JP2004161661A - イリジウム錯体の製造方法 - Google Patents

イリジウム錯体の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004161661A
JP2004161661A JP2002328823A JP2002328823A JP2004161661A JP 2004161661 A JP2004161661 A JP 2004161661A JP 2002328823 A JP2002328823 A JP 2002328823A JP 2002328823 A JP2002328823 A JP 2002328823A JP 2004161661 A JP2004161661 A JP 2004161661A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
general formula
group
ring
iridium
substituent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Abandoned
Application number
JP2002328823A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004161661A5 (ja
Inventor
Yuji Nakayama
裕治 中山
Yoshimasa Matsushima
義正 松嶋
Yasushi Hori
容嗣 堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takasago International Corp
Original Assignee
Takasago International Corp
Takasago Perfumery Industry Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takasago International Corp, Takasago Perfumery Industry Co filed Critical Takasago International Corp
Priority to JP2002328823A priority Critical patent/JP2004161661A/ja
Priority to TW92130189A priority patent/TWI253449B/zh
Priority to PCT/JP2003/014192 priority patent/WO2004043974A1/en
Priority to AU2003276717A priority patent/AU2003276717A1/en
Publication of JP2004161661A publication Critical patent/JP2004161661A/ja
Publication of JP2004161661A5 publication Critical patent/JP2004161661A5/ja
Abandoned legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F15/00Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table
    • C07F15/0006Compounds containing elements of Groups 8, 9, 10 or 18 of the Periodic Table compounds of the platinum group
    • C07F15/0033Iridium compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、発光素子材料として有用な三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の簡便にして効率的な製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、イリジウム化合物と配位子を原料として三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、原料イリジウム化合物として下記一般式(1)
【化1】
Figure 2004161661

(式中、Aは非共役ジエン化合物を表し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される一価イリジウム複核錯体を用いることを特徴とする、三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。また、本発明は、前記の方法で得られた錯体を、単離精製することなく次の工程に使用し、連続する反応を同じ反応容器でワンポットで行う方法に関する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子用材料等に有用な三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機電界発光(EL)素子は低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、超薄型ディスプレイや電子ペーパーをはじめとした次世代表示素子の実用化といった観点から注目を集めている。
有機EL素子は、液晶に比べて応答速度も早く、かつ自発光であることから液晶のようにバックライトを必要とせず薄いフラットパネルディスプレイを形成することができる。有機EL素子は、エレクトロルミネッセンス(EL)を利用した発光デバイスであり、原理的にはLEDと同じであるが、発光材料として有機蛍光物質を使用することを特徴とするものである。
【0003】
このような有機EL素子の発光材料として各種の物質が開発されてきており、とりわけ、ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウムアセチルアセトナート(後記で例示する化合物3−1)やトリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(後記で例示する化合物5−1)をはじめとした三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は、蛍光発光に比して高い量子効率を特徴とする三重項励起状態からの燐光を発し、かつ配位子の化学構造を変化させることでその発光波長を任意に調整可能であることから注目を集めている。例えば、後記で例示する化合物5−1を用いた発光素子は緑色発光の外部量子効率において9%という高い数値を示し(非特許文献1参照)、ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(後記で例示する化合物3−7)は量子効率及び色純度の非常に高い赤色の燐光発光材料として報告されている(非特許文献2参照)。以上のことから、現在その実用化に向けて周辺のデバイス設計ならびに効率的な錯体の合成法について盛んに研究が行われている。
【0004】
さて、このような三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造法として、各種の方法が報告されている。例えば、銀塩及び水の存在下に溶媒量の配位子と塩化イリジウム(III)水和物を高温で反応させる方法(近年の例として、特許文献1参照)が知られている。この方法での目的物の収率は、10%から82%との報告がある。
また、理論量の配位子とイリジウム(III)アセチルアセトナートをグリセロール中高温で反応させる方法(近年の例として、特許文献2参照)も知られており、目的物の収率は75%と報告されている。収率は中程度であるが、この方法は反応条件が厳しい上に、この方法ではイリジウムの配位子は3種が全て同じもの(例えば、一般式(5)で表される錯体)しか合成できない。
この改良法として、理論量の配位子と塩化イリジウム(III)水和物を原料とし、ノノヤマ(Nonoyama)法(非特許文献3参照)と呼ばれる方法を用いて、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を合成し,次いで塩基の存在下にアセチルアセトンを反応させてアセチルアセトナート錯体に誘導し、これをグリセロール中で理論量の配位子と高温で反応させて一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を合成する方法が報告されている(近年の例として、非特許文献4及び5、並びに特許文献3参照)。この方法では、一段階目の収率は75%以上、二段階目の収率は75〜90%、三段階目の収率は85%と報告(非特許文献5参照)されている。この方法によれば共通の原料を用いて3種の配位子が異なる錯体(一般式(3))と、同じ錯体(一般式(5))を作り分けることができる上に各段階の収率も良好ではあるが、多段階の反応であり、各中間体及び目的物の単離精製が煩雑な点、またこれらの実験操作による目的物の損失が問題点として挙げられる。
【0005】
【特許文献1】
WO 02/02714号
【特許文献2】
WO 02/15645号
【特許文献3】
特開2002−105055号
【非特許文献1】
バルドーら著、アプライドフィジークスレターズ、第75巻、1999年、第4−6頁(Baldo M.A.et al.,Appl.Phys.Lett.,1999,75,4−6.)
【非特許文献2】
アダチら著、アプライドフィジークスレターズ、78巻、2001年、第1622−1624頁(Adachi,C.et al.,Appl.Phys.Lett.,2001,78,1622−1624.)
【非特許文献3】
ノノヤマ著、ブルテンオブザケミカルソサエティーオブジャパン、第47巻3号、1974年、第767−768頁(M. Nonoyama, Bull.Chem.Soc.Jpn.,1974,47(3),767−768.)
【非特許文献4】
ラマンスキーら著、ジャーナルオブザアメリカンケミカルソサエティー、123巻、2001年、4304−4312頁(S. Lamansky, et. al., J.Am.Chem.Soc.,2001,123,4304−4312.)
【非特許文献5】
ラマンスキーら著、インオーガニックケミストリー、40巻、2001年、1704−1711頁(S. Lamansky, et. al., Inorg.Chem.,2001,40,1704−1711.)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は有機EL素子の発光材料として期待されているが、その製造方法は煩雑な過程を経るものであり、発光材料としての実用化に向けて、より一層の簡便にして高収率な錯体の製造方法の確立が望まれている。本発明は、発光素子材料として有用な三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の簡便にして効率的な製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、温和な条件で簡便に三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を効率的に製造する方法を鋭意検討してきた結果、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を原料とすることにより、温和な条件で、かつ短時間で効率的に一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体が定量的に得られることを見出した。
この方法で得られた一般式(2)で表される錯体を単離精製した後に他の錯体合成に供することも可能ではあるが、さらに本発明者らは実用的なイリジウム錯体の製造法を確立すべく鋭意検討を重ねた結果、この反応により得られる一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体は、反応混合物からこの錯体を単離精製することなく、同一反応器に塩基と一般式(7)若しくは一般式(8)で表される化合物、又は銀塩と一般式(6)で表される化合物を添加して反応させることで、3種の配位子が異なる錯体(一般式(3)及び一般式(4))と、同じ錯体(一般式(5))を簡便な手法で高収率、かつ任意に作りわけることが可能であることを見出した。本発明は以上の知見を基にして完成されたものである。
即ち、本発明は、イリジウム化合物と配位性化合物を原料として三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、原料イリジウム化合物として下記一般式(1)
【0008】
【化20】
Figure 2004161661
【0009】
(式中、Aは非共役ジエン化合物を表し、Xはハロゲン原子を示す。)
で表される一価イリジウム複核錯体を用いることを特徴とする、三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。
より詳細には、本発明は、前記一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、次の一般式(6)
【0010】
【化21】
Figure 2004161661
【0011】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ。)
で表される化合物とを反応させることを特徴とする、次の一般式(2)
【0012】
【化22】
Figure 2004161661
【0013】
(式中、環B、環C及びXは前記と同じ。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体の製造方法に関する。本発明のこの方法を反応式で簡潔に示せば次のとおりである。
一般式(1) + 一般式(6) → 一般式(2)
【0014】
また、本発明は、前記した方法により得られた一般式(2)で表される錯体を用いて一般式(3)、一般式(4)又は一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体に変換する方法を提供するものであり、当該反応を一般式(2)で表される錯体を反応混合物中から単離精製することなく、一般式(2)で表される錯体を含む反応混合物をそのまま用いて次の反応を行うことができることも本発明の大きな特徴のひとつである。
即ち、本発明は、前記一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、前記一般式(6)で表される化合物とを反応させて一般式(2)で表される化合物を製造し、次いで、次の一般式(7)
【0015】
【化23】
Figure 2004161661
【0016】
(式中、R、R 及びRは前記と同じ。)
で表される化合物を反応させることを特徴とする、次の一般式(3)
【0017】
【化24】
Figure 2004161661
【0018】
(式中、環B、環C、R、R及びRは前記と同じ。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。本発明のこの方法を反応式で簡潔に示せば次のとおりである。
第一工程: 一般式(1) + 一般式(6) → 一般式(2)
第二工程: 一般式(2) + 一般式(7) → 一般式(3)
本発明のこの方法は、段階的に行うこともできるし、連続的に行うこともできる。そして、連続的に行う場合には、第一工程の反応混合物中に一般式(7)で表される化合物を添加して、同じ反応容器の中でワンポットで行うこともできる。
【0019】
また、本発明は、前記した一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、前記した一般式(6)で表される化合物とを反応させ、次いで、下記の一般式(8)
【0020】
【化25】
Figure 2004161661
【0021】
(式中、環Dは前記と同じ。)
で表される化合物を反応させることを特徴とする、下記の一般式(4)
【0022】
【化26】
Figure 2004161661
【0023】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。本発明のこの方法を反応式で簡潔に示せば次の通りである。
第一工程:一般式(1) + 一般式(6) → 一般式(2)
第二工程:一般式(2) + 一般式(8) → 一般式(4)
本発明のこの方法は、段階的に行うこともできるし、連続的に行うこともできる。そして、連続的に行う場合には、第一工程の反応混合物中に一般式(8)で表される化合物を添加して、同じ反応容器の中でワンポットで行うこともできる。
【0024】
また、本発明は、前記一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、前記一般式(6)で表される化合物とを反応させて一般式(2)で表される化合物を製造し、次いで、銀塩及び一般式(6)で表される化合物と反応させることを特徴とする、次の一般式(5)
【0025】
【化27】
Figure 2004161661
【0026】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法に関する。本発明のこの方法を反応式で簡潔に示せば次のとおりである。
第一工程: 一般式(1) + 一般式(6) → 一般式(2)
第二工程: 一般式(2) + 銀塩 + 一般式(6) → 一般式(5)
本発明のこの方法は、段階的に行うこともできるし、連続的に行うこともできる。そして、連続的に行う場合には、第一工程の反応混合物中に銀塩を添加して、同じ反応容器の中でワンポットで行うこともできる。
【0027】
本発明は、三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、原料として前記した一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を用いることを特徴とするものであり、そして、原料として前記した一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を用いることにより目的の三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を同じ反応容器でワンポットで製造することができることをも特徴とするものである。
前記した本発明の方法により、下記の一般式(2)、
【0028】
【化28】
Figure 2004161661
【0029】
次の一般式(3)、
【化29】
Figure 2004161661
【0030】
次の一般式(4)、
【化30】
Figure 2004161661
【0031】
又は、次の一般式(5)
【化31】
Figure 2004161661
【0032】
(上記式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示し、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示し、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。Xはハロゲン原子を示す。R及びRは夫々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。また、RとR又はRとRとが一緒になって隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体など、各種の配位性化合物を配位子として有するイリジウム錯体を製造することができる。
【0033】
本発明の製造方法の原料化合物として使用される一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体について、まず説明する。
一般式(1)において、Aで示される非共役ジエン化合物としては、環状の非共役ジエン化合物でも非環状の非共役ジエン化合物でもよく、反応に悪影響を与えない置換基で置換されていてもよい。環状としては、単環状、多環状、縮合環状、架橋環状などのいずれの環状であってもよい。好ましいAで示される非共役ジエン化合物としては、例えば、炭素数5〜20、好ましくは炭素数5〜10の非共役ジエン化合物が挙げられ、中でも環状の非共役ジエン化合物が好ましい。好ましい非共役ジエン化合物の具体例としては、1,5−シクロオクタジエン(cod)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン(nbd)等の環状化合物が挙げられる。
一般式(1)におけるXで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、中でも塩素原子が好ましい。好ましい一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体としては、下記の一般式(9)又は一般式(10)
【0034】
【化32】
Figure 2004161661
【0035】
【化33】
Figure 2004161661
【0036】
(上記式中、Xは前記と同じ)
で表される一価イリジウム複核錯体等が挙げられる。
次に、本発明により製造することができる一般式(2)〜一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体について説明する。
【0037】
一般式(2)において、環Bで示される置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基は、アリール基、置換アリール基、ヘテロアリール基、置換ヘテロアリール基等の基が挙げられる。
アリール基としては、例えば炭素数6〜14の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、異種原子として1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、例えば5員環又は6員環の単環式、多環式、又は縮合環式の芳香族複素環基が挙げられ、その具体例としては、例えばピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
置換アリール基は、前記アリール基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された基が挙げられる。また、置換ヘテロアリール基は、前記ヘテロアリール基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された基が挙げられる。
【0038】
これら置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、アルキレンジオキシ基等が挙げられる。アルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数1〜15、好ましくは1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数2〜6のアルケニル基が挙げられ、具体的にはエテニル基、プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基等が挙げられる。アルキニル基としては、例えば炭素数2〜5のアルキニル基が挙げられ、具体的にはエチニル基、1−プロピニル基、3−プロピニル基、1−ブチニル基、3−ブチニル基、ペンチニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば炭素数6〜14の単環式、多環式、又は縮合環式のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、異種原子として1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、例えば5員又は6員の単環、多環式、又は縮合環式の芳香族複素環基が好ましく、その具体例としては、例えばピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。
【0039】
アルコキシ基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、2−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。アルキルチオ基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルキルチオ基が挙げられ、具体的にはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、2−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、tert−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基等が挙げられる。アシル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でも良く、例えば炭素数1〜7のカルボン酸由来のアシル基が挙げられ、具体的にはホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基としては、直鎖状でも分岐状でも良く、例えば炭素数2〜7のアルキルオキシカルボニル基が挙げられ、具体的にはメチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、n−ブチルオキシカルボニル基、tert−ブチルオキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。アルキレンジオキシ基としては、例えば炭素数1〜3のアルキレンジオキシ基が挙げられ、具体的にはメチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、プロピレンジオキシ基等が挙げられる。
【0040】
環Cにおける含窒素アリール基としては、環中に少なくとも1個の窒素原子を異種原子として有するヘテロアリール基であり、さらに異種原子として1〜2個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい、例えば5員環又は6員環の単環式、多環式、又は縮合環式の芳香族複素環基が挙げられ、少なくとも1個の窒素原子はイリジウム原子に配位することができる位置にあるものが好ましい。含窒素アリール基としては、例えば、ピリジル基、キノリル基等が挙げられる。
環Cにおける含窒素アリール基は、置換基を有していてもよく、置換含窒素アリール基としては、前記した含窒素アリール基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換された基が挙げられる。該置換基としては、上記環Bにおける置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。環Bと環Cとが結合して環を形成する場合の環としては、ベンゾキノリン等の縮合環が挙げられる。
【0041】
本発明の製造方法により得られる一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の好ましい例として、例えば、下記の一般式(11)
【0042】
【化34】
Figure 2004161661
【0043】
(式中、R、R、R10、及びR11は夫々独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、Xはハロゲン原子を示し、環Bは前記と同じ。また、環Bは、該環Bと結合しているピリジル基と互いに結合して環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体が挙げられる。
一般式(11)のR、R、R10、及びR11における、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、及びアルキルオキシカルボニル基は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。一般式(11)におけるXで示されるハロゲン原子も前記した通りである。
好ましい環Bとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フリル基、置換フリル基、ベンゾフリル基、置換ベンゾフリル基、チエニル基、置換チエニル基、ベンゾチエニル基、置換ベンゾチエニル基等が挙げられる。ここで、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換フリル基、置換ベンゾフリル基、置換チエニル基、置換ベンゾチエニル基等の置換基としては、前記一般式(2)における置換アリール基及び置換へテロアリール基で説明した置換基が挙げられる。
【0044】
一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の具体例としては、例えば下記に示される化合物(2−1)〜(2−16)
【0045】
【化35】
Figure 2004161661
【0046】
【化36】
Figure 2004161661
【0047】
などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる次の一般式(3)
【化37】
Figure 2004161661
【0048】
(式中、環B、環C、R、R及びRは前記と同じ。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体における、環B、環C、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びヘテロアリール基の各基は前記した一般式(2)で説明したとおりである。これらの各基もさらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。好ましい置換基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子が挙げられ、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリール基、ハロゲン化ヘテロアリール基などの置換基を有する基を例示できる。
一般式(3)のR、R及びRで示される基におけるアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、2−プロピル基、n−ブチル基、2−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、tert−ペンチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、2−ヘキシル基、3−ヘキシル基、tert−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、2−メチルペンタン−3−イル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としては、例えば前記アルキル基が1個又は2個以上のハロゲン原子でハロゲン化(例えばフッ素化、塩素化、臭素化、沃素化等。)された炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基が挙げられ、具体的にはクロロメチル基、ブロモメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、3−ブロモプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば炭素数6〜14のアリール基が挙げられ、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントリル基等が挙げられる。ヘテロアリール基としては、例えば5員又は6員の単環の芳香族複素環基や多環の芳香族複素環基が好ましく、異種原子として1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる芳香族複素環基が挙げられ、その具体例としては、例えばピリジル基、イミダゾリル基、チアゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基等が挙げられる。RとR又はRとRとが結合して環を形成する場合には、環は単環でも多環でもよく、5員環又は6員環が好ましい。環を形成する場合の具体例としては、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等が挙げられる。
一般式(3)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の好ましい例としては、次の一般式(12)
【0049】
【化38】
Figure 2004161661
【0050】
(式中、R、R、R10、R11、R、R、R、及び環Bは前記と同じであり、また、環Bは、該環Bと結合しているピリジル基と互いに結合して環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体などが挙げられる。
好ましい環Bとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フリル基、置換フリル基、ベンゾフリル基、置換ベンゾフリル基、チエニル基、置換チエニル基、ベンゾチエニル基、置換ベンゾチエニル基等が挙げられる。ここで、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換フリル基、置換ベンゾフリル基、置換チエニル基、置換ベンゾチエニル基等の置換基としては、前記一般式(2)における置換アリール基及び置換へテロアリール基で説明した置換基が挙げられる。
一般式(3)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の具体例としては、例えば下記の化合物(3−1)〜(3−16)
【0051】
【化39】
Figure 2004161661
【0052】
【化40】
Figure 2004161661
【0053】
などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる次の一般式(4)
【0054】
【化41】
Figure 2004161661
【0055】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体における、環B、及び環Cは前記した一般式(2)で説明したとおりである。環Dは、ピリジン環を有する基であり、当該ピリジン環は単環式、多環式、縮合環式のものものであってもよく、これらの環に結合している水素原子の1個又は2個以上が置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を製造する際の反応に悪影響を与えない基であれば特に制限はないが、このような置換基の例としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。
一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の好ましい例としては、次の一般式(13)
【0056】
【化42】
Figure 2004161661
【0057】
(式中、R、R、R10、R11、R、R、R、R及び環Bは、前記と同じ)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体が挙げられる。
一般式(13)のR、R、R10、R11、R、R、R、及びRにおける、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、及びアルキルオキシカルボニル基は、前記で説明した基と同様のものである。これらの基は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。
好ましい環Bとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フリル基、置換フリル基、ベンゾフリル基、置換ベンゾフリル基、チエニル基、置換チエニル基、ベンゾチエニル基、置換ベンゾチエニル基等が挙げられる。ここで、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換フリル基、置換ベンゾフリル基、置換チエニル基、置換ベンゾチエニル基等の置換基としてはは、前記一般式(2)における置換アリール基及び置換へテロアリール基で説明した置換基が挙げられる。
一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の具体例としては、例えば下記の化合物(4−1)〜(4−8)
【0058】
【化43】
Figure 2004161661
【0059】
などが挙げられる。
本発明の製造方法により得られる次の一般式(5)
【0060】
【化44】
Figure 2004161661
【0061】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体における環B及び環Cは、前記で説明したと同様の基である。好ましい一般式(5)で表される化合物の例としては、次の一般式(14)
【0062】
【化45】
Figure 2004161661
【0063】
(式中、R、R、R10、R11、及び環Bは、前記と同じであり、また、環Bは、該環Bと結合しているピリジル基と互いに結合して環を形成してもよい。)
で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体などが挙げられる。
好ましい環Bとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フリル基、置換フリル基、ベンゾフリル基、置換ベンゾフリル基、チエニル基、置換チエニル基、ベンゾチエニル基、置換ベンゾチエニル基等が挙げられる。ここで、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換フリル基、置換ベンゾフリル基、置換チエニル基、置換ベンゾチエニル基等の置換基としては、前記一般式(2)における置換アリール基及び置換へテロアリール基で説明した置換基が挙げられる。
一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の具体例としては、例えば下記の化合物(5−1)〜(5−10)
【0064】
【化46】
Figure 2004161661
【0065】
が挙げられる。
【0066】
次に本発明の製造方法において原料として使用される一般式(6)〜一般式(8)で表される化合物について説明する。
本発明の製造方法における配位性化合物とは、イリジウム錯体の配位子になることができる化学構造を有する化合物である。配位性化合物の全体がイリジウム錯体の配位子になってもよいし、配位性化合物の一部の原子又は原子団などが脱離して、一部分の構造のみがイリジウム錯体の配位子となる化合物であってもよい。
本発明の方法に用いられる一般式(6)
【0067】
【化47】
Figure 2004161661
【0068】
(式中、環B及び環Cは前記と同じ。)
で表される化合物における環B及び環Cとしては、前記一般式(2)で説明したとおりである。一般式(6)で表される化合物の好ましい例としては、次の一般式(15)
【0069】
【化48】
Figure 2004161661
【0070】
(式中、R、R、R10、及びR11は夫々独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、又はハロゲン原子を示し、環Bは置換基を有してもよいアリール基又はヘテロアリール基を示す。また、環Bは、該環Bと結合しているピリジル基と互いに結合して環を形成してもよい。)
で表される化合物が挙げられる。
一般式(15)のR、R、R10、及びR11における、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、及びアルキルオキシカルボニル基は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。好ましい環Bとしては、フェニル基、置換フェニル基、ナフチル基、置換ナフチル基、フリル基、置換フリル基、ベンゾフリル基、置換ベンゾフリル基、チエニル基、置換チエニル基、ベンゾチエニル基、置換ベンゾチエニル基等が挙げられる。ここで、置換フェニル基、置換ナフチル基、置換フリル基、置換ベンゾフリル基、置換チエニル基、置換ベンゾチエニル基等の置換基としては、前記一般式(2)における置換アリール基及び置換へテロアリール基で説明した置換基が挙げられる。
本発明の方法に用いられる一般式(7)
【0071】
【化49】
Figure 2004161661
【0072】
(式中、R、R 及びRは前記と同じ。)
で表される化合物における、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、及びヘテロアリール基は、さらに置換基を有してもよく、前記一般式(3)で説明したと同様の基である。さらに、一般式(7)で表される化合物におけるR、R及びRで示される基については、上記一般式(3)で説明した通りである。
本発明で用いられる一般式(7)で表される化合物の具体例としては、例えば、アセチルアセトン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−トリフルオロアセチルシクロペンタノン等が挙げられる。
本発明の方法に用いられる一般式(8)
【0073】
【化50】
Figure 2004161661
【0074】
(式中、環Dは前記と同じ。)
で表される化合物における環Dとしては、前記一般式(4)で説明したとおりのものである。一般式(8)で表される化合物の好ましい例としては、次の一般式(16)
【0075】
【化51】
Figure 2004161661
【0076】
(式中、R、R、R、及びRは夫々独立して、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、シアノ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、ニトロ基又はハロゲン原子を示す。)
で表されるピリジンカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。
一般式(16)のR、R、R、及びRにおける、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、及びアルキルオキシカルボニル基は、前記で説明した基と同様のものである。これらの基は、さらに置換基を有していてもよく、このような置換基としては前記一般式(2)における置換アリール基及び置換ヘテロアリール基で説明した置換基と同様の基が挙げられる。
【0077】
次に、下記1)〜4)において、本発明の製造方法をスキーム1〜4を用いて説明する。
1)スキーム1は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を原料として用いて、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体の製造方法を説明した式である。
<スキーム1>
【0078】
【化52】
Figure 2004161661
【0079】
一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と一般式(6)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、容易に製造することができる。
一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体及び一般式(6)で表される化合物の使用量は、一般式(1)の化合物に対して、一般式(6)で表される化合物を通常2〜50当量、好ましくは3〜20当量、より好ましくは4〜6当量の範囲から適宜選択される。
【0080】
本製造方法は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類、水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても2種以上適宜組み合わせて用いても良い。これら溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブタノール、2−エトキシエタノール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、グリセリン等の多価アルコール類及び水を単独で或いは2種以上を併用することが好ましい。
使用する溶媒の量としては、反応が十分に進行できる量であれば特に制限はないが、好ましくは一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体に対して通常1〜200倍量、好ましくは約5〜50倍量程度がよい。
【0081】
上記製造方法は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。また、上記製造方法は、超音波発生装置を併用して行うことができる。
反応温度は、通常25℃〜300℃、好ましくは60℃〜200℃、より好ましくは80℃〜150℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常10分〜72時間、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜6時間の範囲から適宜選択される
このようにして得られた生成物は、一切の後処理を行うことなく次の反応に供することが好ましいが、必要に応じて後処理、単離及び精製を行うこともできる。後処理の方法としては、例えば反応物の抽出、沈殿物の濾過、溶媒の添加による晶析、溶媒の留去などが挙げられ、これらを単独もしくは併用して行うことができる。精製の方法としては、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶、昇華などが挙げられ、これらを単独あるいは併用して行うことができる。
【0082】
2)スキーム2は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を原料として用いて、一般式(3)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法を説明した式である。
<スキーム2>
【0083】
【化53】
Figure 2004161661
【0084】
先ず、前記したスキーム1により、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と一般式(6)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を容易に得ることができる。
次に、得られた一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体と一般式(7)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて塩基の存在下、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(3)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を容易に得ることができる。
ここで、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体は、上記後処理、単離及び精製を行った後、一般式(7)で表される化合物と反応させてもよいが、本製造方法においては、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を後処理等を行うことなく、一般式(7)で表される化合物を順次添加して反応に供する、ワンポットによる製造方法を行うことが好ましい。
また、一般式(7)で表される化合物及び塩基は、夫々別々に順次反応系に添加しても、或いは予め一般式(7)で表される化合物及び塩基とを反応させた後に反応系内に添加する方法を用いることもできる。予め一般式(7)で表される化合物及び下記に詳述する塩基とを反応させる場合には、一般式(7)で表される化合物から誘導される化合物としては、例えば、ナトリウムアセチルアセトナート、カリウム−2−アセチルシクロヘキサナート、カリウムベンゾイルアセトナート等が挙げられる。
一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体及び一般式(6)で表される化合物の使用量は、一般式(1)の化合物に対して、一般式(6)で表される化合物を通常2〜50当量、好ましくは3〜20当量、より好ましくは4〜6当量の範囲から適宜選択される。
一般式(7)で表される化合物の使用量は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体に対して、通常1〜20当量、好ましくは1.5〜10当量、より好ましくは2〜3当量の範囲から適宜選択される。
【0085】
本製造方法は、塩基の存在下で行うことが好ましい。塩基としては、無機塩基、有機塩基等が挙げられる。無機塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。有機塩基としては、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン、N−メチルモルホリン等の有機アミン類、水素化ナトリウム等の金属水素化物類等が挙げられる。
塩基の使用量は、一般式(7)で表される化合物に対して通常0.5〜10当量、好ましくは0.8〜2当量、より好ましくは1〜1.2当量の範囲から適宜選択される。
上記製造方法は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。また、上記製造方法は、超音波発生装置を併用して行うことができる。
本製造方法は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は、上記のスキーム1で説明した溶媒と同様のものが挙げられる。
反応温度は、通常25〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜150℃の範囲から適宜選択される。
反応時間は、通常3分〜48時間、好ましくは10分〜24時間、更に好ましくは30分〜3時間の範囲から適宜選択される。
このようにして得られた一般式(3)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は、上記のスキーム1で説明した後処理、単離及び精製を適宜行った後、燐光発光材料に供することができる。
【0086】
3)スキーム3は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を原料として用いた、一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法を説明した式である。
<スキーム3>
【0087】
【化54】
Figure 2004161661
【0088】
先ず、前記したスキーム1により、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と一般式(6)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を容易に得ることができる。
次に、得られた一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体と一般式(8)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて塩基の存在下、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を容易に得ることができる。
ここで、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体は、上記後処理、単離及び精製を行った後、一般式(8)で表される化合物と反応させてもよいが、本製造方法においては、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を後処理等を行うことなく、一般式(8)で表される化合物を順次添加して反応に供する、ワンポットによる製造方法を行うことが好ましい。
また、一般式(8)で表される化合物及び塩基は、夫々別々に順次反応系に添加しても、或いは予め一般式(8)で表される化合物及び塩基とを反応させた後に反応系内に添加する方法を用いることもできる。予め一般式(8)で表される化合物及び後に詳述する塩基とを反応させる場合には、一般式(8)で表される化合物から誘導される化合物としては、例えば、ナトリウムピコリナート、3−シアノピリジン−2−カルボン酸ナトリウム、5−フェニルピリジン−2−カルボン酸カリウム等が挙げられる。
一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体及び一般式(6)で表される化合物の使用量は、一般式(1)の化合物に対して、一般式(6)で表される化合物を通常2〜50当量、好ましくは3〜20当量、より好ましくは4〜6当量の範囲から適宜選択される。
一般式(8)で表される化合物の使用量は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体に対して、通常1〜20当量、好ましくは1.5〜10当量、より好ましくは2〜3当量の範囲から適宜選択される。
本製造法は塩基の存在下で行うことが望ましい。塩基は、上記のスキーム2で説明した塩基と同様のものが挙げられる。
上記製造方法は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。また、上記製造方法は、超音波発生装置を併用して行うことができる。
本製造方法は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は、上記のスキーム1で説明した溶媒と同様のものが挙げられる。反応温度は、通常25〜300℃、好ましくは60〜200℃、より好ましくは80〜150℃の範囲から適宜選択される。反応時間は、通常3分〜48時間、好ましくは10分〜24時間、更に好ましくは30分〜3時間の範囲から適宜選択される。
このようにして得られた一般式(4)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は、上記のスキーム1で説明した後処理、単離及び精製を適宜行った後、燐光発光材料に供することができる。
【0089】
4)スキーム4は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を原料として用いた一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体の製造方法を説明した式である。
<スキーム4>
【0090】
【化55】
Figure 2004161661
【0091】
先ず、前記したスキーム1により、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と一般式(6)で表される化合物とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を容易に得ることができる。
次に、得られた一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体と一般式(6)で表される化合物と銀塩とを適当な溶媒中或いは無溶媒で、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で反応させることにより、一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を容易に得ることができる。ここで、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体は、上記後処理、単離及び精製を行った後、銀塩及び一般式(6)で表される化合物と反応させてもよいが、本製造方法においては、一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を後処理等を行うことなく、銀塩を順次添加して反応に供する、ワンポットによる製造方法を行うことが好ましい。
また、一般式(1)で表される化合物と一般式(6)で表される化合物とを反応させた後に銀塩を添加後、さらに一般式(6)で表される化合物を添加して反応を行うこともできる。
銀塩としては、例えば、硝酸銀、酢酸銀、トリフルオロ酢酸銀、メタンスルホン酸銀、トリフルオロメタンスルホン酸銀等が挙げられ、中でもトリフルオロ酢酸銀及びトリフルオロメタンスルホン酸銀が好ましい。
銀塩の使用量は、一般式(1)で表される化合物に対して通常1〜20当量、好ましくは1.5〜10当量、より好ましくは2〜3当量の範囲から適宜選択される。
一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体及び一般式(6)で表される化合物の使用量は、一般式(1)の化合物に対して、一般式(6)で表される化合物を通常4〜100当量、好ましくは6〜40当量、より好ましくは8〜12当量の範囲から適宜選択される。また、銀塩を添加した後、さらに一般式(6)で表される化合物を添加して反応を行う場合の一般式(6)で表される化合物の添加量は、一般式(1)で表される化合物に対して、通常2〜50当量、好ましくは3〜10当量、より好ましくは4〜6当量の範囲から適宜選択される。
上記製造方法は、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。不活性ガスとしては、窒素ガス、アルゴンガス等が挙げられる。また、上記製造方法は、超音波発生装置を併用して行うことができる。
本製造方法は、溶媒を用いることが好ましい。溶媒は、上記のスキーム1で説明した溶媒と同様のものが挙げられる。反応温度は、通常25℃〜300℃、好ましくは60℃〜200℃、より好ましくは80℃〜150℃の範囲から適宜選択される。反応時間は、通常10分〜72時間、好ましくは30分〜48時間、より好ましくは1時間〜6時間の範囲から適宜選択される。
このようにして得られた一般式(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は、上記のスキーム1で説明した後処理、単離及び精製を適宜行った後、燐光発光材料に供することができる。
【0092】
本発明の製造方法は、一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体を用いることが特徴である。それにより、一般式(2)、(3)、(4)、又は(5)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を効率良く製造でき、更に、中間体である一般式(2)で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム複核錯体を単離せずに、ワンポットでの製造方法が可能となったものであり、下記特徴を有するものである。
1)他段階の反応を同一の反応器、同一の溶媒で行える。
2)中間体を合成した後に通常行うべき溶媒回収、後処理及び単離精製といった煩雑な操作が必要ない。
3)2)で示した諸操作による中間体の物理的損失が最小限に抑えられる
4)1)〜3)に示した理由により、中間体及び最終目的物のコストが抑えられる。
【0093】
本発明の製造方法により得られた三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体は燐光発光材料等に有用である。
【0094】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
なお、実施例中のs/sとは、原料である一価イリジウム複核錯体の重量に対する溶媒の容積比であり、単位はmL/gである。
【0095】
実施例1 化合物(2−1)(ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)クロライド ダイマー)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(2.00g、2.98mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(20mL、s/s=10)、2−フェニルピリジン(2.56mL、17.88mmol、6.0当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて攪拌を行った。配位子を加えると同時に赤色の懸濁液が黄土色へと変色し、加熱とともに溶解して赤色の溶液となるが、攪拌とともに黄色の懸濁液を与えた。3時間攪拌した後に反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=10/1)で精製した。カラムの分画を濃縮後に得られた黄色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶することで、標題の化合物(2−1)が黄色の粉体として3.06g得られた。収率95.8%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
5.87 (dd, J=1.1, 7.8Hz, 4H), 6.60 (dt, J=1.2, 7.8Hz, 4H),
6.79−6.85 (m, 8H), 7.56 (dd, J=1.3, 7.8Hz, 4H),
7.80 (dt, J=1.6, 7.8Hz, 4H), 7.94 (d, J=7.8Hz, 4H),
9.25 (dd, J=0.8, 5.7Hz, 4H).
【0096】
実施例2 化合物(2−10)(ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)クロライド ダイマー)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(2.00g、2.98mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(20mL、s/s=10)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(3.42g、17.88mmol、6.0当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて攪拌を行った。配位子を加えると同時に赤色の懸濁液が灰色に変色し、加熱とともに溶解して暗赤色の溶液となるが、攪拌とともにレモン色の懸濁液を与えた。3時間攪拌した後に反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=10/1)で精製した。カラムの分画を濃縮後に得られた黄緑色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶することで、標題の化合物(2−10)が黄緑色の粉体として3.53g得られた。収率97.4%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
5.29 (dd, J=2.5, 9.1Hz, 4H), 6.38 (ddd, J=2.5, 9.1, 12.5Hz, 4H),
6.87 (ddd, J=1.5, 5.8, 7.2Hz, 4H),
7.87(ddd, J=1.5, 5.8, 7.2Hz, 4H),
8.33 (ddd, J=0.7, 1.5, 8.1Hz, 4H),
9.12(ddd, J=0.7, 1.5, 5.8Hz, 4H).
【0097】
実施例3 化合物(2−9)(ビス[2−(4−メチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)クロライド ダイマー)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−(4−メチルフェニル)ピリジン(504mg、2.976mmol、4.0当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流条件(135℃)にて攪拌した。配位子を加えると同時に赤色の懸濁液が黄土色に変色し、加熱と共に溶解して暗赤色の溶液となるが、攪拌とともに黄色の沈殿が生じた。3時間攪拌した後に反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=100/1〜20/1)で精製した。カラムの分画を濃縮後、得られた黄色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(2−9)を黄色の粉体として734mg、晶析母液からの再結晶品を同様の形状にて60mg得た(計794mg)。収率94.6%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.96 (s, 12H), 5.66 (d, J=0.7Hz, 4H), 6.61−6.64 (m, 4H),
6.77 (ddd, J=1.5, 5.7, 7.4Hz, 4H), 7.44 (d, J=7.8Hz, 4H),
7.75 (ddd, J=1.5, 7.4, 8.1Hz, 4H),
7.87 (ddd, J=0.7, 1.5, 8.1Hz, 4H),
9.19 (ddd, J=0.7, 1.5, 5.7Hz, 4H).
【0098】
実施例4 化合物(2−12)(ビス[2−(4−メトキシフェニル)−5−トリフルオロメチルピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)クロライド ダイマー)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(200mg、0.298mmol、1当量)及び2−(4−メトキシフェニル)−5−トリフルオロメチルピリジン(302mg、1.192mmol、4.0当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)を加え、窒素雰囲気下還流条件(135℃)にて攪拌した。配位子を加えて得られた赤色の懸濁駅を加熱すると溶解し、攪拌とともに山吹色の沈殿を与えた。3時間攪拌した後に反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=100/0〜100/1)にて精製した。カラムの分画を濃縮後、得られた橙色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(2−12)を山吹色の粉体として394mg得た。収率90.3%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
3.40 (s, 12H), 5.22 (d, J=2.5Hz, 4H),
6.49 (dd, J=2.5, 8.6Hz, 4H),7.58 (d, J=8.6Hz, 4H),
7.90−7.95 (m, 8H), 9.57 (s, 4H).
【0099】
実施例5 化合物(3−1)(ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート)の製造
(1) (1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−フェニルピリジン(468μL、3.274mmol、4.4当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄色の懸濁液を室温にまで冷却し、アセチルアセトン(230μL、2.232mmol、3.0当量)及び炭酸ナトリウム(237mg、2.232mmol、3.0当量)を順次加え、還流下にてさらに2時間攪拌し山吹色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、ヘキサン/ジクロロメタンから再結晶を行い、標題の化合物(3−1)を山吹色の粉末として720mg得た。収率80.7%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.79 (s, 6H), 5.23 (s, 1H), 6.23 (dd, J=1.2, 7.3Hz, 2H),
6.68 (dt, J=1.3, 7.3Hz, 2H), 6.84 (ddd, J=1.2, 7.3, 7.7Hz, 2H),
7.19 (ddd, J=1.6, 5.7, 7.5Hz, 2H), 7.57 (dd, J=1.3, 7.7Hz, 2H),
7.77 (ddd, J=1.6, 7.5, 8.2Hz, 2H),
7.88 (ddd, J=0.8, 1.6, 8.2Hz, 2H),
8.49 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.7Hz, 2H).
【0100】
(2) 同様の方法をスケールを上げて行った。原料として、(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(5.00g、7.44mmol、1.0当量)、2−フェニルピリジン(4.7mL、32.74mmol、4.4当量)、アセチルアセトン(2.3mL、22.32mmol、3.0当量)、炭酸ナトリウム(2.37g、22.32mmol、3.0当量)及び2−エトキシエタノール(50mL、s/s=10)を用いて、同様にして、標題の化合物(3−1)を8.03g得た。収率90.0%。得られた化合物の形状、物性及びスペクトルデータは、実施例5(1)で得られたものと一致した。 実施例5(1)においては収率80.7%であったので、本発明の方法は大量の製造に適しているということがわかる。
【0101】
実施例6 化合物(3−10)(ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート)の製造
(1) (1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(626mg、3.274mmol、4.4当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて3時間攪拌した。得られたレモン色の懸濁液を室温にまで冷却し、アセチルアセトン(230μL、2.232mmol、3.0当量)及び炭酸ナトリウム(237mg、2.232mmol、3.0当量)を順次加え、還流下にてさらに2時間攪拌し黄色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、ヘキサン/ジクロロメタンから再結晶を行い、標題の化合物(3−10)がレモン色の粉体として896mg得られた。収率78.9%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.80 (s, 6H), 5.31 (s, 1H), 5.50 (dd, J=2.4, 8.8Hz, 2H),
6.38 (ddd, J=2.4, 9.3, 12.5Hz, 2H),
7.24 (ddd, J=1.5, 5.7, 7.3Hz, 2H),
7.84 (ddt, J=0.6, 1.6, 7.3Hz, 2H), 8.22−8.28 (m, 2H),
8.44 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.7Hz, 2H).
【0102】
(2) 同様の方法をスケールを上げて行った。原料として、(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(5.00g、7.44mmol、1.0当量)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(6.00g、32.74mmol、4.2当量)、アセチルアセトン(2.3mL、22.32mmol、3.0当量)、炭酸ナトリウム(2.37g、22.32mmol、3.0当量)及び2−エトキシエタノール(50mL、s/s=10)を用いて、同様にして標題の化合物(3−10)の一番晶をレモン色の粉末として8.53g、また純度95.9%の分画として二番晶を黄色の粉末として0.57g得た。通算収率90.5%。得られた化合物の形状、物性及びスペクトルデータは実施例6(1)で得られたものと一致した。
実施例6(1)においては収率78.9%であったので、本発明の方法は大量の製造に適しているということがわかる。
【0103】
実施例7 化合物(3−9)(ビス[2−(4−メチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−(4−メチルフェニル)ピリジン(504mg、2.976mmol、4.0当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流条件(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄色の懸濁液を室温にまで冷却し、アセチルアセトン(230μL、2.232mmol、3.0当量)及び炭酸ナトリウム(237mg、2.232mmol、3.0当量)を順次加えさらに3時間攪拌し、黄土色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)で精製した。カラムの分画を濃縮後、得られた黄色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(3−9)を黄色の粉体として736mg、晶析母液からの再結晶品を同様の形状にて27mg得た(計763mg)。収率81.7%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.78 (s, 6H), 2.06 (s, 6H), 5.26 (s, 1H), 6.04 (s, 2H),
6.67 (d, J=7.9Hz, 2H), 7.14 (ddd, J=1.6, 5.8, 7.2Hz, 2H),
7.46 (d, J=7.9Hz, 2H), 7.74 (ddd, J=1.6, 7.2, 8.3Hz, 2H),
7.82 (ddd, J=0.8, 1.6, 8.3Hz, 2H),
8.45 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.8Hz, 2H).
【0104】
実施例8 化合物(3−11)(ビス[2−(4−メトキシフェニル)−5−トリフルオロメチルピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)及び2−(4−メトキシフェニル)−5−トリフルオロメチルピリジン(754mg、2.976mmol、4.0当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)を加え、窒素雰囲気下還流条件(135℃)にて3時間攪拌した。得られた山吹色の懸濁液を室温にまで冷却し、アセチルアセトン(230μL、2.232mmol、3.0当量)及び炭酸ナトリウム(237mg、2.232mmol、3.0当量)を順次加えさらに3時間攪拌し、橙色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮後、得られた橙色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(3−11)を橙色の粉末として920mg、晶析母液からの再結晶品を同様の形状にて60mg(計980mg)得た。収率82.8%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.82 (s, 6H), 3.54 (s, 6H), 5.33 (s, 1H), 5.71 (d, J=2.5Hz, 2H),
6.51 (dd, J=2.5, 8.7Hz, 2H), 7.60 (d, J=8.7Hz, 2H),
7.85 (d, J=8.8Hz, 2H), 7.91 (dd, J=2.2, 8.8Hz, 2H),
8.67 (d, J=2.2Hz, 2H).
【0105】
実施例9 化合物(3−7)(ビス[2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート)の製造
(1) (1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)及び2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジン(629mg、2.976mmol、4.0当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)を加え、窒素雰囲気中還流条件(135℃)にて攪拌した。溶媒を加えて得られた赤色の懸濁液を加熱すると溶解して黒赤色の溶液となり、攪拌と共に赤茶色の沈殿が生じた。得られた朱色の懸濁液を室温にまで冷却し、アセチルアセトン(230μL、2.232mmol、3.0当量)及び炭酸ナトリウム(237mg、2.232mmol、3.0当量)を順次加え、還流下にてさらに3時間攪拌した。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、得られた赤茶色の固体をヘキサン/ジクロロメタンにて再結晶し、標題の化合物(3−7)を赤茶色の粉末として743mg得た。収率70.1%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
1.81 (s, 6H), 5.35 (s, 1H), 6.18 (d, J=8.2Hz, 2H),
6.83 (ddd, J=1.1, 7.2, 8.2Hz, 2H), 7.05−7.11 (m, 4H),
7.62−7.68 (m, 4H), 7.82 (ddd, J=1.5, 7.5, 8.1Hz, 2H),
8.45 (ddd, J=0.8, 1.5, 5.7Hz, 2H).
【0106】
(2) 同様の方法をスケールを上げて行った。原料として、(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(3.29g、4.90mmol、1.0当量)、2−(2’−ベンゾチエニル)ピリジン(4.35g、20.59mmol、4.2当量)、アセチルアセトン(1.5mL、14.70mmol、3.0当量)、炭酸ナトリウム(1.56g、14.70mmol、3.0当量)及び2−エトキシエタノール(33mL、s/s=10)を用いて、同様にして標題の化合物(3−7)の一番晶を赤茶色の粉末として5.23g、二番晶を赤茶色の粉末として0.17g得た。通算収率77.4%。得られた化合物の形状、物性及びスペクトルデータは実施例9(1)で得られたものと一致した。
実施例9(1)においては収率70.1%であったので、本発明の方法は大量の製造に適しているということがわかる。
【0107】
実施例10 化合物(4−2)(ビス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C6’]イリジウム(III)ピコリナート)の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1.0当量)を、還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(626mg、3.274mmol、4.4当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて3時間攪拌した。得られたレモン色の懸濁液を室温にまで冷却し、ナトリウムピコリナート(324mg、2.232mmol、3.0当量)を加え還流下にてさらに3時間攪拌した。反応が進行するとともに懸濁液の色が徐々に橙色へと変化した。この反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン/メタノール=20/1)で精製した。カラムの分画を濃縮したのち、得られた黄色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶することで、標題の化合物(4−2)がレモン色の粉末として967mg得られた。収率93.6%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
5.62 (dd, J=2.4, 8.7Hz, 1H), 5.85 (dd, J=2.4, 8.7Hz, 1H),
6.44 (ddd, J=2.4, 9.2, 12.6Hz, 1H),
6.50 (ddd, J=2.4, 9.2, 12.6Hz, 1H),
7.02 (ddd, J=1.5, 5.9, 7.4Hz, 1H),
7.21 (ddd, J=1.5, 5.9, 7.4Hz, 1H),
7.40 (ddd, J=1.5, 5.4, 7.6Hz,1H),
7.46 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.9Hz, 1H), 7.75−7.86 (m, 3H),
7.94 (dt, J=1.5, 7.6Hz, 1H), 8.20−8.28 (m, 2H), 8.28−8.37 (m, 1H),
8.69 (ddd, J=0.7, 1.6, 5.9Hz, 1H).
【0108】
実施例11 化合物(5−1)(トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III))の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−フェニルピリジン(468μL、3.274mmol、4.4当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄色の懸濁液を室温にまで冷却し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(573mg、2.232mmol、3.0当量)を加えて室温で10分攪拌すると反応液が暗褐色へと変色した。この中に2−エトキシエタノール(7mL、s/s=14)を追加した後、2−フェニルピリジン(638μL、4.464mmol、6.0当量)を滴下した後に還流条件にてさらに3時間攪拌し、黄土色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、得られた黄色の固体をヘキサン/ジクロロメタンにて再結晶を行い、標題の化合物(5−1)を黄色の粉末として837mg得た。収率85.9%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
6.72−6.81 (m, 6H), 6.85−6.93 (m, 6H),
7.56 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.5Hz, 3H), 7.62−7.69 (m, 6H),
7.89−7.94 (m, 3H).
【0109】
実施例12 化合物(5−6)(トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C6’]イリジウム(III))の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(500mg、0.744mmol、1当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み内部を窒素置換した。この中に2−エトキシエタノール(5mL、s/s=10)、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(626mg、3.274mmol、4.4当量)を順次加え、窒素雰囲気中還流下(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄緑色の懸濁液を室温にまで冷却し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(573mg、2.232mmol、3.0当量)を加えて還流下で10分攪拌すると反応液が黒茶色へと変色し、茶色の沈殿が生成した。次いで2−エトキシエタノール(8.5mL、s/s=17)を追加した後に、2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(853mg、4.464mmol、6.0当量)を滴下し還流条件にてさらに3時間攪拌し、黄土色の懸濁液を得た。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、得られた黄緑色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(5−6)を黄緑色の粉末として983mg得た。収率86.6%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
6.23 (dd, J=2.5, 9.2Hz, 3H), 6.41 (ddd, J=2.5, 9.2, 13.1Hz, 3H),
6.97 (ddd, J=1.3, 5.6, 7.2Hz, 3H),
7.50 (ddd, J=0.8, 1.6, 5.6Hz, 3H),
7.70−7.77 (m, 3H), 8.28−8.34 (m, 3H).
【0110】
実施例13 化合物(5−7)(トリス[2−(4−メトキシフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III))の製造
(1,5−シクロオクタジエン)イリジウム(I)クロライド ダイマー(200mg、0.298mmol、1当量)と2−(4−メトキシフェニル)ピリジン(222mg、1.311mmol、4.4当量)を還流管を取り付けたシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素置換した。次いで2−エトキシエタノール(2mL、s/s=10)を加え、窒素雰囲気中還流条件(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄色の懸濁液を室温にまで冷却し、次いでトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(230mg、0.894mmol、3.0当量)を加えて還流下で10分攪拌すると茶色の沈殿が生成した。次いで2−エトキシエタノール(2mL、s/s=10)を追加し、2−(4−メトキシフェニル)ピリジン(252mg、1.490mmol、5.0当量)を加えて還流下さらに3時間攪拌した。反応液から溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、得られたレモン色の固体をヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(5−7)をレモン色の粉末として316mg得た。収率76.1%。
H NMR(500MHz、CDCl): δ
3.55 (s, 9H), 6.31 (d, J=2.7Hz, 3H), 6.46 (dd, J=2,7, 8.6Hz, 3H),
6.83 (ddd, J=1.3, 5.6, 7.2Hz, 3H),
7.58 (ddd, J=1.6, 7.2, 8.3Hz,3H),
7.60 (d, J=8.6Hz, 3H), 7.78 (ddd, J=0.8, 1.3, 8.3Hz, 3H).
【0111】
実施例14 化合物(5−1)((トリス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III))の2段階法による製造
実施例1で製造した化合物(2−1)(ビス(2−フェニルピリジナト−N,C2’)イリジウム(III)クロライド ダイマー)(200mg、0.187mmol、1当量)、及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(144mg、0.561mmol、3.0当量)をシュレンクフラスコに仕込み、内部を窒素で置換した。ついで2−エトキシエタノール(1mL、s/s=5)及び2−フェニルピリジン(163μL、1.122mmol、6.0当量)を加え、還流条件下(135℃)にて3時間攪拌した。得られた黄土色の懸濁液を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後ヘキサン/ジクロロメタンから再結晶し、標題の化合物(5−1)を黄色の粉末として208mg得た。収率83.4%。生成物のNMRデータは実施例11に記載のものと同じであった。
実施例1からのトータル収率は、79.9%であった。この工程をワンポットで行った実施例11ではトータル収率が85.9%であった(実施例11参照)。このことより、ワンポットで行う本発明の方法が有利な方法であることがわかる。
【0112】
比較例1 化合物(5−6)(トリス[2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III))のWO 02/02714号(特許文献1)に記載の方法による製造
三塩化イリジウム(III)水和物(500mg、1.42mmol、1当量)及びトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)(1.09g、4.26mmol、3.0当量)をシュレンクフラスコに仕込み内部を窒素置換した。この中に2−(2,4−ジフルオロフェニル)ピリジン(2mL、s/s=4)、及び水(1mL、s/s=2)を加え、200℃の油浴で加熱しながら3時間攪拌した。得られた黒色の反応液を蒸発乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ジクロロメタン)にて精製した。カラムの分画を濃縮した後、ヘキサン/ジクロロメタンから再結晶することで標題の化合物(5−6)を黄緑色の粉末として571mg得た。収率52.7%。生成物のNMRデータは実施例12に記載のものと一致した。
【0113】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、発光素子材料として有用な種々の三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を簡便な操作にて効率的に得ることが可能となる。

Claims (9)

  1. イリジウム化合物と配位性化合物を原料として三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、原料イリジウム化合物として下記一般式(1)
    Figure 2004161661
    (式中、Aは非共役ジエン化合物を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される一価イリジウム複核錯体を用いることを特徴とする、三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  2. 三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体が、下記の一般式(2)、一般式(3)、一般式(4)、又は一般式(5)
    Figure 2004161661
    Figure 2004161661
    Figure 2004161661
    Figure 2004161661
    (上記式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示し、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示し、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。Xはハロゲン原子を示す。R及びRは夫々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。また、RとR又はRとRとが一緒になって隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。)
    で表される化合物である請求項1に記載の製造方法。
  3. 次の一般式(1)
    Figure 2004161661
    (式中、Aは非共役ジエン化合物を表し、Xはハロゲン原子を表す。)
    で表される一価イリジウム複核錯体と、次の一般式(6)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される化合物とを反応させることを特徴とする、次の一般式(2)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示し、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  4. 次の一般式(1)
    Figure 2004161661
    (式中、Aは非共役ジエン化合物を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される一価イリジウム複核錯体と、次の一般式(6)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される化合物とを反応させ、次いで、一般式(7)
    Figure 2004161661
    (式中、R及びRは夫々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。また、RとR又はRとRとが一緒になって隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。)
    で表される化合物を反応させることを特徴とする、一般式(3)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示し、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。R及びRは夫々独立して、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はヘテロアリール基を示し、Rは水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を示す。また、RとR又はRとRとが一緒になって隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。)
    で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  5. 一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、一般式(6)で表される化合物とを反応させ、次いで、一般式(7)で表される化合物をワンポットで反応させることを特徴とする、請求項4に記載の製造方法。
  6. 次の一般式(1)
    Figure 2004161661
    (式中、Aは非共役ジエン化合物を示し、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される一価イリジウム複核錯体と、次の一般式(6)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される化合物とを反応させ、次いで、一般式(8)
    Figure 2004161661
    (式中、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示す。)
    で表される化合物を反応させることを特徴とする、次の一般式(4)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示し、環Dは置換基を有していてもよいピリジル基を示し、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  7. 一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、一般式(6)で表される化合物とを反応させ、次いで、一般式(8)で表される化合物をワンポットで反応させることを特徴とする、請求項6に記載の製造方法。
  8. 次の一般式(1)
    Figure 2004161661
    (式中、Aは非共役ジエン化合物を表し、Xはハロゲン原子を示す。)
    で表される一価イリジウム複核錯体と、次の一般式(6)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される化合物とを反応させ、次いで、銀塩及び一般式(6)で表される化合物と反応させることを特徴とする、次の一般式(5)
    Figure 2004161661
    (式中、環Bは置換基を有していてもよいアリール基又はヘテロアリール基を示し、環Cは置換基を有していてもよい含窒素アリール基を示す。また、環Bと環Cとが結合して縮合環を形成してもよい。)
    で表される三価六配位オルソメタル化イリジウム錯体の製造方法。
  9. 一般式(1)で表される一価イリジウム複核錯体と、一般式(6)で表される化合物とを反応させ、次いで、銀塩及び一般式(6)で表される化合物とをワンポットで反応させることを特徴とする、請求項8に記載の製造方法。
JP2002328823A 2002-11-12 2002-11-12 イリジウム錯体の製造方法 Abandoned JP2004161661A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002328823A JP2004161661A (ja) 2002-11-12 2002-11-12 イリジウム錯体の製造方法
TW92130189A TWI253449B (en) 2002-11-12 2003-10-30 Production of iridium complexes
PCT/JP2003/014192 WO2004043974A1 (en) 2002-11-12 2003-11-07 Production of iridium complexes
AU2003276717A AU2003276717A1 (en) 2002-11-12 2003-11-07 Production of iridium complexes

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002328823A JP2004161661A (ja) 2002-11-12 2002-11-12 イリジウム錯体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004161661A true JP2004161661A (ja) 2004-06-10
JP2004161661A5 JP2004161661A5 (ja) 2005-12-02

Family

ID=32310551

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002328823A Abandoned JP2004161661A (ja) 2002-11-12 2002-11-12 イリジウム錯体の製造方法

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2004161661A (ja)
AU (1) AU2003276717A1 (ja)
TW (1) TWI253449B (ja)
WO (1) WO2004043974A1 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100776826B1 (ko) * 2006-06-14 2007-11-29 고려대학교 산학협력단 이리듐 착물의 제조방법
WO2009022727A1 (ja) * 2007-08-16 2009-02-19 Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. 希土類錯体およびこれを用いた発光材料
US8436172B2 (en) 2009-08-31 2013-05-07 Udc Ireland Limited Material selecting method upon purifying iridium complex by sublimation
KR20150039846A (ko) * 2012-08-07 2015-04-13 메르크 파텐트 게엠베하 금속 착물

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI479008B (zh) * 2004-07-07 2015-04-01 Universal Display Corp 穩定且有效之電致發光材料
US7709100B2 (en) 2004-07-07 2010-05-04 Universal Display Corporation Electroluminescent efficiency
US7399857B2 (en) 2005-03-31 2008-07-15 Eastman Kodak Company Synthesis of organometallic cyclometallated transition metal complexes
EP1904508B1 (en) 2005-06-30 2009-08-12 Koninklijke Philips Electronics N.V. Electro luminescent metal complexes
WO2009067603A1 (en) * 2007-11-21 2009-05-28 Bio-Rad Laboratories, Inc. Photoluminescent metal complexes for protein staining
TWI391468B (zh) * 2007-12-31 2013-04-01 Gracel Display Inc 新穎紅色電致發光化合物及使用該化合物之有機電致發光裝置
JP6556630B2 (ja) * 2012-12-21 2019-08-07 メルク パテント ゲーエムベーハー 金属錯体
WO2014094961A1 (de) * 2012-12-21 2014-06-26 Merck Patent Gmbh Metallkomplexe
JP6556628B2 (ja) * 2012-12-21 2019-08-07 メルク パテント ゲーエムベーハー 金属錯体
CN113201022A (zh) * 2021-04-29 2021-08-03 南京邮电大学 具有异构体的小共轭磷光金属铱(iii)配合物及其制备方法和应用

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100505375C (zh) * 2000-08-11 2009-06-24 普林斯顿大学理事会 有机金属化合物和发射转换有机电致磷光

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100776826B1 (ko) * 2006-06-14 2007-11-29 고려대학교 산학협력단 이리듐 착물의 제조방법
WO2009022727A1 (ja) * 2007-08-16 2009-02-19 Ishihara Sangyo Kaisha, Ltd. 希土類錯体およびこれを用いた発光材料
US8436172B2 (en) 2009-08-31 2013-05-07 Udc Ireland Limited Material selecting method upon purifying iridium complex by sublimation
KR20150039846A (ko) * 2012-08-07 2015-04-13 메르크 파텐트 게엠베하 금속 착물
JP2015530982A (ja) * 2012-08-07 2015-10-29 メルク パテント ゲーエムベーハー 金属錯体
KR102192286B1 (ko) * 2012-08-07 2020-12-17 메르크 파텐트 게엠베하 금속 착물

Also Published As

Publication number Publication date
WO2004043974A1 (en) 2004-05-27
TW200418865A (en) 2004-10-01
TWI253449B (en) 2006-04-21
AU2003276717A1 (en) 2004-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3984167B2 (ja) 高純度のトリス−オルト−金属置換有機イリジウム化合物の製造方法
Shan et al. Intramolecular π-stacking in cationic iridium (iii) complexes with a triazole–pyridine type ancillary ligand: synthesis, photophysics, electrochemistry properties and piezochromic behavior
Tronnier et al. C∧ C* Cyclometalated Platinum (II) NHC Complexes with β-Ketoimine Ligands
JP2004161661A (ja) イリジウム錯体の製造方法
JP6206887B2 (ja) シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP2007045742A (ja) 遷移金属錯体の製造方法及び遷移金属錯体
Huo et al. Novel phosphorescent tetradentate bis-cyclometalated C^ C∗ N^ N-coordinated platinum complexes: Structure, photophysics, and a synthetic adventure
Li et al. Sky blue-emitting iridium (III) complexes bearing nonplanar tetradentate chromophore and bidentate ancillary
Ruduss et al. Thiazoline carbene–Cu (I)–Amide complexes: efficient white electroluminescence from combined monomer and excimer emission
Yan et al. Regioselective Syntheses of Imidazo [4, 5-b] pyrazin-2-ylidene-Based Chelates and Blue Emissive Iridium (III) Phosphors for Solution-Processed OLEDs
JP4959338B2 (ja) 有機金属シクロメタル化遷移金属錯体の合成
Zaen et al. Bipyridine-based iridium (III) triplet emitters for organic light-emitting diodes (OLEDs): application and impact of phenyl substitution at the 5′-position of the N-coordinating pyridine ring
Mu et al. Azo-triazolide bis-cyclometalated Ir (III) complexes via cyclization of 3-cyanodiarylformazanate ligands
Aranda et al. Luminescent bis-cyclometallated iridium (III) complexes containing phosphine-based ligands: Influence of the P^ N bridge
JP4035613B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
JP4035604B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
Kapper et al. Bis-oxazoline derivatives as ancillary ligands for bis-cyclometalated iridium complexes
KR20180135018A (ko) 할로겐 가교 이리듐 이량체의 제조 방법
Sie et al. Synthesis, structures, and properties of iridium (III) bis-cyclometallated complexes containing three-atom chelates
JP4035614B2 (ja) オルトメタル化イリジウム錯体の製造方法
WO2013136978A1 (ja) イミダゾ[1,5-a]ピリジン誘導体を配位子とする錯化合物
Wu et al. Photophysical and electrochemical properties of heteroleptic tris-cyclometallated Ir (III) complexes
Diel et al. Carbon–carbon bond formation in the reductive coupling of trifluoroacetonitrile and pentafluorobenzonitrile–synthetic routes to new perfluoroalkyl-and perfluoroaryl-substituted α-diimines: versatile synthons for heterocycle synthesis
JP6423007B2 (ja) シクロメタル化イリジウム錯体の製造方法
TW201827448A (zh) 銥錯合物及使用其的有機發光二極體

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051012

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20051012

A762 Written abandonment of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762

Effective date: 20080317