JP4541055B2 - リフト構造 - Google Patents

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この発明は、リフト構造に関し、特に、支持脚における屈伸で昇降する昇降床に作用する荷重が昇降床上で移動することがある場合の利用に適するリフト構造の改良に関する。
リフト構造としては、これまでに種々の提案があるが、その中で、たとえば、特許文献1には、人の立ち入りを許容しあるいは荷物などの載置を可能にする床たる昇降床をパンタグラフ状に形成された支持脚、すなわち、二本のリンク部材をX字状に枢着してなる支持脚で支えるものが開示されている。
そして、この開示されているリフト構造にあっては、二本のリンク部材からなる支持脚のそれぞれ一対となる上下端部にあって、一方が固定端部とされて昇降床および昇降床の下方の固定側に枢着されると共に他方が移動端部とされて、昇降固定側床および固定側に移動可能に当接されるとしている。
それゆえ、この言わば従来提案としてのリフト構造にあっては、X字状の支持脚が駆動手段の駆動で屈伸されることで、支持脚において、固定端部が枢着された状態下に移動端部が移動し、昇降床が固定側に対して昇降することになる。
特開平8−21113号公報(明細書中の段落0011,同0013,同0014)
しかしながら、上記したリフト構造にあっては、いわゆる構成部材数が多くなり、したがって、このリフト構造を具現化するにあって、重量の増大化や製造コストの高騰化を回避し得なくなると指摘される可能性がある。
すなわち、上記の提案では、昇降床を昇降可能に支える支持脚がX字状に形成されていて、昇降床に当接される移動端部が固定端部に近づくように移動するときには、固定側に当接される移動端部も固定端部に近づくように移動することになる。
それゆえ、支持脚が伸張するのに伴い移動端部が固定端部に近づくから、固定端部と移動端部との間隔、すなわち、支点の間隔が狭くなる上に、移動端部がいわゆる退避した昇降床部分は跳ね出し部分となり、この跳ね出し部分上に荷重が作用する場合に昇降床が全体として水平状態を維持し得なくなり、その分、安定性に欠け易くなる。
そこで、上記した提案にあっては、昇降床に跳ね出し部分が出現するとしても、昇降床における安定性を保障すべく、昇降床から垂下されるガイドレールが下方の固定側から起立する基枠に連繋されるとして、昇降床が全体として水平状態を維持し得るようにしている。
それゆえ、上記した提案にあっては、固定側から起立する基枠や昇降床から垂下されるガイドレールが必須になり、その分構成部品数を多くすることになり、このリフト構造を具現化するにあって、重量の増大化や製造コストの高騰化を招来すると指摘されることになる。
この発明は、このような現状を鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、重量の増大化や製造コストの高騰化を阻止して、その汎用性の向上を期待するのに最適となるリフト構造を提供することである。
上記した目的を達成するために、この発明によるリフト構造の構成を、基台などの固定側と、この固定側の上方に配在される昇降床と、固定側と昇降床との間に配在されながら駆動手段の駆動で屈伸して固定側に対して昇降床を昇降させる支持脚とを有してなるリフト構造において、支持脚が固定側と昇降床との間における四隅部に配在されてなる一方で、基端部を固定側に枢着する固定側リンク部材と基端部を昇降床に枢着する床側リンク部材とを有してなり、上記の四隅部で前後あるいは左右となる一方向で一対となる支持脚における一方の支持脚にあって先端部を昇降床に移動可能に当接させる固定側リンク部材の中間部に床側リンク部材の先端部を枢着させると共に、他方の支持脚にあって先端部を固定側に移動可能に当接させる床側リンク部材の中間部に固定側リンク部材の先端部を枢着させてなり、駆動手段がその駆動時に上記の一対となる支持脚を同期して屈伸させてなるとする。
それゆえ、請求項1の発明にあって、昇降床は、四隅部に支持脚における基端部を枢着させた状態に支持されるから、支持脚の伸張時に昇降床において支持脚で支持されない跳ね出し部分が出現されなくなり、昇降床を安定状態に支持し得ることになる。
このとき、昇降床を支持する一対の支持脚を形成する一方の支持脚にあって先端部を昇降床に移動可能に当接させる固定側リンク部材の中間部に床側リンク部材の先端部を枢着させると共に、同じく他方の支持脚にあって先端部を固定側に移動可能に当接させる床側リンク部材の中間部に固定側リンク部材の先端部を枢着させる一方で、この一対となる支持脚にターンバックル機構からなる駆動手段が連繋されてなるから、この駆動手段の駆動でこの駆動手段が連繋する支持脚が屈伸すると共にこの支持脚における屈伸状態の維持が可能になり、昇降床の安定した支持状態を実現し得ることになる。
その結果、この発明にあっては、支持脚の伸張時に昇降床において支持脚で支持されない跳ね出し部分を出現させないから、跳ね出し部分を出現させる場合にその弊害を回避するための構成、すなわち、部材を不要にして、その分構成部品数を多くせず、その具現化にあって、重量のいたずらな増大化や製造コストの高騰化を回避し得ることになる。
以下に、図示した実施形態に基づいて、この発明を説明するが、この発明によるリフト構造は、図示するところでは、交響楽団の演奏時に指揮者が立ち入る指揮台に具現化されてなるとするもので、図1および図2に示すように、基台などの固定側1と、この固定側1の上方に配在される昇降床2と、固定側1と昇降床2との間に配在されながら駆動手段3の駆動で屈伸して固定側1に対して昇降床2を昇降させる支持脚4とを有してなる。
すなわち、まず、固定側1は、昇降床2を可動側とすれば、恒久的に固定側とされる部位を言うものであって、たとえば、劇場の床であったりあるいは舞台の下方の奈落における床であったりすることがある。
そして、図示するところでは、固定側1は、所定の機械的強度を有する基台たるフレーム11からなると共に、このフレーム11にキャスタ12(図2参照)を分離可能に有するとしており、キャスタ12を有するとき、この指揮台を、たとえば、劇場の床上で移動可能にし得ると共に、キャスタ12を分離するとき、この指揮台を劇場の床上に固定状態に定着し得ることになる。
ちなみに、キャスタ12を有する場合にも、キャスタ12が作動不作動を選択し得るように構成される場合には、所望時にこの指揮台を固定状態に維持し、あるいは、移動可能にし得ることになるのはもちろんである。
なお、図示しないが、固定側1を上記の奈落における床とする場合には、指揮台が言わば迫り構造に形成されることになり、不要のときは、舞台下に収納されているが、必要時には、舞台上に迫り出すようにして使用状態におかれるとしても良いことはもちろんである。
つぎに、昇降床2は、凡そ人の立ち入りを許容しあるいは荷物などの載置を可能にする限りには、任意の構成が選択されて良いが、多くの場合には、物の抜け落ちを効果的に阻止できる床板21を有してなるとするであろう。
そして、この昇降床2にあって、この床板21が指揮者の立ち入りを許容するものであるとき、多くの場合に化粧板からなるであろうが、この化粧板からなるのみの構成では機械的強度が不足しがちになるから、床板21の下面にフレーム22を有してなるとしている。
すなわち、この昇降床1は、図示するところでは、実質的には、所定の機械的強度を有するフレーム22からなり、このフレーム22の上面に化粧板からなる床板21有する構成とされている。
ちなみに、この昇降床2にあっては、床板21上に指揮者が立ち入ること、および、この指揮者が多くの場合に床板21上で動き回ることを鑑みて、手摺を兼ねる柵23を有してなるとしている。
もっとも、指揮台を利用する指揮者にあっては、いわゆる好みで、上記の柵23を不要とする者も居ることを鑑みれば、この柵23が分離可能に配在されてなると設定することも必要であろう。
なお、図示するところにあっては、いわゆる外観を良くするために、昇降床2と前記した固定側1との間を外部から隠蔽する目隠し材24が昇降床1に垂設されてなるとしており、このとき、目隠し材24としては、伸縮可能とされあるいは折り畳み可能とされるなど任意の構成が選択されて良い。
そして、このリフト構造が迫り装置に具現化される場合には、その利用状態を鑑みると、上記の目隠し材24の配在を不要にすると設定されても良いことはもちろんであろう。
ところで、この指揮台にあっては、上記した昇降床2と固定側1との間に駆動手段3の駆動で屈伸して固定側1に対して昇降床2を昇降させる支持脚4を有してなるとしている。
そこで、以下には、この駆動手段3と支持脚4について説明するが、この発明の理解を容易にする上からは、まず、支持脚4について説明し、その後に、駆動手段3について説明する。
すなわち、まず、支持脚4は、基本的には、固定側1と昇降床2との間における四隅部に配在されるとしており、この状態で、図1中で下端部となる基端部を固定側1に枢着する固定側リンク部材41と、図1中で上端部となる基端部を昇降床2に枢着する床側リンク部材42とを有してなるとしている。
このとき、昇降床2の平面視における長手方向となる前後方向で一対となる、すなわち、図示するところでは、図1中の左右方向で一対となる支持脚4の一方たる左方の支持脚4にあっては、固定側リンク部材41の上端部たる先端部が昇降床2に移動可能に当接されるとしており、同じく他方たる右方の支持脚4にあっては、床側リンク部材42の下端部たる先端部が固定側1に移動可能に当接されるとしている。
そして、図1中で左方となる一方の固定側リンク部材41の中間部に床側リンク部材42の先端部が枢着されると共に、図1中で右方となる他方の床側リンク部材42の中間部に固定側リンク部材41の先端部が枢着されるとしている。
それゆえ、この一対となる各支持脚4にあっては、固定側リンク部材41と床側リンク部材42との枢着点で二つ折りされる状態に折り畳まれ、また、伸張されることになる。
このとき、すなわち、支持脚4が二つ折り状態にされるとき、図示するところでは、上記の枢着点が昇降床2の下方から外部に突出せずして、昇降床2の下方に位置決められることになるように配慮されている(図1参照)。
なお、昇降床2を支持する機構からすれば、支持脚4の二つ折り状態にされた枢着点が昇降床2の下方から外部に突出する選択でも構わないと言い得るが、いわゆる外観を悪くするし、突出した枢着点がいわゆる邪魔になる不具合が招来される観点からすれば、好ましい選択とは言い得ないであろう。
ところで、この発明にあって、支持脚4は、単に二つ折り可能とされるだけでなく、固定側リンク部材41における先端部を昇降床2に当接させると共に、床側リンク部材42の先端部を固定側に当接させるとして、固定側1および昇降床2に対する支持点、すなわち、支点を確保する構成とされている。
このとき、具体的には、図1に示すように、一方の固定側リンク部材41の先端部は、昇降床2を構成するフレーム21に附設されたガイドレール25に連繋してなるとし、他方の床側リンク部材42の先端部は、固定側1を構成するフレーム11に附設されたガイドレール13に連繋してなるとし、各先端部は、支持脚4の屈伸時に、このガイドレール25,13に副って移動するとしている。
それゆえ、指揮台にあって、固定側1の上方にある昇降床2は、支持脚4における折り畳みが後述する駆動手段3で阻止されていることを条件にするが、いわゆる二股構造になる支持脚4で支持されることになり、このとき、支持脚4における上端部たる基端部が昇降床2の平面視における四隅部にいわゆる固定状態に連繋されるから、この状態下に、昇降床2に当接される先端部が支持脚4の伸張時に基端部に近づくようになって後退することになっても、昇降床2において支持脚4で支持されない跳ね出し部分が出現されなくなる(図1中の仮想線図参照)。
また、この指揮台にあって、昇降床2は、いわゆる二股構造になる支持脚4で支持されるから、上記した四隅部で支持されるだけでなく、いわゆる支持点、すなわち、支点が増えることになり、昇降床2のより安定した支持状態を具現化できることになる。
その結果、この発明にあっては、支持脚4の伸張時に昇降床2において支持脚4で支持されない跳ね出し部分を出現させないから、跳ね出し部分を出現させる場合にその弊害を回避するための構成、すなわち、前記した特許文献1に開示の場合にように、言わば余計な構成部品を要することにならず、その分構成部品数を多くせず、その具現化にあって、重量のいたずらな増大化や製造コストの高騰化を回避し得ることになる。
ところで、支点数が増えることで、昇降床2のより安定した支持状態を具現化できるとする観点からすれば、上記したところに代えて、図3および図4に示す支持脚4の配在態様を選択することも可能になる。
すなわち、図3および図4に示すところでは、いわゆる一対の支持脚4を形成する図中で左方となる一方の支持脚4に対して、同じく一対の支持脚4を形成する図中で右方となる他方の支持脚4がいわゆる線対称の態様に配在されるとしている。
このとき、図3に示すところでは、支持脚4がいわゆるY字形に言わば正立して、昇降床2に複数の支点、すなわち、四箇所の支点が配在されるとし、図4に示すところでは、支持脚4が言わば倒立して、固定側1に四箇所の支点が配在されるとしている。
それゆえ、この発明が原理とするところからすれば、上記の図3および図4のいずれであっても、昇降床2に跳ね出し部分を出現させないとする所期の目的を達成できることになる。
ただ、両者を比較すると、図3に示すところの方が図4に示すところに比較して、昇降床2に対する支点数が多くなり、それゆえ、昇降床2上に荷重が作用するときに、これを撓ませ難くする上からは有利となると言い得るが、両者とも、前記したところと比較すれば、昇降床2における絶対長さを大きくするから、その要請がある場合を除くと、不具合があることになり、余り有利とは言い得ないであろう。
もっとも、昇降床2における絶対長さを小さくするためには、一対の支持脚4が折り畳まれたとき、互いに干渉しないようにいわゆる重ねる配置も選択できるが、いわゆるバランス良く昇降床2を支持しようとする配慮には適合し難くなり、好ましい選択とは言い得ないとされるであろう。
一方、上記したように構成される支持脚4を屈伸させるのが駆動手段3であるが、この発明にあって、駆動手段3は、支持脚4を単に屈伸させるだけでなく、一対の支持脚4を同期して屈伸させ得るように構成されている。
すなわち、この発明にあっては、駆動手段3は、ターンバックル機構からなるとしており、入力軸31のいわゆる先端側と基端側とで螺線方向を逆にするネジ部31a,31bを有していて、一方のネジ部31aが一対となる支持脚4の一方の支持脚4に連繋し、他方のネジ部31bが他方の支持脚4に連繋するとしている(図1参照)。
そして、図示するところにあって、入力軸31は、それぞれ一対となる左右の支持脚4の間に配在されながら左右の支持脚4に連繋されてなるとしており(図2参照)、いわゆる一つの動作によって左右でそれぞれ一対となる支持脚4が同期して屈伸するとしている。
このとき、図示するところでは、図2に示すように、左右の支持脚4が互いにブラケット32,33で繋がれているとし、上記した同期する屈伸の実現を補佐するとしている。
そしてまた、図示するところでは、上記の入力軸31が人力による手動操作で回動されるとしており、電動モータを装備するなどで、この電動モータに電流を導くためのリード線が接続されるなどになり、指揮台におけるいわゆる搬送性が低下され易くなる不具合の招来をあらかじめ排除するとしている。
それゆえ、上記の駆動手段3にあっては、入力軸31がいわゆるターンバックル機構を構成するから、これを回動することで、一対の支持脚4が二つ折りされる枢着点を互いに遠近させるようにして屈伸することになり、また、この入力軸31の回動が停止されるときに、一対の支持脚4における屈伸が阻止され、昇降床2が所望の高さ位置に維持されることになる。
前記したところでは、この発明によるリフト構造が指揮台に具現化されてなる場合を例にしたが、この発明が意図するところからすれば、支持脚の伸張時に固定側1に対向する昇降床2に支点が当接されない跳ね出し部分を出現させないことであるから、この昇降床2に代えて、図示しないが、たとえば、いわゆる立てられた遮蔽板やフレーム類を水平方向に押し出したり引き寄せたりする機構や装置類にこの発明のリフト構造が具現化されるとしても良く、その場合の作用効果も、基本的に、異ならないことはもちろんである。
この発明によるリフト構造を具現化した指揮台を一部断面にして示す正面図である。 図1の指揮台を側面側から示す立て断面図である。 他の実施形態による一対の支持脚の配在状態を示す概念図である。 さらに他の実施形態による一対の支持脚の配在状態を示す概念図である。
符号の説明
1 固定側
2 昇降床
3 駆動手段
4 支持脚
11,22 フレーム
12 キャスタ
21 床板
41 固定側リンク部材
42 床側リンク部材

Claims (4)

  1. 基台などの固定側と、この固定側の上方に配在される昇降床と、固定側と昇降床との間に配在されながら駆動手段の駆動で屈伸して固定側に対して昇降床を昇降させる支持脚とを有してなるリフト構造において、支持脚が固定側と昇降床との間における四隅部に配在されてなる一方で、基端部を固定側に枢着する固定側リンク部材と基端部を昇降床に枢着する床側リンク部材とを有してなり、上記の四隅部で前後あるいは左右となる一方向で一対となる支持脚の一方の支持脚にあって先端部を昇降床に移動可能に当接させる固定側リンク部材の中間部に床側リンク部材の先端部を枢着させると共に、他方の支持脚にあって先端部を固定側に移動可能に当接させる床側リンク部材の中間部に固定側リンク部材の先端部を枢着させてなり、駆動手段がその駆動時に上記の一対となる支持脚を同期して屈伸させてなることを特徴とするリフト構造
  2. 昇降床が床板の下面にフレームを有すると共にこのフレームに支持脚を構成する床側リンク部材の基端部を枢着させながら固定側リンク部材の先端部を当接させてなる請求項1に記載のリフト構造
  3. 駆動手段がターンバックル機構からなると共に左右のそれぞれ一対となる支持脚の間に配在れてされながら左右の支持脚に連繋されてなる請求項1に記載のリフト構造
  4. 固定側が固定側リンク部材の基端部を枢着させながら床側リンク部材の先端部を当接させるフレームからなると共にこのフレームにキャスタを有してなる請求項1に記載のリフト構造
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