ところで、従来の遊技機では、ガラスを通して視認可能となる部分の中央付近(特にレールによって囲まれた遊技領域内)の装飾に重点が置かれており、周縁部の装飾は目立ち難くなる傾向にあった。これに対し、本発明者は遊技領域外の部品構造等に特徴をもたせれば、いままで重点が置かれていなかった遊技領域外の装飾効果を高めたり、或いは当該遊技領域外の部品と連携させて遊技領域内の装飾効果を高め得るという着想に至った。しかしながら、このような着想自体いままでになく、視認可能となる部分の周縁部を具体的にどのように構成するのかが問題となる。なお、周縁部の部品構造に関する技術としては例えば特許文献1のようなものがあるが、このような周縁部の部品構造を装飾に利用しようとする発想自体はなかった。
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであって、遊技機の前方より視認可能となる視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍に反射部を設け、斬新な態様を創出することを目的とする。
手段1.遊技盤と、この遊技盤の前方において配置された透明板とを備え、前記透明板と前記遊技盤との間で遊技球が流下可能に構成された遊技機であって、
前記透明板を保持する枠体と、
前記枠体を保持すると共に当該遊技機の本体部に対し、開閉可能に構成された透明板保持扉とを備え、
前記透明板における当該遊技機の前方より視認可能となる視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍に反射部が配置されていることを特徴とする遊技機。
手段1の構成(即ち請求項1の構成)によれば、遊技機の前方より視認可能となる視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍に反射部を設け、斬新な態様を創出することが可能となる。即ち、今まであまり利用されていなかった視認可能部の周縁部に反射部を設け、これに何らかの部品を反射させるようにすれば、光沢等の反射部自体のデザインに加えて、反射した部品のデザインが加わり相乗的に装飾効果が高まる。なお、「透明板の視認可能部」とは、透明板において前方から視認可能な部分である。透明板が複数設けられる場合には、そのうちのいずれかの透明板の視認可能部の周縁部、又は周縁部近傍に反射部を設けることができる。例えば、2つの透明板が前後に配置されるような構成のものにおいては、前方の透明板の視認可能部の周縁部若しくは周縁部近傍に反射部を配置してもよく、後方の透明板の周縁部若しくは周縁部の近傍に反射部を配置してもよい。なお、本明細書を通して、遊技盤の前面と直交する方向を前後方向とし、当該前面に関して遊技者側を前方向、遊技盤裏側(裏機構側)を後方向とする。なお、周縁部の近傍に配置する構成とは、遊技盤の前面と平行な面方向において周縁部と隙間を隔てないで反射部を配置する構成であってもよく、周縁部と若干の隙間(数ミリ程度、或いは遊技球の径より小さい程度の隙間)を隔てて反射部を配置する構成であってもよい。
手段2.前記反射部は、前記遊技盤の前面及び/又は前記遊技盤に取り付けられる部品を映す鏡面体として構成されていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
このように鏡面体を配置するように構成すれば、反射部に映る部品がより鮮やかになり装飾効果が一層高まる。遊技盤に取り付けられる部品は、装飾部品、入賞装置、表示装置、遊技盤前面に貼られるセルなど、遊技盤に取り付けられる様々なものが対象となる。
手段3.前記反射部は、複数の部品においてそれぞれ設けられていることを特徴とする手段1又は手段2に記載の遊技機。
このようにすれば、複数の部品において連携して、或いはそれぞれ独立して反射がなされ、より一層斬新なものとなる。
手段4.前記反射部と前記透明板とは別部品として構成されていることを特徴とする手段1ないし手段3のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、透明板に特別な加工を施さずとも別部品によって反射が行えることとなり、透明板を加工しにくい事情がある場合に都合のよい構成となる。
手段5.前記枠体の一部が前記反射部として構成されていることを特徴とする手段1ないし手段4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、いままで装飾に用いられていなかった枠体を装飾に利用できることとなり、斬新な枠体構成となる。また、視認可能部の周縁部に反射部を配置しやすい構成となる。
手段6.前記反射部は前記枠体に取り付けられていることを特徴とする手段1ないし手段4のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、反射部と枠体とを別々に製造、管理したほうが良い場合に都合のよい構成となる。
手段7.前記反射部は前記枠体に着脱可能に取り付けられることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
このようにすれば、必要に応じて反射部を着脱することができるため、使い勝手の良い構成となる。
手段8.前記枠体は前記透明板の周縁部において当該透明板を囲むように配置される一方、前記枠体の一部において、前記透明板の板面方向において当該透明板の端部よりも中央側に延出してなる延出部が設けられており、この延出部に前記反射部が設けられていることを特徴とする手段1ないし手段7のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、枠体を利用して視認可能部の周縁部に反射部を配置できる好適構成となる。
手段9.前記延出部は、前記遊技盤の前面と平行な面方向において、前記視認可能部の外縁よりも内側に延出し、当該延出部において前記視認可能部の外縁よりも内側の視認可能な位置に前記反射部が設けられていることを特徴とする手段8に記載の遊技機。
このようにすれば、前方から見て反射部が明確に確認できる位置となり、遊技者が見る角度の影響をあまり受けず反射部が確認しやすくなる。なお、透明板が複数設けられるような構成のものにおいては、少なくとも最も前側の透明板の視認可能部の外縁よりも内側に延出するように延出部を構成できる。また、全ての透明板の視認可能部の外縁よりも内側に延出するように延出部を構成してもよい。
手段10.前記延出部において前記視認可能部の外縁よりも内側に延出した部分が、前記視認可能部の周縁部付近において環状に配置されていることを特徴とする手段9に記載の遊技機。
このようにすれば、枠体を利用して視認可能部の周縁部全周にわたって反射部を配置しやすい好適構成となる。
手段11.前記透明板における前記視認可能部は円形に構成され、前記反射部は、前記透明板の半径方向に関して中心側から外側に向かうにつれ外面が次第に前方側に位置するように構成されていることを特徴とする手段8ないし手段10のいずれかに記載の遊技機。
このように反射部の外面が半径方向に関して中心側から外側に向かうにつれ次第に前方側に位置するように構成すれば、遊技盤側の部品を映しやすい構成となり、遊技盤側の部品と反射部との連携した装飾が可能となる。
手段12.前記延出部における前記透明板の中央側の側面は、周状に配置されており、かつ後方側から前方側につれて径が広くなるすり鉢状に構成されていることを特徴とする手段8ないし手段11のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、視認可能部の周縁全周にわたって遊技盤側の部品を映しやすい構成となり、極めて装飾効果が高い構成となる。
手段13.前記透明板における前記視認可能部の周縁部が少なくとも部分的に反射部として構成されていることを特徴とする手段1または手段2に記載の遊技機。
このようにすれば、透明板を反射部として利用できるため、部品点数をあまり増やすことなく斬新な構成を実現できる。また、あまり込み入った構成とならず、すっきりとまとまる構成を実現できる。
手段14.前記透明板における前記視認可能部の周縁部がメッキ加工されて前記反射部として構成されていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
このようにすれば、透明板に反射部を設けやすい好適構成となる。透明板をガラス部材によって構成する場合には、鏡と同様の構成(例えば銀メッキ等を用いが構成)により反射部を構成できる。また、樹脂部材によって構成する場合には樹脂用のメッキ加工を施すことができる。
手段15.前記透明板における前記視認可能部の周縁部に反射部材が接合され、当該反射部材が前記反射部として構成されていることを特徴とする手段13に記載の遊技機。
このようにすれば、透明板と反射部材とを別々に製造、管理したほうが良い事情がある場合に都合のよい構成となる。なお、手段15のものとして、具体的には透明板と反射部材とを接着剤等の接着媒体などにより接合できる。
手段16.前記反射部は、前記視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍において、前記視認可能部を囲むように環状に配置されていることを特徴とする手段1ないし手段15のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、視認可能部の全周にわたって装飾がなされることとなり、装飾効果が一層高まる。
手段17.前記遊技盤に設けられた所定の枠により取り囲まれるようにして遊技領域が構成され、前記反射部は、前記遊技盤の前面と平行な面方向に関し、当該遊技領域の外側領域のみに配置されていることを特徴とする手段1ないし手段16のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技領域の内部領域については従来通り斬新な装飾が行え、一方、外部領域については反射部によって補強的に装飾が行えることとなり、遊技領域内外に渡って装飾性の高い構成が実現する。
手段18.前記反射部は、前記遊技盤の前面に対して傾斜して配置されていることを特徴とする手段1ないし手段17のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、遊技盤の前面側を映しやすい構成となり、前面側との連携した装飾を行い易い構成となる。
手段19.前記透明板は、前記遊技盤と対向して配置される流路構成透明板と、その流路構成透明板の前方に配置される前方透明板を含み、前記枠体はこれら流路構成透明板と前方透明板の周縁部を保持可能に構成され、前記反射部はこれら流路構成透明板及び前方透明板の少なくともいずれかの周縁部、又はそのいずれかの周縁部の近傍に設けられていることを特徴とする手段1ないし手段18のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、2枚の透明板を保持する枠体を利用して反射部を配置できるため、位置的に配置しやすい構成となり、かつ部品点数をそれほど多くせずに斬新な構成が可能となる。
手段20.前記前方透明板と前記流路構成透明板は、前後方向において所定距離隔てて配置されており、前記反射部は、前記枠体の一部において、前記前方透明板と前記流路構成透明板との間に挟まれて配置されていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
このようにすれば、手段19の効果に加え、前方透明板と流路構成透明板の間の空間を利用して効果的な配置がなされるため、スペース的な制約が多い遊技機において、視認可能部の周縁部に反射部を配置する上での極めて有効な構成となる。
手段21.前記枠体は前記前方透明板及び前記流路構成透明板の周縁部において両透明板を囲むように配置される一方、前記枠体の一部において、前記遊技盤の前面と平行な面方向において両透明板の端部よりも両透明板の中央側に延出してなる延出部が設けられており、この延出部に前記反射部が設けられていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
このようにすれば、手段19の効果に加え、枠体に反射部を配置する上での具体的な好適構成となる。
手段22.前記延出部は、前後方向において前記前方透明板と前記流路構成透明板に挟まれた位置に配置され、かつ両透明板の中央側に向けて延出した構成をなすことを特徴とする手段21に記載の遊技機。
このようにすれば、枠体の延出部を利用して簡易に反射部を配置でき、かつ、前方透明板と流路構成透明板の間の空間を利用して効果的な配置がなされるため、スペース的な制約が多い遊技機において、視認可能部の周縁部に反射部を配置する上での極めて有効な構成となる。
手段23.前記延出部は、前記流路構成透明板の後方において前記中央側に向けて延出していることを特徴とする手段21に記載の遊技機。
このようにすれば、枠体の延出部を利用して簡易に反射部を配置でき、かつ反射部を遊技盤により近い位置に配置できるため、遊技盤側の部品との連携をもたせやすい構成となる。
手段24.少なくとも前記前方透明板において視認可能となる前方透明板視認可能部の端部付近が前記反射部として構成されていることを特徴とする手段19ないし手段23のいずれかに記載の遊技機。
このように前方透明板視認可能部の端部付近に反射部を配置すれば、前方透明板の周囲を効果的に装飾できると共に、遊技者により近い側に反射部が設けられることとなり、反射部自体のデザインをより遊技者に印象付けやすくなる。
手段25.少なくとも前記流路構成透明板において視認可能となる流路構成透明板視認可能部の端部付近が前記反射部として構成されていることを特徴とする手段19ないし手段24のいずれかに記載の遊技機。
このように流路構成透明板視認可能部の端部付近に反射部を配置するように構成すれば、流路構成透明板の周囲を効果的に装飾できると共に、遊技盤との連携をとりやすい構成となる。
手段26.前記透明板保持扉は、前後方向に貫通するように開口した構成をなす開口部を有すると共に、当該開口部の後方において当該開口部を塞ぐように前記透明板が配置されており、当該遊技機は、前記開口部及び前記透明板を介して前記遊技盤及び当該遊技盤に取り付けられる遊技盤取付部品が前方より視認されるようになっており、
前記開口部において前記反射部が設けられていることを特徴とする手段1ないし手段25のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、透明板保持扉の開口部周囲を効果的に装飾できて斬新な透明板保持扉が実現する。
手段27.前記開口部において前記視認可能部を環状に取り囲むように前記反射部が設けられていることを特徴とする手段26に記載の遊技機。
このようにすれば、開口部全周にわたって反射部が設けられるため、極めて斬新でインパクトのある装飾態様となる。
手段28.前記開口部の開口形状は円形に構成され、前記反射部は、少なくとも当該開口部の内周縁付近において、当該開口部の半径方向に関して前記透明板の中心側から外側に向かうにつれ外面が次第に前方側に位置するように構成されていることを特徴とする手段26又は手段27に記載の遊技機。
このようにすれば、斬新な装飾態様となり、かつ遊技盤側の部品が反射部に映りやすくなって、相乗的な装飾効果を期待できる。
手段29.前記反射部は、前記開口部における内周縁付近の外面において、後方側から前方側につれて径が広くなるすり鉢状に構成されていることを特徴とする手段26ないし手段28のいずれかに記載の遊技機。
このようにすれば、開口部全周に渡って遊技盤側の部品が反射部に映りやすくなり、極めて斬新でインパクトのある構成となる。
請求項1の発明によれば、技機の前方より視認可能となる視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍に反射部を設け、斬新な態様を創出することが可能となる。即ち、今まであまり利用されていなかった視認可能部の周縁部に反射部を設け、これに何らかの部品を反射させるようにすれば、光沢等の反射部自体のデザインに加えて、反射した部品のデザインが加わり相乗的に装飾効果が高まる。
<実施形態1>
本発明の実施形態1を図1ないし図5を参照しつつ説明する。
図1は、実施形態1に係る遊技機を概念的に例示する斜視図、図2は図1の正面図、図3はその遊技機の遊技盤構成を概念的に説明する説明図である。また、図4は、図2の要部構成を概念的に示す拡大図、図5は要部断面構成を概念的に示す概念図である。
本実施形態に係る遊技機の一例たるパチンコ機1は、例えば遊技ホールに設置されたパチンコ島台のカウンタ台の上部にて複数横方向に並べられて設けられるものである。パチンコ機1は、図1及び図2に示すように、前部には前枠2が設けられ、さらにその前枠2に透明板保持部としてのガラス扉枠3が取付けられている。ガラス扉枠3は、縦軸の回動軸を有するヒンジ部81により前枠2(本体枠)に開閉可能に支持され、かつガラス(透明板に相当)が嵌め込まれた樹脂製の枠83(図5参照)を備えている。この枠83に二枚のガラス(前方ガラス52、後方ガラス51)が嵌め込まれてガラスユニットが構成されている。なお、枠83は樹脂製であってもよい。
図5に示すようにガラス扉枠3の後方には、図3のような構成をなす遊技盤7が配置されている。遊技盤7は、図3に示すように略円形の遊技領域90a(レール22に沿った境界によって囲まれる領域)を有し、その遊技領域90aには第1種始動口4、特別表示装置(以下、単に「表示装置」ともいう)5及び大入賞口6が設けられている。第1種始動口4は遊技球の通路を備え、その通路入口に羽根4aが開閉可能に支持されている。表示装置5は、例えば図柄を動的に表示する図柄表示装置として構成できる。
図1及び図2に示すように、ガラス扉枠3の下部には、賞球が払い出される上受け皿3aが装着されている。また、前枠2の窓孔より下方には下受け皿2aが装着されている。下受け皿2aは、前記上受け皿3aに入りきらない賞球や、上受け皿3aから球抜きした抜き球や、或いはファウル球等の余剰球を、余剰球出口から排出させて貯留させるものである。前枠2における下受け皿2aの右側方には遊技球を発射するための発射ハンドル17が回動操作可能に装着されている。発射ハンドル17に対応する前枠2の裏側には駆動手段としてのモータ(図示せず)が装着されており、発射ハンドル17の回動操作によってモータか回動され、これにより打球杆(図示せず)が間欠動作されるとともに、前記発射ハンドル17の回動角度に応じた弾発力に調節される。従って、前記モータ及び打球杆等によって球発射装置が構成されている。
図2、図3に示すように、表示装置5は第1種始動口4の上方に設けられており、液晶ディスプレイ(LCD)からなる画面5aを備えている。画面5aには多種類の画像が表示されるが、その1つとして、図3のように、左図柄列8、中図柄列9及び右図柄列10が表示される。図柄列の数は前述したもの(3列)に限られず、1列、2列、4列以上であってもよい。各図柄列8乃至10は、数字、記号等からなる複数の図柄によって構成されている。
図3に示すように、表示装置5では、図柄列8乃至10での図柄変動が、遊技球の第1種始動口4への入賞により開始される。図柄変動は左図柄列8、右図柄列10、中図柄列9の順に停止されるが、これは一例にすぎず、別の順序で停止されてもよい。全ての図柄列8乃至10での図柄変動が停止したとき、表示されている図柄(以下「停止図柄」という)の組合せが、予め定められた組合せ(特定表示結果、以下「大当りの組合せ」という)、すなわち、同一種類の図柄が大当りラインに沿って並んでいるときの同図柄の組合せ(例えば、777)、となる場合がある。この停止図柄の組合せを、以下「大当り図柄」という。本実施形態では、大当りラインとして、水平方向へ延びるもの(上・中・下の3種類)と、斜め方向へ延びるもの(右下がり・左下がりの2種類)の合計5種類存在するが、これに限られない。例えば、大当りラインの数が1つであり、通常、「1ライン」と呼ばれているものであってもよい。そして、大当りの組合せが成立すると特別電動役物が作動し、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当り遊技状態が到来し、より多くの賞球を獲得することが可能となる。
さらに、パチンコ機1は大当り遊技状態の発生に先立ちリーチ遊技状態となる。ここで、リーチ遊技状態とは大当り遊技状態の直前の状態をいい、例えば、列10での図柄変動が、大当りライン上において左図柄列8での停止図柄と同一種類の図柄で停止し、かつ、その後に中図柄列9での図柄変動が左右両図柄列8,10での停止図柄と同一種類の図柄で停止されれば最終的に大当りの組合せとなる状態を含む。また、図柄変動が停止すると、大当り遊技状態となる組合せで変動し、その図柄で停止されれば最終的に大当り遊技状態となる場合において、その変動中の状態もリーチ遊技状態に含まれる。これは、通常、全回転(全図柄)リーチと呼ばれているものである。
図3に示すように、大入賞口6は第1種始動口4の下方に設けられており、1つのVゾーン11、2つの通路12,13及びシャッタ14を備えている。シャッタ14は大入賞口用ソレノイド15(以下、単に「ソレノイド15」ともいう)により作動させられ、Vゾーン11及び通路12,13の各入口を開閉する。
図3に示すように、遊技盤7には、始動口用スイッチ18、Vゾーン用スイッチ19及びカウントスイッチ20が取付けられている。始動口用スイッチ18は、遊技球の第1種始動口4への入賞を検出する。Vゾーン用スイッチ19は遊技球のVゾーン11への入賞を検出し、カウントスイッチ20は遊技球の大入賞口6への入賞を検出する。また、各スイッチ18乃至20の検出結果に基づきソレノイド15及び表示装置5をそれぞれ駆動制御するために、制御装置21が設けられている。制御装置21は読出し專用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUはROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMはCPUによる演算結果を一時的に記憶する。尚、より詳細には、制御装置21は、パチンコ機1の主制御を行うメイン基板と、当該メイン基板からの信号によって各部を制御するための表示制御基板、音量調整基板、LED基板、払出し制御基板等の各種のサブ基板とを備えて構成されており、不正信号がメイン基板へ入力されることを防止するために、信号の伝送方向は、メイン基板からサブ基板への一方向のみとなっている。
CPUによる制御の1つとして、大当り遊技状態の発生確率を条件に応じて変動させる、いわゆる確率変動がある。具体的には、1/300程度の低確率で大当り遊技状態を発生させる低確率モードと、その約5倍である1/60程度の高確率で大当り遊技状態を発生させる高確率モードとが用意されており、大当り図柄の種類に応じて確率モードが切替えられる。すなわち、大当り図柄が、予め定められた特別図柄(例えば奇数図柄)であると高確率モードに設定され、予め定められた通常図柄(例えば偶数図柄)であると低確率モードに設定される。なお、低確率モードでの発生確率に対する高確率モードでの発生確率の倍数は、前述した値(約5)以外の値であってもよい。
次に反射部について説明する。
本実施形態では、図1ないし図5に示すように、透明板における当該遊技機の前方より視認可能となる視認可能部の周縁部、若しくはその周縁部の近傍に反射部が配置されている。本実施形態に係る透明板は、遊技盤と対向して配置される流路構成透明板(具体的には後方ガラス51が流路構成透明板に相当する)と、その流路構成透明板の前方に配置される前方透明板(前方ガラス52が前方透明板に相当する)とを備えた構成をなしている。枠体83はこれら後方ガラス51及び前方ガラス52の周縁部を保持可能に構成され、この周縁部の近傍において、枠体側反射部101(以下単に反射部101ともいう)、開口部側反射部102(以下単に反射部102ともいう)が設けられている。
前方ガラス52と後方ガラス51は、図5のように、前後方向において所定距離隔てて配置されており、枠体側反射部101は、枠体83の一部において、前方ガラス52と後方ガラス51との間に挟まれて配置されている。枠体83は、後方ガラス51の周縁部において両ガラス51,52を囲むように配置される一方、枠体83の一部において、遊技盤7の前面と平行な面方向(以下、盤面方向ともいう)において両ガラス51,52の端部よりも中央側に延出してなる延出部83aが設けられており、この延出部83Aに枠体側反射部101が設けられている。延出部83aは、前後方向において前方ガラス52と後方ガラス51とに挟まれた位置に配置され、かつ両ガラス51,52の中央側に向けて延出した構成をなしている。
本実施形態では、図5に示すように、前方ガラス52において視認可能となる前方透明板視認可能部52aの端部付近に反射部が配置されており、また、後方ガラス51において視認可能となる流路構成透明板視認可能部51aの端部付近にも反射部が配置されている。なお、本実施形態及び以降の実施形態を通して前方透明板視認可能部52aの境界を破線L1で概念的に示し、流路構成透明板視認可能部51aの境界を破線L2で概念的に示すものとする。従って、それぞれの透明板(即ち前方ガラス52、後方ガラス51)において、この破線L1,L2よりも透明板中心側の部位が、それぞれの透明板(即ち前方ガラス52、後方ガラス51)の視認可能部に相当する。反射部101,102は、視認可能部51a,52aの周縁部の近傍において、これら視認可能部を囲むように環状に配置されている。
また、図3のように遊技盤7に設けられた所定の枠(レール22が所定の枠に相当する)により取り囲まれるようにして遊技領域90aが構成されているが、反射部101,102は、遊技盤7の前面(盤面が遊技盤の前面に相当する)と平行な面方向に関し、当該遊技領域90aの外側領域のみに配置してもよく、内外の領域に跨るように配置してもよい。
また、図2ないし図4に示すように、反射部101,102は、遊技盤7の盤面及び/又は遊技盤7に取り付けられる部品を映す鏡面体として構成されており、図2ないし図4の例では、遊技盤7に取り付けられた装飾部50を映す様子を例示している。図2、図4に示すように、ここでは、反射部101,102が、複数の部品(即ち枠体83とガラス扉枠3)においてそれぞれ設けられており、反射部101,102とガラス51,52とは別部品として構成されている。詳細には、枠体83の一部と、ガラス扉枠3の一部とがそれぞれ上述の枠体側反射部101、開口部側反射部102として構成されている。
次に、枠体及び枠体側反射部について説明する。
図2及び図5を参照して枠体83に関して具体的に述べると、枠体83は両ガラス51,52の周縁部においてこれら両ガラス51,52を囲むように配置されており、一方、枠体83の一部において、ガラス51,52の板面方向(ここでは遊技盤7の前面と平行な面方向と同じ)において両ガラス51,52の端部よりも中央側に延出してなる延出部83aが設けられており、この延出部83aに上述の枠体側反射部101が設けられている。なお、枠体側反射部101は枠体83と一体的に形成してもよく、枠体83に取り付けられるように構成してもよい。取り付けられるように構成する場合には、枠体側反射部101と枠体83とが着脱可能となるように構成することができる。
延出部83aは、ガラス51,52の板面方向において、両視認可能部51a,52aの外縁よりも内側に(ガラスの中心側に)延出し、当該延出部83aにおいて両視認可能部51a,52aの外縁よりも内側の視認可能な位置に反射部101が設けられている。より具体的には、延出部83aにおいて両視認可能部51a,52aの外縁よりも内側に延出した部分が、両視認可能部51a,52aの周縁部付近において環状に配置されている。
両ガラス51,52における両視認可能部51a,52aは共に円形に構成され、反射部101は、両ガラス51,52の半径方向に関して中心側から外側に向かうにつれ外面が次第に前方側に位置するように構成されている。より具体的に言えば、延出部83aにおける両ガラス51,52の中央側の側面は、周状に配置されており、かつ後方側から前方側につれて径が広くなるすり鉢状に構成されている。
次に透明板保持扉及び開口部側反射部について説明する。図2、図5に示すように、ガラス扉枠3(ガラス扉枠3が透明板保持扉に相当する)は、前後方向に貫通するように開口した構成をなす開口部3cを有すると共に、当該開口部3Cの後方において当該開口部3Cを塞ぐように前方ガラス52及び後方ガラス51が配置されており、遊技機1は、開口部3c及び両ガラス51,52を介して遊技盤7及び遊技盤取付部品(表示装置、入賞装置、釘部材、或いは図示される装飾部50など)が前方より視認されるようになっている。本実施形態では、上述したようにこの開口部3cにおいて開口部側反射部102が設けられている。
具体的には、開口部3cにおいて52a(図5参照)を環状に取り囲むように反射部102が設けられており、開口部3c全周にわたって反射部102が設けられるため、極めて斬新でインパクトのある装飾態様となっている。開口部3cの開口形状は円形に構成され、反射部102は、少なくとも当該開口部3cの内周縁付近において、当該開口部3cの半径方向に関して中心側から外側に向かうにつれ外面が次第に前方側に位置するように構成されている。具体的に言えば、反射部102は、開口部3cにおける内周縁付近の外面において、後方側から前方側につれて径が広くなるすり鉢状に構成されている。
次に反射態様について説明する。
本実施形態では、遊技盤7において反射部101,102の近傍に装飾部50が設けられており、図2、図4に示すように、当該遊技機1を前方又は斜めから見た場合に、反射部101,102に装飾部50が写るように構成されている。装飾部50は、所定のデザインが施されたデザイン部を有してなり、当該デザイン部と、当該デザイン部が反射部101,102に映されてなる鏡像とによって合成デザインが構成されている。具体的にはデザイン部は、所定のデザインの完成体の少なくとも半分部分を有してなり、当該半分部分と、当該半分部分が反射部101,102に映された鏡像とによって完成体に相当するデザインが構成されるようになっている。
図2等に示されるデザイン部は、所定のキャラクターの一部分のデザインを有してなり、このキャラクターの一部分のデザインと、当該一部分のデザインが反射部101,102に映されてなる鏡像とにより、キャラクターのデザインが構成される。より詳細には、デザイン部は、キャラクターの少なくとも顔の半分に相当するデザインが施されており、その顔の半分に相当するデザインと、当該顔の半分に相当するデザインが反射部101,102に映されてなる鏡像とによる合成デザインによって顔の装飾が構成されるようになっている。
具体的な位置関係について述べると、遊技盤7の盤面7dと平行な面方向に関し、反射部101,102と装飾部50とが近接して配置されており、特に、反射部101と装飾部50とが面方向において隙間を隔てずに配置されている。具体的には、図5のように、反射部101と装飾部50とが前後に重なるように配置されている。
本実施形態に係る装飾部50は、遊技領域90aの内部に配置される内部装飾部品からなり、当該内部装飾部品が反射部101,102に映されるように構成されている。反射部は少なくとも一部が遊技領域90aの境界外側付近に配置され、一方、内部装飾部品は、遊技領域90aの内側境界付近に配置されて当該反射部に映されるように構成されている。また、本実施形態の装飾部50は、遊技盤に7着脱可能に取り付けられる着脱可能部品として構成されている。
<実施形態2>
次に図6及び図7を参照しつつ実施形態2について説明する。
図6は、実施形態2に係る遊技機を概念的に示す正面図であり、図7は、図6の要部断面構成を概念的に示す図である。実施形態2では、枠体側反射部101のみを設け、開口部に反射部を設けないように構成されている。そのほかの構成は実施形態1と同様であり、実施形態1から開口部側反射部102を除いた構成となっている。
<実施形態3>
次に図8及び図9を参照しつつ実施形態3について説明する。
図8は、実施形態3に係る遊技機を概念的に示す正面図であり、図9は、図6の要部断面構成を概念的に示す図である。実施形態3は、実施形態2の逆であり、開口部側反射部102のみを設け枠体83に反射部を設けないように構成している。そのほかの構成は実施形態1と同様であり、実施形態1から枠体側反射部101を除いた構成となっている。
<実施形態4>
次に図10を参照して実施形態4について説明する。
図10は、実施形態4に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり
図5を変形した変形例である。本実施形態では、延出部83bは、流路構成透明板たる後方ガラス51のさらに後方において中央側に向けて延出しているそして、その延出部83bの先端部付近に枠体側反射部103が設けられている。なお、そのほかの構成については実施形態1と同様である。
<実施形態5>
次に図11を参照して実施形態5について説明する。
図11は、実施形態5に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり
図5を変形した変形例である。本実施形態では、装飾部50のデザイン部50bは、反射部101,102側に斜めに向くように配置されている。ここでは、デザイン部50bの一部が平坦またはほぼ平坦な形状をなす平坦部を有してなり、この平坦部は遊技盤7の盤面7dに対して傾斜して配置されている。
<実施形態6>
次に図12を参照して実施形態6について説明する。
図12は、実施形態6に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり
図5を変形した変形例である。本実施形態では、少なくとも装飾部50において反射部が設けられている。ここでは、装飾部50に設けられた装飾部側反射部104と、平坦なデザイン部50bとが互いに傾斜して配置されており、前方もしくは斜め前方から見た場合に、デザイン部50bが装飾部50に設けられた反射部104に映るように構成されている。ここでは、反射部は、装飾部だけでなく複数の部品にそれぞれ設けられており、その複数の部品に装飾部が映るように構成されている。
<実施形態7>
次に図13を参照して実施形態7について説明する。
図13は、実施形態7に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり
図5を変形した変形例である。本実施形態では、透明板の端部が反射部として構成されている。具体的には、後方ガラス51の端部が部分的に傾斜して構成されており、この傾斜する端部においてメッキ加工が施され、反射部105が構成されている。なお、透明板の端部に、反射部材を接合するようにして反射部を構成してもよい。また、後方ガラス51に限らず、例えば、前方ガラス52の端部を傾斜させて構成し、この傾斜する端部に反射部を設けるようにしてもよい。
<実施形態8>
次に図14を参照して実施形態8について説明する。図14は、実施形態8に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり図5を変形した変形例である。本実施形態に係る装飾部は、遊技盤7の前面部に設けられるセル部材55からなり、当該セル部材において描かれる描画が反射部106,101,102に映るように構成されている。ここでは、実施形態1と同様の枠体側反射部101、開口部側反射部102に加え、遊技盤7に設けられた部品57においても反射部106を構成している。
<実施形態9>
次に図15を参照して実施形態9について説明する。図15は、実施形態9に係る遊技機の要部断面構成を概念的に示すものであり図14を変形した変形例である。本実施形態では、遊技盤7に設けられた部品57において反射部106が設けられ、それとは異なる装飾部50が当該反射部106によって映されるように構成されている。なお、部品57に形成された反射部106に加え、実施形態1と同様の枠体側反射部101、開口部側反射部102も設けられている。
<実施形態10>
次に図16ないし図22を参照して実施形態10について説明する。
本実施形態では、図2ないし図4の変形例を示すものであり、反射部に映される対象となる装飾部60が駆動するように構成されている。
具体的には図3と同様の制御手段21を用い、当該制御手段21に設けられたCPUからの信号を受けて、図17、図18に示すように、駆動アクチュエータたるソレノイド部70が所定の駆動回路により駆動されるようになっており、この駆動回路は、例えば、CPUからの駆動信号を受けてコイル部71を通電し、駆動OFF信号を受けてその通電を解除する回路として構成できる。そして、所定の駆動条件が成立してCPUから駆動信号が出力されると、駆動回路により中空状のコイル部71を通電して駆動部72を駆動し、その駆動部72と連動してキャラクター部の動作態様が変化することとなる。なお、具体的な駆動処理等については後述する。
このキャラクター部は、変位部60Aの変位により、ランプ33が視認可能な態様(図16(b))と、視認不可能な態様(図16(a))との少なくとも2つの態様をとるようになっている。なお、ここでは、通常態様の場合には図16(a)のようにランプ33が前方より視認不可能となり、特別態様(例えば大当り発生時等)の場合には、図16(b)のようにランプ33が前方より視認可能となるように構成されている。ランプ33が視認可能となると、ランプ33による光が反射部に反射されることとなり、新たな装飾態様を創出することとなる。
具体的な構成としては、図17、18に示すように、キャラクター部60において、遊技盤7に対し相対変位不能に構成された固定部60Bと、その固定部60Bに対し相対的に変位可能に構成された変位部60Aとが設けられており、この変位部60を変位させるためにソレノイド部70が設けられている。なお、ここに示す構成はあくまで一例であり、ソレノイド部70の駆動に応じて変位部60Aが固定部60Bに対して相対変位するものであれば他の構成を用いてもよい。
変位方向を定めるために、変位部60Aの前後方向の動きを拘束し、上下方向に誘導するガイド部材を設けるようにしてもよい。また、図18にて示されるように、報知ランプ(ランプ61)がキャラクター部60の一部をなすように構成されており、キャラクター部60を部分的に光らせるような発光態様をなす。なお、このランプ61についても、キャラクター部の態様に応じて発光態様が変化するように制御することができる。具体的構成としては、図16ないし18に示すように、固定部60Bと一体的に、又はこれに組付ける形態にて所定形状のランプ61を設け、発光時にその光が前方に照射されるように構成することができる。
また、図16ないし18に示すように、変位部60Aの後方において、筐体に固定される形態にてランプ33が設けられており、通信中態様においては、ソレノイド部70において、駆動部72がコイル部71内にひきこまれることにより、それと連動して図18の実線部のように、ランプ33が前方より視認できるように変位部60Aが下方へ変位し、その変位により、変位部60Aの端縁66と固定部60Bの端縁65との間に隙間が生じ、その隙間を通してランプ33より前方に光を照射可能となる。ここでは、犬の形態をなすキャラクター部が、その犬の口が開くように態様が変化する構成をなし、口の中からランプが現れることとなる。
なお、ここに示すような、キャラクター部60の一部を変位させるための構成はあくまで一例であり、ソレノイド部70の駆動に応じて変位部60Aが固定部60Bに対して相対変位するものであれば他の構成を用いてもよい。また、ここではキャラクター部60の一部をなす単一部品が遊技盤7に対して変位するように構成されているが、複数の部品が変位するように構成してもよく、キャラクター部全体が遊技盤7に対して変位するように構成してもよい。また、キャラクター部としては、アニメの主人公等の架空のキャラクター部、芸能人等の実在する著名人物、或いは、後述する犬等の動物や植物、乗物等、様々なものに類似させて構成できる。
以下において、これらの遊技状態の発生制御について説明する。図19乃至図22のフローチャートは、制御装置21によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの各処理は、カウンタ群及びフラグFに基づいて実行される。
カウンタ群は、ラウンドカウンタR、入賞カウンタP及び確変カウンタCを含む。ラウンドカウンタRはラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタPはカウントスイッチ20の検出結果に基づき大入賞口6への遊技球Bの入賞個数をカウントするためのものである。確変カウンタCは高確率モードの終了を判断するためのものであり、「2」,「1」,「0」の値を採る。なお、カウンタR,P,Cの初期値はいずれも「0」である。
そのほかにもカウンタ群は、大当り遊技状態発生を決定するための内部乱数カウンタと、外れリーチ等を決定するための外れリーチ乱数カウンタと、停止図柄等を決定するためのそれぞれの図柄カウンタと、リーチ動作の種類を決定するためのリーチ種別カウンタとを含む。ここで、外れリーチ乱数カウンタによる外れリーチとは、前述したリーチ遊技状態の後に最終的に大当りの組合せとならない状態をいう。フラグFは、Vゾーン11への遊技球Bの入賞の有無を判定するためのものであり、Vゾーン用スイッチ19によって入賞が検出されない場合に「0」に設定され、入賞が検出されると「1」に設定される。なお、確率モードには低確率モードと高確率モードの2種類類あることは既に説明したが、初期値には低確率モードが設定されている。
さて、遊技者による遊技が開始されると、制御装置21は、まず図19の特別電動役物制御ルーチンのステップS10において、始動口用スイッチ18の検出結果に基づき、遊技球Bの第1種始動口4への入賞があったか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされているとステップS20において、内部乱数カウンタ、外れリーチ乱数カウンタの各値を取得するとともに、各図柄カウンタの値に基づき図柄列8乃至10毎に外れ図柄を取得する。ここでの取得とは、各カウンタの値を読取り、その値をメモリに記憶する処理を指す。
次に、ステップS30で図柄変動開始処理を実行する。詳しくは、図21のステップS31において、図柄列8乃至10の各図柄をそれぞれ表示装置5で変動表示させる。この表示により、遊技者には左・中・右の3つのリールがあたかも回転しているように見える。ステップS32において、内部乱数カウンタの値が大当り値と同一であるか否かを判定する。大当り値としては、2種類の値(低確率用大当り値、高確率用大当り値)が用意されている。前者は大当り遊技状態を前述した低確率で発生させるための値であり、後者は高確率で発生させるための値である。例えば、内部乱数カウンタが、「0」乃至「299」の範囲で所定時間毎に値を更新するものである場合、そのうちの「7」を低確率用大当り値とし、「7」,「17」,「27」,「37」,「47」を高確率用大当り値とする。すると、大当り遊技状態が発生する確率は、低確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/300となり、高確率用大当り値を大当り値として用いた場合には1/60となる。そして、前回の制御周期で低確率モードが設定されている場合には、低確率用大当り値が大当り値として選択される。高確率モードが設定されている場合には、高確率用大当り値が大当り値として選択される。
ステップS32の判定条件が満たされていると、ステップS33において、大当り値に対応する大当り図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。一方、ステップS32の判定条件が満たされていないと、ステップS34において、外れリーチ乱数カウンタの値が予め定められた外れリーチ値と同一である否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS35において、外れリーチ値に対応する図柄(以下「外れリーチ図柄」という)を停止図柄としてメモリに記憶する。なお、ステップS34の判定条件が満たされていないと、ステップS36において、前記ステップS20での外れ図柄を停止図柄としてメモリに記憶する。そして、上記ステップS33,S35,S36で停止図柄を記憶した後、図柄変動開始処理ルーチンを終了する。
前記のようにステップS30の処理(図柄変動開始処理)を実行した後、図19のステップS40において左右両図柄列8,10における図柄を、前記ステップS33,S35,S36のいずれかの処理で記憶した停止図柄に差替える。差替え後の図柄によって左右両図柄列8,10での図柄変動を停止させる。
ステップS50では、中図柄列9での図柄変動を停止させる。続いて、ステップS60において、図柄の組合せが大当りの組合せであるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと特別電動役物制御ルーチンを終了し、満たされていると、ステップS70において、大当り信号ONを出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS80において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS80:Yes)、ステップS90において確変大当り信号ONを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS100において、ラウンドカウンタRをリセットする。そして、ステップS110において入賞カウンタPをリセットするとともに、フラグFを「0」に設定する。
続いて、図20のステップS120においてソレノイド15を励磁する。すると、シャッタ14が倒れ、大入賞口6の通路入口が開放される。この開放により、遊技球BのVゾーン11及び通路12,13への入賞が可能となる。ステップS130でラウンドカウンタRを「1」インクリメントする。
次に、ステップS140において、入賞カウンタPの値が所定値Pmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS150において、大入賞口6の閉鎖予定時期がまだか否かを判定する。この判定条件が満たされていると(ステップS150:Yes)、ステップS140へ戻る。その結果、大入賞口6の開放開始後にPmax個よりも多くの遊技球Bが入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口6が開放され続ける。これに対し、ステップS140,S150の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS160においてソレノイド15を消磁する。すると、シャッタ14が起こされ、大入賞口6の通路入口が閉鎖される。
そして、ステップS170において、ラウンドカウンタRの値が所定値がRmax以下であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていると、ステップS180においてフラグFが「1」であるか否かを判定する。ステップS180の判定条件が満たされていると(ステップS180:Yes)、図19のステップS110へ戻る。従って、一旦大当り遊技状態が発生すると、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまでは、大入賞口6が開閉のサイクルを繰返す。例えば、所定値Pmaxが「10」に設定され、大入賞口6の開放時間が「約29.5」秒に設定され、所定値Rmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口6の開放後、(1)遊技球Bが大入賞口6へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口6が閉鎖される。この大入賞口6の開放・閉鎖のサイクルが、遊技球BのVゾーン11への入賞を条件に最大で16回繰返されることとなる。ステップS170,S180の判定条件のいずれか一方が満たされていないと、ステップS190で「大当り信号OFF」を出力端子16B及び16bに出力する。さらに、ステップS200において、大当り図柄が特別図柄(この場合、奇数図柄)であるか否かを判定し、特別図柄である場合は(ステップS200:Yes)、ステップS210において確変大当り信号OFFを出力端子16C及び16cに出力する。続いて、ステップS220で確率変動処理を実行し、その後、特別電動役物制御ルーチンを終了する。
図22の確率変動処理ルーチンでは、ステップS221において、大当り図柄が通常図柄(この場合偶数図柄)であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていないと(ステップS221:No)、すなわち、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると、ステップS227において確変カウンタCが「0」であるか否か(高確率モード中であるか否か)が判定され、確変カウンタCが「0」である(高確率モード中である)場合は(S227:Yes)、ステップS228において、確変中信号ONを出力端子16A及び16aに出力する。続いて、ステップS229において高確率モードを設定し、確変カウンタCに「2」を設定する。ステップS229の処理を実行した後、確率変動処理ルーチンを終了する。このように、高確率中に特別図柄(奇数図柄)で大当り遊技状態が連続して発生した場合には、高確率モードが継続することとなる。
一方、前記ステップS221の判定条件が満たされていると、すなわち、大当り図柄が通常図柄(偶数図柄)であると、ステップS222において確変カウンタCが「0」でないか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=0)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=2,1)とステップS223において確変カウンタCを「1」デクリメントする。ステップS224において確変カウンタCが「0」であるか否かを判定する。この判定条件が満たされていない(C=1)と確率変動処理ルーチンを終了し、満たされている(C=0)とステップS225において、確変中信号OFFを出力端子16A及び16aに出力し、ステップS226において、低確率モードを設定する。このように一旦高確率モードが設定されると、確変カウンタCが「0」となるまで、すなわち、高確率モード設定後、連続して偶数図柄で2回大当り遊技状態が発生するまでは高確率モードが継続する。そして、偶数図柄での大当り遊技状態が2回連続すると、高確率モードが終了し低確率モードに切替えられる。
なお、本実施形態での処理手順は一例であり、適宜変更可能である。例えば、図柄変動処理(ステップS31)を停止図柄の記憶処理(ステップS33,S35,S36)の後に行うようにしてもよい。
上述したように、本実施形態では、遊技球Bが第1種始動口4へ入賞したことが検出されると、各カウンタの値が取得されるとともに図柄列8乃至10が変動表示される。各カウンタの値に基づき停止図柄が記憶され、その停止図柄によって図柄変動が停止される。停止されたときに表示されている図柄の組合せが大当りの組合せであると、遊技者に有利な大当り遊技状態が発生し、遊技球BがVゾーン11に最大Rmax回入賞するまで、大入賞口6の開閉のサイクルが繰返される。
一方、大当り図柄が特別図柄(奇数図柄)であると高確率モードが設定され、次回と、その次の回の2回にわたり大当り遊技状態の発生確率が高められる。すなわち、一旦高確率モードが設定されると、次回以降2回の大当り遊技状態の発生確率が高められるが、その期間中に再び奇数図柄で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが設定される。これに対し、前記期間経過後に通常図柄(偶数図柄)で大当り遊技状態が発生すれば高確率モードが終了する(低確率モードに切替えられる)。
このような制御過程において、所定のタイミング(例えば、大当り発生時、確率変動発生時、リーチ発生時等)でキャラクター部(即ち装飾部60)が駆動制御されることとなり、駆動状態が反射部にも映されることとなる。なお、駆動制御するタイミングは様々とすることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では、前面側に平坦部を設け、その平坦部に装飾を施した形態と例示したが、装飾が施される部分を立体的に形成してもよい。
(2)上記実施形態では、装飾部として、内部装飾部品を例に挙げたが、遊技領域の外部に配置される外部装飾部品を反射対象とし、当該外部装飾部品が反射部に映されるように構成してもよい。また遊技領域の内部から外部にまで及ぶように装飾部を構成し、少なくとも遊技領域の外部に配置される部分が反射部に映るように構成してもよい。
(3)上記実施形態では、装飾部として、内部装飾部品を例に挙げたが、所定の枠の一部を構成する枠構成部品を反射対象とし、当該枠構成部品が反射部に映されるように構成してもよい。
(4)反射対象の装飾部としては、表示装置の近傍を装飾する表示装置近傍装飾部品を用いてもよい。