JP4542607B1 - イリジウム錯体を昇華精製する方法、及び有機電界発光素子の製造方法 - Google Patents

イリジウム錯体を昇華精製する方法、及び有機電界発光素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、昇華精製収率が良好であるイリジウム錯体の選択方法を提供することを目的とする。
【解決手段】イリジウム錯体を昇華精製する場合において、特定の構造を有し、かつ真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択して、昇華精製をする、材料選択方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、イリジウム錯体を昇華精製する際の材料選択方法に関し、より詳細には、有機電界発光素子(以下、「素子」、「有機EL素子」ともいう)に用いられるイリジウム錯体を昇華精製する際の材料選択方法に関する。
有機電界発光素子は、低電圧駆動で高輝度の発光が得られることから、近年活発な研究開発が行われている。一般に有機電界発光素子は、発光層を含む有機層及び該層を挟んだ一対の電極から構成されており、陰極から注入された電子と陽極から注入された正孔が発光層において再結合し、生成した励起子のエネルギーを発光に利用するものである。
有機電界発光素子の発光層には蛍光発光材料や燐光発光材料などが用いられ、該発光材料としては、金属錯体を用いることができる。例えば、特許文献1〜3には縮環アゾール配位子を含むイリジウム錯体について記載されている。
ところで、有機EL素子に用いる材料の精製には一般に昇華精製が採用されている。昇華精製における効率を向上させるために種々の技術が提案されている。例えば特許文献4には、窒素気流下での示差走査熱量分析において350〜400℃の間での発熱量が2J/gであり、かつ400〜450℃の間で420℃付近を吸熱ピークの頂点とする70〜120J/gの吸熱を示すことを特徴とするトリス(8−オキシキノリノラト)アルミニウムが記載されている。特許文献5には、有機化合物の熱分解温度よりも30℃以上低い温度で昇華精製する技術が記載されている。特許文献6には、有機化合物を昇華精製するにあたり、有機化合物を攪拌し又は振動させることを特徴とする有機化合物の昇華精製方法が記載されている。
米国特許出願公開第2008/297033号明細書 国際公開第09/073245号 国際公開第08/109824号 特許第3516671号公報 特許第3525034号公報 特開平11−171801号公報
上記のような技術が提案されているが、縮環構造を有するイリジウム錯体の昇華精製収率は極めて低いという問題があった。
本発明は、昇華精製収率が良好である縮環構造を有するイリジウム錯体の選択方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、種々のイリジウム錯体を昇華精製する中で、同じ化合物においても合成法の違いによって昇華精製収率が大きく変化することに気づいた。そこで、昇華精製収率の向上を目指して鋭意検討を行った結果、イリジウム錯体において特定の熱分解挙動を示すものが昇華精製収率に優れることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記の手段により達成された。
[1]
イリジウム錯体を昇華精製する方法において、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体について、真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させて重量減少率を測定した場合、該重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択する工程を含むことを特徴とする方法。
Figure 0004542607
(一般式(1)中、
、R、R、R、及びR’は各々独立に水素原子又は下記置換基群Aから選択される置換基を表す。
’とRは、−CR−CR−、−CR=CR−、−CR−、−O−、−NR−、−O−CR−、−NR−CR−、及び−N=CR−から選択される連結基によって連結して環を形成してもよく、該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に下記置換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。また、複数のRが互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。
とRは互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。
とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
環Qは、イリジウムに対して配位する少なくとも1つの窒素原子を有する芳香族複素環又は縮合芳香族複素環を表す。
ただし、環Q又は環Qと結合しているベンゼン環のいずれか一方は縮環している。
(X−Y)は、下記一般式(l−1)〜(l−14)から選択される補助配位子を表す。
nは、1〜3の整数を表す。
Figure 0004542607
上記(l−1)〜(l−14)において、Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基群Aから選択される置換基を表す。
置換基群A:アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、重水素原子。これらの置換基は、更に置換基群Aから選ばれる他の置換基によって置換されてもよい。
[2]
前記一般式(1)において、(X−Y)が、前記一般式(l−1)で表される補助配位子を表すことを特徴とする上記[1]に記載の方法。
[3]
前記一般式(1)において、
、R 、R 、及びR は各々独立に水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、
’は水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、
(X−Y)は、前記一般式(l−1)で表される補助配位子であって、一般式(l−1)におけるRx、Ry、及びRzがそれぞれ独立にアルキル基又はハロゲン化アルキル基を表す
ことを特徴とする上記[2]に記載の方法。

前記イリジウム錯体が、常圧下において10℃/minで昇温させた場合に、重量減少率が1〜5質量%の範囲における熱変化が、吸熱変化を示すイリジウム錯体であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法

前記環Qが縮環し、かつR、R、R、及びRのうちいずれか少なくとも1つはメチル基又はフェニル基を表すことを特徴とする上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。ただし、R、R、R、及びRのうちいずれかがフェニル基を表す場合、該フェニル基は更に置換基を有していてもよく、該フェニル基が環Qと連結基を介し、又は単結合で結合してもよい。

前記イリジウム錯体が下記一般式(T−4)で表されることを特徴とする上記[1]、[4]、又は[5]に記載の方法
Figure 0004542607
(一般式(T−4)中、R’は水素原子、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、−CF、−C2n+1、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に下記置換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)、−CN、−NO、−SO、−SOR’、−SOR’、又はSOR’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
(X−Y)は、下記(l−1)〜(l−14)から選択される補助配位子を表す。
nは、1〜3の整数を表す。
Figure 0004542607
上記(l−1)〜(l−14)において、Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基群Aから選択される置換基を表す。
置換基群A:アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、重水素原子。これらの置換基は、更に置換基群Aから選ばれる他の置換基によって置換されてもよい。

前記イリジウム錯体が、カラムクロマトグラフィーによって精製されたものであることを特徴とする上記[1]〜[]のいずれかに記載の方法

イリジウム錯体を含む有機電界発光素子の製造方法であって、請求項1〜[]のいずれかに記載の方法により、イリジウム錯体を選択し、昇華精製する工程を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
本発明の材料選択方法を用いることで、イリジウム錯体の昇華精製収率を向上させることができ、これにより、有機電界発光素子の安価製造が可能となる。
有機EL素子の層構成の一例(第1実施形態)を示す概略図である。 化合物(1)−1の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−1の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−2の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを表す図である。 化合物(1)−2の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−2の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−3の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−3の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−4の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−4の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(2)のH−NMR(in d6−DMSO)スペクトルを表す図である。 化合物(2)の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(2)の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(3)の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(3)の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(3)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを表す図である。 化合物(4)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを表す図である。 化合物(4)の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(4)の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(5)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを表す図である。 化合物(5)の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(5)の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−5の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−5の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−6の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−6の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−7の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(1)−7の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(6)の真空下におけるTG/DTA曲線を表す図である。 化合物(6)の常圧下におけるTG/DTA曲線を表す図である。
下記、各一般式の説明における水素原子は同位体(重水素原子等)も含み、また更に置換基を構成する原子は、その同位体も含んでいることを表す。
本発明において、アルキル基等の置換基の「炭素数」とは、アルキル基等の置換基が他の置換基によって置換されてもよい場合も含み、当該他の置換基の炭素数も包含する意味で用いる。
また、「ヘテロアルキル」基とは少なくとも1つの炭素がO、NR、又はSに置き換わったアルキル基をいう。
本発明は、イリジウム錯体を昇華精製する場合において、前記一般式(1)で表され、かつ真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択して、昇華精製する、材料選択方法に関する。
真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が高いことは、昇華のしやすさの一つの指標と考えられる。ただし、この方法と実際の昇華では、昇温速度や保持している温度が異なるために、重量減少率と昇華精製収率が必ずしも対応するわけではない。真空下において2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が高いほど昇華精製収率は向上するようにも考えられるが、意外にも実際にはそのような序列にはならないことが判明した。昇華精製時には約200℃〜500℃の高温領域で長時間保持されるため、未昇華部分は長時間高温状態にあることになる。このときに僅かな分解が生じる場合、分解物がさらなる分解を促進し、昇華精製収率を低下させたものと考えられる。この状態を常圧での分解時の熱量変化が影響していると捉え鋭意検討した結果、2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が45%以上となる、本発明の方法により選択された化合物について、常圧での熱分解時に吸熱変化するものの昇華精製収率が向上することがわかった。この結果は、分解時に発熱する場合、その発生した熱により昇華生成時に設定した温度を超えて試料に熱が加わり分解を招くという機構から説明できる。また、分解時に発熱する場合と吸熱する場合とに分かれる理由としては、微量に含まれる不純物における融解や分解時の熱量変化が大きい場合や、組成は全く同じであっても結晶系の違いにより昇温過程で結晶系の変化が起こり、結晶状態の安定化に伴って発熱することなどが挙げられる。
〔一般式(1)で表される化合物〕
一般式(1)で表される化合物について説明する。
Figure 0004542607
(一般式(1)中、
、R、R、R、及びR’は各々独立に水素原子又は置換基を表す。
’とRは、−CR−CR−、−CR=CR−、−CR−、−O−、−NR−、−O−CR−、−NR−CR−、及び−N=CR−から選択される連結基によって連結して環を形成してもよく、該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基を有していてもよい。また、複数のRが互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。
とRは互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に置換基を有していてもよい。
とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
環Qは、イリジウムに対して配位する少なくとも1つの窒素原子を有する芳香族複素環又は縮合芳香族複素環を表す。
ただし、環Q又は環Qと結合しているベンゼン環のいずれか一方は縮環している。
(X−Y)は、補助配位子を表す。
nは、1〜3の整数を表す。)
置換基としては下記置換基群Aから選択される置換基が好ましい。
置換基群Aについて具体的には、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、重水素原子などが挙げられる。これらの置換基は、更に他の置換基によって置換されてもよい。
ここで、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタデシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ネオペンチル、1−アダマンチル、トリフルオロメチルなどが挙げられる。
また、アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、1−プロペニル、1−イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。
また、アルキニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばエチニル、プロパルギル、1−プロピニル、3−ペンチニルなどが挙げられる。
アリール基とは、芳香族炭化水素モノラジカルを指す。アリール基が置換されている場合、置換基として好ましくはフルオロ基、炭化水素置換基、ヘテロ原子置換炭化水素置換基、シアノ基などが挙げられる。アリール基として好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−キシリル、p−クメニル、メシチル、ナフチル、アントラニル、などが挙げられる。
ヘテロアリール基とは、芳香族ヘテロ環状モノラジカルを指す。置換されている場合、置換基として好ましくはフルオロ基、炭化水素置換基、ヘテロ元素置換炭化水素置換基、シアノ基などが挙げられる。ヘテロ環基として例えば、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジル、ピリミジル、トリアジニル、キノリル、イソキノリニル、ピロリル、インドリル、フリル、チエニル、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル、アゼピニルなどが挙げられる。
また、アミノ基としては、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。
また、アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。
また、アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。
また、ヘテロ環オキシ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。
また、アシル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。
また、アルコキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。
また、アリールオキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。
また、アシルオキシ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。
また、アシルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。
また、アルコキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
また、アリールオキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
また、スルホニルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。
また、スルファモイル基としては、好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。
また、カルバモイル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。
また、アルキルチオ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。
また、アリールチオ基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。
また、ヘテロアリールチオ基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミダゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。
また、スルホニル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシル、トリフルオロメタンスルホニルなどが挙げられる。
また、スルフィニル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。
また、ウレイド基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。
また、リン酸アミド基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。
また、ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる。
また、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には例えば、ピペリジル、モルホリノ、ピロリジルなどが挙げられる。
また、シリル基としては、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、ジメチル‐tert−ブチルシリル、ジメチルフェニルシリル、ジフェニル‐tert−ブチルシリル、トリフェニルシリル、トリ−1−ナフチルシリル、トリ−2−ナフチルシリルなどが挙げられる。
また、シリルオキシ基としては、好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。
炭化水素置換基とは、1価又は2価で、鎖状、分岐又は環状の置換基であり、炭素原子と水素原子のみからなるものをさす。1価の炭化水素置換基の例として例えば、炭素数1〜20のアルキル基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基から選ばれる1つ以上の基によって置換された炭素数1〜20のアルキル基;炭素数3〜8のシクロアルキル基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基から選ばれる1つ以上の基によって置換された炭素数3〜8のシクロアルキル基;炭素数6〜18のアリール基;炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、アリール基から選ばれる1つ以上の基によって置換されたアリール基等が挙げられる。
2価の炭化水素基の例として例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、1,2−フェニレン基等が挙げられる。
また、これらの置換基は更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、置換基群Aとして挙げたものが適用できる。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
’が表す置換基としてはアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、又はハロゲン原子が好ましく、アルキル基又はアリール基がより好ましく、アルキル基が更に好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。該アリール基としては、フェニル基が好ましい。該へテロアリール基としてはチエニル基が好ましい。該ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。
’としては水素原子又はアルキル基であることが好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、又はペンチル基がより好ましく、水素原子、メチル基、又はエチル基が更に好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。。
が表す置換基としては、アルキル基、アリール基、又ヘテロアリール基が好ましく、前記アリール基又はヘテロアリール基は更に置換基を有していてもよい。該置換基としては前記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。該アリール基としては、フェニル基、又はナフチル基が好ましく、フェニル基がより好ましい。該へテロアリール基としてはピリジル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジル基、ピリミジル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリニル基、ピロリル基、インドリル基、フリル基、チエニル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基、カルバゾリル基、アゼピニル基が好ましく、ピリジル基、又はジベンゾフランがより好ましい。
としては水素原子、メチル基、又はフェニル基が好ましく、水素原子又はフェニル基がより好ましい。
、R及びRが表す置換基としては、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、又はフルオロアルキル基が好ましく、アルキル基又はアリール基がより好ましい。該アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。該アリール基としては、フェニル基が好ましい。該ハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましい。該フルオロアルキル基としてはトリフルオロメチル基が好ましい。
としては水素原子又はアルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基がより好ましい。
としては水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、又はフルオロアルキル基が好ましく、水素原子、アルキル基、又はアリール基がより好ましく、水素原子、又はアリール基が更に好ましく、水素原子、又はフェニル基が特に好ましい。
としては水素原子、又はハロゲン原子が好ましく、水素原子、又はフッ素原子がより好ましく、水素原子が更に好ましい。
また、RとRが互いに結合して環を形成していることも好ましい。この場合、RとRが互いに結合して、5又は6員環を形成することが好ましい。該環は更に置換基を有していてもよい。該置換基としては前記置換基群Aに示したものが挙げられる。
とRが互いに結合して、環Qに結合したベンゼン環とともにナフタレン環を形成することが特に好ましい。
環Qが表す芳香族複素環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、トリアゾール環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、等が挙げられる。好ましくはピリジン環、ピラジン環であり、より好ましくはピリジン環である。
環Qが表す縮合芳香族複素環としては、キノリン環、イソキノリン環、キノキサリン環等が挙げられる。好ましくはキノリン環、イソキノリン環であり、より好ましくはキノリン環である。
一般式(1)において、環Q又は環Qと結合しているベンゼン環のいずれか一方は縮環している。
環Qは縮環していることが好ましい。環Qと結合しているベンゼン環は置換基を有しているか縮環しているかのいずれかが好ましく、置換基を有していることがより好ましい。その場合の置換基としては、アルキル基又はアリール基が好ましく、アリール基が更に好ましい。
環Qが縮環し、かつR、R、R、及びRのうちいずれか少なくとも1つはメチル基又はフェニル基を表すことが特に好ましい。ただし、R、R、R、及びRのうちいずれかがフェニル基を表す場合、該フェニル基は更に置換基を有していてもよく、該フェニル基が環Qと連結基を介し、又は単結合で結合してもよい。該置換基としては前記置換基群Aに示したものが挙げられる。なかでもシアノ基、又はアルキル基が好ましく、シアノ基、又はメチル基がより好ましい。
(X−Y)は、補助配位子を示す。これらの配位子は、光活性特性に直接寄与するのではなく、分子の光活性特性を変更することができると考えられているので、「補助」と呼ばれる。光活性及び補助の定義は、非限定的な理論を目的とするものである。例えばIrの場合、二座配位子について、nは0、1又は2でありうる。発光材料において使用される補助配位子を、当業界で公知であるものから選択することができる。補助配位子の非限定的な例は、参照により援用するLamanskyらのPCT出願WO02/15645A1の89〜90頁に記載されている。好ましい補助配位子には、アセチルアセトネート(acac)及びピコリネート(pic)、及びこれらの誘導体が含まれる。本発明においては錯体の安定性と高い発光効率が得られる観点から補助配位子はアセチルアセトネートであることが好ましい。
Figure 0004542607
前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(T−4)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 0004542607
(一般式(T−4)中、R’は水素原子、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、−CF、−C2n+1、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に置換基を有していてもよい。
Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)、−CN、−NO、−SO、−SOR’、−SOR’、又はSOR’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
(X−Y)は、補助配位子を表す。
nは、1〜3の整数を表す。)
一般式(T−4)におけるR’、R、R、R、R、(X−Y)、R、及びnは、一般式(1)におけるR’、R、R、R、R、(X−Y)、R、及びnと同義であり、好ましいものも同様である。
一般式(1)で表される化合物の具体例を以下に列挙するが、以下に限定されるものではない。
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
本発明において、前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(A1)又は(A3)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 0004542607
(一般式(A1)及び(A3)中、E1a〜E1kはそれぞれ独立に炭素原子又はヘテロ原子を表す。R1a〜R1iはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。(X−Y)は補助配位子を表す。nは1〜3の整数を表す。一般式(A1)で表される化合物及び一般式(A3)で表される化合物はそれぞれ合計で18π電子構造を有する。)
一般式(A1)又は(A3)で表される化合物は、一般式(A1’)又は(A3’)で表されるモノアニオン性の2座配位子を有している。なお、本発明における配位子の一般式中、*はイリジウムへの配位部位であって、E1aとイリジウムの結合、及びR1g〜R1iを有するベンゼン環の炭素原子とイリジウムの結合は、それぞれ独立に共有結合であっても配位結合であってもよい。
Figure 0004542607
(一般式(A1’)又は(A3’)中、E1a〜E1kはそれぞれ独立に炭素原子又はヘテロ原子を表す。R1a〜R1iはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。一般式(A1’)で表される2座配位子及び一般式(A3’)で表される2座配位子はそれぞれ合計で18π電子構造を有する。)
該一般式(A1’)又は(A3’)で表される2座配位子は他の配位子と結合して3座、4座、5座、6座の配位子を形成しても良い。
1a〜E1kは炭素原子又はヘテロ原子から選ばれ、好ましくは炭素原子又は窒素原子から選ばれる。また、E1aとE1pは異なる原子である事が好ましい。また、該金属錯体は18π電子構造を有する。
1a〜E1eから形成される環は5員のヘテロ環を表し、具体的にはオキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾールなどが挙げられる。好ましくはイミダゾール又はピラゾールであり、より好ましくはイミダゾールである。
1f〜E1k、E1l〜E1kから形成される環はそれぞれ独立に6員の芳香族炭化水素環、5員又は6員のヘテロ環から選ばれ、例えばベンゼン、オキサゾール、チアゾール、イソキサゾール、イソチアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジンなどが挙げられる。
1a〜R1iはそれぞれ独立に後述の置換基群Aから選ばれ、好ましくは水素原子、炭化水素置換基、シアノ基、フルオロ基、OR2a、SR2a、NR2a2b、BR2a2b、又はSiR2a2b2cである。R2a〜R2cはそれぞれ独立に炭化水素置換基、又はヘテロ原子で置換された炭化水素置換基であり、R1a〜R1i、R2a〜R2cのうちの2つが互いに結合し、飽和又は不飽和の、芳香族環又は非芳香族環を形成していても良い。窒素原子に結合している場合、R1a〜R1iは水素原子ではない。
ヘテロ原子とは、炭素原子又は水素原子以外の原子を指す。ヘテロ原子の例として、例えば酸素、窒素、リン、硫黄、セレン、砒素、塩素、臭素、ケイ素、又はフッ素が挙げられる。
1a〜R1iは少なくとも1つが母骨格に対し2面角が70度以上であるアリール基である事が好ましく、下記一般式ss−1で表される置換基である事がより好ましく、2,6−ジ置換アリール基である事が更に好ましく、R1bが2,6−ジ置換アリール基である事が最も好ましい。
Figure 0004542607
(一般式ss−1中、Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基のいずれかを表す。)
Ra、Rb、Rcが表すアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ドデシル、n−オクタデシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、1−アダマンチル、トリフルオロメチルなどが挙げられ、メチル基、又はイソプロピル基が好ましい。
Ra、Rb、Rcが表すアリール基としては、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、2,6−キシリル、p−クメニル、メシチル、ナフチル、アントラニル、などが挙げられ、フェニル基、が好ましい。
Ra、Rbの少なくとも1つはアルキル基又はアリール基から選ばれ、Ra、Rbの少なくとも1つはアルキル基から選ばれる事が好ましく、Ra、Rbが共にアルキル基である事が好ましく、Ra、Rbが共にメチル基、又はイソプロピル基である事が最も好ましい。
2,6−ジ置換アリール基として好ましくは2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,6−ジメチル−4−フェニルフェニル基、2,6−ジメチル−4−(2,6−ジメチルピリジン−4−イル)フェニル基、2,6−ジフェニルフェニル基、2,6−ジフェニル−4−イソプロピルフェニル基、2,4,6−トリフェニルフェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−(4−イソプロピルフェニル)フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−(3,5−ジメチルフェニル)フェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−(ピリジン−4−イル)フェニル基、又は2,6−ジ−(3,5−ジメチルフェニル)フェニル基である。
1a〜R1iは、少なくとも1つがアルキル基であることが好ましく、R1eがアルキル基であることがより好ましい。アルキル基は4以上の炭素原子から成るベンジル位より離れた部位で分岐しているアルキル基であることが好ましい。
本発明においては、一般式の配位子から成る金属錯体は主配位子若しくはその互変異性体と補助配位子若しくはその互変異性体の組み合わせで構成されるか、該金属錯体の配位子の全てが主配位子又はその互変異性体で表される部分構造のみで構成されていてもよい。
更に従来公知の金属錯体形成に用いられる、所謂配位子として当該業者が周知の配位子(配位化合物ともいう)を必要に応じて補助配位子として有していてもよい。
本発明に記載の効果を好ましく得る観点からは、錯体中の配位子の種類は1〜2種類から構成されることが好ましく、更に好ましくは1種類である。錯体分子内に反応性基を導入する際には合成容易性という観点から配位子が2種類からなることも好ましい。
従来公知の金属錯体に用いられる配位子としては、種々の公知の配位子があるが、例えば、「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」Springer−Verlag社 H.Yersin著 1987年発行、「有機金属化学−基礎と応用−」裳華房社 山本明夫著 1982年発行等に記載の配位子(例えば、ハロゲン配位子(好ましくは塩素配位子)、含窒素ヘテロアリール配位子(例えば、ビピリジル、フェナントロリンなど)、ジケトン配位子(例えば、アセチルアセトンなど)が挙げられる。好ましくは、ジケトン類あるいはピコリン酸誘導体である。
以下に、補助配位子の例を具体的に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004542607
上記補助配位子の例において、Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。
前記一般式(A1)又は(A3)で表される化合物は、下記一般式(A1−1)又は(A3−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0004542607
(一般式(A1−1)及び(A3−1)中、E1f〜E1kはそれぞれ独立に炭素原子又はヘテロ原子を表す。R1a〜R1iはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。(X−Y)は補助配位子を表す。nは1〜3の整数を表す。一般式(A1−1)で表される化合物及び一般式(A3−1)で表される化合物はそれぞれ合計で18π電子構造を有する。)
一般式(A1−1)及び(A3−1)中、E1a〜E1e、E1o〜E1q、E1l〜E1n及びR1a〜R1iの定義は、一般式(A1)及び(A3)におけるE1a〜E1e、E1o〜E1q、E1l〜E1n及びR1a〜R1iと同様であり、好ましいものも同様である。
前記一般式(A1)又は(A3)で表される化合物は、下記一般式(A1−2)又は(A3−2)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 0004542607
(一般式(A1−2)及び(A3−2)中、E1f〜E1kはそれぞれ独立に炭素原子又はヘテロ原子を表す。R1a〜R1iはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。(X−Y)は補助配位子を表す。nは1〜3の整数を表す。一般式(A1−2)で表される化合物及び一般式(A3−2)で表される化合物はそれぞれ合計で18π電子構造を有する。)
一般式(A1−2)及び(A3−2)中、E1o〜E1q、E1l〜E1n及びR1a〜R1iの定義は、(A1−1)及び(A3−1)におけるE1o〜E1q、E1l〜E1n及びR1a〜R1iと同様であり、好ましいものも同様である。
本発明においては一般式(A1−2)がより好ましく、一般式(A1−2)は下記一般式(A1−3)で表される化合物であることが更に好ましい。
Figure 0004542607
(一般式(A1−3)中、R1a〜R1iはそれぞれ独立に水素原子又は置換基を表す。(X−Y)は補助配位子を表す。nは1〜3の整数を表す。一般式(A1−3)で表される化合物は18π電子構造を有する。)
一般式(A1−3)中、R1a〜R1iの定義は、(A1)におけるR1a〜R1iと同様であり、好ましいものも同様である。
一般式(A1’)及び(A3’)の好ましい具体例を以下に示す。中でも(X−64)〜(X−68)が最も好ましい。
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
Figure 0004542607
1a〜R1iは一般式(A1)と同義であり、全て水素原子であることが好ましい。
一般式(A1)又は(A3)で表される化合物は、例えば、US2007/0190359やUS2008/0297033に記載の方法など、種々の手法で合成できる。
例えば、配位子、又はその解離体と金属化合物を溶媒(例えば、ハロゲン系溶媒、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、ニトリル系溶媒、アミド系溶媒、スルホン系溶媒、スルホキサイド系溶媒、水などが挙げられる)の存在下、若しくは、溶媒非存在下、塩基の存在下(無機、有機の種々の塩基、例えば、ナトリウムメトキサイド、t−ブトキシカリウム、トリエチルアミン、炭酸カリウムなどが挙げられる)、若しくは、塩基非存在下、室温以下、若しくは加熱し(通常の加熱以外にもマイクロウェーブで加熱する手法も有効である)得ることができる。具体的には、XM−64は、7−メチルイミダゾフェナントリジンを出発原料として、US2007/0190359の、[0132]〜[0134]に記載の合成法にて合成することができる。また、XM−63は、US2008/0297033の[0281]〜[0287]に記載の合成法にて合成することができる。
本発明においては、一般式(T−4)で表される化合物、及び一般式(A1)又は(A3)で表される化合物のうち、一般式(T−4)で表される化合物がより好ましい。
〔材料選択方法〕
本発明の材料選択方法は、イリジウム錯体を昇華精製する際のイリジウム錯体の選択方法であって、前記一般式(1)で表され、かつ真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択するものである。
重量減少率は下記式で算出される。
重量減少率(%)=(初期の重量−昇温後の重量)/初期の重量×100
前記真空度は、装置付属の真空計により測定することができ、好ましくは、1.0×10−3Pa以上1.0×10−2Pa以下である。このような真空度は、特に限定はないが、例えば、真空ラインのバルブ操作により調整することができる。
本発明においては、前記条件において、2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択するが、好ましくは、2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が48%以上となるイリジウム錯体であり、より好ましくは、2℃/minで500℃まで昇温させた場合に重量減少率が55%以上となるイリジウム錯体である。重量減少率は、特に限定はないが、例えば、熱重量測定(TG)により測定することができる。
昇温は、常温から500℃まで行うことが好ましく、より好ましくは30℃から500℃までである。
前記イリジウム錯体は、常圧下において10℃/minで昇温させた場合に、重量減少率が1〜5質量%の範囲の熱変化が、吸熱変化であることが、昇華精製効率が優れるという観点から好ましい。これらは示差熱−熱重量同時測定(TG−DTA)により測定することができる。
また、前記イリジウム錯体が、カラムクロマトグラフィーによって精製されたものであることが、昇華性を下げる僅かな不純物を除去しやすいという理由から好ましい。
また、前記イリジウム錯体が昇華精製されたものであることが、昇華性を下げる僅かな不純物を除去しやすいという理由から好ましい。
〔有機電界発光素子〕
本発明に係る素子について詳細に説明する。
有機電界発光素子は、基板上に、一対の電極と、該電極間に発光層を有する。該発光層は有機層であり、更に複数の有機層を有していてもよい。
発光素子の性質上、陽極及び陰極のうち少なくとも一方の電極は、透明若しくは半透明であることが好ましい。
図1は、本発明に係る有機電界発光素子の構成の一例を示している。図1に示される本発明に係る有機電界発光素子10は、支持基板12上において、陽極4と陰極9との間に発光層6が挟まれている。具体的には、陽極4と陰極9との間に正孔注入層4、正孔輸送層5、発光層6、正孔ブロック層7、及び電子輸送層8がこの順に積層されている。
<有機層の構成>
前記有機層の層構成としては、特に制限はなく、有機電界発光素子の用途、目的に応じて適宜選択することができるが、前記透明電極上に又は前記背面電極上に形成されるのが好ましい。この場合、有機層は、前記透明電極又は前記背面電極上の前面又は一面に形成される。
有機層の形状、大きさ、及び厚み等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
具体的な層構成として、下記が挙げられるが本発明はこれらの構成に限定されるものではない。
・陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/陰極、
・陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/ブロック層/電子輸送層/電子注入層/陰極。
有機電界発光素子の素子構成、基板、陰極及び陽極については、例えば、特開2008−270736号公報に詳述されており、該公報に記載の事項を本発明に適用することができる。
<基板>
使用する基板としては、有機層から発せられる光を散乱又は減衰させない基板であることが好ましい。有機材料の場合には、耐熱性、寸法安定性、耐溶剤性、電気絶縁性、及び加工性に優れていることが好ましい。
<陽極>
陽極は、通常、有機層に正孔を供給する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。前述のごとく、陽極は、通常透明陽極として設けられる。
<陰極>
陰極は、通常、有機層に電子を注入する電極としての機能を有していればよく、その形状、構造、大きさ等については特に制限はなく、発光素子の用途、目的に応じて、公知の電極材料の中から適宜選択することができる。
基板、陽極、陰極については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0070〕〜〔0089〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<有機層>
有機層について説明する。
−有機層の形成−
有機電界発光素子において、各有機層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に形成することができる。
(発光層)
<発光材料>
発光材料は、前記一般式(1)で表される化合物であることが好ましい。
発光層中の発光材料は、発光層中に一般的に発光層を形成する全化合物質量に対して、0.1質量%〜50質量%含有されるが、耐久性、外部量子効率の観点から1質量%〜50質量%含有されることが好ましく、2質量%〜40質量%含有されることがより好ましい。
発光層の厚さは、特に限定されるものではないが、通常、2nm〜500nmであるのが好ましく、中でも、外部量子効率の観点で、3nm〜200nmであるのがより好ましく、5nm〜100nmであるのが更に好ましい。
発光層は、発光材料のみで構成されていても良く、ホスト材料と発光材料の混合層とした構成でも良い。発光材料は蛍光発光材料でも燐光発光材料であっても良く、ドーパントは一種であっても二種以上であっても良い。ホスト材料は電荷輸送材料であることが好ましい。ホスト材料は一種であっても二種以上であっても良く、例えば、電子輸送性のホスト材料とホール輸送性のホスト材料を混合した構成が挙げられる。更に、発光層中に電荷輸送性を有さず、発光しない材料を含んでいても良い。
<ホスト材料>
ホスト材料として、例えば、ピロール、インドール、カルバゾール(CBP(4,4’−ジ(9−カルバゾイル)ビフェニル)など)、アザインドール、アザカルバゾール、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イミダゾール、チオフェン、ポリアリールアルカン、ピラゾリン、ピラゾロン、フェニレンジアミン、アリールアミン、アミノ置換カルコン、スチリルアントラセン、フルオレノン、ヒドラゾン、スチルベン、シラザン、芳香族第三級アミン化合物、スチリルアミン化合物、ポルフィリン系化合物、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、ピリジン、ピリミジン、トリアジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾ−ル、オキサゾ−ル、オキサジアゾ−ル、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、フッ素置換芳香族化合物、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノ−ル誘導体の金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾ−ルやベンゾチアゾ−ルを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体及びそれらの誘導体(置換基や縮環を有していてもよい)等を挙げることができる。
ホスト化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、発光効率、駆動電圧の観点から、発光層を形成する全化合物質量に対して15質量%以上98質量%以下であることが好ましい。
(蛍光発光材料)
使用できる蛍光発光材料の例としては、例えば、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の錯体やピロメテン誘導体の錯体に代表される各種錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
(燐光発光材料)
使用できる燐光発光材料としては、一般式(1)で表される化合物の他、例えば、US6303238B1、US6097147、WO00/57676、WO00/70655、WO01/08230、WO01/39234A2、WO01/41512A1、WO02/02714A2、WO02/15645A1、WO02/44189A1、WO05/19373A2、特開2001−247859、特開2002−302671、特開2002−117978、特開2003−133074、特開2002−235076、特開2003−123982、特開2002−170684、EP1211257、特開2002−226495、特開2002−234894、特開2001−247859、特開2001−298470、特開2002−173674、特開2002−203678、特開2002−203679、特開2004−357791、特開2006−256999、特開2007−19462、特開2007−84635、特開2007−96259等の特許文献に記載の燐光発光化合物などが挙げられ、中でも、更に好ましい発光性ドーパントとしては、Ir錯体、Pt錯体、Cu錯体、Re錯体、W錯体、Rh錯体、Ru錯体、Pd錯体、Os錯体、Eu錯体、Tb錯体、Gd錯体、Dy錯体、及びCe錯体が挙げられる。特に好ましくは、Ir錯体、Pt錯体、又はRe錯体であり、中でも金属−炭素結合、金属−窒素結合、金属−酸素結合、金属−硫黄結合の少なくとも一つの配位様式を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が好ましい。更に、発光効率、駆動耐久性、色度等の観点で、3座以上の多座配位子を含むIr錯体、Pt錯体、又はRe錯体が特に好ましい。
燐光発光材料の含有量は、発光層中に、発光層の総質量に対して、0.1質量%以上50質量%以下の範囲が好ましく、0.2質量%以上50質量%以下の範囲がより好ましく、0.3質量%以上40質量%以下の範囲が更に好ましく、20質量%以上30質量%以下の範囲が最も好ましい。
−正孔注入層、正孔輸送層−
正孔注入層、正孔輸送層は、陽極又は陽極側から正孔を受け取り陰極側に輸送する機能を有する層である。
−電子注入層、電子輸送層−
電子注入層、電子輸送層は、陰極又は陰極側から電子を受け取り陽極側に輸送する機能を有する層である。
正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0165〕〜〔0167〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
−正孔ブロック層−
正孔ブロック層は、陽極側から発光層に輸送された正孔が、陰極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陰極側で隣接する有機層として、正孔ブロック層を設けることができる。
正孔ブロック層を構成する有機化合物の例としては、アルミニウム(III)ビス(2−メチル−8−キノリナト)4−フェニルフェノレート(Aluminum (III)bis(2−methyl−8−quinolinato)4−phenylphenolate(BAlqと略記する))等のアルミニウム錯体、トリアゾール誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(2,9−Dimethyl−4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline(BCPと略記する))等のフェナントロリン誘導体、等が挙げられる。
正孔ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
正孔ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
−電子ブロック層−
電子ブロック層は、陰極側から発光層に輸送された電子が、陽極側に通りぬけることを防止する機能を有する層である。本発明において、発光層と陽極側で隣接する有機層として、電子ブロック層を設けることができる。
電子ブロック層を構成する有機化合物の例としては、例えば前述の正孔輸送材料として挙げたものが適用できる。
電子ブロック層の厚さとしては、1nm〜500nmであるのが好ましく、5nm〜200nmであるのがより好ましく、10nm〜100nmであるのが更に好ましい。
電子ブロック層は、上述した材料の一種又は二種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
<保護層>
有機EL素子全体は、保護層によって保護されていてもよい。
保護層については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0169〕〜〔0170〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
<封止容器>
有機EL素子は、封止容器を用いて素子全体を封止してもよい。
封止容器については、特開2008−270736号公報の段落番号〔0171〕に記載の事項を本発明に適用することができる。
〔有機電界発光素子の製造方法〕
本発明の有機電界発光素子の製造方法は、前記材料選択方法により選択されたイリジウム錯体を用いて有機電界発光素子を作製することを特徴とする。
〔昇華精製〕
前記材料選択方法により選択されたイリジウム錯体は、昇華精製されて、有機電界発光素子の作製に用いられる。また、有機電界発光素子の各有機層に用いられるその他の化合物も昇華精製することが好ましい。
昇華精製方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
〔成膜方法〕
昇華精製された各化合物を基板上に順次成膜し、有機層を形成することで有機電界発光素子を作製することができる。
成膜方法としては、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、転写法、印刷法、スピンコート法等の湿式製膜法(ウエットプロセス)のにより有機電界発光素子の有機層を形成することができる。
加熱の温度は200℃〜400℃であることが好ましく、250℃〜320℃であることがより好ましい。
加熱の時間は0.1時間〜350時間であることが好ましく、0.1時間〜150時間であることがより好ましい。
(駆動)
有機電界発光素子は、陽極と陰極との間に直流(必要に応じて交流成分を含んでもよい)電圧(通常2ボルト〜15ボルト)、又は直流電流を印加することにより、発光を得ることができる。
有機電界発光素子の駆動方法については、特開平2−148687号、同6−301355号、同5−29080号、同7−134558号、同8−234685号、同8−241047号の各公報、特許第2784615号、米国特許5828429号、同6023308号の各明細書等に記載の駆動方法を適用することができる。
発光素子は、種々の公知の工夫により、光取り出し効率を向上させることができる。例えば、基板表面形状を加工する(例えば微細な凹凸パターンを形成する)、基板・ITO層・有機層の屈折率を制御する、基板・ITO層・有機層の膜厚を制御すること等により、光の取り出し効率を向上させ、外部量子効率を向上させることが可能である。
発光素子は、陽極側から発光を取り出す、いわゆるトップエミッション方式であっても良い。
本発明における有機EL素子は、共振器構造を有しても良い。例えば、透明基板上に、屈折率の異なる複数の積層膜よりなる多層膜ミラー、透明又は半透明電極、発光層、及び金属電極を重ね合わせて有する。発光層で生じた光は多層膜ミラーと金属電極を反射板としてその間で反射を繰り返し共振する。
別の好ましい態様では、透明基板上に、透明又は半透明電極と金属電極がそれぞれ反射板として機能して、発光層で生じた光はその間で反射を繰り返し共振する。
共振構造を形成するためには、2つの反射板の有効屈折率、反射板間の各層の屈折率と厚みから決定される光路長を所望の共振波長の得るのに最適な値となるよう調整される。第一の態様の場合の計算式は特開平9−180883号明細書に記載されている。第2の態様の場合の計算式は特開2004−127795号明細書に記載されている。
(発光素子の用途)
発光素子は、発光装置、ピクセル、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、又は光通信等に好適に利用できる。特に、照明装置、表示装置等の発光輝度が高い領域で駆動されるデバイスに好ましく用いられる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
〔イリジウム錯体の合成〕
化合物(1)−2の合成
Figure 0004542607
300ml3つ口フラスコに化合物(A)2.0g、2−エトキシエタノール38.4ml、NaCO1.34g、アセチルアセトン0.40mlを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃まで加熱した。4時間後、反応液を室温まで冷却し、そこに水80mlを加えて30分間攪拌した。その後、沈殿生成物を濾過し、水、2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、得られた結晶を200mlナスフラスコに入れ、水を100ml加えて室温で1時間攪拌した。その後、濾過して得られた結晶を乾燥し1.88gの赤色結晶を得た。この結晶1.5gを200mlナスフラスコに取り、THF100mlを入れ攪拌し、不溶成分を濾過し、乾燥させ、赤色結晶を0.79g得た。この赤色結晶を0.5gとり、塩化メチレン25mlを加えて溶解させ、塩化メチレンを溶離液とするオープンシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られたフラクションを濃縮し、そこにメタノールを加えて生じた沈殿生成物を濾過し、乾燥させ、深赤色結晶の化合物(1)−2を得た。化合物の同定は、300MHz H−NMR(in CDCl)により行った。化合物(1)−2の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを図4に示した。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、330℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。この昇華精製品を化合物(1)−1とした。
化合物(1)−3の合成
Figure 0004542607
200ml3つ口フラスコに化合物(A)4.0g、2−エトキシエタノール77ml、NaCO2.7g、アセチルアセトン0.80mlを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら80℃に加熱した。2時間後、反応液を室温まで冷却し、一日静置した後、そこに水50mlを加えて15分間攪拌した。その後、沈殿生成物を濾過し、水で洗浄し、取り出された結晶を300mlナスフラスコに入れて水150mlを加えた。15分間攪拌した後に濾過し、得られた結晶を水、2−プロパノール、ヘキサンで洗浄後に乾燥し、暗赤色結晶を3.91g得た。この結晶3.0gをとり、300mlナスフラスコに入れ、そこに塩化メチレン150mlを加えて溶解させた後に黒色不溶成分を濾過で取り除き、濾液を20mlまで濃縮した。得られた赤色溶液を塩化メチレンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた赤色溶液を20mlまで濃縮後、そこにメタノールを100ml加え、精製した結晶を濾過により取り出し乾燥させ、赤色結晶の化合物(1)−3を2.4g得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、325℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(1)−4の合成
Figure 0004542607
500ml3つ口フラスコに化合物(A)5.0g、CHCl100ml、アセチルアセトン3.3ml、ナトリウムメトキシド28%メタノール溶液6.11gを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら50℃に加熱した。3時間後、反応液を室温まで冷却し、そこに水、ヘキサンをを加えて濾過した。濾液を分液漏斗に移し、そこに酢酸エチルを加えて分液操作を行った。水層を取り除いた後、残った有機層に水を加えて振り混ぜて洗浄し、その後、飽和塩化ナトリウム水溶液を加えて同様に2回洗浄した。取り出された水層をまとめて分液漏斗に移し、そこにCHClを加えて逆抽出を行った。得られた有機層をまとめ、硫酸ナトリウムを加えて乾燥した後に濾過し、濾液を濃縮して赤色結晶の化合物(1)−4を4g得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、325℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(2)=TM−51の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(B)0.8g、2−エトキシエタノール33ml、NaCO0.58gを加え、1,1,1―トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオン0.17mlを加えた後、窒素雰囲気下で攪拌しながら50℃まで加熱した。20分後、1,1,1―トリフルオロ−5,5−ジメチル−2,4−ヘキサンジオンを更に0.3ml加え、更に1時間攪拌した後、反応液を室温まで冷却した。冷却後の反応駅に水65mlを加えて3分間攪拌した後、この液を濾過して取り出された結晶を水、2−プロパノール、ヘキサンの順で洗浄し、乾燥させ、化合物(2)を0.89g得た。化合物の同定は、H−NMR(in d6−DMSO)により行った。化合物(2)のH−NMR(in d6−DMSO)スペクトルを図11に示した。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、320℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(3)=TM−50の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(B)0.5g、2−エトキシエタノール10.3ml、ジピバロイルメタン0.28mlを加えた後、NaCOを360mg加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱還流した。2時間後、反応液を室温まで冷却し、反応液に水250mlを加えて10分間攪拌した。この液を濾過して取り出された結晶を、水、エタノール、ヘキサンの順で洗浄し、乾燥させた、暗赤色結晶を0.46g得た。この結晶を0.4gを100mlナスフラスコに移し、そこに2−プロパノール50mlを入れ、炊き洗いを行った。室温まで冷却後、液を濾過し、取り出された結晶を2−プロパノール3mlで洗浄し、乾燥させ、赤色結晶の化合物(3)を316mg得た。化合物の同定は、300MHz H−NMR(in CDCl)により行った。化合物(3)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを図16に示した。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、310℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(4)=TM−48の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(B)300mg、2−エトキシエタノール6ml、1,1,1―トリフルオロ−2,4−ペンタンジオン0.17mlを加えた後、NaCOを215mg加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱還流した。1時間半後、反応液を室温まで冷却し、そこに水80mlを加えて20分間攪拌した。この液を濾過して取り出された結晶を水、2−プロパノール、ヘキサンの順で洗浄し、乾燥させ、赤色結晶の化合物(4)を0.22g得た。化合物の同定は、300MHz H−NMR(in CDCl)により行った。化合物(4)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルを図17に示した。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、340℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(5)=TM−49の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(B)1.0g、2−エトキシエタノール20.6ml、1,1,1,5,5,5−ヘキサフルオロ−2,4−ペンタンジオン0.29mlを加えた後、NaCOを719mg加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱還流した。8時間後、反応液を室温まで冷却し、この液を濾過して取り出された結晶を水、2−プロパノール、ヘキサンの順で洗浄し得られた赤色結晶1.00gを得た。この結晶を200mlナスフラスコに移し、そこに2−プロパノール100mlを入れ、炊き洗いを行い乾燥させ、赤色結晶0.88gを得た。この結晶を0.65gとり、塩化メチレンによるショートカラム精製を行い、得られた赤色溶液にヘキサンを加えた。生じた沈殿生成物を濾過して取出し、乾燥させ、赤褐色結晶の化合物(5)を0.46g得た。化合物の同定は、300MHz H−NMR(in CDCl)により行った。化合物(5)の300MHz H−NMR(in CDCl)スペクトルは図20に示した。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、330℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
<比較化合物の合成>
化合物(1)−5の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(A)1.0g、2−エトキシエタノール19.2ml、NaCO672mg、アセチルアセトン0.36mlを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら加熱還流した。2時間後、反応液を室温まで冷却し、そこに水50mlを加えて更に10分間攪拌した。その後、沈殿生成物を濾過し、水、2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、暗赤色結晶を得た。この結晶を100mlナスフラスコに入れ、2−プロパノールを50ml加えて炊き洗いを行った。室温まで冷却後、濾過して得られた結晶を2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、暗赤色結晶の化合物(1)−5を0.60g得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、325℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(1)−6の合成
Figure 0004542607
100ml3つ口フラスコに化合物(A)1.5g、2−エトキシエタノール29ml、NaCO1.0g、アセチルアセトン0.30mlを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら50℃まで加熱した。3時間後、反応液を室温まで冷却し、2日間放置した後、アセチルアセトン0.15mlを加え、窒素雰囲気下で攪拌しながら50℃まで加熱した。7時間後、室温まで冷却し、そこに水50mlを加えて3分間攪拌した。その後、沈殿生成物を濾過し、水、2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、暗赤色結晶を得た。この結晶を100mlナスフラスコに入れ、2−プロパノールを50ml加えて50℃で加熱攪拌した。室温まで冷却後、濾過して得られた結晶を2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、得られた暗赤色結晶を真空乾燥後、化合物(1)−6を0.60g得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、325℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(1)−7の合成
Figure 0004542607
200ml3つ口フラスコに化合物(A)5.0g、2−エトキシエタノール29ml、NaCO1.01g、アセチルアセトン0.30mlを入れ、窒素雰囲気下で攪拌しながら50℃まで加熱した。5時間後、反応液を室温まで冷却し、2日放置した後、アセチルアセトンを更に0.15ml加え、窒素雰囲気下で50℃まで加熱し7時間攪拌した。反応液を室温まで冷却し、そこに水50mlを加えて3分間攪拌した。その後、沈殿生成物を濾過し、水、2−プロパノール、ヘキサンで洗浄し、得られた結晶を200mlナスフラスコに入れ、2−プロパノールを50ml加えて50℃まで加熱し4時間攪拌した。室温まで冷却後、濾過して得られた結晶を2−プロパノール、ヘキサンで洗浄して乾燥し、赤色結晶の化合物(1)−7を1.28g得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、325℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
化合物(6)の合成
Figure 0004542607
100mlナスフラスコに化合物(C)0.5g、アセチルアセトン1ml、2−メトキシエタノール10mlを加え、攪拌しながら炭酸ナトリウム0.5gを添加した。反応液を2時間加熱還流させた後、室温に戻し、蒸留水を加えた。沈殿物をろ過し、蒸留水で洗浄し赤色沈殿を得た。これをトルエンに溶解させ、ヘキサンを溶離液としたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけ、ヘキサン/酢酸エチル=50/1、10/1と徐々に溶離液を変更させながら精製を施した。得られた赤色溶液を減圧濃縮し、酢酸エチル及びヘキサンを加えることで化合物(6)0.3gを得た。
昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、260℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。
図に示した化合物(6)の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少率5質量%付近の280〜330℃の範囲において、緩やかな吸熱変化が観測された。
〔真空下でのTG/DTA測定〕
実施例1〜8、比較例1〜3に示す化合物に対して、蒸発速度測定を行った。測定は、アルバック理工株式会社製VAP−9000を用い、真空条件下30℃〜500℃の範囲において2℃/minで昇温を行った。真空度は1.0×10−2Paになったことを確認し、温度制御を開始した。500℃まで昇温させた際の化合物の残量から、重量減少率を求めた。
化合物(1)−1、(1)−2、(1)−3、(1)−4、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)−5、(1)−6、(1)−7、及び(6)の真空下におけるTG/DTA曲線をそれぞれ図2、5、7、9、12、14、18、21、23、25、27、及び29に示す。
〔常圧下でのTG/DTA測定〕
実施例1〜8、比較例1〜3に示す化合物に対して、それぞれTG/DTA測定を行った。測定はSeiko Instruments Inc.製EXSTAR6000を用い、N気流下(流量200ml/min)、30℃〜500℃の範囲において常圧下、10℃/minで昇温を行った。分解開始時の熱量変化は、1質量%以上の重量減少に対する明確な熱量変化を読み取り、その中でも1〜5質量%の範囲のDTA曲線がベースラインに対して上昇する場合に発熱変化、下降する場合に吸熱変化と読み取った。
化合物(1)−1、(1)−2、(1)−3、(1)−4、(2)、(3)、(4)、(5)、(1)−5、(1)−6、及び(1)−7、及び(6)の常圧下におけるTG/DTA曲線をそれぞれ図3、6、8、10、13、15、19、22、24、26、28、及び30に示す。
図3に示した化合物(1)−1の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する340℃付近にて、吸熱変化が観測された。
図6に示した化合物(1)−2の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する350℃付近にて、吸熱変化が観測された。
図8に示した化合物(1)−3の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が生じる200〜350℃の範囲で、吸熱変化が観測された。
図10に示した化合物(1)−4の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が始まる300℃付近から発熱変化が観測された。
図13に示した化合物(2)の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が始まる300℃付近で、僅かな発熱変化が観測された。
図15に示した化合物(3)の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する200℃付近で、発熱変化が観測された。
図19に示した化合物(4)の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する250〜300℃の範囲で、緩やかな発熱挙動が観測された。
図22に示した化合物(5)の常圧下におけるTG/DTA曲線では、5質量%重量減少までの間に、発熱変化が観測された。
図24に示した化合物(1)−5の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する150℃付近で発熱変化が観測された。
図26に示した化合物(1)−6の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少が開始する200℃付近で発熱変化が観測された。
図28に示した化合物(1)−7の常圧下におけるTG/DTA曲線では、重量減少率5質量%付近の300〜310℃の範囲において、僅かな発熱変化が観測された。
〔昇華精製収率の測定〕
前記したように昇華精製は、アルバック理工株式会社製TRS−1を用いて行った。7.0×10−2Paに減圧し、310〜330℃まで昇温することで行った。ガラスチューブに付着した赤色結晶をスパチュラを用いて採取した。以下に化合物(1)〜(6)を示す。なお、化合物(1)−1〜(1)−7はいずれも化合物(1)と同じ構造を有する。
Figure 0004542607
Figure 0004542607
いずれの化合物もHPLC(検出波長254nm)を用いた純度測定にて98%以上の純度を示した。表1から、真空TG測定後の重量減少率が45%以上である場合に昇華精製収率が良好となることがわかった。また、単純に真空TG測定後の重量減少率が昇華精製収率に影響するわけではなく、常圧TG/DTA測定で求まる重量減少開始温度付近(1質量%以上減少した際)の熱変化が吸熱の場合に、より昇華精製収率が良好なものとなることがわかった。
2・・・基板
3・・・陽極
4・・・正孔注入層
5・・・正孔輸送層
6・・・発光層
7・・・正孔ブロック層
8・・・電子輸送層
9・・・陰極
10・・・有機電界発光素子(有機EL素子)

Claims (8)

  1. イリジウム錯体を昇華精製する方法において、下記一般式(1)で表されるイリジウム錯体について、真空度が1×10−3Pa以上1×10−1Pa以下の真空下において2℃/minで500℃まで昇温させて重量減少率を測定した場合、該重量減少率が45%以上となるイリジウム錯体を選択する工程を含むことを特徴とする方法。
    Figure 0004542607
    (一般式(1)中、
    、R、R、R、及びR’は各々独立に水素原子又は下記置換基群Aから選択される置換基を表す。
    ’とRは、−CR−CR−、−CR=CR−、−CR−、−O−、−NR−、−O−CR−、−NR−CR−、及び−N=CR−から選択される連結基によって連結して環を形成してもよく、該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に下記置換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。また、複数のRが互いに結合して5又は6員環を形成してもよい。
    とRは互いに結合して縮合4〜7員環を形成してもよく、該縮合4〜7員環は、シクロアルキル、シクロへテロアルキル、アリール又はヘテロアリールであり、該縮合4〜7員環は更に換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。
    とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
    環Qは、イリジウムに対して配位する少なくとも1つの窒素原子を有する芳香族複素環又は縮合芳香族複素環を表す。
    ただし、環Q又は環Qと結合しているベンゼン環のいずれか一方は縮環している。
    (X−Y)は、下記一般式(l−1)〜(l−14)から選択される補助配位子を表す。
    nは、1〜3の整数を表す。
    Figure 0004542607
    上記(l−1)〜(l−14)において、Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基群Aから選択される置換基を表す。
    置換基群A:アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、重水素原子。これらの置換基は、更に置換基群Aから選ばれる他の置換基によって置換されてもよい。
  2. 前記一般式(1)において、(X−Y)が、前記一般式(l−1)で表される補助配位子を表すことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記一般式(1)において、
    、R 、R 、及びR は各々独立に水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、
    ’は水素原子、アルキル基、又はアリール基を表し、
    (X−Y)は、前記一般式(l−1)で表される補助配位子であって、一般式(l−1)におけるRx、Ry、及びRzがそれぞれ独立にアルキル基又はハロゲン化アルキル基を表す
    ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記イリジウム錯体が、常圧下において10℃/minで昇温させた場合に、重量減少率が1〜5質量%の範囲における熱変化が、吸熱変化を示すイリジウム錯体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の方法
  5. 前記環Qが縮環し、かつR、R、R、及びRのうちいずれか少なくとも1つはメチル基又はフェニル基を表すことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の方法。ただし、R、R、R、及びRのうちいずれかがフェニル基を表す場合、該フェニル基は更に置換基を有していてもよく、該フェニル基が環Qと連結基を介し、又は単結合で結合してもよい。
  6. 前記イリジウム錯体が下記一般式(T−4)で表されることを特徴とする請求項1、4、又は5に記載の方法
    Figure 0004542607
    (一般式(T−4)中、R’は水素原子、アルキル基、ヘテロアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。
    、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、−CN、−CF、−C2n+1、トリフルオロビニル基、−COR、−C(O)R、−NR、−NO、−OR、ハロゲン原子、アリール基又はヘテロアリール基を表し、更に置換基Zを有していてもよい。該Rは各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表し、更に下記置換基群Aから選択される置換基を有していてもよい。
    Zはそれぞれ独立に、ハロゲン原子、−R’、−OR’、−N(R’)、−SR’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−C(O)N(R’)、−CN、−NO、−SO、−SOR’、−SOR’、又はSOR’を表し、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ペルハロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ヘテロアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。
    とRは、互いに結合して環を形成してもよい。
    (X−Y)は、下記(l−1)〜(l−14)から選択される補助配位子を表す。
    nは、1〜3の整数を表す。
    Figure 0004542607
    上記(l−1)〜(l−14)において、Rx、Ry及びRzはそれぞれ独立に水素原子又は置換基群Aから選択される置換基を表す。
    置換基群A:アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロアリールチオ基、スルホニル基、スルフィニル基、ウレイド基、リン酸アミド基、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン基、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロアリール基以外のヘテロ環基、シリル基、シリルオキシ基、重水素原子。これらの置換基は、更に置換基群Aから選ばれる他の置換基によって置換されてもよい。
  7. 前記イリジウム錯体が、カラムクロマトグラフィーによって精製されたものであることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の方法
  8. イリジウム錯体を含む有機電界発光素子の製造方法であって、請求項1〜のいずれかに記載の方法により、イリジウム錯体を選択し、昇華精製する工程を含むことを特徴とする有機電界発光素子の製造方法。
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