JP6618179B2 - SiC単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、SiC単結晶の製造方法に関する。
炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて絶縁破壊電界が1桁大きく、バンドギャップが3倍大きい。また、炭化珪素(SiC)は、シリコン(Si)に比べて熱伝導率が3倍程度高い等の特性を有する。そのため炭化珪素(SiC)は、パワーデバイス、高周波デバイス、高温動作デバイス等への応用が期待されている。
特に近年、一枚の基板から多くの半導体デバイスを得るために、SiCウェハの大口径化が求められている。そのためSiC単結晶自体の大口径化の要望も高まっている。
SiCウェハは、SiCインゴットを切り出して作製する。このSiCインゴットは、一般に昇華法によって得ることができる。昇華法は、黒鉛製の坩堝内に配置した台座にSiC単結晶からなる種結晶を配置し、坩堝を加熱することで坩堝内の原料粉末から昇華した昇華ガスを種結晶に供給し、種結晶をより大きなSiCインゴットへ成長させる方法である。
しかしながら、小さな種結晶から直接大きなSiCインゴットを得ることは難しい。そのため、まず種結晶を大きなSiC単結晶に成長させ、そのSiC単結晶を用いてSiCインゴットを作製することが一般的である。
図1は、結晶方位及び結晶面について説明するための模式図である。SiC単結晶には、主要な結晶面として{0001}面(c面)と、c面に垂直な{1−100}面(m面)及び{11−20}面(a面)が知られている。ここで、面指数において「−」の記号は通常数字の上に付されるが、本明細書及び図面では便宜上数字の左側に付した。また結晶方位を示す<0001>、<1−100>及び<11−20>についても同様の取り扱いとする。
種結晶からc面方向に成長すると、その成長後に得られる単結晶中には、<0001>方向に平行な方向に、マイクロパイプ欠陥や貫通螺旋転位等の欠陥が引き継がれていくという問題が知られている。マイクロパイプ欠陥や貫通螺旋転位等の欠陥が引き継がれると、高品質なSiC単結晶を得ることができないという問題がある。
その問題を解決するために、小さな種結晶から大きなSiC単結晶を得る際に、特許文献1及び2に記載されたRAF(Repeated a−face)法を用いることが知られている。RAF法とは、a面又はm面への成長を少なくとも1回以上行い、次に前の成長面及びc面と直交する面(a面に対するm面、m面に対するa面)への成長を少なくとも1回以上行う方法で低欠陥化した結晶のc面上に結晶成長を行う結晶成長方法である。RAF法を用いると、c軸方向に貫通する欠陥をほとんどもたないSiC単結晶を作製できる。これはa面成長を行った後のSiC単結晶が有する欠陥は、c面成長では基底面方向の欠陥となり、引き継がれないためである。
また近年の研究の結果、a面成長やm面成長によって得られた種結晶は、格子面に異方性があることが報告されている(例えば、非特許文献1)。この異方性は、その種結晶を得るために最終的に結晶成長させた最終結晶成長方向(例えばa軸方向またはm軸方向)と、c軸を中心に最終成長方向に対して直交する方向(最終結晶成長方向がa軸方向であればm軸方向、最終結晶成長方向がm軸方向であればa軸方向)と、の間に生じる。
特開2003−119097号公報 特開2003−321298号公報
J.Takahashi,N.Ohtani,M.Kanaya.Journal of Crystal Growth,167(1996)596−606. Daisuke Nakamura et al.,VOL 430、26、AUGUST、2004.
本発明者らは鋭意検討の結果、異方性は、モザイク性の有無に起因して生じているのではないかということを実験的に見出した。モザイク性とは、格子面における結晶方位のずれを含む理想状態からのずれを言う。すなわち、最終結晶方向に沿った方向では結晶面のガタつきが少なく、最終結晶成長方向に対して直交する方向では結晶面のガタつきが大きいという異方性を有する。
以下、モザイク性が大きいとは、格子面が理想状態から外れていることを意味し、例えば格子面の結晶方位のずれが大きい(すなわち結晶面がガタついている)ことを意味する。これに対し、モザイク性が少ないとは、格子面が理想状態に近いことを意味し、格子面における結晶方位のずれが小さい(すなわち、結晶面が平坦である)ことを意味する。
このようなモザイク性を有する種結晶上にSiCを結晶成長させると、このモザイク性に起因して様々な問題が生じると言われている。特に、結晶成長の初期においては、その影響は大きく、欠陥の原因となるという問題がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、局所的な結晶方位のずれを含むモザイク性が緩和されたSiC単結晶の製造方法を提供することを目的とする
本発明者らは、鋭意検討の結果、種結晶のモザイク性は、その種結晶のc面上にSiCをc面成長させると緩和することに気付いた。そこで、モザイク性を有する種結晶をc軸方向に結晶成長させた後、その結晶成長した部分を再度除去することにより、モザイク性が緩和されたSiC単結晶を得ることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法は、種結晶を作製する種結晶作製工程と、前記種結晶からc軸方向にSiCを結晶成長させ、モザイク性緩和層を形成するモザイク性緩和工程と、前記モザイク性緩和層を除去する除去工程と、を有する。
(2)上記(1)に記載のSiC単結晶の製造方法において、前記モザイク性緩和層の厚みが、50μm〜8000μmであってもよい。
(3)上記(1)または(2)のいずれかに記載のSiC単結晶の製造方法において、前記除去工程において前記モザイク性緩和層と共に前記種結晶の一部を除去する場合、前記種結晶の除去範囲を前記種結晶のモザイク性緩和層が形成された面から100μm以内としてもよい。
(4)本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法は、種結晶を作製する種結晶作製工程と、前記種結晶からc軸方向にSiCを結晶成長させ、モザイク性緩和層を形成するモザイク性緩和工程と、前記モザイク性緩和層を除去する除去工程と、前記モザイク性緩和層を除去したSiC結晶を種結晶として、種結晶からc軸方向にSiCを単結晶成長させるSiC単結晶成長工程と、を有する。
(5)上記(4)に記載のSiC単結晶の製造方法は、前記モザイク性緩和層の厚みが、50μm〜8000μmであってもよい。
(6)上記(4)または(5)のいずれかに記載のSiC単結晶の製造方法は、前記除去工程において前記モザイク性緩和層と共に前記種結晶の一部を除去する場合、前記種結晶の除去範囲を前記種結晶のモザイク性緩和層が形成された面から100μm以内としてもよい。
(7)本発明の一態様に係るSiC単結晶は、c軸と垂直な第1の方向に沿って前記SiC単結晶c面のX線ロッキングカーブを測定した際に、ピーク角度のずれが0.0010°以下である。
本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法は、種結晶からc軸方向にSiCを結晶成長させ、モザイク性緩和層を形成するモザイク性緩和工程と、モザイク性緩和層を除去する除去工程と、を有する。モザイク性緩和工程を行うことで、種結晶が有するモザイク性を緩和することができる。そしてモザイク性が原因となって発生した欠陥が発生している恐れの高いモザイク性緩和層を一度除去することにより、高品質なSiC単結晶を得ることができる。
モザイク性緩和層の厚みは、50μm〜8000μmであることが好ましい。モザイク性緩和層の厚みをこの範囲にすれば、効率的に種結晶の有するモザイク性を緩和することができる。薄すぎると緩和が不十分となり、厚すぎてもモザイク性の緩和度合いが大幅に高まる訳ではない。
除去工程で、種結晶の一部も除去する場合は、その除去する範囲を種結晶のモザイク性緩和層が形成されている面から100μm以内とすることが好ましい。モザイク性緩和層を除去することができれば、モザイク性が原因となって発生した欠陥が発生している部分を除去することができる。一方で、除去の精度の関係上、種結晶自体も除去することはある。この場合、除去する量を少なくすることで、種結晶のロスを少なくすることができる。
本発明の一態様に係るSiC単結晶は、c軸方向と垂直な第1の方向に沿って前記SiC単結晶c面のX線ロッキングカーブを測定した際に、ピーク角度のずれが0.0010°以下である。ここでの第1の方向とはa軸方向とm軸方向のことである。RAF法によって形成されたSiC種結晶は、a面成長とm面成長で形成された結晶を含むためモザイク性を有する。しかしながら、本発明の一態様に係るSiC単結晶は、RAF法で作製されたSiC単結晶であって、モザイク性を有さないため、より高品質のSiCインゴットを得ることができる。
結晶方位及び結晶面について説明するための模式図を示す。 本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法の模式図である。 SiC単結晶のモザイク性を説明するための模式図である。 実施例1及び比較例1のSiC単結晶のc面のω角をm軸方向に沿ってX線回折法によって測定した結果である。 実施例1及び比較例1のSiC単結晶のc面の回折ピークの半値幅をm軸方向に沿ってX線回折法によって測定した結果である。
以下、本発明を適用したSiC単結晶の製造方法及びSiC単結晶について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。また、以下の説明において例示される材質、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(SiC単結晶の製造方法)
本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法は、種結晶作製工程と、モザイク性緩和工程と、除去工程と、を有する。
図2は、本発明の一態様に係るSiC単結晶の製造方法の製造工程を説明するための断面模式図である。
まず図2(a)に示す種結晶10を作製する。種結晶10はRAF法により作製することが好ましい。また作製される種結晶は、RAF法により作製されたもの以外で、c軸方向直交する方向にモザイク性を有するものでもよい。モザイク性を有することは、具体的にはc面の面内任意の2点の測定で格子面のズレが、0.0005°/mmを超える格子面ずれがあることから判断できる。
図3は、種結晶の一例としてRAF法で形成された種結晶の平面模式図である。図3に示す種結晶10は、基準種結晶1を結晶成長させて得る。基準種結晶1からm軸方向に結晶成長行う。これにより第1成長領域2が形成される。そして、SiCウェハを切り出すのに必要な分だけm軸方向に結晶成長させた後、m軸方向と直交するa軸方向に結晶成長を行う。これにより第2成長領域3が形成される。
第1成長領域2ではm軸方向に結晶成長するため、螺旋転位や貫通欠陥等に起因する欠陥もm軸方向に沿って形成される。そのためこれらの欠陥は、m軸方向と平行な外表面(a面)には露出しない。第2の成長領域3は、この外表面を基準に成長が進む。そのため、RAF法を用いることで、螺旋転位や貫通転位が極めて少ない高品質な単結晶を得ることができる。
種結晶10は、基準種結晶1、第1成長領域2及び第2成長領域3全体を用いてもよいし、比較的結晶欠陥の多い基準種結晶1及び第1成長領域2を除いた第2成長領域3のみを用いてもよい。以下、第2成長領域3を種結晶10として用いる例を基に説明をする。
種結晶10は、m軸方向にモザイク性を有している。種結晶10は、最終的にa軸方向に成長しているため、a軸方向と平行な面で切断した際の種結晶10の格子面(c面)S1は比較的なめらかである。これに対し、m軸方向と平行な面で切断した際の格子面(c面)S2は、格子面が乱れ、モザイク性を有している。
このようにモザイク性は、結晶成長方向に起因して生じるものであり、結晶欠陥の極めて少ないRAF法によって得られた種結晶10においては避けることができない。またモザイク性は、欠陥の発生起因となりうる。モザイク性が生み出す欠陥としては、例えば初期の異種多形及び転位等が挙げられる。
なお、ここまでm軸成長させた後にa軸成長させることにより形成された種結晶10を基に説明してきたが、結晶成長順を逆にしても種結晶はモザイク性を有する。つまり、a軸成長後にm軸成長を行った場合は、a軸方向にモザイク性を有することになる。そのため、種結晶作製工程は、RAF法を用いたものであれば、結晶成長順は問わない。
またc軸と直交する方向に結晶を行ったとき、成長方向に対して90°回転する方向にモザイク性すなわち格子面の局所的なズレが生じることは、実験的に確認されたことである。成長方向の格子面のズレの緩和と、成長方向に対して90°回転する方向の格子面のズレの緩和とで、格子面のズレの緩和の仕方が異なることを示していると思われる。
そこで、このモザイク性を緩和するためにモザイク性緩和工程を行う。モザイク性緩和工程では、図2(b)に示すように、種結晶10からc軸方向に結晶成長を行い、モザイク性緩和層11をえる。
モザイク性緩和層11は、種結晶が有するモザイク性を緩和する。モザイク性が緩和するのは、モザイク性緩和層11を成長させることで、種結晶10が塑性変形を起こしているためと考えられる。
モザイク性緩和層11の厚みは、50μm〜8000μmであることが好ましい。モザイク性緩和層11の厚みをこの範囲にすれば、効率的に種結晶10の有するモザイク性を緩和することができる。薄すぎると緩和が不十分となり、厚すぎてもモザイク性の緩和度合いが大幅に高まる訳ではない。さらにモザイク性緩和層の厚みを1000μm以上とすれば、安定的に種結晶全面にモザイク緩和層を形成することができ好ましい。また6000μm以下とすれば、モザイク性緩和層を除去する時の加工の手間を少なくすることができ好ましい。
次いで、図2(c)で示すように結晶成長したモザイク性緩和層11を除去する。図2(c)において点線が切断面に対応する。一度成長させた層を除去することは、結晶成長速度の遅いSiC単結晶の分野においては抵抗が大きい。しかしながら、一度成長させたモザイク性緩和層11を除去すると、モザイク性が緩和することができる。またモザイク性が原因となって発生した欠陥が発生している恐れの高いモザイク性緩和層11を一度除去することにより、高品質なSiC単結晶を得ることができる。
除去工程で、種結晶10の一部も除去する場合は、その除去する範囲を種結晶10のモザイク性緩和層11が形成されている面から100μm以内とすることが好ましい。モザイク性緩和層11を除去することができれば、モザイク性が原因となって発生した欠陥が発生している部分を除去することができる。一方で、除去の精度の関係上、種結晶10自体も除去することはある。この場合、除去する量を少なくすることで、種結晶10のロスを少なくすることができる。
そして図2(d)に示すように、モザイク性緩和層11を除去することでSiC単結晶12を得ることができる。
SiC単結晶12は、一度成長させたモザイク性緩和層11を除去した後のものである。そのため、除去工程での切断位置によっては、わずかに厚みが薄くなっていることは考えられるが、ほとんど種結晶10である。そのため、RAF法によって作製された成長履歴を有する。すなわち、SiC単結晶12は、RAF法成長で方向を変える際に生じる成長界面を有する。成長界面は、a面に平行な方向に延在しているものとm面に平行して延在しているものの少なくとも1つを含んでいる。
一方で、種結晶10とSiC単結晶12の違いは、モザイク性の有無である。モザイク性の有無は、X線ロッキングカーブを測定することによって確認することができる。モザイク性は、第2成長領域2の成長方向と垂直な方向に存在する。すなわち、成長界面と平行な方向に存在する。
本発明の一態様に係るSiC単結晶12は、成長界面と平行な方向に沿ってSiC単結晶c面のX線ロッキングカーブを測定した際に、ピーク角度のずれが0.0010°以下である。すなわち、SiC単結晶12は、結晶欠陥が極めて少なくかつモザイク性が緩和されたものである。したがって、SiC単結晶12を基に、SiCインゴットを作製すると、欠陥の少ないSiCインゴットを得ることができるため、SiC単結晶成長の種結晶として好適に用いることができる。また、SiC単結晶12をスライスしてモザイク性が少なく高品質のSiCウェハを得てもよい。
本発明の別の一態様に係るSiC単結晶は、さらにSiC単結晶12を、種結晶としてSiC単結晶を成長させて作製される。結晶の成長方向はc軸方向で、種結晶の面方位は、c面すなわち(0001)面、好ましくはカーボン面側を成長面とし、昇華法により成長させる。(0001)面は、(0001)面に対して9°以下の範囲で傾斜していてもよい。新たに成長したSiC単結晶は、c軸に対して垂直な方向のモザイク性が緩和されているという種結晶の結晶性を引き継いで成長する為、モザイク性が少ない単結晶インゴットとなる。SiC単結晶12を基に、SiCインゴットを作製すると、欠陥の少ないSiCインゴットを得ることができる。このSiC単結晶インゴットをスライスすることでSiCウェハが作製されるため、欠陥の少ないSiCウェハを得ることができる。
上記では、種結晶としてm軸方向の成長を行った後にa軸方向の成長を行ったRAF法を用いた種結晶について述べたが、本発明は、c軸方向に垂直な方向にモザイク性すなわち格子面の局所的なズレを有する種結晶について適用できる。たとえば、c軸方向に垂直な方向への成長が、正確にa面又はm面でなく、傾いた方向であってもよい。
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、本発明の実施例について説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
まず基準種結晶を準備し、基準種結晶からm軸方向に結晶成長を行い、第1成長領域を作製した。そして、さらにa軸方向に結晶成長を行い、第2成長領域を作製した。その後、基準種結晶及び第2成長領域を切断し、種結晶を得た。
そして、得られた種結晶のc面のX線ロッキングカーブを測定した(比較例1:実施前)。X線ロッキングカーブは、m軸に沿って5mmずつ測定した。その結果を図4及び図5に示す。
次いで、種結晶をc面成長させてモザイク性緩和層を作製した。モザイク性緩和層の厚みは最大部で7600μm、最小部で5400μmであった。そして、作製したモザイク性緩和層を再度除去し、SiC単結晶を得た。
得られたSiC単結晶のc面のX線ロッキングカーブを、種結晶と同様に測定した(実施例1:実施後)。その結果を図4及び図5に示す。
図4は、実施例1及び比較例1のX線ロッキングカーブのω角の変化分布である。横軸はSiC単結晶の中心からの位置を示し、縦軸はω角の面内振れ幅を示す。また図5は、実施例1及び比較例1の各位置における回折ピークの半値幅をプロットしたグラフである。横軸はSiC単結晶の中心からの位置を示し、縦軸は各位置における回折ピークの半値幅を示す。
図4に示すように、ω角の面内振れ幅が実施例1は比較例1と比較して小さい。結晶面が理想的な状態の場合、ω角の面内振れ幅はゼロになる。すなわち、モザイク性緩和層を除去することにより、モザイク性が緩和されていることが分かる。
また図5に示すように、モザイク性緩和層を除去した後(実施例1)の回折ピークの半値幅の値は、除去する前(比較例1)の回折ピークの半値幅の値より、全体的に小さい。回折ピークの半値幅が小さいということは、回折ピークが所定の位置で急峻に得られていることを意味し、結晶性が高まっていることを意味する。すなわち、モザイク性緩和層を除去することで、SiC単結晶の結晶性も高めることができている。
1…基準種結晶、2…第1成長領域、3…第2成長領域、10…種結晶、11…モザイク性緩和層、12…SiC単結晶、S1,S2…格子面

Claims (3)

  1. 種結晶を作製する種結晶作製工程と、
    前記種結晶からc軸方向にSiCを結晶成長させ、モザイク性緩和層を形成するモザイク性緩和工程と、
    前記モザイク性緩和層を除去する除去工程と、を有し、
    前記除去工程において前記モザイク性緩和層と共に前記種結晶の一部を除去する場合、
    前記種結晶の除去範囲を前記種結晶のモザイク性緩和層が形成された面から100μm以内とするSiC単結晶の製造方法。
  2. 種結晶を作製する種結晶作製工程と、
    前記種結晶からc軸方向にSiCを結晶成長させ、モザイク性緩和層を形成するモザイク性緩和工程と、
    前記モザイク性緩和層を除去する除去工程と、
    前記モザイク性緩和層を除去したSiC結晶を種結晶として、種結晶からc軸方向にSiCを単結晶成長させるSiC単結晶成長工程と、を有し、
    前記除去工程において前記モザイク性緩和層と共に前記種結晶の一部を除去する場合、 前記種結晶の除去範囲を前記種結晶のモザイク性緩和層が形成された面から100μm以内とするSiC単結晶の製造方法。
  3. 前記モザイク性緩和層の厚みが、50μm〜8000μmである請求項1または2のいずれかに記載のSiC単結晶の製造方法。
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