JP5980532B2 - 代掻き作業機 - Google Patents

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Description

本発明は、耕耘ロータの耕耘幅より広い幅に亘って圃場の表面を平らに整地可能な延長補助整地板を備える代掻き作業機に関する。
水田の田面に存在するわらの耕土内へのすき込む性能を向上させるための延長補助整地板を備えた代掻き作業機が知られている(特許文献1参照)。この代掻き作業機は、機枠に回転自在に支持された耕耘ロータを有し、この耕耘ロータの上部を覆うカバー部の後端部に第1整地板が回動自在に設けられ、この第1整地板の後端部に第2整地板が回動可能に設けられ、第2整地板の機体幅方向端部に前後方向に延びる軸部を中心として延長補助整地板が回動自在に設けられている。延長補助整地板は、カバー部上に設けられた回動装置によって第2整地板の上方に折り畳んだ非作業位置と第2整地板の長手方向の側方に張り出した作業位置との間を回動可能である。
また、延長補助整地板が耕耘ロータの幅方向端部の前方に設けられた代掻き作業機も知られている(特許文献2参照)。この代掻き作業機は、耕耘ロータの幅方向端部に設けられた側板部の前側端部にサイドカバーが平行リンク機構を介して上下方向に移動自在に設けられ、サイドカバーの外側面に前側整地板(文献では第1整地板)が上下方向に回動自在に取り付けられている。この前側整地板は、これが作業可能な姿勢になると、その前面部は内側に進むに従って漸次後方側へ延びるように傾斜している。
このため、特許文献1に記載の技術と特許文献2に記載の技術を組み合わせて、耕耘ロータの幅方向端部の前側端部と後側端部に前側整地板及び延長補助整地板を設けると、圃場に存在するわらのすき込み性能をより向上させた代掻き作業機を得ることができる。
特開2010−124794号公報 特許4335058号公報
これら従来の技術を組み合わせた代掻き作業機では、耕耘ロータの前方に配設される前側整地板を手動で作業位置又は非作業位置に移動させる必要がある。そこで、前側整地板を自動で移動させる回動装置を、延長補助整地板を移動させる回動装置とは別個に代掻き作業機に設けると、代掻き作業機のコストが増大する。
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、前側整地板への過負荷を従来よりも抑制しつつ圃場のわらを確実に機体の幅方向内側に移動させて耕土内へのすき込み性能を向上させることができ、またコストの増大を抑制可能な代掻き作業機を提供することを目的とする。
このような課題を解決するため本発明は、機体(実施の形態における側板24L、24R)に回転可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆うカバー部(実施の形態におけるシールドカバー左25L、シールドカバー右25R)と、耕耘ロータの進行方向後側に配置されてカバー部に上下方向に回動自在に支持された第1整地板(実施の形態における第1延長整地板左26L、第1延長整地板右26R)と、該第1整地板の後端部に回動可能に支持された第2整地板(実施の形態における第2延長整地板左27L、第2延長整地板右27R)と、該第2整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を中心として回動自在に設けられた延長補助整地板と、延長補助整地板を回動させる回動装置とを備えた代掻き作業機であって、カバー部の幅方向端部の前側に前後方向に延設された前側軸部を中心として上下方向に回動自在であり、圃場面に接地した状態で進行方向に対して幅方向外側へ延び、進行方向前側に面する前面部が進行方向に対して機体幅方向内側に傾斜する前側整地板が設けられ、前側整地板は、回動装置によって延長補助整地板と連動して回動することを特徴とする(請求項1)。
また、本発明の回動装置は、前側整地板の下面が圃場面に接地して作業が可能な作業位置と該前側整地板が圃場面に接地しない非作業位置との範囲内で前側整地板を回動させることを特徴とする(請求項2)。
また、本発明の前側整地板は、前側軸部の軸芯方向に対して略直交する方向に延びて、該前側軸部を中心として回動自在に設けられ、前側軸部は、前側に延びるに従って上方へ所定角度を有して傾斜していることを特徴とする(請求項3)。
また、本発明の前側整地板は、長手方向の長さが調整自在であることを特徴とする(請求項4)。
本発明に係わる代掻き作業機によれば、上記特徴を有することで、前側整地板への過負荷を従来よりも抑制しつつ圃場のわらを確実に機体の幅方向内側に移動させて耕土内へのすき込み性能を向上させることができ、またコストの増大を抑制可能な代掻き作業機を提供することができる。

本発明の一実施形態に係わる代掻き作業機の平面図を示す。 前側整地板が作業位置にあるときの代掻き作業機の一部を示し、同図(a)は代掻き作業機の正面側部分説明図であり、同図(b)は代掻き作業機の平面側部分説明図であり、同図(c)は同図(b)のA矢視方向の部分側面図である。 前側整地板とこれを支持する支持板及び支持ブラケットの組立平面図を示す。 前側整地板を示し、同図(a)は前側整地板の平面図であり、同図(b)は前側整地板の正面図であり、同図(c)は前側整地板の側面図である。 支持板を示し、同図(a)は支持板の正面図であり、同図(b)は支持板の側面図である。 支持ブラケットを示し、同図(a)は支持ブラケットの側面図であり、同図(b)は支持ブラケットの正面図である。 前側整地板が非作業位置にあるときの代掻き作業機の一部を示し、同図(a)は代掻き作業機の正面側部分説明図であり、同図(b)は代掻き作業機の平面側部分説明図であり、同図(c)は同図(b)のA矢視方向の部分側面図である。 前側整地板の作動を説明するための代掻き作業機の平面側部分説明図を示す。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1〜図8に基づいて説明する。なお、本実施の形態の代掻き作業機は、進行方向に対して左右方向両側が折り畳み可能に構成された代掻き作業機を例にして説明する。
代掻き作業機1は、図1(平面図)に示すように、前進方向に対して左右方向の中央部に配置された作業機本体10と、作業機本体10の左右両端部に上下方向に回動可能に取り付けられた延長作業体左20L及び延長作業体右20Rと、延長作業体左20L及び延長作業体右20Rの各左右方向外側端部の後側に前後方向に延設された軸部21を回動中心として上下方向に回動可能に取り付けられた延長補助整地板55とを備え、作業機本体10、延長作業体左20L、延長作業体右20Rによって3分割構造になっている。
作業機本体10は、左右方向に延びる主フレーム11を有した機体12の前部に、走行機体90の後部に設けられた図示しない3点リンク連結機構に連結されて、走行機体90の後部に対して昇降可能に装着される。主フレーム11の左右方向の中央部には前方へ突出する入力軸13aを備えたギアボックス13が設けられ、走行機体90のPTO軸からユニバーサルジョイント等の動力伝達手段を介して動力が入力軸13aに伝達されるようになっている。
主フレーム11の左側端部には、チェーン伝動ケース14が垂設され、主フレーム11の右側端部には側部フレーム15がチェーン伝動ケース14と対向して垂設されている。チェーン伝動ケース14に接続された主フレーム11の左側部及びチェーン伝動ケース14内には伝動機構が設けられ、チェーン伝動ケース14と側部フレーム15の下端部間に多数の耕耘爪を取り付けた耕耘ロータ(図示せず)が回転自在に設けられている。そして、入力軸13aに伝達された動力は、ギアボックス13を介して主フレーム11及びチェーン伝動ケース14内の伝動機構に伝達されて、耕耘ロータを所定方向に回転させる。耕耘ロータの上側はシールドカバー16によって覆われている。
シールドカバー16の後端部には、前端部が上下方向に回動自在に取り付けられて後側が斜め下方へ延びる第1整地板17が取り付けられている。第1整地板17は、この後端部によって耕土表面を平らに整地する。第1整地板17の後端部には、第2整地板18が上下方向に回動自在に取り付けられている。第2整地板18は板状に形成され、その裏面が圃場の表面に接触しながら耕土表面を平らに整地する。作業機本体10の左右両端部には、軸部19を回動中心として回動自在な延長作業体左20L及び延長作業体右20Rが設けられている。延長作業体左20L及び延長作業体右20Rは、作業機本体10との間に設けられた電動油圧シリンダ22によって回動可能である。
延長作業体左20L及び延長作業体右20Rは、左右対称構造であるので、延長作業体左20Lについてのみ説明し、延長作業体右20Rについては延長作業体左20Lと対応する符号を附して説明を省略する。延長作業体左20Lは、左右に配設された一対の側板24L間に回転自在に支持された耕耘ロータ左と、耕耘ロータ左の上部を覆い一対の側板24L間に配設されたシールドカバー左25Lと、耕耘ロータ左の進行方向後側に配置されてシールドカバー左25Lの後端部に上下方向に回動自在に支持された第1延長整地板左26Lと、第1延長整地板左26Lの後端部に回動可能に支持された第2延長整地板左27Lを有してなる。
第1延長整地板左26Lは、第1整地板17と同様に構成され、第1延長整地板左26Lの後端部によって耕土表面を平らに整地する。第2延長整地板左27Lは、前述した第2整地板18と同様に構成されて整地作業を行う。この第2延長整地板左27Lは延長作業体左20Lが作業位置に移動した作業姿勢時に第2整地板18の外端部に接合して連結され、第2延長整地板左27Lが非作業位置に移動した折り畳み姿勢時には第2整地板18の外端部から離反して第2整地板18との接合が解除されるようになっている。
また、第2延長整地板左27Lの左側端部には、前述した延長補助整地板55が設けられている。この延長補助整地板55は、第2延長整地板左27Lに設けられた軸部21を回動中心として回動して、作業位置に移動した展開状態時には第2延長整地板左27Lの左右方向外側に延びて第2延長整地板左27Lの整地作業を補助し、折り畳んだ状態(不使用状態)時には第2延長整地板左27Lの表面側に折り畳まれて第2延長整地板左27Lと重なった状態となる。延長補助整地板55は、作業時には平面視において前面部が斜め前方に傾斜するように構成されて、前進時に水田の泥水を機体幅方向内側へ導くことができる。
延長補助整地板55は、回動装置40によって回動が制御される。回動装置40は、延長作業体左20Lのシールドカバー左25L上及び延長作業体右20Rのシールドカバー右25R上に設けられている。これらの回動装置40は同一構造であるので、シールドカバー左25L上に設けられた回動装置40についてのみ説明する。
回動装置40は、図1、図2(a)(正面側部分説明図)、図2(b)(平面側部分説明図)に示すように、シールドカバー25L上に設けられた台座41上に取り付けられている。回動装置40は、台座41上に設けられた正逆回転用モータ42と、正逆回転用モータ42の回転軸に取り付けられた歯車伝動機構43と、台座41に臨むシールドカバー23上に回動自在に支持された連動アーム前44及び連動アーム後45と、連動アーム前44及び連動アーム後45の先端部に接続された連結体46とを有してなる。
台座41は、シールドカバー25L上に左右方向に所定間隔を有して取り付けられた一対の脚部41aと、一対の脚部41aの上部間を繋ぐ上面部41bと有してなる。正逆回転用モータ42は、流れる電流の向きによってモータの回転軸が正逆回転可能に構成されている。正逆回転用モータ42の回転軸には、歯車伝動機構43の一部をなす減速機構が一体的に取り付けられている。
正逆回転用モータ42は、台座41の上面部41b上に取り付けられ、遠隔操作用のスイッチが電気的に接続されている。このスイッチは走行機体90(図1参照)の運転席の近くに配置されている。このスイッチの操作によって正逆回転用モータ42を駆動させることで、連動アーム後45及び連動アーム前44が回動して延長補助整地板55及び後述する前側整地板60を連動して回動させることができる。
歯車伝動機構43の減速機構は、正逆回転用モータ42の回転軸から伝達された動力を減速して出力する出力軸43a(図2(a)参照)を有する。出力軸43aは、台座41の上面部41bを貫通して上下方向に延びる。この出力軸43aに連動アーム後45及び連動アーム前44が連結されている。連動アーム後45は、シールドカバー左25Lと台座41の上面部41bとの間を通って外側へ延びるように配置されている。このため、正逆回転用モータ42が駆動して出力軸43aが回転すると、出力軸43aと同一方向に連動アーム後45が回動する。
連動アーム後45の先端部には、ワイヤ等の連結体46の一端部が接続され、連結体46の他端部は延長補助整地板55の前側端部に取り付けられている。
このため、回動装置40が駆動して正逆回転用モータ42の回転軸が一方側に回動すると、連動アーム後45が延長作業体左20Lの左右方向外側へ延びるように回動して、延長補助整地板55は水田の表面(圃場面)に接触して作業が可能な作業位置Ps(図1参照)に移動する。また、正逆回転用モータ42の回転軸が他方側に回動すると、連動アーム後45が延長作業体左20Lの左右方向内側へ延びるように回動して、第2延長整地板左27L上に沿って折り畳まれた非作業位置に移動する。出力軸43aに連結された連動アーム前44の詳細については後述する。
延長作業体左20Lの前側端部には左右方向に延びる泥除け材29Lが設けられている。また延長作業体左20Lの左側端部の前側隅部には、前述した前側整地板60が設けられている。前側整地板60は、シールドカバー左25Lの左側の前側隅部に前後方向に延設された前側軸部61を中心として上下方向に回動自在である。
前側整地板60は、図3(組立平面図)、図4(a)(平面図)、図4(b)(正面図)、図4(c)(側面図)に示すように、水田の表面に接触する板状の底面部60aと、底面部60aの前端部から上方へ延びる板状の前面部60bとを有して形成されている。底面部60aは平面視矩形状に形成されている。前面部60bは、底面部60aと同様に平面視矩形状に形成され、側面視において底面部60aに対して鈍角γを有して傾斜している(図4(c)参照)。底面部60aの長手方向一方側には、前側整地板60を支持する支持板63の一端部を接続する接続部60cが設けられている。
接続部60cは、底面部60aの幅方向に所定間隔を有して立設された一対の板部60c1を有し、一対の板部60c1にはボルト62aを通すための孔部60c2が設けられている。これらの孔部60c2にボルト62aの軸部が挿通されてナット62bと螺合して、支持板63の一端部が接続部60cに回動自在に接続される。前面部60bの内面の長手方向の他方側には、連結体46(図2(b)参照)の端部を接続するための係止突出部60c3が設けられている。
支持板63は、図3、図5(a)(正面図)、図5(b)(側面図)に示すように、弾性変形可能な材料(例えば、炭素鋼)を用いて板状に形成されている。支持板63は、直線状に延びる短手部63aと短手部63aに対して屈曲して直線状に延びる長手部63bとを有してなる。短手部63aの長手方向一端部には、支点ブラケット70に挿着される挿着孔部63a1が設けられ、短手部63aの長手方向他端側には、ボルト66(図2(c)参照)が挿通される締結孔部63a2が設けられている。
また、長手部63bの長手方向他端部には接続部60cに接続されるボルト62aを通すためのボルト孔部63b1が設けられている。支持板63は、弾性変形可能な材料で形成されているので、前側整地板60が作業位置に移動した状態で前進すると水田から受ける外力によって進行方向後側に撓み、また作用する外力が比較的に小さくなると元の位置に戻る。このため、前側整地板60に過負荷が作用すると、前側整地板60は後方側へ向きを変えることができ、前側整地板60が損傷する虞を小さくすることができる。
支点ブラケット70は、図3、図6(a)(側面図)、図6(b)(正面図)に示すように、板状に形成されたブラケット本体部71と、ブラケット本体部71の上端部に取り付けられてブラケット本体部71に対して略直交する方向に延びる筒部73とを有してなる。ブラケット本体部71は、正面視においてL字状に形成され、その中間部には連通孔部71aが設けられている。この連通孔部71aは、支持板63の締結孔部63a2(図5(a)参照)と連通された状態でボルト66(図2(c)参照)の軸部が挿通される。このボルト66にナットが螺合して、ブラケット本体部71と支持板63が一体的に結合される。
また、ブラケット本体部71の下側の端部には、連結体46(図2(a)参照)の端部を接続するための係止孔部71bが設けられている。また、ブラケット本体部71の係止孔部71bと反対側のブラケット本体部71には、段部71cが形成されている。この段部71cは、図2(a)に示す前側軸部61が設けられたシールドカバー左25Lの前側端部に当接して前側整地板60の下方への移動を規制する。
筒部73は、ブラケット本体部71を中央にしてその両側に略同一長さを有して突出するように設けられている。筒部73内の貫通孔73aの内径は前側軸部61に対して支点ブラケット70が回動可能な大きさを有している。
支持板63及びこれに接続された前側整地板60は、図2(b)に示すように、前側軸部61の軸芯方向に対して略直交する方向に延びている。また、前側軸部61は、平面視において前側が後側に対して左右方向内側に所定角度β(図面ではβ=約40°)を有して傾斜するとともに、側面視において前側に進むに従って上方へ所定角度α(図面ではα=約20°)を有して傾斜した状態で配置されている(図2(c)参照)。このため、前側整地板61が水田Hの表面に接地した作業位置Psに移動すると、底面部60aは水田Hの表面に対して底面部60aの前側が上方に位置するように傾斜する。このため、作業中の前進時に前側整地板60に石等の障害物が接触した場合には、障害物が底面部60aの下面に接触し易くなる。このため、前側整地板60は上方へ附勢されて、前側軸部61を中心として上方へ回動する。従って、前側整地板60に過負荷が作用する虞が少なくなり、前側整地板60が損傷する事態を未然に防止することができる。
また、図2(a)及び図2(c)に示すように、支持板63の長手部63bと前側整地板60の係止突起部60c3との間には引っ張りばね75が設けられている。この引っ張りばね75は、前側整地板60による作業時に前側整地板60が水田の耕土内に引き込まれるのを防止するために設けられている。引っ張りばね75は、前側整地板60が作業位置に移動時には自然長と略同じ長さを有し、前側整地板60が作業位置から下方へ引き込まれると伸長して作業位置側へ戻すように附勢する。このため、前側整地板60の作業時に前側整地板60が耕土内に没入する事態を未然に防止することができる。
また、前側整地板60の前面部60bは、前側整地板60が作業位置Ps'に移動すると、左右方向内側に進むに従って後方側に傾く。このため、詳細は後述するが、作業中に水田の泥水等を代掻き作業機1の内側方向へ移動させることができる。
支点ブラケット70に接続された連結体46の他端部は、図2(a)、図2(b)に示すように、前述した連動アーム前44の先端部に接続されている。この連結体46は、連動アーム後45に連結された連結体46と同様のワイヤである。連動アーム前44は、一端側が回動装置40の出力軸43aに連結されて、他端側がシールドカバー左25Lと台座41の上面部41bとの間を通って外側へ延びるように配置されている。
このため、連動アーム前44は、連動アーム後45と連動して回動する。そして、連動アーム前44は、延長補助整地板55が作業位置Psに移動すると、前側整地板60も作業位置Ps'に移動し、延長補助整地板55が非作業位置に移動すると、図7(a)、図7(b)に示すように、前側整地板60もシールドカバー左25Lの上方に折り畳まれる非作業位置Pk'に移動するように、出力軸43aに連結されている。つまり、出力軸43aが回動すると、連動アーム前44及び連動アーム後45が同時に回動して、延長補助整地板55及び前側整地板60を作業位置Ps、Ps'に移動させ、また延長補助整地板55及び前側整地板60を非作業位置Pk'に移動させることができる。
なお、図7(c)に示すように、前側整地板60が非作業位置Pk'への移動時には、引っ張りばね75は略自然長の長さを有している。このため、代掻き作業機の移動時に上下方向に代掻き作業機が振動しても引っ張りばね75によって振動を吸収することができ、前側整地板60が非作業位置Pk'において暴れる虞はない。
次に、代掻き作業機1によって水田に存在するわらを耕土内にすき込む作業を行う場合について、図1及び図8を参照しながら説明する。先ず、図1に示すように、水田において延長作業体左20L及び延長作業体右20Rを展開姿勢にし、回動装置40のスイッチを操作して正逆回転用モータ42を駆動させ、連動アーム前44及び連動アーム後45を回動させて延長補助整地板55及び前側整地板60を作業位置Ps、Ps'に移動させる。
代掻き作業機1の全体が展開姿勢になった状態で代掻き作業機1が装着された走行機体90が前進走行すると、耕耘ロータよって水田の耕土が耕耘され、第1整地板17、第2整地板18、第1延長整地板左26L、第2延長整地板左27L、第1延長整地板右26R、第2延長整地板右27Rによって水田表面が均平にされる。また耕耘ロータの軸方向外側の耕土表面は延長補助整地板55及び前側整地板60によって均平にされる。
また、代掻き作業機1の前進にともなって、前側整地板60の前面部60bによって水田の泥水が代掻き作業機1の左右方向内側へ導かれる。このため、代掻き作業機1の内側方向へ流れる泥水によって、代掻き作業機1の幅方向外側に存在するわらWを代掻き作業機1の左右方向内側へ移動させることができる。このため、わらWを耕耘ロータの回転によって耕土内にすき込むことができる。さらに、延長補助整地板55によって水田の泥水が代掻き作業機1の左右方向内側へ導かれるので、代掻き作業機1の幅方向外側へ移動しようとするわらWを内側へ押し戻すことができる。このため、わらWの耕土内へのすき込みをより確実にすることができる。
このように、本願発明の代掻き作業機1は、前側整地板60によって水田の泥水を代掻き作業機1の左右方向内側へ導く。このため、代掻き作業機1の幅方向外側に存在するわらWを代掻き作業機1の左右方向内側に移動させて耕土内にすき込むことができる。また、前側整地板60を回動させる連動アーム前44は延長補助整地板55を回動させる連動アーム後45と同じ回動装置40に連結されているので、前側整地板60を回動させる回動装置を別個に設ける必要がない。このため、代掻き作業機1のコストの上昇を抑えることができる。
なお、前述した実施の形態では、前側整地板60が1枚の板で形成されたものを示したが、図2(b)に示すように、前側整地板60の先端側に延長板65をボルト等の締結手段を介して着脱可能に取り付けてもよい。このようにすると、前側整地板60の長手方向の長さを変更することができる(図2(b)参照)。
また、前述した実施の形態では、図1に示すように、延長作業体左20L及び延長作業体右20Rが作業機本体10に対して折り畳み可能な構造の代掻き作業機1を例にしたが、延長作業体左20L及び延長作業体右20Rを無くして、作業機本体10の幅方向端部に延長補助整地板55及び前側整地板60を回動自在に取り付けた代掻き作業機でもよい。
1 代掻き作業機
21 軸部
24L、24R 側板(機体)
25L シールドカバー左(カバー部)
25R シールドカバー右(カバー部)
26L 第1延長整地板左(第1整地板)
26R 第1延長整地板右(第1整地板)
27L 第2延長整地板左(第2整地板)
26R 第2延長整地板右(第2整地板)
40 回動装置
55 延長補助整地板
60 前側整地板
60b 前面部
61 前側軸部
Ps' 作業位置
Pk' 非作業位置

Claims (6)

  1. 機体に回転可能に支持された耕耘ロータと、該耕耘ロータの上部を覆うカバー部と、前記耕耘ロータの進行方向後側に配置されて前記カバー部に上下方向に回動自在に支持された第1整地板と、該第1整地板の後端部に回動可能に支持された第2整地板と、該第2整地板の機体幅方向の端部に前後方向に延びる軸部を中心として回動自在に設けられた延長補助整地板と、前記延長補助整地板を回動させる回動装置とを備えた代掻き作業機であって、
    前記カバー部の幅方向端部の前側に進行方向と交差すると共に前側が後側に対して機体幅方向内側に傾斜して前後方向に延設されると共に前側に延びるに従って上方へ所定角度を有して傾斜する前側軸部を中心として上下方向に回動自在であり、圃場面に接地した状態において進行方向に対して幅方向外側へ延び、進行方向前側に面する前面部が進行方向に対して機体幅方向内側に傾斜する前側整地板が設けられ、
    前記回動装置は、前記前側整地板と連結体を介して接続されて水平方向に回動可能な回動部材を備え、
    前記前側整地板は、前記回動装置による前記延長補助整地板の回動と連動しつつ前記回動部材が水平方向に回動することにより、前記前側軸部を中心に回動することを特徴とする代掻き作業機。
  2. 前記回動装置は、前記前側整地板の下面が圃場面に接地して作業が可能な作業位置と該前側整地板が圃場面に接地しない非作業位置との範囲内で前記前側整地板を回動させることを特徴とする請求項1に記載の代掻き作業機。
  3. 前記前側整地板の前面部は、前記前側軸部の軸芯方向に対して略直交する方向に延びて、該前側軸部を中心として回動自在に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の代掻き作業機。
  4. 前記前側整地板は、長手方向の長さが調整自在であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の代掻き作業機。
  5. 前記前側整地板は、前記前面部の下端に延設されて圃場面に接触する底面部の後端部も、圃場面に接地した状態において進行方向に対して幅方向の外側へ延び、前記進行方向に対して機体幅方向内側に傾斜することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の代掻き作業機。
  6. 前記前側整地板は、平面視で、前記前面部の方が前記底面部よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の代掻き作業機。
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