダを用いてノッチ入りの試験片をを作製し、ASTM:D256に準じ、23℃及び−30℃における衝撃強度を測定した。それぞれ5回測定し、平均の値を表示した。
【0081】
実施例1
担持触媒の調製
(1)担体の調製
硫酸51.25g及び水酸化リチウム12.45gを脱塩水に溶かして合計260.2gにした溶液を調製した。この溶液に、水沢化学社製モンモリロナイト系粘土(商品名ベンクレイSL)51.65gを加え、この溶液を沸点まで加温した後280分加熱還流した。その後回収したモンモリロナイトを脱塩水で十分洗浄し、予備乾燥した後200℃で2時間乾燥して、化学処理した粘土鉱物を得た。この化学処理したモンモリロナイト1.14gに濃度0.45mol/Lのトリエチルアルミニウムのトルエン溶液5.1mLを加え、室温で1時間攪拌した。その後トルエンで洗浄して601g/Lのモンモリロナイト−トルエンスラリーを得た。
【0082】
(2)予備重合触媒の調製
特願平11−221484号公報記載の方法により製造した、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル]}ハフニウムのトルエン溶液2.05mmol/Lの99.6mLに、0.87mol/Lのトリイソブチルアルミニウム−トルエン溶液2.3mLを加え、40℃で10分攪拌した。この溶液17.1mL(錯体量34.2mmol/L)に、(1)で得たモンモリロナイト−トルエンスラリー1.9mLを加え、さらに室温で40分攪拌した。このようにして得た担持触媒スラリー19.0mLを、十分に乾燥し、窒素置換された2Lの誘導攪拌式オートクレーブに導入し、さらにトルエン81.0mLを加えた。その後オートクレーブにプロピレン10mLを導入し、30℃で2時間攪拌後、さらに50℃で2時間攪拌した。生成スラリーを静置後、上澄み液を抜き出し、さらにトルエンを導入して、モンモリロナイト濃度が11.50g/Lになるように調整された予備重合触媒スラリーを得た。
【0083】
(3)ポリプロピレンの製造
十分に乾燥し、窒素置換された2Lの誘導攪拌式オートクレーブに、(2)で得た触媒スラリー4.4mLを導入した。一方、破裂板付き触媒フィーダーに0.50mol/Lのトリイソブチルアルミニウム−トルエン溶液1.0mLを導入した。常温常圧換算で850mLのH2ガスをオートクレーブに導入した後、プロピレン100mLを導入し、室温で5分攪拌した。その後破裂板をカットした後にプロピレン1400mLを導入し、70℃に昇温して30分攪拌を行い、ポリプロピレン331gを得た。このポリプロピレンは、MFR=7、Tm2=157.0℃、Mw=26万であり、Mw/Mn=18.5で分布は見かけ上2山であった。
【0084】
なお、本製造法で得られたポリプロピレンは以下の位置及び立体規則性、及び力学物性を示した。
mmmm%=99.58%/全ペンタッド
2,1−結合=0.50/1000C
1,3−結合=0.47/1000C
曲げ弾性率=1879N/mm2
Izod衝撃強度(23℃)=1.72mJ/mm2
Izod衝撃強度(−30℃)=1.76mJ/mm2
【0085】
実施例2
ポリプロピレンの製造時に導入するH2ガスの量を常圧換算で1050mLにする以外は、実施例1と同様に行ったところ、ポリプロピレン316gを得た。このポリプロピレンはMFR=23、Tm2=156.9℃、Mw=220000であり、Mw/Mn=19.9で分布は見かけ上2山であった。
【0086】
なお、本製造法で得られたポリプロピレンは以下の位置及び立体規則性、及び力学物性を示した。
mmmm%=99.52%/全ペンタッド
2,1−結合=0.49/1000C
1,3−結合=0.44/1000C
曲げ弾性率=1911N/mm2
Izod衝撃強度(23℃)=1.66mJ/mm2
Izod衝撃強度(−30℃)=1.77mJ/mm2
【0087】
比較例1
実施例1の(2)予備重合触媒の調製において、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル]}ハフニウムの代わりに、特願平11−221484号公報記載の方法により製造した、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロナフチル)−4H−アズレニル]}ハフニウムを用いて、実施例1と同様に予備重合触媒の調製を行った。ここで生成した触媒スラリーを8.8mL使用し、H2導入量を104mLとし、重合反応を75℃で60分攪拌しておこなった以外は、実施例1と同様にポリプロピレンの製造を行った。その結果ポリプロピレン303gを得た。このポリプロピレンはMFR=1.8、Tm2=156.1℃、Mw=380000であったが、Mw/Mn=4.9と、狭い分子量分布を有するものであった。
【0088】
比較例2
実施例1の(3)ポリプロピレンの製造において、H2を添加せず、反応時間を1時間とした以外は実施例1と同様に反応を行った。その結果、ポリプロピレン172gを得た。このプロピレンはMFR=0.1、Tm2=157.6℃、Mw=68万であったが、Mw/Mn=2.5と狭い分子量分布を有するものであった。
【0089】
実施例3
反応時間を35分とした以外は実施例1と同様にプロピレンの重合を行った。
その結果プロピレン系重合体379gを得た。生成したプロピレン系重合体のうち106gを窒素気流下で反応器より抜き出し、物性を測定したところ、以下の通りであった。
MFR=2.1
Mw=350000
Mw/Mn=25.1
mmmm%=99.77
2,1−異種結合=0.53/1000C
1,3−異種結合=0.45/1000C
残りのポリマーが入ったオートクレーブを70℃に加熱した後、、プロピレン/エチレン比率約4/6の混合ガス2MPaを圧入し、70℃で1時間攪拌した。この際内圧の減少分は、プロピレン/エチレン比率約4/6の混合ガスを導入することで補った。
【0090】
反応後に回収されたブロック共重合体は323gであった。従って、生成ポリマー中の、2段目の重合で生成した共重合体は50gと算出され、これよりブロック共重合体中のエチレン/プロピレン共重合体の含量は15.5%と算出される。
【0091】
2段終了後に回収したブロック共重合体の分析を行ったところ、以下の物性であった。
MFR=1.9
Mw = 390000
Mw/Mn=21.0
Tm2=157.4℃
FM=1285N/mm2
Izod(23℃)=5.70mJ/mm2
Izod(−30℃)=2.62mJ/mm2
また、CFC測定及びIRによるエチレン部/プロピレン部比率測定の結果から、エチレン−プロピレン共重合ゴムの性質は以下の通りであった。
Mw(CFC測定による)=370000
Mw/Mn(CFC測定による)=3.9
エチレン含有率=38.2重量%
【0092】
比較例3
実施例1の(2)予備重合触媒の調製において、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(4−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフチル)−4H−5,6,7,8−テトラヒドロアズレニル]}ハフニウムの代わりに、特願平11−153397号公報記載の方法で製造した、ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレンビス[2−エチル−4−(2−フルオロ−4−ビフェニリル)アズレニル]}ハフニウムを用い、触媒スラリーの量を7.0mLとし、1段目の重合時にH2を常温常圧換算で182mLとし、65℃で60分重合を行った以外は、実施例1と同様にプロピレンの重合を行った結果、ポリプロピレン320gが生成した。窒素気流下で22gを抜き出し、MFR、分子量、分子量分布を測定したところ、以下の通りであった。
【0093】
MFR=62
Mw=180000
Mw/Mn=3.3
残りのプロピレンに対して実施例3と同様に2段目の重合を行ったところ、共重合体339gを得た。従って、生成ポリマー中の、2段目の重合で生成した共重合体は41gと算出され、これよりブロック共重合体中のエチレン/プロピレン共重合体含量は12.1%と算出される。
【0094】
2段終了後に回収したブロック共重合体の分析を行ったところ、以下の物性を示した。
MFR=31
Tm2=156.1℃
FM=1041N/mm2
Izod(23℃)=9.71mJ/mm2
Izod(−30℃)=4.40mJ/mm2
Mw=240000
Mw/Mn=4.3
また、CFC測定及びIRによるエチレン部/プロピレン部比率測定の結果から、エチレン−プロピレン共重合ゴムの性質は以下の通りであった。
Mw=510000
Mw/Mn=3.0
エチレン含有率=38.1重量%
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の理解を助けるためのフローチャート図
Claims (3)
- 下記成分(A)、(B)および必要に応じて使用される成分(C)からなるプロピレン重合用触媒を用いて、成分(A)に対してモル比で1,000〜100,000倍の量の分子状水素(D)の存在下でプロピレンを重合することを特徴とする、プロピレン系重合体の製造方法。
成分(A):一般式(Ia)で表されるメタロセン錯体、
成分(B):粘土または粘土鉱物、
成分(C):有機アルミニウム化合物 - 成分(A)メタロセン錯体の一般式(Ia)におけるR2およびR5が水素原子であり、R7およびR8が炭素数6〜20の芳香族置換基であり、かつ、m=n=1である請求項1に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
- R7、R8が、4−クロロ−5,6,7,8−テトラヒドロナフチル基である請求項1または2に記載のプロピレン系重合体の製造方法。
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