JP4540174B2 - 駐車車両の退出阻止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、無人管理式の有料駐車場等において使用される駐車車両の退出阻止装置に関し、特に、駐車車両の鎖錠を行う鎖錠手段に対して動力を伝達するための機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の駐車車両の退出阻止装置は、駐車車両の鎖錠を行う踏板を有し、該踏板は、例えば特許第1568088号等によって代表される鎖錠踏板駆動機構によって、上昇した鎖錠状態または下降した解錠状態に選択的に駆動される。
【0003】
上記従来の鎖錠踏板駆動機構では、図7の要部構成を示す斜視図にあるように、正逆回転の可能な直流若しくは交流電動機1の回転力が減速機構2を介してかさ歯車3に伝えられる。かさ歯車3に噛み合うかさ歯車6は、接手スプリング5を介して平歯車4に連結されていて、この接手スプリング5は、踏板18を起立させる方向の電動機1の回転によりコイルの径が小さくなるよう配置されてバネ接手として機能する。
【0004】
平歯車4に噛み合う平歯車8は、踏板18の起立(上昇)動作に対しては空転し、倒伏(下降)動作に対しては非空転となる一方向クラッチを内蔵し、電磁ブレーキ7により踏板18の倒伏側の動作に対してのみ選択的に制動保持される。平歯車8に噛み合う平歯車10は、固定軸9に回転自由に取け付けられると共に、固定軸9に巻き付けられたマキバネ13を介して回転フランジ14に連結されている。このマキバネ13は、踏板18の起立動作時および踏板18に倒伏方向の外力が作用した時に、平歯車10と回転フランジ14相互間の位相差によって捩じられ、その径が変化するように構成されている。
【0005】
回転フランジ14には、ピン16が固定されると共に、リンク17の一端が回転自由に取り付けられる。上記ピン16は、平歯車10と回転フランジ14の相対的な回転角度の差が所定値となると、平歯車10に形成した凸部11に係止し、平歯車10の回転力を以後100%伝達する。リンク17の他端が回転自由に取付けられたクランク20は、踏板18に固定された軸19に軸結され、軸19に巻き付けられた踏板スプリング21の端部がピン23に係止する。この踏板スプリング21のスプリング力によって踏板18が起立方向に弾性付勢されている。
【0006】
上記のような従来の駆動機構を有する退出阻止装置にあっては、起立した鎖錠状態にある踏板18に対して、許容トルク以上の過負荷が作用するような場合、マキバネ13が固定軸9上を滑って回転フランジ14の回転が許されるため、ギアヘッド等の各部品の損傷を防ぐことができる。また、踏板18上にタイヤ等が位置して踏板18の上昇動作が妨げられるような場合でも、接手スプリング5が正常動作時での捩れ量より多く捩られるだけで電動機1が停止するので、電動機1が過負荷状態に陥るのを防ぐことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の駐車車両の退出阻止装置にあっては、踏板18と駆動機構が軸19を介して直接連結される構造であるため、踏板18の下降動作時において次のような問題が発生する。すなわち、下降動作する踏板18に対して何かが引っ掛かるなどしてその移動が妨げられると、踏板18を下降させる力に抗する外力が駆動機構に伝達されるため、駆動機構の各部品が損傷したり、電動機1が過負荷状態となって焼損してしまうといった欠点がある。踏板18とそれを支えるベース部との隙間に手や足などが位置することになれば、下降してくる踏板18に挟まれてしまうおそれもある。また、電動機1による踏板18の下降動作が完了した時における踏板18の位置調整が十分でない場合にも、ギアヘッド等の各部品を損傷してしまう可能性がある。
【0008】
本発明は上記のような点に着目してなされたもので、鎖錠手段の下降動作時についても駆動機構側の損傷等を防止でき安全性にも優れた駐車車両の退出阻止装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明による駐車車両の退出阻止装置は、駐車車両の鎖錠を行う鎖錠手段と、該鎖錠手段を上昇させた鎖錠状態または下降させた解錠状態にする駆動手段と、該駆動手段からの動力を前記鎖錠手段に伝達する動力伝達手段と、を備えて構成された駐車車両の退出阻止装置において、前記動力伝達手段は、前記鎖錠手段を下降させるとき、前記鎖錠手段の下降を妨げる外力が前記鎖錠手段に作用していない通常時には、下降する鎖錠手段に追従して移動し、前記外力が前記鎖錠手段に作用している異常発生時には、下降する鎖錠手段への追従を中断して前記駆動手段への前記外力の伝達を遮断するカップリング部を備え、該カップリング部は、前記鎖錠手段側に位置する第1カップリング部材および前記駆動手段側に位置する第2カップリング部材を有し、該第1および第2カップリング部材の対向する側面の所定位置にそれぞれ形成された各凸部が前記通常時に互いに係合することにより、下降する鎖錠手段に追従して前記第1および第2カップリング部材が移動する一方、前記各凸部が前記異常発生時に互いに係合しなくなることにより、前記駆動手段への前記外力の伝達が遮断される。さらに、前記カップリング部は、前記第1カップリング部材に対して、前記鎖錠手段を下降させる力を発生するための下降用スプリングが付設されており、前記異常発生時に前記鎖錠手段に作用していた前記外力が除去されると、前記鎖錠手段が前記下降用スプリングのスプリング力によって下降する。
【0010】
かかる構成では、駆動手段で発生した動力が動力伝達手段のカップリング部を介して鎖錠手段に伝達される。このカップリング部は、対向する側面の所定位置に凸部がそれぞれ形成された第1および第2カップリング部材を有しており、鎖錠手段を下降させるとき、通常時には、第1および第2カップリング部材の各凸部が互いに係合することで、下降する鎖錠手段に追従して第1および第2カップリング部材が移動し、駆動手段と鎖錠手段の間で力の伝達が可能な状態となる。一方、例えば、鎖錠手段に何かが引っ掛かるなどして鎖錠手段の下降を妨げる外力が作用するような異常発生時には、第1および第2カップリング部材の各凸部が互いに係合しなくなることで、駆動手段への外力の伝達を遮断する。これにより、鎖錠手段の下降を妨げるような外力の作用による影響が駆動側の下降動作にも及ぶような状況が回避され、駆動側の部品の損傷等を防止できるようになる。また、異常発生時に鎖錠手段に作用していた外力が除去されると、第1カップリング部材に付設された下降用スプリングのスプリング力によって、鎖錠手段が通常の下降位置まで下降することにより自動的な復旧が可能になる。
【0011】
また、上記駐車車両の退出阻止装置について、カップリング部は、鎖錠手段を上昇させるとき、駆動手段で発生する動力を鎖錠手段に常に伝達するようにしてもよい。
【0012】
かかる構成では、鎖錠手段を上昇動作させるとき、駆動手段で発生する動力がカップリング部を介して鎖錠手段に伝達され、その動力の伝達は、鎖錠手段の上昇を妨げるような外力が作用しているか否かに関係なく常時行われるようになる。
【0013】
さらに、上記退出阻止装置の具体的な構成として、駆動手段は、鎖錠手段を下降させるとき、通常時における鎖錠手段の移動に追従した所定の下降動作を行い、該下降動作が、異常発生時においても継続して行われるようにしてもよい。
【0014】
かかる構成では、下降動作中に異常が発生しても、駆動手段による下降動作は通常時と同様にして行われ、異常発生の有無に関係なく所定の下降動作が完了するようになる。
【0015】
また、前述した駐車車両の退出阻止装置は、鎖錠手段の鎖錠状態を検出する鎖錠検出手段と、該鎖錠検出手段の検出結果に基づいて、鎖錠手段が鎖錠状態にあることを報知する報知手段とを備えて構成されるようにしてもよい。
【0016】
かかる構成では、鎖錠検出手段によって鎖錠手段が鎖錠状態にあるか解錠状態にあるかが検出され、鎖錠手段の鎖錠が検出された場合には、その検出結果が報知手段によって報知されるようになる。
【0017】
さらに、上記駐車車両の退出阻止装置については、駆動手段の駆動状態を検出する駆動検出手段と、該駆動検出手段により駆動手段の下降動作完了が検出されたにも拘わらず、鎖錠検出手段で鎖錠手段の鎖錠が検出されているとき、異常発生を警告する警告手段とを備えて構成されるようにしてもよい。
【0018】
かかる構成では、駆動検出手段によって駆動手段の駆動状態が検出され、駆動手段における下降動作の完了が鎖錠手段の鎖錠中に検出された場合には、鎖錠手段の下降を妨げるような外力が作用していることを判別し、警告手段によって異常の発生が警告されるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、第1実施形態かかる駐車車両の退出阻止装置の要部構成を示す斜視図である。ただし、上述の図7に示した従来の構成と同様の部分には同じ符号が付してある。
【0020】
図1において、本退出阻止装置は、従来の場合と同様の構成(図7)について、踏板18に固定された軸19上にカップリング部30を設け、踏板18とその駆動機構Dとの間における力の伝達がカップリング部30を介して行われるようにしたものである。
【0021】
図2は、カップリング部30の付近を拡大して示した分解斜視図である。
図2に示すように、カップリング部30は、例えば、2つのカップリング部材31,32を組み合わせて構成され、ここでは、踏板18と踏板スプリング21の間に位置する軸19上に挿設される。カップリング部材31は、踏板18側に位置する軸19上に取り付けられ、略円柱状の形状を有し、カップリング部材32に対向する側面の所定位置に凸部31Aが形成されている。また、カップリング部材32は、踏板スプリング21側(駆動機構D側)に位置する軸19上に取り付けられ、略円柱状の形状を有し、カップリング部材31に対向する側面の所定位置に凸部32Aが形成されている。各カップリング部材31,32の凸部31A,32Aは、後述するように軸19の回動動作に応じて互いに係合し、踏板18側と駆動機構D側の間で力を伝達する。
【0022】
また、本実施形態では、カップリング部材31に対して、踏板18を下降させる力を発生するための下降用スプリング40が付設される。この下降用スプリング40は、カップリング部材31の円周側面上に固定されたピン41と、図示しないケース等の固定部に固定されたピン42との間に架けられ、カップリング部材31を図2で右周りに回転させる方向、すなわち、踏板18を下降させる方向のスプリング力を常時発生する。
【0023】
なお、本実施形態に適用される駆動機構D側の構成は、上述の図7に示したような特許第1568088号等によって代表される鎖錠踏板駆動機構と同様のものであるため、ここでの説明を省略する。
【0024】
次に、第1実施形態の動作について説明する。
まず、踏板18の下降動作について考える。本装置においては、下降動作を指令する信号により電磁ブレーキ7が消磁されて平歯車8が回転自由となると共に、電動機1がb回転方向に回転する。電動機1の回転力は、かさ歯車3,6に伝わって接手スプリング5を捩ると同時にその径を広げようとするが、接手スプリング5は、平歯車4とかさ歯車6の円筒中空部の内周壁に当接して拘束され、押圧する。従って、接手スプリング5はかさ歯車6から平歯車4にほぼ100%の回転力を伝達する。平歯車4が回転すると平歯車8を介して平歯車10がc回転方向に回転し、マキバネ13が弛められてマキバネ13と固定軸9との間の摩擦力が低減し、摩擦力による回転フランジ14の制動保持が解除される。そして、さらに平歯車10が回転するとこれに形成した凸部11がピン16に係止し、回転フランジ14が平歯車10と一体回転動を行って、踏板スプリング21の起立弾性力に抗しながら、リンク17およびクランク20を介して軸19を踏板18の下降方向に回転させる。これにより、カップリング部30のカップリング部材32も軸19と一体回転動を行うようになる。
【0025】
図3は、カップリング部30の中央部を軸19に垂直な面で切断し、図1の矢印aに示す方向から見たときの断面図であって、(A)が下降動作中の通常時の状態を示し、(B)が下降動作中の異常発生時の状態を示す図である。なお、(C)は上昇動作中の状態を示す図である。
【0026】
図3(A)に示すように、踏板18の下降動作中の通常時、すなわち、踏板18に何かが引っ掛かるなどして踏板18を下降させる力に抗する外力が作用していないような状態では、駆動機構D側に位置するカップリング部材32の凸部32Aが軸19の回転に伴って右回りに回転すると共に、踏板18側に位置するカップリング部材31の凸部31Aが、凸部32Aに係止し、凸部32Aの回転に追従して右回りに回転する。この凸部31Aの回転力は、踏板18の自重および下降用スプリング40のスプリング力に起因するものである。したがって、踏板18は、駆動機構D側の下降動作に追従したカップリング部30の回転によって下降するようになる。そして、踏板18がほぼ完全に下降し倒伏すると、その倒伏とほぼ同時にかさ歯車6の回転により図示しないカムを介して電動機1へ停止信号が送信され、電動機1が停止して規定の下降動作が終了する。
【0027】
一方、図3(B)に示すように、踏板18の下降動作中に、踏板18を下降させる力に抗する外力が作用するような異常発生時においては、駆動機構D側の軸19の回転に伴ってカップリング部材32の凸部32Aが右回りに回転しても、踏板18側のカップリング部材31の凸部31Aは、上記外力の作用によって凸部32Aの回転には追従しなくなり、凸部31Aと凸部32Aの係止が外れることになる。これにより、踏板18に作用する外力が駆動機構D側に伝達されることが回避され、駆動機構D側では通常時と同様の下降動作が異常発生時においても継続されることになる。そして、通常時において踏板18がほぼ完全に倒伏したのに相当する状態になるまで駆動機構D側の動作が進むと、かさ歯車6の回転により図示しないカムを介して電動機1へ停止信号が送信され、電動機1が停止して規定の下降動作が終了する。
【0028】
また、踏板18の下降を妨げる外力が除去されれば、踏板18は、自重および下降用スプリング40のスプリング力によって、通常の下降位置まで下降することができる。なお、ここでは、下降用スプリング40を付設するようにしたが、本発明はこれに限らず、例えば、下降用スプリング40を省略して自重だけで踏板18を下降させるようにしてもよい。
【0029】
次に、踏板18の上昇動作について考える。
図示しない車両感知器が駐車車両を感知すると、電動機1がa回転方向に回転する。電動機1の回転力は、かさ歯車3,6を経て接手スプリング5に伝わり、接手スプリング5を捩ると同時にその径を小さくする。したがって、接手スプリング5と平歯車4、かさ歯車6の内周壁との間に隙間が生じ、接手スプリング5が弾性接手として平歯車4に回転力を伝える。すると、平歯車10がd回転方向に回転し、凸部11とピン16との係止が外れ、回転フランジ14が回転自由となり、踏板スプリング21の起立弾性力によって、踏板18を上昇させる方向に軸19が回転する。これにより、カップリング部30のカップリング部材32も軸19と一体回転動を行うようになる。
【0030】
このときのカップリング部30は、図3(C)に示すように、駆動機構D側のカップリング部材32の凸部32Aが軸19の回転に伴って左回りに回転すると共に、踏板18側のカップリング部材31の凸部31Aが、凸部32Aに係止し、凸部32Aの回転に押されて左回りに回転する。したがって、駆動機構D側からの動力がカップリング部30を介して踏板18に伝達され、踏板18が上昇するようになる。なお、上昇動作中のカップリング部30では、通常時および異常発生時を問わずに、各凸部31A,32Aが係止して踏板18側と駆動機構D側の間で力の伝達が行われる。
【0031】
踏板18が車両の底部に当たると回転フランジ14の回転が停止し、電動機1の回転によりマキバネ13が締付けられて固定軸9への押圧力が上昇し、マキバネ13と固定軸9との間に作用する摩擦力が上昇する。この摩擦力の上昇により平歯車4,8,10等に作用する負荷が大きくなるから、電動機1により接手スプリング5が更に捩られてマキバネ13と固定軸9との間の摩擦力が高められる。そして、その後かさ歯車6と一体動するカムにより電動機1が停止し、電磁ブレーキ7が作動して平歯車8が制動保持される。
【0032】
このように第1実施形態によれば、踏板18と駆動機構Dの間の力の伝達をカップリング部30を介して行うようにしたことで、踏板18の下降動作を妨げるような外力が踏板18に作用する場合でも、その外力が駆動機構D側に伝達されることなく、通常時の下降動作が駆動機構D側で継続されるようになるため、駆動機構Dの各部品が損傷したり、電動機1が過負荷状態となって焼損してしまうといったことを防止可能である。また、踏板18とベース部の隙間に手や足などを挟まれてしまうといったことも回避されるため安全性にも優れた退出阻止装置を実現できる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態にかかる駐車車両の退出阻止装置の要部構成を示す斜視図である。
【0034】
図4において、本退出阻止装置の構成が上述した第1実施形態の構成と異なる部分は、第1実施形態において踏板18と踏板スプリング21の間に設けていたカップリング部30および下降用スプリング40に代えて、クランク20の外方側に位置する軸19上にカップリング部30’を設けた部分である。ただし、図4には、カップリング部30’を分解した状態で示し、基本的な構造が明確になるようにしてある。カップリング部30’以外の他の部分構成は、第1実施形態の場合と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0035】
図5は、カップリング部30’の具体的な構成例を示す断面図である。
図5に示すように、カップリング部30’は、第1実施形態におけるカップリング部材31に相当するカップリング部材33がクランク20の外方(図5で右方)側の軸19上に固定され、また、第1実施形態におけるカップリング部材32の凸部32Aに相当する凸部20Aが、クランク20のカップリング部材33に対向する側面に形成されている。さらに、ここでは第1実施形態における下降用スプリング40に相当する下降用スプリング34が、クランク20とカップリング部材33の間に位置する軸19上に巻き付けられている。
【0036】
カップリング部材33は、略円柱状の形状を有し、クランク20に対向する側面の所定位置に凸部33Aが形成され、軸19と一体になって回動する。クランク20は、軸受を介して軸19に回動可能に取り付けられている。カップリング部材33の凸部33Aおよびクランク20に形成された凸部20Aは、軸19の回動動作に応じて互いに係合し、踏板18側と駆動機構D側の間で力を伝達する。下降用スプリング34は、両端がカップリング部材33およびクランク20にそれぞれ固定されていて、そのスプリング力は、踏板18を下降させる力を軸19に与える。
【0037】
上記のような退出阻止装置の動作は、基本的に第1実施形態の場合の動作と同様であって、踏板18と駆動機構Dの間の力の伝達がカップリング部30’を介して行われるようになる。本実施形態のようにクランク20の外方側にカップリング部30’を設けるようにすれば、踏板18と駆動機構Dの間のスペースに制約があるような場合でも本発明を適用することが可能であり、また、一方のカップリング部材としてクランク20を利用するので、より少ないスペースでカップリング部が実現され、装置の小型化を図ることができるという効果もある。
【0038】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。ここでは、駐車車両の退出阻止装置における動作状態の検出および報知等について具体的に説明する。
図6は、第3実施形態にかかる駐車車両の退出阻止装置の構成を示すブロック図である。
【0039】
図6において、本退出阻止装置は、上述した第1実施形態または第2実施形態について、踏板18の鎖錠状態を検出する鎖錠検出手段としての鎖錠検出部50と、駆動機構Dの駆動状態を検出する駆動検出手段としての駆動検出部51と、鎖錠検出部50および駆動検出部51の各検出結果を基に本装置の動作状態を外部に知らせる信号を発生する報知手段および警告手段としての信号発生部52とを設けたものである。
【0040】
鎖錠検出部50は、踏板18が上昇した鎖錠状態にあるか下降した解錠状態にあるかを検出し、該検出結果を示す信号を信号発生部52に出力するものである。具体的には、例えば光学式センサ等を利用して踏板18の鎖錠状態を検出することが可能である。
【0041】
駆動検出部51は、駆動機構Dの上昇動作の完了または下降動作の完了を検出し、該検出結果を示す信号を信号発生部52に出力するものである。具体的には、例えば、上述の第1実施形態でも説明したように、かさ歯車6にカム(図示せず)などを形成し、該カムの位置に応じて上昇または下降の動作完了を検出することが可能である。
【0042】
信号発生部52は、鎖錠検出部50からの信号が踏板18の鎖錠状態を示す場合に、踏板18の鎖錠を外部に知らせるための報知信号を出力する。また、該報知信号の出力中に、駆動検出部51からの信号が下降動作の完了を示すようになった場合には、異常発生を外部に知らせるための警告信号を出力する。
【0043】
上記のような構成の退出阻止装置では、上述した第1、2実施形態の場合と同様にして、踏板18と駆動機構Dの間の力の伝達がカップリング部30または30’を介して行われるのと同時に、踏板18の鎖錠状態および異常発生の有無がそれぞれ検出されて外部に知らされるようになる。
【0044】
踏板18の鎖錠状態の検出および報知については、従来の装置においても実施されていたが、踏板18に何かが引っ掛かるなどの異常発生の検出および警告については、本発明を適用することではじめて実現されるものである。すなわち、踏板18と駆動機構Dの間の力の伝達をカップリング部30または30’を介して行うようにしたことで、下降動作中の異常発生時においても、駆動機構D側の下降動作は通常時と同様に行われ、一連の下降動作を完了させることが可能である。したがって、駆動検出部51により駆動機構Dの下降動作完了をモニタすれば、踏板18の下降を妨げる外力の作用により踏板18が鎖錠状態にあるのか、駆動機構D側の故障等により踏板18が鎖錠状態にあるのかを判別することが可能である。一方、従来の構成では、踏板18の下降を妨げる外力が作用すると駆動機構D側の下降動作にも影響が及び、一連の下降動作を完了できなくなる場合が生じるため、踏板18が鎖錠状態にあることが、外力の作用によるものなのか、駆動機構D側の故障等によるものなのかを判別することが困難であった。
【0045】
このように第3実施形態によれば、踏板18と駆動機構Dの間の力の伝達をカップリング部を介して行うと共に、鎖錠検出部50、駆動検出部51および信号発生部52を設けたことで、踏板18の鎖錠状態を検出して報知することができると同時に、踏板18の下降を妨げる外力の作用による異常発生を検出して警告することができる。これにより、駐車車両の施錠および解錠をより確実に行うことのできる退出阻止装置を実現することが可能になる。
【0046】
なお、上述した第1〜第3実施形態では、特許第1568088号等によって代表される駆動機構を適用して踏板を駆動する構成としたが、本発明に適用される踏板の駆動機構はこれに限定されるものではない。例えば、踏板18に連結する軸19を電動機によって直接回転駆動するような公知の駆動機構に対して、本発明を応用することも可能である。
【0047】
また、カップリング部材の凸部の係合状態によって力の伝達および遮断を切り替えるカップリング部を示したが、本発明のカップリング部の構造はこれに限られるものではなく、同様の機能を実現可能な公知のカップリング構造を適用することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による駐車車両の退出阻止装置は、鎖錠手段および駆動手段間における力の伝達を第1および第2カップリング部材の各凸部を介して行うようにしたことで、鎖錠手段の下降を妨げるような外力が作用する場合でも、その外力が駆動手段側に伝達されることがなくなるため、部品を損傷したり、駆動源が過負荷状態になることを防ぐことが可能である。また、鎖錠手段に手や足などを挟まれてしまうといった事態も回避されるため、安全性にも優れた退出阻止装置を実現できる。さらに、第1カップリング部材に対して下降用スプリングを付設したことで、外力が除去されたときの自動復旧が可能である。
【0049】
さらに、鎖錠手段および駆動手段間の力の伝達をカップリング部を介して行うと共に、鎖錠検出手段および報知手段を設けるようにしたことで、鎖錠手段が鎖錠状態にあることを外部に知らせることが可能になる。加えて、駆動検出手段および警告手段を設けるようにすれば、鎖錠手段の下降を妨げる外力の作用による異常発生を検出して警告することができ、駐車車両の施錠および解錠をより確実に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第1実施形態の要部構成を示す斜視図である。
【図2】同上第1実施形態におけるカップリング部の付近を拡大して示した分解斜視図である。
【図3】同上第1実施形態におけるカップリング部の断面図であって、(A)が下降動作中の通常時の状態を示し、(B)が下降動作中の異常発生時の状態を示し、(C)が上昇動作中の状態を示す図である。
【図4】本発明による第2実施形態の要部構成を示す斜視図である。
【図5】同上第2実施形態におけるカップリング部の具体的な構成例を示す断面図である。
【図6】本発明による第3実施形態の構成を示すブロック図である。
【図7】従来の駐車車両の退出阻止装置の要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
D…駆動機構
1…電動機
4,8,10…平歯車
5…接手スプリング
7…電磁ブレーキ
9…固定軸
13…マキバネ
14…回転フランジ
18…踏板
19…軸
20…クランク
21…踏板スプリング
30,30’…カップリング部
31,32,33…カップリング部材
20A,31A,32A,33A…凸部
40…下降用スプリング
41,42…ピン
50…鎖錠検出部
51…駆動検出部
52…信号発生部
Claims (5)
- 駐車車両の鎖錠を行う鎖錠手段と、
該鎖錠手段を上昇させた鎖錠状態または下降させた解錠状態にする駆動手段と、
該駆動手段からの動力を前記鎖錠手段に伝達する動力伝達手段と、
を備えて構成された駐車車両の退出阻止装置において、
前記動力伝達手段は、前記鎖錠手段を下降させるとき、前記鎖錠手段の下降を妨げる外力が前記鎖錠手段に作用していない通常時には、下降する鎖錠手段に追従して移動し、前記外力が前記鎖錠手段に作用している異常発生時には、下降する鎖錠手段への追従を中断して前記駆動手段への前記外力の伝達を遮断するカップリング部を備え、
該カップリング部は、前記鎖錠手段側に位置する第1カップリング部材および前記駆動手段側に位置する第2カップリング部材を有し、該第1および第2カップリング部材の対向する側面の所定位置にそれぞれ形成された各凸部が前記通常時に互いに係合することにより、下降する鎖錠手段に追従して前記第1および第2カップリング部材が移動する一方、前記各凸部が前記異常発生時に互いに係合しなくなることにより、前記駆動手段への前記外力の伝達が遮断され、さらに、
前記カップリング部は、前記第1カップリング部材に対して、前記鎖錠手段を下降させる力を発生するための下降用スプリングが付設されており、前記異常発生時に前記鎖錠手段に作用していた前記外力が除去されると、前記鎖錠手段が前記下降用スプリングのスプリング力によって下降することを特徴とする駐車車両の退出阻止装置。 - 前記カップリング部は、前記鎖錠手段を上昇させるとき、前記駆動手段で発生する動力を前記鎖錠手段に常に伝達することを特徴とする請求項1に記載の駐車車両の退出阻止装置。
- 前記駆動手段は、前記鎖錠手段を下降させるとき、前記通常時における鎖錠手段の移動に追従した所定の下降動作を行い、該下降動作が、前記異常発生時においても継続して行われることを特徴とする請求項1または2に記載の駐車車両の退出阻止装置。
- 前記鎖錠手段の鎖錠状態を検出する鎖錠検出手段と、
該鎖錠検出手段の検出結果に基づいて、前記鎖錠手段が鎖錠状態にあることを報知する報知手段とを備えて構成されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の駐車車両の退出阻止装置。 - 前記駆動手段の駆動状態を検出する駆動検出手段と、
該駆動検出手段により駆動手段の下降動作完了が検出されたにも拘わらず、前記鎖錠検出手段で鎖錠手段の鎖錠が検出されているとき、異常発生を警告する警告手段とを備えて構成されたことを特徴とする請求項4に記載の駐車車両の退出阻止装置。
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