上記特許文献1では、デザイン的に連続する装飾部を遊技領域内に配置し、斬新性を高めようとする技術が開示されている。そしてこの特許文献1の構成によれば、デザイン的に連続する装飾部において、遊技球が流下可能な部位と流下不可能な部位とが設けられているため、遊技領域内に大きな装飾部が設けられて斬新性が高められ、その一方で遊技球の流下がそれほど阻害されない構成となっている。
ところで、従来の遊技機では、装飾部の主たる配置スペースである遊技領域が広さ的に限られているため、装飾部の配置位置、形状、大きさ等の制約を受けることが多く、その結果、装飾部が画一的になりがちであった。例えば、遊技球の流下領域、表示装置の配置領域などを考慮すると、装飾部の配置スペースが限られてしまうため、従来の遊技機ではこの限られた配置スペースでいかに斬新性に富む装飾部を配置するか様々に工夫していた。上記特許文献1の技術はこの限られたスペースを有効に用いて大きな装飾部を配置しようとするものであり、配置的に工夫がなされて一応は装飾部全体が遊技領域内に収まっているが、大きな装飾部の全てを遊技領域内に配置しようとしているため、配置位置、形状、大きさ等の様々な制約を依然として受けてしまう。
一方、遊技領域外にランプ等の装飾部を配置して装飾を行う遊技機が提供されている。これによれば、遊技領域内における装飾とは独立して外部にて装飾が行えるため、遊技領域内に配置される部品に制約されることなく装飾効果を高めることができる。しかしながら、このように遊技領域の外部に独立して装飾部を設けるように構成すると、遊技領域内の装飾と外部の装飾の関連性が薄まり、或いは無くなり、装飾性に欠ける構成となりやすく、外部装飾部があまり注目を集めにくくなることも懸念される。
このような問題に対し、本発明者らは、装飾部を遊技領域の内部から外部にまで及ぶように配置するという今までにない構成を着想するに至った。このようにすれば、装飾部が斬新でインパクトのある構成となり、一層面白みのある遊技機を提供できることとなる。
しかしながら、このように遊技領域の内部から外部にまで及ぶように部品を配置するような構成は従来において考えられていなかったため、構成上問題が生じる虞があることが判明した。即ち、一般的に装飾部品(入賞装置や表示装置など)を配置する場合には、遊技盤を貫通する配置孔(ルータ加工)を形成し、装飾部品の一部をその孔内に挿入するようにして位置決めを行いつつ固定するやり方が一般的である。しかしながら、上記のように装飾部を遊技領域の内部から外部にまで及ぶように配置しようとすると、配置孔が大きくなりすぎる懸念があり、配置孔が大きすぎることに起因する不具合(例えば、遊技盤強度の低下や変形(反り等)、或いは、遊技盤面が利用できなくなる等)が生じやすくなる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、遊技領域内に配置される装飾部を遊技領域の外部にまで及ぶように構成して斬新性、装飾性を高めつつ、その一方で、装飾部を配置する配置孔が大きくなりすぎず、広範囲に装飾部を配置することに起因する不具合の効果的な解消がなされた遊技機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために有効な手段等を以下に示す。なお、必要に応じてその作用効果等についても説明する。
手段1.所定の枠によって囲まれることにより遊技盤上に遊技領域が構成された遊技機において、
前記遊技領域内に設けられた、1又は複数の部品からなる所定の装飾部の一部が、前記遊技領域の外部に及んで配置されており、
前記装飾部は、前記遊技領域の内部及び外部の少なくともいずれか一方において前記遊技盤に取り付けられる構成をなし、少なくともその取り付け側において、前記装飾部の一部を挿入可能とする取付け用の配置孔が形成され、かつ、前記遊技領域の境界にはこの配置孔が構成されずに遊技盤が設けられることを特徴とする遊技機。
手段1(即ち、請求項1の構成)によれば、遊技領域内に配置される装飾部を遊技領域の外部にまで及ぶように構成して斬新性、装飾性を高めつつ、その一方で、境界部分(具体的には装飾部配置領域における境界)に配置孔を設けないようにしているため(即ち、遊技領域内外に渡るようなルータ加工を施さないようにしているため)、配置孔が大きくなりすぎず、広範囲に装飾部を配置することに起因する不具合(遊技盤強度低下、反り等の変形など)が生じにくくなる。一方、装飾部を取り付けるための配置孔が遊技領域の境界付近に形成されず、境界付近に遊技盤が設けられているため、境界付近において遊技盤が利用できる構成となる(例えば、遊技盤強度向上や変形防止のための利用であってもよく、何らかの部品を配置するための利用などであってもよい)。
例えば、装飾部を横切るようにレールを配置する場合や、境界付近において装飾部を横切る流路を構成する場合等において、遊技盤強度を保持しつつ、遊技盤の盤面が利用できることとなり、有用となる。なお、手段1の構成において、具体的には、例えば、大部分が遊技盤の盤面より突出して構成される装飾部を遊技領域の内部から外部にわたるように配置することができる。
手段2.遊技領域の内部に前記装飾部を取り付けるための内部配置孔が形成される一方、この内部配置孔と所定距離を隔てて外部に外部配置孔が形成されており、これら内部配置孔及び外部配置孔に一部を挿入する形態にて前記装飾部が遊技盤に取り付けられることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、内部配置孔及び外部配置孔によって装飾部を遊技領域内外で確実かつ安定的に固定できる構成となり、その一方で、内部配置孔及び外部配置孔の間に遊技盤が確保される構成となる。
手段3.前記内部配置孔と前記外部配置孔の間の遊技盤上においてレールが設けられたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
このように構成すれば、内部配置孔及び外部配置孔によって装飾部を内外で確実に固定でき、その一方で、レールが安定的に配設される構成となる。
手段4.前記装飾部の内部領域において、前記内部配置孔と前記外部配置孔の間の遊技盤面を流路底面とする構成にて遊技球の流路が構成されていることを特徴とする手段2又は手段3に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外に配置孔を形成しつつも、流路用に遊技盤が確保可能な構成となる。
手段5.前記装飾部は複数の部品が連なる装飾をなすように構成されており、前記内部配置孔に取り付けられる内部取付部品と前記外部配置孔に取り付けられる外部取付部品とが別々の部品によって構成されることを特徴とする手段2ないし手段4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部を一体部品によって形成しにくい場合、遊技領域の内部と外部に別々の部品を配置したほうがよい場合などにおいて都合のよい構成となる。
手段6.前記内部配置孔に取り付けられる内部取付部品と、前記外部配置孔に取り付けられる外部取付部品とは、互いの端縁部の位置が遊技盤の盤面に沿った方向において近接することを特徴とする手段5に記載の遊技機。
このようにすれば、内部取付部品と外部取付部品とを連続性の高い装飾態様とし易い構成となる。なお、本発明において、「遊技盤の盤面に沿った方向」とは遊技盤の盤面と平行な方向(面方向)を意味する。
手段7.前記内部取付部品及び前記外部取付部品の少なくともいずれか一方の取付部品は、自身が取り付けられる配置孔の位置よりも一部が他方の取付部品側に延びる形態をなすことを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内部と外部に配置孔が形成されるものにおいて、内部取付部品と外部取付部品とをより連続させやすい好適構成となる。
手段8.前記内部取付部品と前記外部取付部品は、少なくとも一部が当接若しくは前後に重なる構成をなすことを特徴とする手段7に記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部を複数に分割した場合において連続性を高めやすい極めて好適な構成となる。なお、本発明において、前後方向とは、遊技盤の盤面と直交する方向を意味し、遊技者側を前方向、盤面裏側を後方向としている。
手段9.前記内部取付部品と前記外部取付部品との間にレールが配置され、前記内部取付部品の一部は、遊技盤の盤面に沿って板状にレール側に延出するレール側延出部を有し、そのレール側延出部の外面には周囲と連なる装飾が施されており、
さらに、前記内部取付部品と前記レールとの間において、前記レール側延出部の外面を少なくとも底面の一部とする構成にて前方に露出する遊技球の流路が設けられたことを特徴とする手段7又は手段8に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外に別々に部品が設けられたものにおいて、装飾が施されたレール側延出部が流路の底部に介在することとなるため、露出する流路を構成しつつ、かつ装飾の連続性が高い構成となる。
手段10.前記内部配置孔に取り付けられる内部取付部品と、前記外部配置孔に取り付けられる外部取付部品とは、盤面方向において所定距離を隔てて配置され、それら内部取付部品及び外部取付部品の間において、通過する遊技球が視認可能となる遊技球の流路が構成されていることを特徴とする手段5に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内部と外部に別々の配置孔を設けたものにおいて、視認可能な流路を設けやすい好適構成となる。
手段11.前記装飾部は、一体的に形成される部品が部分的に前記内部配置孔及び前記外部配置孔にそれぞれ挿入される構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段4に記載の遊技機。
このようにすれば、内部と外部に別々の部品を設けにくい場合、一体部品を配置したほうがよい場合等において都合のよい構成となる。例えば、遊技領域の内部から外部にわたって装飾部を配置するという特別な構成のものにおいて、効果的に部品点数を削減できることとなる。また、具体的には、前記遊技領域内に配置される部分と前記遊技領域外に配置される部分とが一体的に形成された樹脂部品として前記装飾部を構成し、この樹脂部品を前記内部配置孔及び前記外部配置孔にそれぞれ取り付けることができる。
手段12.前記装飾部は、前記内部配置孔及び前記外部配置孔の間の遊技盤上に配設されたレールを跨いで配置されることを特徴とする手段11に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内外にわたって装飾部を配置し、かつ当該装飾部を一体的な部品として構成するという特別な構成とした場合であっても、装飾部の内部領域にレールを安定的に配設できる構成となる。
手段13.前記内部配置孔及び前記外部配置孔の間において前記遊技盤の盤面を底面とする遊技球の流路が構成される一方、前記装飾部は、その流路を部分的に覆う構成にて前記遊技領域の内部に配置される部分と前記遊技領域の外部に配置される部分とを連結する連結部が設けられており、この連結部において、前記流路を部分的に視認可能とするように窓部が形成されていることを特徴とする手段11又は手段12に記載の遊技機。
このようにすれば、一体的な部品を内部配置孔及び外部配置孔に取り付けるものにおいて、装飾部内に流路を構成でき、かつその内部の遊技球が視認可能となる好適な構成となる。
手段14.前記遊技領域の内部及び外部のうち、一方側のみにしか前記装飾部を取り付けるための前記配置孔が形成されていないことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内部及び外部の双方に配置孔を形成しにくい場合、或いは一方側のみに配置孔を形成したほうが都合のよい構成のものにおいて好適な構成となる。
手段15.前記遊技領域の内部及び外部のうちの一方側のみに前記配置孔が形成されて、その配置孔に一部が挿入された状態で前記装飾部が取り付けられ、他方側については配置孔が形成されず、遊技盤に載置された状態で当該装飾部が取り付けられることを特徴とする手段14に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外の両方に配置孔を形成しにくい場合であっても、遊技領域内に配置される部分と遊技領域外に配置される部分とを安定して固定することができる。
手段16.前記遊技領域の内部において、前記装飾部を取り付けるための内部配置孔が形成されており、前記装飾部において、当該内部配置孔に取り付けられた内部取付部品が前記遊技領域の外部にまで及ぶ構成をなしており、前記遊技領域の外部には前記装飾部を取り付けるための配置孔が形成されていないことを特徴とする手段14又は手段15に記載の遊技機。
このようにすれば、特に、遊技球が流下して衝突が生じる遊技領域内部については内部配置孔を介して装飾部を確実に固定できる構成となり、一方、遊技領域外においては配置孔を省略できる構成となる。
手段17.前記装飾部において前記内部配置孔に取り付けられた内部取付部品は、一部がレールを跨いで外部に延びていることを特徴とする手段16に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内部のみに配置孔が設けられる構成のものにおいて、レールを安定的に配設できる好適構成となる。
手段18.前記内部取付部品における前記遊技領域の外部に延出する部分は、その一部が前記遊技領域の外部において前記遊技盤の盤面上に載置された状態で固定されることを特徴とする手段16又は手段17に記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内部のみに配置孔が設けられる構成のものにおいて、外部の配置孔を省略しつつも安定的に固定できる好適構成となる。
手段19.前記遊技領域の内部において、前記装飾部を取り付けるための内部配置孔が形成されており、この内部配置孔に取り付けられた内部取付部品が遊技領域の外部にまで及ぶ構成をなしており、前記遊技領域の外部には前記装飾部を取り付けるための配置孔が形成されておらず、前記装飾部における前記遊技領域の外部に延出する部分は、前記遊技領域の外部において前記遊技盤に取り付けられない構成をなすことを特徴とする手段16又は手段17に記載の遊技機。
遊技球が流下する遊技領域においては、装飾部を内部配置孔に取り付けて強固な固定構造とし、一方、遊技球が流下しない遊技領域外においては装飾部を取付せずに取付用のスペースを省略できることとなる。
手段20.前記遊技領域の外部において、前記装飾部の一部を挿入させて取り付けるための外部配置孔が形成されており、この外部配置孔に取り付けられた外部取付部品が遊技領域の内部にまで及ぶ構成をなしており、遊技領域の内部には前記装飾部を挿入させて取り付けるための孔が形成されていないことを特徴とする手段14又は手段15に記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部が遊技領域の内部から外部に及ぶ構成のものにおいて、遊技領域内部に配置孔を形成しにくい場合、或いは外部のみに配置孔を形成したほうが都合のよい場合等において好適構成となる。
手段21.前記遊技領域の内部及び外部のうちの、一方側の配置孔に取り付けられる装飾部は、遊技領域内に配置される部分と遊技領域外に配置される部分とが一体的に形成された部品として構成されることを特徴とする手段14ないし手段20のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域内外にわたる構成をなす装飾部において、配置孔のスペースを省略し、かつ部品点数を効果的に削減し得る構成となる。
手段22.前記装飾部の内部領域において、前記装飾部の一部が前記遊技領域を仕切るように構成されて前記所定の枠の一部として機能することを特徴とする手段1ないし手段21に記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部内にレールを配置せずに装飾部の一部によって遊技領域を構成できることとなる。具体的には例えば、前記装飾部における前記所定の枠として機能する部分を遊技盤上に配置するように構成できる。
手段23.所定の表示を行う表示装置を備える一方、前記装飾部は、この表示装置の周囲に設けられた表示装置周囲部品からなり、
この表示装置周囲部品が前記遊技領域の内部から外部にまで及ぶ構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段22のいずれかに記載の遊技機。
手段23の構成によれば、表示装置の周囲部品を今までになく斬新に構成でき、また、広い配置スペースを必要とする周囲部品を遊技領域内外にわたって配置できるため、配置の自由度が増すこととなる。
手段24.前記表示装置において表示画面が設けられており、この表示画面は、中心が前記遊技領域の中央付近より前記延出部寄りにずれた位置に配置されることを特徴とする手段23に記載の遊技機。
このようにすれば、表示装置の斬新な配置構成となり、かつ表示画面と延出部とが配置的により関連付けられたものとなる。具体的には例えば、表示画面が遊技領域の左側領域から右側領域にわたって配置され、かつその表示画面の中心が延出部寄りにずれた位置となるように前記表示装置を構成できる。また、遊技領域の左側領域と右側領域において、いずれか一方の領域に表示画面が全て収まるように表示装置を構成してもよい。
手段25.前記表示画面が、前記遊技領域の内部から外部に及んで配置されることを特徴とする手段24に記載の遊技機。
このようにすれば、表示画面が斬新な配置構成となり、かつ、配置の自由度が増す。即ち、従来の遊技機では表示装置を全て遊技領域内に収めて配置していたが、このように遊技領域の内外にわたって配置することで斬新な配置構成となり、かつ表示画面全てを遊技領域内に収める必要がないため、他部品を配置するスペースをより広くすることができる。
手段26.前記表示装置において、前記表示画面が傾斜した構成をなすことを特徴とする手段24又は手段25に記載の遊技機。
このようにすれば、表示画面を中心よりずれた構成として配置的に斬新な構成としつつ、その一方で遊技者に見やすい表示画面の配置となる。具体的には、表示画面が中心より延出部寄りにずれる構成とし、その表示画面が遊技者側に面するように傾斜させることができる。
手段27.前記装飾部は、所定のキャラクターを模してなるキャラクター部を有すると共に、そのキャラクター部の少なくとも一部が、遊技領域の内部から外部にまで及ぶ構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段26のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技者の興味を引きやすいキャラクター部について、より斬新な配置構成を採ることができる。例えば、キャラクターの顔が遊技領域の内部から外部に跨るように配置したり、単一のキャラクターの体が遊技領域の内外に跨るように構成することができる。特に、遊技領域の内部に配置される部分と外部に配置される部分とが合わさってキャラクターの顔や体などが完成するように構成するとより一層斬新なものとなる。
なお、本発明でいうキャラクター部は、各種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動植物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な、若しくは架空の人物、動植物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とすると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
手段28.前記キャラクター部は、動作態様、表示態様等の態様が変化可能に構成されることを特徴とする手段27記載の遊技機。
このように、斬新な配置構成を採りつつ動作態様、表示態様等の態様が変化可能となるように構成すれば、相乗的に興趣を高めうる構成となる。なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成をも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
手段29.前記キャラクター部の態様を変更するように制御するキャラクター部態様制御手段を備えたことを特徴とする手段28に記載の遊技機。
このように、キャラクター部の態様を制御により変更するようにすれば、タイミング良くキャラクター部の態様を変更することができる。例えば、前記キャラクター部態様制御手段により、キャラクター部の態様を遊技状態に応じたものに設定するように制御を行うように構成すれば、遊技状態に応じてキャラクター部が変化し、より面白みのある遊技が可能となる。
なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成などをも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位(関連する部位としては、例えば、キャラクター部の近傍の部位や、キャラクター部と連動機構により連動する部位等)が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
手段30.前記キャラクター部の少なくとも一部が、前記遊技領域の内部と外部に跨る位置において変位可能に構成されたことを特徴とする手段28又は手段29に記載の遊技機。
このようにすれば、キャラクター部の斬新な配置構成となり、かつ自由度の高い配置構成が可能となる。即ち、遊技領域の内部に配置するのではなく、内外に跨る位置に配置しているため、この変位する部分が遊技領域においてスペースをとりすぎることとならず、面白みのある駆動構成を用いつつ、その一方で遊技領域を有効に利用できる構成となる。
手段31.前記キャラクター部は、遊技領域の内部での態様変化と、遊技領域外部又は遊技領域内外に跨る位置での態様変化とが連動、若しくは関連した動作をなすことを特徴とする手段28ないし手段30のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内外でより装飾の関連性が高められることとなる。例えば、所定部品が遊戯領域内外にわたって配置されるようにキャラクター部を構成し、この所定部品を変位可能とすることにより遊技領域内外にわたる部品が連動する構成となる。このようにせずに、遊技領域内外に別々に配置される部品をそれぞれ連動させるように構成してもよい。また、必ずしも動作によって関連付けなくても良い。例えば、キャラクター部において遊技領域の内部部位と外部部位の発光態様を関連付けるようにしてもよい。
手段32.前記装飾部は、所定の入賞装置からなり、当該入賞装置を構成する部品の一部が前記遊技領域の外部に及んで配置されることを特徴とする手段1ないし手段31のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、今までにない斬新な入賞装置となる。
手段33.前記装飾部は、前記遊技領域の右側上部領域において、外部に及ぶ構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段32のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、一般的に遊技球の流下量が少ない部位を効率的に装飾に用いることが可能となる。
手段34.前記装飾部は、前記遊技領域の中央付近から遊技領域外部にわたって構成されることを特徴とする手段1ないし手段33のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、中央から遊技領域外部にわたって広い範囲に装飾部を配置でき、遊技者の興味を引きやすい構成となる。
手段35.前記装飾部は、一端が前記遊技領域における左側領域に配置されており、他端が前記遊技領域の右側領域外部に配置されることを特徴とする手段34に記載の遊技機。
このようにすれば、極めて大きな装飾部が配置されることとなり、インパクトの大きな構成となる。
手段36.遊技盤の前方において遊技球の流路を構成する流路構成透明板が設けられると共に、この流路構成透明板の板面の少なくとも一部が、前記遊技盤の盤面と対向して流路を構成する流路構成面とされており、
前記装飾部の全体が、前記流路構成面よりも後方に配置されて前記流路構成透明板によりカバーされた構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段35のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、斬新な構成をなす装飾部をカバーするに際し、透明板を複雑な構造としなくても装飾部の全体がカバー可能となる。
手段37.前記流路構成透明板の前方において、当該流路構成透明板とほぼ平行に配置される前方透明板が設けられており、
前記装飾部の全体が、これら流路構成透明板及び前方透明板によりカバーされる構成をなすことを特徴とする手段36に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板及び前方透明板の両方によって装飾部の全体がカバーでき、部品保護、騒音等の面において有用な構成となる。
手段38.前記流路構成透明板において、当該遊技機の前方から視認可能に構成される視認部は、前記遊技領域の前方に配置されて略円弧状の周縁部を有する遊技領域カバー部と、この遊技領域カバー部より板面方向外側に延び、前記装飾部における前記遊技領域の外部に配置される部分をカバーする外部カバー部とを有してなることを特徴とする手段36又は手段37に記載の遊技機。
このようにすれば、円形の遊技領域、及び外部に及んで配置される装飾部にそれぞれ対応した形状の流路構成透明板となる。また、単なる円形、矩形等の簡単な形状ではないため、視認部の形状に面白みをもたせることができる。
手段39.前記流路構成透明板の前方に配置される前方透明板の視認部が前記流路構成透明板の視認部とほぼ同形状に形成されて前記遊技領域カバー部と前記外部カバー部とを有しており、
前記装飾部における前記遊技領域の外部に配置される部分が、前記流路構成透明板及び前記前方透明板の双方の前記外部カバー部によってカバーされることを特徴とする手段38に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板及び前方透明板の双方を遊技領域及び装飾部に対応した適切な形状とすることができる。
手段40.前記流路構成透明板において、当該遊技機の前方から視認される視認部は、略矩形形状をなしており、
前記装飾部の一部が前記流路構成透明板における前記視認部の角部付近に及ぶように配置され、かつその角部付近によってカバーされる構成をなすことを特徴とする手段1ないし手段37のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、簡単な矩形形状の流路構成透明板によって、遊技領域外部に及ぶ装飾部の全体をカバーできる構成となる。また、汎用的な矩形形状の視認部をなすため、他の種類の遊技機に流用しやすい構成となる。
手段41.前記流路構成透明板と、この流路構成透明板の前方に配置される前方透明板の視認部が共にほぼ矩形形状をなしており、
前記装飾部における前記遊技領域の外部に配置される部分が、前記流路構成透明板及び前記前方透明板の双方の視認部の角部付近によってカバーされることを特徴とする手段40に記載の遊技機。
このようにすれば、二枚の透明板の視認部を共に簡単な形状としつつ装飾部全体をカバー可能な構成となる。
手段42.遊技盤の前方において遊技球の流路を構成する流路構成透明板が設けられると共に、この流路構成透明板の板面の少なくとも一部が、前記遊技盤の盤面と対向して流路を構成する流路構成面とされており、
前記装飾部の一部において前記流路構成面より前方位置に突出する突出部が設けられたことを特徴とする手段1ないし手段35のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部が遊技領域外まで及ぶといった斬新な構成を実現しつつ、その一方で、少なくとも一部が流路構成面よりも前方に突出してより一層斬新で面白みのある構成となる。具体的には、従来において遊技領域に配置される装飾部は平坦な流路構成板の後方に全て設けられていたが、上記構成のように、装飾部を遊技領域外に及ぶように構成するのみならず、一部を流露構成面より突出する構成とすれば、今までにない一層斬新な構成となる。
手段43.前記装飾部において、前記遊技領域外に配置される部分が、前記流路構成面よりも前方に突出することを特徴とする手段42に記載の遊技機。
このようにすれば、あまり注目を引かない遊技領域外部を効果的に目立たせることができる。具体的には、例えば、延出部の一部を前記流路構成面より突出させる一方、当該装飾部における前記遊技領域内に配置される遊技領域配置部を、前記流路構成面よりも後方に配置するように構成できる。
手段44.前記流路構成透明板とこの流路構成透明板の前方に配置される前方透明板が異なる形状をなしており、
前記流路構成透明板を貫通する形態にて、或いは流路構成透明板の周縁部外側位置において前方に突出する形態にて前記突出部が設けられており、さらにこの突出部の前方が、前記前方透明板によってカバーされた構成をなすことを特徴とする手段42又は手段43に記載の遊技機。
このように構成すれば、突出部を設けて斬新な構成を達成しつつ、その一方でこの突出部が前方透明板によりカバーされて確実に保護される構成となる。
例えば、手段44において、前記流路構成透明板の周縁の一部を切り欠くようにして切欠部を形成し、この切欠部を介して前記突出部を前方に突出させるようにしてもよい。このようにすれば、流路構成透明板の前方に突出部を突出させることができる好適構成となる。
手段45.前記装飾部において、前記流路構成透明板の縁部の前方を覆う縁部カバーが設けられたことを特徴とする手段44に記載の遊技機。
このようにすれば、流路構成透明板の縁部の露出を低減又は防止でき、デザイン性に優れた構成となる。
手段46.前記装飾部における前記突出部の前方をカバーする前記前方透明板は、全体が平坦に構成されるものであることを特徴とする手段42ないし手段45のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、装飾部の一部を流路構成面前方に突出させるといった斬新な構成としつつも、前方透明板を特別な形状とせずに突出部前方をカバーできる構成となる。
手段47.前記前方透明板において、前記装飾部における前記突出部の前方位置に、この突出部をカバーする突出部カバー部が凸状に設けられていることを特徴とする手段42ないし手段45のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、突出部を流路構成平面よりも前方に突出させるという斬新な構成をとりつつ、その突出部の前方のカバーがなされ露出しない構成となるため、特殊な構成をなす突出部を効果的に保護できる。なお、手段47の構成において、前方透明板を樹脂部材により構成し、一方、流路構成透明板をガラス部材によって構成することができる。このようにすれば、流路構成透明板については傷等が生じにくいガラス部材によって構成され、前方透明板については加工し易い樹脂部材によって構成されることとなる。
手段48.前記流路構成透明板は、流路を構成する平坦部と、前記突出部に対応する位置においてこの突出部をカバーするように形成されると共に前記平坦部より前方に凸となる突出カバー部とが設けられたことを特徴とする手段42又は手段43に記載の遊技機。
手段49.前記突出部に対応する位置において、前記流路構成透明板と前記前方透明板の両方に突出カバー部が凸状に設けられたことを特徴とする手段48に記載の遊技機。
このようにすれば、両透明板において凸状の突出カバー部が設けられているため、前方が保護される構成となる。
本発明によれば、斬新な装飾態様をなす遊技機となり、かつ、遊技領域のみならず、遊技領域外を利用して装飾部を配置できることとなるため、配置スペースの自由度が増すこととなる。また、装飾部を取り付けるための配置孔が遊技領域の境界付近に形成されず、境界付近に遊技盤が設けられているため、上記のように装飾部が遊技領域内外にわたるような特別な構成であっても境界付近において遊技盤が利用できる構成となる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図6を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1、図4及び図5などに示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に透明板保持部としてのガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部81により前枠2に開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた金属製の枠83(図1参照)を備えている。金属製の枠83に二枚のガラスが嵌め込まれてガラスユニット50が構成されている。
ガラス扉枠3の後方には、図1、図3、図4、図6等に示す遊技盤7が配置されている。図3、図4に示すように、遊技盤7は略円形の遊技領域を有し、その遊技領域には第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。
図4及び図5に示すように、ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
図3、図4に示すように、表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
図1に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図1に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球Bの第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球BのVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球Bの大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、当該メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
<装飾部>
次に装飾部について説明する。
図2、図3、図4、及び図6に示すように、本実施形態に係るパチンコ機1において、遊技領域90内に所定の装飾部55が配置されており、この装飾部55が遊技領域90(図3参照)の外部に及ぶように構成されている。装飾部55は遊技領域90の右上部において、遊技領域の外部に延出する構成をなしており、装飾部55の全体が遊技領域90の中央付近から遊技領域90の右上の外部にわたって配置されている。具体的には、装飾部55の一端が遊技領域90における左側領域に配置されており、他端が遊技領域90の右側領域外部に配置され、極めて大きく、インパクトのある構成をなしている。
遊技領域90は、レール(例えば板状に形成された金属製のレール)によって、或いはレール及びレールと連続する部品によって囲まれる領域であり、本実施形態では遊技盤7上の所定領域をレール22によってほぼ全体が囲まれるようにして遊技領域90が構成されている。さらに図3及び図4に示すように、装飾部55の内部において、遊技領域90の周縁を構成するレール22が、装飾部55を盤面方向に貫通するように配設されている。即ち、そのレール22を跨ぐようにして装飾部55が配置されており、レール22を基端として、装飾部55の一部分たる延出部60が遊技領域90の外側に延出している。
本実施形態の特徴を述べると、装飾部55は、遊技領域90の内部及び外部の少なくともいずれか一方において遊技盤7に取り付けられる構成をなし、少なくともその取り付け側において、装飾部55の一部を挿入可能とする取付け用の配置孔が形成され、かつ、装飾部55の配置領域における遊技領域90の境界には、この配置孔が構成されずに遊技盤7が設けられるようになっている。具体的には、図1ないし図3に示すように、遊技領域90の内部領域に装飾部55を取り付けるための内部配置孔7bが形成される一方、この内部配置孔7bと所定距離を隔てて外部に外部配置孔7cが形成されており、これら内部配置孔7b及び外部配置孔7cに一部を挿入する形態にて装飾部55が遊技盤7に取り付けられている。そして、内部配置孔7bと外部配置孔7cの間の遊技盤7上においてレール22が配設されている。
さらに、図2ないし図4に示すように、装飾部55の内部領域において、内部配置孔7bと外部配置孔7cの間の遊技盤面を流路底面とする構成にて遊技球の流路54が構成されている。装飾部55は複数の部品が連なる装飾をなすように構成されており、内部配置孔7bに取り付けられる内部取付部品(即ち遊技領域配置部59)と外部配置孔7cに取り付けられる部品(延出部60)とが別々の部品によって構成されている。具体的には、レール22と遊技領域配置部59の間に遊技球の流路54がレール22に沿って溝状に形成されている。なお、本実施形態では、「連なる装飾」とは、複数の部品により連続性のある装飾がなされる構成であればよく、例えば、複数の部品が連携して平面的或いは立体的な意匠を構成するようにできる。一例としては、あるキャラクター部の顔や体の一部を1つの部品により構成し、その顔や体の残りの部分の全体或いは一部を、その1つの部品とは異なる別の部品により構成し、それらを並べることにより顔や体が構成されるようにすることができる。図2ないし図4の例では、キャラクター部(亀)の体の一部が遊技領域内配置部59により構成され、残りの部分が延出部60により構成され、前方から見た場合、これらが並ぶことにより単一のキャラクターが完成するようになっている。図2には装飾が施される部分を太線Fにて概念的に示しているが、このように横方向に連続して装飾が施されることにより、複数の部品であっても、装飾が途切れることなくキャラクター部が完成している。なお、キャラクターでなくてもよく、例えば模様などでもよい。この場合、1つの部品により模様の一部を構成し、別の部品により残りの模様の少なくとも一部を構成し、これらを並べて配置することにより模様が完成するように構成してもよい。なお、本発明でいう「遊技領域」は、レールなどの「所定の枠」によって完全に囲まれていなくてもよく、一部に隙間があってもよい。この場合、その隙間において仮想的に遊技領域の境界を設定することができる(例えば、その隙間の周囲に構成される「所定の枠」の延長線上に設定してもよく、隙間を構成する「所定の枠」の端部を最短距離で結ぶように境界を設定してもよい。
内部配置孔7bに取り付けられる遊技領域配置部59と、外部配置孔7cに取り付けられる延出部60は、互いの端縁部の位置が盤面方向において近接する構成をなすように構成でき、ここでは、図2に示すように、互いの端縁部が当接して連続した装飾がなされるようになっている。
また、内部取付部品及び外部取付部品の少なくともいずれか一方の取付部品は、その取付部品が取り付けられる配置孔の位置よりも一部が他方の取付部品側に延びる形態をなすように構成されている。ここでは、内部取付部品たる遊技領域配置部59の一部がレール22を跨いで外部取付部品たる延出部60側に延び、遊技領域配置部59と延出部60の一部が当接し、かつ互いの端部が前後に重なる構成をなしている。
さらに、本実施形態では、図3及び図4に示すように、表示装置5の周囲に設けられ、この表示装置5が取り付けられる部品である表示装置周囲部品が装飾部55として構成されており、この表示装置周囲部品が後述する亀の形状をなし、遊技領域90外に延出する形態をなしている。また、本実施形態に係るパチンコ機1において、表示装置5の画面5aは、中心が遊技領域90の中央付近より延出部60(即ち、装飾部55において遊技領域外に配置される部分)寄りにずれた位置に配置される構成をなしている。ここでは、表示画面5aが遊技領域90の左側領域から右側領域にわたって配置され、かつその表示画面5aの中心が延出部60寄りにずれた位置となるように構成されている。
さらに、ここでの装飾部55は、所定のキャラクターを立体的、或いは平面的に模してなるキャラクター部を有してなるものであり、このキャラクター部の少なくとも一部が遊技領域90の外部に配置される構成をなしている。ここでのキャラクター部は亀の形状をなすものであり、この亀のキャラクター全体が遊技領域90の内部から外部にわたって配置されている。
なお、本実施形態でいうキャラクター部は、各種分野におけるキャラクターを平面的又は立体的に模した構成とすることができる。具体的には、小説・漫画・映画・演劇・テレビ・或いはその他の分野において登場する人、動植物、その他のもの、シンボル、またはそのイメージ等を、平面的又は立体的に模した部分として構成することができ、特に、遊技機利用者において、周知、ないし著名な、若しくは架空の人物、動植物、その他のものを模した構成としたり、意匠性に優れた構成とすると、装飾性、遊技性を効果的に高めうる構成となる。
さらに、図2、図5及び図6にて模式的に示すように、遊技盤7の前方において遊技球の流路を構成する後方ガラス51(後方ガラス51が流路構成透明板に相当する)が設けられると共に、この透明ガラス51の板面51Bの少なくとも一部(ここでは板面全体)が流路構成面とされており、位置的に装飾部55の全体がこの流路構成面(板面51B)より後方に配置されて後方ガラス51に全体がカバーされる構成をなしている。なお、図2は、図3におけるA−A断面付近の構成を概念的に示すものであり、遊技領域の境界を破線Lにて概念的に示している(他の実施形態においても遊技領域の境界を破線Lにて仮想的に示すものとする)。図2の例では、流路54の一方側の側面(即ちレール22の側面)が遊技領域の境界をなしている。
さらに、流路構成透明板たる後方ガラス51の前方位置において、この後方ガラス51とほぼ同形状に形成され、かつほぼ平行に配置される前方ガラス52(前方ガラス52が前方透明板に相当する)が設けられており、装飾部55の全体が、これら前方ガラス52及び後方ガラス51によりカバーされる構成をなしている。
図6の例では、流路構成透明板たる後方ガラス51及び前方透明板たる前方ガラス52が、ほぼ矩形形状をなしており、装飾部55の一部がそれら後方ガラス51及び前方ガラス52の角部付近に及ぶように配置され、かつそれら双方のガラスの角部付近によってカバーされる構成をなしている。本実施形態では、図4ないし図6に示すように、透明板を保持する透明板保持枠としてのガラス扉枠3に形成された窓部3c(図4及び図5も参照)が遊技領域90(図3)及び延出部60に対応する形状をなしている。
一方、図6の構成に換えて、図7のようにしてもよい。図7の例では、図6の構成と同様の窓部3cを有する一方、前方ガラス52及び後方ガラス51が、遊技領域90の前方に配置されて円弧状の周縁部を有する遊技領域カバー部と、この遊技領域カバー部より板面方向外側に延び、装飾部55における遊技領域の外部に配置される部分(即ち延出部60)をカバーする外部カバー部とを有する構成をなしている。なお、図7の例では、ガラスユニット50において、一点鎖線部Xに対応する部分が、外部カバー部として構成されており、それ以外の部分が遊技領域カバー部として構成されている。
なお、ガラスを枠83に嵌め込む構成は様々なものが考えられるが、図7のような形状をなす二枚のガラスの周縁を固定し、ガラス扉枠3に取りつけ可能な構成であれば別の構成を用いてもよい。なおここでは、枠83をガラス扉枠3に取りつける構成については省略しているが、例えば、図29のように、締結部材により取りつけ可能となるように、枠83に取付部を設けるようにしてもよく、(例えば、枠83においてねじが貫通可能となる部分を形成して枠83とガラス扉枠3の本体とをねじ止めする等)、接着剤等により取りつけてもよい。
本実施形態では、遊技領域の境界部分において、装飾部55の側面がほぼ面一に連続する形態をなしており、図2の例では、装飾部55の前面もほぼ面一に連続する形態をなしている。なお、本実施形態では、平坦に形成される2枚のガラス板が、板面を互いに平行となる構成にて装飾部55の前方に配置されているが、1枚のガラス板のみを装飾部55の前方に配置してもよく、3枚以上のガラス板を配置してもよい。また、図2の例では、装飾部55内に配された流路54の前方に、この流路を部分的にあるいは全体としてカバーする部分が形成されている。なお、後述する実施形態2のように、流路54の一部、全体またはほぼ全体を視認可能としてもよい。
<実施形態2>
本実施形態では、装飾部55の内部に構成される内部流路(溝状に形成される流路54)が視認可能に構成されるものについて説明する。
例えば、実施形態1にて示される、装飾部55の内部に配される流路54において、通過する遊技球が視認可能となるように構成することができ、実施形態1の構成を代用して例に挙げると、図2に示すような装飾部55内に配される流路54の前方に透明或いは透光性の部材を配置してもよく(この場合、隣接する部位と連なる装飾を構成しつつ透明或いは透光性を備えた部材を配置することができる)、装飾部55における流路54の前方部位において、流路方向(ここでは、遊技領域の周縁に沿った方向)或いは流路の幅方向に延びるスリットなどを形成してもよい。
<実施形態3>
本実施形態では、図8のように、内部配置孔7bに取り付けられる遊技領域配置部59(内部取付部品)と、外部配置孔7cに取り付けられる延出部60(外部取付部品)が盤面方向において所定距離を隔てて配置される構成を例示している。図8の例では、遊技領域配置部59と延出部60との間に流路54が形成されており、流路54の大部分、或いは全体を露出させる構成となっている。さらに、図8では、内部取付部品たる遊技領域配置部59と外部取付部品たる延出部60との間にレール22が配置され、遊技領域配置部59(内部取付部品)の一部は、遊技盤7の盤面に沿って板状にレール側に延出するレール側延出部59aを有し、この遊技領域配置部59(内部取付部品)とレール22との間において、レール側延出部59aの外面を少なくとも底面の一部とする構成にて遊技球の流路54が前方に露出(透明板側に露出)して設けられている(レール側延出部は流路底面の一部を構成するものであってもよく、流路底面全部を構成しするものであってもよい)。ここでは、そのレール側延出部59aの外面において、周囲(即ち、装飾部55においてレール側延出部59aの両側に位置する部分)と連なる装飾が施されており、装飾が施される部分を太線部Fにて例示している。
<実施形態4>
実施形態4では、図9及び図10にて示すように、透明板保持枠(ガラス扉枠3)に構成された窓部3cがほぼ矩形形状をなす例について示しており、それ以外の構成については、上記又は下記のいずれの実施形態の構成と、ほぼ同様の構成を用いることができる。図9は、本実施形態に係る遊技機を概念的に示す斜視図であり、図10は、ガラス扉枠3における窓部3cを構成する窓枠と、遊技盤の構成について概念的に示している。特に遊技盤7の構成については図3と同様であり、装飾部55とガラスの位置関係等については図2と同様である。ここでは、窓部3cの内周縁形状が、流路構成透明板(即ち後方ガラス51)及び前方透明板(前方ガラス52)の視認部の周縁形状となっており、これらの視認部が共に汎用的な矩形形状をなしている。
そして、このようなガラス構成(透明板構成)をなす遊技機において、上記実施形態と同様に、遊技領域90の内部領域に装飾部55を取り付けるための内部配置孔7b(図2等参照)が形成される一方、この内部配置孔7bと所定距離を隔てて外部に外部配置孔7cが形成されており、これら内部配置孔7bと外部配置孔7cの間に遊技盤7が配され、さらにこれら内部配置孔7b及び外部配置孔7cに一部を挿入する形態にて装飾部55が遊技盤7に取り付けられている。
<実施形態5>
次に実施形態5について図11ないし図18を参照しつつ説明する。
本実施形態では、キャラクター部(装飾部55)において、動作態様、表示態様等の態様が変化するように構成されている点が第1実施形態と異なり、それ以外の構成については上記実施形態とほぼ同様の構成(即ち、遊技領域90の内部領域に装飾部55を取り付けるための内部配置孔7bが形成される一方、この内部配置孔7bと所定距離を隔てて外部に外部配置孔7cが形成されており、これら内部配置孔7b及び外部配置孔7cに一部を挿入する形態にて装飾部55が遊技盤7に取り付けられる構成等)をなす。以下、相違点について重点的に説明する。なお、本実施形態の要部構成は、上記又は下記のいずれの実施形態にも付加することができる。
ここでは、キャラクター部の態様を変更するように制御するキャラクター部態様制御手段(制御装置21がキャラクター部態様制御手段に相当(具体的にはCPUが主体となって機能する))を備えており、キャラクター部は、遊技領域90の内部での態様変化と外部若しくは内外に跨る部分での態様変化が連動、若しくは関連した動作をなすこととなる。具体的な機構等については後述する。
なお、本発明でいう態様の変化は、キャラクター部自体が変化する構成のみならず、キャラクター部に関連する部位(たとえばキャラクター部の近傍等)の態様が変化することによりキャラクター部の態様が相対的に変化するような構成をも概念として含む。例えば、キャラクター部から所定距離離れた位置においてランプが光ることによりキャラクター部が照らされ、明るく見えるようになったり、所定の色あいをもつようになる構成をも包含する。また、態様の変化としては、キャラクター部自体、若しくはキャラクター部と関連する部位が変位するような動作による態様変化、或いは、キャラクター部内、若しくはキャラクター部と関連する所定の部位が発光するような発光による態様変化など、あらゆる態様変化が概念として含まれ、キャラクター部の様子が変化する構成であればこれら以外の態様変化手法を適用しても勿論よい。
具体的には、図11に示すように、装飾部55において、遊技領域内に配置される第1変位部101と、遊技領域内外に跨って配置される第2変位部140、と、変位しない固定部120が設けられており、これら第1変位部101及び第2変位部140が変位可能に構成されている。第1変位部101は、図12(第1変位部付近の駆動構成を概念的に示す図)、図13(図12の断面を概念的に示す図)にて示すように、回動軸103まわりに回動可能に構成されており、ソレノイド部105の駆動により変位するように構成されている。ここでは、第1変位部101から後方に延びる2本の軸部113が設けられており、この軸部113を余裕(クリアランス)をもって挟むようにしてフランジ部110及び111が駆動軸107に取りつけられている。駆動軸107にはフランジ部108が設けられており、このフランジ部108とソレノイド部105の間には付勢手段としてのコイルばね106が配置されている。そして、所定の遊技状態に至った場合(後述)に、キャラクター部態様制御手段(具体的には制御装置21)によりソレノイド部105が通電され、亀の顔部分(変位部101)が反時計回りに回動し、一方、通電が解除されると再びコイルばね106の付勢により初期状態に復帰することとなる。第1変位部101の周囲には、この第1変位部101に対する遊技球の衝突を防止するための、リブ状の防護壁55bが設けられている。
第2変位部140は、図14(A)(B)にて示すように、遊技領域90の内外にわたって配置されるものであり、ソレノイド部150の駆動により変位するように構成されている。ここでは、第2変位部140(即ちプレート141)から後方に延びる後方延出部142が設けられており、この後方延出部142から遊技盤面に沿って延びる2本の軸部144が設けられている。プレート141に設けられた後方延出部142は、固定部120に形成されたスリット120aを介して固定部120の内部に突出している。そして、この軸部144を余裕をもって挟むようにしてフランジ部154及び155が駆動軸152に取りつけられている。駆動軸152にはフランジ部153が設けられており、このフランジ部153とソレノイド部150の間には付勢手段としてのコイルばね151が配置されている。そして、所定の遊技状態に至った場合(後述)に、キャラクター部態様制御手段としての制御装置21によりソレノイド部150が通電され、子がめ形状をなすプレート141が横方向に移動し、一方、通電が解除されると再びコイルばね151の付勢により初期状態に復帰することとなる。このような第1変位部101及び第2変位部140は、例えば所定の遊技状態(リーチ状態発生、大当り発生、或いは確変発生)の成立に基づき、制御手段21によって駆動されるようになっている。
以下において、これらの遊技状態の発生制御について説明する。図15乃至図18のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図15の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図17のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図15のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図16のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図15のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図18の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。このような制御過程において、所定のタイミング(例えば、大当り発生時、確率変動発生時、リーチ発生時等)でキャラクター部が駆動制御されることとなる。なお、駆動制御するタイミングは様々とすることができる。また、第1変位部101と第2変位部140の変位を関連付けて制御するようにしてもよい。例えば、リーチ発生時には第1変位部101のみを変位させ、大当り発生時には第2変位部140のみを変位させ、確率変動発生時には第1変位部101及び第2変位部140を両方変位させるようにすれば、これら第1変位部101及び第2変位部140がより関連性が深くなり、遊技者は双方の変位部の動向を注意深く見ることとなり、装飾性及び興趣の向上を効果的に図ることができる。
<実施形態6>
次に実施形態6について図19ないし図26を参照しつつ説明する。
まず、図19ないし図22を参照し、本実施形態の一例を説明する。図19は、本実施形態に係る遊技機を模式的に示す正面図であり、図20はその遊技盤構成を説明する説明図、図21は図19のB−B断面付近を概念的に示す概念図、図22は図21についてガラス扉枠3が開いた状態を示す図である。なお、本実施形態は、上記若しくは下記のいずれの実施形態にも付加することができるものである。
上記実施形態にて説明したように、パチンコ機1には遊技盤7の前方において遊技球の流路を構成する流路構成透明板として後方ガラス51が設けられており、この後方ガラス51の板面の少なくとも一部が、遊技盤7の盤面と対向して流路を構成する流路構成面とされているが、本実施形態では、図21に示すように装飾部55の一部が流路構成面(即ち板面51B)より前方位置に突出する構成をなしている。なお、ここでは、上記実施形態とほぼ同様の亀のキャラクター部を有する装飾部55を例示しているが、別の構成のキャラクター部を用いて本実施形態の構成をとっても勿論よい。
本実施形態では、図21に示すように、装飾部55において、遊技領域90外に配置される延出部60が、流路構成面(板面51B)よりも前方に突出するように構成されている。図21では、板面51Bを延長した仮想的な延長面を破線51Fで示しており、この延長面51よりも前方に延出部60の先端が位置することとなる。ここでは、流路構成透明板(後方ガラス51)とこの流路構成透明板の前方に配置される前方透明板(前方ガラス52)が異なる形状をなしており、流路構成透明板を貫通する形態にて、或いは流路構成透明板の周縁部外側位置において前方に突出する形態にて(図21、後方ガラス51の周縁部外側位置において前方に突出する形態をなす)突出部が設けられており、さらにこの突出部の前方が、前方透明板たる前方ガラス52によってカバーされた構成をなしている。
前方ガラス52は、遊技領域90に対応した形状をなすと共にこの遊技領域90をカバーする領域(遊技領域対応部52C)と、延出部60に対応した形状をなしこの延出部60をカバーする領域(延出部対応部52D)が設けられており、遊技領域対応部52Cから板面方向外側に向けて延出部対応部52Dが延出した構成をなしている。遊技領域対応部52Cは、周縁が円形に構成される円形周縁部からなり、一方、延出部対応部52Dは、この円形周縁部から外側に延出するように構成されている。なお、図19では、これら遊技領域対応部52Cと延出部対応部52Dの領域を1点鎖線にて概念的に示している。
図21、図22に示すように、後方ガラス51は、前方ガラス52の形状に対し、周縁の一部が切り欠かれた切欠部51Aが設けられており、この切欠部51Aを介して延出部60が前方に突出している。さらに、前方ガラス52における突出部の前方には、この突出部(即ち延出部60)をカバーする突出カバー部(延出部対応部52Dが突出カバー部として機能する)が設けられている。なお、ガラス構成(枠83、前方ガラス52、後方ガラス51、ガラス扉枠3の構成)については後述する図29とほぼ同様にできるが、図29では前方ガラス52の一部を突出して構成しているのに対し、図21等では、前方ガラス52を平坦な1枚板により構成しており、この相違点以外は図29と同様の構成とすることができる。
なお、ここでは前方透明板及び流路構成透明板を両方ともガラス部材により構成したが、これに限られない。例えば、前方透明板を樹脂部材により構成し、一方、流路構成透明板をガラス部材によって構成することができる。このようにすれば、流路構成透明板については傷等が生じにくいガラス部材によって構成され、前方透明板については加工し易い樹脂部材によって構成されることとなる。
さらに、図21に示すように、装飾部55において、流路構成透明板(後方ガラス51)の縁部の前方を覆う縁部カバー60C(図20ないし図23も参照)が設けられており、流路構成透明板(後方ガラス51)の縁部の露出を低減又は防止するように構成されている。ここでの縁部カバー60Cは揺動可能に構成されており、自然状態では図21のように位置保持されるようになっている。そして、ガラス扉枠3の開閉に伴って後方ガラス51の周縁部が当たると、先端が後方側(遊技盤側)或いは前方側に倒れるようになっており、力がかからない状態では弾性復帰により、図21のような初期状態に復帰するようになっている。ここでは、突出部の前方をカバーする前方透明板(即ち前方ガラス52)は、全体が平坦に構成されている。
図23は、図19とは異なる突出部形状(具体的には図19とは異なる突出部の装飾態様)をなす遊技機について例示している。ここでは、突出部のみに配置されるキャラクター部(図23では3つの小亀部)が設けられており、このキャラクター部が突出することにより装飾性や面白みを増すようにしている。
また、図24及び図25のように構成してもよい。図24及び図25では、突出部に駆動する部分を設けた構成を例示しており、図24は正面図を模式的に示し、図25は図24のC−C断面付近を概念的に示している。なお、駆動する部分(第2変位部140)の駆動構成は第5実施形態にて説明した第2変位部140とほぼ同様であるが、本実施形態では、突出部において変位する点が第5実施形態と異なっている。
また、図26のようにしてもよい。上記の例では、後方ガラス51において、周縁の一部が切り欠かれた切欠部51Aが設けられ、この切欠部51Aを介して延出部60が前方に突出する構成を示したが、図26では、後方ガラス51において、突出部の前方位置に、この突出部をカバーする突出カバー部51Cが凸状に設けられた構成を示しており、このような構成をなす後方ガラス51の前方に平坦な1枚板からなる前方ガラス52が配置されている。
<実施形態7>
次に実施形態7について図27ないし図34を参照しつつ説明する。
図27は本実施形態に係る遊技機を概念的に例示する斜視図であり、図28はこの正面図、図29はガラス扉枠の裏側構成を例示する説明図である。また、図30では、本実施形態の要部構成(突出部付近の構成)を説明する説明図であり、図28のD−D断面付近を概念的に示すものである。また、図31は、図30において扉が開いた状態を示す説明図である。実施形態7では、前方透明板たる前方ガラス52において、突出部の前方位置に、この突出部をカバーする突出カバー部52Bが凸状に設けられた構成について説明する。なお、ここでは突出部が、前方ガラス52の平坦部52Aよりも前方に突出する構成を例示している。
また、図30及び図31では、突出部が駆動しない構成について例示したが、図32及び図33に示すように、キャラクター部が駆動する構成として、その駆動する部分の一部又は全部を前方ガラス52における平坦部52Aの前方に突出させるようにしてもよい。図32及び図33では、図26に示すものと同様の第2変位部140が設けられているということを破線にて概念的に例示している。なお、駆動機構等の構成については図26と同様であるので詳細な説明は省略するが、図26と同様ののものを突出部の内部に配置することができる。
なお、図32はこの構成において、ガラス扉枠3が閉じた状態を示し、図33は開いた状態を示している。また、図34は、上記形態とは形状の前方ガラス52を例示しており、ここでは、突出部付近において、遊技領域側から外部側につれて徐々に前方ガラス52が前側に位置する構成をなしている。このような透明板構成は様々な突出部構成(例えば図19、図23、図24などのような突出部構成)に適用できる。
なお、この構成において、前方透明板を樹脂部材により構成し、一方、流路構成透明板をガラス部材によって構成するようにしてもよい。このようにすれば、流路構成透明板については傷等が生じにくいガラス部材によって構成され、前方透明板については加工し易い樹脂部材によって構成されることとなる。また、ここでの説明では、前方透明板において、遊技領域の外部に対応する部分のみが凸状に形成される構成を例示したが、本実施形態に関し、遊技領域の内部に対応する部分のみを凸状に形成してもよく、遊技領域の内外に跨る部分を凸状に形成してもよい。
<実施形態8>
実施形態8では、図35に示すように、装飾部55における突出部に対応する位置において、流路構成透明板(後方ガラス51)と前方透明板(前方ガラス52)の両方に突出カバー部51C、52Bが凸状に設けられた構成を例示している。なお、ここでの説明では、前方透明板及び流路構成透明板において、遊技領域の外部に対応する部分のみを凸状に形成する構成を例示したが、本実施形態に関し、遊技領域の内部に対応する部分のみにおいて前方透明板及び流路構成透明板の双方を凸状に突出させてもよく、遊技領域の内外に跨る部分において前方透明板及び流路構成透明板の双方を凸状に形成してもよい。
<実施形態9>
上記実施形態では、遊技領域の内外に配置孔が設けられる構成において、別体に形成された部品をそれぞれの配置孔に取り付ける構成を例示したが、一体的に形成される部品が部分的に内部配置孔及び外部配置孔にそれぞれ挿入されるようにしてもよい。具体的には、例えば、遊技領域内に配置される部分と遊技領域外に配置される部分とを樹脂部品として一体的に形成し、この樹脂部品を内部配置孔及び外部配置孔にそれぞれ取り付けるようにしてもよい。
例えば、装飾部55の一部を流路構成面(板面51B)の前方に突出させる構成をなすものにおいて、上述の実施形態6及び7では、装飾部における遊技領域内に配置される遊技領域配置部59と延出部60とが別部品として構成される例を示したが、これらの実施形態においても、遊技領域の内部に配置される部分と、外部に配置される部分とが一体的に形成されるように装飾部55を構成してもよい。実施形態8では、図36に示すように、装飾部55の一部が流路構成面の前方に突出する構成において、遊技領域の内部に配置される部分と、外部に配置される部分とが一体的に形成される構成を例示している。
ここでは、遊技領域配置部59と延出部60が一体的に成形された樹脂部品として構成されており、延出部60の下部が遊技領域外に構成された配置孔7cに嵌まるようにして位置決めされており、一方、遊技領域配置部59は、下部が遊技領域内に配置された配置孔7bに嵌まるようにして位置決めされている。装飾部55は、内部配置孔7b及び外部配置孔7cの間の遊技盤7上に配設されたレール22を跨いで配置されており、内部配置孔7b及び外部配置孔7cの間において遊技盤7の盤面を底面とする遊技球の流路54が構成されている。
一方、装飾部55は、その流路54を部分的に覆う構成にて遊技領域90内に配置される遊技領域配置部59と遊技領域外に配置される延出部60とを連結する連結部55Eが設けられている(図36の例では、装飾部55において流路54の前方に設けられる部分が連結部に相当する)。この連結部55Eの構成としては、流路全体を視認不可となるようにカバーしてもよく、流路54を部分的に視認可能とするように、例えば図36に示すような窓部Wを形成するようにしてもよい。なお、図30ないし図35に示すように、遊技領域配置部59と延出部60のうちいずれか一方の部品のみで連結部を構成してもよく、双方の部品で連結部を構成してもよい。なお、図30ないし図35の例では遊技領域配置部59の一部分のみで連結部を構成している。この場合においても、流路内が視認できるように、溝、孔等の窓部を形成することができる。
また、図37は、実施形態1に係る図2の構成を変形(即ち、遊技領域配置部59と延出部60とを一体的に形成)したものであるが、このように突出部を有さない構成においても、装飾部55が部分的に内部配置孔7b及び外部配置孔7cにそれぞれ挿入されるように、遊技領域配置部59と延出部60とを一体的に形成することができる。図37(A)は遊技盤に対する配置構成を示し、(B)は遊技盤構成を示している。
<実施形態10>
上記実施形態では、遊技領域90の内部と外部にそれぞれ配置孔を設けた構成を例示したが、一方側のみに配置孔を設けつつ、遊技領域の内外にわたるように装飾部を配置してもよい。図38の構成では、遊技領域90の内部において、装飾部55を取り付けるための内部配置孔7bが形成されており、この内部配置孔7bに取り付けられた部品が遊技領域90の外部にまで及ぶ構成をなしており、遊技領域90の外部には当該装飾部55を挿入して取り付けるための配置孔(具体的には貫通孔)が形成されていない構成となっている。
ここでは、装飾部55は、遊技領域配置部59と延出部60とが一体的に形成された部品からなっており、内部配置孔7bに取り付けられた部品は、一部がレール22を跨いで外部に延びている。装飾部55における遊技領域90の外部に延出する部分は、その一部が遊技領域90の外部において遊技盤7の盤面上に載置された状態で固定されている(例えば、支持部55aにおいてねじ等により固定されている)。
また、本実施形態において、図39のように、装飾部55における遊技領域90の外部に延出する部分が、遊技領域90の外部において遊技盤7に取り付けられないように構成してもよい。図39の構成では、遊技領域90内に配置される遊技領域配置部59から遊技領域の外部にかけて片持ちばり状に延出する延出部60がレール22を跨いで配置されている。
さらに、図38、図39では内部配置孔のみが形成される構成において、遊技領域配置部59と延出部60とが一体的に構成されるものについて例示したが、これらを別々の部品によって構成してもよい。図40の例では、遊技領域内部及び外部のうちの一方側のみに配置孔を形成して取付部品を取り付け、他方側については配置孔を形成せず、遊技盤7に載置した状態で取付部品を取り付ける構成について例示している。具体的には。遊技領域配置部59については内部配置孔7bに挿入した状態で遊技盤7に取り付けており、一方、延出部60側については配置孔を形成せず、遊技盤7の盤面上に延出部60を載置した状態で固定している。
<実施形態11>
上記実施形態では、装飾部55の内部における「所定の枠」をレール22によって構成するものについて例示したが、いずれの実施形態においても、レールに代えて、装飾部55における遊技領域外に配置される部分(即ち延出部60)によって枠を構成してもよい。図41の例では、装飾部55の側面(具体的には延出部60の側面60F)を遊技領域90の境界とする構成にて延出部60が配置されており、延出部60と遊技領域配置部59との間に遊技球の流路54が構成されている。なお、図41は流路54が露出(透明板側に露出)する構成(即ち、図8に示すものにおいてレール22を省略するように変形した構成)を示しており、図42は、流路54が連結部によってカバーされて部分的に露出するか、若しくは露出しない構成(図40に関しレール22を省略するように変形した構成)を例示している。これらの例に限らず、いずれの実施形態のものにおいても、レール22を省略し、延出部の側面によって遊技領域の境界を構成してもよい(即ち、いずれの実施形態においても、延出部を「所定の枠」「として機能させることができる)。
なお、実施形態1等では、遊技領域90の内部にレールが配設された構成を例示しているが、本実施形態では、遊技領域90の周縁部において、レール22が部分的に配置されない非配置領域を設け、この非配置領域を介して装飾部55が遊技領域90の外部に及ぶように構成することができる。例えば、図4を代用して説明すると、この図4では、非配置領域を設けた場合の一方側の仮想的な端縁をP1として概念的に示し、他方側の端縁をP2として概念的に示している。即ち、P1、P2はレール22の端部位置を示しており、このP1、P2の間の領域を非配置領域とすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態は、表示画面が全て遊技領域内に収まる構成を例示したが、表示画面の一部が遊技領域外部に配置される構成、即ち、表示画面が遊技領域の内部から外部に跨るように配置される構成であってもよい。
(2)上記実施形態では、表示画面が遊技盤の盤面とほぼ平行に配置される構成を例示したが、表示画面が遊技盤の盤面に対して傾斜した構成をなすようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、表示装置の周囲に配置される表示装置周囲部品が装飾部として構成されるものを例示したが、これ以外の装飾部を遊技領域の内部から外部へ延出させてもよい。例えば、装飾部は役物を構成する役物構成部品としてもよく、この役物構成部品の一部が延出される形態にて延出部が構成されるようにしてもよい。また、遊技盤に配置される入賞装置において、当該入賞装置を構成する部品の一部分を遊技領域外部へ延出させてもよい。
(4)上記実施形態では、延出部が少なくとも前方ガラスにカバーされる構成を例示したが、延出部の一部が、外部に露出するように構成してもよい。
(5)上記実施形態では、遊技領域の右上部に延出部が設けられた構成を示したが、延出部の位置はこれに限定されない。例えば、左上部や右下部、左下部などであってもよい。或いは、遊技領域の側部や上部、下部などであってもよい。
(6)上記実施形態では、表示画面の中心が、遊技領域のほぼ中心位置よりも延出部寄りにずれた位置となるように構成されるものを例示したが、これ以外であってもよい。
(7)上記実施形態では、表示画面が全て遊技領域に収まる構成を例示したが、表示画面の一部が遊技領域外に位置する構成であってもよい。即ち、表示画面が遊技領域内外に跨る構成であってもよい。
(8)実施形態10では、遊技領域内のみに配置孔が形成される構成を例示したが、遊技領域外のみに配置孔を形成してもよい。即ち、遊技領域の外部において、装飾部の一部を挿入させて取り付けるための外部配置孔を形成し、この外部配置孔に取り付けられた部品が遊技領域の内部にまで及ぶように構成し、遊技領域の内部に当該装飾部を挿入させて取り付けるための孔を形成しないようにしてもよい。
(9)上記実施形態では、いずれも装飾部55の内部に流路が構成されるものを例示したが、内部に流路が構成されないものであってもよい。