JP5545310B2 - 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置 - Google Patents

炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5545310B2
JP5545310B2 JP2012051996A JP2012051996A JP5545310B2 JP 5545310 B2 JP5545310 B2 JP 5545310B2 JP 2012051996 A JP2012051996 A JP 2012051996A JP 2012051996 A JP2012051996 A JP 2012051996A JP 5545310 B2 JP5545310 B2 JP 5545310B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silicon carbide
epitaxial wafer
groove
epitaxial
carbide semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012051996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013184860A (ja
Inventor
陽一郎 三谷
信之 冨田
貴規 田中
政良 多留谷
丈晴 黒岩
健一 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2012051996A priority Critical patent/JP5545310B2/ja
Publication of JP2013184860A publication Critical patent/JP2013184860A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5545310B2 publication Critical patent/JP5545310B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)
  • Electrodes Of Semiconductors (AREA)

Description

この発明は、電力用半導体装置などに適用される炭化珪素エピタキシャルウエハ、および、炭化珪素半導体装置に関する。
炭化珪素(SiC)は、珪素(Si)に比べてバンドギャップが大きく、また絶縁破壊電界強度、飽和電子速度および熱伝導度などの物性値が優れており、半導体パワーデバイス材料として優れた性質を有する。特に、この炭化珪素を用いたパワーデバイス(電力用半導体装置)では電力損失の大幅な低減・小型化等が可能となり、電源電力変換時の省エネルギー化が実現できるため、電気自動車の高性能化、太陽電池システム等の高機能化等、低炭素社会実現の上で、キーデバイスとなる可能性を有している。
炭化珪素半導体装置を製造するためには、炭化珪素バルク基板上に半導体装置の活性領域となる不純物濃度および膜厚が高精度に制御された層をCVD法(熱化学気相堆積法)などによりエピタキシャル成長する。炭化珪素バルク基板上へ炭化珪素エピタキシャル成長層を形成したウエハを、以下、炭化珪素エピタキシャルウエハと称する。
炭化珪素半導体装置は、炭化珪素エピタキシャルウエハに対して様々な加工を施して作製されるが、炭化珪素バルク基板および炭化珪素エピタキシャル成長層の成長時の不具合に起因する炭化珪素エピタキシャルウエハの欠陥があると、炭化珪素半導体装置に局所的に高電圧を保持できない箇所ができリーク電流が発生する。炭化珪素半導体装置の中にリーク電流が発生するとその半導体装置は不良品になる可能性が高いので、このような高電圧を保持できない箇所の密度が増加すると、炭化珪素半導体装置の製造時の良品率が低下する。良品率を低下させる欠陥は、第一義的にはエピタキシャルウエハの結晶学的な均一性の欠如、たとえば、結晶における原子配列の周期性が結晶成長方向に沿って局所的に不完全になることによる欠陥である。このような欠陥には、その表面形状から、キャロット欠陥、三角欠陥等と呼称される電流リーク欠陥が知られている。
また、炭化珪素結晶には、SiとCが1:1と同じ化学量論比的組成で、結晶格子が六方最密充填構造であってもc軸に沿った原子配列の周期性が異なる結晶型(ポリタイプ)があり、その周期性によって物性が規定される。現在デバイス応用の観点から最も注目を集めているのは、4H型と呼ばれるタイプである。同じ結晶型をエピタキシャル成長させるために、炭化珪素バルク基板の表面は、結晶のある面方位から傾斜させた面に設定され、(0001)面からたとえば<11−20>方向に8°または4°傾斜させた表面を持つように加工される。
このような炭化珪素バルク基板や炭化エピタキシャル成長層の電流リーク欠陥などの結晶欠陥を低減させる方法がいくつか知られている。
例えば、特許文献1には、バッファー層に転位を曲げ開放するためのスリットを設けることにより、エピタキシャル層の転位を低減する方法が記載されている。スリットは、炭化珪素基板上に溝を掘りその溝中に成長抑止層を設けることまたは炭化珪素基板に広い溝を設けることなどによって形成していた。
また、非特許文献1には、炭化珪素の結晶において不純物濃度に依存して結晶の格子定数が変動することが記載されている。さらに、非特許文献2には、炭化珪素結晶のn型不純物濃度と熱膨張率との間に相関があることが記載されている。
特開2005−129629号公報
H.Jacobson他, "Doping−induced strain in N−doped 4H−SiC crystals," Appl.Phys.Lett. 82(2003),pp3689−3691 M.Stockmeier他, "On the lattice parameters of silicon carbide," Journal of Appl.Phys. 105,033511(2009)
しかしながら、特許文献1に記載された発明によれば、素子領域に使用しない広い幅の溝を設けたり、また、エピタキシャル層とは異なる成長抑止層を縦横に別の方法で形成したりする必要があり、工程を簡略化したままでエピタキシャル膜の転位等の欠陥を低減させることが困難であった。
この発明は、上記のような問題を解決するためになされたもので、工程を簡略化したままで有効にエピタキシャル膜の転位等の電流リーク欠陥を低減させた炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法は、高濃度の窒素が添加され、(0001)面から所定の方向に傾斜した面を表面に有し、前記所定の方向から垂直な方向にのみに間隔Dで溝が形成された4H型の炭化珪素半導体基板を用意する工程と、
前記炭化珪素半導体基板上に低濃度の窒素が添加された厚さTの炭化珪素のエピタキシャル成長層を形成する工程とを備え、前記Dと前記Tが、D×T≦6×10μmの関係を満たすものである。
また、本発明の炭化珪素エピタキシャルウエハおよび炭化珪素半導体装置は、高濃度の窒素が添加され、所定の方向に平行方向のみに間隔Dで溝が形成された(0001)面から傾斜した面を表面に有する4H型炭化珪素半導体基板と、前記炭化珪素半導体基板上に形成された、低濃度の窒素が添加された厚さTの炭化珪素のエピタキシャル成長層とを備え、前記Dと前記Tが、D×T≦6×10μmの関係を満たすものである。
本発明の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハによれば、(0001)面から所定の方向に傾斜した面を表面に有し、前記所定の方向から垂直な方向に平行な方向な方向に溝を形成することにより、有効にエピタキシャル成長層の電流リーク欠陥を低減できる。また、本発明の炭化珪素半導体装置によれば、高い良品率で炭化珪素半導体装置を得ることができる。
この発明の実施の形態1に係る炭化珪素エピタキシャルウエハを製造するために使用するエピタキシャル用炭化珪素半導体基板を示す上面図である。 この発明の実施の形態1に係る炭化珪素エピタキシャルウエハおよびエピタキシャル用炭化珪素半導体基板の断面図である。 高濃度窒素ドープ炭化珪素基板上に窒素ドープエピタキシャル成長層を形成したときの、電流リーク欠陥密度のエピタキシャル成長層不純物濃度依存性を示す図である。 この発明の実施の形態1に係る炭化珪素エピタキシャルウエハを製造するために使用するエピタキシャル用炭化珪素半導体基板上にエピタキシャル成長層をエピタキシャル成長させたときのエピタキシャル成長層の欠陥密度の溝間隔依存性を示す関係図である。 この発明の実施の形態1に係る炭化珪素エピタキシャルウエハを製造するために使用するエピタキシャル用炭化珪素半導体基板の製造工程を示す断面図である。 この発明の実施の形態1に係る炭化珪素半導体装置の一部を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る炭化珪素半導体装置の一部を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態2に係る炭化珪素半導体装置を示す平面図である。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態における炭化珪素エピタキシャルウエハを製造するために使用するエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11を上面から見た平面図である。図1において、表面が(0001)面から<11−20>方向に4°傾斜した4H型炭化珪素のエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の表面に、<1−100>方向と平行な方向に複数の溝40が形成されている。エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11には、<11−20>方向に平行に第1オリフラ41が、また、<1−100>方向と平行に第2オリフラ42が形成されている。
エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11には、窒素が1×1019cm−3程度ドープされている。また、エピタキシャル成長層30には、窒素がおおよそ1×1015cm−3ドープされている。
図2は、図1で説明したエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の一部を拡大して断面方向から見た断面模式図であり、図2(a)は、エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の断面図、図2(b)は、エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11にエピタキシャル成長層30を形成した後の炭化珪素エピタキシャルウエハの断面模式図である。
図2において、Dは<1−100>方向に平行に形成された溝40の間隔、Lは溝40の深さ、Sは溝40の幅である。また、Tはエピタキシャル成長層30の厚さ、T2は溝40の側面に形成されたエピタキシャル成長層30の厚さである。全体としてエピタキシャル成長層30は、<0001>方向に成長する。
ここで、図3に、窒素が1×1019cm−3程度ドープされた(0001)面から<11−20>方向に4°傾斜した表面を有する溝を形成していない3インチ径炭化珪素基板に、1〜20×1015cm−3の窒素濃度のエピタキシャル成長層を形成したときの電流リーク欠陥密度を調べた結果を示す。
図3において、エピタキシャル成長層の窒素不純物濃度が低いほど、電流リーク欠陥密度が増加する傾向を示している。すなわち、炭化珪素基板の窒素濃度とエピタキシャル成長層の窒素濃度の差が増大するほど、電流リーク欠陥が高密度化する。なお、図3において、電流リーク欠陥密度は、基板端から3mm以内の領域を除いた領域を対象として求めた。
非特許文献1によれば、窒素のドープ量が減少するに従い炭化珪素の格子定数が増加する。このことから、炭化珪素基板の窒素濃度とエピタキシャル成長層の窒素濃度の差が大きいほど、両者の格子定数差に起因する応力が増大し、図3に示した結果のように、電流リーク欠陥密度が増大すると推察される。
このような格子定数差に起因する応力は、基板が6インチ径、8インチ径大型化するにしたがって増大し、これに応じて電流リーク欠陥も高密度化する可能性が高い。
再び非特許文献1によれば、1×1015cm−3の濃度にドープした炭化珪素エピタキシャル成長層と、窒素を1×1019cm−3の濃度にドープした4H型炭化珪素基板との格子定数の差は、0.03%程度である。この格子定数差から考えると、それぞれ同一の原子数を並べた場合、25mm幅では約2.5×10個分、76mm幅では約7.6×10個分、10.1mm幅では約10.1×10個分だけエピタキシャル成長層の方が炭化珪素基板より長くなることがわかる。このような格子定数差に起因する原子数差を低減するために、本発明では、基板の表面に溝を形成している。
また、表面が(0001)面から<11−20>方向に傾斜した炭化珪素基板の表面にエピタキシャル成長層を形成するときに、エピタキシャル成長層は<11−20>方向にステップフロー成長する。エピタキシャル成長表面の電流リーク欠陥もステップフロー成長方向に沿って発生するため、溝40を<11−20>方向と垂直な<1−100>方向に平行に形成することによって、エピタキシャル成長層面内応力を溝端面に解放できる。したがって、溝40は、少なくとも<1−100>方向に平行な方向に形成すればよい。格子状の溝など、二方向以上に溝を形成すると、溝40端面から発生する異物が良質なエピタキシャル成長層30の形成の妨げになる場合があるので、溝40は、<1−100>方向に平行な方向にのみ形成することがより望ましい。
溝は、<1−100>方向に平行に所定の間隔で形成する。
素子の製造歩留まりは、素子面積Aと電流リーク欠陥密度Bを用いてexp(−A×B)として求められるが、例えばチップサイズ1cm角の素子で90%以上の製造歩留まりを得るためには、電流リーク欠陥密度を0.1個/cm以下とする必要がある。図4に、窒素不純物濃度を1×1019cm−3として溝の間隔を25mm、76mm、101mmとした3種類の炭化珪素バルク基板10に窒素不純物濃度を1×1015cm−3とした5μm厚のエピタキシャル成長層30を形成したときの電流リーク欠陥密度を測定した結果を示す。図4によれば、電流リーク欠陥密度は溝間隔Dに対して線形に減少している。この関係から、電流リーク欠陥密度を0.1個/cm以下にするために必要な溝間隔Dは、12mmと見積もられる。また、電流リーク欠陥が発生しないようにするためには、溝間隔Dを9mmとすればよいことがわかる。
さらに、我々は、溝間隔Dを一定にしてエピタキシャル成長層30の厚さを増大させることによって、電流リーク欠陥密度が増大する結果を得ている。この結果から、エピタキシャル成長層30の厚さと溝間隔Dの積を一定値以下にすれば、電流リーク欠陥密度を0.1個/cm以下、あるいは、限りなく0に近い値にすることができると推定できる。
炭化珪素バルク基板10の窒素不純物濃度が1×1019cm−3であり、エピタキシャル成長層30の窒素不純物濃度が1×1015cm−3であるとき、エピタキシャル成長層30の厚さが5μmの場合、溝間隔Dを12mm以下にすれば電流リーク欠陥密度を0.1個/cm以下にすることができるので、この結果から、エピタキシャル成長層30の厚さがTであれば溝間隔をDとして、T×D≦6×10μm2とすればよい。
なお、炭化珪素バルク基板10に形成される溝40の幅Sに関しては、溝40の側面に形成されるエピタキシャル成長層30の厚さT2と相関があり、T2<S<3×T2であればよい。溝40の幅Sが狭すぎると、エピタキシャル成長初期に埋まってしまい溝の効果が発現せず、また、溝40の幅Sを必要以上に広くする必要はない。
また、溝40の深さLに関しては、少なくともエピタキシャル成長層30の厚さTより大きく、また、必要以上に深く形成する必要もないことから、T≦L≦200μmであればよい。溝40の深さの上限は、エピタキシャル成長後のデバイス作製工程を考慮すると、炭化珪素バルク基板10にデバイス作製に支障の無い厚みを確保する条件から決めればよい。溝40の深さLをエピタキシャル成長層30の厚さより小さくすると、溝40以外の場所に形成されたエピタキシャル成長層30の端面で格子不整合を起因とした応力が解放されなくなるので、溝40の深さLはエピタキシャル成長層30の厚さ以上とする。
次に、本発明の本実施の形態の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法について説明する。
まず、エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の製造方法について、図5を用いて順を追って説明する。
図5は、エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の製造方法を示す工程フロー図である。
まず、図5(a)に示すように、4Hのポリタイプで(0001)面から<11−20>方向に4°傾斜した表面を有する炭化珪素バルク基板10の第1の表面を、あらかじめ機械研磨、および、酸又はアルカリ薬液を用いた化学機械研磨により平坦化処理する。次に、図5(b)に示すように、炭化珪素バルク基板10の第1の表面上に二酸化珪素膜20を形成する。
つづいて、図5(c)に示すように、二酸化珪素膜20上に所定の間隔をおいて開口部51が設けられたフォトレジスト50を形成する。開口部51は、炭化珪素バルク基板10の<1−100>方向に平行な方向に設けられる。
次に、図5(d)に示すように、開口部51が設けられたフォトレジスト50越しに二酸化珪素膜20をエッチングする。つづいて、図5(e)に示すように、フォトレジスト50を除去した後、図5(f)に示すように、炭化珪素バルク基板10をエッチングする。つづいて、図5(g)に示すように、二酸化珪素膜20を除去する。
このようにして、エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11を得ることができる。
次に、図5に示したようにして作製したエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11上に、炭化珪素エピタキシャル膜30を成長させて炭化珪素エピタキシャルウエハを製造する。
まず、溝40を形成したエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11に対して、アセトン等の有機溶剤を用いた有機物除去洗浄、または、超音波洗浄を行ない、つづけて、アンモニアと過酸化水素水との混合溶液によるSC1洗浄、塩酸と過酸化水素水との混合溶液によるSC2洗浄、希釈フッ酸洗浄を順次行なう。
一連の洗浄後、水洗、乾燥されたエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11を炭化珪素膜によってコーティングされたグラファイト製の基板ホルダ上に載置して、CVD装置の反応炉内に設置する。反応炉内に残存する意図しない分子状あるいは原子状の不純物のエピタキシャル成長層30への混入を抑制するため、反応炉内を約1×10−7kPa以下にまで真空引きを行なった後、CVD装置で基板ホルダを高周波誘導電流によって所定の成長温度に加熱し、圧力を所定の減圧範囲にしてから成長ガスを流動させ、所定の厚さのエピタキシャル成長層30を形成する。
上述の成長ガスは、シリコン原子を含むガスとしてシランガス、炭素原子を含むガスとプロパンなどを使用すればよい。成長ガスの流量は、反応炉の構造あるいは圧力、成長速度にあわせて適宜選択すればよい。また、本実施の形態においては、希釈されたシランとプロパンとを同時に供給し始めるシーケンスによって、所定の膜厚Tのエピタキシャル成長層30を形成した。
このように、溝40が所定の間隔Dで形成されたエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11に厚さTのエピタキシャル成長層30を成長させ、T×D≦6×10μm2を満足するようにすれば、電流リーク欠陥の少ない炭化珪素エピタキシャルウエハを得ることができる。
さらに、このようにして得られた炭化珪素エピタキシャルウエハを用いて炭化珪素半導体装置を製造すれば、高い素子歩留まりで炭化珪素半導体装置を得ることができる。
図6および図7に本実施の形態の炭化珪素半導体装置の断面図を示す。図6は、炭化珪素半導体装置であるMOSFETの断面模式図であり、図7は炭化珪素半導体装置であるショットキバリアダイオードの断面模式図である。また、図6および図7においては、溝40の記載を省略している
図6において、溝40が形成された炭化珪素エピタキシャルウエハは、炭化珪素基板1と炭化珪素ドリフト層2に対応する。炭化珪素ドリフト層2の表面側の所定の幅だけ離間した部位には、アルミニウム(Al)をp型不純物として含有するp型のベース領域3が形成されている。また、ベース領域3のそれぞれの断面方向の内側の表層部には、窒素(N)をn型不純物として含有する、n型のソース領域4が、ベース領域3のより浅く形成されている。
また、ベース領域3、および、ソース領域4を含む炭化珪素ドリフト層2の表面側には、ソース領域4の表面側の一部を除き酸化珪素で構成されるゲート絶縁膜5が形成されている。さらに、ゲート絶縁膜5上の、一対のソース領域4間の領域を含む部位に対向する位置にはゲート電極6が形成されている。また、ゲート絶縁膜5が形成されていないソース領域4の表面にはソース電極7が、また、炭化珪素基板1の第一の主面と反対側の第二の主面、すなわち、裏面側にはドレイン電極8がそれぞれ形成されている。
本実施の形態の炭化珪素半導体装置である炭化珪素MOSFETは、電流リーク欠陥が少ないため、高い素子歩留まりで製造できる。
図7は、本発明の実施の形態における炭化珪素ショットキバリアダイオードを示した断面図である。
図7において、溝40が形成された炭化珪素エピタキシャルウエハは、炭化珪素基板1と炭化珪素エピタキシャル層2に対応する。炭化珪素エピタキシャル層2の表面側のある幅だけ離間した部位には、アルミニウム(Al)をp型不純物として含有するp型のイオン注入領域14が形成されている。
また、周辺をイオン注入領域14で囲まれた炭化珪素エピタキシャル層2の表面側には、イオン注入領域14に周辺をはみ出すようにショットキ電極15が形成されている。また、炭化珪素基板1の第一の主面と反対側の第二の主面、すなわち、裏面側にはオーミック電極16が形成されている。
本実施の形態の炭化珪素半導体装置である炭化珪素ショットキバリアダイオードは、電流リーク欠陥が少ないため、高い素子歩留まりで製造できる。
なお、本実施の形態においては、傾斜方向は<11−20>方向に限定されるものではなく、他の方向に傾斜した仕様の基板でも良い。
また、本実施の形態においては、炭化珪素基板の窒素濃度が1×1019cm−3、エピタキシャル成長層の窒素濃度を1×1015cm−3とした場合の例について詳しく説明したが、本発明の炭化珪素基板の窒素濃度は、3×1018cm−3以上3×1019cm−3以下程度の範囲であってもよい。また、エピタキシャル成長層の窒素濃度は、3×1014cm−3以上3×1015cm−3以下程度の範囲であれば、同様の効果を奏する。
さらに、上記では、フォトリソグラフィー工程によりマスクを開口させ、選択的エッチングを行なうことによって溝40を形成させる工程を説明したが、他の方法、例えばダイシング機によって溝40を形成しても良い。この場合、炭化珪素バルク基板10が切断されない範囲で、ダイシングブレードを炭化珪素バルク基板10に当てることによっても溝40を形成できる。
この方法を用いることによって、フォトリソグラフィー工程によりマスクを開口させ、選択的エッチングを行なう工程を省略することができ、少ない工程で溝40を形成することができる。
なお、ダイシング機による溝40形成の場合は、フォトリソグラフィーによる溝40形成の場合とは異なり溝40周辺に残留金属付着物が残るため、有機溶剤を用いた有機物除去洗浄後に、王水による洗浄工程を追加すればよい。
実施の形態2.
実施の形態1では、図1に示したように、炭化珪素バルク基板10の傾斜方向に垂直な方向に所定の値以下の間隔の溝40を形成したエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11に炭化珪素のエピタキシャル成長層30を成長させる形態について説明したが、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した溝40に加えて、炭化珪素半導体装置チップの境界に沿って、<1−100>方向に沿った小さな溝44を多数配置する。その他の内容は実施の形態1と同様であるので、詳細に記載しない。
図8は、本実施の形態の炭化珪素半導体装置を炭化珪素バルク基板10上面から見た平面図である。図8において、等間隔に配置された炭化珪素半導体装置チップ部60の境界の<11−20>方向に沿って、<1−100>方向に平行な長さの短い溝44が多数配置されている。
非特許文献2には、炭化珪素結晶のn型不純物濃度と熱膨張率との間に相関があり、炭化珪素基板上にエピタキシャル成長層を形成すると、それぞれの熱膨張率の違いから、基板形状がエピタキシャル成長層形成前と比較して歪になることが記載されている。
本実施の形態の炭化珪素半導体装置によれば、炭化珪素半導体装置チップ部60の境界の<11−20>方向に沿って<1−100>方向に平行な長さの短い溝44が多数配置されているので、窒素を高濃度にドープした炭化珪素バルク基板10と窒素を低濃度にドープしたエピタキシャル成長層30との間の熱膨張率差による応力、及び、歪を緩和することができる。したがって、炭化珪素半導体装置チップ60内部に発生する応力をより緩和することができる。したがって、電流リーク欠陥をより低減できる。
また、歪の発生を抑制できるので、デバイス作製工程、例えば、マスクのパターニング工程の位置ずれ量が減少し、高精度の炭化珪素半導体装置を作製することができる。
なお、溝44と炭化珪素半導体装置チップ部60との位置関係を合わせるために、実施の形態1の図5で説明したエピタキシャル用炭化珪素半導体基板11の製造工程において、デバイス作製工程で使用できるアライメントマークを溝44形成と同時に行なっておくとよい。
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、記述した局面に対する様々な修正や変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。例えば、<1−100>方向と異なる方向に影響の少ない溝を意図的に形成したものなどは、本発明の範囲に含まれるものとする。
10 炭化珪素バルク基板、11 エピタキシャル用炭化珪素半導体基板11、20 二酸化珪素膜、30 エピタキシャル成長層、40 溝、50 レジスト。

Claims (10)

  1. 高濃度の窒素が添加され、(0001)面から所定の方向に傾斜した面を表面に有し、前記所定の方向から垂直な方向にのみに間隔Dで溝が形成された4H型の炭化珪素半導体基板を用意する工程と、
    前記炭化珪素半導体基板上に低濃度の窒素が添加された厚さTの炭化珪素のエピタキシャル成長層を形成する工程と
    を備え、
    前記Dと前記Tが、D×T≦6×104μmの関係を満たすことを特徴とする
    炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  2. 所定の方向が<11−20>方向であり、前記所定の方向から垂直な方向が<1−100>方向であることを特徴とする
    請求項1に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  3. 高濃度は、1×1019cm-3であり、低濃度は、1×1015cm-3であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  4. 溝の幅Sは、溝の側面に形成されるエピタキシャル成長層の厚さをT2として、T2<S<3×T2の関係を満たすことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  5. 溝の深さLは、T≦L≦200μmの関係を満たすことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  6. <1−100>方向に平行方向に形成された短い溝が<11−20>方向に多数並んだ、炭化珪素半導体基板上を用意する工程を備えたことを特徴とする
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法。
  7. 高濃度の窒素が添加され、所定の方向に平行方向のみに間隔Dで溝が形成された(0001)面から傾斜した面を表面に有する4H型炭化珪素半導体基板と、前記炭化珪素半導体基板上に形成された、低濃度の窒素が添加された厚さTの炭化珪素のエピタキシャル成長層とを備え、
    前記Dと前記Tが、D×T≦6×104μmの関係を満たすことを特徴とする
    炭化珪素エピタキシャルウエハ。
  8. 所定の方向が<11−20>方向であり、前記所定の方向から垂直な方向が<1−100>方向であることを特徴とする
    請求項7に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハ。
  9. 高濃度は、1×1019cm-3であり、低濃度は、1×1015cm-3であることを特徴とする
    請求項7または8に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハ。
  10. 請求項7乃至9のいずれか1項に記載の炭化珪素エピタキシャルウエハ上に形成された炭化珪素半導体装置。
JP2012051996A 2012-03-08 2012-03-08 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置 Active JP5545310B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012051996A JP5545310B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012051996A JP5545310B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013184860A JP2013184860A (ja) 2013-09-19
JP5545310B2 true JP5545310B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=49386624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012051996A Active JP5545310B2 (ja) 2012-03-08 2012-03-08 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5545310B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6028754B2 (ja) 2014-03-11 2016-11-16 トヨタ自動車株式会社 SiC単結晶基板の製造方法
JP6338490B2 (ja) * 2014-08-27 2018-06-06 三菱電機株式会社 炭化珪素エピタキシャルウエハ、炭化珪素半導体装置および炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法
JP6468291B2 (ja) * 2015-09-11 2019-02-13 住友電気工業株式会社 炭化珪素エピタキシャル基板、炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP6299835B1 (ja) 2016-10-07 2018-03-28 株式会社Sumco エピタキシャルシリコンウェーハおよびエピタキシャルシリコンウェーハの製造方法
JP7038756B2 (ja) * 2020-05-29 2022-03-18 昭和電工株式会社 SiCウェハ及び半導体デバイスの製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4185215B2 (ja) * 1999-05-07 2008-11-26 弘之 松波 SiCウエハ、SiC半導体デバイス、および、SiCウエハの製造方法
JP2008094700A (ja) * 2006-09-13 2008-04-24 Nippon Steel Corp 炭化珪素単結晶エピタキシャルウェハ及びその製造方法
JP4888341B2 (ja) * 2007-10-31 2012-02-29 株式会社デンソー 炭化珪素半導体装置
JP5430677B2 (ja) * 2010-01-08 2014-03-05 三菱電機株式会社 エピタキシャルウエハ及び半導体素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013184860A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108292686B (zh) 碳化硅外延基板及碳化硅半导体装置
US8203150B2 (en) Silicon carbide semiconductor substrate and method of manufacturing the same
JP6706767B2 (ja) 半導体装置
US8324631B2 (en) Silicon carbide semiconductor device and method for manufacturing the same
CN108807154B (zh) 碳化硅外延晶片、碳化硅绝缘栅双极型晶体管及制造方法
WO2014119747A1 (ja) 六方晶単結晶の製造方法、六方晶単結晶ウエハの製造方法、六方晶単結晶ウエハ、六方晶単結晶素子
JP4858325B2 (ja) SiCエピタキシャル成膜装置およびこのエピタキシャル成膜装置を用いるSiC半導体装置の製造方法
JP2009088223A (ja) 炭化珪素半導体基板およびそれを用いた炭化珪素半導体装置
WO2018150861A1 (ja) 炭化ケイ素積層基板およびその製造方法
US20070032053A1 (en) Method of producing silicon carbide semiconductor substrate, silicon carbide semiconductor substrate obtained thereby and silicon carbide semiconductor using the same
JP5545310B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法、および、炭化珪素エピタキシャルウエハ、ならびに、炭化珪素半導体装置
JP2016063190A (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板の製造方法、炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素半導体装置
JP2014192163A (ja) SiCエピタキシャルウエハの製造方法
JP6239097B2 (ja) SiCエピタキシャルウエハ
JP2015179787A (ja) 半導体基板の製造方法、半導体基板および半導体装置
JP2008205296A (ja) 炭化珪素半導体素子及びその製造方法
JP2015044727A (ja) SiCエピタキシャルウエハの製造方法
JP6482732B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板および炭化珪素半導体装置
JP6338490B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャルウエハ、炭化珪素半導体装置および炭化珪素エピタキシャルウエハの製造方法
JP5532248B2 (ja) ダイヤモンド電子素子及びその製造方法
JP2017084852A (ja) 炭化珪素半導体装置および炭化珪素半導体装置の製造方法
JP5540296B2 (ja) ダイヤモンド電子素子及びその製造方法
WO2012050157A1 (ja) ダイヤモンド電子素子及びその製造方法
JP2007027630A (ja) バイポーラ型半導体装置およびその製造方法
KR101942517B1 (ko) 에피텍셜 기판 및 그 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131015

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140320

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20140326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140415

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140428

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5545310

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250