JP4537631B2 - 水田の草取り機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水田の草取り機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
水田の草取りは、古来から主として人手で行われたきた。しかし、農作業の機械化の一環として、田植えや刈り取りと共に、草取り機の必要性が増し、各種の水田用草取り機が実用に供されるようになってきた。
【0003】
例えば、実開昭58−182609号公報「株間除草機」は、同公報の第3図によれば、水平に配置した回転板5に掻きブラッシュ6を設け、この掻きブラッシュ6で草を掻き取ると言うものである。
しかし、掻きブラッシュ6で稲株を傷める可能性があるため、ブラッシュの硬度を慎重に決めなければならない。すなわち、硬過ぎると稲株を傷め、柔らか過ぎると草が取れないからである。
【0004】
そこで、例えば、特開昭52−16316号公報「水田中耕除草機」が提案される。これは、同公報第2図に示され通りに、ローター3,3,3で株間の草を刈り取るという機械である。このローター式除草機は広く普及している。それの作用を、次図で説明する。
【0005】
図10は従来のロータ型草取り機の作用図であり、機体の進行方向を「縦方向」、これに直交する方向を「横方向」と言うことにする。
草取り機100は、機体101に左右の車輪102L,102R(Lは作業者から見て左、Rは同右を示す。以下同じ)を備え、機体101にエンジン103を載せ、機体101からブラケット104を延ばし、このブラケット104に横方向に水平回転軸105を渡し、この水平回転軸105にロータ106,106,106を取付け、これらのロータ106,106,106及び車輪102L,102Rを回すことで、白抜き矢印の通りに移動しつつ草取りを行う機械である。
【0006】
車輪102L,102R並びにロータ106,106,106は、4条の稲株107・・・(・・・は複数個を示す。以下同じ)の間(これを一般に株間という)を通るため、稲株107・・・を傷める心配はなく、ロータ106,106,106で隣合う稲株107,107間の草、すなわち横方向の株間の草を掻き取ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、稲株107・・・を傷めない代わりに、図で影を付した108・・・の箇所、すなわち、縦方向の株間108・・・に取り残しが発生する。やむを得ず、この株間108・・・の草は、人手で取るようにしている。
【0008】
すなわち、従来のロータ型草取り機では草の取り残し箇所が多数発生し、草取り作業の軽減を図る上では不十分なものであった。
そこで、本発明の目的は、横方向の株間の草取りのみならず、縦方向の株間の草取りを良好に行うことのできる水田の草取り機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、左右の車輪を備えた機体にエンジンを搭載し、機体に草取り具を取付け、車輪及び草取り具をエンジンで回転させることにより、自走しつつ草を取る水田の草取り機において、草取り具は、稲株を挟むように配置した左右の草取り具からなり、これらの草取り具は、ほぼ水平に且つ機体の進行方向に平行に配置する回転軸と、この回転軸から後へ末広がり状に延ばした複数本の爪と、からなり、機体を後面から見たときに左の回転軸は反時計方向、右の回転軸は時計方向に各々回すようにしたことを特徴とした。
【0010】
稲は、草に比べて根が深く、且つ丈が長くて先が水の上に出る。一方、後から発生する草は、稲に比べて根が浅く、且つ丈が短く先が水中にある。
そこで、草取り具を水没状態にして水田の底を掻かせる。根が深く丈が長い稲株は草取り具で掻き取ることはなく、根が浅く、丈が短い草が草取り具で掻き取り対象となる。
【0011】
左の回転軸から後へ末広がり状に複数の爪を延ばし、右の回転軸から後へ末広がり状に複数の爪を延ばし、これらの左右の爪を接近させれば、横方向のみならず縦方向の株間の草をも掻き取ることができる。
【0012】
ところで、機体を後面から見たときに左の回転軸は時計方向、右の回転軸は反時計方向に各々回すと、稲の根を支えている田の土が稲株から離れ、稲株の支持力が低下する。そこで、本発明では、機体を後面から見たときに左の回転軸は反時計方向、右の回転軸は時計方向に各々回すようにする。これで、稲株に田の土を寄せることができ、稲株の支持力を適正に保つことができる。
【0013】
請求項2では、草取り具は、平行リンクを介して昇降可能に機体に取付けたことを特徴とする。
【0014】
草取り具は作業者の意思で高さ位置を調整できることが望ましい。このときに、平行リンクを採用したので、草取り具の高さを変更しても草取り具の向きは変化しない。
【0015】
請求項3では、平行リンクは、1本の上リンクと、左右2本の下リンクとで構成したことを特徴とする。
【0016】
上2本、下2本からなる平行リンクに比較して、請求項3の平行リンクはリンク数が3で済み、構造が簡単になる。
【0017】
請求項4では、回転軸は、水平軸に対して後下りに傾斜させたことを特徴とする。
【0018】
回転軸は、機体側から垂下した回転軸支持材に取付けざるを得ない。回転軸を後下りに傾斜させれば、必然的に回転軸の前端は前上りとなり、これを支える回転軸支持材の下端レベルを上げることができる。下端レベルを上げることができれば回転軸支持材の下端が水田底の泥に食い込む心配が無くなり、作業が楽になる。
【0019】
請求項5では、機体の進行方向に平行な支軸を機体に設け、この支軸に回転自在に回転板を設け、この回転板に平行リンクを介して昇降板を設け、この昇降板に草取り具を設けたことを特徴とする。
【0020】
機体に、草取り具をローリング可能に取付けることで、機体に無関係に草取り具を水田の底に倣わせることができ、より能率よく草を取ることができる。
【0021】
請求項6では、平行リンクを構成する上リンクの途中に水平に折り曲げ可能な関節部を設け、平行リンクを構成する下リンクの途中にリンク長さを変えることのできる雌雄嵌合部を設け、昇降板の左右移動が可能になるようにしたことを特徴とする。
【0022】
昇降板が左右に移動可能であるため、草取り具を水田の底により良く倣わせることができ、一層能率よく草を取ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る水田の草取り機の側面図であり、水田の草取り機10は、機体11と、この機体11に縦向きに取付けた伝動ケース12と、この伝動ケース12の下部に回転自在に取付けた左右の車輪13L,13R(符号13Rは奥。)と、機体11に搭載したエンジン14と、機体11の後部から後斜め上へ延ばしたハンドル15と、このハンドル15に沿って設けた昇降レバー16と、機体11の後部から下げた安定棒17及びブラケット18と、このブラケット18に平行リンク20を介して取付けた昇降板21と、この昇降板21を前記昇降レバー16に連結する連結部材22と、昇降板21に取付けた回転軸支持材23と、この回転軸支持材23の下部に取付けた草取り具25とからなる。
【0024】
連結部材22はワイヤ、鎖、チェーンが好適である。
また、昇降板21から後方斜め下へ脚材68L,68Rを延ばし、これらの脚材68L,68Rの先端(後端、下端)にフロート69L,69Rを取付ける。
フロート69L,69Rは中空体又は発泡スチロールなどの超軽量材で造った浮きであり、これらのフロート69L,69Rが水田の水の浮力を受け、この浮力を昇降板21に伝えるため、昇降板21及び草取り具25の移動を緩慢にする。機体11側が凹凸に乗って上下、左右に移動しても、作業部である草取り具25はあまり移動せずに田の底に倣うため、所望の草取り作業を継続させることができる。
【0025】
なお、この例では車輪13L,13Rは、伝動ケース12,12を介して間接的に機体11に取付けたが、車輪13L,13Rは直接的に機体11に備えることもできる。
【0026】
また、前記安定棒17の作用を説明すると、この安定棒17は畑用の作業機に装備する抵抗棒に形状は近似するものの、作用は全く相違し、構造も細部で相違する。
抵抗棒は耕土に直角に差込めるように棒の先(下部)は、ほぼ鉛直である。これは抵抗棒で抵抗を付けることで、機体の直進性を維持することを目的としたからである。
【0027】
これに対して、本発明の安定棒17は先(下部)が水平である。畑と異なり、水田の底55の土は水を吸って柔らかくなっており、スキーや橇(そり)のような水平部17aで安定棒17の過度な沈み込みを防ぐようにした。水田の草取りにおいては草取り具25の高さは重要である。安定棒17の先に水平部17aを設けることにより、草取り具25の高さを安定させることができるからである。
【0028】
図2は図1の要部の斜視図であり、機体11にシフト板26を立て、このシフト板26に共通縦溝27と、この共通縦溝27から水平に分岐させた複数の横溝28・・・を設け、横溝28・・・の何れかに昇降レバー16を嵌めることによって、昇降板21の高さを決めるようにしたことを示す。
【0029】
また、平行リンク20は1本の上リンク31と、左右2本の下リンク32L,32Rとで構成した。この結果、機体11から下げたブラケット18は逆T字形にすることができた。加えて、上2本、下2本からなる普通の平行リンクに比較して、本例の平行リンク20はリンク数が3で済み、構造が簡単になる。
【0030】
昇降板21に、4個の回転軸支持材23A,23B,23C,23D(区分する必要があるときには符号にA〜Dを付す。以下同じ)を備え、これらの下部に草取り具25A,25B,25C,25Dを備える。回転軸支持材23A,23Bの間及び23C,23Dの間に稲株を通過させるため、回転軸支持材23A〜23Dは極力幅狭の縦長部材にした。
【0031】
この縦長の回転軸支持材23Aの下部に取付ける草取り具25Aは、ほぼ水平に配置した回転軸33と、この回転軸33から後方へ末広がり状に延ばした複数本(4〜6本)の爪34・・・とからなる。他の草取り具25B〜25Dに同様である。
【0032】
図3は本発明に係る水田の草取り機の駆動系統図であり、エンジン14で発生した動力は走行系統と、作業系統とに分けで伝達する。
走行系統では、エンジン14、第1変速機35、クロス軸36、スプロケット37L,37R、チェーン38L,38R、スプロケット39L,39R、車輪13L,13Rの順で動力が伝わり、車輪13L,13Rを回転させることができる。
走行速度は、第1変速機35で調節することができる。
【0033】
作業系統では、エンジン14、スプロケット41、チェーン42、スプロケット43、第2変速機44、ユニバーサルジョイント等の自在軸継手45、チェーン・スプロケット群46(詳細は後述)、回転軸33・・・の順で動力が伝わり、草取り具25A〜25Dを回転させることができる。
草取り具25の回転速度は、第2変速機44で調整することができる。
【0034】
図4は本発明に係る駆動系統の補足図であり、自在軸継手45でダブルスプロケット47を回し、このスプロケット47で一対のスプロケット48L,48Rを回し、一方のスプロケット48Lで反転スプロケット49を回し、この反転スプロケット49で一対のスプロケット51A,51Cを回し、これらのスプロケット51A,51Cで草取り具25A,25Cを反時計方向に回す。
【0035】
また、他方のスプロケット48Rでスプロケット51B,51Dを回し、このスプロケット51B,51Dで草取り具25B,25Dを時計方向に回す。以上のスプロケットは適宜チェーンで連結する。すなわち、チェーン・スプロケット群46は、スプロケット47,48L,48R,49,51A〜51D及びこれらを連結するチェーンとからなる。
【0036】
なお、チェーン・スプロケット群46の構成は変更可能であり、また、ギヤセットで行うこともできる。さらには、図4は一例を示すもので動力の分岐機構は任意である。
【0037】
以上の構成からなる水田の草取り機の作用を図5,図6で説明する。
図5は第1作用説明図であり、2条の稲株52L,25Rの内の左の稲株52Lについて説明する。右の稲株52Rについても同様である。
稲株52Lを挟むように配置した左右の草取り具25A,25Bの爪34,34の先は、寸法Rだけラップさせることにより、草の取り残しを防止する。
そして、左の草取り具25Aは後から見て反時計方向に回し、右の草取り具25Bは時計方向に回す。この回転を維持しつつ、全体を白抜き矢印の如く前進させる。なお、回転軸33・・・は白抜き矢印(進行方向)に平行であることを図から分かる。
【0038】
図6(a)〜(c)は第2作用説明図である。
(a)では、稲株52Lは、草53に比べて根52aが深く、且つ丈が長くて先52bが水54の上に出る。一方、後から発生する草53は、稲株52Lに比べて根53aが浅く、且つ丈が短く先53bが水中にあることが分かる。
【0039】
(b)は後方から見た草取り具25A,25Bと稲株52Lとの関係を示し、草取り具25A,25Bを水没状態にして水田の底55を掻かせる。根52aが深く丈が長い稲株52Lは草取り具25A,25Bで掻き取る虞れはないことを示す。加えて、(a)に示す通りに爪34・・・は末広がり形を呈しているため、稲株52Lは爪34・・・に係ることなく、沿って移動する。結果、(b)に戻って、稲株52Lは左右に揺れながら爪34,34を躱わす(かわす)ことになり、稲株52Lに傷が付く心配はない。
【0040】
(b)において、仮に機体を後面から見たときに左の回転軸33は時計方向(図示矢印とは逆)、右の回転軸33は反時計方向(図示矢印とは逆)に各々回すと、稲株52Lの根52aを支えている田の土が稲株52Lから離れ、稲株52Lの支持力が低下する虞れがある。
そこで、本発明では、機体を後面から見たときに左の回転軸33は反時計方向、右の回転軸33は時計方向に各々回すようにする。これで、稲株52Lに田の土を寄せることができ、稲株52Lの支持力を適正に保つことができる。
【0041】
(c)は後方から見た草取り具25A,25Bと草53との関係を示し、根53aが浅く、丈が短い草53は草取り具25A,25Bで確実に掻き取ることができることを示す。
【0042】
図7(a),(b)は水平配置した草取り具と傾斜配置した草取り具の比較図である。
(a)は回転軸33を完全に水平に配置した例を示す。
【0043】
(b)は回転軸33を水平軸56に対してθだけ後下りに傾斜させた例を示す。回転軸33は、機体側から垂下した回転軸支持材23に取付けざるを得ない。回転軸33を後下りに傾斜させれば、必然的に回転軸33の前端は前上りとなり、これを支える回転軸支持材23の下端レベルを上げることができる。下端レベルを上げることができれば回転軸支持材23の下端が水田の底に食い込む心配が無くなる。
【0044】
すなわち、草取り具25の長さをL、傾斜角をθとしたときに、L×tanθに相当する高さhだけ、(b)の方が深く爪34を水田の底に食い込ませることが可能となる。従って、(a)より(b)の方が使い勝手が良くなる。
【0045】
なお、高さhは、h=L×tanθで求まるため、θが大きいほど大きな値が得られる。しかし、θが大きくなると、草取り具25をほぼ水平に配置したとは言えなくなる。
そこで、この傾斜角θは5〜15゜の範囲から選択することが望ましい。hを確保する上で5゜以上にする必要があり、ほぼ水平にするには15゜以下にする必要があるからである。
【0046】
次に、より好ましい構造の草取り機を説明する。
図8は図2の別実施例図であり、図2と共通部分は符号を流用して詳細な説明は省略し、変更部分のみ説明する。
先ず、機体11から第2ブラケット61を下げ、この第2ブラケット61に進行方向に平行な支軸62を設け、この支軸62に回転自在に逆T字型の回転板63を設け、この回転板63に平行リンク20を介して昇降板21を設け、この昇降板21に草取り具25A〜25Dを設けたことを特徴とする。
【0047】
図1で示した車輪13L,13Rは地盤の凹凸により、左右に揺れることが考えられる。この揺れが草取り具25に影響することは好ましくない。そこで、図8において、機体11に対して昇降板21を支軸62回りに揺動(ローリング)可能に構成した。この結果、機体11に無関係に草取り具25A〜25Dを水田の底に倣わせることができ、より能率よく草を取ることができる。
【0048】
次に、平行リンク20を構成する上リンク21の途中に水平に折り曲げ可能な関節部65を設け、平行リンク21を構成する下リンク32L,32Rの途中にリンク長さを変えることのできる雌雄嵌合部66L,66Rを設け、昇降板21の左右移動が可能になるようにしたことを特徴とする。
【0049】
図9は図8の作用説明図(平面図)であり、支軸62に回転可能に取付けた回転板63に昇降板21を対向配置し、これらび回転板63と昇降板21を上リンク21及び左右の下リンク32L,32Rで連結すると共に、上リンク21には鉛直の軸67回りに折り曲げ可能となるように関節部65を介設した。この関節部65が角度αだけ折れ曲ると、昇降板21は想像線で示す位置まで移動する。
すなわち、昇降板21は実質的に右へ移動する。ただし、この移動を妨げぬように左の雌雄嵌合部66Lでは下リンク32Lのリンク長を延ばし、右の雌雄嵌合部66Rでは下リンク32Rのリンク長を縮めることができるようにした。
この結果、昇降板21は実質的に左右に揺動させることができる。
【0050】
なお、上リンク31に自由度の高い関節部65を設け、左右の下リンク32L,32Rには雌雄嵌合部66L,66Rを設けた理由は次の通りである。
上リンク31、左右の下リンク32L,32Rの全てに関節部65を設けると、自由度が過大となり、昇降板21が必要以上に激しく揺れる虞れがある。
この点、雌雄嵌合部66L,66Rは摺動に伴なう抵抗が発生するため、揺れを抑える働きがある。そこで、関節部65と雌雄嵌合部66L,66Rとを組合わせることにより、適度な左右揺れを実現するようにした。
【0051】
この左右揺動は次の効果が期待できる。
図8において、機体11に無関係に昇降板21が左右に移動できれば、草取り具25A〜25Dをよりワイドに草に接触させることができ、取り残しを少なくすることができる。この左右移動は支軸62による自在ローリングと複合させることで、格別の作用を発揮する。すなわち、回転中の草取り具25A〜25Dを水田の底に倣わせながらローリングさせると共に左右へ自在に揺動させることにより、草取り具25A〜25Dがより良好に草に接触し、草を掻き取ることになるからである。
【0052】
尚、実施例の草取り機10は、2条の稲株52L,52Rに対応するが、草取り具が25A,25Bのみであれば1条の稲株52Lに対応し、草取り具がより多数であれば3条以上の稲株に対応させることができる。従って、処理すべき稲株の条数は任意である。
【0053】
また、実施例の草取り機10は作業者が連れ歩く歩行型作業機であるが、草取り機10は作業者が乗ることのできる乗用型作業機であってもよい。更には、エンジン14はガソリンエンジン、デーゼルエンジンの他、電動モータであってもよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、草取り具は、ほぼ水平に且つ機体の進行方向に平行に配置する回転軸と、この回転軸から後へ末広がり状に延ばした複数本の爪と、からなり、機体を後面から見たときに左の回転軸は反時計方向、右の回転軸は時計方向に各々回すようにしたことを特徴とした。
稲は、草に比べて根が深く、且つ丈が長くて先が水の上に出る。一方、後から発生する草は、稲に比べて根が浅く、且つ丈が短く先が水中にある。そこで、草取り具を水没状態にして水田の底を掻かせる。根が深く丈が長い稲株は草取り具で掻き取ることはなく、根が浅く、丈が短い草が草取り具で掻き取り対象となる。
【0055】
左の回転軸から後へ末広がり状に複数の爪を延ばし、右の回転軸から後へ末広がり状に複数の爪を延ばし、これらの左右の爪を接近させれば、横方向のみならず縦方向の株間の草をも掻き取ることができる。
【0056】
ところで、機体を後面から見たときに左の回転軸は時計方向、右の回転軸は反時計方向に各々回すと、稲の根を支えている田の土が稲株から離れ、稲株の支持力が低下する。そこで、本発明では、機体を後面から見たときに左の回転軸は反時計方向、右の回転軸は時計方向に各々回すようにする。これで、稲株に田の土を寄せることができ、稲株の支持力を適正に保つことができる。
【0057】
請求項2では、草取り具は、平行リンクを介して昇降可能に機体に取付けたことを特徴とする。草取り具は作業者の意思で高さ位置を調整できることが望ましい。このときに、平行リンクを採用したので、草取り具の高さを変更しても草取り具の向きは変化しない。従って、作業が容易になる。
【0058】
請求項3では、平行リンクは、1本の上リンクと、左右2本の下リンクとで構成したことを特徴とする。上2本、下2本からなる平行リンクに比較して、請求項3の平行リンクはリンク数が3で済み、構造が簡単になる。
【0059】
請求項4では、回転軸は、水平軸に対して後下りに傾斜させたことを特徴とする。回転軸は、機体側から垂下した回転軸支持材に取付けざるを得ない。回転軸を後下りに傾斜させれば、必然的に回転軸の前端は前上りとなり、これを支える回転軸支持材の下端レベルを上げることができる。下端レベルを上げることができれば回転軸支持材の下端が水田底の泥に食い込む心配が無くなり、作業が楽になる。
【0060】
請求項5では、機体の進行方向に平行な支軸を機体に設け、この支軸に回転自在に回転板を設け、この回転板に平行リンクを介して昇降板を設け、この昇降板に草取り具を設けたことを特徴とし、機体に、草取り具をローリング可能に取付けることで、機体に無関係に草取り具を水田の底に倣わせることができ、より能率よく草を取ることができる。
【0061】
請求項6では、平行リンクを構成する上リンクの途中に水平に折り曲げ可能な関節部を設け、平行リンクを構成する下リンクの途中にリンク長さを変えることのできる雌雄嵌合部を設け、昇降板の左右移動が可能になるようにしたことを特徴とし、昇降板が左右に移動可能であるため、草取り具を水田の底により良く倣わせることができ、一層能率よく草を取ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水田の草取り機の側面図
【図2】図1の要部の斜視図
【図3】本発明に係る水田の草取り機の駆動系統図
【図4】本発明に係る駆動系統の補足図
【図5】第1作用説明図
【図6】第2作用説明図
【図7】水平配置した草取り具と傾斜配置した草取り具の比較図
【図8】図2の別実施例図
【図9】図8の作用説明図(平面図)
【図10】従来のロータ型草取り機の作用図
【符号の説明】
10…水田の草取り機、11…機体、13L,13R…車輪、14…エンジン、16…昇降レバー、17…安定棒、17a…安定棒の水平部、20…平行リンク、23,23A〜23D…回転軸支持材、25,25A〜25D…草取り具、31…上リンク、32L,32R…下リンク、33…回転軸、34…爪、52L,52R…稲株、52a…稲の根、53…草、53a…草の根、56…水平軸、62…支軸、63…回転板、65…関節部、66L,66R…雌雄嵌合部、θ…傾斜角、α…傾斜角度。

Claims (6)

  1. 左右の車輪を備えた機体にエンジンを搭載し、機体に草取り具を取付け、前記車輪及び草取り具を前記エンジンで回転させることにより、自走しつつ草を取る水田の草取り機において、
    前記草取り具は、稲株を挟むように配置した左右の草取り具からなり、これらの草取り具は、ほぼ水平に且つ機体の進行方向に平行に配置する回転軸と、この回転軸から後へ末広がり状に延ばした複数本の爪と、からなり、
    機体を後面から見たときに左の回転軸は反時計方向、右の回転軸は時計方向に各々回すようにしたことを特徴とした水田の草取り機。
  2. 前記草取り具は、平行リンクを介して昇降可能に機体に取付けたことを特徴とする請求項1記載の水田の草取り機。
  3. 前記平行リンクは、1本の上リンクと、左右2本の下リンクとで構成したことを特徴とする請求項2記載の水田の草取り機。
  4. 前記回転軸は、水平軸に対して後下りに傾斜させたことを特徴とする請求項1記載の水田の草取り機。
  5. 機体の進行方向に平行な支軸を機体に設け、この支軸に回転自在に回転板を設け、この回転板に平行リンクを介して昇降板を設け、この昇降板に前記草取り具を設けたことを特徴とする請求項2、請求項3又は請求項4記載の水田の草取り機。
  6. 前記平行リンクを構成する上リンクの途中に水平に折り曲げ可能な関節部を設け、平行リンクを構成する下リンクの途中にリンク長さを変えることのできる雌雄嵌合部を設け、昇降板の左右移動が可能になるようにしたことを特徴とする請求項5記載の水田の草取り機。
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