手段1.遊技盤に所定の枠が取り付けられ、この所定の枠によって囲まれることにより遊技領域が構成された遊技機において、
前記遊技盤の前方において遊技球の流路を構成するように配置される流路構成透明板と、この流路構成透明板の前方に配置される前方透明板とを備えると共に、前記流路構成透明板の裏面の少なくとも一部が、前記遊技盤の前面と対向して流路を構成する流路構成面とされており、
前記遊技領域内において前記遊技盤に取り付けられるように設けられた1又は複数の部品からなる所定の装飾部の一部が、前記遊技領域の外部に及んで配置され、かつ前記装飾部の少なくとも一部において、前記流路構成透明板が形成されていない非形成領域を介して前記流路構成面より前方に突出する突出装飾部が設けられ、
さらに、前記流路構成透明板における前記非形成領域側の端部の前方をカバーするカバー部が配置されていることを特徴とする遊技機。
手段1の構成によれば、所定の枠によって囲まれることによりその囲まれる内側に構成された遊技領域の内部から外部に及ぶように装飾部が配置されて斬新な構成が実現する。さらに、流路構成透明板が設けられない非形成領域を構成して装飾部を突出させやすい構成としつつ、カバー部の存在により流路構成透明板の端部があまり視認されない構成となる。なお、「非形成領域」とは、遊技盤の前面と平行な面方向に関しての流路構成透明板が配置されていない領域である。また、「前記流路構成透明板における前記非形成領域側の端部」とは、即ち非形成領域の周囲を構成する端部である。このように非形成領域を設けることにより突出装飾部を突出させやすくなるが、それに伴って、流路構成透明板の端部が露出してしまう。本構成では、この端部の前方をカバーすることにより端部の露出度合を低減ないし防止するようにしている。
より具体的には手段1の構成において流路構成透明板の端部が、透明板保持扉に構成された窓部(具体的には透明板保持扉(後述するガラス扉枠等)において、遊技盤が視認できるように開口して設けられた窓部)の開口領域内に配置されるように構成し、この開口領域内に配置される端部の前方をカバー部によってカバーするように構成できる。
手段2.前記カバー部は、前記突出装飾部の一部として構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、カバー部の好適な配置位置となり、かつカバー部を突出装飾部の一部として管理できため、部品管理が行い易い。
手段3.前記突出装飾部は、前記遊技盤に取り付けられる突出装飾部本体を有し、前記カバー部は、当該突出装飾部本体とは別部品として当該突出装飾部本体に取り付けられていることを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤に取り付けられる部品と、カバー部とが別々となり、カバー部について設計上の自由度が大きくなる。
手段4.前記カバー部は、前記突出装飾部本体に変位可能に取り付けられていることを特徴とする手段3に記載の遊技機。
このようにすれば、状況に応じてカバー部を変位できる構成となり、他の部品への適応性が高くなる。
手段5.前記カバー部に付勢手段が取り付けられており、自然状態においては前記端部をカバーするカバー位置に位置保持され、一方、そのカバー位置において押された場合に変位するようになっており、その変位状態では前記カバー位置に復帰する側に前記付勢手段によって付勢されることを特徴とする手段4に記載の遊技機。
このようにすれば、変位状態において自然状態に復帰するように付勢がなされるため、自然状態に復帰しやすい構成となり、カバー部のセットが行いやすくなる。なお、ここでいう「自然状態」とは、カバー部に外的作用が生じていない状態をいう。
手段6.前記流路構成透明板及び前記前方透明板を保持する透明板保持扉が、前記遊技盤に対して開閉可能に構成され、
前記自然状態における前記カバー部の配置位置が前記透明板保持扉の開閉時における前記端部の移動軌跡上にあり、かつ、前記端部の移動軌跡から外れた位置に変位可能とされていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
透明板保持扉の閉塞位置付近では、この扉の開閉に伴って流路構成透明板の端部が前側及び後側に動くような移動軌跡をなすため、この端部の前方をカバーしようとするとこの移動軌跡上にカバー部を置くことが好ましい。しかしながらこのままではカバー部によって端部の移動を阻害されてしまうが、カバー部材は移動軌跡から外れた位置に変位可能であるため端部の移動を阻害しない構成となる。
手段7.前記カバー部は、前記突出装飾部とは異なる部品に取り付けられていることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このようにすれば、突出装飾部とは関係なくカバー部を自由に設計できる。
手段8.前記カバー部は、前記流路構成透明板に取り付けられていることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
このようにすると、流路構成透明板の端部を簡易にカバーできる好適構成となる。
手段9.前記カバー部は、前記流路構成透明板に接着されていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
このようにすると、流路構成透明板の端部を簡易にカバーでき、かつ取付容易な構成となる。手段9に構成において、具体的には流路構成透明板の少なくとも前面において前記端部を覆うように前記カバー部を接着して構成できる。
手段10.前記カバー部は、前記流路構成透明板に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
このようにすれば、状況に応じてカバー部を着脱でき、有用性が増す。例えば、部品破損に伴って部品交換が行えたり、使用状況に応じて異なるカバー部を配置することなどが可能となり、利便性が増す。具体的には例えば、流路構成透明板の端部を厚さ方向に挟む挟持部を備えて前記カバー部を構成することができる。
手段11.前記カバー部は、前記前方透明板に取り付けられていることを特徴とする手段7に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板の端部を簡易にカバーできる構成となる。具体的には前方透明板の裏面における前記端部を覆う位置に前記カバー部を取り付けることができる。また、前記前方透明板の前面における前記端部を覆う位置に前記カバー部を取り付けるようにしても勿論よい。
手段12.前記遊技盤に対して開閉可能に構成され透明板保持扉を有すると共に、この透明板保持扉において前記流路構成透明板の周縁部を保持する透明板保持枠が設けられており、
当該透明板保持枠の一部として、又は当該透明板保持枠に取り付けられる形態にて前記カバー部が設けられていることを特徴とする手段1ないし手段7のいずれかに記載の遊技機。
このように、透明板保持枠の一部として又は透明板保持扉枠に取り付けられるようにカバー部を構成すれば、カバー部を安定して保持できることとなる。
手段13.前記透明板保持枠は前記流路構成透明板を保持する環状の流路構成透明板保持部と、前方透明板を保持する環状の前方透明板保持部とを備えた構成をなしており、
前記流路構成透明板保持部の一部が、前記遊技盤の前面と平行な面方向において前記突出装飾部よりも遊技盤中心側に配置されており、当該流路構成透明板保持部の一部に取り付けられるように前記カバー部が構成されていることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板の端部を安定して保持しつつ、その一方で端部を効果的にカバーできることとなる。
手段14. 前記カバー部は、前記流路構成透明板保持部の一部に対し着脱可能に取り付けられていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板の端部を安定して保持する構成を実現しつつ、カバー部を状況に応じて交換できる構成となる。
手段15.前記透明板保持枠は前記流路構成透明板を保持する環状の流路構成透明板保持部と、前方透明板を保持する環状の前方透明板保持部とを備えた構成をなしており、
前記流路構成透明板保持部の一部が、前記遊技盤の前面と平行な面方向において前記突出装飾部よりも遊技盤中心側に配置されており、当該流路構成透明板保持部の一部によって前記カバー部が構成されていることを特徴とする手段12に記載の遊技機。
このようにすれば、このようにすれば、流路構成透明板の端部を安定して保持しつつ、その一方で端部を効果的にカバーできることとなる。また、透明板保持枠の一部がカバー部を兼ねるため部品点数を効果的に削減できる。なお、本明細書を通して遊技盤の中心とは、前記遊技盤の前面と平行な面方向に関しての遊技盤の重心(図心)位置を指す。
手段16.前記カバー部と前記突出装飾部とが当接した構成をなしていることを特徴とする手段12ないし手段15のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、カバー部と突出装飾部の連続性を持たせやすいこととなる。
手段17.前記カバー部と前記突出装飾部とが連結した構成をなしていることを特徴とする手段16に記載の遊技機。
このようにすれば、カバー部と突出装飾部の連続性を持たせやすくなり、かつ、これらが連結して安定した保持されることとなる。
手段18.前記カバー部に設けられた係合部と、前記突出装飾部に設けられた被係合部とが互いに係合することにより連結することを特徴とする手段17に記載の遊技機。
このようにすれば、簡易な構成にて連結が可能となる。
手段19.前記流路構成透明板及び前記前方透明板を保持する透明板保持扉が、前記遊技盤に対して開閉可能に構成され、
この透明板保持扉の一部として、またはこの透明板保持扉に取り付けられるように前記カバー部が構成されていることを特徴とする手段1ないし手段7のいずれかに記載の遊技機。
このように透明板保持扉にカバー部を設ける構成とすると、斬新な透明板保持扉となり、かつカバー部の安定した保持が可能となる。
手段20.前記カバー部は、透明板保持扉に対し着脱可能に取り付けられるように構成されていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
このようにすれば状況に応じてカバー部を交換できることとなる。
手段21.前記透明板保持扉は、前記前方透明板の前方において開口する窓部を有しており、前記カバー部は前記窓部の開口領域において、前記前方透明板及び前記流路構成透明板の前方を部分的に覆うように設けられていることを特徴とする手段19又は手段20に記載の遊技機。
このようにすれば、窓部に工夫を施すのみで簡易にカバーできる構成となる。
手段22.前記カバー部は、前記窓部の開口端縁の所定の第1位置からそれとは異なる第2位置に渡って懸架される構成をなすることを特徴とする手段21に記載の遊技機。
このように、窓部の開口端縁において第1位置から第2位置まで架け渡すように構成すれば、流路構成透明板の端部を連続的にカバーできる構成となる。
手段23.前記流路構成透明板において、当該流路構成透明板を厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されると共に、当該貫通孔の内部領域が前記非形成領域とされており、当該内部領域を介して前記突出装飾部が前記流路構成面の前方に突出しており、
前記カバー部は、前記貫通孔の開口端部をカバーするように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板に簡単な加工を施すのみで突出装飾部を流路構成面から突出させることができる。特に、流路構成透明板の中央寄りの位置(換言すれば流路構成透明板における周縁部以外の位置)において非形成領域を設ける場合には有利な構成となる。
手段24.前記流路構成透明板の周縁部の一部において、当該流路構成透明板の板面方向に凹となる凹部が設けられ、当該凹部の内部領域が前記非形成領域とされ、前記凹部の内部領域を介して前記突出装飾部が前記流路構成面の前方に突出しており、
前記カバー部は、前記凹部内の端部をカバーするように構成されていることを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、簡単な透明板構成で流路構成透明板の前方に突出部を突出させることができる好適構成となる。特に、流路構成透明板の周縁部において突出装飾部を突出させる場合には、強度的に貫通孔等の加工が難しいため有利な構成となる。
手段25.前記流路構成透明板の側方位置において前記突出装飾部が前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
手段25の構成は、即ち、前記流路構成透明板の側方位置が「非形成領域」とされ、このようにすれば、流路構成透明板に複雑な加工を施さずとも双方の透明板の大きさを調整することによって装飾部を前方に突出させることができる好適構成となる。
手段26.前記前方透明板は、前記流路構成透明板よりも板面サイズが大きいものであり、前記流路構成透明板と、その側方位置に配置される突出装飾部との双方の前方を覆うように配置されていることを特徴とする手段25に記載の遊技機。
このようにすれば、サイズを変えるのみで流路構成透明板の側方位置において突出装飾部を突出させることができ、製造容易な好適構成となる。
手段27.前記非形成領域は、前記少なくとも遊技領域の外部に設けられており、前記遊技領域の外部において前記突出装飾部が前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段1ないし手段26のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、あまり注目を引かない遊技領域外部を効果的に目立たせることができる。具体的には、例えば、装飾部における前記遊技領域の外部に延出する延出部の一部を前記流路構成面より突出させる一方、当該装飾部における前記遊技領域の内部に配置される遊技領域配置部を、前記流路構成面よりも後方に配置するように構成できる。
手段28.前記非形成領域は、前記遊技領域の内外のうち、外部にのみ設けられており、前記突出装飾部は前記遊技領域の外部においてのみ前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段27に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の外部を効果的に目立たせつつ、遊技領域内の部品を突出させたくない場合に都合のよい構成となる。
手段29.前記非形成領域は前記遊技領域の外部から内部に渡って設けられており、前記突出装飾部は、前記遊技領域の内外にわたって前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段27に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外に渡って装飾部が突出することとなるため、斬新な装飾部構成を、さらに遊技領域内外に渡ってより引き立たせることができる。
手段30.前記非形成領域は遊技領域の内外のうち、内部にのみ設けられており、前記突出装飾部は前記遊技領域の内部において前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段1ないし手段26のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外に装飾部を配置して斬新な構成としつつ、その一方で、遊技者の注目を集める遊技領域の内部の部分を突出させてより引き立たせるようにしているため、遊技領域内において装飾性を効果的に高めることができる。
手段31.前記前方透明板には、少なくとも一部が前方側へ曲がる形状をなす非平坦部が設けられており、この非平坦部によって前記突出装飾部がカバーされるようになっていることを特徴とする手段1ないし手段30のいずれかに記載の遊技機。
流路構成透明板が設けられない非形成領域を介して突出装飾部が流路構成面の前方に突出し、その突出装飾部に対応して非平坦部が設けられているため、非平坦部によって突出装飾部による装飾を引き立たせ易い構成となる。
手段32.前記非平坦部は、前方に向けて盛り上がる形状をなす盛り上がり部からなり、この盛り上がり部によって前記突出装飾部の前方がカバーされていることを特徴とする手段31に記載の遊技機。
このようにすれば、突出装飾部を前方に突出させつつ、その一方で前方透明板によってカバーしやすい構成となる。
手段33.前記盛り上がり部は、少なくと一部が前方側に曲板状に盛り上がることを特徴とする手段32に記載の遊技機。
このようにすれば、盛り上がり部の後方に突出装飾部を収容するためのスペースを確保しやすい構成となる。
手段34.前記前方透明板において平坦に構成される平坦部が設けられており、前記盛り上がり部は、前記平坦部と接続されてこの平坦部よりも前方位置に盛り上がるように構成されていることを特徴とする手段32又は手段33に記載の遊技機。
このようにすれば、前方透明板において一般的な平坦部を構成する一方、一部についてはこの平坦部よりも盛り上がるように構成されるため、盛り上がり部がより引き立つこととなる。
手段35.前記盛り上がり部は、少なくとも前記前方透明板の周縁部において前記平坦部よりも前方に盛り上がる構成をなすことを特徴とする手段34に記載の遊技機。
このようにすれば、周縁部において前方透明板が盛り上がるといった斬新で目立つ透明板構成となり、かつ、周縁部付近において突出装飾部を配置しやすい好適構成となる。
手段36.前記盛り上がり部は、前記前方透明板の周縁部において、当該前方透明板の中心側から当該前方透明板の周縁側につれ次第に前方に盛り上がる構成をなすことを特徴とする手段35に記載の遊技機。
このようにすれば、前方透明板(ひいては窓部)が周縁部に向かって次第に盛り上がるといった今までにない斬新な構成をなし、かつ盛り上がり部も簡易に構成できることとなる。
手段37.前記前方透明板において平坦に構成される平坦部が設けられており、この平坦部は、前記盛り上がり部の周囲において全周にわたって設けられていることを特徴とする手段32ないし手段34のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、平坦部の内部領域の一部が盛り上がる格好となり、特に内側寄りに突出装飾部を配置する場合に有利な構成となる。また、このように構成した場合、前方透明板の周縁部全周に渡って平坦部を設けるように構成できる。
手段38.前記突出装飾部の一部が、前記盛り上がり部の裏側に収容され、前記平坦部よりも前方に突出する構成をなすことを特徴とする手段34ないし手段37のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、突出装飾部をより前方に配置できる構成となり、突出装飾部による一層斬新な装飾構成、配置構成が実現する。そして、装飾部が平坦部よりも前方に突出することとなるため、今までになくインパクトがあり、装飾性に優れた構成となる。なお、本明細書全体を通して、「突出装飾部の一部が平坦部よりも前方に突出する」とは、前後方向において突出装飾部の前端が平坦部の前面よりも前方側に位置していることをいうものとする。
手段39.前記平坦部と前記盛り上がり部の境界は滑らかに屈曲していることを特徴とする手段34ないし手段38のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、デザイン的に優れたものとなり、かつ応力集中が生じにくく衝撃等に強い構成となる。ここでいう「滑らかに屈曲している」とは、急激な段差が生じていないことをいう。
手段40.前記平坦部と前記盛り上がり部は一体的な1枚板からなることを特徴とする手段34ないし手段39のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、部品点数の削減を図ることができ、かつデザイン的にも優れた構成となる。
手段41.前記盛り上がり部と前記平坦部とは互いに別部材に構成されたものであり、これら盛り上がり部と平坦部とが接合された構成をなすことを特徴とする手段34ないし手段39のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、一体的に形成しにくい場合、平坦部と盛り上がり部とを別々に管理したほうが都合が良い場合に有利な構成となる。
手段42.前記前方透明板は、全体が平坦な1枚板からなることを特徴とする手段1ないし手段19のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、前方透明板を簡単に構成できる。
なお手段40ないし手段42の構成において、前記前方透明板は樹脂部材からなるように構成できる。このようにすれば、非平坦部の加工が行い易い構成となり、製造の容易性を高めることができる。
また手段40ないし手段42の構成において、前記前方透明板は樹脂部材からなり、一方、前記流路構成透明板はガラス部材からなるように構成できる。このようにすれば、前方透明板については非平坦部が形成し易い構成となり、一方、流路構成透明板については、傷、磨耗等が生じにくい構成となる。
また、手段40ないし手段42の構成において、前記前方透明板及び前記流路構成透明板の双方が樹脂部材によって構成されていてもよい。このようにすれば、流路構成透明板及び前方透明板の双方が加工しやすい構成となり、製造効率を効果的に高めることができる。
なお、手段40ないし手段42のいずれかに記載のものにおいて、前記前方透明板と前記流路構成透明板の双方をガラス部材によって構成してもよい。
手段43.遊技盤に所定の枠が取り付けられ、この枠に囲まれるようにして枠内に遊技領域が構成されており、
前記装飾部は、一部が前記遊技領域の内部に配置されると共に、前記遊技領域の外部にまで及んで配置されていることを特徴とする手段1ないし手段42のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば装飾部が遊技領域外まで及ぶといった斬新な構成を実現しつつ、その一方で、少なくとも一部が流路構成面よりも前方に突出してより一層斬新で面白みのある構成となる。従来において装飾部は、遊技領域内のみ、或いは遊技領域外のみにおいて遊技盤の前面と平行に配置された平坦なガラスの後方に設けられていたが、上記構成のように、装飾部を遊技領域内外に跨るように構成し、なおかつ一部を流路構成面より突出させて突出装飾部として構成すれば、従来と比較して装飾性が極めて高い構成となる。
また、本明細書全体を通し、遊技盤の前面(板状に構成される遊技盤の盤面)と直交する方向に関し、遊技者側を前方向、遊技機裏側を後方向としている。また、本明細書でいう「遊技領域」とは、遊技盤の前面と平行な面方向に関して「所定の枠」により遊技球を流下させる領域として囲まれた領域をいう。また、「所定の枠」とは、遊技盤上を包囲できる構成物であればよい。例えば、金属、樹脂等からなる細長のレールや、レールに隣接して当該レールにほぼ沿った内側側面を有する部品(以下、レール隣接部品ともいう)が挙げられる。
そして、このようなレール及び/又はレール隣接部品によって略全周が囲まれる場合にはその囲まれる内部領域が遊技領域である。また、レール及び/又はレール隣接部品によって大部分が囲まれるが、一部においてこのようなレールやレール隣接部品が設けられていない場合には、その設けられない領域において、当該非配置領域の側方のレール又はレール隣接部品に沿って遊技領域の仮想的な境界を設定するものとする。さらに、このように構成できない場合(即ち、非配置領域が構成されるもののその非配置領域の両側方のレール又はレール隣接部品が略同一の曲率をなす円弧状に構成されていない場合)、その非配置領域の境界をなすレール又はレール隣接部品の端縁を最短距離で結ぶ線分を遊技領域の境界として仮想的に設定するものとする。
また、遊技球を発射する部分に2本の発射レールが並ぶ構成のものについては、内側のレールを「所定の枠」とし、発射後の領域(レールが2本並ばない領域)については、発射領域において外側に配置されているレールが「所定の枠」となる。また、2本並ぶ発射レールの端部においては、内部側のレールと外側のレールとの間に隙間(発射口)が生じるが、この部分については、前記面方向において、内側のレールの端部と外側のレールを最短距離で結ぶように仮想的な線を設定し、この線を遊技領域の境界として設定するものとする。
手段44.前記所定の枠の少なくとも一部がレールからなり、前記装飾部はこのレールを跨ぐように配置されることを特徴とする手段43に記載の遊技機。
このようにすれば、レールによって遊技領域を区画しつつ装飾部を外部にまで及ばせることができる好適構成となる。
手段45.前記遊技領域の周縁部において、前記所定の枠が部分的に配置されない非配置領域が設けられており、この非配置領域を介して前記装飾部が前記遊技領域の外部に及ぶ構成をなすことを特徴とする手段43に記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部を特別な形状とせずに簡易な構成にて遊技領域内外に配置可能な構成となる。
手段46.前記装飾部は、前記遊技領域の内部に配置される部分と、外部に配置される部分とが一体部品により構成されるものであることを特徴とする手段43ないし手段45のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、複雑な部品形状をとらなくてもよく、かつ遊技領域内外の装飾の関連性が極めて高い構成となる。なお、ここでいう「一体部品」とは分離不能な部品を意味する。
手段47.前記装飾部は、複数の部品を有してなり、これら複数の部品が連なる装飾をなすように前記遊技盤に配置されることを特徴とする手段43ないし手段45のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外に一体的な部品を配置しにくい場合に都合のよい構成となる。
手段48.前記遊技盤の前面と平行な面方向に関し、前記遊技球が流下可能となる流下可能領域が定められ、この流下可能領域の最外縁よりも内側において、所定の装飾部が前記遊技盤に取り付けられるようにして設けられると共に、当該装飾部の一部が前記流下可能領域の前記最外縁の外部に及んで配置されていることを特徴とする手段1ないし手段47のいずれかに記載の遊技機。
上記構成によれば装飾部が流下可能領域の最外縁の外側まで及ぶといった斬新な構成を実現しつつ、その一方で、少なくとも一部が流路構成面よりも前方に突出してより一層斬新で面白みのある構成となる。従来において装飾部は、流下可能領域の最外縁の内側のみ、或いは外側のみにおいて設けられていたが、上記構成によれば、従来と比較して斬新で装飾性が極めて高い構成となる。
手段49.前記遊技盤の中央部付近から前記遊技盤の端部付近にまで渡って連続したデザインをなすように、当該遊技盤において所定の装飾部が配置されていることを特徴とする手段1ないし手段48のいずれかに記載の遊技機。
従来において遊技領域内のみに設けられていた(即ち、遊技盤において中央部及びその周りの一定範囲内に設けられていた)装飾部を、上記のように遊技盤の中央部付近から遊技盤の端部付近にまで渡って連続したデザインをなすように配置すれば、構成的に斬新でインパクトの極めて強い構成が実現する。
なお、本明細書でいう「遊技盤の中央部付近」とは、遊技盤の中心位置の近傍を意味しており、少なくとも中心位置を含んだ位置に装飾部が配置されるか、若しくは中心位置の近くに装飾部が配置されるかのいずれかであれば「遊技盤の中央部付近に装飾部が配置されている」こととする。また、ここでいう「中心位置」とは以下のように定義するものとする。即ち、透明板を介して遊技盤及び遊技盤に取り付けられた部品が視認可能となる領域における上下方向の中心線と、及び当該視認可能となる領域の左右方向の中心線とが交差する位置を「中心位置」とする。また本明細書でいう「遊技盤の端部付近」とは以下のように定義するものとする。即ち、前記視認可能となる領域の上下方向の端縁間距離、又は左右方向の端縁間距離のうち、短い方の端縁間距離を直径とし、遊技盤の前面と平行な面方向に関し前記中心位置を中心とした円を仮想的に設定した場合に、当該面方向においてその円よりも外側となる領域を「遊技盤の端部付近」と定義する。
手段50.前記装飾部は、前記流路構成面の前方位置において態様が変化可能に構成されていることを特徴とする手段1ないし手段49のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部を流路構成面の前方に至るまで設けて斬新な装飾をなしつつ、その装飾部の態様が遊技者により近い位置で変化するため、一層面白みのある構成となる。
手段51.前記装飾部は、前記流路構成面の前方位置に配置された発光部品を有し、この発光部品が前記流路構成面の前方位置において発光可能に構成されていることを特徴とする手段50に記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部を流路構成面の前方に至るまで設けて斬新な装飾をなしつつ、その装飾部の発光態様が遊技者により近い位置で変化するため、よりインパクトを与えることができる構成となる。
手段52.前記装飾部は、前記流路構成面の前方位置において変位可能に配置された変位部と、この変位部を駆動制御する駆動制御手段とを有し、
前記変位部は、前記駆動手段により、前記流路構成面の前方位置において変位するように制御されることを特徴とする手段50又は手段51に記載の遊技機。
この構成によれば、装飾部を流路構成面の前方に至るまで設けて斬新な装飾をなしつつ、その装飾部の一部が遊技者により近い位置で動くこととなるため、極めてインパクトがあり、面白みのある斬新な構成となる。
手段53.所定の表示を行う表示装置を備える一方、前記装飾部は、この表示装置の周囲に設けられた表示装置周囲部品からなることを特徴とする手段1ないし手段52のいずれかに記載の遊技機。
手段53の構成によれば、表示装置の周囲部品の一部を流路構成面の前方位置にまで突出させているため、表示装置の周囲部品として今までになく斬新な構成が実現する。
手段54.前記表示装置において表示画面が設けられており、この表示画面が前記流路構成面の前方位置に配置されることを特徴とする手段53に記載の遊技機。
このようにすれば、表示画面が流路構成面の前方位置に配置されることとなるため、遊技者の位置に近く、よりインパクトのある画面構成となる。例えば、手段54において、表示装置が液晶表示装置として構成される場合、液晶画面を構成するためのLCD素子を前記流路構成面の前方に配置することができる。
手段55.前記装飾部は、所定のキャラクターを模してなるキャラクター部を有し、
そのキャラクター部の少なくとも一部が前記突出装飾部として構成されて前記流路構成面の前方に突出することを特徴とする手段1ないし手段54のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技者の興味を引きやすいキャラクター部について、斬新な配置構成を採ることができ、かつ流路構成面の前方にまで突出させることによりキャラクターの印象を一層強調することができる。
たとえば、手段55の構成において、装飾部を遊技領域の内部から外部にまで及ぶ構成とし、キャラクター部は、遊技領域外に配置される部分のみではキャラクターとして機能しないように構成し、遊技領域内外に配置されるそれぞれの部分が連携してキャラクターとして機能するように構成できる。
なお、本発明でいうキャラクター部は、各種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動植物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な、若しくは架空の人物、動植物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とすると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
手段56.前記キャラクター部は、動作態様、表示態様等の態様が、前記流路構成面の前方位置において変化可能に構成されることを特徴とする手段55に記載の遊技機。
このように、斬新な配置構成を採りつつ動作態様、表示態様等の態様が流路構成面の前方において変化可能となるように構成すれば、相乗的に興趣を高めうる構成となる。
なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成をも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
手段57.前記キャラクター部の態様を変更するように制御するキャラクター部態様制御手段を備えたことを特徴とする手段56に記載の遊技機。
このように、キャラクター部の態様を制御により変更するようにすれば、タイミング良くキャラクター部の態様を変更することができる。例えば、前記キャラクター部態様制御手段により、キャラクター部の態様を遊技状態に応じたものに設定するように制御を行うように構成すれば、遊技状態に応じてキャラクターが様々に変更されることとなり、遊技状態とキャラクターとがより関連深いものとなる。
なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成などをも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位(関連する部位としては、例えば、キャラクター部の近傍の部位や、キャラクター部と連動機構により連動する部位等)が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
手段58.前記装飾部は、所定の入賞装置からなり、かつ当該入賞装置の一部が前記突出装飾部として構成されて前記流路構成面の前方位置に突出していることを特徴とする手段1ないし手段57のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、一部が流路構成面の前方にまで突出するといういままでにない斬新な入賞装置を実現できる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機の構成を概念的に例示する斜視図であり、図2は図1の正面図であり、図3はその遊技機の遊技盤構成を概念的に説明する説明図である。また、図4は、図2のガラス扉枠の裏側構成を概念的に例示する概念図である。図5は実施形態1における装飾部の配置構成を説明する説明図である。
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1及び図2に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に透明板保持部としてのガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部81により前枠2に開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた金属製の枠83(図4参照)を備えている。金属製の枠83に二枚のガラスが嵌め込まれてガラスユニット50が構成されている。なお、ガラスを合成樹脂製の枠によって保持し、この合成樹脂製の枠を枠83にはめ込むようにしてもよい。また、枠83は樹脂性であってもよい。
ガラス扉枠3の後方には、図3に示す遊技盤7が配置されている。遊技盤7は略円形の遊技領域(図3の符号90に示すような一点鎖線で囲まれる領域)を有し、その遊技領域90には第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。
図1及び図2に示すように、ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
図2、図3に示すように、表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、図3のように液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
図3に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図3に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、当該メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
<装飾部>
次に装飾部について説明する。
図2ないし図5に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1において、遊技領域90(図3、図5参照)内に所定の装飾部55が配置されており、この装飾部55が遊技領域90の外部に及ぶように構成されている。装飾部55は遊技領域90の右上部において、遊技領域90の外部に延出する構成をなしており、装飾部55の全体が遊技領域90の中央付近から遊技領域90の右上の外部にわたって配置されている。具体的には、装飾部55の一端が遊技領域90における左側領域(遊技領域を左右に二分した場合の左側の領域)に配置されており、他端が遊技領域90の右側領域(遊技領域を左右に二分した場合の右側の領域)外部に配置され、極めて大きく、インパクトのある構成をなしている。
遊技領域90は、レール(例えば板状に形成された金属製のレール)、或いはレール及びレールと連続する部品によって略円形に囲まれる領域であり、本実施形態では遊技盤7上の所定領域をレール22によってほぼ全体が囲まれるようにして遊技領域90が構成されている。ここではレール22が本発明の「所定の枠」に相当する。さらに図2ないし図5に示すように、装飾部55の内部において、遊技領域90の周縁を構成するレール22が、装飾部55を前面方向(遊技盤7の前面と平行な面方向)に貫通するように配設されている。即ち、そのレール22を跨ぐようにして装飾部55が配置されており、レール22を基端として、装飾部55の一部分たる延出部60が遊技領域90の外側に延出している。なお、図5は図1のE−E断面付近を概念的に説明する要部断面概略図である。なお、本実施形態では、遊技領域90の境界が、遊技球が流下可能となる流下可能領域の境界とほぼ一致しており、即ち、遊技領域90が流下可能領域に相当し、流下可能領域の内外に渡って装飾部55が配置されているともいえる。
さらに本実施形態では、図4、図5に示すように、遊技盤7の前方において遊技球の流路を構成する流路構成透明板として後方ガラス51が設けられると共に、図5に示すようにこの後方ガラス51の遊技盤側の板面51Bの少なくとも一部が、遊技盤7の盤面7d(盤面7dが特許請求の範囲でいう遊技盤の前面に相当する)と対向して遊技球の流路を構成する流路構成面とされる。なお、ここでは、後方ガラス51の全体が平坦部として構成されているが、一部を平坦部として構成してもよい。そして、遊技領域90内に設けられた、1又は複数の部品からなる装飾部(図5の例では、一体的に構成された装飾部55)の一部が、遊技領域90の外部に及んで配置され、かつ当該装飾部55の少なくとも一部が流路構成面(板面51B)より前方に突出するように構成されている。なお、図5の例では、レール22の一方側の側面が遊技領域90の境界(破線Lにて概念的に示す境界)をなしている。
そして、図1ないし図5に示すように、この前方透明板たる前方ガラス52には、少なくとも一部が前方側へ曲がる形状をなす非平坦部が、突出装飾部55fをカバーするように設けられている。具体的には、図5に示すように、前方ガラス52における突出装飾部55fに対応する位置において、この突出装飾部55fをカバーするように前方に凸となる凸状部52Bが設けられており、この凸状部52Bが非平坦部に相当している。さらに前方ガラス52は、流路構成面と平行に構成される平坦部52Aを有すると共に、凸状部52Bは、この平坦部52Aよりも前方に凸となるように凸状に構成されている。より具体的に言えば、平坦部52Aの裏側板面を延長させた仮想的な平面52Fよりも前方位置に突出するように突出装飾部55fが構成されている。平坦部52Aと凸状部52Bは一体的な1枚板からなり、この凸状部52Bは前方に向けて曲板状に突出しており、さらに、平坦部52Aと凸状部52Bの境界は滑らかに屈曲している。
さらに凸状部52Bは、少なくとも前方透明板(前方ガラス52)の周縁部に位置する構成をなし、この前方透明板(前方ガラス52)における凸状部52Bの配置領域において、前方透明板(前方ガラス52)の周縁部が前方に盛り上がる構成をなしている。前方ガラス52は、流路構成面と平行に構成される上述の平坦部52Aを有すると共に、凸状部52Bは、この平坦部52Aよりも前方に凸となるように曲板状に構成されている。
さらに図4に例示するように、透明板を保持する透明板保持枠としてのガラス扉枠3に形成された窓部3c(図1及び図2も参照)が遊技領域90(図3)及び延出部60に対応する形状をなしている。前方ガラス52において視認可能となる部分(即ち前方ガラス52の視認部(前方ガラス52において窓部3cの開口を介して見える部分)は、図2に示すように遊技領域90の前方においてこの遊技領域90に対応して配置されて略円弧状の周縁部を有する遊技領域対応部(即ち、前方ガラス52において、略円形の遊技領域90をカバーするガラス部分であり図2では一点鎖線52Cで示される部分)と、この遊技領域対応部より当該前方ガラス52の板面方向外側に延び、装飾部55における遊技領域の外部に配置される部分(延出部60)に対応して配置される外部対応部(即ち、前方ガラス52において、延出部60をカバーするためのガラス部分(遊技領域90の右上外側のガラス部分)であり、図2では一点鎖線52Dで示される部分)とを備えた構成をなしている。
本実施形態では、遊技領域対応部(一点鎖線52Cの部分)の大部分が平坦部52Aとされており、外部対応部(一点鎖線52Dの部分)が凸状部52Bとして構成されて盛り上がっている。凸状部52Bは、図5にて特徴的に示すように、前方ガラス52における流路構成面と平行に構成される平坦部52Aから当該前方ガラス52の周縁部にかけて次第に前方に盛り上がる構成をなしている。そして、突出装飾部55fの一部が、後方ガラス51の側方(即ち後方ガラス51の端部51Gの外側))において当該後方ガラス51の前方に突出し、かつ前方ガラス52に形成された凸状部52Bの裏側に収容された構成をなす。突出装飾部55fは、前方ガラス52における平坦部52Aよりも前方位置に突出するようになっている。
さらに、本実施形態では、窓部3cの開口領域に配置された流路構成透明板の端部(即ち後方ガラス51の端部51G)の前方をカバーするカバー部60Cが突出装飾部55fの一部として構成されて配置されている。突出装飾部55fは、遊技盤7に取り付けられる突出装飾部本体55gを有し、カバー部60Cは、突出装飾部本体55gとは別部品としてこの突出装飾部本体55gに取り付けられている。なお、ここでいう突出装飾部本体55gは、突出装飾部55fにおいてカバー部60Cを除いた部分を指す。
そして、カバー部60Cは、図5に示すように、突出装飾部本体55gに変位可能に取り付けられており、状況に応じて変位できるようになっている。ここではカバー部60Cに付勢手段としてのばね部材60Dが取り付けられており、自然状態においては後方ガラス51の端部51Gをカバーするカバー位置に位置保持されるようになっている。一方、そのカバー位置において押された場合に変位するようになっており、その変位状態ではカバー位置に復帰する側にばね部材60Dによって付勢される。より具体的には、カバー部60Cは少なくともばね部材60Dを介して突出装飾部本体55gに支持されており、カバー部60Cが押されていない状態ではばね部材60Dがほぼ自然形状に維持される。ここでは自然状態におけるカバー部60Cの配置位置が、ガラス扉枠(透明板保持扉)3の開閉時における後方ガラス51の端部の移動軌跡上にあり、かつ、端部の移動軌跡から外れた位置に変位可能とされている。
具体的には、ガラス扉枠3の開閉に伴って後方ガラス51の端部51Gがカバー部60Cを押すと、ばね部材60Dを変形するようにカバー部60Cが変位し、端部51Gの移動軌跡から外れる。この変位状態においては、ばね部材60Dが変形状態となっており、自然状態に復帰しようとする。そして、端部51Gによる押圧が解除されると、ばね部材60Dの形状復帰に伴ってカバー部60Cが再び自然状態に戻ることとなる。
さらに、装飾部55は、図5に示すように、遊技領域90の内部及び外部の少なくともいずれか一方において遊技盤7に取り付けられる構成をなし、少なくともその取り付け側において、装飾部55の一部を進入可能とする取付け用の配置孔が形成されている。ここでは、遊技領域90の境界にはこの配置孔が構成されずに遊技盤7が設けられるようになっている。具体的には、図5に示すように、遊技領域90の内部領域に装飾部55を取り付けるための内部配置孔7bが形成される一方、この内部配置孔7bと所定距離を隔てた遊技領域外部に外部配置孔7cが形成されており、これら内部配置孔7b及び外部配置孔7cに一部を挿入する形態にて装飾部55が遊技盤7に取り付けられている。装飾部55の周縁部には内部配置孔7b及び外部配置孔7cよりも一回り大きいサイズの支持部55aが設けられており、この支持部55aが遊技盤7上に支持されるように取り付けられる。そして、内部配置孔7bと外部配置孔7cの間の遊技盤7上においてレール22が配設されている。さらに、図5に示すように、装飾部55の内部領域において、内部配置孔7bと外部配置孔7cの間の遊技盤7の盤面7dを流路底面とする構成にて遊技球の内部流路54aが構成されている。
さらに、本実施形態では、図2ないし図5に示すように、表示装置5の周囲に設けられ、この表示装置5が取り付けられる部品である表示装置周囲部品が装飾部55として構成されており、この表示装置周囲部品が後述する亀の形状をなし、遊技領域90外に延出する形態をなしている。ここでは装飾部55全体において亀の装飾が施されている。
また、図3に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1において、表示装置5の画面5aは、中心が遊技領域90の中央付近より延出部60(即ち、装飾部55において遊技領域外に配置される部分)寄りにずれた位置に配置される構成をなしている。ここでは、表示画面5aが遊技領域90の左側領域から右側領域にわたって配置され、かつその表示画面5aの中心が、遊技盤7の中心位置(図3において板面と平行な面方向に関しての遊技盤7の図心位置)よりも延出部60寄りにずれた位置となるように構成されている。
さらに、ここでの装飾部55は、所定のキャラクターを立体的、或いは平面的に模してなるキャラクター部を有してなるものであり、このキャラクター部の少なくとも一部が遊技領域90の外部に配置される構成をなしている。ここでのキャラクター部は亀の形状をなすものであり、この亀のキャラクター全体が遊技領域90の内部から外部にわたってデザイン的に連続するように配置されている。より具体的には、遊技盤7の中央部付近から遊技盤7の端部付近にまで渡って連続したデザインをなすように装飾部55が配置されている。装飾部55は、遊技領域90の外部に配置される部分のみではキャラクターとしてのデザイン機能を有さず、遊技領域内外に渡る部分が互いに結合してキャラクター部として機能するようになっている。
なお、本実施形態でいうキャラクター部は、各種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動植物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な、若しくは架空の人物、動植物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とすると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
また、本実施形態の装飾部55は、図5に示すように、遊技領域90内に配置される部分と、遊技領域外に配置される部分とが別体部品として構成されており、具体的には例えば、装飾部55において、遊技領域90内に配置される遊技領域配置部59と遊技領域90外に配置される延出部60とが別体の部品として分離可能に構成され、互いに当接して配置されている。そして、これら互いの装飾が連続したデザインをなすように構成されている。
<実施形態2>
次に、実施形態2について図6ないし図9を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態に係る遊技機を模式的に示す斜視図、図7はその正面図であり、図8はガラス扉枠の裏側構成を説明する説明図、図9は図7のD−D断面付近を概念的に示す要部断面概略図である。
本実施形態では、装飾部55において遊技領域配置部59と延出部60とが一体的に構成されている点が第1実施形態と大きく異なり、さらに前方ガラス52の形状も若干異なっている。それ以外の点については実施形態1と略同様の構成とすることができ、特に実施形態1と同様の構成をなすカバー部60Cが用いられている。
実施形態2でも、流路構成透明板たる後方ガラス51の外部領域が非形成領域とされており、この後方ガラス51の側方位置において突出装飾部55fが流路構成面の前方に突出している。具体的には、図9に示すように、後方ガラス51の端部51Gより外側の位置において突出装飾部55fが前方に突出しており、前方ガラス52は、後方ガラス51よりも板面サイズが大きいものであり、後方ガラス51と、その側方位置に配置される突出装飾部55fとの双方の前方をカバーするように前方ガラス52が配置されている。また、非形成領域(即ち端部51Gの外側の領域)は、図9に示すように、遊技領域90の内外のうち、外部にのみ設けられており、突出装飾部55fは遊技領域90の外部においてのみ流路構成面の前方に突出する構成をなしている。なお、本実施形態は、内部配置孔7bのみを設け、外部配置孔を省略し、遊技領域外においては延出部60を遊技盤7に載置した状態でねじ等の締結部材(図示略)により固定している。また、内部流路54aの少なくとも一部が視認可能となるように、破線にて示す孔Wが形成されている。
<実施形態3>
次に、図10を参照して実施形態3について説明する。図10は、上記実施形態とは異なる突出装飾部形状(具体的には図2等とは異なる突出装飾部の装飾態様)をなす遊技機について例示している。ここでは、突出装飾部55fのみに配置されるキャラクター部(図10では3つの小亀部)が設けられており、このキャラクター部が突出することにより装飾性や面白みを増すようにしている。突出装飾部55fの装飾態様以外の構成については、実施形態1や実施形態2と同様に構成でき、特に、本実施形態でも実施形態1及び2と同様の構成をなすカバー部60Cが用いられている。
<実施形態4>
次に実施形態4について図11ないし図18を参照しつつ説明する。
本実施形態でも実施形態1ないし3と同様の構成をなすカバー部60Cが用いられている。また、上記実施形態と同様に、流路構成透明板が形成されていない非形成領域(端部51Gの外側領域)を介して突出装飾部55fが流路構成面(板面51B)より前方位置に突出し、突出装飾部55fに対応する位置において、前方透明板(前方ガラス52)に、当該突出装飾部55fをカバーするように前方に凸となる凸状部52B(非平坦部)が設けられている。さらに本実施形態でのキャラクター部(即ち装飾部55)は、動作態様、表示態様等の態様が変化するように構成されている点が実施形態1等と異なり、それ以外の構成については上記実施形態とほぼ同様の構成をなすため、その相違点について重点的に説明する。なお、本実施形態の要部構成は、上記又は下記のいずれの実施形態にも付加することができる。
ここでは、キャラクター部の態様を変更するように制御するキャラクター部態様制御手段(図12等に示す制御装置21がキャラクター部態様制御手段に相当)を備えており、キャラクター部は、遊技領域(図11ではレール22によって囲まれる領域)の内部での態様変化と外部若しくは内外に跨る部分での態様変化が連動、若しくは関連した動作をなすこととなる。具体的な機構等については後述する。制御装置21は、図3のような機能(実施形態1で説明した機能)に加え、図12、図14のようにキャラクター部駆動用のアクチュエータを駆動する機能を有している。
なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成をも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
具体的には、図11に示すように、装飾部55において、遊技領域内に配置される第1変位部101と、遊技領域内外に跨って配置される第2変位部140、と、変位しない固定部120が設けられており、これら第1変位部101及び第2変位部140が変位可能に構成されている。第1変位部101は、図12、図13にて示すように、回動軸103まわりに回動可能に構成されており、ソレノイド部105の駆動により変位するように構成されている。ここでは、第1変位部101から後方に延びる2本の軸部113が設けられており、この軸部113を余裕をもって挟むようにしてフランジ部110及び111が駆動軸107に取りつけられている。駆動軸107にはフランジ部108が設けられており、このフランジ部108とソレノイド部105の間には付勢手段としてのコイルばね106が配置されている。そして、所定の遊技状態に至った場合(後述)にソレノイド部105が通電され、亀の顔部分が反時計回りに回動し、一方、通電が解除されると再びコイルばね106の付勢により初期状態に復帰することとなる。第1変位部101の周囲には、この第1変位部101に対する遊技球の衝突を防止するための、リブ状の防護壁55bが設けられている。
第2変位部140は、図14(A)(B)にて示すように、遊技領域90の内外にわたって配置されるものであり、ソレノイド部150の駆動により変位するように構成されている。ここでは、第2変位部101から後方に延びる後方延出部142が設けられており、この後方延出部142から遊技盤の前面に沿って延びる2本の軸部144が設けられている。そして、この軸部144を余裕をもって挟むようにしてフランジ部154及び155が駆動軸152に取りつけられている。駆動軸152にはフランジ部153が設けられており、このフランジ部153とソレノイド部150の間には付勢手段としてのコイルばね151が配置されている。そして、所定の遊技状態に至った場合(後述)にソレノイド部150が通電され、子がめ形状をなすプレート141が横方向に移動し、一方、通電が解除されると再びコイルばね106の付勢により初期状態に復帰することとなる。このような第1変位部101及び第2変位部140は、例えば所定の遊技状態(リーチ状態発生、大当り発生、或いは確変発生)の成立に基づき、制御手段21によって駆動されるようになっている。
以下において、これらの遊技状態の発生制御について説明する。図15乃至図18のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図15の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図17のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図15のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図16のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図15のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図18の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。このような制御過程において、所定のタイミング(例えば、大当り発生時、確率変動発生時、リーチ発生時等)でキャラクター部が駆動制御されることとなる。なお、駆動制御するタイミングは様々とすることができる。また、第1変位部101と第2変位部140の変位を関連付けて制御するようにしてもよい。例えば、リーチ発生時には第1変位部101のみを変位させ、大当り発生時には第2変位部140のみを変位させ、確率変動発生時には第1変位部101及び第2変位部140を両方変位させるようにすれば、これら第1変位部101及び第2変位部140がより関連性が深くなり、遊技者は双方の変位部の動向を注意深く見ることとなり、装飾性及び興趣の向上を効果的に図ることができる。
<実施形態5>
次に、図19ないし図21を参照して実施形態5について説明する。図19は実施形態5に係る遊技機の一例を概念的に示す概念図であり、図20は要部断面構成を説明する図である。図21は図19の遊技機のガラス扉枠の裏側構成を概念的に示す図である。上記実施形態1ないし4では、遊技領域と流下可能領域とがほぼ同じ場合について示したが、実施形態5では、遊技領域と流下可能領域とが若干異なる構成をなしている。なお、それ以外の構成については、上述した実施形態であって組み合わせ可能な構成であればいずれの実施形態も組み合わせて適用できる。特に、本実施形態でも実施形態1ないし4と同様の構成をなすカバー部60Cが用いられている。また、実施形態5でも、図19ないし図21に示すように、上記実施形態と同様に、装飾部55における突出装飾部55fの前方をカバーする前方透明板(即ち前方ガラス52)において、突出装飾部55fの前方位置に、この突出装飾部55fをカバーする凸状部52Bが凸状に設けられた構成をなし、さらに凸状部52Bは、少なくとも前方透明板(前方ガラス52)の周縁部に位置する構成をなし、この前方透明板(前方ガラス52)における凸状部52Bの配置領域において、前方透明板(前方ガラス52)の周縁部が前方に盛り上がる構成をなしている。そして、図19ないし図21に示すように、前方ガラス52において、流路構成面と平行に平坦部52Aが設けられる共に、この平坦部52Aよりも前方に凸となるように凸状部52Bが構成されている。
本実施形態でも、遊技領域対応部の大部分が平坦部52Aとされており、延出部対応部の大部分が凸状部52Bとして構成されて盛り上がっている。凸状部52Bは、図20にて特徴的に示すように、前方ガラス52における流路構成面と平行に構成される平坦部52Aから当該前方ガラス52の周縁部にかけて次第に前方に盛り上がる構成をなしている。そして、突出装飾部55fの一部が、後方ガラス51の側方位置(端部51Gの外側位置)において、当該後方ガラス51の前方に突出し、かつ前方ガラス52に形成された凸状部52Bの裏側に収容された構成をなす。突出装飾部55fは、前方ガラス52における平坦部52Aよりも前方位置に突出するようになっている。
このようなガラス構成に加え、本実施形態では、装飾部55が設けられた領域において、遊技領域の境界とは異なる内部流路54aが構成されており、その内部流路54aの外側の壁部に沿って流下可能領域の最外縁が設定されている。なお、本明細書では、所定の枠が略環状に構成され、その一方、一部に枠部材が存在しないような枠構成のもの(即ち環状形状の一部を欠いたような枠構成)については、その欠けた部分の端部間を最短距離で結ぶように遊技領域の境界が設定されるものとする。図19の例では、欠けた部分(即ちP1,P2の間の部分)については、P1,P2間を最短距離で結ぶように遊技領域の境界が設定されることとなり、内部流路54aに沿って設定される流下可能領域の最外縁とは異なる位置となっている。なお、図19においてP1,P2の間以外(即ち装飾部55の外部)では、図3と同様にレール22に沿って遊技領域の境界が設定される。
一方、図22は、上記のようなガラス構成(即ち、前方ガラスの周縁部が次第に盛り上がる構成)をなす一方、非配置領域(P1,P2の間の領域)が構成されるもののその非配置領域の両側方のレール22が円弧状に構成されていないものを例示している。この場合であっても、その非配置領域の境界をなすレール22の端縁P1,P2を最短距離で結ぶ線分が遊技領域の境界として仮想的に設定される。なお、P1,P2の間以外(即ち装飾部55の外部)では、図3と同様にレール22に沿って遊技領域の境界が設定される。そして、このような遊技領域の内外に跨るように装飾部55が配置されている。そして、上記実施形態と同様に、端部51Gを覆うようにカバー部60Cが配置されている。
また、図23は、上記のようなガラス構成(即ち、前方ガラス52の周縁部が次第に盛り上がる構成)をなす一方、遊技盤7上に「所定の枠」としてのレール22が略環状に配置されると共に、このレール22は遊技盤7の端部付近を部分的に枠内に包囲するように配設されており、装飾部55はレール22の枠内において、遊技盤7の中央部付近から遊技盤7の端部付近にまで渡って連続したデザインをなすように配置されている。この場合においても、後方ガラス51の端部51Gの外側において突出装飾部55fが設けられており、端部51Gを覆うようにカバー部60Cが配置されている。カバー部60Cの構成については実施形態1等と同様に構成できる。
<実施形態6>
次に図24ないし図26を参照して実施形態6について説明する。
図24は本実施形態の一例を示す斜視図であり、図25は要部断面構成を概念的に示す図、図26は図25に対しガラス扉枠を開いた状態を示すものである。
上記実施形態では、前方透明板としての前方ガラス52が突出する構成のものを例示したが、本実施形態での前方透明板は、全体が平坦な1枚板によって構成されている。本実施形態では、後方ガラス51と前方ガラス52とが共に、全体が平坦な1枚板からなり、かつ互いに略平行に配置されており、これらガラスの間に介在するようにカバー部60Cが配置されるようになっている。なお、カバー部の構成は上記実施形態と同様であり、突出装飾部本体55gに対し変位可能にカバー部60Cが取り付けられている。また、カバー部60Cは図5と同様に、自然状態ではばね部材によって図25に示す位置に保持され、カバー部60Cの端部51G付近によって押されることにより変位するようになっている。
<実施形態7>
次に図27を参照して実施形態7について説明する。
図27は、図5、図25等を変形して示すものである。上記実施形態では、カバー部が突出装飾部の一部として構成されるものを例示したが、本実施形態では、カバー部70Aは、突出装飾部55fとは異なる部品に取り付けられている。図27の例では、カバー部70Aが、後方ガラス51に取り付けられる構成をなし、より具体的には、カバー部70Aは、後方ガラス51の前面側に接着剤等により接着されている。また、図28の例は、図27をさらに変形したものであり、カバー部の後方ガラス51に対する取り付け構成が図27とは異なっている。図28では、カバー部70Bが、後方ガラス51に着脱可能に取り付けられる構成をなし、より具体的には、後方ガラス51を厚さ方向に挟む挟持部を備えてカバー部70Bが構成されている。このようにすれば、状況に応じてカバー部を着脱でき、かつ簡易に端部をカバーできることとなる。また、図29の例は、図27、図28をさらに変形して示すものであり、カバー部70Cが、前方ガラス52の裏面に取り付けられている。なお、これらカバー部70A,70B,70Cはいずれも突出装飾部55fと関連したデザインとすることができ、さらにいえば、突出装飾部55fとデザイン的に連続するように構成できる。例えば、図2及び図5を変形して図27ないし図29のいずれかのような構成した場合には、亀の胴体の一部をなすようなデザインとすることができる。
<実施形態8>
次に実施形態8について図30ないし図33を参照しつつ説明する。図30は、本実施形態に係る遊技機について、2枚のガラス、これを保持する枠体、ガラス扉枠3の構成を概念的に示す概念図であり、図31はガラス扉枠の裏側構成を概念的に示す概念図、図32は、図30を遊技盤の盤面構成と組み合わせて示すものである。また、図33は要部断面構成を概念的に示す概念図である。
本実施形態では、上記実施形態と同様に遊技盤7に対して開閉可能に構成され透明板保持扉(ガラス扉枠3)において後方ガラス51の周縁部を保持する透明板保持枠(枠83)が設けられているが、この枠83の一部として、又は枠83に取り付けられる形態にてカバー部60Dが設けられている。図31、図33に示すように、枠83は後方ガラスを保持する環状の流路構成透明板保持部と、前方ガラス62を保持する環状の前方透明板保持部とを備えた構成をなしている。そして、図31、図33に示すように、流路構成透明板保持部の一部83Aが、遊技盤7の前面と平行な面方向において突出装飾部55fよりも遊技盤中心側に配置されており、この流路構成透明板保持部の一部83Aに取り付けられるようにカバー部60Dが構成されている。
図33に示すように、カバー部60Dは、流路構成透明板保持部の一部83Aに対し着脱可能に取り付けられており、装着状態においては、カバー部60Dと突出装飾部55fとが当接した構成をなしており、カバー部60Dと突出装飾部55fとが連結した構成をなしている。具体的には、カバー部60Dに設けられた係合部と、突出装飾部55fに設けられた被係合部とが互いに係合することにより連結するようになっており、ここではガラス扉枠3の閉塞状態において、カバー部60Dに形成された突起63が突出装飾部55fに形成された孔60Fに挿入される(例えば圧入される)ようになっており、この挿入によって互いに係合する。なお、係合によってではなく、例えばねじ等の締結部材によってカバー部60Dと突出装飾部とを連結させてもよい。
また、ここでのカバー部60Dも、図32に示すように、装飾部55と関連したデザインが施されており、より具体的には、カバー部60Dと、装飾部55におけるカバー部60Dの周囲部分とが連続したデザインをなすように構成されている。なお、上記の例では、流路構成透明板保持部の一部83Aにカバー部60Dを取り付けるように構成したが、流路構成透明板保持部の一部が、盤面方向(即ち遊技盤の前面と平行な面方向)において突出装飾部よりも遊技盤中心側に配置されてカバー部として構成されていてもよい。即ち、枠83自体がカバー部として機能してもよい。
<実施形態9>
次に実施形態9について図34ないし図36を参照しつつ説明する。
図34は本実施形態の遊技機の一例を概念的に示す斜視図であり、図35は、図34の正面概念図である。また、図36は要部断面構成を概念的に示す概念図である。
本実施形態では、カバー部60Eがガラス扉枠3に設けられた構成を示している。ここでは、カバー部60Eが、ガラス扉枠3に対し着脱可能に取り付けられており、前方ガラス52の前方において開口する窓部3cの開口領域において、前方ガラス52及び後方ガラス51を部分的に覆うようにカバー部60Eが配置されている。より具体的には、カバー部60Eは、窓部3cの開口端縁の所定の第1位置からそれとは異なる第2位置に渡って懸架される構成をなしている。ここでも、上記実施形態と同様に、カバー部60Eにおいて周囲の部分と連続したデザインをなすように装飾が施されている。なお、ガラス扉枠3の一部としてカバー部60Eを窓部3cと一体的に構成してもよい。また、ここでは、前方ガラスが平坦な構成を例示したが、上記実施形態と同様に前方ガラスの一部を突出させるような構成であっても勿論よい。また、カバー部60Eがガラス扉枠3に着脱不能に構成されていてもよい。ここでのカバー部60Eも、図35に示すように、装飾部55と関連したデザインが施されており、より具体的には、カバー部60Eと、装飾部55におけるカバー部60Eの周囲部分とが連続したデザインをなすように構成されている。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態は、表示画面が全て遊技領域内に収まる構成を例示したが、表示画面の一部が遊技領域外部に配置される構成、即ち、表示画面が遊技領域の内部から外部に跨るように配置される構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、表示画面が遊技盤の前面とほぼ平行に配置される構成を例示したが、表示画面が遊技盤の前面に対して傾斜した構成をなすようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、表示装置の周囲に配置される表示装置周囲部品が装飾部として構成されるものを例示したが、これ以外の装飾部を遊技領域の内部から外部へ延出させてもよい。例えば、装飾部は役物を構成する役物構成部品としてもよく、この役物構成部品の一部が延出される形態にて延出部が構成されるようにしてもよい。また、遊技盤に配置される入賞装置において、当該入賞装置を構成する部品の一部分を遊技領域外部へ延出させてもよい。
(4)上記実施形態では、遊技領域の右上部に延出部が設けられた構成を示したが、延出部の位置はこれに限定されない。例えば、左上部や右下部、左下部などであってもよい。或いは、遊技領域の側部や上部、下部などであってもよい。
(5)上記実施形態では、表示画面の中心が、遊技領域のほぼ中心位置よりも延出部寄りにずれた位置となるように構成されるものを例示したが、これ以外であってもよい。
(6)上記実施形態では、前方透明板及び流路構成透明板を両方ともガラス部材により構成したが、これに限られない。例えば、前方透明板を樹脂部材により構成し、一方、流路構成透明板をガラス部材によって構成することができる。このようにすれば、流路構成透明板については傷等が生じにくいガラス部材によって構成され、前方透明板については加工し易い樹脂部材によって構成されることとなる。また、前方透明板及び流路構成透明板の双方を樹脂部材によって構成してもよい。
(7)上記実施形態では、平坦部と凸状部が1枚板によって構成されるものを例示したが、凸状部は前記平坦部に接合されていてもよい。