JP2003003901A - エンジン制御装置 - Google Patents

エンジン制御装置

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JP2003003901A
JP2003003901A JP2002118963A JP2002118963A JP2003003901A JP 2003003901 A JP2003003901 A JP 2003003901A JP 2002118963 A JP2002118963 A JP 2002118963A JP 2002118963 A JP2002118963 A JP 2002118963A JP 2003003901 A JP2003003901 A JP 2003003901A
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crank
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、始動性とエミッションとを向上さ
せることができる内燃機関の制御装置を提供することを
目的とする。 【解決手段】 本発明では、カムセンサ6,10のいず
れかのセンサによって検出される信号エッジ(立上り,
立下り)と、他方のセンサの信号レベル(Hi,Lo)
とにより、エンジンの回転位置を特定する。具体的に
は、2つのカムセンサ6,10の上記信号状態の組み合
わせにより、推定クランクカウンタScm_EstCr
nkにクランクロータの回転位置に相当するカウント値
をセットする。これにより、クランクセンサ1により3
60°CA以内に気筒判別が実行されなくとも90°C
A以内にエンジンの回転位置を検出できる。そして、エ
ンジンのクランキング開始から速やかに精度の高い燃料
噴射制御、点火時期制御を実施できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】内燃機関において、クランク
軸の回転位置に応じた各気筒の燃焼サイクルを識別する
内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】一般に、自動車用エンジン等の内燃機関に
おいては、燃料噴射や点火時期を、自動車あるいはエン
ジンの運転条件に応じて制御する。エンジンの制御にお
いては、各気筒毎に、しかも各気筒の所定行程におい
て、さらには所定の時期に、燃料噴射、あるいは点火を
行う必要がある。
【0003】このため、エンジンの制御のためには、エ
ンジンの回転位置、即ち、クランク軸の回転位置(回転
角度)を特定する必要がある。エンジンの回転位置を特
定する処理は、多気筒エンジンにおいては、気筒判別処
理と呼ばれる。例えば、多気筒4ストロークエンジンで
は、クランク軸の1回転に1回だけ検出される基準位置
が用いられる。この基準位置を検出するために設けられ
るクランクセンサは、複数気筒のうちの特定の気筒が吸
気行程の初期にあるときに基準位置信号が発生するよう
に配置される。
【0004】エンジン制御装置は、このクランクセンサ
の信号に基づいて燃料噴射時期に達した気筒を特定し、
さらに燃料噴射時期を最適な位置に調節する。このよう
なエンジン制御システムは、例えば、マイクロコンピュ
ータを用いて構成でき、燃料噴射、点火の時期は、タイ
マ制御によって実現されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、クランクセ
ンサは、例えば、10°CA毎におきに配置された34
個の歯と、基準位置としての2個の欠歯とにより構成で
きる。この構成では、エンジンを始動するときに基準位
置を認識するまでに最大で360°CAを要する。これ
では、運転者がスタータモータを起動してからエンジン
が360°CA回転するまでは燃料噴射等を実行するこ
とができないので、エンジンの始動に長期間を要する。
【0006】また、他方では、基準位置を認識するまで
は、エンジンの回転位置を特定せずに燃料噴射を実行す
る技術として非同期噴射の技術が知られている。ところ
が、非同期噴射ではエンジンの回転位置を特定せずに燃
料噴射を実行するので、運転状態に応じた適切な燃料噴
射制御を実行することはできない。例えば、非同期噴射
が、ある気筒の吸気行程から圧縮行程に跨って行われた
場合、非同期噴射の途中で吸気バルブが閉じられてしま
い燃焼に必要な燃料が不足してしまう場合がある。従っ
て、非同期噴射では、各気筒に最適な燃料噴射を実行す
ることができない虞がある。このため、最適な燃料を供
給しようとすると、エンジンの始動期間を短縮すること
が困難であった。また、非同期噴射では、始動時のエミ
ッションが悪化する虞があった。
【0007】本発明は上述の課題に鑑みてなされたもの
であり、従って、本発明の目的とするところは始動性と
エミッションとを改善したエンジン制御装置を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、カムセンサの出力とクランクセンサの出力に基づい
てエンジンの回転位置を特定する正規気筒識別手段と、
カムセンサの出力に基づいてエンジンの回転位置を特定
する暫定気筒識別手段とを備える。
【0009】これにより、いずれかの気筒識別手段が、
先にエンジンの回転位置を特定するので早期にエンジン
の回転位置を特定できる。
【0010】更に請求項2の発明によれば、正規気筒判
別手段によりエンジンの回転位置が特定される前に、暫
定気筒識別手段によりエンジンの回転位置が特定された
ときに、暫定気筒識別手段により特定されたエンジンの
回転位置に基づいてエンジンを制御する制御手段を備え
る。
【0011】これにより、エンジンが始動されてから正
規気筒識別手段によりエンジンの回転位置が設定されて
いない期間では、暫定気筒識別手段、若しくは、正規気
筒識別手段との何れか一方の気筒識別によりエンジンの
回転位置が設定される。ここで、正規気筒識別手段のみ
では、360°CA間気筒識別を行なうことができなく
ても、暫定気筒識別手段により、正規気筒識別手段によ
り識別できない気筒に対するクランク軸の回転位置を検
知することができる。そして、早期にエンジンの回転位
置に応じたエンジン制御を実施することができるので、
始動性とエミッションとを向上させることができる。
【0012】請求項3の発明によれば、制御手段は、暫
定気筒識別手段が特定したエンジンの回転位置によって
示される気筒に燃料を噴射する燃料噴射制御手段と、暫
定気筒識別手段が特定したエンジンの回転位置によって
示される気筒に点火を行う点火制御手段とのうち少なく
とも1つを備える。
【0013】これにより、暫定気筒識別手段が正規気筒
識別手段よりも早期にエンジンの回転位置を特定した場
合、燃料噴射制御と点火時期制御とを精度良く実行する
ことができるので、始動性とエミッションとを向上させ
ることができる。
【0014】請求項4の発明によれば、カムセンサは、
2つの凸部と2つの凹部とを有する第1のカムロータ
と、2つの凸部と2つの凹部とを有する第2のカムロー
タとを有し、各カムロータの凹部と凸部との立上り又は
立下りが、各気筒に対応して配置される。
【0015】請求項5の発明によれば、第1のカム軸と
第2のカム軸とを有し、カムセンサは、第1のカム軸に
設けられる第1のカムセンサと、第2のカム軸に設けら
れる第2のカムセンサとを有し、正規気筒識別手段は、
クランクセンサの信号と、第1カムセンサと第2カムセ
ンサとのうち少なくとも一方のカムセンサの信号とに基
づいてエンジンの回転位置を特定し、制御手段は、正規
気筒識別手段によりエンジンの回転位置が特定されてい
ない期間は、暫定気筒識別手段により特定されるエンジ
ンの回転位置に基づいてエンジンを制御する。
【0016】請求項6の発明によれば、第1カムセンサ
と第2カムセンサとは、両者の信号の組み合わせによっ
てエンジンの複数の基準位置を指し示すように構成され
ている。
【0017】これにより、第1カムセンサと第2カムセ
ンサとの組み合わせによってエンジンの回転位置を特定
することができる。つまり、クランクセンサの信号によ
らずエンジンの回転位置を特定することができるので、
暫定気筒識別手段と正規気筒識別手段とのうちいずれか
一方の手段でエンジンの回転位置が特定できる。従っ
て、早期にエンジンの回転位置に基づいてエンジン制御
を実行できるので、始動性とエミッションを向上するこ
とができる。
【0018】請求項7の発明によれば、クランクセンサ
は、エンジンの基準位置を示す信号を出力するよう構成
され、第1カムセンサと第2カムセンサとは、クランク
センサが提供する基準位置とは異なる基準位置とは異な
る基準位置を指し示すよう構成されている。
【0019】これにより、クランクセンサの信号に基づ
いてエンジンの回転位置を特定する正規気筒識別手段に
よりエンジンの回転位置が特定できない期間は、第1カ
ムセンサと第2カムセンサとが提供する基準位置によっ
てエンジンの回転位置を特定することができる。従っ
て、早期にエンジンの回転位置を特定でき、これに基づ
いてエンジン制御を実行できるので、始動性とエミッシ
ョンを向上できる。
【0020】請求項8の発明によれば、第1カムセンサ
と第2カムセンサとは高レベル、低レベルの2値の信号
を出力する。
【0021】請求項9の発明によれば、暫定気筒識別手
段は、第1カムセンサの信号と第2カムセンサの信号の
うち、一方の信号のレベルの切り替わりと、他方のレベ
ルとの組み合わせに従って、エンジンの回転位置を特定
する。
【0022】請求項10の発明によれば、信号のレベル
の切り替わりは、エンジンの所定気筒の吸気肯定の略上
支点から上支点後略60°クランク角度の範囲内に設定
されている。
【0023】これにより、暫定気筒識別手段による気筒
識別により気筒識別が行なわれると、識別された気筒に
対して燃料噴射制御を実施することができる。つまり、
この識別する期間は、吸気行程の略上支点から上支点後
略60°クランク角度の範囲内に設定されているので、
噴射した燃料が確実に燃焼室内に供給できる。
【0024】請求項11の発明によれば、点火時期制御
手段は、第1カムセンサの信号のレベルの切り替わり
と、第2カムセンサの信号のレベルの切り替わりとが、
両方とも検出されてから、暫定気筒識別手段が特定した
エンジンの回転位置によって示される気筒に点火を行
う。
【0025】これにより、いずれか一方のカムセンサが
故障しているときに、点火時期制御が実施されることが
防止されるので、精度良い点火時期を設定することがで
きずに、燃焼が悪化してしまう不都合を防止することが
できる。
【0026】請求項12の発明によれば、正規気筒識別
手段により特定されるエンジンの回転位置と、暫定気筒
識別手段により特定されるエンジンの回転位置とのずれ
を算出し、暫定気筒識別手段により特定されるエンジン
の回転位置を補正する補正手段を備える。
【0027】これにより、正規気筒識別手段による気筒
識別の識別結果と、暫定気筒判別による気筒識別の識別
結果とを比較することにより第1・第2のカムセンサの
誤差を精度良く補正することができる。つまり、カムロ
ータの取り付け位置等によって生ずる誤差を補正するこ
とができる。
【0028】請求項13の発明によれば、第1カム軸と
第2カム軸とを備える多気筒エンジンのエンジン制御装
置において、第1カム軸に設けられ、第1カム軸が1回
転する間に、少なくとも気筒数の半分の回数は変化する
信号を出力する第1カムセンサと、第2カム軸に設けら
れ、第2カム軸が1回転する間に、少なくとも気筒数の
半分の回数は変化する信号を出力する第2カムセンサ
と、第1カムセンサの信号と第2カムセンサの信号とに
基づいてエンジンの回転位置を特定する暫定気筒識別手
段とを備える。
【0029】これにより、カム軸の1回転当りに第1カ
ムセンサと第2カムセンサとが出力変化は、多気筒のす
べての気筒に対して設定できる。従って、各気筒に対応
するエンジンの回転位置を検知することができる。
【0030】更に、請求項14の発明によれば、暫定気
筒識別手段は、第1カムセンサの信号と第2カムセンサ
の信号とのうち一方が変化したときの、他方の信号の大
きさに基づいて多気筒のうちの特定気筒が所定の行程に
あることを検出する。
【0031】これにより、暫定気筒識別手段は、第1カ
ムセンサと第2カムセンサの信号状態の組み合わせによ
り全気筒を識別できる。従って、クランキングが行われ
てから最初の気筒が来ると速やかにその気筒を識別でき
るので、始動性とエミッションを向上できるエンジン制
御を実行できる。このクランキングが行われてから最初
の気筒が来るまでの期間は、例えば、4気筒4サイクル
エンジンは最も遅くとも内燃機関の始動から180°C
A、6気筒4サイクルエンジンは最も遅くとも120°
CA、8気筒4サイクルエンジンの場合には90°CA
である。
【0032】請求項15の発明によれば、多気筒エンジ
ンのエンジン制御システムにおいて、クランクセンサの
信号とカムセンサの信号とに基づいて可変バルブタイミ
ング装置を制御するバルブタイミング制御手段と、第1
基準位置を検出し、第1基準位置に基づいてエンジンを
制御する第1エンジン制御手段と、少なくとも第1基準
位置が検出されるまでの期間、第2基準位置を検出し、
第2基準位置に基づいて前記エンジンを制御する第2エ
ンジン制御手段とを備える。
【0033】これにより、エンジンを始動する時に、第
1基準位置又は第2基準位置のいずれかが先に検出され
るので、早期にエンジンの回転位置に応じたエンジン制
御を提供できる。しかも、カムセンサは可変バルブタイ
ミング装置の制御にも利用することができる。
【0034】請求項16の発明によれば、クランクセン
サは、360クランク角度毎に第1基準位置を示す信号
を発生するためのクランクロータを有し、カムセンサ
は、720クランク角度の間に、一方の第1基準位置に
おいて高レベル信号を発生し、他方の第1基準位置にお
いて低レベル信号を発生し、さらに第2基準位置におい
て高レベルと低レベルとの間の切り替わりを発生するた
めのカムロータを有する。
【0035】クランクセンサは、360クランク角度毎
に第1基準位置を発生する。エンジンの1サイクルが7
20クランク角度であるので、エンジン1サイクルに2
回の第1基準位置が検出される。この2つの第1基準位
置を識別するために、カムセンサは、一方の第1基準位
置においては高レベル、他方の第1基準位置においては
低レベルを発生する。しかしながら、エンジンがクラン
キングされてから第1基準位置を識別できるまで最も遅
いと360クランク角度を要する。そこで、カムロータ
は、第1基準位置とは異なる第2基準位置を発生できる
よう構成される。これにより、第1基準位置を検出でき
ない期間は第2基準位置に基づいてエンジンを制御でき
るので、早期にエンジンの回転位置に応じたエンジン制
御を提供できる。
【0036】請求項17の発明によれば、カムセンサ
は、エンジンの第1カム軸に設けた第1カムセンサと、
エンジンの第2カム軸に設けた第2カムセンサとを備え
る。そして、第1カムセンサと第2カムセンサとは、第
2の基準位置に加えて更に、第1基準位置とも第2基準
位置とも異なる第3基準位置を示す信号を出力する。
【0037】これにより、エンジンがクランキングされ
てから第1基準位置が検出されない期間では、第1カム
センサと第2カムセンサとにより、第2基準位置若しく
は第3基準位置を検出できる。
【0038】請求項18の発明によれば、クランクセン
サは、360クランク角度毎に第1基準位置を示す信号
を発生するためのクランクロータを有する。また、カム
センサは、エンジンの第1カム軸に設けた第1カムセン
サと、エンジンの第2カム軸に設けた第2カムセンサと
を備える。そして、第1カムセンサは、720クランク
角度の間に、一方の第1基準位置において高レベル信号
を発生し、他方の第1基準位置において低レベルの信号
を発生する。更に、第2基準位置において高レベル又は
低レベルの信号を発生するための第1カムロータを備え
る。また、第2カムセンサは、720クランク角度の間
に、第2基準位置において高レベル又は低レベルの信号
を発生するための第2カムロータを備える。
【0039】クランクセンサは、360クランク角度毎
に第1基準位置を発生する。エンジンの1サイクルが7
20クランク角度であるので、エンジン1サイクルに2
回の第1基準位置が検出される。この2つの第1基準位
置を識別するために、カムセンサは、一方の第1基準位
置においては高レベル、他方の第1基準位置においては
低レベルを発生する。しかしながら、エンジンがクラン
キングされてから第1基準位置を識別できるまで最も遅
いと360クランク角度を要する。そこで、第1カムロ
ータは、第1基準位置とは異なる第2基準位置において
高レベル又は低レベルの信号を発生できるよう構成され
る。また、第2カムロータは、第2基準位置において、
高レベル又は低レベルの信号を発生できる。
【0040】これにより、第1基準位置を検出できない
期間は第2基準位置に基づいてエンジンを制御できる。
つまり、第2基準位置は、第1カムセンサと第2カムセ
ンサとによって複数の気筒を識別することができるの
で、早期にエンジンの回転位置に応じたエンジン制御を
提供できる。
【0041】請求項19の発明によれば、第1エンジン
制御手段と第2エンジン制御手段とは、燃料噴射時期と
点火時期との少なくと一つを制御する。
【0042】これにより、第1エンジン制御手段又は第
2エンジン制御手段により特定されるエンジン回転位置
に基づいて燃料噴射時期と点火時期との少なくとも一つ
を制御できる。従って、特定されたエンジン回転速度に
基づいて燃料噴射時期と点火時期との少なくとも一つを
精度良く実施できる。
【0043】請求項20の発明によれば、カムセンサ
は、エンジンの気筒数と同じ数の基準位置を示す信号を
出力するよう構成されている。
【0044】これにより、全ての気筒に対して基準位置
を発生するので、カムセンサはエンジンがクランキング
されてから最初の気筒を識別できる。従って、エンジン
のクランキングから速やかに気筒を特定でき、エンジン
の制御を実行するので、始動性とエミッションを向上す
ることができる。
【0045】
【発明の実施の形態】<第1の実施の形態>以下に、本
発明に係る第1の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は概略構成図であり、本発明のエンジン制御装置が
適用された火花点火式の4サイクルV型8気筒エンジン
の構成を示している。本発明に係る第1の実施の形態に
おいては、バンクAと、バンクBとを有する。バンクA
の吸気バルブを駆動するカム軸7Aには、可変バルブタ
イミング装置(VCT)35が設けられる。バンクBの
吸気バルブを駆動するカム軸7Bには、可変バルブタイ
ミング装置(VCT)35が設けられる。カム軸7A、
7Bは、クランク軸2によって駆動される。
【0046】クランク軸2が1回転すると、カム軸7
A、7Bは1/2回転する。本実施の形態では、バンク
Aの1番気筒を#1A、2番気筒を#2A、3番気筒を
#3A、そして4番気筒を#4Aと記述する。バンクB
も、同様に、#1B、#2B、#3B、#4Bと記述す
る。このエンジンの燃焼順序は、#1A、#1B、#4
A、#2A、#2B、#3A、#3B、#4B、#1A
である。各カム軸7A、7Bには、この燃焼順序に対応
したカムプロファイルが形成されている。
【0047】エンジン30のクランク軸2には、クラン
クセンサ1が設けられている。クランク角センサ1は、
エンジン30のクランク軸2に固定されたクランクロー
タ3とマグネット式のピックアップコイル4(以下、M
PUと称する)とからなる。クランク角ロータ3の外周
には10°CA毎に歯部3aが設けられる。ただし、そ
の一部には歯部3aの1個分を欠落させた欠歯部3bと
が設けられている。この結果、クランクセンサ1は、ク
ランク軸2の1回転中に35個のパルスを出力する。エ
ンジン30の1運転サイクルにおいては、クランク軸2
は720°CA回転し、クランクセンサ1は70個のパ
ルスを出力する。
【0048】また、カム軸7Aには、カムセンサ6が設
けられる。カムセンサ6は、カム軸7Aに設けられたカ
ムロータ8と磁気抵抗素子9(以下、MREと称する)
とからなる。MRE9は、カムロータ8との間の距離に
応じて変化する磁束を検出するものであり、カムロータ
8の突出部8bと欠落部8aとにより、カムロータ8の
Hi・Lo状態と、突出部8bと欠落部8aとの切り替
わり部としてカムエッジの立ち上がり、若しくは立ち下
がりを検出する。
【0049】一方、バンクBに配設されるカムセンサ1
0は、カムロータ19とMRE18とから構成される。
カムロータ19は、カムロータ8とは異なる外周形状を
有している。カムロータ8の外周形状と、カムロータ1
9の外周形状とは、互いに関連性をもって配設されてい
る。カムロータ19も、2箇所の凹部19aと、2箇所
の凸部19bとを有する。カムロータ19の凸部19b
の前縁と後縁は、カムロータ8のHi期間又はLo期間
の中に設定されている。一方、カムロータ8の凸部8b
の前縁と後縁は、カムロータ19のHi期間又はLo期
間の中に設定されている。
【0050】さらに、凸部8bと凹部19bは、45°
(90°CA)を単位として配置されている。カムセン
サ6は、カム軸7Aが一回転する間に、少なくとも気筒
数(8気筒)の半分の回数(4回)の信号変化を生じ
る。カムセンサ10も、カム軸7Bが一回転する間に少
なくとも気筒数の半分の回数の信号変化を生じる.カム
ロータ8及び19の外周形状は、MRE9又は18の出
力のいずれかが、45°毎に立上り又は立下りを迎える
ように設定されている。それぞれの立上り、立下りの位
置は、例えば、各気筒のATDC30°の位置に対応し
ている。
【0051】尚、本実施の形態では、VCT34、35
によって吸気弁のタイミングを始動に適した位置まで遅
角した状態において、立上り、立下りの位置がATDC
30°に位置している。2つのカムセンサ6、10は、
エンジン30の気筒数(8気筒)に対応した数の基準位
置(8箇所)を規定し、各基準位置を示す信号を出力す
る。結果、2つのMRE9,18の信号によって、エン
ジン30の回転位置を特定することができる。例えば、
8気筒のうちいずれの気筒が吸気行程にあるのかを特定
することができる。
【0052】クランクセンサ1は、360°CAに1個
の基準位置信号を出力する。一方、カムセンサ6,10
は、クランクセンサ1から基準位置信号が得られない期
間において、少なくとも1箇所の基準位置を示す信号を
発生する。この実施の形態では、一方のカムセンサの出
力が変化した時の他方のカムセンサ出力レベルによっ
て、720°CA中の特定の回転位置が示される。この
実施の形態では、カムセンサ9,18によって、8箇所
の回転位置を示すことができる。尚、MRE9,18に
代えて、ホール素子を用いても良い。
【0053】クランク角センサ1にはMPU用波形整形
回路11が接続されている。この波形整形回路11で
は、クランクセンサ1からの出力信号が所定の閾値に基
づいて波形整形する。波形整形回路11からは、クラン
クロータ3の外周形状に対応した2値の信号が出力され
る。この信号は、クランク角信号Neと呼ばれる。ま
た、カム角センサ6,10にはMRE用波形整形回路1
7が接続されている。この波形整形回路17は、フィル
タにより出力信号のノイズを除去し、コンパレータによ
り波形整形を行う。波形整形回路17からは、カムロー
タ8と、カムロータ19との外周形状に対応した2値の
信号を判定する。
【0054】これらの信号は、カム各信号Ca,Cbと
呼ばれる。波形整形回路11,波形整形回路17の出力
は、ECU20に入力される。このECU20は、クラ
ンク角信号Ne及びカム角信号Ca,Cbとに基づい
て、内燃機関の#2気筒及び#4気筒の燃焼におけるT
DCが検知される。
【0055】ECU20は、周知の各種演算処理を実行
する中央処理装置としてのCPU、制御プログラムを格
納したROM、各種データを格納するRAM、B/U
(バックアップ)RAM、入出力回路及び及びそれらを
接続するバスライン等からなる論理演算回路として構成
されている。そして、ECU20は、クランク角信号N
eに基づいてエンジン回転速度Neを算出する。また、
ECU20には、この他、各種センサ情報として吸気圧
センサ12からの吸気圧信号Pm、水温センサ13から
の冷却水温信号Tw等が入力されている。
【0056】ECU20は、燃料噴射装置31と、点火
装置32を制御する。燃料噴射装置31は、複数の燃料
噴射弁31A−31Hを備える。核燃料噴射弁は、エン
ジンの各気筒の吸気管に設けられている。点火装置32
は、各気筒に設けられた点火プラグを有しており、EC
U20から指示された点火プラグに点火火花を発生させ
る。さらにECU20は,クランクセンサ1、カムセン
サ6,10の信号に基づいてエンジンの回転位置を特定
し、適切な気筒に対応する燃料噴射弁を駆動して燃料を
供給する。このような燃料噴射制御は、独立噴射制御と
呼ばれる。また、ECU20は、クランクセンサ1、カ
ムセンサ6,10の信号に基づいてエンジンの回転位置
を特定し、適切な気筒に対応する点火プラグに火花が発
生するように点火装置32を制御する。
【0057】ECU20には、バッテリ14が接続され
ている。更に、ECU20には、イグニッションスイッ
チ15が接続されている。イグニッションスイッチ15
には、「OFF」、「ON」、「START」の位置が
設けられている。運転者がイグニッションスイッチ15
をキー操作によって「OFF」位置から「ON」位置に
切り換えると、ECU20に起動信号が入力され、各種
制御プログラムが実行される。また、イグニッションス
イッチ15が「START」位置に切り換えられると、
ECU20を動作させたままバッテリ14からスタータ
モータ16に電力が供給され、停止状態にあるエンジン
がクランキングされる。尚、本実施の形態においては、
エンジンがスタータモータによってクランキングされ、
エンジンが自ら回転を始めるまでを始動期間と呼ぶ。
【0058】2つのカムセンサ6,10からの信号は、
図2に示される組み合わせによって、各気筒のATDC
30°CAに対応するエンジンの回転位置を示す。図2
において、矢印の記号は、信号の立上りと立下りを示し
ている。また、Scm_EstCrnkは、カムセンサ
6,10からの信号によって設定される推定クランクカ
ウンタの値を示す。本実施の形態では、2つのカムセン
サ6,10から出力される信号状態の組み合わせによっ
て、エンジンの回転位置を特定する。具体的には、いず
れか一方のカムセンサ6,10からの信号が立上り又は
立下りを迎えた時の他方のカムセンサ6,10のHi又
はLoの状態によって、8気筒すべてのATDC30°
CAを検知する。
【0059】この実施例のECU20が実行する処理を
フローチャートに沿って説明する。
【0060】図3は、例えば、ECU20に起動信号が
与えられた直後、或いはエンジンがストールした直後な
どに起動される初期設定処理である。ステップS701
では、推定クランクカウンタScm_EstCrnkと
クランクカウンタScm_CCRNKとにカウント値と
して初期値$FFを入力して本ルーチンを終了する。
【0061】運転者がイグニッションスイッチ15を操
作してスタータモータ16が駆動されると、エンジンが
クランキングされる。同時に、ECUは、正規の気筒判
別処理としての正規起動識別処理と、暫定的な気筒判別
処理としての暫定気筒識別処理とのプログラムを実行す
る。図4と図5とは暫定気筒識別処理を示す。この処理
は、カムセンサ6,10からの信号のエッジ(立上り又
は立下り)が検出される毎に起動される割込処理であ
る。この処理では、図2に示した各信号の組み合わせを
判別し、クランク軸2の回転位置に相当するカウント値
を設定する。カウント値は、推定クランクカウンタSc
m_EstCrnkと呼ばれる。
【0062】まず、ステップ101(以下、ステップを
Sと称する)にてカムセンサ6のエッジが検出されると
S102へ進む。S102では、カムセンサ6の信号エ
ッジが立上りであるか立下りであるかが判定される。カ
ムセンサ6の信号エッジが立上りであると判定される
と、S103に進む。S103ではカムセンサ10の信
号がHiであるかLoであるかが判定される。カムセン
サ10がHiであると判定されると、S104に進み、
カムセンサ10がLoであると判定されると、S105
へ進む。
【0063】ステップS104では、推定クランクカウ
ンタScm_EstCrnkにカウント値として、48
+αを入力して本ルーチンを終了する。ここで、推定ク
ランクカウンタScm_EstCrnkに入力するカウ
ント値48は、気筒#3AのATDC30°CAを示
す。また、αは、補正値である。補正値αは、クランク
ロータ3とカムロータ8,19とのずれを補正するため
の値であり、エンジンの運転中に学習される。一方、S
105では、推定クランクカウンタScm_EstCr
nkにカウント値として、22+αを入力して本ルーチ
ンを終了する。カウント値22は、気筒#4AのATD
C30°CAを示す。
【0064】S102にて、カムセンサ6の信号エッジ
が立上りであると判定されると、S106へ進む。S1
06ではカムセンサ10の信号がHiであるかLoであ
るかが判定される。ここでカムセンサ10の信号がHi
であると判定されると、S107へ進む。S106にて
カムセンサ10の信号がLoであると判定されると、S
108へ進む。
【0065】S107では、推定クランクカウンタSc
m_EstCrnkに気筒#2BのATDC30°CA
に対応した39+αを入力して本ルーチンを終了する。
一方、S108では、推定クランクカウンタScm_E
stCrnkにB−bankの気筒#4BのATDC3
0°CAに対応した65+αを入力して本ルーチンを終
了する。
【0066】次に、S101にてカムセンサ10の信号
エッジが検出された場合、図5のフローチャートに分岐
する。S109にてカムセンサ10の信号エッジが立上
りであるか否かを判定する。カムセンサ10の信号エッ
ジが立上りであると判定されると、S110に進む。S
110では、カムセンサ6の信号がHiであるか否かが
判定される。ここで、カムセンサ6の信号がHiである
と判定されると、S111へ進む。S111では、推定
クランクカウンタScm_EstCrnkに気筒#2A
のATDC30°CAを示すカウント値30+αを入力
して本ルーチンを終了する。S110にて、カムセンサ
6がLoであると判定されるとS112へ進み、推定ク
ランクカウンタScm_EstCrnkに気筒#1Aの
ATDC30°CAに対応したカウント値4+αを入力
して本ルーチンを終了する。
【0067】S109にてカムセンサ10の信号が立下
りであると判定されると、S113に進む。S113で
は、カムセンサ6の信号がHiであるかLoであるかが
判定される。ここで、カムセンサ6の信号がHiである
と判定されると、S114に進み、推定クランクカウン
タScm_EstCrnkに気筒#3BのATDC30
°CAに対応するカウント値57+αを入力して本ルー
チンチンを終了する。一方、S113にてカムセンサ6
がLoであると判定されるとS115に進む。S115
では、推定クランクカウンタScm_EstCrnkに
気筒#1BのATDC30°CAに対応するカウント値
13+αを入力して本ルーチンを終了する。
【0068】この結果、暫定気筒識別のプログラムで
は、2つのカムセンサ6,10の信号状態の組み合わせ
を識別することによって、推定クランクカウンタScm
_EstCrnkには、各気筒のATDC30°CAに
対応したカウント値が設定される。本実施の形態では、
カムロータ8,19上の45°毎にカウント値の設定タ
イミングが訪れる。従って、エンジンがクランキングさ
れると、遅くとも90°CA回転するまでに推定クラン
クカウンタにカウント値を設定することができる。
【0069】推定クランクカウンタScm_EstCr
nkの値は、カウント処理によってクランク軸2の回転
に従ってカウントアップされる。このカウント値によっ
て、エンジン30の回転位置が示される。
【0070】図6は、カウント処理を示すフローチャー
トである。この処理は、クランクセンサ1の出力に応答
して起動される割り込み処理である。本実施の形態で
は、クランクセンサ1はエンジン30の1サイクルの間
に、70個のパルスを発生する。そこで、この処理で
は、クランク軸が2回転する毎にカウント値をリセット
する。
【0071】まずS201では、推定クランクカウンタ
Scm_EstCrnkが69を越えたか否かを判定す
る。ここで推定クランクカウンタScm_EstCrn
kが69を未満であると判定されると、ステップS20
2へ進む。S202では、推定クランクカウンタScm
_EstCrnkに0(リセット)を入力して本ルーチ
ンを終了する。一方、S201で推定クランクカウンタ
Scm_EstCrnkが69以上であると判定される
と、S203へ進み推定クランクカウンタScm_Es
tCrnkを1だけカウントアップして本ルーチンを終
了する。
【0072】従って、前提気筒識別処理によってカウン
ト値が一旦設定されると、以降はクランクセンサ1から
の信号に基づいて推定クランクカウンタScm_Est
Crnkの値が設定される。故に、比較的低い分解能を
もったカムセンサ6,10の信号によって初期値を設定
した後は、クランクセンサ1の高分解能信号によってエ
ンジン30の回転位置を高精度に検知することができ
る。
【0073】本実施の形態では、更に、正規気筒識別処
理が実行される。図7は、正規気筒識別処理を示すフロ
ーチャートである。この処理は、クランクセンサ1の信
号に応答して起動される割込み処理である。まず、S3
01では、カムセンサ6の信号エッジが検出されたか否
かが判定される。カムセンサ6の信号エッジが検出され
ると、S302に進む。S302では、カムカウンタS
cm_CAMCntに0を入力し、S304へ進む。一
方、S301でカムセンサ6の信号エッジが検出されな
いと、S303に進む。S303では、カムカウンタS
cm_CAMCntを1だけカウントアップし、S30
4へ進む。この結果、カムカウンタScm_CAMCn
tは、クランクセンサ1の信号毎にカウントアップさ
れ、カム軸カムセンサ6の信号エッジ毎にリセットされ
るカウンタとなる。
【0074】S304では、クランクロータ3の欠歯3
aが検出されたか否かが判定される。ここで、欠歯3a
が検出されない場合、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、欠歯3aが検出されるとS305へ進み、カムカ
ウンタScm_CAMCntが12よりも大きいか否か
を判定する。かむカウンタScm_CAMCntのカウ
ント地が12よりも大きいとS307へ進む。S307
では、クランクカウンタScm_CCRNKに21を入
力し、本ルーチンを終了する。S305にて、カムカウ
ンタScm_CCRNKのカウンタ値が12よりも小さ
いと、S306へ進む。S306では、クランクカウン
タScm_CCRNKにカウント値9を入力し、本ルー
チンを終了する。この結果、クランク軸2が1サイクル
中の1周目にあるのか、2周目にあるのかが判別され
る。
【0075】図8は、クランクカウンタScm_CAM
Cntをカウントアップする処理である。S311から
S313の処理によりクランクカウンタScm_CCR
NKは、0から22まで繰り返しカウントされる。この
処理は、クランクセンサ1からの信号に応答して、30
°CA毎に起動される。正規気筒識別処理では、クラン
クセンサ1が提供する基準位置と、カムセンサ6が提供
する基準位置とに基づいてクランク軸2の回転位置を特
定している。本実施の形態では、基準位置が8気筒のう
ちの気筒#2AのTDCであるか気筒#4BのTDCで
あるかをカムセンサ6の信号エッジからの距離によって
判別する。そして、一旦基準位置を検知した後は、30
°CA毎にカウントアップすることで、クランク軸2の
回転位置を特定する。
【0076】図9は、補正値αを求めるためのフローチ
ャートである。この処理は、正規気筒識別の後にクラン
クカウンタScm_CCRNKのカウント値が9になる
毎に実行される。S601ではクランクカウンタScm
_CCRNKのカウント値が9であることが確認され
る。角センサ1,6,10が設計通りに組み立てられ、
エンジン30に装着されている場合、クランクカウンタ
Scm_CCRNKが9であるときには、推定クランク
カウンタScm_CCRNKのカウント値が26にな
る。しかし、組み立て誤差などに起因して、両カウント
値がずれることがある。S602では、ずれαを演算す
る。この処理により、ずれαが学習される。そして、S
104などの処理に反映されることで、ずれが補正され
る。
【0077】図10,図11は、エンジン制御のフロー
チャートを示す。図10は、燃料噴射制御を示し、図1
1は、点火時期制御を示す。これらのエンジン制御は、
正規気筒識別処理又は暫定気筒識別処理によって特定さ
れたクランク軸2の回転位置に応じて実行される。例え
ば、燃料噴射制御ルーチンは、クランクセンサ1の信号
に応答して起動される割込処理である。ここで、暫定気
筒識別処理によって与えられた回転位置は、第1判別処
理によって回転位置が与えられるまでの間だけ、暫定的
に、エンジン制御に利用される。
【0078】まず、S401にて正規気筒識別が行なわ
れたことを示すフラグfが0であるか否かを判定する。
ここで、フラグfが1である場合は、正規気筒識別が行
われたことを意味する。f=1の場合、S402に進
み、通常燃料噴射制御を実施する。通常の燃料噴射制御
は、運転状態に応じて燃料噴射量を設定する。そして、
クランクカウンタScm_CCRNKに基づいて燃料噴
射タイミングを設定する。ここでは、VCT34,35
による吸気バルブや排気バルブの開閉タイミングも考慮
して燃料噴射タイミングが設定される。吸気バルブの開
閉タイミングは、クランクセンサ1の信号と、カムセン
サ6,10の信号との角度差等によって検出される。
【0079】一方、フラグf=0である場合、すなわ
ち、正規気筒識別が行なわれていないと判定すると、S
403へ進む。S403では、推定クランクカウンタS
cm_EstCrnkのカウント値が目標領域へ到達し
たか否かを判定する。この目標領域は、次に燃料噴射を
行うべき気筒の吸気BTDC90°CAから吸気ATD
C30°CAの範囲である。次に燃料噴射を行うべき気
筒は、カウント値によって特定される。カウント値が、
目標領域に達してない場合は、そのまま本ルーチンを終
了する。
【0080】一方、カウント値が目標領域にあると判定
されるとS404へ進む。S404では、後続のS40
5による燃料噴射を1サイクルに限る制限処理を行う。
S404にて、次に燃料噴射を行うべき当該気筒に対し
て、未だ燃料噴射を実行していないと判断された場合に
は、S405に進み燃料噴射を実行する。尚、この燃料
噴射は、エンジン30を始動するための始動燃料噴射で
ある。一方、当該気筒に対して、既にS405にて燃料
噴射を実行している場合には、本ルーチンを終了する。
【0081】この結果、エンジン1の1サイクル(72
0°CA)の間に限って推定クランクカウンタScm_
EstCrnkに基づく燃料噴射制御が実行される。し
かし、通常は、360°CA以内に正規気筒識別が成功
するため、S404による制限が機能する前に処理はS
402へ流れ、エンジン30の継続的な回転が確保され
る。
【0082】以上のように燃料噴射制御において、正規
気筒識別により回転位置が特定されるまでは、暫定気筒
識別により特定された回転位置に基づいて燃焼噴射制御
を実施する。このため、クランキングの開始から早い時
期に、エンジン30の回転位置に応じた燃料噴射を実行
できる。本実施の形態では、暫定気筒識別により特定さ
れた回転位置が、目標領域に到達した時点で燃料噴射を
実行するので早期に燃料噴射を開始でき、しかもVCT
34,35の影響を排除することができる。目標領域を
吸気BTDC90°CAから吸気ATDC30°CAに
設定することで、吸気バルブが開いている期間内に燃料
噴射し、燃焼室内に燃料供給できる。尚、目標領域は、
本実施の形態に限定されるものではない。
【0083】図11の点火時期制御では、暫定気筒識別
により回転位置を特定した後に、クランクセンサ1の信
号毎に起動される割込処理である。まず、S501にて
正規気筒識別が実行されたか否かが判定される。本実施
の形態では、クランクカウンタScm_CCRNKが2
4よりも小さいか大きいかによって判定する。正規気筒
識別が実行されたと判定されるとS504に進み、クラ
ンクカウンタScm_CCRNKに基づいて点火時期制
御を実行する。S504では、エンジン回転速度Neと
エンジンの負荷とのマップを検索することで運転状態に
応じて設定された点火時期を算出する。そして、クラン
クカウンタScm_CCRNKによって示されるクラン
ク軸2の回転位置が、算出された点火時期に達すると点
火プラグに火花を発生させる。
【0084】一方、S501にて正規気筒識別が実施さ
れていないと判定されると、S502へ進み、推定クラ
ンクカウンタScm_EstCrnkに基づいて点火時
期制御を実施する。S502では、エンジン回転速度N
eとエンジンの負荷とのマップを検索することで運転状
態に応じて設定された点火時期を算出する。そして、推
定クランクカウンタScm_EstCrnkによって示
されるクランク軸2の回転位置が、算出された点火時期
に達すると点火プラグに火花を発生させる。
【0085】尚、点火時期制御は、カムセンサ6,10
の両方の信号エッジが検出されてから実施されるのが好
ましい。例えば、カムセンサ6,10のいずれか一方が
故障している場合には、正常な暫定気筒識別が実行でき
ない。この場合には、正規気筒識別が行われるのを待っ
てエンジン制御を行うことが望まし。これによって、カ
ムセンサ6,10のいずれか一方が故障した場合でも、
燃焼が不安定になることが防止されエミッションが悪化
することが防止される。
【0086】ECU20は、更にVCT34,35を制
御する。ECU20は、クランク軸2に対するカム軸7
Aの第1位相差を演算する第1手段20aと、クランク
軸2に対するカム軸7Bの第2位相差を演算する第2手
段20bとを備える。ECU20は、エンジン30の運
転状態に応じた目標位相差を設定する目標値設定手段2
0cを有する。更に、ECU20は、第1位相差と、第
2位相差とを目標位相差に一致させるように制御する制
御手段20dを備える。第1位相差と第2位相差は、ク
ランクセンサ1の信号と、カムセンサ6,10の信号と
に基づいて算出される。例えば、クランクセンサ1の基
準位置信号と、カムセンサ6の信号エッジとの間の差に
よって第1位相差を算出することができる。
【0087】以上のように実施される制御処理を図12
のタイムチャートに示す。図12には、上段から順に、
TDCを向かえた気筒、クランクカウンタScm_CC
RNKの値、推定クランクカウンタScm_EstCr
nkの値、クランクセンサ1の出力波形、カムセンサ6
の出力波形、カムセンサ10の出力波形、そして各気筒
の行程が図示されている。
【0088】例えば、時刻t1からスタータモータ16
が駆動されると、エンジン30がクランキングされる。
この場合、クランクセンサ1が基準位信号を出力するの
は、略360°CA後の時刻t3である。従って、本実
施の形態では、暫定気筒識別処理によって、早期にエン
ジン30の回転位置が特敵される。図12の場合、時刻
t2においてカムセンサ6が立ち下がる。このとき、カ
ムセンサ10の信号はLoである。このため、推定クラ
ンクカウンタScm_EstCrnkには、65が設定
される。例えば、時刻t2において、気筒#2Aが吸気
行程にあり、しかも吸気バルブが閉弁時機にあることを
検知でき、気筒#2Aに対して燃料噴射を実行できる。
【0089】本実施の形態によると、遅くとも90°C
A以内にエンジンの回転位置を検出することができる。
そして、エンジンのクランキング開始から速やかに精度
の高い燃料噴射制御、点火時期制御を実施できる。ま
た、カムセンサ6,10は、VCT34,35の制御に
も使用することができる。
【0090】本実施例では、クランクセンサ1は、欠歯
部3bによって、360°CAごとに第1基準位置信号
を発生する。720°CAの間に得られる2つの第1基
準位置信号は、カムセンサ6,10の信号レベルを参照
することで識別される。カムセンサ6,10は、720
°CAの間に信号エッジと信号レベルとの組み合わせか
らなる8つの基準位置信号を発生する。8つの基準位置
信号には、第1基準位置信号と位置が異なる6つの信号
が含まれる。
【0091】本実施の形態において、暫定気筒識別手段
は図4,図5、及び図6のフローチャートに、正規気筒
識別手段は図7、及び図8のフローチャートに、点火時
期制御手段は図11のフローチャートに、燃料噴射量制
御手段は図10のフローチャートに、それぞれ相当し機
能する。
【0092】<第2の実施の形態>本発明は、V型6気
筒の4サイクルエンジンに適用することもできる。V型
6気筒の4サイクルエンジンは、各バンク毎に3気筒を
有する。燃焼順序は、#1A→#1B→#2A→#2B
→#3A→#3Bである。図13は、第2の実施の形態
の各部の信号を示すタイムチャートである。図13は、
上段から順に、TDCを向かえた気筒、クランクカウン
タScm_CCRNKの値、推定クランクカウンタSc
m_EstCrnkの値、クランクセンサ1の出力波
形、カムセンサ6の出力波形、カムセンサ10の出力波
形、そして各気筒の行程が図示されている。
【0093】本実施の形態でも、図1に示した構成と同
様の構成が採用される。但し、カムセンサ6,10のカ
ムロータ8,19の外周形状は異なる。カムロータ8,
19は、図13中段に示される波形に対応した外周形状
を有している。本実施の形態では、カムセンサ6,10
のそれぞれは、4つの凸部を外周に備えている。そし
て、4つの凸部は、120°CA若しくは240°CA
の間隔を空けて配置される。更に、2つのカムセンサ
6,10の出力は、360°CAの間に1回だけHiと
Loとの組み合わせになる。図13においては、時刻t
1においてHiとLoとの組み合わせが発生し、時刻t
5においてはLoとHiとの組み合わせが発生する。
【0094】カムセンサ6,10は、クランクセンナ1
からの基準位置信号が得られない期間において、Hiと
Loとの組み合わせ信号を出力する。例えば、時刻t1
において、カムセンサ6の出力がHi、カムセンサ10
の信号がLoとなる。この場合には、推定クランクカウ
ンタScm_CCRNKにクランク軸2の回転位置を示
すカウント値として6が設定される。時刻t5において
は、カムセンサ6の出力がLo、カムセンサ10の出力
がHiとなる。っこの場合には、推定クランクカウンタ
Scm_EstCrnkにクランク軸2の回転位置を示
すカウント値として53が設定される。時刻t2、又は
時刻t4においては、両方のカムセンサの出力がHiと
なる。この場合、推定クランクカウンタScm_Est
Crnkには、カウント値18又は41を設定しても良
い。
【0095】正規気筒識別は、クランクセンサ1の基準
位置信号と、カムセンサ6,10が両方ともHiである
場合には、クランクカウンタScm_CCRNKにクラ
ンク軸2の回転位置を示すカウント値22を設定する。
クランクセンサ1が欠歯部3bを検出したときに、カム
センサ6,10が両方ともLoである場合には、クラン
クカウンタScm_CCRNKにクランク軸2の回転位
置を示すカウント値10を設定する。本実施の形態で
は、エンジンのクランキングが開始されてから遅くとも
240°CA以内にエンジンの回転位置を特定できる。
【0096】第2の実施の形態では、クランクセンサ1
は、360°CA毎に第1基準位置信号を欠歯部3bに
よって発生する。720°CAの間に得られる2つの第
1基準位置信号は、カムセンサ6,10の信号レベルを
参照することで識別される。カムセンサ6,10は、3
60°CAの間にHiレベルとLoレベルの組み合わせ
からなる第2基準位置信号を発生する。720°CAの
間に得られる2つの第2基準位置信号は、レベルを反転
させることで識別される。
【0097】本発明は、V型エンジンに限らず、インラ
イン型エンジンにも適用できる。例えば、吸気カムにV
CTを備え、排気カムにもVCTを備え、それぞれにカ
ムセンサを備えるインライン型エンジンにも適用でき
る。さらに、VCTを備えないエンジンに適用しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエンジン制御装置の概略構成図であ
る。
【図2】第1の実施の形態に係る気筒判別処理を示す表
である。
【図3】第1の実施の形態に係る初期設定処理を示すフ
ローチャートである。
【図4】第1の実施の形態に係る暫定気筒識別を示すフ
ローチャートである。
【図5】第1の実施の形態に係る暫定気筒識別を示すフ
ローチャートである。
【図6】第1の実施の形態に係る暫定気筒識別を示すフ
ローチャートである。
【図7】第1の実施の形態に係る正規気筒識別を示すフ
ローチャートである。
【図8】第1の実施の形態に係る正規気筒識別を示すフ
ローチャートである。
【図9】第1の実施の形態に係る補正処理を示すフロー
チャートである。
【図10】第1の実施の形態に係る燃料噴射制御を示す
フローチャートである。
【図11】第1の実施の形態に係る点火時期制御を示す
フローチャートである。
【図12】第1の実施の形態を示すタイムチャートであ
る。
【図13】第2の実施の形態を示すタイムチャートであ
る。
【符号の説明】
1…クランクセンサ、 2…クランクシャフト、 6…カムセンサ、 7a…カム軸、 7b…カム軸、 10…カムセンサ、 20…ECU、 30…エンジン。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 5/15 F02P 5/15 E Fターム(参考) 3G022 CA01 EA01 FA06 GA01 GA05 GA07 GA09 GA12 3G084 BA15 BA17 BA23 CA01 DA09 DA10 FA11 FA20 FA33 FA38 3G092 AA11 AA13 AB02 BA09 BB18 DA09 FA31 GA01 GA08 HA05Z HA13Z HE03Z HE04Z HE08Z 3G301 HA19 JA21 KA01 LB02 MA06 MA19 PE03Z PE04Z PE05Z PE08Z PE10Z

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数気筒からなるエンジンにおいて、エ
    ンジンのクランク軸に設けられ、前記クランク軸の回転
    位置を示す信号を出力するクランクセンサと、 内燃機関のカム軸に設けられ、前記カム軸の回転位置を
    示す信号を出力するカムセンサと、 前記カムセンサの出力と前記クランクセンサの出力に基
    づいてエンジンの回転位置を特定する正規気筒識別手段
    と、 前記カムセンサの出力に基づいてエンジンの回転位置を
    特定する暫定気筒識別手段とを備えることを特徴とする
    エンジン制御装置。
  2. 【請求項2】 前記正規気筒判別手段によりエンジンの
    回転位置が特定される前に、前記暫定気筒識別手段によ
    りエンジンの回転位置が特定されたときに、前記暫定気
    筒識別手段により特定されたエンジンの回転位置に基づ
    いてエンジンを制御する制御手段を備えることを特徴と
    する請求項1に記載のエンジン制御装置。
  3. 【請求項3】 前記制御手段は、前記暫定気筒識別手段
    が特定したエンジンの回転位置によって示される気筒に
    燃料を噴射する燃料噴射制御手段と、前記暫定気筒識別
    手段が特定したエンジンの回転位置によって示される気
    筒に点火を行う点火制御手段とのうち少なくとも1つを
    備えることを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御
    装置。
  4. 【請求項4】 前記カムセンサは、2つの凸部と2つの
    凹部とを有する第1のカムロータと、2つの凸部と2つ
    の凸部とを有する第2のカムロータとを有し、各カムロ
    ータの凹部と凸部との立上り又は立下りが、各気筒に対
    応して配置されることを特徴とする請求項3に記載のエ
    ンジン制御装置。
  5. 【請求項5】 第1のカム軸と第2のカム軸とを有し、 前記カムセンサは、前記第1のカム軸に設けられる第1
    のカムセンサと、前記第2のカム軸に設けられる第2の
    カムセンサとを有し、 前記正規気筒識別手段は、前記クランクセンサの信号
    と、前記第1カムセンサと前記第2カムセンサとのうち
    少なくとも一方のカムセンサの信号とに基づいてエンジ
    ンの回転位置を特定し、 前記制御手段は、前記正規気筒識別手段によりエンジン
    の回転位置が特定されていない期間は、前記暫定気筒識
    別手段により特定されるエンジンの回転位置に基づいて
    エンジンを制御することを特徴とする請求項1乃至請求
    項4に記載のエンジン制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第1カムセンサと前記第2カムセン
    サとは、両者の信号の組み合わせによってエンジンの複
    数の基準位置を指し示すように構成されていることを特
    徴とする請求項5に記載のエンジン制御装置。
  7. 【請求項7】 前記クランクセンサは、エンジンの基準
    位置を示す信号を出力するよう構成され、 前記第1カムセンサと前記第2カムセンサとは、前記ク
    ランクセンサが提供する前記基準位置とは異なる前記基
    準位置とは異なる基準位置を指し示すよう構成されてい
    ることを特徴とする請求項5または請求項6のいずれか
    一方に記載のエンジン制御装置。
  8. 【請求項8】 前記第1カムセンサと前記第2カムセン
    サとは高レベル、低レベルの2値の信号を出力すること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか一つに記
    載のエンジン制御装置。
  9. 【請求項9】 前記暫定気筒識別手段は、前記第1カム
    センサの信号と前記第2カムセンサの信号のうち、一方
    の信号のレベルの切り替わりと、他方のレベルとの組み
    合わせに従って、エンジンの回転位置を特定することを
    特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか一つに記載
    のエンジン制御装置。
  10. 【請求項10】 前記信号のレベルの切り替わりは、エ
    ンジンの所定気筒の吸気肯定の略上支点から上支点後略
    60°クランク角度の範囲内に設定されている。
  11. 【請求項11】 前記点火時期制御手段は、前記第1カ
    ムセンサの信号のレベルの切り替わりと、前記第2カム
    センサの信号のレベルの切り替わりとが、両方とも検出
    されてから、前記暫定気筒識別手段が特定したエンジン
    の回転位置によって示される気筒に点火を行うことを特
    徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか一つに記載
    のエンジン制御装置。
  12. 【請求項12】 前記正規気筒識別手段により特定され
    るエンジンの回転位置と、前記暫定気筒識別手段により
    特定されるエンジンの回転位置とのずれを算出し、前記
    暫定気筒識別手段により特定されるエンジンの回転位置
    を補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項9
    に記載のエンジン制御装置。
  13. 【請求項13】 第1カム軸と第2カム軸とを備える多
    気筒エンジンのエンジン制御装置において、 前記第1カム軸に設けられ、前記第1カム軸が1回転す
    る間に、少なくとも気筒数の半分の回数は変化する信号
    を出力する第1カムセンサと、 前記第2カム軸に設けられ、前記第2カム軸が1回転す
    る間に、少なくとも気筒数の半分の回数は変化する信号
    を出力する第2カムセンサと、 前記第1カムセンサの信号と前記第2カムセンサの信号
    とに基づいてエンジンの回転位置を特定する暫定気筒識
    別手段とを備えることを特徴とするエンジン制御装置。
  14. 【請求項14】 前記暫定気筒識別手段は、前記第1カ
    ムセンサの信号と前記第2カムセンサの信号とのうち一
    方が変化したときの、他方の信号の大きさに基づいて多
    気筒のうちの特定気筒が所定の行程にあることを検出す
    ることを特徴とする請求項13に記載のエンジン制御装
    置。
  15. 【請求項15】 多気筒エンジンのエンジン制御システ
    ムにおいて、 前記エンジンのクランク軸に設けられ、第1基準位置を
    示す信号を出力するクランクセンサと、 前記エンジンのカム軸に設けられ、前記第1基準位置と
    は異なる第2基準位置を示す信号を出力するカムセンサ
    と、 前記クランク軸に対する前記カム軸の回転位相を変化さ
    せる可変バルブタイミング装置と、 前記クランクセンサの信号と前記カムセンサの信号とに
    基づいて前記可変バルブタイミング装置を制御するバル
    ブタイミング制御手段と、 前記第1基準位置を検出し、前記第1基準位置に基づい
    て前記エンジンを制御する第1エンジン制御手段と、 少なくとも前記第1基準位置が検出されるまでの期間、
    前記第2基準位置を検出し、前記第2基準位置に基づい
    て前記エンジンを制御する第2エンジン制御手段とを備
    えることを特徴とするエンジン制御装置。
  16. 【請求項16】 前記クランクセンサは、360クラン
    ク角度毎に前記第1基準位置を示す信号を発生するため
    のクランクロータを有し、 前記カムセンサは、720クランク角度の間に、一方の
    前記第1基準位置において高レベル信号を発生し、他方
    の前記第1基準位置において低レベル信号を発生し、さ
    らに前記第2基準位置において前記高レベルと前記低レ
    ベルとの間の切り替わりを発生するためのカムロータを
    有することを特徴とする請求項15に記載のエンジン制
    御装置。
  17. 【請求項17】 前記カムセンサは、前記エンジンの第
    1カム軸に設けた第1カムセンサと、前記エンジンの第
    2カム軸に設けた第2カムセンサとを備え、 前記第1カムセンサと前記第2カムセンサとは、前記第
    2の基準位置に加えてさらに、前記第1基準位置とも前
    記第2基準位置とも異なる第3基準位置を示す信号を出
    力することを特徴とする請求項16に記載のエンジン制
    御装置。
  18. 【請求項18】 前記クランクセンサは、360クラン
    ク角度毎に前記第1基準位置を示す信号を発生するため
    のクランクロータを有し、 前記カムセンサは、前記エンジンの第1カム軸に設けた
    第1カムセンサと、前記エンジンの第2カム軸に設けた
    第2カムセンサとを備え、 前記第1カムセンサは、720クランク角度の間に、一
    方の前記第1基準位置において高レベル信号を発生し、
    他方の前記第1基準位置において低レベルの信号を発生
    し、前記第2基準位置において高レベル又は低レベルの
    信号を発生するための第1カムロータを備え、 前記第2カムセンサは、720クランク角度の間に、前
    記第2基準位置において高レベル又は低レベルの信号を
    発生するための第2カムロータを備えることを特徴とす
    る請求項15に記載のエンジン制御装置。
  19. 【請求項19】 前記第1エンジン制御手段と前記第2
    エンジン制御手段とは、燃料噴射時期と点火時期との少
    なくと一つを制御することを特徴とする請求項15乃至
    請求項18のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
  20. 【請求項20】 前記カムセンサは、前記エンジンの気
    筒数と同じ数の基準位置を示す信号を出力するよう構成
    されていることを特徴とする請求項15乃至請求項19
    のいずれか一つに記載のエンジン制御装置。
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