JP4537396B2 - 液圧式の動力かじ取り装置 - Google Patents

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Description

本発明は、請求項1の上位概念部に記載した特徴を備えたリアクション装置に関する。
この種の装置はDE19616439C1号明細書から公知である。この公知の装置では、サーボ弁装置の変位時に、制御可能な付加的な戻し力が自動車のステアリングコラム、ひいてはステアリングホイールに及ぼされる。このことは、ボール状のリアクションボディが、制御可能な液圧により、V字形の溝内に押し込まれることにより行われる。自動車の動力かじ取装置(Servolenkung)における実質的に操舵トルクなしの直進走行に相当する中間位置もしくは中立位置では、リアクションボディに対する液圧的な作用が企図されていない。原則的に、自動車の運転感覚のために決定されているこの中間位置は、サーボ弁装置のトーションバーの戻し力により規定される。上位概念を成す背景技術では、中間位置がトーションバーの剛性だけで十分に規定されていない場合、リアクションボディを外側から緊締する帯状ばねが、リアクションボディを溝内に機械的かつ弾性的に予圧するために設けられていることができる。サーボ弁装置に機械的なベース負荷(Grundlast)を中間位置で形成するこの解決策は、実際の使用で満足のいくものではない。それゆえ、上位概念を成す背景技術では、予圧された一方向弁がリアクションボディに対して液圧的に並列に配置されることにより、液圧的なベース負荷を形成することが提案される。この装置はリアクション装置の内室と外室との間の圧力差を生ぜしめる。この解決策は一定の圧送流を有する液圧ポンプを備えた動力かじ取装置のために企図されており、可変制御される圧送流を有する液圧ポンプでは使用不能である。それというのも、リアクションが圧送流により変化してしまうからである。
別のリアクション装置はUS5046573号明細書、US5070958号明細書およびUS5517899号明細書から公知である。これらの装置では、リアクションモーメントの形成が、回転スプール弁の軸方向で延在していて、その中にリアクションボディが液圧的に軸方向で押し込まれるプロファイルにより実施される。最初に挙げた2つの明細書では、ベース負荷がコイルばねと、吐出(高圧)側の外室と低圧側の内室との間に配置された摺動片とにより印可される。その際、摺動片は浮動式のピストンとして構成されている。ピストンは軸方向で可動であり、一端でリアクションボディに当て付けられており、他端でコイルばねに当て付けられている。その際、コイルばねの力は、摺動片、ひいてはリアクション装置に作用する液圧的な力に合算される。液圧的なベース負荷は企図されていない。サーボ弁装置に機械的なベース負荷を中間位置で形成するこの解決策も、実際の使用で満足のいくものではない。
それゆえ、本発明の課題は、公知のリアクション装置を改良して、圧送流が変化しても、開ループ制御可能または閉ループ制御可能なベース負荷を形成することができるようにすることである。
上記課題は、請求項1の特徴部に記載した特徴を備えたリアクション装置により解決される。
少なくとも1つの弁手段が液圧的にリアクション装置に直列に配置されているので、サーボ弁の中間位置における液圧的なベース負荷は、その大きさに関して、サーボポンプの圧送体積とは無関係に形成されることができる。
有利には、弁手段が、電気的に制御される比例弁である。それというのも、このことにより、ベース負荷が制御部により調節されることができるからである。
弁が円筒形のハウジングを有しており、該ハウジングが弁部材、弁座ならびにコイルばねを包囲しており、かつ流体通路を有していることができる。それにより、弁は別個の構成部分として前製作され、装入されることができる。
有利と考えられる操舵特性は、少なくとも2つの流体通路が設けられており、該流体通路が、外室と内室との間の圧力差の増大時に、相前後して開放されると得られる。
乗用車のかじ取装置のための有利なパラメータは、圧力差がサーボ弁の中間位置の範囲で約5バール〜約10バール、ただし少なくとも2バールであるときに提示される。その際、2l/min〜9l/minの圧送流において、あらゆる圧力差が上記の範囲内で達成可能であるべきである。
以下に本発明の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1:背景技術によるサーボ弁装置の、長手方向での断面図である。
図2:図1に示したサーボ弁装置の、線II−IIに沿った断面図である。
図3:本発明によるサーボ弁装置のための液圧回路図である。
図4:逆止弁が回転スプール弁の供給管路に配置されている回路図である。
図5:逆止弁が、絞りを介して流入するパイロット制御弁に代替されている、図4に相当する液圧回路図である。
図6:電気的に制御されるパイロット制御弁を備えた、図4および図5に相当する液圧回路図である。
図1は、上位概念を成す背景技術に基づくサーボ弁装置の、長手方向軸線に沿った断面を示す。回転スプール1は同軸的に制御ブシュ2により包囲される。制御ブシュ2は暗示した弁ハウジング3内で回転可能に支承されている。回転スプール1および制御ブシュ2はトーションバー4のばね力に抗して制限的に互いに相対的に回動させられる。その際、互いに協働する、回転スプール1もしくは制御ブシュ2に配置された軸方向の制御エッジ5は互いに相対的に調節される。このことは自体公知の形式で、液圧アクチュエータの2つのポートの間で圧力差が発生することを生ぜしめる。この圧力差は動力かじ取装置の、アシストする補助操舵力を成す。
回転スプール1は図1で見てシール6の下側に、横断面で見てV字形の溝7を備えた軸区分8を有している。軸区分8は第2のブシュ区分10により包囲されている。ブシュ区分10は、回転スプール1を中心に回転対称に配置された計6つの貫通孔11を有している。貫通孔11内には部分的にリアクションボディ12が配置されている。孔11のうちの1つには弁13が配置されている。この領域を図2により詳細に示す。
図2は、図1の線II−IIに沿った拡大断面を示す。
弁13は回転対称の円筒形のハウジング14を有している。ハウジング14には弁座15が一体的に形成されている。可動な弁部材16はコイルばね17により弁座15に押し付けられる。コイルばね17はさらに受け18に支持されている。受け18はハウジング14に固く結合されており、流体通路19を支持している。
弁13はリアクションボディ12と相俟って液圧的な外室21を液圧的な内室22から隔離する。
運転中、図示されていない液圧ポンプの吐出側の、やはり図示されていない制御部を介して、運転圧が外室21に提供される。運転圧はリアクションボディ12に作用する。外室21と内室22との間で発生する圧力差は、リアクションボディ12の断面積および溝7の構成と相俟って、回転スプール弁の、図示の中間位置からの変位時に、戻し力を生ぜしめる。図2に示した中間位置で、圧力差は保持力を生ぜしめる。それというのも、すべてのリアクションボディ12が溝7のその都度の両側面に当て付けられており、回転スプール1を制御ブシュ2に対して回動させようとすれば、この液圧的な力に抗して作業しなければならないからである。
図3は、サーボ弁に対して並列に接続された弁装置を備えた本発明による動力かじ取装置の液圧回路図を概略的に示す。ここで初めて図示された液圧ポンプ30は第1の液圧管路31を介して回転スプール弁(ロータリ弁)1にフィードする。回転スプール弁1はさらに供給管路32,33を介して動力かじ取装置34の作業室に接続されている。戻り管路35は、回転スプール弁1を実質的に無圧で後にする液圧媒体を、貯蔵容器36に戻し案内する。
やはり直接的に液圧ポンプ30によりフィードされる第2の液圧管路37は液圧媒体を、そこにかかっている圧力を伴って、図3で見て右側に示した弁装置に圧送する。この弁装置はカットオフ制御スプール38を有している。カットオフ制御スプール38は絞り孔39ならびにカットオフ弁40を有している。そこから、液圧媒体は比例弁41を通して導かれ、そこでリアクションボディ12と、リアクションボディ12に対して並列に、弁13とに到達する。弁13はここでは点線で全体的に囲まれている。弁13の個々の構成エレメントは概略的に示されている。弁13は、既に上で説明したように、弁ハウジング14と、弁座15と、可動な弁部材16と、コイルばね17と、流動方向で弁座15に接続する流体通路19とを有している。
ボール12とV字形の溝7とを備えたリアクション装置ならびに弁13の無圧の側は貯蔵容器36に通じている。
この装置では、既に上で説明したように、液圧的なベース負荷が、液圧ポンプ37の一次圧がリアクションボディ12に提供され、かつそのレベルが弁13により制限されることにより生ぜしめられる。絞り孔39とカットオフ弁40とを備えたカットオフ制御スプール38は、液圧ポンプ30の圧力が大きくなり過ぎると、リアクションボディ12に作用する液圧の遮断を提供する。その際、カットオフ圧はカットオフ弁40のばね定数および絞り孔39の大きさにより選択可能である。比例弁41は、電気的に戻し力の大きさを制御するために適している。
図4は別の実施形態の液圧回路図を示す。同一の符号は同一の構成エレメントを示す。
この実施形態では、弁13が液圧管路31内に、ポンプ30と回転スプール弁1との間に接続されている。
回転スプール弁1はオープンセンタを有する弁であるので、液圧媒体の連続的な流れが回転スプール弁1を通して管路31から管路35に、ひいては貯蔵容器36に流動する。弁13は吐出側、すなわち弁13の手前で液圧が形成されることを生ぜしめる。この液圧は液圧管路37にかかる。液圧管路37は、既に上で説明したように、カットオフ制御スプール38および比例弁41に通じている。カットオフ制御スプール38および比例弁41は圧力制限もしくはリアクションボディ12に作用する圧力の大きさのために設けられている。リアクションボディ12およびそのV字形の作業溝7に対して並列に絞り孔44が設けられている。この絞り孔はリアクションボディ12に対して並列な連続的な液圧流を提供する。こうして、所定の漏れ流が生ぜしめられる。この漏れ流は、貫通孔11内に位置するリアクションボディ12の嵌合における、その液圧的な作用に関する公差を取り除く。
図5は、やはり図4と類似の液圧回路図を示す。この実施形態では、弁13が、液圧的にパイロット制御される圧力制御弁として構成されている。弁13の断面は、貫通孔45の手前にかかっている液圧を介して、パイロット制御弁46を介して制御される。図5に示した装置の機能は図4に示した装置の機能に相当する。ただし、液圧管路37内の一定の初期圧は、回転スプール弁1を通る可能な通流量の、図4に示した事例よりも大きな範囲で保証されている。
別の改善された実施形態が図6に示されている。図6に示した実施形態では、弁13が、電気的にパイロット制御される圧力制御弁として構成されている。電気的に起動制御可能な比例弁47は、液圧管路37内をポンプ30から到来する一次的な圧力を調節する。一次的な圧力はパイロット制御弁46の制御側に作用する。こうして、電気的な比例弁36を介して、液圧管路37内の圧力、ひいては弁装置38の手前の圧力が制御可能である。これにより、動力かじ取装置の戻し力は自動車の運転状態に応じて制御されることができる。図示されていない電子ユニットの相応の構成時、ドライバによる戻し力の高さの選択も行われることができる。相応に接続された動力かじ取装置がドライバに伝える「運転感覚」は調節可能かつ選択可能である。
さらに、図4〜図6に示した液圧的なレイアウトは、リアクションボディ12および回転スプールを介したステアリングホイールへのリアクションを開ループ制御または閉ループ制御する、より詳細に言えば、液圧ポンプ30の圧送出力にほぼ依存することなく制御することを可能にする。従来慣用のオープンセンタ式かじ取装置では実質的に一定のポンプの出力は、図4〜図6に示したかじ取装置では必要に応じて、戻しモーメントを不都合に低下させることなく制御されることができる。ポンプ30のそのような出力制御は燃料消費の低下のために、直進走行時にサーボアシストが不要であるか、または僅かに必要であるにすぎないときに有利である。ただし、リアクションはまさにその際に特に大きくあるべきである。このことは図4〜図6に示した弁装置により可能となる。
本発明に応じて構成されたリアクション装置を装備した動力かじ取装置は、実際の使用に際し、制御される液圧ポンプの使用時にも有利な運転感覚を伝える。
このリアクション装置は特に、冒頭で背景技術として挙げた動力かじ取装置においても使用可能である。
背景技術によるサーボ弁装置の、長手方向での断面図である。 図1に示したサーボ弁装置の、線II−IIに沿った断面図である。 本発明によるサーボ弁装置のための液圧回路図である。 逆止弁が回転スプール弁の供給管路に配置されている回路図である。 逆止弁が、絞りを介して流入するパイロット制御弁に代替されている、図4に相当する液圧回路図である。 電気的に制御されるパイロット制御弁を備えた、図4および図5に相当する液圧回路図である。

Claims (11)

  1. 圧式の動力かじ取装置であって、液圧式のサーボ弁装置とリアクション装置とポンプ(30)とが設けられており、前記サーボ弁装置が、弁ハウジング(3)、該弁ハウジング(3)内に支承される制御ブシュ(2)、及び該制御ブシュ(2)内に配置され、該制御ブシュ(2)に対して相対回動可能な回転スプール(1)を備え、前記リアクション装置が、非操舵位置としての位置への戻しモーメントを液圧的に生ぜしめるための手段を有しており、該手段が、前記回転スプール(1)に設けられた溝(7)、及び該溝(7)に係合可能なリアクションボディ(12)を備え、戻しモーメントを前記弁ハウジング(3)と前記制御ブシュ(2)との間に形成される外室(21)、前記制御ブシュ(2)と前記回転スプール(1)との間に形成される内室(22)との間の圧力差に依存して生ぜしめるようになっており、かつ前記サーボ弁装置の中位置での圧力負荷時に前記圧力差を生ぜしめる少なくとも1つの弁手段(13)が設けられており、該少なくとも1つの弁手段(13)が前記リアクション装置に対して並列に配置されている形式のものにおいて、前記少なくとも1つの弁手段(13)が液圧的に前記サーボ弁装置に直列に、前記ポンプ(30)と前記サーボ弁装置との間に配置されていることを特徴とする液圧式の動力かじ取装置
  2. 前記戻しモーメントを生ぜしめるための手段が、前記回転スプール(1)側の溝(7)と、前記制御ブシュ(2)側のブシュ区分(10)とを有しており、該ブシュ区分(10)が前記外室(21)前記内室(22)から隔離し、かつ前記リアクションボディ(12)のための半径方向ガイドを有しており、該リアクションボディ(12)が、半径方向で前記外室(21)から作用する液圧の下、中位置からのサーボ弁装置の変位時に、リアクショントルクを得るために前記(7)内に押し込まれることができる、請求項1記載の液圧式の動力かじ取装置
  3. 前記弁手段(13)が、電気的に制御される比例弁である、請求項1または2記載の液圧式の動力かじ取装置
  4. 前記弁手段(13)が円筒形のハウジング(14)を有しており、該ハウジング(14)が弁部材(15)、弁座(16)ならびにコイルばね(17)を包囲しており、かつ流体通路(19)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の液圧式の動力かじ取装置
  5. 前記圧力差が運転中サーボ弁装置の中位置で少なくとも2バールである、請求項1からまでのいずれか1項記載の液圧式の動力かじ取装置
  6. 前記圧力差が5バール〜10バールである、請求項5記載の液圧式の動力かじ取装置。
  7. 前記弁手段(13)が、液圧的にパイロット制御される圧力制御弁(45,46)である、請求項1または2記載の液圧式の動力かじ取装置
  8. 前記弁手段(13)が、電気的にパイロット制御される圧力制御弁(46,47)である、請求項1または2記載の液圧式の動力かじ取装置
  9. 前記リアクションボディ(12)の上流に、圧力制限手段(38〜40)が接続されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の液圧式の動力かじ取装置
  10. 前記圧力制御手段(38〜40)がカットオフ制御スプールである、請求項9記載の液圧式の動力かじ取装置。
  11. 前記リアクションボディ(12)の上流に、電気的に起動制御可能な比例弁(41)が接続されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の液圧式の動力かじ取装置
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