JP4539140B2 - 炭化珪素基板およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、炭化珪素基板およびその製造方法等に関するものである。
炭化珪素半導体は、広禁制帯幅、高絶縁破壊電界、高熱伝導度といった優れた物性を有するため、次世代パワーデバイス用材料の最有力候補に挙げられている。炭化珪素は、空気の主成分である窒素がドナーとして作用するため、バルク成長によって、パワーデバイス作製に必要な低ドープ層を制御性よく作製することが困難であり、低ドープ層の作製には、エピタキシャル成長による必要がある。
炭化珪素は、化学的には同一組成でありながら、積層方向(<0001>方向)の積み重なり順序が異なるポリタイプ現象を示す。これは、異なった積層順序を有するポリタイプ間での内部エネルギー差が、小さいことに起因するとされており、炭化珪素においては、積層欠陥が発生しやすいと考えられている。したがって、工業的に現在、ほぼ唯一入手可能な{0001}面上へのホモエピタキシャル成長においては、異種ポリタイプの混入ならびに積層欠陥を伴った表面欠陥(非特許文献1、2)の発生が問題であった。
これに対して、{0001}面から数度のオフを導入することによって、異種ポリタイプの混入を防ぐことが、一般に行なわれている(非特許文献3、特許文献1、2)。6H−炭化珪素においては、オフ角を大きくすることにより、表面欠陥の発生をある程度抑制する効果があることも知られており(非特許文献4、5、6、7)、後に示すように4H−炭化珪素でも同様である。
しかし、実用化に際してウエーハ径の拡大が要求されるようになった現在、インゴット長の制限が強い炭化珪素においては、低オフ角基板、理想的には、ほぼオフ無し基板へのホモエピタキシャル成長の実現が、緊急の課題となっている。
さらに、オフ角が大きいことで、表面ステップ密度が高くなることから、エピタキシャル成長において、ステップバンチングを起こしやすい、あるいは絶縁膜/炭化珪素界面を用いる電子デバイスにおいて、ステップによるキャリアの散乱のため、キャリアの移動度が低下するといった問題が生じている。この点からも、オフ角を小さくすることの必要性が高まっている。
現在、炭化珪素のホモエピタキシャル成長は、主に気相化学成長(以下、CVDと略記する。)により実現されるが、この際に表面欠陥の発生を完全に抑制することは、実現されていない。ある種の表面欠陥は、エピタキシャル成長層中、あるいはエピタキシャル成長層上、またはこれらの両者に作製された電子デバイスの特性を致命的に悪化させることが知られている(非特許文献8、9、10)。この種の表面欠陥の中には、オフ角の正弦に反比例して拡大するものもあるので、低オフ角化に伴い、表面欠陥の全表面に対して占める割合が、急激に増加する。したがって、この種の表面欠陥の発生を極力抑制する必要がある。
6H−炭化珪素{0001}面において、意図的にオフを設けない場合へのホモエピタキシャル成長の実現可能性は、古くは1991年から報告があり、塩化水素と水素の混合ガスによる高温エッチングにより、6H−炭化珪素(0001)Si近傍面において異種ポリタイプの混入をある程度抑制できたという(非特許文献11、特許文献3)。
しかし、完全には異種ポリタイプの混入を防げなかったことと、再現性が乏しかったことから、長らく省みられなかった。2002年、発明者らは、炭化珪素表面を精密に制御することによって、6H−炭化珪素(0001)Si面0.2度オフ基板上に1cm角以上にもわたって表面欠陥を含まないホモエピタキシャル成長に成功した(非特許文献4、5、6、7)。
4H−炭化珪素(0001)Si面において、意図的にオフを設けない場合については、一部の200μm角メサ上でのホモエピタキシャル成長の報告例(非特許文献12、特許文献4、5)があるものの、全てのメサ上で、ホモエピタキシャル成長が実現するということではない。
4H−炭化珪素(000−1)面において、意図的にオフを設けない場合については、ホモエピタキシャル成長に成功したと主張する研究グループもある(非特許文献13)。しかし、これらのいずれの発表も、表面欠陥密度に関しては報告していない。
六方晶炭化珪素{0001}面において、意図的にオフを設けない場合に、異種ポリタイプ、とりわけ立方晶(3C−)炭化珪素が混入するのは、非特許文献4、5、6、7および非特許文献11、特許文献3によれば、おそらく研磨に起因する表面ダメージであるという。これらの文献では、この研磨ダメージを除去するために、塩化水素と水素の混合ガスによる高温エッチングを用いている。別の方法として、反応性イオンエッチングを用いる方法が提案されている。
また別の方法として、化学機械研磨(以下、CMPと略す。)により研磨傷を除去することが試みられており、断面透過電子顕微鏡(以下、断面TEMと略す。)観察によって表面が無転位状態となっていることを確認したと主張するグループもある。しかし、これらの方法では依然として相当量の表面欠陥を生じている。
米国特許第4912064号公報 米国特許第5011549号公報 米国特許第5242385号公報 米国特許第5915194号公報 米国特許第6165874号公報 特開平11−176709号公報 岡田(Tatsuya Okada)、他4名, 「炭化珪素ホモエピタキシャル成長層に見られるデバイス不良を起こす表面欠陥下の結晶学的欠陥(Crystallographic defects under device-killing surface faults in a homoepitaxially grown film of SiC)」,マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Materials Science and Engineering),(オランダ),エルゼビア株式会社(Elsevier B.V.),2003年,A361巻,p.67−74 岡田(Tatsuya Okada)、他4名, 「4H−炭化珪素ホモエピタキシャル成長層に見られるデバイス不良を起こす表面欠陥下の結晶学的欠陥(Crystallographic defects under device-killing surface faults in 4H-SiC homoepitaxial films)」,炭化珪素および関連材料国際会議2003講演予稿集(Extended Abstract of International Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2003),[online],2003年8月29日,インスティテュート・ナショナール・ポリテクニーク・ド・グルノーブル(Institut National Polytechnique de Grenoble),(フランス),[2004年3月23日検索],インターネット<URL: http://icscrm2003.inpg.fr/sessions%20posters7juillet/MoP1_3.pdf>,p.4−6(ページ表記なし) 黒田(N. Kuroda)、他4名,「ステップ制御VPEによる単結晶SiCの低温成長(Step-Controlled VPE Growth of SiC Single Crystals at Low Temperature)」,第19回固体デバイスおよび材料会議講演予稿集(Extended Abstract of 19th Conference on Solid State Devices and Materials),1987年,p.227−230 中村俊一、他2名,「(0001)近傍面上への6H−SiCのホモエピタキシャル成長」,平成14年春期第49回応用物理学関係連合講演会予稿集, (社)応用物理学会,2002年3月27日,第1分冊,p.420,28-ZR-10 中村俊一(Shun-ichi Nakamura)、他2名,「気相化学堆積法による6H−SiC(0001)近傍面への大面積ホモエピタキシャル成長(Wide-area Homoepitaxial Growth of 6H-SiC on Nearly On-axis (0001) by Chemical Vapor Deposition)」,炭化珪素および関連材料ヨーロッパ会議2002講演予稿集(Extended Abstract of European Conference on Silicon Carbide and Related Materials 2002),[online],2002年7月12日,リンチョピン大学(Linkoping universitet),(スウェーデン),[2002年8月27日検索],インターネット<URL: http://www.ifm.liu.se/ecscrm2002/prog_program.html>,Th3-03 中村俊一(Shun-ichi Nakamura)、他2名,「気相化学堆積法による6H−SiC(0001)近傍面への大面積ホモエピタキシャル成長(Wide-area Homoepitaxial Growth of 6H-SiC on Nearly On-axis (0001) by Chemical Vapor Deposition)」,マテリアルズ・サイエンス・フォーラム(Materials Science Forum),(スイス),トランス・テック・パブリケーションズ(Trans Tech Publications),2003年,第433−436巻,p.149−152 中村俊一(Shunichi Nakamura)、他2名,「気相化学堆積法による6H−SiC(0001)近傍面へのホモエピタキシャル成長 第1部:3C−SiC混入のない大面積ホモエピタキシャル成長に対するC/Si比の影響(Homoepitaxy of 6H-SiC on nearly on-axis (0001) faces by chemical vapor deposition Part I: Effect of C/Si ratio on wide-area homoepitaxy without 3C-SiC inclusions)」,ジャーナル・オブ・クリスタル・グロース(Journal of Crystal Growth),(オランダ),エルゼビア株式会社(Elsevier B.V.),2003年,第256巻,p.341−346 木本恒暢、宮本直、他1名,「高耐圧SiCエピタキシャルpn接合ダイオードの作製」,平成10年秋期第59回応用物理学関係連合講演会予稿集, (社)応用物理学会,1998年9月15日,第1分冊,p.348,17a-YK-6 木本恒暢、他2名,「SiCエピタキシャルpn接合ダイオードの特性を制限する表面欠陥(Performance limiting surface defects in SiC epitaxial p-n junction diodes)」,米国電気電子通信学会会報・エレクトロン・デバイス(IEEE Transactions Electron Device),(米国),米国電気電子通信学会(Institute of Electrical and Electronic Engineers),1999年,第46巻,第3号,p.471−477 木本恒暢、他2名,「4H−および6H−SiCのpn接合ダイオードの特性に対する表面欠陥の影響(Effects of surface defects on the performance of 4H- and 6H-SiC pn junction diodes)」,マテリアルズ・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Materials Science and Engineering),(オランダ),エルゼビア株式会社(Elsevier B.V.),1999年,第B61−B62巻,p.349−352 J.A.パウエル、他9名,「6H−SiC(0001)低オフ角ウエーハ上への3C−SiCと6H−SiCの制御された成長(Controlled growth of 3C-SiC and 6H-SiC films on low-tilt-angle vicinal (0001) 6H-SiC wafers)」,アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters),(米国),米国物理学会(American Institute of Physics),1991年,第59巻,第3号,p.333−335 J.A.パウエル(J. A. Powell)、他6名,「デバイスサイズ(0001)SiCメサ上へのステップフリー表面の成長(Growth of step-free surfaces on device-size (0001) SiC mesas)」,アプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters),(米国),米国物理学会(American Institute of Physics),2000年,第77巻,第10号,p.1449−1451 児島一総、他5名,「(000−1)微傾斜基板上への4H−SiCホモエピタキシャル成長」,平成15年秋季第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集, (社)応用物理学会,2003年8月30日,第1分冊,p.345,1a-B-2
以上の背景の下、電子デバイスの高性能化のために、炭化珪素{0001}面において、低オフ角面、理想的には、ほぼオフ無し面(以下、まとめて{0001}近傍面という。)へのホモエピタキシャル成長の実現、並びに前記のホモエピタキシャル成長層における表面欠陥密度の低減が課題となっている。そして、ホモエピタキシャル成長層の表面は、可能な限り平坦であることが課題とされている。
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。
本発明は、(000−1)近傍面基板表面を、酸素原子含有物質または溶融アルカリを用いた化学反応によって除去することによって、異種ポリタイプ混入および表面欠陥発生の原因となる表面層を除去し、上記課題を解決したものである。
本発明の請求項1は、
炭化珪素の(000−1)面を、機械加工する機械加工工程と、
前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層の0.1μm以上を、酸素原子含有物質または溶融アルカリを用いた化学反応によって除去する表面層除去工程と
を有することを特徴とする炭化珪素基板の製造方法である。
本発明は、炭化珪素の(000−1)面を利用している。これは、例えば(0001)Si面においては、結晶構造上、前記のような化学反応によって、歪みが生じ、CVD成長時に表面欠陥を発生させる原因となるが、(000−1)面においては、このような問題がなく、酸素原子含有物質または溶融アルカリを用いた化学反応により、機械加工によるダメージを適切に除去できるからである。
本発明は、機械加工工程後に、炭化珪素の表面層の0.1μm以上を除去している。これにより、前記機械的加工によるダメージが十分に除去される。これをCVD成長の基板に用いると、当該炭化珪素の、表面欠陥密度の十分小さいホモエピタキシャル成長が実現する。炭化珪素の表面層の除去量が、0.1μm未満の場合には、機械加工によるダメージが十分に除去されない。
なお、炭化珪素の表面層の除去とは、炭化珪素の表面層が溶融等によって除去される場合に限られず、例えば、表面層を酸化することにより、炭化珪素の表面層が変質し、炭化珪素とは異なる部分が形成されることにより、炭化珪素部分が減少することにより除去される場合も含まれる。
本発明は、前記炭化珪素の表面層を、化学反応により除去している。これは、CMPによる除去では、機械研磨の成分によりダメージが生じ、低オフ角においては、表面欠陥密度が高くなるが、化学反応による除去では、このような問題が生じないからである。
本発明は、前記炭化珪素の表面層を、酸素原子含有物質または溶融アルカリを用いた化学反応により除去している。これにより、機械的加工によるダメージが十分に除去される。前記以外の物質、例えば、ハロゲンを用いた化学反応では、ハロゲンの高い反応性のために、0.1μmという、わずかな表面層を除去する過程において、表面が許容限度を超えて荒れ、機械加工によるダメージが十分に除去されない。なお、酸素原子含有物質には、酸素自体も含まれる。
表面層除去工程として、酸素原子含有物質を用いた化学反応による場合は、大多数の物質は炭化珪素より酸化されやすく、フッ化水素酸等への浸漬あるいは気相エッチングによって容易に除去される酸化反応生成物となるため、通常の方法では除去できないような汚染や粉塵を同時に除去できる点で有利であり、一方、溶融アルカリを用いた化学反応による場合は、短時間で所要の除去量を達成できる点で有利である。
本発明の請求項2は、前記表面層除去工程が、前記炭化珪素の表面層に、酸素原子含有物質を用いた化学反応により表面酸化層を形成することによって、炭化珪素の表面層を除去する工程であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法である。
酸素原子含有物質を用いた化学反応により表面酸化層を形成することによって、炭化珪素の表面層を除去する方法は、炭化珪素表面を他の物質に触れさせることなく、炭化珪素の表面層の一部を除去できるため、最終的な炭化珪素基板表面を、汚染および粉塵がより少ないものとすることができる。
本発明の請求項3は、酸素原子含有物質を用いた化学反応が、熱酸化であることを特徴とする請求項2に記載の炭化珪素基板の製造方法である。
熱酸化により表面酸化層を形成することによって炭化珪素の表面層を除去する方法は、簡易な方法であると共に、高純度化が容易で、なおかつ事実上粉塵を生じない、気体を用いた反応であるため、最終的な炭化珪素基板表面を、汚染および粉塵が特に少ないものとすることができる。
熱酸化の温度は、950℃以上の温度であれば、有効な熱酸化速度が得られる。しかし、処理時間を短くするためには、さらに高温であることが好ましい。例えば、1150℃の乾燥酸素雰囲気においては、約4.5時間の熱酸化で実現される。この場合でも、熱酸化温度をさらに上昇させたり、水素または水蒸気を酸素に添加することで、より短時間で、同量の炭化珪素(000−1)面表面を除去することができる。前記条件近傍では、炭化珪素の除去量は、熱酸化時間の平方根にほぼ比例するため、短時間の熱酸化と酸化層除去を繰り返すことにより、より短時間で所要の除去量を達成できる。
本発明の請求項4は、前記表面層除去工程後に、さらに前記表面酸化層を除去する工程を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の炭化珪素基板の製造方法である。
酸素原子含有物質を用いた化学反応による表面酸化層は、その一部または全部を除去して、炭化珪素基板として用いてもよい。
表面酸化層の除去は、フッ化水素酸による除去や、気相エッチングによる除去などにより行うことができる。
本発明の請求項5は、前記表面層除去工程が、溶融アルカリを用いた化学反応による除去と、前記溶融アルカリを用いた化学反応による除去の後に行われる熱酸化による除去とによって、炭化珪素の表面層を除去する表面層除去工程であることを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法である。
前記により炭化珪素の表面層を除去する方法は、溶融アルカリを用いた化学反応により、熱酸化のみによるよりも短時間で所要の量の表面層を除去でき、なおかつ、溶融アルカリに含まれる不純物による汚染および溶融アルカリを用いた化学反応の用に供する装置からの汚染および粉塵が、熱酸化によって形成される酸化層により、炭化珪素基板の最終的な表面から隔離される方法であり好ましい。
本発明の請求項6は、炭化珪素の(000−1)面が、<0001>方向から、0度以上1度未満のオフ角を有する面であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の炭化珪素基板の製造方法である。
本発明の請求項7は、炭化珪素の(000−1)面が、<0001>方向から0.5度以上1度未満のオフ角を有する面であることを特徴とする請求項6に記載の炭化珪素基板の製造方法である。
本発明は、0度以上1度未満のオフ角を有する面、特に、0.5度以上1度未満のオフ角を有する面に対して、より有効にその効果を発揮することができる。すなわち、このような小さいオフ角を有する面では、基板表面に存在するステップが非常に少ないので、基板表面の欠陥、歪、汚染、粉塵等の影響を極めて受けやすい。このため、他の既知の方法によっては、表面欠陥密度の小さいホモエピタキシャル成長の用に供することのできる基板を提供できないが、本発明の方法によれば、表面欠陥密度の小さいホモエピタキシャル成長の用に供する基板を提供できる。
前記の通り、炭化珪素には、インゴット長に厳しい制限があり、一方、近年ウエーハ径の拡大がますます要求されており、本発明により、このような低オフ角基板に対応することができる。また、本発明により、エピタキシャル成長において、ステップバンチングを起こすことなく、さらに、絶縁膜/炭化珪素界面を用いる電子デバイスにおいて、キャリアの移動度が低下するといった問題を起こすこともない炭化珪素基板を製造することができる。
本発明の請求項8は、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の炭化珪素基板の製造方法によって製造されることを特徴とする炭化珪素基板である。
前記による得られる炭化珪素基板は、表面欠陥が少なく、ホモエピタキシャル成長させる基板として好ましい。特に、低オフ角基板としての利用に好ましい。
本発明の請求項9は、
炭化珪素の(000−1)面を、機械加工する機械加工工程と、
前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層の0.1μm以上を、酸素原子含有物質または溶融アルカリを用いた化学反応により除去する表面層除去工程と
を有することを特徴とする炭化珪素の表面処理方法である。
前記表面処理方法により、炭化珪素を、エピタキシャル成長させる基板として好ましい基板にすることができる。
本発明の請求項10は、前記表面層除去工程が、前記炭化珪素の表面層に、酸素原子含有物質を用いた化学反応により表面酸化層を形成することによって、炭化珪素の表面層を除去する工程であることを特徴とする請求項9に記載の炭化珪素の表面処理方法である。
前記表面処理方法により、汚染および粉塵のより少ない基板を得ることができる。
本発明の請求項11は、酸素原子含有物質を用いた化学反応が、熱酸化であることを特徴とする請求項10に記載の炭化珪素の表面処理方法である。
前記表面処理方法により、簡易な方法により、汚染および粉塵の特に少ない基板を得ることができる。
本発明の請求項12は、前記表面層除去工程が、溶融アルカリを用いた化学反応による除去と、前記溶融アルカリを用いた化学反応による除去の後に行われる熱酸化による除去とによって、炭化珪素の表面層を除去する表面層除去工程であることを特徴とする請求項9に記載の炭化珪素の表面処理方法である。
前記表面処理方法により、熱酸化のみによるよりも短時間で所要の量の表面層を除去でき、なおかつ、溶融アルカリを用いた化学反応のみによるよりも、汚染および粉塵を少ないものとすることができる。
本発明の請求項13は、
炭化珪素の(000−1)面を、機械加工する機械加工工程と、
前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層に、酸素原子含有物質を用いた化学反応により表面酸化層を形成させ、炭化珪素の表面層の0.1μm以上を除去する表面層除去工程と、
前記表面層除去工程後に、エピタキシャル成長装置内において、前記表面酸化層を除去する表面酸化層除去工程と、
前記表面酸化層除去工程後に、前記エピタキシャル成長装置内において、前記炭化珪素を
エピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と
を有することを特徴とする炭化珪素のエピタキシャル成長方法。
本発明においては、前記炭化珪素の表面層に、酸素原子含有物質を用いた化学反応により表面酸化層を形成させ、炭化珪素の表面層の0.1μm以上を除去すると共に、前記表面酸化層を除去する表面酸化層除去工程を、エピタキシャル成長装置内において行っている。これにより、エピタキシャル成長直前の炭化珪素表面を、より好ましいものとすることができる。特に、表面酸化層除去工程を、エピタキシャル成長装置内において、行っているため、例えばフッ化水素酸浸漬により表面酸化層を除去するよりも、エピタキシャル成長直前の炭化珪素表面を、粉塵の少ないものとすることができる。
本発明の請求項14は、前記表面層除去工程が、熱酸化により、前記炭化珪素の表面層に表面酸化層を形成させる工程であり、かつ、前記表面層除去工程、前記表面酸化層除去工程、前記エピタキシャル成長工程が、同一のエピタキシャル成長装置内において行われることを特徴とする請求項13に記載の炭化珪素のエピタキシャル成長方法である。
本発明においては、前記表面層除去工程が、熱酸化により行われている。さらに、前記表面層除去工程、前記表面酸化層除去工程、前記エピタキシャル成長工程が、同一のエピタキシャル成長装置内において行われている。これにより、エピタキシャル成長直前の炭化珪素表面を、より好ましいものとすることができる。そして、各工程が、同一のエピタキシャル成長装置内において行われているため、炭化珪素を、エピタキシャル成長装置から取り出すことなく、したがって、事実上、炭化珪素表面に粉塵を付着させる余地なく、エピタキシャル成長を完了させることができる。これにより粉塵による表面欠陥の発生の問題を解消させることができる。また、熱酸化後に必ずしも降温する必要がないので、降温時に、炭化珪素と表面酸化層の熱膨張係数差に起因して、炭化珪素表面が表面酸化層から不必要に応力を受けるのを回避することができる。
本発明の請求項15は、請求項8に記載の炭化珪素基板上へ、炭化珪素をエピタキシャル成長させて得られることを特徴とするエピタキシャル成長層である。
請求項8に記載の炭化珪素基板は、表面ダメージや粉塵が少なく、ホモエピタキシャル成長させる基板として好ましい。前記炭化珪素基板を用いたエピタキシャル成長層は、表面欠陥が少ないので、このエピタキシャル成長層を用いて作製されたデバイスのうち、より多くが、その中に表面欠陥を含まないため、その所要の目的を達成する。特に、低オフ角基板としての利用に好ましく、低オフ角基板を用いた場合には、ステップバンチングを抑制できるので、当該デバイスを製造する工程において、光学測定の方法により、所定の位置決めを行う場合に、炭化珪素表面が回折格子の如く作用して誤った結果を与える可能性が小さくなり、収率が向上する。
本発明の請求項16は、請求項13または請求項14に記載のエピタキシャル成長方法により得られることを特徴とするエピタキシャル成長層である。
前記のエピタキシャル成長層は、表面欠陥がさらに少ないので、その上に作製されたデバイスのうち、さらに多くが、所要の目的を達成する。低オフ角基板を用いた場合には、ステップバンチングを抑制できるので、当該デバイスを製造する工程において、収率が向上する。
本発明の請求項17は、請求項15または請求項16に記載のエピタキシャル成長層が用いられていることを特徴とするデバイスである。
前記のデバイスは、前記のエピタキシャル成長層に表面欠陥が少ないので、当該エピタキシャル成長層を用いて作製された当該デバイスのうち、より多くが、所要の目的を達成する。特に、前記のデバイスは、前記エピタキシャル成長層の、表面欠陥を有しない部分に、適切に不純物添加されることにより、所要の目的を達成する。不純物添加は、当該デバイスの所要の特性を達成するものであっても、当該デバイスの製造において、所要の特性を発現するものであってもよい。
前記のデバイスとしては、電子デバイス、マイクロマシーン、X線ミラーなどが挙げられる。
本発明の請求項18は、請求項17のデバイスが、電子デバイスであることを特徴とする電子デバイスである。
前記デバイスは、特に電子デバイスに用いることが好ましい。前記の電子デバイスは、前記のエピタキシャル成長層に表面欠陥が少ないので、当該エピタキシャル成長層を用いて作製された当該電子デバイスのうち、より多くが、所要の特性を達成すると共に、特に、基板が、低オフ角基板である場合には、ステップバンチングが抑制されるので、当該電子デバイスを作製する工程において、収率が向上する。
本発明の請求項19は、前記電子デバイスが、前記エピタキシャル成長層の層上、内部、または層上、内部双方に形成されていることを特徴とする請求項18に記載の電子デバイスである。
前記の電子デバイスは、前記エピタキシャル成長層の、表面欠陥を有しない部分に、適切に不純物添加されることにより、所要の特性を達成する。基板が、低オフ角基板であって、なおかつ、当該電子デバイスが絶縁膜/炭化珪素界面にキャリアを走行させるものである場合には、ステップによる散乱が減少するので、キャリア移動度を向上できる。
本発明により、炭化珪素{0001}面において、低オフ角面、ないしオフ無し面への表面欠陥密度の低いホモエピタキシャル成長をさせることが可能となり、電子デバイスの高性能化に対応することができる。
(製造工程)
図1は、本発明の主たる製造工程の説明図である。
図1に示すように、炭化珪素(000−1)面を酸素または酸素原子を含んだ物質を用いた化学反応により酸化して除去する。酸化と除去は別工程であっても、同一工程において同時に進行してもよい。
本発明の製造方法の一つの形態は、工程aに示すように、炭化珪素(000−1)面を熱酸化し、この熱酸化工程により、当該炭化珪素の表面を、0.1μm以上消費させ、表面層を除去する。これは、例えば1150℃の乾燥酸素雰囲気においては、約4.5時間の熱酸化で実現されるが、950℃以上の温度であれば、有効な熱酸化速度が得られる。熱酸化温度を上昇させたり、水素または水蒸気を酸素に添加することで、より短時間で同量の炭化珪素(000−1)面表面を除去することができる。
この付近の条件では、炭化珪素の除去量は、熱酸化時間の平方根にほぼ比例するので、短時間の熱酸化と酸化層除去を繰り返すことにより、より短時間で所要の除去量を達成できる。
酸素の代わりに、酸素を含む酸化反応種である気体、または酸化温度で分解して酸素あるいは酸素を含む酸化反応種を生じる気体、例えば亜酸化窒素、一酸化窒素、二酸化窒素、これらの混合気体、またはこれらを窒素により希釈した気体を用いてもよい。
本発明の製造方法の別の形態は、工程bに示すように、炭化珪素(000−1)面を、溶融アルカリに浸漬し、炭化珪素の表面を0.1μm以上消費させ、表面層を除去する。これは、例えば460℃以上の溶融水酸化カリウムを用いれば、5分以下の浸漬により実現される。
本発明の製造方法のさらに別の形態は、前記2つの形態を複合させた形態であり、溶融アルカリ浸漬(工程b’)の後に、熱酸化(工程a’)を行い、炭化珪素の表面を、合計で0.1μm以上消費させ、表面層を除去する。
以上の方法、特に熱酸化を用いた場合には、炭化珪素表面に酸化層が形成された状態となる。この酸化層は、必ずしも除去する必要はないが、除去する場合は、最も単純には、工程cまたはc’に示すように、フッ化水素酸への浸漬により除去する。これに代えて、工程dまたはd’に示すような気相エッチングによることもできる。例えば塩化水素と水素の混合雰囲気中で加熱すると、適正な条件の下においては、炭化珪素は、ほとんど、あるいは事実上全くエッチングされずに、酸化層が気相エッチングされる。
(炭化珪素の表面層除去量)
4H−炭化珪素(000−1)面0.7度オフ基板を用い、乾燥酸素雰囲気下、1,100〜1,150℃で0〜36時間の熱酸化を行い、形成された熱酸化膜を、フッ化水素酸で除去した後、エピタキシャル成長を行った際に発生した表面欠陥の、熱酸化膜厚依存性を図2に示す。炭化珪素表面層の除去量は、熱酸化膜厚の半分程度と考えられる。
エピタキシャル成長には、常圧横型コールドウォールCVD装置を用いた。原料ガスは、モノシラン(流量0.50sccm)と、プロパン(流量0.33sccm)であり、キャリアガスは、水素(流量3slm)である。成長温度は、1,500℃、成長時間は、1〜2時間である。
4H−炭化珪素(000−1)面の主要表面欠陥としては、膜厚にほぼ比例して拡大する三角形状欠陥と、このような傾向をほとんど示さないピットとがあるため、図2には、その両者を個別に示してある。いずれの欠陥も、基板とエピタキシャル成長層の界面付近で発生し、エピタキシャル成長層を貫く。三角形状欠陥は、これを1つでも含む電子デバイスは有効に動作しないことが、既に示されている(非特許文献8、9、10)ので、可能な限り低減する必要がある。
図2は、熱酸化膜厚と表面欠陥密度の関係を示す図である。
図2より、いずれの表面欠陥密度も、成長前熱酸化膜厚が0.1μm弱から0.2μmにかけて急激に減少し、その後は三角形状欠陥が、1cm当たり100個程度で、飽和傾向となる。一方、成長前熱酸化膜厚が0.4〜0.5μmを超えると、三角形状欠陥、ピットともに次第に増加する傾向が見られる。
成長前熱酸化膜厚が0.2μm以下の領域で、成長前熱酸化膜厚増大とともに表面欠陥密度が減少するのは、基板作製時の研磨ダメージ(非特許文献4、5、6、7および非特許文献11、特許文献3)が、このような深さ方向分布をとっているためと考えられる。
機械加工直後の基板を原子間力顕微鏡により観察すると、深さ数nmの研磨傷が無数に観測されるが、実際の研磨ダメージはさらに深く、約0.1μm程度まで分布していると考えられる。
したがって、炭化珪素の表面層は約0.1μm程度まで除去しなければならないことが、本発明において初めて分かった。例えば、特許文献6には、反応性イオンエッチングを施して、表面層を2μm除去した後に、熱酸化により、300nmの熱酸化膜を形成すると記載されているが、8度オフ基板に対しても、なお1cm当たり8,000個の表面欠陥を生じており、発明者らの同種の実験でも、これとほぼ同程度の表面欠陥密度となった。この表面欠陥密度は、本発明における1cm当たり100個程度に比べて明らかに大きく、本発明の炭化珪素の表面層を約0.1μm程度除去することの優位性は明らかである。
((000−1)面の利用)
図2において、成長前熱酸化膜厚が0.4〜0.5μmより大きい領域で表面欠陥密度が次第に増加するのは、熱酸化後の冷却時に、熱膨張係数の違いに起因して炭化珪素表面が熱酸化膜から受ける応力が、熱酸化膜厚の増大とともに増大することに起因すると考えられる。
発明者らは、既に、(0001)Si面においては、わずかの熱酸化によっても表面欠陥密度が1cm当たり10,000個以上に増加すること(非特許文献4、5、6、7)を報告しているが、(000−1)面では、応力の緩和がおそらく容易であるために、酸化膜厚が0.4〜0.5μm程度までは、応力の影響をあまり受けないと推測される。
この違いは、最表面原子の違いによると考えられる。酸化が進行しており、表面再構成は無視できるとする。そのとき、(0001)Si面においては、Si原子が表面に向かって1本の未結合手を出しており、他の3本は、半分子層下のC原子と結合している。酸化が進行するためには、O原子が、このSi−C結合の1つに割り込む必要があり、その際にSi原子を押し退けるため、他の2本のSi−C結合、ならびに当該C原子と他のSi原子とのSi−C結合に甚大な歪みを加える。この歪みのために、わずかの熱酸化によっても、表面欠陥を発生するような転位等何らかの構造欠陥が新たに発生すると考えられる。
一方、(000−1)面においては、C原子が表面に向かって1本の未結合手を出しており、他の3本は、半分子層下のSi原子と結合している。酸化が進行するためには、まずC原子がO原子によって引き抜かれ、次にその空いた隙間に、O原子が侵入してSi原子と結合する。したがって、表面付近のSi−C結合には歪みがほとんど加わらない。
よって、問題となる歪みは、炭化珪素と酸化層の熱膨張係数に起因する熱歪みのみであり、それは上述のように酸化層膜厚が0.4〜0.5μm程度になるまで問題とはならない。その膜厚において、研磨ダメージは十分に除去されており、当初の目的である研磨ダメージ除去を達成する。
このように、熱酸化により炭化珪素表面を有効に除去するためには、(000−1)面の方が、(0001)Si面よりも有効である。また、(000−1)面の方が、(0001)Si面よりも熱酸化速度が約1桁大きいので、この点からも(000−1)面の方が、(0001)Si面よりも有効である。同種の現象は、溶融アルカリによる化学処理でも見られた。
(表面粉塵の問題)
図2において、成長前熱酸化膜厚が、0.2〜0.4μmの範囲において、三角形状欠陥密度が、1cm当たり100個程度で飽和するのは、洗浄プロセスの問題と考えられる。すなわち、一度上記のようにしてエピタキシャル成長を行った後、洗浄を行って、再び同様にエピタキシャル成長を行うと、1cm当たり100個程度の表面欠陥が、新たに発生した。
これに対して、洗浄を行わずに、再びエピタキシャル成長を行った場合には、最初のエピタキシャル成長後と比較して、表面欠陥密度に、有為な差は見られなかった。なお、これらの実験においては、化学汚染の影響を除去するため、塩化水素と水素の混合気体による1,300℃でのエッチングを10〜20分間行っている。それにもかかわらず、洗浄の影響が見られるのは、洗浄の際に、基板に存在する中空欠陥であるマイクロパイプなどからSiC粉が漏出し、基板表面に付着したためと考えられる。このような現象は、8度オフの場合には見られなかったので、低オフ角化により表面粉塵の問題が顕在化すると考えられる。
SiCは、化学的に相当に安定であるので、これを化学的方法により除去するのは難しい。しかし、基板を0.1μm以上熱酸化する工程においては、その除去量の2倍以下の直径を有するSiC粉は、完全に酸化され、その後の酸化層除去の工程において、同時に除去される。現行基板中のマイクロパイプの直径を考えると、直径0.2μm以上のSiC粉は漏出しないと考えられるので、熱酸化後に洗浄しなければよい。
このためには、熱酸化前に洗浄を行い、熱酸化後は洗浄せずにエピタキシャル成長装置に導入し、エピタキシャル成長装置内で酸化膜を除去してそのままエピタキシャル成長を行えばよい。実際にこのような方法を用いると、三角形状欠陥密度は1cm当たり10個以下まで低減できた。さらに熱酸化も同一装置内で行うことが、酸化装置からエピタキシャル成長装置へ搬送中の塵等の付着を防止できて望ましい。
(化学反応の利用)
次に、同様の条件下での熱酸化により0.35μmの熱酸化膜を形成した(000−1)面3.5度オフ面と、CMPを施した(000−1)面3.5度オフ面に、同様の条件により、エピタキシャル成長を行ったものを比較すると、熱酸化膜を形成したものは、三角形状欠陥密度が、1cm当たり100個程度であったのに対し、CMPを施したものは、同1,000〜2,000個程度となった。
1度以下のオフ角では、CMPを施したものは、表面欠陥が多すぎて評価できなかった。CMPは、必然的に機械研磨の成分を含むため、この機械研磨成分によって基板内部に新たにダメージを生じており、低オフ角においては、表面欠陥密度が高くなると考えられる。したがって、ダメージを回避するためには、歪みを生じないような化学反応を用いることが好ましい。
単に表面を化学的に除去することは、1991年に発表された非特許文献11、特許文献3でも用いられている。これは、塩化水素と水素の混合ガスによる高温エッチングを行うものであったが、これと同様のプロセスを発明者らが試したところ、エッチング量は0.1μmに満たず、図2の結果に照らして炭化珪素表面の除去量が不足している。これが、同グループの方法によっては完全には異種ポリタイプの混入を防げなかった原因と考えられる。同年に提出された特許においては、過剰なエッチングはかえって異種ポリタイプの混入を増加させるとしている。このエッチングには、何か本質的な問題があるように思われる。
(ハロゲンの問題点)
発明者らの実験では、本発明で新たに分かった0.1μmの表面除去を実現しようとして、塩化水素と水素の混合ガスによる高温エッチングを長時間行うと、表面が激しくかつ不規則に荒れ、表面の高低差は、100nm以上にも達した。これでは電子デバイス作製の用に供することはできない。塩化水素から供給される塩素原子の強力なエッチング作用のために、基板からの貫通転位や歪みなどの部分が、選択的にエッチングされるため、このように荒れてしまうと考えられる。このように、フッ素や塩素等のハロゲンは、エッチング作用が強すぎて不適切であると考えられる。
(低オフ角化)
最後に、低オフ角化は、基板中の表面ダメージや表面粉塵によって、表面欠陥を生じやすくなるという問題があるにもかかわらず、下記の点で有力である。
オフ角が大きい場合には、表面のステップが近接しているため、ステップバンチングを生じやすい。ステップバンチングを生じていると、炭化珪素表面が、回折格子のように作用するので、光学的な反射や回折を用いた計測に支障を来す。
例えば、原子間力顕微鏡においては、探針でのレーザーの反射を用いているが、同時に試料表面からの反射の影響も受ける。通常は、試料表面は不規則であるので問題とはならないが、ステップバンチング以外には平坦な試料を測定しようとすると、試料表面からの回折の影響を受けて、時としてフォールスエンゲージあるいはレーザー干渉と呼ぶ誤った表面形状を示す現象が生じる。これらの現象は、熟練した操作者によって経験的に判断するしかない。レーザー計測は、電子デバイス作製に不可欠なマスクの位置合わせ等にも用いられる手法なので、ステップバンチングを生じるのは好ましくない。
低オフ角化すると、ステップ間隔が広がるので、ステップバンチングが生じにくくなる。発明者が実験した範囲では、3.5度オフでは、ステップバンチングを生ずることがあるが、1度程度以下のオフ角においては、よほど異常な条件下を除いて、ステップバンチングは生じない。また、(000−1)面の方が、(0001)Si面よりもステップバンチングを生じにくい。この他に、絶縁膜/炭化珪素界面を用いる電子デバイスにおいて、ステップによるキャリアの散乱が減少するので、移動度が向上するという利点もある。
ただし、あまり低オフ角化を行うと、図3に示すように、エピタキシャル成長の際に、オフの上流側に、膜厚に比例し、オフ角の正弦に反比例する長さの、電子デバイス作製に利用できない領域を多く生ずるので、不経済である。
この領域が利用できないのは、その上流側にステップが存在しないことに起因して、{0001}ファセットと呼ぶ成長しない領域を生じたり、このファセット上に3C−炭化珪素を生じたり、基板端部から当該長さの表面欠陥を生じたりするためである。キロボルト級耐圧の電子デバイスを作製するのに用いる10〜20μmの成長層では、0.5度オフにおいて、1〜2mmのこの利用できない領域を生ずる。これ以上この利用できない領域が増加すると、CVD成長の際に問題が生ずるので、利用されない端部除外領域の内部にまで、利用できない領域が発生し、不経済である。したがって、オフ角は0.5度以上とする方がさらに望ましい。
なお、炭化珪素の面は、所要の数字の上にバーを付して表記するが、本明細書においては、所要の数字の前に−記号を付して表記した。
本発明の主たる製造工程の説明図である。 熱酸化膜厚と表面欠陥密度の関係を示す図である。 低オフ角化により生じるファセット領域を示す図である。
符号の説明
1 炭化珪素基板
2 エピタキシャル成長層

Claims (13)

  1. 炭化珪素の(000−1)C面を、機械加工する機械加工工程と、
    前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層の0.1μm以上を、酸素原子含有物質を用いた熱酸化によって除去する表面層除去工程と
    を有することを特徴とする炭化珪素基板の製造方法。
  2. 前記表面層除去工程後に、さらに前記表面酸化層を除去する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  3. 炭化珪素の(000−1)C面が、<0001>方向から、0度以上1度未満のオフ角を有する面であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  4. 炭化珪素の(000−1)C面が、<0001>方向から0.5度以上1度未満のオフ角を有する面であることを特徴とする請求項3に記載の炭化珪素基板の製造方法。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の炭化珪素基板の製造方法によって製造され、炭化珪素の(000−1)C面が、0度以上1度未満のオフ角を有することを特徴とする炭化珪素基板。
  6. 炭化珪素の(000−1)C面を、機械加工する機械加工工程と、
    前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層の0.1μm以上を、酸素原子含有物質を用いた熱酸化により除去する表面層除去工程と
    を有することを特徴とする炭化珪素の表面処理方法。
  7. 炭化珪素の(000−1)C面を、機械加工する機械加工工程と、
    前記機械加工工程後に、前記炭化珪素の表面層に、酸素原子含有物質を用いた熱酸化により表面酸化層を形成させ、炭化珪素の表面層の0.1μm以上を除去する表面層除去工程と、
    前記表面層除去工程後に、エピタキシャル成長装置内において、前記表面酸化層を除去する表面酸化層除去工程と、
    前記表面酸化層除去工程後に、前記エピタキシャル成長装置内において、前記炭化珪素をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と
    を有することを特徴とする炭化珪素のエピタキシャル成長方法。
  8. 前記表面層除去工程、前記表面酸化層除去工程、前記エピタキシャル成長工程が、同一のエピタキシャル成長装置内において行われることを特徴とする請求項7に記載の炭化珪素のエピタキシャル成長方法。
  9. 請求項5に記載の炭化珪素基板上へ、炭化珪素をエピタキシャル成長させて得られるエピタキシャル成長層であって、
    炭化珪素をエピタキシャル成長させる方法が、
    前記表面層除去工程後に、エピタキシャル成長装置内において、前記表面酸化層を除去する表面酸化層除去工程と、
    前記表面酸化層除去工程後に、前記エピタキシャル成長装置内において、前記炭化珪素をエピタキシャル成長させるエピタキシャル成長工程と
    からなる方法であることを特徴とするエピタキシャル成長層
  10. 前記表面層除去工程、前記表面酸化層除去工程、前記エピタキシャル成長工程が、同一のエピタキシャル成長装置内において行われることを特徴とする請求項に記載のエピタキシャル成長層。
  11. 請求項9に記載のエピタキシャル成長層が用いられていることを特徴とするデバイス。
  12. 電子デバイスであることを特徴とする請求項11に記載のデバイス。
  13. 前記デバイスが、前記エピタキシャル成長層の層上もしくは内部、または層上及び内部双方に形成されていることを特徴とする請求項12に記載のデバイス。
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