JPH1042603A - 正逆転耕耘装置 - Google Patents

正逆転耕耘装置

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JPH1042603A
JPH1042603A JP20746796A JP20746796A JPH1042603A JP H1042603 A JPH1042603 A JP H1042603A JP 20746796 A JP20746796 A JP 20746796A JP 20746796 A JP20746796 A JP 20746796A JP H1042603 A JPH1042603 A JP H1042603A
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JP
Japan
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reverse
tilling
rotation
tillage
work vehicle
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JP20746796A
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Hideaki Kobayashi
秀明 小林
Masatoshi Nagaoka
政敏 永岡
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 作業車両から伝動機構を介して駆動力を
受けて、互いに逆向きに回転する複数の正転爪73…,
74…並びに複数の逆転爪78…を取付けた正逆転耕耘
装置70であって、正転爪73…,74…の耕耘反力
を、逆転爪78…の耕耘反力より大きく設定した。 【効果】 作業車両を小型且つ軽量にできる。作業車両
が軽量であれば、畑などの農耕地を踏み固めにくく、そ
の結果、農作物の生育に悪影響を与えることがない。正
・逆転爪の回転径が小さい1種類の耕耘装置だけで、耕
深の大小にかかわらず、耕耘可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は作業車両の後部に取
付けた耕耘装置、特に、ロータリ耕耘部の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】作業車両の後部に取付けた耕耘装置とし
て、例えば実開平4−80302号公報「ロータリ耕耘
機」の技術がある。上記技術は、その公報の第1図及び
第2図によれば、作業車両1(番号は公報に記載された
ものを引用した。以下同じ。)の後部にロータリ耕耘機
3を上下揺動可能に取付け、このロータリ耕耘機3の車
幅方向に延びた水平な回転軸6に複数の耕耘刃7…を取
付け、これら複数の耕耘刃7…で耕耘するというもので
ある。複数の耕耘刃7…は、作業車両1の前進時に車輪
と同方向に回転する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、畑などの農
耕地では、農作物の種類によって耕深(耕す深さ)を変
えることが多い。一般に、耕深を小さくする場合には、
耕耘刃7の回転径の比較的小さい小型のロータリ耕耘機
3を使う。耕耘刃7の埋没深さは、概ね回転軸6の軸心
以下である。この場合には、軽量で牽引力の小さい小型
作業車両でよい。
【0004】一方、耕深を大きくする必要が生じると、
耕耘刃7の埋没深さを回転軸6の軸心以上にしなければ
ならない。しかし、耕耘刃7の回転径が小さいので、耕
耘刃7の埋没深さを回転軸6の軸心以上にすると、大き
い耕耘反力が上向きに発生する。その結果、耕耘刃7が
喰い込みにくくなり、安定した深掘り作業ができない。
前記上向きの大きい耕耘反力を打ち消すためには、ロー
タリ耕耘機3の自重を増すことが考えられる。また、作
業車両を低速走行して耕耘速度を遅くしたり、逆転耕耘
においては耕耘刃7の回転数を大幅に増すことが考えら
れる。しかし、いずれも耕耘所要動力が大幅に増大する
ので、実用的ではない。
【0005】また、耕深を大きくするために、耕耘刃7
の回転径の大きい大型のロータリ耕耘機3を使い、耕耘
刃7の埋没深さを回転軸6の軸心以下とした場合には、
耕耘刃7の埋没深さにかかわらず、耕耘反力の作用方向
は余り上向きにならない。しかし、耕耘刃7の回転径が
大きいので、耕耘反力は大きい。耕耘反力が大きく且つ
耕耘刃7を正転(作業車両1の前進時に車輪と同方向に
回転)した場合に、軽量の作業車両の後輪を持上げた
り、急な勢いで前進させる力が過大となり、このため、
安定した深掘り作業ができない。また、耕耘反力が大き
く且つ耕耘刃7を逆転した場合に、耕耘装置(ロータリ
耕耘部)を持上げる力が大きいので、安定した深掘り作
業ができない。
【0006】このようなことから、耕深を大きくするす
るために、耕耘刃7の回転径の大きい大型のロータリ耕
耘機3を使う場合には、大重量で牽引力の大きい大型作
業車両が必要である。しかし、大型作業車両が通ると、
農耕地は踏み固められて耕盤(地表から15〜20cm
の深さにわたって形成される硬い層)ができやすい。こ
の耕盤は未耕地と同じになり、農作物の生育上好ましく
ない。
【0007】そこで本発明の目的は、軽量で牽引力の小
さい作業車両の後部に取付けた耕耘装置で、耕深の大小
にかかわらず十分に耕耘できるようにすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の請求項1は、作業車両から伝動機構を介して駆動力を
受けて、互いに逆向きに回転する複数の正転爪並びに複
数の逆転爪を取付けた正逆転耕耘装置であって、正転爪
の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反力より大きく設定したこ
とを特徴とする。
【0009】作業車両の前進時に車輪と同方向に回転す
る正転爪の耕耘反力の一部を、逆方向に回転する逆転爪
の耕耘反力で効果的に打ち消すので、その差の分が正・
逆転爪の耕耘反力の合力として残るだけである。その結
果、耕耘装置は上向きの耕耘反力が比較的小さいので、
正・逆転爪が地中深く喰い込み易い。従って、正・逆転
爪の回転径にかかわりなく耕深(耕す深さ)を大きくす
ることができる。このため、正・逆転爪の回転径を小さ
くすることができるので、耕耘装置を軽量にできる。耕
耘装置が軽量になれば、作業車両の牽引力を小さくでき
るので、作業車両を駆動力の小さい小型のものにでき
る。
【0010】また、耕耘装置は合力としての耕耘反力が
小さいので、作業車両の後輪を持上げたり、急な勢いで
前進させる力が小さい。このため、軽量の作業車両の後
部に取付けた耕耘装置で、安定して深掘り作業ができ
る。しかも、正転爪の耕耘反力が逆転爪の耕耘反力より
大きいので、その差の分だけ作業車両の牽引を補助する
ことができる。このため、耕耘装置の耕深が大きいこと
により耕耘抵抗が大きい場合であっても、牽引力の小さ
い軽量の作業車両の後部に取付けた耕耘装置で、十分に
深掘り作業ができる。
【0011】このようなことから、作業車両を小型且つ
軽量にできる。作業車両が軽量であれば、畑などの農耕
地を踏み固めにくく、その結果、農作物の生育に悪影響
を与えることがない。また、正・逆転爪の回転径が小さ
い1種類の耕耘装置だけで、耕深の大小にかかわらず、
耕耘可能である。従って、軽量で牽引力の小さい作業車
両の後部に取付けた耕耘装置で、耕深の大小にかかわら
ず十分に耕耘できる。
【0012】請求項2は、前記複数の正転爪の全有効耕
耘幅を、複数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定
することで、前記正転爪の回転数を、逆転爪の回転数と
略同一に設定したことを特徴とする。
【0013】複数の正転爪は全有効耕耘幅が、複数の逆
転爪の全有効耕耘幅よりも大きいので、耕耘作業能率も
高い。このため、正転爪の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反
力より大きく設定するのに、回転数を必要以上に大きく
しなくてもよい。回転数を小さくすることができるの
で、正転爪の回転径を小さくできる。その結果、耕耘装
置の所要駆動力が小さくなり、エンジン等の動力源を小
型にできる。
【0014】請求項3は、前記複数の正転爪の全有効耕
耘幅を、複数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定
することで、前記正転爪の回転径を、逆転爪の回転径と
略同一に設定したことを特徴とする。
【0015】複数の正転爪は全有効耕耘幅が、複数の逆
転爪の全有効耕耘幅よりも大きいので、耕耘作業能率も
高い。このため、正転爪の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反
力より大きく設定するのに、爪の回転径を必要以上に大
きくしなくてもよい。回転径が大きくないので耕耘装置
の所要駆動力が小さくなり、エンジン等の動力源を小型
にできる。
【0016】請求項4は、最深耕時に、前記伝動機構の
入力軸を作業車両の後輪車軸とほぼ同一レベルにしたを
特徴とする。
【0017】伝動機構の入力軸の位置が低過ぎると、耕
耘装置の耕深を大きくした場合に伝動機構のケースが地
面に当る。また、入力軸の位置が高過ぎると、ケースが
長くなる。これに対し、最深耕時に、入力軸を作業車両
の後輪車軸とほぼ同一レベルにしたので、耕耘装置の耕
深を大きくしても地面に当らず、適度な長さの小型のケ
ースにでき、このため、ケースを軽量にできる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図面に
基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見
るものとする。図1は本発明に係る作業車両の側面図で
あり、作業車両1は、車体2の前後に小径の前輪3及び
大径の後輪4を備え、前端にフロントウエイト5、前か
ら後に向って、操向ハンドル6、乗員シート7、図示せ
ぬエンジンを備え、後部にロータリ式正逆転耕耘装置7
0(以下、単に「正逆転耕耘装置70」という。)を脱
着自在に懸架する比較的小型で軽量の車両である。11
は安全フレームである。前記正逆転耕耘装置70は下降
した状態を示し、前記エンジンから変速機29及び伝動
機構40を介して駆動力を受けて適宜正逆転するもので
あり、以下に詳述する。
【0019】図2は本発明に係るヒッチ、変速機、伝動
機構及びロータリ式正逆転耕耘装置の側面図である。ヒ
ッチ21は、車体2後部の支持部材22に、ブラケット
23を脱着自在に且つ上下揺動自在に掛止めたものであ
り、このブラケット23は、車体2に取付けた図示せぬ
上昇用油圧シリンダ(単動型シリンダ)で上昇されるも
のである。ブラケット23は、この図に示す最下降位置
(正逆転耕耘装置70の最深耕時の位置)で先端が略下
向きになる側面視逆く字体であり、この逆く字体の上部
コーナ部分に、車体後方に延びる尾輪26付きアーム2
7及びこのアーム27の揺動角を調整する調整ボルト2
8を上下揺動自在に取付け、一方、逆く字体の略中央部
分に変速機29を取付け、この変速機29の下部に下方
に延びる伝動機構40を取付け、この伝動機構40の下
部に正逆転耕耘装置70を取付けたものである。尾輪2
6は耕深を調整する部材である。変速機29は、正逆転
耕耘装置70の回転数を切換えるものである。
【0020】伝動機構40は、変速機29の側面の出力
部に連結した入力軸42を備え、この入力軸42は、こ
の図に示す最深耕時に、後輪4の車軸4aとほぼ同一レ
ベルである28aは調整ボルト28を回転操作するハン
ドル、31は正逆転耕耘装置70の上部を覆う上部カバ
ー、32は上部カバーの両側を覆い上下スライド可能な
サイドカバー、33は正逆転耕耘装置70によって耕耘
された土を平坦に均すための上下位置調整可能な均し板
である。これらサイドカバー32と均し板33は、深耕
から浅耕まで対応できるものである。
【0021】図3は本発明に係る伝動機構の縦断面図で
あり、前面視の組立状態を示し、上部を省略した。な
お、図において矢印Lは左、矢印Rは右を示す。伝動機
構40は、左右のケース半体同士41L,41Rを合せ
てなるケース41と、このケース41に動力の伝達順に
配置した入力軸42(図2参照)、第1中間軸43、第
2中間軸44及び出力軸45とからなる。これらの軸4
3〜45は車幅方向に延びた水平軸であり、左右のケー
ス半体41L,41Rにボルト止めされたカバー48,
48に回転自在に取付けたものである。出力軸45は、
中空軸からなる左右の正転出力軸46,46と、これら
正転出力軸46,46内を貫通した逆転出力軸47とを
同心に配置したものである。
【0022】51は入力軸スプロケット(図2参照)、
52はチェーン、53は第1中間スプロケット、54は
第1中間ギヤ、55は第2中間ギヤ、56は第2中間ス
プロケット、57はチェーン、58は逆転軸スプロケッ
ト、61L,61Rは第3ギヤ、62L,62Rは第4
ギヤ、63,63は第1中間軸43を受ける軸受、6
4,64は第2中間軸44を受ける軸受、65,65は
正転出力軸46,46を受ける軸受、66…(…は複数
を示す。以下同じ。)は逆転出力軸47を正転出力軸4
6,46に受けさせるニードルベアリングである。
【0023】次に、伝動機構40の作用を説明する。作
業車両のエンジンから変速機29(図2参照)を介して
入力軸42が駆動されると、入力軸42→入力軸スプロ
ケット51→チェーン52→第1中間スプロケット53
→第1中間ギヤ54→第2中間ギヤ55→第3ギヤ61
L,61R→第4ギヤ62L,62R→正転出力軸4
6,46の順でトルクが伝わり、正転出力軸46,46
が正転回動される。また、入力軸42→入力軸スプロケ
ット51→チェーン52→第1中間スプロケット53→
第1中間ギヤ54→第2中間ギヤ55→第2中間スプロ
ケット56→チェーン57→逆転軸スプロケット58→
逆転出力軸47の順でトルクが伝わり、逆転出力軸47
が逆転回動される。
【0024】図4は本発明に係るロータリ式正逆転耕耘
装置の断面図であり、正逆転耕耘装置70の正面視の断
面構成を示す。なお、図において矢印Lは左、矢印Rは
右を示す。正逆転耕耘装置70は、正転する左右の正転
中空軸71,71と、これら正転中空軸71,71に取
付けた複数の第1正転爪73…及び第2正転爪74…
と、逆転する逆転中空軸76,76と、これら逆転中空
軸76,76に取付けた逆転爪78…とからなる。この
ように正転中空軸71,71と逆転中空軸76,76と
は、互いに逆向きに強制回転される。
【0025】詳しくは、車幅方向中央位置のケース41
から左右に突出した正転出力軸46,46は、左右先端
に正転中空軸71,71をスプライン結合したものであ
り、これら正転中空軸71,71は、アタッチメント7
2…を介して複数の第1正転爪73…,第2正転爪74
…をボルト止めしたものである。左の正転中空軸71
は、例えば、ケース41から遠い6つの第1正転爪73
…と、ケース41寄りの2つの第2正転爪74…を備え
る。第1正転爪73は、先端を軸方向(図左右方向)に
折曲げた略「なた爪形」耕耘爪であり、第2正転爪74
は、「なた爪形」耕耘爪を変形させた変形爪である。右
の正転中空軸71も同じである。
【0026】一方、正転出力軸46,46から突出した
逆転出力軸47は、左右先端に逆転中空軸76,76を
スプライン結合したものであって、これら逆転中空軸7
6,76は、正転中空軸71,71よりも左右に延び、
アタッチメント77…を介して複数の逆転爪78…をボ
ルト止めしたものである。ケース41から遠い左の逆転
出力軸47は、例えば、3つの逆転爪78…を備える。
逆転爪78は、上記第1正転爪73と同じものである。
また、右の逆転出力軸47も同じである。
【0027】ところで、複数の第1・第2正転爪73
…,74…の全有効耕耘幅S1は、左の複数の逆転爪7
8…の全有効耕耘幅S2と、右の複数の逆転爪78…の
全有効耕耘幅S3との総和S4、すなわち、S2+S3より
も大きく設定したものである(S1>S4)。好ましく
は、概ねS1:S4=3:1から、S1:S4=4:1の比
率である。これにより、複数の第1・第2正転爪73
…,74…の耕耘反力は、左右の複数の逆転爪78…の
耕耘反力より大きく設定されたことになる。また、第1
・第2正転爪73…,74…の回転数は、逆転爪78…
の回転数と略同一に設定したものである。上記正・逆転
爪73…,74…,75…は普通爪や特殊普通爪等を採
用してもよい。
【0028】図5は図4の5−5線図であり、複数の逆
転爪78…の位相を示す。作業車両1の前進方向(矢印
F方向)に対して左側の3つの逆転爪78はL…で示
す位相であり、また、前進方向に対して右側の3つの逆
転爪78はR…で示す位相であって、これらの逆転爪
78…は、先に述べた通り逆転(図時計回り回転)をす
るものであり、回転径はD2である。
【0029】図6は図4の6−6線断面図であり、作業
車両1の前進方向Fに対して、左側の第1・第2正転爪
73…,74…の位相を示す。6つの第1正転爪73…
はL2…で示す位相であり、また、2つの第2正転爪7
4…はL3…で示す位相であり、これらの第1・第2正
転爪73…,74…の回転径はD1である。
【0030】図7は図4の7−7線断面図であり、作業
車両1の前進方向Fに対して、右側の第1・第2正転爪
73…,74…の位相を示す。6つの第1正転爪73…
はR2…で示す位相であり、また、2つの第2正転爪7
4…はR3…で示す位相である。第1・第2正転爪73
…,74…の回転径D1は、逆転爪78…の回転径D2
略同一に設定したものである。そして、第1・第2正転
爪73…,74…は、作業車両の前進時に車輪と同方向
に回転、いわゆる正転(図反時計回り回転)する。
【0031】次に、正逆転耕耘装置70の耕深設定作用
を、図2に基づき説明する。ハンドル28aで調整ボル
ト28を回転操作すると、アーム27が上下揺動し、そ
の結果、尾輪26の取付け高さを調整することができ
る。尾輪26の取付け高さに合せてブラケット23が上
下方向に揺動するので、正逆転耕耘装置70の取付け高
さが決定する。すなわち、尾輪26の取付け高さを設定
した後、作業車両1のエンジンにて正逆転耕耘装置70
を駆動すると、正逆転耕耘装置70は地面を掻き取りな
がら所定深さまで埋没する。その結果、耕深が決定す
る。一方、図示せぬ上昇用油圧シリンダのシリンダを伸
出作動すると、ブラケット23が上方に揺動するので、
尾輪26付きアーム27及び正逆転耕耘装置70は図示
せぬ待機位置に持上がる。なお、尾輪26を取付けない
場合には、油圧制御によって耕深を制御することが可能
である。
【0032】次に、上記構成の正逆転耕耘装置70の作
用を、図4及び図8に基づき説明する。図8(a),
(b)は本発明に係るロータリ式正逆転耕耘装置の作用
図である。図4に示すように、複数の第1・第2正転爪
73…,74…の全有効耕耘幅S1は、左の複数の逆転
爪78…の全有効耕耘幅S2と、右の複数の逆転爪78
…の全有効耕耘幅S3との総和よりも大きい。このた
め、図8(a)の耕深H(耕す深さ)が大きい場合で
も、図8(b)の耕深Hが小さい場合でも、複数の第1
・第2正転爪73…,74…の耕耘反力f1は、複数の
逆転爪78…の耕耘反力f2より大きい。従って、複数
の第1・第2正転爪73…,74…の耕耘反力f1の一
部を、複数の逆転爪78…の耕耘反力f2で効果的に打
ち消すので、その差の分が正・逆転爪73…,74…,
78…の耕耘反力の合力として残るだけである。その結
果、正逆転耕耘装置70は上向きの耕耘反力が比較的小
さいので、正・逆転爪73…,74…,78…が地中深
く喰い込み易い。従って、正・逆転爪73…,74…,
78…の回転径にかかわりなく耕深Hを大きくすること
ができる。このため、正・逆転爪73…,74…,78
…の回転径を小さくすることができるので、正逆転耕耘
装置70を軽量にできる。正逆転耕耘装置70が軽量に
なれば、作業車両1の牽引力を小さくできるので、作業
車両1を駆動力の小さい小型のものにできる。
【0033】また、正逆転耕耘装置70は合力としての
耕耘反力が小さいので、作業車両1の後輪4を持上げた
り、急な勢いで前進させる力が小さい。このため、軽量
の作業車両1の後部に取付けた正逆転耕耘装置70で、
安定して深掘り作業ができる。しかも、複数の第1・第
2正転爪73…,74…の耕耘反力f1が、複数の逆転
爪78…の耕耘反力f2より大きいので、その差の分だ
け作業車両1の牽引を補助することができる。このた
め、正逆転耕耘装置70の耕深Hが大きいことにより耕
耘抵抗が大きい場合であっても、牽引力の小さい軽量の
作業車両1の後部に取付けた正逆転耕耘装置70で、十
分に深掘り作業ができる。
【0034】このようなことから、作業車両1を小型且
つ軽量にできる。作業車両1が軽量であれば、畑などの
農耕地を踏み固めにくく、その結果、農作物の生育に悪
影響を与えることがない。また、正・逆転爪73…,7
4…,78…の回転径が小さい1種類の正逆転耕耘装置
70だけで、耕深の大小にかかわらず、耕耘可能であ
る。従って、軽量で牽引力の小さい作業車両1の後部に
取付けた正逆転耕耘装置70で、耕深Hの大小にかかわ
らず十分に耕耘できる。
【0035】更に、複数の第1・第2正転爪73…,7
4…の全有効耕耘幅S1が、左の複数の逆転爪78…の
全有効耕耘幅S2と、右の複数の逆転爪78…の全有効
耕耘幅S3との総和よりも大きいので、複数の第1・第
2正転爪73…,74…の耕耘反力f1を、複数の逆転
爪78…の耕耘反力f2より大きく設定するのに、正・
逆転爪73…,74…,78…の回転数や回転径を必要
以上に大きくしなくてもよい。回転数や回転径が大きく
ないので、第1・第2正転爪73…,74…の回転径を
小さくでき、その結果、正逆転耕耘装置70の所要駆動
力が小さくなり、エンジンを小型にできる。
【0036】次に、ロータリ式正逆転耕耘装置の耕深能
力を実験した結果を、図9に基づき説明する。図9は本
発明に係るロータリ式正逆転耕耘装置の耕深能力を示す
グラフであり、横軸を正・逆転爪の埋没率、縦軸を耕深
Hとしたものである。 但し、 正・逆転爪の回転径D=490(mm) 作業車両の前進速度(耕耘速度)V=0.54(k
m/h) 耕深H;ロータリ式正逆転耕耘装置で耕した深さ
(mm) 正・逆転爪の埋没率=(耕深H)/(正・逆転爪の
回転径D) この実験によると、次の結果が得られた。 (1)ロータリ式正逆転耕耘装置の回転数を98rpm
に設定した場合。 耕深Hは400mmであり、そのときの正・逆転爪の埋
没率は約0.82であった。 (2)ロータリ式正逆転耕耘装置の回転数を72rpm
に設定した場合。 耕深Hは340mmであり、そのときの正・逆転爪の埋
没率は約0.7であった。 このように、実験結果からも、耕深Hを大きくできるこ
とが判明した。
【0037】なお、上記本発明の実施の形態において、
作業車両1の動力源はエンジンに限定するものではな
く、例えば、モータでもよい。また、伝動機構40は正
逆転耕耘装置70の軸長手方向中央に配置した構成に限
定せず、例えば、軸長手方向端部に配置したものでもよ
い。更に、第1正転爪73及び第2正転爪74は全て同
一形状であってもよい。更にまた、第1・第2正転爪7
3…,74…及び逆転爪78…の個数は任意である。ま
た、変速機29の有無は任意である。
【0038】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、作業車両から伝動機構を介して駆動
力を受けて、互いに逆向きに回転する複数の正転爪並び
に複数の逆転爪を取付けた正逆転耕耘装置であって、正
転爪の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反力より大きく設定し
たものであることを特徴とする。
【0039】作業車両の前進時に車輪と同方向に回転す
る正転爪の耕耘反力の一部を、逆方向に回転する逆転爪
の耕耘反力で効果的に打ち消すので、その差の分が正・
逆転爪の耕耘反力の合力として残るだけである。その結
果、耕耘装置は上向きの耕耘反力が比較的小さいので、
正・逆転爪が地中深く喰い込み易い。従って、正・逆転
爪の回転径にかかわりなく耕深(耕す深さ)を大きくす
ることができる。このため、正・逆転爪の回転径を小さ
くすることができるので、耕耘装置を軽量にできる。耕
耘装置が軽量になれば、作業車両の牽引力を小さくでき
るので、作業車両を駆動力の小さい小型のものにでき
る。
【0040】また、耕耘装置は合力としての耕耘反力が
小さいので、作業車両の後輪を持上げたり、急な勢いで
前進させる力が小さい。このため、軽量の作業車両の後
部に取付けた耕耘装置で、安定して深掘り作業ができ
る。しかも、正転爪の耕耘反力が逆転爪の耕耘反力より
大きいので、その差の分だけ作業車両の牽引を補助する
ことができる。このため、耕耘装置の耕深が大きいこと
により耕耘抵抗が大きい場合であっても、牽引力の小さ
い軽量の作業車両の後部に取付けた耕耘装置で、十分に
深掘り作業ができる。
【0041】このようなことから、作業車両を小型且つ
軽量にできる。作業車両が軽量であれば、畑などの農耕
地を踏み固めにくく、その結果、農作物の生育に悪影響
を与えることがない。また、正・逆転爪の回転径が小さ
い1種類の耕耘装置だけで、耕深の大小にかかわらず、
耕耘可能である。従って、軽量で牽引力の小さい作業車
両の後部に取付けた耕耘装置で、耕深の大小にかかわら
ず十分に耕耘できる。
【0042】請求項2は、前記複数の正転爪の全有効耕
耘幅を、複数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定
することで、前記正転爪の回転数を、逆転爪の回転数と
略同一に設定したことを特徴とする。
【0043】複数の正転爪は全有効耕耘幅が、複数の逆
転爪の全有効耕耘幅よりも大きいので、耕耘作業能率も
高い。このため、正転爪の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反
力より大きく設定するのに、回転数を必要以上に大きく
しなくてもよい。回転数を小さくすることができるの
で、正転爪の回転径を小さくできる。その結果、耕耘装
置の所要駆動力が小さくなり、エンジン等の動力源を小
型にできる。
【0044】請求項3は、前記複数の正転爪の全有効耕
耘幅を、複数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定
することで、前記正転爪の回転径を、逆転爪の回転径と
略同一に設定したことを特徴とする。
【0045】複数の正転爪は全有効耕耘幅が、複数の逆
転爪の全有効耕耘幅よりも大きいので、耕耘作業能率も
高い。このため、正転爪の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反
力より大きく設定するのに、爪の回転径を必要以上に大
きくしなくてもよい。回転径が大きくないので耕耘装置
の所要駆動力が小さくなり、エンジン等の動力源を小型
にできる。
【0046】請求項4は、最深耕時に、前記伝動機構の
入力軸を作業車両の後輪車軸とほぼ同一レベルにしたを
特徴とする。
【0047】伝動機構の入力軸の位置が低過ぎると、耕
耘装置の耕深を大きくした場合に伝動機構のケースが地
面に当る。また、入力軸の位置が高過ぎると、ケースが
長くなる。これに対し、最深耕時に、入力軸を作業車両
の後輪車軸とほぼ同一レベルにしたので、耕耘装置の耕
深を大きくしても地面に当らず、適度な長さの小型のケ
ースにでき、このため、ケースを軽量にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る作業車両の側面図
【図2】本発明に係るヒッチ、変速機、伝動機構及びロ
ータリ式正逆転耕耘装置の側面図
【図3】本発明に係る伝動機構の縦断面図
【図4】本発明に係るロータリ式正逆転耕耘装置の断面
【図5】図4の5−5線図
【図6】図4の6−6線断面図
【図7】図4の7−7線断面図
【図8】本発明に係るロータリ式正逆転耕耘装置の作用
【図9】本発明に係るロータリ式正逆転耕耘装置の耕深
能力を示すグラフ
【符号の説明】
1…作業車両、29…変速機、40…伝動機構、70…
ロータリ式正逆転耕耘装置、73,74…正転爪(第1
・第2正転爪)、78…逆転爪、D1…第1・第2正転
爪の回転径、D2…逆転爪の回転径、S1…第1・第2正
転爪の全有効耕耘幅、S2,S3…左右の逆転爪の全有効
耕耘幅、f1…第1・第2正転爪の耕耘反力、f2…逆転
爪の耕耘反力。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業車両から伝動機構を介して駆動力を
    受けて、互いに逆向きに回転する複数の正転爪並びに複
    数の逆転爪を取付けた正逆転耕耘装置であって、正転爪
    の耕耘反力を、逆転爪の耕耘反力より大きく設定したも
    のであることを特徴とした正逆転耕耘装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の正転爪の全有効耕耘幅を、複
    数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定すること
    で、前記正転爪の回転数を、逆転爪の回転数と略同一に
    設定したことを特徴とする請求項1記載の正逆転耕耘装
    置。
  3. 【請求項3】 前記複数の正転爪の全有効耕耘幅を、複
    数の逆転爪の全有効耕耘幅よりも大きく設定すること
    で、前記正転爪の回転径を、逆転爪の回転径と略同一に
    設定したことを特徴とする請求項1記載の正逆転耕耘装
    置。
  4. 【請求項4】 最深耕時に、前記伝動機構は、その入力
    軸が作業車両の後輪車軸とほぼ同一レベルであることを
    特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の正逆
    転耕耘装置。
JP20746796A 1996-08-06 1996-08-06 正逆転耕耘装置 Pending JPH1042603A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010004764A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Sasaki Corporation 耕耘爪及び耕耘爪を有する耕耘砕土装置
CN102349390A (zh) * 2011-07-06 2012-02-15 华南农业大学 一种作物根茬挖掘收获机
CN106888585A (zh) * 2017-01-24 2017-06-27 南宁市武拖机械有限责任公司 一种翻地用拖拉机
JP2018174746A (ja) * 2017-04-06 2018-11-15 小橋工業株式会社 作業機
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