JP4539562B2 - 単気筒4サイクルエンジンの制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、単気筒4サイクルエンジンの制御装置に係り、特に同エンジンの行程判別を行う制御装置に関する。
4サイクルエンジンでは、吸入行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程の4つの行程が順に行われることによりその燃焼サイクルの1周期が完結する。すなわち4サイクルエンジンにおいては、その出力軸であるクランク軸が2回転することで燃焼サイクルの1周期が完結する。このため、単にクランク軸の回転角度を検出するだけでは、いずれの行程かを判別することができない。そして、行程判別ができないと、燃料噴射制御や点火時期制御を行うタイミングが把握できず、エンジンの運転を的確に制御することができない。
そこで、従来の4サイクルエンジンの制御システムにおいては、例えば、クランク軸が2回転する間に1回転するカムシャフトにカムセンサを設け、そのカム信号に基づいて行程判別を行うようにしている。しかしながら、この方法においては、カムシャフトの回転角度を検出するためのセンサを別に設ける必要があり、コストの面などで不利である。
ところで、単気筒4サイクルエンジンでは、クランク軸が1回転する間におけるその回転速度が一様でない。詳しくは、クランク軸の回転速度は、爆発行程においてガスの膨張に伴う仕事により大きくなり、他の行程においてクランク軸に制動力が作用するため小さくなる。そこで、この現象に基づいて行程判別を行う方法が開示されている。例えば、特許文献1では、上死点から所定の回転角度までの回転所要時間を測定するとともに、連続するクランク軸の2回転の間に測定された回転所要時間を比較している。そして、測定した回転所要時間のうち短い回転所要時間が含まれている方が爆発行程に相当すると判断する。また、特許文献2では、クランク軸に取り付けられたシグナルロータについて、いわゆる欠け歯を、エンジンのピストンが上死点から下死点に移動する間に設けている。これにより、欠け歯を通過する行程は吸入行程又は爆発行程のいずれかになる。そして、連続するクランク軸の2回転においてその欠け歯部を通過する際の時間を測定するとともに比較して、短い時間の方に爆発行程が含まれると判断する。
しかしながら、特許文献1,2の方法では、行程判別を行うためにクランク軸が2回転する必要がある。なお、特許文献2では、欠け歯部の前後において、所定のクランク角度分回転する際の回転所要時間を算出し、その前後2つの回転所要時間の比に基づいて行程判別を行っているが、この方法では、シグナルロータの欠け歯部が限定される。
特開2001−289109号公報 特開2002−70708号公報
本発明の主たる目的は、クランク軸が1回転する間に行程判別を行うことを可能とし、ひいては早期に適正な運転制御を行うことのできる単気筒4サイクルエンジンの制御装置を提供することである。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について説明する。
ピストンの往復動によりシリンダ容積を増加及び減少させるとともにクランク軸を回転させる単気筒4サイクルエンジンにおいては、その出力軸であるクランク軸が2回転することで燃焼サイクルの1周期が完結する。このため、吸入行程及び圧縮行程に相当する1回転を「表」とし、爆発行程及び排気行程に相当する1回転を「裏」とすると、単にクランク軸の回転角度を検出するだけでは、その回転が表・裏のいずれであるかを識別できず、いずれの行程かを判別することができない。そこで本発明では、クランク軸が所定のクランク角度分回転する際の回転所要時間が行程ごとに異なることに注目する。詳しくは、回転所要時間は爆発行程においてガスの膨張に伴う仕事により短くなり、その後の他の行程において排気、吸気、圧縮に伴う制動力の作用を受けるため長くなる傾向にあるため、回転所要時間の変化の傾向に注目する。
請求項1に記載の発明では、エンジンのクランク軸が等角度分回転するごとに回転検出信号を出力するとともに、前記クランク軸の基準角度位置で基準検出信号を出力するクランク角センサを備えており、所定のクランク角度分回転する際の回転所要時間が算出可能である。そして、ピストンによるシリンダ容積増加の一期間内で算出した2つの回転所要時間に基づき行程判別を行う。
上記構成によれば、ピストンによるシリンダ容積増加の一期間内で2つの回転所要時間が算出され、その2つの回転所要時間により回転所要時間の変化の傾向が得られる。前述したように回転所要時間の変化の傾向は行程ごとに異なるため、現在の行程がいずれの行程であるかを判別することができる。すなわち、クランク軸が1回転する間に判別可能であり、ひいては早期に適正な運転制御を行うことができる。
ここで、「2つの回転所要時間」は、前後に連続して算出される2つの回転所要時間のみならず、前後に離間して算出される2つの回転所要時間であっても良い。
ピストンによるシリンダ容積増加の一期間内で回転所要時間を算出すると、その一期間は、表において吸入行程に相当する場合、裏において爆発行程に相当する。一方で、その一期間が表において圧縮行程に相当する場合、裏において排気行程に相当する。前述したように爆発行程においては回転所要時間が短くなる傾向にある一方、他の行程においては長くなる傾向にある。このため、変化の傾向が大きく異なる吸入行程と爆発行程とにおいて行程判別すると良い。これにより、行程判別を確実に行うことができる。
請求項に記載の発明では、請求項に記載の発明において、連続する2つの回転所要時間の差と、予め定めた判別基準値とを比較していずれの行程であるかを判別する。
爆発行程では、クランク軸がガスの膨張に伴う仕事を受けるため、回転所要時間の変化の傾向として時間変化の割合が正であり、且つ大きい。一方で、吸入行程では、クランク軸が惰性回転しつつ吸入、排気、圧縮に伴う制動力を受けるため、回転所要時間の変化の傾向として時間変化の割合が負であり、且つ小さい。したがって、その回転所要時間の時間変化の割合を判別基準値と比較することにより行程判別を行うことができる。
本発明によれば、連続する2つの回転所要時間の差が算出され、回転所要時間の時間変化の割合が求められる。そして、その傾向が判別基準値と比較されて、行程の判別が行われるようになっている。
ここで、判別基準値は、爆発行程用の判別基準値と、吸入行程用の判別基準値をそれぞれ設け、それぞれの判別基準値と回転所要時間の時間変化の割合とを比較すると良い。これにより、爆発行程及び吸入行程のいずれでもないという判別結果が得られる。すなわち、判別結果の確かさがあいまいな場合には、判別不可として再度行程判別を行うようにすることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、エンジンの始動に際して、エンジンの回転速度が予め定めた基準回転速度から所定の範囲内でない場合には、行程判別を行わない。
エンジンの始動方法には、スタータによるものの他に、自動二輪車などにおいてキック操作や押しがけによるものなどがある。ここで、キック操作や押しがけが行われる場合には、運転者の操作態様によりエンジンの回転速度がばらつくため、回転所要時間に基づく行程判別を適正に行うことができない。そこで、エンジンの回転速度が基準回転速度から所定範囲内でない場合には行程判別を行わないことにより、誤判別を回避する。
請求項に記載の発明では、請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、クランク軸が1回転する度に得られる判別結果を仮結果とし、連続して所定回数の仮結果が正常に得られた際に、その判別結果を確定させる。
上記構成によれば、複数回の行程の判別が行われることにより、その信頼性を高めることができる。また、クランク軸が1回転する間に1回の行程判別が行われるため、燃焼サイクルの1周期中に2回の行程判別を行うことができる。したがって、従来例(特許文献1,2)のように燃焼サイクルの1周期中に1回の行程判別を行うものに比べて信頼性が高い。
(第1の実施の形態)
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。本実施の形態は、自動二輪車用の4サイクル単気筒ガソリンエンジンを対象にエンジン制御システムを構築するものである。本エンジン制御システムにおいては、電子制御ユニット(以下、ECUという)を中枢とし、点火時期制御などが実施される。先ずは、図1を用いて本エンジン制御システムの全体概略構成を説明する。
図1に示すエンジン10の吸気ポートには、吸気バルブ11が設けられるとともに、吸気管12が接続されている。吸気管12の吸気ポート近傍には電磁駆動式の燃料噴射弁13が設けられ、この燃料噴射弁13には図示しない燃料供給系より燃料が供給されるようになっている。また、エンジン10の排気ポートには、排気バルブ14が設けられるとともに、排気管15が接続されている。この構成において、吸気バルブ11の開動作により吸気管12からエンジン10の燃焼室A内に吸入空気が導入され、排気バルブ14の開動作により燃焼後の排気が排気管15に排出される。
エンジン10のシリンダヘッドには点火プラグ16が取り付けられており、この点火プラグ16には点火コイル等によりなる点火装置(図示略)により所望とする点火時期に高電圧が印加される。高電圧の印加により、点火プラグ16の対向電極間に火花放電が発生し、エンジン10の燃焼室A内に導入された混合気が着火される。また、エンジン10のシリンダ内にはピストン17が設けられ、ピストン17はコンロッド18を介してクランク軸19に連結されている。すなわち、ピストン17の往復動により燃焼室Aの容積が変化する。
クランク軸19には、所定クランク角度間隔として30°CA間隔で繰り返される凸部と、その凸部の一部が欠落した欠け歯部を有するシグナルロータ21が取り付けられている。また、シグナルロータ21の近傍にはクランク角センサ22が設けられている。そして、このクランク角センサ22によりシグナルロータ21の凸部及び欠け歯部に基づきクランク軸19の回転角度が検出されるようになっている。詳しくは、シグナルロータ21の欠け歯部に基づき、クランク軸19の基準角度位置が検出され(基準位置判別)、その基準角度位置を基準として凸部を検出する毎にクランク軸19が30°CAだけ回転したことが検出される。本実施の形態では基準角度位置が下死点前15°CAとなるようにシグナルロータ21がクランク軸19に取り付けられているが、この角度位置は任意である。また、エンジン10付近には、バッテリ(図示略)からの給電により駆動され、エンジン10に初期回転を付与するスタータ23が設けられている。
ECU30は、周知の通りCPU、ROM、RAM等よりなるマイクロコンピュータを主体として構成されるものであり、ROMに記憶された各種の制御プログラムを実行することによってエンジン10の運転状態を制御する。詳しくは、前述したクランク角センサ22などの各種センサの検出信号を取り込み、その検出信号に基づいて点火時期制御などのエンジン10の各種制御を実施する。
さて、4サイクル式のエンジン10では、吸入行程、圧縮行程、爆発行程、排気行程の4つの行程が順に行われることによりその燃焼サイクルの1周期が完結する。すなわちエンジン10においては、その出力軸であるクランク軸19が2回転(720°CA)することで燃焼サイクルの1周期が完結する。このため、吸入行程及び圧縮行程に相当する1回転を「表」とし、爆発行程及び排気行程に相当する1回転を「裏」とすると、単にクランク軸19の回転角度を検出するだけでは、その回転が表・裏のいずれであるかを識別できず、いずれの行程かを判別することができない。そこで本実施の形態では、行程ごとに所定のクランク角度分を回転する際の回転所要時間が異なることに注目し、その変化の傾向に基づく行程判別を行う。
図2は、クランク軸19が30°CA分回転する際の回転所要時間T30の変化の様子を示す図である。図2に示すクランク角信号は、クランク角センサ22の出力をフィルタ処理などして整形したものである。また、クランク角番号Cnは、欠け歯部を終えた最初のクランク信号を基準(0番)としてクランク角信号の立ち下がりエッジ毎にカウントした値である。
ここで、爆発行程においては、上死点付近で行われた点火により混合気が着火し、燃焼によって生じたガスの膨張による仕事により、回転所要時間T30が短くなる。これに対し爆発行程後の排気行程、吸入行程、圧縮行程においては、クランク軸19が惰性回転しつつ、それぞれ混合気の吸入や圧縮、排気の排出などに伴う性動力の作用を受けるため、回転所要時間T30が長くなる。したがって、同じクランク角番号Cnであっても、回転所要時間T30の変化の傾向がそれぞれ異なる。特に、吸入行程又は爆発行程に相当するクランク角番号Cn=7〜10においてその傾向が大きく異なる。そこで、回転所要時間T30の変化の傾向として連続する2つの回転所要時間T30の差を算出する。そして、その回転所要時間T30の差を適合などにより予め求めた行程判別値と比較していずれの行程であるかを判別する。
図3は、行程判別の処理手順を示すフローチャートである。本行程判別処理では、吸入行程又は爆発行程に相当するクランク角番号Cn=8,9の回転所要時間T30を取得し、その時間差ΔT30を算出する。そして、その時間差ΔT30を吸入行程用及び爆発行程用のそれぞれの行程判別値K1,K2と比較することによりいずれの行程であるかを判別する。ここで、時間差ΔT30は爆発行程において負の比較的大きな値となり、吸入行程において正の比較的小さな値となるため、行程判別値K1,K2はその傾向に応じて異なる値(K1<K2)を設定している。なお、本行程判別処理はECU30によりクランク角信号の立ち下がりエッジタイミング毎に実行される。
先ずステップS101では、行程判別が未完了であるか否かを判定する。行程判別が未完了であればステップS102に移行し、行程判別が完了していればそのまま本行程判別処理を終了する。本実施の形態では行程判別を1トリップに1回行うこととしており、行程判別が完了しているかの判定を判別完了フラグFに基づいて行う。判別完了フラグFは、ECU30の電源投入時における初期動作において0に設定され、行程判別が完了した場合に1に設定されるものである。また、判別完了フラグFは、エンジン10を搭載した二輪車両が転倒してエンジンストールを生じた場合など、行程判別を再度行う必要がある場合に0にクリアされる。
ステップS102では、エンジン10の回転速度が基準回転速度から所定範囲内か否かを判定する。所定範囲内であればステップS103に移行し、所定範囲内でなければそのまま本行程判別処理を終了する。これは、次の理由による。通常、エンジン10の始動にはスタータ23が用いられるが、バッテリの充電量が不足している場合などに、キック始動や押しがけが行われる。この場合、運転者の始動操作によって回転所要時間T30の変化態様がばらつくため、行程判別を適正に行うことができない。したがって、エンジン10の回転速度が基準速度から所定範囲内でなければ行程判別を行わない。ここで、エンジン10の回転速度はクランク角センサ22の検出信号を基に算出している。
ステップS103では、クランク角番号Cnが8であるか否かを判定する。クランク角番号Cnが8であればステップS104において、クランク角番号Cn=8における回転所要時間T30を取得し、ステップS105において、その取得値をT30oldとして記憶する。その後、本行程判別処理を一旦終了する。一方で、クランク各番号Cnが8でなければステップS106に移行する。
ステップS106では、クランク角番号Cnが9であるか否かを判定する。クランク角番号Cnが9であればステップS107に移行し、クランク角番号Cnが9でなければそのまま本行程判別処理を終了する。ステップS107では、クランク角番号Cn=9における回転所要時間T30を取得し、ステップS108において、その取得値をT30newとして記憶する。
続くステップS109では、T30newとT30oldとの時間差ΔT30(ΔT30=T30new−T30old)を算出する。そしてステップS110において、時間差ΔT30の大きさが、行程判別値K1以下か否かを判定する。行程判別値K1以下であれば、ステップS111において現在の行程が爆発行程であると判断する。その後、ステップS112において、行程判別が完了したことを示す判別完了フラグFを1に設定し、本行程判別処理を終了する。一方で、行程判別値K1以下でなければ、ステップS113に移行する。
ステップS113では、時間差ΔT30の大きさが、予め定めた行程判別値K2以上か否かを判定する。行程判別値K2以上であれば、ステップS114に移行して現在の行程が吸入行程であると判断する。その後、ステップS115において、行程判別が完了したことを示す判別完了フラグFを1に設定し、本行程判別処理を終了する。一方で、行程判別値K2以上でなければ、現在の行程がいずれであるかを判断できない状態であるとして、いずれの行程にあるかを判断することなく、本行程判別処理を終了する。
以上、詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
回転所要時間T30の変化の傾向が行程ごとに異なることに基づき、ピストン17によるシリンダ容積が増減する同一の期間内に算出した2つの回転所要時間T30よりいずれの行程であるかを判別したため、クランク軸19が1回転する間に行程判別可能である。したがって、早期に適正な運転制御を行うことができる。
特に、ピストン17によるシリンダ容積増減の期間内に回転所要時間T30を取得したことにより、吸入行程又は爆発行程において回転所要時間T30が取得され、行程の判別が行われる。吸入行程と爆発行程とでは回転所要時間T30の変化の傾向が大きく異なるため、行程の判別がより確実に行われる。
さらに、連続する2つの回転所要時間T30を算出するとともにその時間差ΔT30を求め、時間差ΔT30と予め定めた判別基準値K1,K2とを比較したことにより、回転所要時間T30の時間変化の割合に応じて行程の判別が行われる。また、爆発行程用の判別基準値と、吸入行程用の判別基準値をそれぞれ設けたことにより、判別結果の確かさがあいまいな場合には行程の判別を行わず、再び行程判別が行われる。
また、エンジン始動に際して、エンジン10の回転速度が基準回転速度から所定の範囲内でない場合、すなわち、キック操作や押しがけによるものなど、運転者の操作態様により回転所要時間T30の変化の傾向がばらつく場合には、行程判別を行わないようにしたことにより、誤判別が行われることが回避される。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態では、クランク軸19が1回転する度に図3と同様の行程の判別を行うが、その判別結果を仮結果として各種エンジン制御に適用することとし、正常な行程の判別が連続して複数回行われた際に判別結果を確定させる。この本実施の形態における行程判別の処理手順を図4に示す。図4では、図3と同様の処理については同じステップ番号を付してそのまま流用するものとし、以下相違点を中心に説明を行う。
図4に示す行程判別処理では、行程の判別が正常に行われ、それが連続して所定回数K3(本実施の形態では4回)繰り返された場合に判別結果を確定させることとし、判別カウンタCを用いてその回数をカウントする。判別カウンタCは、ECU30の電源投入時にける初期動作において判別カウンタCを0に初期化され、行程判別が行われるごとにインクリメント(+1)される。また、行程判別の結果が誤りであった場合や、連続して行程判別を行えなかった場合に、0にクリアされる。
先ずステップS101では、行程判別が未完了であるか否かを判定する。未完了であればステップS102に移行し、完了していればそのまま本行程判別処理を終了する。
ステップS102では、エンジン10の回転速度が基準回転速度から所定範囲内か否かを判定する。所定範囲内であればステップS120に移行し、所定範囲内でなければステップS121に移行する。ステップS121では、正常な行程判別が連続して行われないとして、判別カウンタCを0にクリアし、本行程判別処理を終了する。
ステップS120では、ステップS103〜S109と同様に、クランク各番号Cn=8,9における回転所要時間T30を取得するとともに、それぞれT30old,T30newとして記憶し、その時間差ΔT30(ΔT30=T30new−T30old)を算出する。その後、ステップS122に移行する。
ステップS122では時間差ΔT30の大きさが行程判別値K1以下か否かを判定する。行程判別値K1以下であればステップS123に移行して現在の行程が爆発行程であると仮判別し、ステップS126に移行する。一方で、行程判別値K1以下でなければ、ステップS124に移行する。
ステップS124では時間差ΔT30の大きさが行程判別値K2以上か否かを判定する。行程判別値K2以上であればステップS125に移行して現在の行程が吸入行程であると仮判別し、ステップS126に移行する。一方で、行程判別値K2以上でなければ、現在の行程がいずれであるかを判断できない状態であるとして、ステップS121に移行して判別カウンタCを0にクリアする。
ステップS126では、今回の判別結果が前回の判別結果と同じか否かを判定する。今回と前回の結果とが同じであれば、誤判定が行われているとして、ステップS121に移行して判別カウンタCを0にクリアする。
一方で、今回と前回の判別結果が異なっていれば、ステップS127において判別カウンタCをインクリメントし、ステップS128において判別カウンタCが所定回数K3以上か否かを判定する。所定回数K3以上であればステップS129において判別結果を確定するとともに、ステップS130において判別完了フラグFを1に設定し、本行程判別処理を終了する。一方で、所定回数K3未満であれば本行程判別処理を一旦終了し、再び行程判別を行う。
以上、詳述した実施の形態によれば、以下の優れた効果が得られる。
クランク軸19が1回転する度に得られる判別結果を仮結果として各種制御に用い、行程の判別が正常に連続して複数回の行われた際に判別結果を確定させたことにより、判別結果の信頼性が向上する。
また、クランク軸19が1回転する間に1回の行程判別が行われるため、燃焼サイクルの1周期中に2回の行程判別を行うことができる。したがって、従来例(前記特許文献1,2)のように燃焼サイクルの1周期中に1回の行程判別を行うものに比べて信頼性が高くなる。
なお、本発明は以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、以下のように実施しても良い。
上記実施の形態では、連続する2つの回転所要時間の差に基づいて行程判別を行ったが、これに限らない。次の(1)及び(2)の構成、及びその組み合わせとすることが考えられる。
(1)非連続である2つの回転所要時間T30に基づいて行程判別を行う構成とする。図2に示したように、ピストン17が同一方向に移動中、すなわち同一行程中であれば回転所要時間T30の変化の傾向は同様であり、非連続である2つの回転所要時間の差に基づいても行程の判別を行うことが可能である。また、非連続である2つの回転所要時間T30に注目すると、回転所要時間T30の時間差ΔT30が大きくなり、行程判別を行い易くなる。
(2)2つの回転所要時間T30の比に基づいて行程判別を行う構成とする。回転所要時間T30は、爆発行程において比較的急に短くなり、吸入行程において比較的緩やかに長くなる。このため、爆発行程においてはその比が1から乖離する一方、吸入行程においては略1になるため、予め定めた行程判別値との比較により、いずれの行程であるかを判別することができる。
上記実施の形態では、爆発行程及び吸入行程用にそれぞれ行程判別値K1,K2を定めたが、K1=K2=αとしても行程の判別を行うことができる。その場合、時間差ΔT30が行程判別値αよりも小さければ爆発行程であると判別し、行程判別値αよりも大きければ吸入行程であると判別する。
上記実施の形態では、シグナルロータ21における凸部のクランク角度間隔と、回転所要時間を算出する対象としての所定クランク角度とを同一としたが、これに限らない。所定クランク角度を凸部のクランク角度間隔の整数倍とするなど、凸部のクランク角度間隔と、回転所要時間を算出する対象としての所定クランク角度とが異なる構成としても良い。この構成においても、算出した2つの回転所要時間に基づき、いずれの行程であるかを判別することができる。
また、クランク角センサ22における凸部のクランク角度間隔を30°CAとしたが、これに限らない。30°CAより小さなクランク角度又は大きなクランク角度としても良い。
エンジン制御システムの概略を示す全体構成図である。 回転所要時間T30の変化の様子を示す図である。 行程判別の処理手順を示すフローチャートである。 第2の実施の形態における行程判別の処理手順を示すフローチャートである。
符号の説明
10…エンジン、21…クランク角センサ、30…ECU。

Claims (4)

  1. ピストンの往復動によりシリンダ容積を増加及び減少させ、クランク軸が2回転することで燃焼サイクルの1周期が完結する単気筒4サイクルエンジンの制御装置であって、
    記クランク軸が等角度分回転するごとに回転検出信号を出力するとともに、前記クランク軸の基準角度位置で基準検出信号を出力するクランク角センサと、
    前記クランク角センサの出力に基づき、前記クランク軸所定のクランク角度分回転する際の回転所要時間を算出する算出手段と、
    前記ピストンによるシリンダ容積増加の一期間内で前記算出手段により算出した2つの回転所要時間に基づき行程判別を行う判別手段と、
    を備えたことを特徴とする単気筒4サイクルエンジンの制御装置。
  2. 前記判別手段は、前記算出手段により算出した連続する2つの回転所要時間の差と、予め定めた判別基準値とを比較していずれの行程であるかを判別することを特徴とする請求項に記載の単気筒4サイクルエンジンの制御装置。
  3. 前記エンジンの始動に際して、前記エンジンの回転速度が予め定めた基準回転速度から所定の範囲内でない場合には、前記行程判別を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の単気筒4サイクルエンジンの制御装置。
  4. 前記判別手段は、前記クランク軸が1回転する度に得られる判別結果を仮結果とし、連続して所定回数の仮結果が正常に得られた際に、前記判別結果を確定させることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の単気筒4サイクルエンジンの制御装置。
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