JP4538707B2 - プリンタ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプリンタ装置に関し、例えば印画紙としてロール紙を用いるカラープリンタに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のカラーロールプリンタの特徴として、以下の4つを挙げることができる。なお以下においては、帯状の印画紙をロール紙と呼び、ロール紙を巻回したロール体をロール紙体と呼ぶものとする。
【0003】
すなわち従来のカラーロールプリンタにおいては、第1に、ロール紙体が大きいことからその装填部が筐体内部の後部や下部に設けられており、このためロール紙体やインクリボンを筐体内部に装填するための開閉ドアが筐体の前面側又は後面側に設けられていた。
【0004】
また従来のカラーロールプリンタでは、第2に、印画の際にロール紙体から引き出したロール紙の先端部を、例えばサーマルヘッド及びプラテンにより挟まれる印画位置よりも印画画像大きさに応じた長さ分だけ排紙方向に送り出し、この後当該ロール紙の先端部を引き戻しながら印画を行う構成が一般的であった。
【0005】
さらに従来のカラーロールプリンタでは、第3に、印画が行われたロール紙の先端部を切断するためのカッタ機構が筐体の排紙口の内側に配設されるが、かかるカッタ機構において、ロール紙切断時に当該ロール紙が動かないように押えるための押えローラの昇降駆動源として、それ専用のモータを用意したり又は別の機構系のモータを併用していた。
【0006】
さらに従来のカラーロールプリンタでは、第4に、走行するロール紙の斜行を補正する手法として、当該ロール紙の走行路の途中に基準面を設け、当該基準面にロール紙の幅方向の一端側を押し付ける方法が一般的であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところがかかる第1の特徴のように、ロール紙体やインクリボンを装填するための開閉ドアが筐体の前面側又は後面側に設けられていると、カラーロールプリンタが例えば上方に空間がない棚内に設置されている場合などに、ロール紙体やインクリボンを交換するためにカラーロールプリンタを棚内から引き出す等しなければならず、ロール紙やインクリボンの交換作業が煩雑である問題があった。
【0008】
またかかる第2の特徴のように、ロール紙を引き戻しながら印画を行う構成とした場合、引き戻したロール紙を巻き戻す機構を必要とし、さらにこのときに巻き戻し速度を印画速度と合わせる必要があるために巻き戻しの制御も複雑となり、メカ機構及び回路共にかなりのコストを要する問題があった。
【0009】
さらにかかる第3の特徴のように、カッタ機構における押えローラの昇降駆動源として専用のモータを用意したり又は別の機構系のモータを併用するようにした場合、著しくコストが上昇したり、又は押えローラを切断位置の近傍に配置することができないためにロール紙をしっかりと押えることができず、ロール紙をまっすぐに切断することができない問題があった。
【0010】
さらにかかる第4の特徴のように、基準面にロール紙の幅方向の一端側を押し付けることによりロール紙の斜行を補正する方法では、幅の違うロール紙が使用された場合にロール紙のセンタ位置が変わってしまう問題があった。そしてこのような場合、ロール紙に印画される画像の印画位置が変わるため、その調整が煩雑な問題があった。
【0011】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、第1に、使い勝手を格段的に向上させ、第2に、構成を簡易化させ得るプリンタ装置を提案しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するため本発明においては、印画媒体として帯状印画媒体を引き戻しながら印画を行うプリンタ装置において、筐体の前部に開閉自在に配設されたドア部と、ドア部の前面部に形成された排紙口と、ドア部を開けて筐体の前面部側から装填される帯状印画媒体を巻回してなるロール体を保持する保持手段と、保持手段により保持されたロール体から引き出された帯状印画媒体を、当該ロール体の周りを回ってドア部の排紙口に向けて走行するようにガイドし、印画動作時にはその一部が、帯状印画媒体が弛む空間を形成するように所定のタイミングで動作するガイド手段と、帯状印画媒体の斜行を補正する斜行補正手段とを具え、斜行補正手段は、回動自在に設けられ、その回動中心を中心として点対称のガイド面を有するカムと、帯状印画媒体を間に挟んで当該帯状印画媒体の走行方向と垂直な方向にスライド自在に配設された、それぞれ帯状印画媒体の走行方向をガイドするガイド面を有する第1及び第2のガイド手段と、第1及び第2のガイド手段に設けられ、カムの回転中心を基準として第1のガイド手段のガイド面までの距離と第2のガイド手段のガイド面までの距離とが等しくなるように、カムのガイド面と当接係合する係合部と、第1及び第2のガイド手段をそれぞれ互いに近接する方向に付勢する付勢手段とを有する。この結果このプリンタ装置では、ロール紙の装填や、プリント出力の取り出しを筐体の前面側において行うことができまた印画動作時に引き戻された帯状印画媒体を巻き戻すための機構を省略することができ、さらに帯状印画媒体をその幅に関わりなく常に同じセンタ位置となるように斜行補正することができる。
【0014】
さらに本発明においては、帯状印画媒体を、所定の押え面上に押し付けるようにして押える押えローラと、押えローラを押え面に圧着又は離反する方向に移動自在に保持する保持手段と、押えローラを押え面に圧着する方向に付勢する付勢手段と、帯状印画媒体の幅方向と平行な切断方向に移動しながら帯状印画媒体を切断する切断手段とを設け、切断手段は、所定の基準位置に位置するときにのみ保持手段と係合して、押え手段を押付け面から離反させた状態に切断手段を支持するようにした。この結果このプリンタ装置では、押えローラを押え面に圧着又は離反する方向に移動するための駆動源を別途設ける必要がなく、また押えローラを帯状印画媒体の切断位置近傍に配置することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下図面について、本発明の一実施の形態を詳述する。
【0017】
(1)本実施の形態によるカラーロールプリンタの構成
図1及び図2において、1は全体として本実施の形態によるカラーロールプリンタを示し、筐体2の前面にドア部3、パワースイッチ4及び排紙トレー5が配設され、筐体2の後面側に外部接続用の複数のコネクタからなるコネクタ接続部(図示せず)が配設されている。
【0018】
この場合ドア部3においては、その下端部を中心として回動自在に配設されたドアシャーシ6の前面側にドアパネル7が取り付けられることにより構成され、当該ドアパネル7の前面に各種スイッチを有する操作パネル8と、各種メッセージを表示するための液晶パネル9とがそれぞれ配設されると共に、下端部に排紙口7Aが形成されている。
【0019】
これによりこのカラーロールプリンタ1においては、各種のスイッチ操作や各種メッセージの確認及びプリント出力の取り出しをその前面において行うことができるようになされている。
【0020】
またドアパネル7により覆われるドアシャーシ6の前面側には、ドアパネル7の排紙口7Aと対応させてロール紙切断用のカッタ機構部10が配設されると共に、ドアシャーシ6の内側には、ヘッド支持機構部11により保持されたライン型のサーマルヘッド12が配設されている。
【0021】
一方、ドア部3により覆い隠される筐体2内部の前部には、サーマルヘッド12に対応させて、矢印y方向と平行にプラテン13が回動自在に配置されると共に、当該プラテン13の近傍には、ロール紙14を走行駆動するためのグリップローラ15及びピンチローラ16が配設されている。
【0022】
また筐体2の内部前部には、左内側面の上段位置及び中段位置に第1の巻取りリール用係合部17A及び第1の供給リール用係合部18Aがそれぞれ回動自在に配設されると共に、これらと対応させて右内側面の上段位置及び中段位置に第2の巻取りリール用係合部17B及び第2の供給リール用係合部18Bがそれぞれ配設されている。
【0023】
これによりこのカラーロールプリンタ1においては、これら第1及び第2の巻取りリール用係合部17A、17B並びに第1及び第2の供給用リール用係合部18A、18Bによって、インクリボン19の巻取りリール20及び供給リール21を、プラテン13を高さ方向の間に挟んで当該プラテン13と平行にかつ回動自在に保持し得るようになされている。
【0024】
さらにプラテン13の下側位置には、その上端部を回動中心として開閉自在に内部ドア22が配設され、当該内部ドア22の奥部には、図3に示すように、下部及び上部にそれぞれ所定径の曲部を有するペーパホルダ23が配設されている。
【0025】
そしてこのペーパホルダ23の内側底面近傍の左右両内側面にはそれぞれ一対の支持ローラ24が回動自在に配設されており、かくしてこれら支持ローラ24によって図3のようにロール紙14のロール体(以下、これをロール紙体14Aと呼ぶ)を回動自在に支持するように保持し得るようになされている。
【0026】
また図3からも明らかなように、ペーパホルダ23の外周側には、それぞれペーパホルダ23の下部前端から下部後端部までと、ペーパホルダ23の背面部と、ペーパホルダ23の上部後部から上部前端までとをそれぞれ覆い隠すように下部固定ガイド26、可動ガイド27及び上部固定ガイド28がそれぞれ間隙を介して配置されると共に、内部ドア22上には、当該内部ドア22の上端近傍から下端近傍までを覆い隠すように排紙ガイド32が間隙を介して取り付けられている。
【0027】
これによりこのカラーロールプリンタ1においては、ロール紙体14Aから引き出されたロール紙14を、ペーパホルダ23並びに下部固定ガイド26、可動ガイド27及び上部固定ガイド28によって、当該ロール紙体14Aの後側を通ってグリップローラ15及びピンチローラ16間を介してプラテン13及びサーマルヘッド12により挟まれる印画位置にまでガイドする一方、印画位置からさらに送り出されたロール紙14をカッタ機構部10を介してドアパネル7(図1)の排紙口7A(図1)に向けて走行するようにガイドし得るようになされている。
【0028】
このためペーパホルダ23の内側の下部前端部には、ロール紙体14Aから引き出されたロール紙14をペーパホルダ23及び下部固定ガイド26間の隙間の前部開口端(以下、これをロール紙挿入口29と呼ぶ)にガイドするためのガイドローラ30が回動自在に配設されると共に、ペーパホルダ23の外周面並びに下部固定ガイド26及び上部固定ガイド28における各ペーパホルダ23との対向面と、排紙ガイド32の内部ドア22との対向面とには、それぞれ矢印y方向と平行な回転軸を有する複数のガイドローラ31、33が回動自在に配設されており、かくしてロール紙14がロール紙挿入口29の端部やペーパホルダ23の外周面等と擦れることによってロール紙14の走行に余計な負荷を生じさせたり、ロール紙14の印画面に傷を生じさせるのをこれらガイドローラ30、31、33によって未然に防止し得るようになされている。
【0029】
かくするにつきこのカラーロールプリンタ1では、図4のようにドア部3を開き、内部ドア22を開いてロール紙体14Aを筐体2内部のペーパホルダ23内に置き、この後図5のように、このロール紙体14Aから引き出したロール紙14をその先端部が内部ドア22に当接するまでロール紙挿入口29に押し込むようにしてロール紙14をセットすることができる。
【0030】
またこの後図6のように、内部ドア22を閉じてインクリボン19の巻取りリール20及び供給リール21をそれぞれ第1及び第2の巻取りリール用係合部17A、17B又は第1及び第2の供給リール用係合部18A、18Bに所定状態に係合させるようにしてインクリボン19をセットすることができる。このようにしてこのカラーロールプリンタ1では、ロール紙14やインクリボン19の装填を行うことができるようになされている。
【0031】
なおこのカラーロールプリンタ1の場合、後述のようにロール紙14を引き戻しながら印画を行うように構成されている。
【0032】
このためカラーロールプリンタ1においては、可動ガイド27がその下端部に矢印y方向と平行に配設されたシャフト34を中心として回動自在となっており、印画動作時には可動ガイド27が例えば図5のようにシャフト34を中心としてペーパホルダ23から離反する方向に回転して、ペーパホルダ23及び可動ガイド27間に空間35(図5)を形成することにより、印画動作時に引き戻したロール紙14をこの空間35内に弛ませておくことができるようになされている。
【0033】
また可動ガイド27の下端部とドアシャーシ6の下端部とはリンク機構部36を介して連結されており、かくしてドア部3(図1)の開動作に連動させて、可動ガイド27を図5のように倒れた状態(以下、この状態を開状態と呼ぶ)から図3のようにペーパホルダ23と間隙を介して対峙した状態(以下、この状態を閉状態と呼ぶ)に戻すことができるようになされている。
【0034】
これによりこのカラーロールプリンタ1においては、ロール紙14をセットする際に、可動ガイド27におけるペーパホルダ23との対向面をロール紙14の走行方向のガイドとして機能させ得るようになされている。
【0035】
他方、図7に示すように、筐体2の内部には、かかるペーパホルダ23に加えて、上述したカッタ機構部10、ヘッド支持機構部11及びリンク機構部36と共にメカ機構を構成する、ドア部3用のドア開閉緩衝機構部38と、可動ガイド27を閉状態にロックする可動ガイドロック機構部39と、グリップローラ15を回転駆動するグリップローラ駆動機構部40と、ピンチローラ16をグリップローラ15に圧着又は離反する方向に移動させるピンチローラ移動機構部41と、インクリボン19を一定のテンションをもたせながら巻き送りする巻取りリール駆動機構部42及び供給リール駆動機構部43と、ロール紙14をその幅方向の両側から挟むように配置された第1及び第2のガイド板44A、44Bを有する斜行補正機構部45(図16〜図18)とがそれぞれメインシャーシ47の所定位置に配設されるようにして収納されている。また筐体2内部の後部下側には、このカラーロールプリンタ1全体の動作制御を司る図示しない制御部が配設されている。
【0036】
そしてかかる制御部は、予め与えられた制御プログラムに従ってメカ機構の各機構部を制御することにより、このカラーロールプリンタ1全体として各種動作を実行させるようになされている。
【0037】
実際上、制御部は、図4及び図5について上述したようにロール紙体14Aがその先端を内部ドア22に当接させた状態にセットされた後、ドア部3が閉じられると、まずピンチローラ移動機構部41を駆動することによりピンチローラ16をロール紙14を介してグリップローラ15に圧着させ、この後可動ガイドロック機構部39を駆動することにより可動ガイド27(図3)のロックを解除させて可動ガイド27を開状態にさせる。
【0038】
なお、このようにピンチローラ16をグリップローラ15に圧着させてから可動ガイド27を閉状態にさせるのは、ピンチローラ16及びグリップローラ15によりロール紙14を挟持する前に可動ガイド27を閉状態とすると、ロール紙14の先端部が自重によりペーパホルダ23及び開状態の可動ガイド27間の空間35内に垂れてくるおそれがあるので、これを防止するためである。
【0039】
そして制御部は、この後グリップローラ駆動機構部40を駆動してロール紙14を排紙方向に走行させることにより、図8のようにロール紙14の先端部を所定長さ分だけドアパネルの排紙口7Aを介して外部に排出させ、この後カッタ機構部10を駆動することにより、図9のようにかかる排紙口7Aから排出されたロール紙14の先端部を切り離させる。
【0040】
このようにして制御部は、ロール紙14をセットする際に汚れるおそれのある先端部を切り捨てさせる。そしてこのカラーロールプリンタ1では、このようにロール紙14の先端部分をカッタ機構部10により切り離した直後の図9に示す状態が印画動作の初期状態となる。
【0041】
一方、制御部は、この後ドア部3前面の操作パネル8(図1)に配設された印画開始ボタンが押圧操作されると、まず斜行補正機構部45を駆動することにより、ローラ紙14をその幅方向から挟むように第1及び第2のガイド板44A、44Bを移動させると共に、ピンチローラ移動機構部41を駆動することによりピンチローラ16をロール紙14を介してグリップローラ13に圧着させる。
【0042】
また制御部は、この後グリップローラ駆動機構部40を駆動することにより図10のようにロール紙14をその先端部が印画位置から印画画像の大きさに応じた長さ分だけ送り出された状態にまで引き戻させると共に、巻取りリール駆動機構部42を駆動することによりインクリボン19を巻取りリール20に巻き取らせてインクリボン19の頭出しを行わせる。
【0043】
続いて制御部は、ヘッド支持機構部11を駆動することによりサーマルヘッド12をインクリボン19及びロール紙14を順次介してプラテン13に圧着させ、この後グリップローラ駆動機構部40及び巻取りリール駆動機構部42を駆動することにより、ロール紙14の引き戻しとインクリボン19の巻き取りとを同期させて行わせながら、供給された印画データ基づく画像を1ライン分ずつサーマルヘッドにより順次印画させる。
【0044】
そして制御部は、このようにして1色分の印画処理を終えると、ヘッド支持機構部11を駆動してサーマルヘッド12をプラテン13から離反させると共に、巻取りリール駆動機構部42を駆動してインクリボン19の次の色の頭出しを行わせる。
【0045】
さらに制御部は、グリップローラ駆動機構部40を駆動させてロール紙14を再び印画開始位置にまで引き戻させた後、ヘッド支持機構部11を駆動してサーマルヘッド12をインクリボン19及びロール紙14を順次介してプラテン13に圧着させ、この後上述と同様にして残る各色の印画処理を行わせる。
【0046】
そして制御部は、このようにして1枚分のカラー印画処理を終了すると、ヘッド支持機構部11を駆動することによりサーマルヘッド12をプラテン13から離反させた後、グリップローラ駆動機構部40を駆動することによりロール紙14を送らせ、この後図11のように所定のタイミングでグリップローラ駆動機構部40及びカッタ機構部10を制御することによりロール紙14の印画が行われた先端部を切り離させる。
【0047】
そして制御部は、この後供給された印画データに基づく全画像を順次ロール紙14し終えるまで上述の制御処理を繰り返す。
【0048】
このようにしてこのカラーロールプリンタ1においては供給される印画データに基づく画像を順次ロール紙14に印画する。
【0049】
(2)メカ機構における主要機構部の詳細構成
(2−1)ドア開閉緩衝機構部38及びリンク機構部36の構成
ドア開閉緩衝機構部38においては、図12に示すように、ドアシャーシ6の回動軸50の端側に一体に固定された扇部材51を有している。そしてこの扇部材51の外周部にはギア部51Aが形成されると共に、当該ギア部51Aは、ギア52及び当該ギア52と一体形成されたギア53を順次介してトルクリミッタ54の出力軸に取り付けられたギア55と歯合されている。
【0050】
これによりドア開閉緩衝機構部38においては、トルクリミッタ54が発生させる負荷トルクに基づいて扇部材51の回動を抑制することができ、かくしてドア部3の自重による開動作時の勢いを緩和し得るようになされている。
【0051】
一方、リンク機構部36においては、一対の長穴60A、60Bが形成された第1のレバー60と、これら長穴60A、60Bにそれぞれ対応させて軸体61A、61Bが植立された第2のレバー61とを有し、第1のレバー60の各長穴60A、60Bに第2のレバー61の対応する軸体61A、61Bをそれぞれ嵌め込んだ後にこれら各軸体61A、61Bの先端部にそれぞれワッシャを嵌合すると共に、第1及び第2のレバー60、61にそれぞれ形成された各突起部60C、61C間に圧縮コイルばね62を掛け渡すことにより構成されている。
【0052】
そしてこのリンク機構部36は、第1のレバー60の先端部が軸体63を介してドア開閉緩衝機構部38の扇部材51に取り付けられると共に、第2のレバー61の後端部に形成された長穴61Dに可動ガイド27に植設された軸体64が嵌め込まれるようにして筐体2内部に配設されている。
【0053】
これによりリンク機構部36においては、ドア部3の開動作時に当該ドア部3と一体に回転するドア開閉緩衝機構部38の扇部材51から前方向(矢印x方向)の推進力を受けて、これをシャフト34を中心とする可動ガイド27のペーパホルダ23に近接する方向の回転力として伝達し得るようになされている。
【0054】
(2−2)可動ガイドロック機構部39の構成
可動ガイドロック機構部39においては、図13(A)に示すように、メインシャーシ47(図7)の所定位置に軸70を中心として回動自在に取り付けられたロックアーム71と、可動ガイド27の側面の対応位置に設けられた係合突起27Aとを有している。
【0055】
この場合ロックアーム71の一端部には可動ガイドの係合突起と対応させて係合凹部が形成されると共に、ロックアーム71の他端部にはメインシャーシに固定されたプランジャ72の出力軸72Aが連結されている。またロックアーム71は図示しないトーションばねにより矢印aで示す回転方向に付勢されている。
【0056】
これにより可動ガイドロック機構部39においては、可動ガイド27が閉状態のときには図13(B)のように可動ガイド27の係合突起27Aがロックアーム71の係合凹部71Aに嵌り込むことにより可動ガイド27をその状態にロックすることができ、この状態からプランジャ72を駆動することにより、ロックアーム71を矢印aと逆方向に回転させてロックを解除することができるようになされている。
【0057】
(2−3)グリップローラ駆動機構部40の構成
グリップローラ駆動機構部40は、図14に示すように、メインシャーシ47(図7)に固定されたパルスモータ80を有し、当該パルスモータ80の出力軸に固定されたギア81がタイミングベルト82を介してグリップローラ15の一端側に固定されたギア83と連結されることにより構成されている。
【0058】
これによりグリップローラ駆動機構部においては、パルスモータ80の回転出力をギア81、タイミングベルト82及びギア83を順次介してグリップローラ15に伝達でき、かくしてこの回転出力に基づいてグリップローラ15を回転駆動することができるようになされている。
【0059】
なおこのカラーロールプリンタ1の場合、グリップローラ15は金属材から形成されており、その表面の所定位置には滑止め用の微小な凹凸が1周に亘って形成された凹凸部15A、15Bが設けられている。
【0060】
これは、従来ではロール紙14の走行駆動用ローラとしてゴムローラを多用していたために滑り等が発生して紙詰まりなどの信頼性低下の原因や高速化の妨げとなっていたことを考慮したものであり、かくしてこのカラーロールプリンタ1においては、上述のようにロール紙14を1本の金属性のグリップローラ15だけで走行駆動するようにしたことにより、ロール紙14の走行駆動時における当該ロール紙14とグリップローラ15との間に滑りが発生するのを未然に防止して、極めて信頼性の高い、高速なロール紙14の走行駆動を行い得るようになされている。
【0061】
(2−4)ピンチローラ移動機構部41の構成
ピンチローラ移動機構部41は、図15に示すように、メインシャーシ47(図7)に固定されたモータ90を有し、このモータ90の出力軸に固定されたギア91が複数のギアからなるギア列92を介してギア93と歯合されている。
【0062】
この場合ギア93は、メインシャーシ47によって矢印y方向と平行にかつ回転自在に支持されたシャフト94の一端部に固定されると共に、当該シャフト94には長手方向の両端部にそれぞれカム95A、95Bが固定されている。
【0063】
またこれらカム95A、95Bの周側面には、それぞれシャフト96を中心として回動自在に配設されたL字アーム97A、97Bの一端部に設けられているローラ98A、98Bが図示しない圧縮コイルばねの弾性力によって圧接されている。そしてこれらL字アーム97A、97Bによって矢印y方向と平行にかつ回動自在に支持されるようにして上述のピンチローラ16が配設されている。
【0064】
これによりピンチローラ移動機構部41においては、モータ41を駆動してカム95A、95Bを回転させることによってL字アーム97A、97Bをシャフト96を中心として回転駆動することができ、かくしてこれに伴ってピンチローラ16をグリップローラ15に圧着又は離反する方向に移動させることができるようになされている。
【0065】
(2−5)斜行補正機構部45の構成
斜行補正機構部45においては、図16〜図18に示すように、ペーパホルダ23の内側上部において矢印Z方向と垂直に設けられた台部100上に固定されたモータ101を有している。なお図17及び図18においては、便宜上モータ101が省略されている。
【0066】
そしてモータ101の出力軸にはウォームギア102が取り付けられると共に、このウォームギア102と歯合するようにカム103が回動自在にかつその回動中心がロール紙14の走行路の中心線上に位置するように配置されている。なおこの実施の形態の場合、カム103は、上面にその回動中心を中心として点対称となるように「S」字形状のガイド突起103Aが形成されたギアとして形成されている。
【0067】
さらに台部100上には、カム103を挟んで矢印y方向の両側にそれぞれ複数の第1又は第2の支柱104、105が植設されており、これら第1及第2の支柱104、105に支持されるようにして上述の第1又は第2のガイド板44A、44Bが矢印y方向にスライド自在に配設されている。
【0068】
実際上、第1及び第2のガイド板44A、44Bは、矢印y方向と垂直な内側面を有する斜行補正部44AX、44BXと、これらの下端にそれぞれ互いに向い合う方向に垂直に屈曲形成された屈曲部44AY、44BYとを有しており、これら各屈曲部に各第1又は第2の支柱104、105とそれぞれ対応させて、それぞれ矢印y方向と平行に複数の長穴44AYX、44BYXが形成されている。
【0069】
そして第1及び第2のガイド板44A、44Bは、図19に示すように、それぞれ屈曲部44AY、44BYの各長穴44AYX、44BYXがそれぞれ対応する第1又は第2の支柱104、105の先端部に形成された小径部104A、105Aに嵌め込まれた後、各第1及び第2の支柱104、105の上端にワッシャ106を嵌合するようにして配置されており、これにより屈曲部44AY、44BYの各長穴44AYX、44BYXに沿って矢印y方向に自在にスライドし得るようになされている。
【0070】
さらに第1及び第2のガイド板44A、44Bの各屈曲部44AY、44BYの互いに対向する先端部には、それぞれカム103のガイド突起103Aの側面と当接するように軸体107A、107Bが矢印z方向と平行に固定されると共に、第1及び第2のガイド板44A、44B間には圧縮コイルばね108が掛け渡されている。
【0071】
これにより斜行補正機構部45においては、第1及び第2のガイド板44A、44Bの軸体107A、107Bを、常にカム103の回動中心からの距離を同じに保たせながら、カム103のガイド突起103Aの側面でなるガイド面に沿わせて矢印y方向又はこれと逆方向に移動させることができ、かくしてこれに伴って各第1及び第2のガイド板44A、44Bの斜行補正部44AX、44BXの内則面でなるロール紙14の走行方向をガイドするガイド面の位置を、常にカム103の回動中心からの距離を同じに保たせながら、互いに近接又は離反する方向に移動させることから、ロール紙14を、その幅に関わりなく常にそのセンタ位置がカム103の回動中心を通るように斜行補正し得るようになされている。
【0072】
(2−6)カッタ機構部10の構成
カッタ機構部においては、図20〜図22に示すように、L字状の固定刃110が固定されたホルダ111を有し、当該ホルダ111の長手方向の一端部にモータ112が固定されている。そしてこのモータ112の出力軸にはギア(図示せず)取り付けられ、当該ギアと歯合するようにギア113が回動自在に配設されている。
【0073】
またギア113には一体にタイミングスプール114が形成されると共に、当該タイミングスプール114とホルダ111の他端部に回動自在に配設されたタイミングスプール115との間にはタイミングベルト116が掛け渡されている。なお図22では、便宜上、モータ112、ギア113、タイミングスプール114、115及びタイミングベルト116は省略している。
【0074】
さらにタイミングベルト116にはキャリッジ117が固定されると共に、当該キャリッジ117には、その一面側を固定刃110の先端面と当接させるようにして回転刃118が回転自在に取り付けられている。
【0075】
そして回転刃118における固定刃110との当接面側には、例えばゴム材等の摩擦係数の大きい材料からなる環状部材が回転刃118と同軸にかつその周側面が固定刃110の上面と当接するように固定されている。
【0076】
これによりこのカッタ機構部10においては、モータ112を正転又は逆転駆動することによって、回転刃118を固定刃110の先端面に沿って矢印y方向又はこれと逆方向に回転させながら移動させることができ、かくしてこの回転刃118によって、後述の押えローラ124A、124B及び固定刃118間を通して矢印x方向に送られてくるロール紙114を切断することができるようになされている。
【0077】
またホルダ111には、軸体120A、120Bを介して当該軸体120A、120Bを中心として回動自在にかつトーションばね121により矢印bで示す回転方向に付勢されるようにしてローラアーム122が取り付けられると共に、当該ローラアーム122の前端下部にはシャフト123を介して押えローラ124A、124Bが回動自在に配設されている。
【0078】
これによりこのカッタ機構部10においては、回転刃118により切断しようとするロール紙114における切断位置の直前位置を、この押えローラ124A、124Bによりトーションばね121の弾性力に応じた圧力で固定刃110上に押え付けることができるようになされている。
【0079】
このためローラアーム122には、キャリッジ117が図21のようにその可動範囲の一端であるホームポジションに位置したときに、当該キャリッジ117の上面最上部に上方向から接触するように突出部122Aが形成されると共に、キャリッジ117の上部には矢印y方向に行くに従って低くなるテーパ面117Aがかかる上面最上部と連続するように形成されている。
【0080】
これによりこのカッタ機構部10においては、キャリッジ117がホームポジションに位置した状態のときには当該キャリッジ117によって押えローラ124A、124Bが固定刃110の上面から浮き上がった状態にローラアーム122を支持し、この後キャリッジ117がロール紙切断のために矢印y方向と逆方向に移動するときには、当該キャリッジ117の移動に伴ってローラアーム122の突出部122Aがキャリッジ117のテーパ面117Aを摺動してこれに応じてローラアーム122が矢印b(図22)で示す回転方向に回転することにより、押えローラ124A、124Bを固定刃110上のローラ紙114に押し付けさせて、当該ローラ紙114を押えローラ124A、124Bにより押えることができるようになされている。
【0081】
(3)本実施の形態の動作及び効果
以上の構成において、このカラーロールプリンタ1では、ドア部3を開き、内部ドア22を開いてロール紙体14Aを筐体2内部のペーパホルダ23内に置き、このこのロール紙体14Aから引き出したロール紙14をその先端部が内部ドア22に当接するまでロール紙挿入口29に押し込むようにしてロール紙14をセットする。またこの後内部ドア22を閉じてインクリボン19の巻取りリール20及び供給リール21をそれぞれ第1及び第2の巻取りリール用係合部17A、17B又は第1及び第2の供給リール用係合部18A、18Bに所定状態に係合させるようにしてインクリボン19をセットする。
【0082】
従ってこのカラーロールプリンタ1では、上述のようにロール紙14がロール紙体14Aの周囲を通ってフロントパネル7の排紙効7Aに向けて走行するようにロール紙14の走行路を設定したことで、各種スイッチ操作、メッセージの確認及びプリント出力の取り出しに加えてロール紙14やインクリボン19の装填をも前面側においてできるため、その設置場所に関わりなくロール紙14やインクリボン19の交換やこの他の各種メンテナンスを容易に行うことができる。
【0083】
またこのカラーロールプリンタでは、上述のように印画動作時に可動ガイド27が開いてペーパホルダ23及び可動ガイド27間に空間35を形成し、印画の際に引き戻されたロール紙14をこの空間内35に弛ませておくようにしているため、例えば従来のプリンタのように引き戻されたロール紙14を巻きなおすための機構を必要とせず構成を簡易化させることができる。
【0084】
さらにこのカラーロールプリンタ1では、図16〜図18について上述したように、斜行補正機構部45の第1及び第2のガイド板44A、44Bを、ロール紙14の走行路の中心線上に回動中心を有すると共に、当該回動中心を中心として点対称形状のガイド面(ガイド突起103Aの側面)を有するカム103により開閉駆動する。
【0085】
従ってこのカラーロールプリンタ1では、ロール紙14の紙幅に関わりなく常に同じセンタ位置を保ちながらロール紙14の斜行を補正し得るようにすることができる。
【0086】
またカラーロールプリンタ1では、かかる斜行補正機構部45をロール紙14の走行路のうちの最も径が小さい円弧を描く部位、すなわち走行するロール紙14がその幅方向の外力に最も強い個所に設けているため、斜行補正機構部45による斜行補正によってロール紙14を傷めることを有効に防止できる。
【0087】
さらにこのカラーロールプリンタ1では、図20〜図22について上述したように、キャリッジ117の移動に伴って押えローラ124A、124Bを保持するローラホルダ122の係合部122Aが当該キャリッジ117のテーパ面117A上を摺動するようにして押えローラ124A、124Bを昇降駆動する。
【0088】
従ってこのカラーロールプリンタ1では、押えローラ124A、124Bを昇降駆動するための駆動源をキャリッジ117の駆動源(モータ112)と別個に設ける必要がない分構成を簡易化することができ、また押えローラ124A、124Bをロール紙14の切断位置の直近傍に容易に配置することができる。
【0089】
以上の構成によれば、装填されたロール紙体14Aの周囲を囲むようにロール紙14の走行路を設定するようにしたことにより、ロール紙14及びインクリボン19の交換や各種メンテナンスを前面から行うことができるようにカラーロールプリンタ1を構築することができ、かくして使い勝手を格段的に向上させ得るカラーロールプリンタを実現できる。
【0090】
またかかるカラーロールプリンタ1において、可動ガイド27を開閉自在とし、印画時には当該可動ガイド27を開状態とするようにしたことにより、ロール紙14の巻きなおしのための機構を不要とすることができ、かくして構成を簡易化し得るカラーロールプリンタを実現できる。
【0091】
さらに斜行補正機構部45の第1及び第2のガイド板44A、44Bを、ロール紙14の走行路の中心線上に回動中心を有すると共に、当該回動中心を中心として点対称形状のカム103により開閉駆動するようにしたことにより、ロール紙14の紙幅に関わりなく常に同じセンタ位置を保ちながらロール紙14の斜行を補正し得るようにすることができる。かくするにつきロール紙14のセンタ位置が変化することに起因する画質の劣化を未然かつ有効に防止することができ、かくして性能を向上させ得るカラーロールプリンタを実現できる。
【0092】
さらにキャリッジ117の移動に伴って押えローラ124A、124Bを昇降駆動するようにしたことにより、押えローラ124A、124Bを昇降駆動するための駆動源をキャリッジ117の駆動源(モータ112)と別個に設ける必要がない分構成を簡易化することができ、また押えローラ124A、124Bをロール紙14の切断位置の直近傍に容易に配置することができ、かくして構成を簡易化させ得るカラーロールプリンタを実現できる。
【0093】
(4)他の実施の形態
なお上述の実施の形態においては、本発明をカラーロールプリンタ1に適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々のプリンタ装置に広く適用できる。
【0094】
また上述の実施の形態においては、ロール紙14をロール体14Aの周りを回ってドア部3の排紙口7Aに向けて走行するようにガイドするガイド手段を図3のように形成されたペーパガイド23、下部固定ガイド26可動ガイド27、上部固定ガイド28、内部ドア22及び排紙ガイド32により構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、この他種々の構成を広く適用することができる。
【0095】
さらに上述の実施の形態においては、可動ガイド27がその下端部を回転中心として回転するようにして移動するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、印画動作時に引き戻されたロール紙14が弛む空間を形成するように移動するのであれば、可動ガイド27の動き方としてはこの他種々の動きを適用することができる。
【0096】
さらに上述の実施の形態においては、斜行補正装置45のカム103を図16のように形成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は、回動中心を中心として点対称のガイド面を有するようにカム103を形成するようにするのであれば、カム103自体の形状及び構成やガイド面の形状としてはこの他種々の構成や形状を広く適用することができる。
【0097】
さらに上述の実施の形態においては、カッタ機構部10のキャリッジ117を図20〜図22のように構成するようにした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図23のように切断したロール紙14を排紙口7Aの方向に弾くための突起部130を設けたり、又は図24のように切断により生じてロール紙14に付着した紙紛を擦り取るためのブラシ131を設けるようにしても良い。
【0098】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、印画媒体として帯状印画媒体を引き戻しながら印画を行うプリンタ装置において、筐体の前部に開閉自在に配設されたドア部と、ドア部の前面部に形成された排紙口と、ドア部を開けて筐体の前面部側から装填される帯状印画媒体を巻回してなるロール体を保持する保持手段と、保持手段により保持されたロール体から引き出された帯状印画媒体を、当該ロール体の周りを回ってドア部の排紙口に向けて走行するようにガイドし、印画動作時にはその一部が、帯状印画媒体が弛む空間を形成するように所定のタイミングで動作するガイド手段と、帯状印画媒体の斜行を補正する斜行補正手段とを具え、斜行補正手段は、回動自在に設けられ、その回動中心を中心として点対称のガイド面を有するカムと、帯状印画媒体を間に挟んで当該帯状印画媒体の走行方向と垂直な方向にスライド自在に配設された、それぞれ帯状印画媒体の走行方向をガイドするガイド面を有する第1及び第2のガイド手段と、第1及び第2のガイド手段に設けられ、カムの回転中心を基準として第1のガイド手段のガイド面までの距離と第2のガイド手段のガイド面までの距離とが等しくなるように、カムのガイド面と当接係合する係合部と、第1及び第2のガイド手段をそれぞれ互いに近接する方向に付勢する付勢手段とを有する。この結果このプリンタ装置では、ロール紙の装填や、プリント出力の取り出しを筐体の前面側において行うことができまた印画動作時に引き戻された帯状印画媒体を巻き戻すための機構を省略することができ、さらに帯状印画媒体をその幅に関わりなく常に同じセンタ位置となるように斜行補正することができ、かくして使い勝手を格段的に向上し得ると共に構成を簡易化し得るプリンタ装置を実現できる。
【0100】
さらに帯状印画媒体を、所定の押え面上に押し付けるようにして押える押えローラと、押えローラを押え面に圧着又は離反する方向に移動自在に保持する保持手段と、押えローラを押え面に圧着する方向に付勢する付勢手段と、帯状印画媒体の幅方向と平行な切断方向に移動しながら帯状印画媒体を切断する切断手段とを設け、切断手段は、所定の基準位置に位置するときにのみ保持手段と係合して、押え手段を押付け面から離反させた状態に切断手段を支持するようにしたことにより、押えローラを押え面に圧着又は離反する方向に移動するための駆動源を別途設ける必要がなく、また押えローラを帯状印画媒体の切断位置近傍に配置することができ、かくして構成をさらに簡易化し得るプリンタ装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態によるカラーロールプリンタの構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態によるカラーロールプリンタの構成を示す斜視図である。
【図3】ロール紙の走行路の説明に供する略線図である。
【図4】ロール紙及びインクリボンのセットの仕方の説明に供する略線図である。
【図5】ロール紙及びインクリボンのセットの仕方の説明に供する略線図である。
【図6】ロール紙及びインクリボンのセットの仕方の説明に供する略線図である。
【図7】カラーロールプリンタの内部構成を示す斜視図である。
【図8】カラーロールプリンタの初期動作の説明に供する略線図である。
【図9】印画時における初期状態の説明に供する略線図である。
【図10】印画開始状態の説明に供する略線図である。
【図11】切断動作の説明に供する略線図である。
【図12】ドア開閉緩衝機構部及びリンク機構部の構成を示す側面図である。
【図13】可動ガイドロック機構部の構成を示す側面図である。
【図14】クリップローラ駆動機構部の構成を示す斜視図である。
【図15】ピンチローラ移動機構部の構成を示す斜視図である。
【図16】斜行補正機構部の構成を示す平面図である。
【図17】斜行補正機構部の構成を示す平面図である。
【図18】斜行補正機構部の構成を示す平面図である。
【図19】支柱に対するガイド板の取り付け状態の説明に供する断面図である。
【図20】カッタ機構部の構成を示す斜視図である。
【図21】カッタ機構部の構成を示す斜視図である。
【図22】カッタ機構部の構成を示す斜視図である。
【図23】他の実施の形態を示す側面図及び正面図である。
【図24】他の実施の形態を示す側面図及び正面図である。
【符号の説明】
1……カラーロールプリンタ、2……筐体、3……ドア部、8……操作パネル、9……液晶パネル、10……カッタ機構、11……ヘッド支持機構部、12……サーマルヘッド、13……プラテン、14……ロール紙、14A……ロール紙体、15……グリップローラ、16……ピンチローラ、17A、17B……巻取りリール用係合部、18A、18B……供給リール用係合部、19……インクリボン、20……巻取りリール、21……供給リール、22……内部ドア、23……ペーパホルダ、26……下部固定ガイド、27……可動ガイド、28……上部固定ガイド、29……ロール紙挿入口、32……排紙ガイド、34……シャフト、36……リンク機構部、39……可動ガイドロック機構部、40……グリップローラ駆動機構部、41……ピンチローラ移動機構部、44A、44B……ガイド板、45……斜行補正機構部、103……カム、108……圧縮コイルばね、110……固定刃、112……モータ、117……キャリッジ、117A……テーパ面、118……回転刃、122……ローラアーム、122A……係合部、124A、124B……押えローラ。

Claims (5)

  1. 印画媒体として帯状印画媒体を引き戻しながら印画を行うプリンタ装置において、
    筐体の前部に開閉自在に配設されたドア部と、
    上記ドア部の前面部に形成された排紙口と、
    上記ドア部を開けて上記筐体の前面部側から装填される上記帯状印画媒体を巻回してなるロール体を保持する保持手段と、
    上記保持手段により保持された上記ロール体から引き出された上記帯状印画媒体を、当該ロール体の周りを回って上記ドア部の上記排紙口に向けて走行するようにガイドし、印画動作時にはその一部が、上記帯状印画媒体が弛む空間を形成するように所定のタイミングで動作するガイド手段と
    上記帯状印画媒体の斜行を補正する斜行補正手段と
    を具え、
    上記斜行補正手段は、
    回動自在に設けられ、その回動中心を中心として点対称のガイド面を有するカムと、
    上記帯状印画媒体を間に挟んで当該帯状印画媒体の走行方向と垂直な方向にスライド自在に配設された、それぞれ上記帯状印画媒体の走行方向をガイドするガイド面を有する第1及び第2のガイド手段と、
    上記第1及び第2のガイド手段に設けられ、上記カムの回転中心を基準として上記第1のガイド手段の上記ガイド面までの距離と上記第2のガイド手段の上記ガイド面までの距離とが等しくなるように、上記カムの上記ガイド面と当接係合する係合部と、
    上記第1及び第2のガイド手段をそれぞれ互いに近接する方向に付勢する付勢手段と
    を有する
    プリンタ装置。
  2. 上記帯状印画媒体を、所定の押え面上に押し付けるようにして押える押えローラと、
    上記押えローラを上記押え面に圧着又は離反する方向に移動自在に保持する保持手段と、
    上記押えローラを上記押え面に圧着する方向に付勢する付勢手段と、
    上記帯状印画媒体の幅方向と平行な切断方向に移動しながら上記帯状印画媒体を切断する切断手段と
    を具え、
    上記切断手段は、
    所定の基準位置に位置するときにのみ上記保持手段と係合して、上記押え手段を上記押付け面から離反させた状態に上記切断手段を支持する
    請求項に記載のプリンタ装置。
  3. 上記ガイド手段における上記帯状印画媒体との接触面に回動自在に設けられたガイドローラを具える
    請求項に記載のプリンタ装置。
  4. 上記ガイド手段は、
    印画位置の近傍において円弧を描くように上記帯状印画媒体をガイドし、
    上記斜行補正手段は、
    上記帯状印画媒体が上記円弧を描く個所に設けられた
    請求項に記載のプリンタ装置。
  5. 上記カムの上記ガイド面は、ギアの一面に形成されたガイド突起の側面でなる
    ことを特徴とする請求項に記載のプリンタ装置。
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